特許第5965374号(P5965374)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000002
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000003
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000004
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000005
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000006
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000007
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000008
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000009
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000010
  • 特許5965374-画像形成装置及び画像形成方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965374
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20160721BHJP
   G03G 15/06 20060101ALI20160721BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20160721BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G03G15/08 220
   G03G15/06 101
   G03G21/14
   G03G15/00 303
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-202167(P2013-202167)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-68953(P2015-68953A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2015年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083172
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 豊明
(72)【発明者】
【氏名】久保 憲生
(72)【発明者】
【氏名】藤島 正之
(72)【発明者】
【氏名】末浪 浩二
(72)【発明者】
【氏名】清水 克美
(72)【発明者】
【氏名】大谷 真司
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−128352(JP,A)
【文献】 特開2002−031922(JP,A)
【文献】 特開2003−270873(JP,A)
【文献】 特開2010−072603(JP,A)
【文献】 特開平05−333647(JP,A)
【文献】 特開2010−050639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 15/00
G03G 15/06
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチダウン現像方式による画像形成を実行する画像形成装置であって、
現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションを実行して、印刷時の現像バイアスを決定するキャリブレーション実行手段と、
前記印刷時の現像バイアスの調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションで段階的に変更した二つの現像バイアスを印加し、二つの現像バイアスのうち、高い現像バイアスで特定のパッチを紙間に形成し、当該特定のパッチの濃度を測定して、当該特定のパッチの形成に要した現像バイアスと、当該特定のパッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスを調整する現像バイアス調整手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
タッチダウン現像方式による画像形成を実行する画像形成装置であって、
現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションに、所定の現像バイアスを0Vとし、その直後に、特定のパッチの形成に要する特定の現像バイアスを印加するバイアス条件を加えて、印刷時の現像バイアスを決定するキャリブレーション実行手段と、
前記印刷時の現像バイアスの調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションのバイアス条件のうち、現像バイアスを0Vとし、その直後に前記特定の現像バイアスを印加し、当該特定の現像バイアスで特定のパッチを紙間に形成し、当該特定のパッチの濃度を測定して、当該特定のパッチの形成に要した特定の現像バイアスと、当該特定のパッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスを調整する現像バイアス調整手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
