特許第5965357号(P5965357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三原村森林組合の特許一覧

<>
  • 特許5965357-害獣捕獲装置 図000002
  • 特許5965357-害獣捕獲装置 図000003
  • 特許5965357-害獣捕獲装置 図000004
  • 特許5965357-害獣捕獲装置 図000005
  • 特許5965357-害獣捕獲装置 図000006
  • 特許5965357-害獣捕獲装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965357
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】害獣捕獲装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 23/34 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   A01M23/34
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-115535(P2013-115535)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-233221(P2014-233221A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2015年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】512246732
【氏名又は名称】三原村森林組合
(74)【代理人】
【識別番号】100129207
【弁理士】
【氏名又は名称】中越 貴宣
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 洋
【審査官】 木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−021974(JP,U)
【文献】 特開平05−064536(JP,A)
【文献】 特開2002−238433(JP,A)
【文献】 特開昭52−102171(JP,A)
【文献】 実開平03−076478(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3118910(JP,U)
【文献】 特開平11−127760(JP,A)
【文献】 特開平09−149754(JP,A)
【文献】 特開昭54−010173(JP,A)
【文献】 特開2002−300842(JP,A)
【文献】 特開2009−254362(JP,A)
【文献】 特開平09−322696(JP,A)
【文献】 特開2008−173016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 23/00−23/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に設けた穴の開口部に覆設される少なくとも1以上の平板状の抜け止め部材と、
一端側に、前記抜け止め部材の外周縁に沿って環状をなす罠部を備え、他端側が被連結物に連結されるワイヤー部材と、
を含んで構成され、
前記抜け止め部材に、該抜け止め部材の中心部から外周縁方向に複数の切り込みを設けることによって複数の分割片が形成され
前記複数の分割片における前記抜け止め部材の中心部側が下方に向かって湾曲していることを特徴とする害獣捕獲装置。
【請求項2】
前記穴に埋設される筒状部材を備え、該筒状部材の周縁部に前記抜け止め部材が係止されることを特徴とする請求項1に記載の害獣捕獲装置。
【請求項3】
2以上の前記抜け止め部材が上下方向に隙間を空けて配設され、上側の前記抜け止め部材と下側の前記抜け止め部材とが各々備える前記切り込みの位置を上下でずらしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の害獣捕獲装置。
【請求項4】
前記抜け止め部材の下方に支持板を備えることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の害獣捕獲装置。
【請求項5】
前記ワイヤー部材が、前記罠部の近傍で分割され、分割された前記ワイヤー部材の連結部に地面固定具を備えることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の害獣捕獲装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猪や鹿等の害獣を捕獲するための害獣捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、猪や鹿等の害獣による農作物や森林への被害が深刻となっている。また、人が害獣に襲われる場合も少なくなく、害獣対策が急務となっている。
【0003】
この害獣対策として、従来は、コイルばねの弾性力を利用したくくり罠が多用されてきた。ワイヤーの先端を環状にして罠部を形成し、この罠部内に設置した何らかの獣足検出手段により獣足を検出することによって、コイルばねの弾性力により罠部を縮径し、獣足をくくり上げるというものである。
【0004】
