特許第5965373号(P5965373)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965373
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   H01R13/52 302E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-195749(P2013-195749)
(22)【出願日】2013年9月20日
(65)【公開番号】特開2015-60809(P2015-60809A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2014年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】相田 達也
【審査官】 楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−324627(JP,A)
【文献】 特開2013−101760(JP,A)
【文献】 特開2004−164958(JP,A)
【文献】 特開2005−235443(JP,A)
【文献】 特開2012−156000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40〜13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたモータに電線を電気的に接続するためのコネクタであって、
前記電線の一端部に取り付けられるコネクタ本体部と、
前記コネクタ本体部を保持した状態において前記モータに固定されるブラケットと、
前記電線を保持した状態において前記コネクタ本体部を覆うように前記ブラケットに被せられて前記モータに固定されるカバーと、
を備え、
前記ブラケットは、平板状のブラケット基部と、所定の方向に前記ブラケット基部から突出して設けられ前記コネクタ本体部を保持する保持部と、を含み、
前記カバーは、前記ブラケット基部に沿って延在するカバー基部と、前記所定の方向に前記カバー基部から突出して設けられ前記コネクタ本体部及び前記保持部を覆うカバー本体部と、前記カバー基部の外縁から前記所定の方向と反対方向に突出して設けられた側壁部と、を含み、
前記側壁部は、前記ブラケット基部の外側面よりも外側に位置し、且つ、前記所定の方向に交差する方向からみて前記ブラケット基部の外側面に重複している、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記カバーは、前記電線を覆うように前記ブラケットに固定される金属製の編組線をさらに覆うように前記ブラケットに被せられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記カバーは、前記電線を覆う保護材を保持する保護材保持部と、前記保護材から露出した状態の前記電線を保持する電線保持部と、を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ブラケット及び前記カバーは、共通の固定部材によって前記モータに固定される、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたモータに電線を接続するためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハイブリッド車両を駆動するモータとインバータとを接続するワイヤハーネスに採用されるコネクタが記載されている。このコネクタは、ワイヤハーネスの電線の一端部に設けられるオス側コネクタ部を有している。オス側コネクタ部は、3本のオス端子と、該3本のオス端子を保持する第1本体部と、オス端子及び第1本体部を収納する第1ターミナルハウジング部とからなる。オス端子の一端部は、メス端子を介して電線に接続される。オス端子の他端部は、インバータ側に接続される機器側オス端子に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−301856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したようなコネクタにおいては、例えば車両走行時におけるモータの振動の態様とインバータの振動の態様とが互いに異なることに起因して、双方に接続された電線に対して繰り返し屈伸が生じることがある。その場合には、インバータ(或いはモータ)側に接続される機器側オス端子に振動が生じる結果、機器側オス端子やその受け部に摩耗が発生し、信頼性が損なわれるおそれがある。また、モータ及びインバータが車室外に配置されているため、オス端子を保持する第1本体部が被水し、信頼性が損なわれるおそれがある。
【0005】
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、信頼性を向上可能なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るコネクタは、車両に搭載されたモータに電線を電気的に接続するためのコネクタであって、電線の一端部に取り付けられるコネクタ本体部と、コネクタ本体部を保持した状態においてモータに固定されるブラケットと、電線を保持した状態においてコネクタ本体部を覆うようにブラケットに被せられてモータに固定されるカバーと、を備えることを特徴とする。
【0007】