タッチダウン現像方式による画像形成を実行する画像形成装置の画像形成方法であって、
現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションを実行して、印刷時の現像バイアスを決定するステップと、
前記印刷時の現像バイアスの調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションで段階的に変更した二つの現像バイアスを印加し、二つの現像バイアスのうち、高い現像バイアスで特定のパッチを紙間に形成し、当該特定のパッチの濃度を測定して、当該特定のパッチの形成に要した現像バイアスと、当該特定のパッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスを調整するステップと
を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
タッチダウン現像方式による画像形成を実行する画像形成装置の画像形成方法であって、
現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションに、所定の現像バイアスを0Vとし、その直後に、特定のパッチの形成に要する特定の現像バイアスを印加するバイアス条件を加えて、印刷時の現像バイアスを決定するステップと、
前記印刷時の現像バイアスの調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションのバイアス条件のうち、現像バイアスを0Vとし、その直後に前記特定の現像バイアスを印加し、当該特定の現像バイアスで特定のパッチを紙間に形成し、当該特定のパッチの濃度を測定して、当該特定のパッチの形成に要した特定の現像バイアスと、当該特定のパッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスを調整するステップと
を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、詳しくは、紙間でパッチを形成しても、現像バイアスの調整を適切に実行することが可能な画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチダウン現像の画像形成装置では、印刷中の印刷用紙の間の紙間に所定のパッチを描画して、その濃度を現像バイアスにフィードバックすることで、印刷用の現像バイアスを調整している。この場合、先ず、印刷中の現像バイアスで、紙間にパッチ(ベタ画像)を形成し、その濃度を光学センサで読み取り、その濃度と印刷中の現像バイアスとの関係から、目的の濃度になる現像バイアスを逆算して、決定する。これにより、画像品質を維持することが可能となる。
【0003】
ここで、前記パッチの色が黒色の場合に、黒色の成分に反射光成分が無いことから、黒色のパッチの濃度を光学センサで検出すると、分解能が低くなるという問題がある。特に、黒色のパッチの濃度が高濃度であると、その分解能は著しく悪化する。
【0004】
そこで、その問題を解決するために、ドットを間引いて最低濃度と最高濃度との間のハーフ濃度の黒色のパッチ(ハーフパッチ)を描写したり、印刷中の現像バイアスよりも低い現像バイアス(低現像バイアス)で黒色のパッチを描写したりして、当該パッチの濃度を下げて、分解能を高める方法が採用されている。
【0005】
又、特開2008−292614号公報(特許文献1)には、連続印刷中に形成された紙間パッチ画像の濃度を取得することで得られた実際トナー量と、基準トナー量とが不一致であるとき、現像バイアスのバリエーション毎に実際トナー量を対応付けた関係特性を再構築し、当該基準トナーを実現するための現像バイアスを再設定する画像濃度補正方法が開示されている。これにより、連続印刷中に形成された紙間パッチ画像の濃度を取得することを通じて得られた実際トナー量と、基準トナー量とが不一致である旨の判定が下されたとき、現像バイアスのバリエーション毎に実際トナー量を対応付けた関係特性が、実際トナー量と基準トナー量とが一致することを考慮して再構築され、当該再構築された関係特性と、前記基準トナー量とに基づいて、当該基準トナー量を実現するための現像バイアスが再設定される結果として、連続印刷中に大きな色味変動が生じた場合であっても、印刷作業能率を高水準に維持したままで、色味変動を抑えて高画質画像を得ることが出来るとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−292614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1に記載の技術を用いることで、連続印字中における画像濃度の安定性は向上するが、黒色の濃度のように、実際の濃度を正確に読み取れない場合には、上述したハーフパッチを描写したり、低現像バイアスでパッチを描写したりして、パッチ濃度を正確に読み取る必要がある。
【0008】
しかしながら、ハーフパッチの現像特性と、通常のパッチの現像特性は、一般に異なるため、ハーフパッチの濃度を用いた現像バイアスの調整は正確でないという問題がある。又、低現像バイアスで形成したパッチは、現像電界が弱いため、画像形成の現像性が不安定になる場合があり、パッチの濃度がバラつき、現像バイアスの正確な調整が出来ないという問題がある。特に、低現像バイアスでパッチを描写すると、直前の現像ローラの残留トナーが大きなノイズとなり、パッチの濃度が非常にバラつく場合がある。