また、比較的設置が容易な害獣用の捕獲装置も種々開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。特許文献1に係る獣足くくり罠用仕掛筒装置は、獣の踏み込み足が入る上開口を有し、地中に埋め込んで仕掛ける仕掛筒を用いた獣足くくり罠用仕掛筒装置であって、前記仕掛筒の内部に、その筒内に嵌った獣足の荷重が加わる獣足検出線を複数本、隣接する線同士を離して掛け渡し、その各獣足検出線の先端を仕掛筒の前側壁に夫々固定し、更に獣足検出線の後端部を仕掛筒の後側壁に設けた対応する貫通穴を夫々挿通させて外部に引き出し、その各後端付近をまとめて結合し、その後端結合部にくくり罠本体の先端部に設けたくくり部のくくり動作開始用トリガ部材を備え付けることを特徴としている。獣足をくくり上げるための罠部の構造を簡単にし、設置及び管理の容易化を図っている。
【0005】
また、特許文献2に係る動物捕獲器は、帯状の捕獲ベルトをループ状に曲げて形成した罠部と、罠部が縮径する方向に移動可能な捕獲ベルト結束部と、罠部に張られた捕獲ネットとを備えており、害獣を傷つけることなく捕獲でき、設置後の管理も容易なものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−173016号公報
【特許文献2】特開平9−322696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のくくり罠は、使用されるコイルばねの弾性力が強力なため、くくり罠の設置作業は非常に大変であり、危険を伴うものであった。特に、くくり罠の設置場所が山の斜面等の場合、足場が悪いため設置作業は困難を極めた。
【0008】
また、特許文献1に係る獣足くくり罠用仕掛筒装置において、罠部の設置については容易化が図られているが、従来のくくり罠と同様、コイルばねの弾性力により罠部を縮径し、獣足をくくり上げるというものであるため、従来のくくり罠が抱える問題の解決には至っていない。
【0009】
更に、特許文献2に係る動物捕獲器によると、コイルばねの弾性力を利用するものではないため、従来のくくり罠に比べて設置時等における安全性は高いと思料するが、その反面、獣足を捕捉できない可能性もあり得る。つまり、従来のくくり罠や特許文献1に係る獣足くくり罠用仕掛筒装置のように弾性力を利用して瞬時に獣足を捕捉するものではないため、捕獲ベルトでくくり上げる前に獣足が抜けてしまう可能性がある。
【0010】
また、何れの装置も、犬や猫といった捕獲対象以外の動物を誤って捕獲する虞があり、捕獲対象の害獣のみを高確率で捕獲できる捕獲装置が望まれていた。
【0011】
そこで本願発明者は、上記の問題点に鑑み、コイルばね等の弾性力を不要とすることによって設置時の安全性を高め、且つ装置自体の構成を単純にすることによって設置作業の容易化を図り、更に捕獲対象の害獣のみを高確率で捕獲できる害獣捕獲装置を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
即ち、本発明の害獣捕獲装置は、地面に設けた穴の開口部に覆設される少なくとも1以上の平板状の抜け止め部材と、一端側に、前記抜け止め部材の外周縁に沿って環状をなす罠部を備え、他端側が被連結物に連結されるワイヤー部材とを含んで構成され、前記抜け止め部材に、該抜け止め部材の中心部から外周縁方向に複数の切り込みを設けることによって複数の分割片が形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の害獣捕獲装置において、前記穴に埋設される筒状部材を備え、該筒状部材の周縁部に前記抜け止め部材が係止されることを特徴とする。
【0014】
更に、本発明の害獣捕獲装置において、前記複数の分割片における前記抜け止め部材の中心部側が下方に向かって湾曲していることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の害獣捕獲装置において、2以上の前記抜け止め部材が上下方向に隙間を空けて配設され、上側の前記抜け止め部材と下側の前記抜け止め部材とが各々備える前記切り込みの位置を上下でずらしてあることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の害獣捕獲装置において、前記抜け止め部材の下方に支持板を備えることを特徴とする。
【0017】
更にまた、本発明の害獣捕獲装置において、前記ワイヤー部材が、前記罠部の近傍で分割され、分割された前記ワイヤー部材の連結部に地面固定具を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の害獣捕獲装置によると、コイルばね等の弾性力を不要とすることによって設置時の安全性を高め、且つ装置自体の構成を単純にすることによって設置作業の容易化が図られる。特に、抜け止め部材を配設することによって、弾性力で瞬時に獣足をくくり上げなくても罠部から獣足が抜けてしまう虞がなく、弾性力を不要とする害獣捕獲装置を提供することが可能となる。
【0019】
また、本発明の害獣捕獲装置に係る複数の分割片において、抜け止め部材の中心部側を下方に向かって湾曲させることによって、獣足を積極的且つスムーズに抜け止め部材の中心部へと誘導することができ、より確実に獣足を捕捉することが可能となる。
【0020】
更に、本発明の害獣捕獲装置に係る抜け止め部材を2以上、上下方向に隙間を空けた状態で配設し、上側の抜け止め部材と下側の抜け止め部材とが各々備える切り込みの位置を上下でずらすことによって、抜け止め部材に形成された分割片が良好にしなって獣足を捕捉すると共に、抜け止め部材を獣足から更に抜け難くすることができる。