このコネクタにおいては、コネクタ本体部が、電線の一端部に取り付けられてブラケットに保持される。ブラケットは、コネクタ本体部を保持した状態において、モータに固定される。そして、カバーが、ブラケットに保持されたコネクタ本体部を覆うように、ブラケットに被されている。このため、コネクタ本体部が被水することが抑制される。一方、カバーが、電線を保持した状態においてモータに固定される。このため、モータと電線とが別個に振動して電線に屈伸が生じることが避けられる。以上により、このコネクタによれば、信頼性が向上される。
【0008】
本発明に係るコネクタにおいては、カバーは、電線を覆うようにブラケットに固定される金属製の編組線をさらに覆うようにブラケットに被せられていてもよい。この場合、カバーによって、電線を覆う編組線が覆われる。このため、編組線が被水して錆びることを抑制しつつ、編組線によってモータからのノイズを遮蔽することが可能となる。
【0009】
本発明に係るコネクタにおいては、カバーは、電線を覆う保護材を保持する保護材保持部と、保護材から露出した状態の電線を保持する電線保持部と、を含んでもよい。この場合、カバーをモータに固定することによって、電線がモータに固定されるうえに、電線を覆う保護材もモータに固定される。このため、保護材と電線とが別個に振動することに起因して電線や保護材に摩耗が生じることを抑制可能である。
【0010】
本発明に係るコネクタにおいては、ブラケット及びカバーは、共通の固定部材によってモータに固定されてもよい。この場合、信頼性の向上に際し、構造を単純化すること及び部品点数を削減することが可能となる。
【0011】
本発明に係るコネクタにおいては、ブラケットは、平板状のブラケット基部と、所定の方向にブラケット基部から突出して設けられコネクタ本体部を保持する保持部と、を含み、カバーは、ブラケット基部に沿って延在するカバー基部と、所定の方向にカバー基部から突出して設けられコネクタ本体部及び保持部を覆うカバー本体部と、カバー基部の外縁から所定の方向と反対方向に突出して設けられた側壁部と、を含み、側壁部は、ブラケット基部の外側面よりも外側に位置し、且つ、所定の方向に交差する方向からみてブラケット基部の外側面に重複していてもよい。この場合、カバー基部の外縁から突出した側壁部が、ブラケット基部の外側面よりも外側において外側面に重複している。このため、ブラケット基部の外側面からブラケットに水が浸入することを抑制可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、信頼性を向上可能なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るコネクタがモータに取り付けられた状態を示す模式的な斜視図である。
図2】本実施形態に係るコネクタがモータに取り付けられた状態を示す模式的な斜視図である。
図3】本実施形態に係るコネクタがモータに取り付けられた状態を示す模式的な側面図である。
図4図3に示されたコネクタの模式的な断面図である。
図5図1に示されたカバーの構成を示す模式図である。
図6図1に示されたカバーの底面図である。
図7】本実施形態に係るコネクタがモータに取り付けられた状態を示す模式的な底面図である。
図8図7のVIII−VIII線に沿った部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るコネクタの一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図面の説明において、同一の要素同士、或いは相当する要素同士には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図における寸法比率は、実際のものとは異なる場合がある。
【0015】
図1,2は、本実施形態に係るコネクタがモータに取り付けられた状態を示す模式的な斜視図である。特に、図1は、後述するカバーが取り付けられた状態を示し、図2は、カバーが取り外された状態を示している。図3は、本実施形態に係るコネクタがモータに取り付けられた状態を示す模式的な側面図である。図4は、図3に示されたコネクタの模式的な断面図である。特に、図4の(a)は、図3のA−A線に沿った模式的な断面図であり、図4の(b)は、図3のB−B線に沿った模式的な断面図である。
【0016】
なお、以下の図面には、直交座標系Sを示す場合がある。直交座標系SのX軸は、車両の後方から車両の前方に向かう方向(車両の前後方向)を示している。直交座標系SのY軸は、車両の右方から車両の左方に向かう方向(車幅方向)を示している。直交座標系SのZ軸は、車両の下方から車両の上方に向かう方向(車両の上下方向)を示している。
【0017】
図1〜4に示されるコネクタ1は、車両に搭載されたモータMに対して、ワイヤハーネスWの電線Cを電気的に接続するためのものである。コネクタ1は、ここでは、モータMに取り付けられたエクステンションEに取り付けられるが、モータMに直接取り付けられても良い。モータMは、例えば、ハイブリッド車両等のリアモータであり、一例として3相交流モータである。
【0018】
ワイヤハーネスWは、例えば、モータMとインバータ(不図示)とを互いに電気的に接続する。ワイヤハーネスWは、複数(ここでは3つ)の電線Cと、電線Cを覆う金属製の編組線Bと、電線C及び編組線Bを覆うコルゲートチューブ(保護材)Tと、を含む。なお、複数の電線Cは、コルゲートチューブT内において、結束部材Uにより互いに結束されて一体化されていてもよい。
【0019】