【0009】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、紙間でパッチを形成しても、現像バイアスの調整を適切に実行することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、タッチダウン現像方式による画像形成を実行する画像形成装置であって、以下の構成を採用する。
【0011】
即ち、本発明は、現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションを実行して、印刷時の現像バイアスを決定するキャリブレーション実行手段と、前記印刷時の現像バイアスの調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションで段階的に変更した二つの現像バイアスを印加し、二つの現像バイアスのうち、高い現像バイアスで特定のパッチを紙間に形成し、当該特定のパッチの濃度を測定して、当該特定のパッチの形成に要した現像バイアスと、当該特定のパッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスを調整する現像バイアス調整手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
又、本発明は、現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションに、所定の現像バイアスを0Vとし、その直後に、特定のパッチの形成に要する特定の現像バイアスを印加するバイアス条件を加えて、印刷時の現像バイアスを決定するキャリブレーション実行手段と、前記印刷時の現像バイアスの調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションのバイアス条件のうち、現像バイアスを0Vとし、その直後に前記特定の現像バイアスを印加し、当該特定の現像バイアスで特定のパッチを紙間に形成し、当該特定のパッチの濃度を測定して、当該特定のパッチの形成に要した特定の現像バイアスと、当該特定のパッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスを調整する現像バイアス調整手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
又、本発明は、タッチダウン現像方式による画像形成を実行する画像形成装置の画像形成方法として提供することが出来る。
【0014】
即ち、本発明は、現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションを実行して、印刷時の現像バイアスを決定するステップと、前記印刷時の現像バイアスの調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションで段階的に変更した二つの現像バイアスを印加し、二つの現像バイアスのうち、高い現像バイアスで特定のパッチを紙間に形成し、当該特定のパッチの濃度を測定して、当該特定のパッチの形成に要した現像バイアスと、当該特定のパッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスを調整するステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
又、本発明は、現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションに、所定の現像バイアスを0Vとし、その直後に、特定のパッチの形成に要する特定の現像バイアスを印加するバイアス条件を加えて、印刷時の現像バイアスを決定するステップと、前記印刷時の現像バイアスの調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションのバイアス条件のうち、現像バイアスを0Vとし、その直後に前記特定の現像バイアスを印加し、当該特定の現像バイアスで特定のパッチを紙間に形成し、当該特定のパッチの濃度を測定して、当該特定のパッチの形成に要した特定の現像バイアスと、当該特定のパッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスを調整するステップとを備えることを特徴とする。このような構成であっても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0016】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、紙間でパッチを形成しても、現像バイアスの調整を適切に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態の画像形成装置の概略構成図である。
図2】画像形成ユニットの1つの詳細図である。
図3】本実施形態における画像形成装置1の制御関連の概略構成図である。
図4】本発明の画像形成装置の機能ブロック図である。
図5】本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
図6】本発明に係るバイアステーブルを示す図(図6(A))と、本発明に係る現像バイアスのキャリブレーションのパッチを示す図(図6(B))とである。
図7】本発明に係る現像バイアスのキャリブレーションの近似直線を示す図(図7(A))と、本発明に係る紙間パッチの形成のバイアス条件を示す図(図7(B))とである。
図8】本発明に係る紙間パッチを示す図(図8(A))と、本発明に係る紙間パッチの濃度を考慮した新たな近似直線を示す図(図8(B))とである。