【0021】
また、本発明の害獣捕獲装置に係る抜け止め部材の下方に支持板を備えることによって、犬や猫といった捕獲対象以外の動物を誤って捕獲する虞をなくし、捕獲対象の害獣のみを高確率で捕獲できると共に、穴内への土砂の侵入も防止することができる。
【0022】
更にまた、本発明の害獣捕獲装置に係るワイヤー部材を罠部の近傍で分割し、分割したワイヤー部材の連結部に地面固定具を配設することによって、獣足を捕捉した後、できるだけ速やかに罠部を縮径することが可能となり、害獣をより確実に捕獲することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の害獣捕獲装置の一実施形態を示す斜視説明図である。
図2図1に示した害獣捕獲装置の要部平面図である。
図3図2中、A−A線断面図である。
図4図2に示した害獣捕獲装置において、(a)は上側の抜け止め部材の平面図、(b)は下側の抜け止め部材の平面図、(c)は支持板の平面図である。
図5】(a)は本発明の害獣捕獲装置の他の実施形態を示す要部平面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
図6】(a)は本発明の害獣捕獲装置の更に他の実施形態を示す要部平面図、(b)は(a)におけるC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の害獣捕獲装置の実施形態について、図面に基づいて詳述する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係る害獣捕獲装置10の斜視説明図、図2図1に示した害獣捕獲装置10の要部平面図、図3図2に示した害獣捕獲装置10のA−A線断面図、図4図2に示した害獣捕獲装置10を構成する主要部材の平面図である。まず図1に示すように、本実施形態の害獣捕獲装置10は、地面に設けた穴に埋設される筒状部材12と、筒状部材12の周縁部に係止される2枚の平板状の抜け止め部材14,16と、一端側に、抜け止め部材14の外周縁に沿って環状をなす罠部18を備え、他端側が被連結物20(本実施形態では樹木)に連結されるワイヤー部材22とを含んで構成されている。
【0026】
本実施形態に係る上側に位置する抜け止め部材14には、図2及び図4(a)に示すように、抜け止め部材14の中心部14aから外周縁14b方向に複数の切り込み24を放射状に設けることによって、略三角形状をなす複数の分割片25が形成されている。
【0027】
また、図4(b)に示すように、本実施形態に係る下側に位置する抜け止め部材16にも、抜け止め部材14と同様に、抜け止め部材16の中心部16aから外周縁16b方向に複数の切り込み26を設けることによって複数の分割片27が形成されている。
【0028】
更に、これらの抜け止め部材14,16に係る複数の分割片25,27は、図3に示すように、抜け止め部材14,16の中心部14a,16a側、換言すれば分割片25,27の先端側が、下方に向かって湾曲している。従って、抜け止め部材14,16の中心部14a,16aには開口が形成されることとなる。
【0029】
そして、図2及び図3に示すように、抜け止め部材14,16は、上側に位置する抜け止め部材14の切り込み24を設けた位置と、下側に位置する抜け止め部材16の切り込み26を設けた位置とを上下でずらした状態で、抜け止め部材14,16間に隙間を空けた上で筒状部材12の周縁部に備える段部28によって係止されている。なお、抜け止め部材14,16間に隙間を空ける方法は特に限定されず、例えば図3に示すように、抜け止め部材14,16間にスペーサー19を介在させることによって、容易に抜け止め部材14,16間に所望の隙間を空けることができる。
【0030】
更に、本実施形態の害獣捕獲装置10では、下側に位置する抜け止め部材16の下方に支持板30が配設されており、筒状部材12の周縁部に備える段部31によって係止されている。支持板30の形状は特に限定されないが、図2及び図4(c)に示すように、抜け止め部材14,16の中心部14a,16aに形成される開口を塞ぐことができれば、段部31によって係止される部分は少ない方が好ましい。
【0031】
本実施形態に係るワイヤー部材22には、図2及び図3に示すように、その一端側に抜け止め部材14の外周縁に沿って環状をなす罠部18が形成されている。一端側の端部には、罠部18が縮径する方向にのみワイヤー部材22が移動できるような機構を備える公知のワイヤー挿通具32が取り付けられており、ワイヤー挿通具32が備える挿通部33にワイヤー部材22の他端側を挿通することによって環状の罠部18を形成している。また、抜け止め部材14の周縁部上面には、ワイヤー部材22を係止するための係止具34が幾つか配設されており、この複数の係止具34にワイヤー部材22を係止することによって、抜け止め部材14の外周縁に沿って形成される罠部18の環状を維持している。なお、罠部18の径は、抜け止め部材14の外周縁の径より小さくなるように設定されている。
【0032】
更に、ワイヤー部材22は、罠部18の近傍で分割され、分割されたワイヤー部材22の連結部35に地面固定具36を備えている。
【0033】