コネクタ1は、コネクタ本体部10を有している(特に図2参照)。コネクタ本体部10は、コルゲートチューブTから露出された電線Cの一端部Cpに取り付けられる。コネクタ本体部10は、コネクタ側端子(不図示)を収容している。コネクタ側端子は、エクステンションEの導電部材(不図示)を介してモータM側のモータ側端子(不図示)に電気的に接続される。複数の電線Cは、一端部Cpがコネクタ本体部10に挿入されることにより、コネクタ本体部10内のコネクタ側端子、及びエクステンションE内の導電部材を介して、モータM側のモータ側端子に電気的に接続される。
【0020】
コネクタ1は、ブラケット20を有している(特に図2,4参照)。ブラケット20は、例えば金属から構成される。ブラケット20は、ブラケット基部21と、保持部22と、を含む。ブラケット基部21は、平板状を呈している。ブラケット20は、ブラケット基部21において、モータM(ここではエクステンションE)に固定される。そのために、ブラケット基部21には、エクステンションEから延びるスタッドボルト(固定部材)Es及びガイドピンEgを挿通させるための孔部21a,21bが形成されている。
【0021】
保持部22は、ブラケット基部21の厚さ方向(所定の方向)にブラケット基部21から突出して設けられている。保持部22は、楕円筒状を呈している。保持部22は、内部にコネクタ本体部10を保持している(換言すれば、コネクタ本体部10は保持部22に嵌合されている)。したがって、ブラケット20は、コネクタ本体部10を保持した状態においてモータM(エクステンションE)に固定される。
【0022】
保持部22には、保持部22を囲うように楕円環状の固定部材23が嵌め合されている。ワイヤハーネスWの編組線Bは、コルゲートチューブTから露出された状態において、保持部22の外面と固定部材23の内面との間に挟まれて固定される。したがって、編組線Bは、電線Cを覆うようにブラケット20に固定される。
【0023】
コネクタ1は、カバー30を有している。図5は、図1に示されたカバーの構成を示す模式図である。特に、図5の(a)は、カバーの模式的な平面図であり、図5の(b)は、図5の(a)のV−V線に沿っての部分断面図である。図6は、図1に示されたカバーの底面図である。図7は、本実施形態に係るコネクタがモータに取り付けられた状態を示す模式的な底面図である。図8は、図7のVIII−VIII線に沿った部分断面図である。
【0024】
図1〜8に示されるように、カバー30は、ブラケット20に被せられる(より具体的には、後述するように、ブラケット20と共にモータMに固定される)。カバー30は、カバー基部31と、カバー本体部32と、側壁部33と、保持部(保護材保持部、電線保持部)34と、を含む。カバー基部31は、平板状を呈しており、カバー30がブラケット20に被せられた状態において、ブラケット基部21に沿って延在している。ブラケット基部21及びカバー基部31の外形は、ブラケット基部21及びカバー基部31の厚さ方向からみて略同一である。
【0025】
カバー30は、カバー基部31においてモータM(エクステンションE)に固定される。そのために、カバー基部31には、エクステンションEから延びるスタッドボルトEsを挿通させるための孔部31aが形成されている。カバー30は、孔部31aをブラケット基部21の孔部21aに一致させつつブラケット基部21をカバー基部31に重ね合わせた状態において、孔部21a,31aに挿通されたエクステンションEのスタッドボルトEsにナット(固定部材)Nを螺合することにより、ブラケット20と共にモータMに固定される。すなわち、ブラケット20及びカバー30は、共通の固定部材(ここではスタッドボルトEs及びナットN)によってモータM(エクステンションE)に固定される。
【0026】
カバー本体部32の側壁32aは、カバー基部31の厚さ方向(保持部22の突出方向:所定の方向)にカバー基部31から突出して設けられている。カバー本体部32は、カバー基部31の厚さ方向に延在する楕円環状の側壁32aと、側壁32aに架け渡されるようにカバー基部31に沿って延在する上壁32bとによって、カバー基部31に開口する楕円箱状に形成されている。カバー本体部32は、カバー30がブラケット20に被せられた状態において、保持部22、コネクタ本体部10、電線Cの一端部Cp、及び、編組線Bの一端部を覆っている(収容している)。
【0027】
なお、カバー本体部32には、カバー30をブラケット20と共にエクステンションEに固定したときに、エクステンションEから延びるガイドピンEgが配置される突出部32cが設けられている。すなわち、ガイドピンEgは、カバー30をブラケット20と共にエクステンションEに固定したときに、カバー本体部32(突出部32c)に覆われる(収容される)。
【0028】
側壁部33は、カバー基部31の外縁に沿って設けられている(特に図4,8参照)。側壁部33は、保持部22及びカバー本体部32の突出方向と反対方向にカバー基部31から突出している。側壁部33は、ブラケット基部21の外側面21sよりも外側に位置している。また、側壁部33は、保持部22及びカバー本体部32の突出方向に交差する方向からみて、ブラケット基部21の外側面21sに重複している(ラップしている)。
【0029】
保持部34は、カバー本体部32から延設されている(特に図5,6参照)。より具体的には、保持部34は、カバー本体部32の側壁32aから延設された一対の側壁34aと、側壁34aに架け渡されるようにカバー本体部32の上壁32bから延設された上壁34bとによって、断面U字状に形成されている。保持部34におけるカバー本体部32と反対側の端部34pの内面(上壁34bの内面)には、複数の凸部(鬼目)34cが形成されている。