図9】4つのパッチを連続して形成する場合の現像バイアスと印加する単位時間とを示す4種類のバイアス条件を示す図(図9(A))と、4種類のバイアス条件で形成した4つのパッチの濃度を示すグラフ(図9(B))とである。
図10】現像バイアスを0Vとする現像バイアスのキャリブレーションのバイアス条件を示す図(図10(A))と、印刷時の現像バイアスを調整する際のバイアス条件を示す図(図10(B))とである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベットSはステップを意味する。
【0020】
<画像形成装置>
以下、本発明に係る画像形成装置1について説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置1の概略構成図である。
【0021】
画像形成装置1は、画像データに基づいてトナー画像を形成するタンデム式の画像形成部A1、用紙を収容する用紙収容部2、画像形成部A1で形成されたトナー画像を用紙上に転写する二次転写部3を備えている。又、転写されたトナー画像を用紙上に定着させる定着部4、定着の完了した用紙を排紙する排紙装置5、及び、排紙された用紙を受ける排紙トレイ7を備えている。さらに、画像形成装置1は、用紙収容部2から排紙装置5まで用紙を搬送する用紙搬送部6を備えている。
【0022】
画像形成部A1は、中間転写ベルトB1(中間転写体)、中間転写ベルトB1をクリーニングするクリーニング部B2、並びに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色にそれぞれ対応した画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBを備える。
【0023】
中間転写ベルトB1は、導電性を有する使用可能な用紙搬送方向に直角な方向の長さが最大の用紙より幅広であって、無端状、すなわちループ状のベルト状部材であり、図1において時計回りに循環駆動される。
【0024】
画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBは、中間転写ベルトB1に沿って、中間転写ベルトB1の移動方向において、クリーニング部B2より下流かつ二次転写部3の上流に、この順に配される。なお、各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置の順番はこの限りではないが、各色の混色による完成画像への影響を配慮すると、この配置が好ましい。画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置は、当該画像形成ユニット間の間隔が均等になるように配置される。
【0025】
次に、この画像形成装置1の画像形成動作を説明する。図2は、画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの1つの詳細図である。各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBはほぼ同等な構成となっている。
【0026】
画像形成ユニットFYは、感光体ドラム(像担持体)10、帯電器11、LED露光装置12、黄色用の現像装置HY、一次転写ローラ(電圧印加部)20、感光体ドラム10のクリーニングブレード35、除電装置13、キャリア除去ローラ(キャリア除去部材)30を備える。
【0027】
尚、他の画像形成ユニットFM、FC、FBはそれぞれの色に対応した現像装置HM、HC、HBを備える。又、画像形成ユニットのうち、中間転写ベルトB1の移動方向の最下流側に位置する画像形成ユニットFBには、その下流に画像形成部が位置しないためキャリア除去ローラ30が設けられていないが、その他の構成は同一である。
【0028】
感光体ドラム10は、その表面に帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)したトナーを含むトナー像を担持することができるようになっていればよい。
【0029】
本実施形態において、感光体ドラム10は、中間転写ベルトB1の移動方向に垂直かつ中間転写ベルトB1の面方向に平行な回転軸を中心に回転可能に配される略円筒状の部材とする。又、感光体ドラム10は、中間転写ベルトB1の表面に、所定の一次転写位置10Sにて接するようになっている。そして、感光体ドラム10は、一次転写位置10Sでの移動方向が中間転写ベルトB1の移動方向と同方向になるように、つまり図2においては反時計回りに回転可能である。
【0030】
クリーニングブレード35、除電装置13、帯電器11、露光装置12、黄色用の現像装置HYは、感光体ドラム10の回りに、上述の回転方向に沿って、一次転写位置から見てこの順に配される。
【0031】
帯電器11は、感光体ドラム10表面を一様に帯電させることができる。露光装置12は、LED等の光源を有し、上述の上位装置からの画像データに応じて、帯電した感光体ドラム10表面を画像データに応じた光で照射し、感光体ドラム10表面に静電潜像を形成可能である。
【0032】
黄色用の現像装置HYは、黄色のトナー及びキャリアを含む現像剤を前記静電潜像に対向するように保持することで、静電潜像にトナーを付与し、静電潜像をトナー像として現像することができる。このトナー像は一次転写ローラ20によって中間転写ベルトB1に一次転写される。一次転写ローラ20の詳細については後述する。
【0033】
クリーニングブレード35は、感光体ドラム10に接するように配されたブレード状の部材である。クリーニングブレード35は一次転写後、感光体ドラム10の表面に残留した現像剤を除去する。