以上の構成から成る本実施形態の害獣捕獲装置10によると、以下の要領で害獣を捕獲することができる。まず、害獣捕獲装置10の設置は、設置箇所に所定の穴を掘り、筒状部材12を埋設する。そして、筒状部材12内の段部31によって支持板30を係止し、その上に下側の抜け止め部材16、スペーサー19、上側の抜け止め部材14の順で、抜け止め部材14,16が備える切り込み24,26の位置をずらした状態で、筒状部材12内の段部28により抜け止め部材16,14を係止する。最後に、ワイヤー部材22の一端側に形成した環状の罠部18を抜け止め部材14が備える係止具34に係止させ、罠部18の近傍の地面に地面固定具36を固定し、他端側を被連結物20である樹木に連結することによって害獣捕獲装置10の設置作業は完了である。
【0034】
そして、捕獲対象となる害獣の獣足が罠部18内の抜け止め部材14上に載ると、湾曲した分割片25によって獣足を積極的に抜け止め部材14の中心部14a方向へと誘導する。支持板30は害獣の自重によって段部31との係止状態が解除され、筒状部材12内へと落下し、それと同時に獣足も筒状部材12内へ落ちる。この時点で、獣足には環状の罠部18、2枚の抜け止め部材14,16が上からこの順で嵌っている。従って、害獣が逃げようとしてワイヤー部材22を引っ張ると、罠部18は縮径して更に逃げることが不可能となる。また、罠部18の径より抜け止め部材14,16の径が大きいため、従来であれば獣足が罠部18から抜け出してしまうような場合でも、抜け止め部材14,16が罠部18の抜け止めとして機能するため、罠部18から獣足が抜け出ることを有効に防止できる。
【0035】
また、害獣に比べて体重が比較的軽い犬や猫等の動物が抜け止め部材14上に誤って載った場合は、支持板30によって犬等の足が筒状部材12内に落ちることを防止できる。つまり、捕獲対象以外の動物を誤って捕獲する虞をなくし、捕獲対象の害獣のみを高確率で捕獲できる。
【0036】
以上のように、本発明の実施形態に係る害獣捕獲装置10によると、設置作業が非常に簡単であり、また従来のようにコイルばね等の弾性力を不要とすることができるため、設置時の安全性を高めることができる。特に、抜け止め部材14,16を配設することによって、弾性力で瞬時に獣足をくくり上げなくても罠部18から獣足が抜けてしまう虞がなく、弾性力を不要とする害獣捕獲装置10を提供することができる。
【0037】
また、抜け止め部材14,16を上下方向に隙間を空けて配設し、抜け止め部材14,16に係る切り込み24,26の位置を上下でずらして配設することによって、抜け止め部材14,16に形成された分割片25,27が良好にしなって獣足を捕捉すると共に、抜け止め部材14,16を獣足から更に抜け難くすることができる。。
【0038】
更に、抜け止め部材14,16の下方に支持板30を配設することによって、捕獲対象以外の動物を誤って捕獲する虞をなくし、捕獲対象の害獣のみを高確率で捕獲できると共に抜け止め部材14,16の中心部14a,16aに形成される開口を塞ぐことができるため、筒状部材12内への土砂の侵入も防止することができる。
【0039】
また、ワイヤー部材22を罠部18の近傍で分割し、分割したワイヤー部材22の連結部35に地面固定具36を配設することによって、獣足を捕捉した後、できるだけ速やかに罠部を縮径することが可能となり、害獣をより確実に捕獲することが可能となる。
【0040】
以上に例示した本発明の実施形態に係る害獣捕獲装置10は、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。つまり、本発明の一実施形態に係る害獣捕獲装置10は、地面に設けた穴に埋設される筒状部材12を含んで構成され、筒状部材12の周縁部に抜け止め部材14,16及び支持板30を係止していたが、例えば、地面に設けた穴の開口部を覆って抜け止め部材を配設することが可能であれば、本発明の害獣捕獲装置において筒状部材を必ずしも備えておく必要は無い。抜け止め部材の形状に合わせて穴を設け、この穴の開口部周縁に抜け止め部材等を係止させることによって、筒状部材が無くても、害獣を捕獲することができる。
【0041】
また、例えば図5に示す本発明の他の実施形態に係る害獣捕獲装置10aのように、少なくとも抜け止め部材14を1枚備えていれば、抜け止め部材16や支持板30を必ずしも備えておく必要は無い。この害獣捕獲装置10aによっても、罠部18からの獣足の抜け出しを抜け止め部材14によって防止することができる。
【0042】
また、本発明の害獣捕獲装置に係る抜け止め部材の態様も上述した態様に限定されず、例えば図6に示す本発明の更に他の実施形態に係る害獣捕獲装置10bのように、抜け止め部材17に係る切り込み37が、抜け止め部材14,16に係る放射状の切り込み24,26と異なり、抜け止め部材17の中心部17aから外周縁17b方向に向かって直線的に形成され、角形をなす分割片38が形成されてもよい。更に、この分割片38の先端部を下方に向かって湾曲させることによって、獣足を積極的且つスムーズに筒状部材12内へと誘導することができる。
【0043】
更に、本発明の害獣捕獲装置に係る筒状部材及び抜け止め部材の外形は円形に限定されず、多角形や楕円形等であってもよく、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。
【符号の説明】
【0044】
10,10a,10b:害獣捕獲装置
12:筒状部材
14,16,17:抜け止め部材
14a,16a,17a:抜け止め部材の中心部
14b,16b,17b:抜け止め部材の外周縁
18:罠部
19:スペーサー
20:被連結物
22:ワイヤー部材
24,26,37:切り込み
25,27,38:分割片
28,31:段部
30:支持板
32:ワイヤー挿通具
33:挿通部
34:係止具
35:連結部
36:地面固定具
図4
図5
図6
図1
図2
図3