【0030】
保持部34には、一対の側壁34aによって規定される保持部34の開放部分を塞ぐように、板状の蓋部材37が取り付けられる。蓋部材37の内面には、複数の凸部(鬼目)37cが形成されている。したがって、保持部34の端部34pの内面上にコルゲートチューブTを配置した状態において蓋部材37を保持部34に取り付け、コルゲートチューブTに対して複数の凸部34c,37cを少なくとも接触させる(場合によっては食い込ませる)ことにより、コルゲートチューブTを端部34pに保持することができる。すなわち、カバー30は、電線Cを覆うコルゲートチューブTを保持する保護材保持部(保持部34(端部34p))を含む。
【0031】
また、保持部34における端部34pとカバー本体部32との間の中間部34rの外面(側壁34aの外面)には、結束バンド(タイバンド)Aを挿通させるための孔部36が形成されている。したがって、コルゲートチューブTから露出した電線C及び編組線Bを中間部34rの内面上に配置し、孔部36に挿通された結束バンドAにより電線C及び編組線Bを側壁34aと共に結束することによって、電線C及び編組線Bを中間部34rに保持することができる。このとき、複数の電線Cが1つに束ねられる。
【0032】
すなわち、カバー30は、コルゲートチューブTから露出した状態の電線Cを保持する電線保持部(保持部34(中間部34r))を含む。このように、カバー30は、電線C、編組線B、及びコルゲートチューブTを保持した状態においてコネクタ本体部10を覆うようにブラケット20に被せられ、モータM(エクステンションE)に固定される。これにより、電線C、編組線B、及びコルゲートチューブTが、モータMに固定される。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係るコネクタ1においては、コネクタ本体部10が、電線Cの一端部Cpに取り付けられてブラケット20に保持される。ブラケット20は、コネクタ本体部10を保持した状態において、モータMに固定される。そして、カバー30が、ブラケット20に保持されたコネクタ本体部10を覆うように、ブラケット20に被されている。このため、コネクタ本体部10が被水することが抑制される。一方、カバー30は、電線Cを保持した状態において、モータMに固定される。このため、モータMと電線Cとが別個に振動して電線に屈伸が生じることが避けられる。よって、コネクタ1によれば、信頼性が向上される。
【0034】
また、本実施形態に係るコネクタ1においては、カバー30が、電線Cを覆うようにブラケット20に固定される金属製の編組線Bをさらに覆うように、ブラケット20に被せられている。つまり、コネクタ1においては、カバー30によって、電線Cを覆う編組線Bがさらに覆われている。このため、編組線Bが被水して錆びることを抑制しつつ、編組線BによってモータMからのノイズを遮蔽することが可能となる。
【0035】
また、本実施形態に係るコネクタ1においては、カバー30は、電線Cを覆うコルゲートチューブTを保持する保護材保持部(保持部34(端部34p))と、コルゲートチューブTから露出した状態の電線Cを保持する電線保持部(保持部34(中間部34r))と、を含んでいる。このため、カバー30のモータMへの固定に伴って、電線CがモータMに固定されるうえに、電線Cを覆うコルゲートチューブTもモータMに固定される。したがって、コルゲートチューブTと電線Cとが別個に振動することに起因して、電線CやコルゲートチューブTに摩耗が生じることを抑制可能である。
【0036】
また、本実施形態に係るコネクタ1においては、ブラケット20とカバー30とが、共通の固定部材(エクステンションEのスタッドボルトEs及びナットN)によって、モータM(エクステンションE)に固定されている。このため、コネクタ1の信頼性の向上に際し、構造を単純化すること及び部品点数を削減することが可能となる。また、省スペース化が可能となる。
【0037】
さらに、本実施形態に係るコネクタ1においては、カバー基部31の外縁から突出した側壁部33が、ブラケット基部21の外側面21sよりも外側において外側面21sに重複している。このため、ブラケット基部21の外側面21sからブラケットに水が浸入することを抑制可能となる。
【0038】
以上の実施形態は、本発明に係るコネクタの一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係るコネクタは、上述したコネクタ1に限定されない。本発明に係るコネクタは、各請求項の要旨を変更しない範囲において、上述したコネクタ1を任意に変形したものとすることができる。
【0039】
例えば、上記実施形態においては、ブラケット20とカバー30とが、共通の固定部材(スタッドボルトEs及びナットN)を用いてモータM(エクステンションE)に固定されている場合について例示した。しかしながら、ブラケット20とカバー30とは、互いに別々の固定部材を用いて、互いに別個にモータM(エクステンションE)に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…コネクタ、10…コネクタ本体部、20…ブラケット、21…ブラケット基部、21s…外側面、22…保持部、30…カバー、31…カバー基部、32…カバー本体部、33…側壁部、34…保持部(保護材保持部、電線保持部)、M…モータ、C…電線、B…編組線、Es…スタッドボルト(固定部材)、N…ナット(固定部材)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8