【0034】
除電装置13は光源を備え、クリーニングブレード35による現像剤除去後、感光体ドラム10の表面を光源からの光によって除電し、次の画像形成に備える。
【0035】
一次転写ローラ20は、中間転写ベルトB1の裏面に、中間転写ベルトB1の移動方向において前記一次転写位置10Sより下流の電圧印加位置20Sで接するように配される。一次転写ローラ20には、図示しない電源からトナー像中のトナーとは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧を印加されるようになっている。つまり、一次転写ローラ20は、電圧印加位置20Sにて、中間転写ベルトB1にトナーと逆極性の電圧を印加することができる。中間転写ベルトB1は導電性を有するので、この印加電圧によって、電圧印加位置20Sの中間転写ベルトB1の表面側及びその周辺にトナーが引き付けられる。
【0036】
そこで、本実施形態では、前記一次転写位置10Sを、この印加電圧によってトナーが中間転写ベルトB1側に引き付けられる範囲内に配する。その結果、感光体ドラム10から中間転写ベルトB1の表面へトナーが移動し、一次転写が行われる。
【0037】
このように一次転写が可能であれば、一次転写ローラ20の具体的な構成は特に限定されず、具体的な構成は適宜変更可能である。本実施形態においては、一次転写ローラ20は、感光体ドラム10の回転軸と平行な回転軸を中心として感光体ドラム10と逆方向に回転可能な、つまり電荷印加位置20Sでの移動方向が中間転写ベルトB1と同方向になるように回転可能な、略円柱状の部材とする。
【0038】
本実施形態では、キャリア除去ローラ30は、感光体ドラム10の回転軸と平行な回転軸を中心として感光体ドラム10と同方向に回転可能な略円柱状の部材であるとするが、これに限定されるものではなく、中間転写ベルトB1の移動方向において電荷印加位置20Sよりも下流、二次転写位置よりも上流で中間転写ベルトB1表面からキャリアを除くことができればよい。具体的には、キャリア除去ローラ30は、中間転写ベルトB1の表面に接することによって、中間転写ベルトB1表面のキャリアを自身の表面に移動させることができるようになっていればよい。
【0039】
一次転写時には、トナーと共にキャリアも感光体ドラム10から中間転写ベルトB1へと少量転移することがある。このキャリアの転移は、下流側の画像形成部における一次転写を妨げて画像のぼけ及びにじみ等の画像の不具合を引き起こす場合がある。キャリア除去ローラ30を設けることによって、このような画像の不具合を防ぐことができる。
【0040】
本実施形態では、キャリア除去ローラ30が、中間転写ベルトB1の移動方向において前記電荷印加位置20Sよりも下流で中間転写ベルトB1の表面に接するように配置される。前記キャリア除去ローラ30は、上述のクリーニングブレード35と共に、クリーニングユニット31に組み込まれている。クリーニングユニット31は、画像形成ユニットFY内に設けられており、クリーニングブレード35及びキャリア除去ローラ30の他に、キャリア除去ローラ30の表面に接することでキャリア除去ローラ30表面に付着したキャリアを除去するキャリア除去ブレード31bと、キャリア除去ローラ30から除去されたキャリア、及び感光体ドラム10表面からクリーニングブレード35によって除去された現像剤(トナー及びキャリアを含む)とを、クリーニングユニット31の外部に搬送する搬送部材31cを備える。画像形成ユニットFYはさらに、搬送部材31cによって搬送されたキャリア及びトナーを再利用するため、キャリアとトナーとを分離する分離部等を備えてもよい。
【0041】
次に、現像装置HYの構成について説明する。各色の現像装置HY、HM、HC、HBの構成は同等である。
【0042】
現像装置HYは、現像容器40、現像ローラ40a、磁気ローラ(マグローラ)40b、汲み上げローラ40c、撹拌スパイラル40d及び40e、クリーニングブレード45、並びに磁気ローラドクターブレード40gを備える。
【0043】
現像容器40は、内部に黄色のトナー(トナー粒子)とキャリアからなる現像剤を貯留する。撹拌スパイラル40d及び40eは、現像容器40の現像剤に全体が浸るように設けられ、現像剤を撹拌する。撹拌スパイラル40dと40eの回転によってトナーがキャリアに均一に分散される。
【0044】
汲み上げローラ40cは現像容器の現像剤にその一部が浸るように配置され、現像剤をその表面に付着させて汲み上げる。この汲み上げローラ40cに接するようにして磁気ローラ40bが配置され、汲み上げローラ40cから現像剤の供給を受ける。磁気ローラ40bは現像ローラ40aのカウンター方向に回転し、ニップ近傍において、現像剤の引き剥がしと現像剤の載せとを同時に行っている磁気ローラドクターブレード40gが設けられる。磁気ローラドクターブレード40gは、磁気ローラ40bの表面の現像剤層厚を所定量になるように規制する。磁気ローラ40bと接するように現像ローラ40a(現像器ともいう)が配置され、その表面に磁気ローラ40bから現像剤が付与される。磁気ローラ40bの現像剤の層厚が所定値に規制されているので現像ローラ40aの表面に形成される現像剤の層厚も所定値に保たれる。この現像ローラ40aは感光体ドラム10と接し、感光体ドラム10の表面の静電潜像の電位と現像ローラ40aに印加される現像バイアス値の電位差によって上位装置から形成指示された画像に応じたトナー像が感光体ドラム10表面に形成される(現像動作)。
【0045】
本発明の画像形成装置では、前記現像ローラ40aに印加される現像バイアス値(電圧値、単にバイアス値とする)を調整することで、トナー像の画像濃度補正を行うことを特徴としている。
【0046】
又、感光体ドラム10への現像動作を終えた磁気ローラ40bの表面の現像剤は磁気ローラドクターブレード40gによって除去され、磁気ローラドクターブレード40gの表面に沿って流下し図示しない流路を通って現像容器40に貯留されている現像剤と混合される。
【0047】
又、現像容器にはトナー濃度センサ40hが配置され、現像容器40内の現像剤のトナー濃度を検出する。トナー濃度が所定値より低いことが検出された場合には、図示しないトナーカートリッジからトナー(所定値よりトナー濃度が高い現像剤)が現像容器40に供給され、トナー濃度が所定値より高い場合には図示しないキャリアカートリッジからキャリアがトナー容器40に供給される。なお、本明細書では、「トナー濃度」という語句を、意味が不明瞭とならない範囲において、現像容器内のトナーの濃度という意味と、画像濃度の意味との両方に用いている。
【0048】
このような構成の下、パーソナルコンピュータ(PC)等の上位装置から画像形成の指示を受けた画像形成装置1は、指示を受けた画像データに対応した各色のトナー像を画像形成ユニットFY、FM、FC、FBを用いて形成する。各画像形成部で形成されたトナー像は中間転写ベルトB1に転写されて、中間転写ベルトB1上で重ね合わされてカラートナー像となる。
【0049】
このカラートナー像の形成と同期して用紙収容部2に収容されている用紙が図示しない給紙装置で用紙収容部2から一枚ずつ取り出されて、用紙搬送部6上を搬送される。そして、用紙は中間転写ベルトB1への一次転写とタイミングを合わせて二次転写部3に送り込まれ、二次転写部3で中間転写ベルトB1上のカラートナー像が用紙に二次転写される。カラートナー像が転写された用紙はさらに定着部4に搬送されて熱と圧力によりカラートナー像が用紙に定着される。さらに用紙は排紙装置5によって画像形成装置1の外周に設けられた排紙トレイ部7に排紙される。二次転写後、中間転写ベルトB1に残留したトナーは、クリーニング部B2によって中間転写ベルトB1から除去される。
【0050】
又、所定のタイミングで中間転写ベルトB1に形成されたパッチのパッチ濃度及び中間転写ベルトB1の地肌濃度を検出するための2つの濃度検出センサ605、606が、ブラックの画像形成ユニットFBと二次転写部3との間の所定の位置に設けられている。ブラックの画像形成ユニットFBは、他の画像形成ユニットFY、FM、FCと比較すると、中間転写ベルトB1の回転方向に対して最下流に位置する。そのため、濃度検出センサ605、606は、複数の画像形成ユニットFY、FM、FC、FBのうち、いずれかによってパッチが中間転写ベルトB1上に形成されたとしても、いずれのパッチのパッチ濃度を検出できるよう構成されている。
【0051】
又、当該濃度検出センサ605、606は、パッチが形成される中間転写ベルトB1の位置に対応した位置に予め設けられるが、本発明の実施形態では、中間転写ベルトB1の両端近傍にそれぞれ二つ設けられる。当該濃度検出センサ605、606は、各色毎のパッチのパッチ濃度又は地肌濃度を検出可能なセンサであれば、どのような形態でも構わないが、例えば、ISO5シリーズの規定に基づき、パッチ又は中間転写ベルトB1上の地肌を光源からの光で照射し、反射光強度を受光センサで検出して光の強度情報を濃度に変換する反射型の濃度検出センサ605、606が該当する。
【0052】
尚、前記濃度検出センサ605、606は、後述するベタ帯画像のトナー濃度の検出にも利用される。
【0053】
図3は、本実施形態における画像形成装置1の制御関連の概略構成図である。
【0054】
画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304及び前記印刷における各駆動部に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。前記CPU301は、例えばRAM302を作業領域として利用し、ROM303やHDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305とデータや命令を授受することにより前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。又、前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、CPU301がプログラムを実行することで各手段として動作する。
【0055】
<本発明の実施形態>
次に、図4図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の画像形成装置の機能ブロック図である。又、図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0056】
先ず、ユーザが、画像形成装置1に電源を投入すると、当該画像形成装置1が起動して、当該画像形成装置1の制御手段401が、現像バイアスのキャリブレーションを実行するか否かを判定する(図5:S101)。
【0057】
前記制御手段401が、現像バイアスのキャリブレーションを実行するか否かを判定する方法は、どのような方法でも構わない。例えば、前記制御手段401が、現時点が特定の時点であるか否かを判定する方法、具体的には、前記制御手段401が、現時点が、画像形成装置1に電源が投入された時点、所定の枚数を印刷した時点(印刷枚数が所定の閾値を超過した時点)、印刷画像のドットカウントにより所定量のトナーを消費した時点(トナー消費量が所定の閾値を超過した時点)のいずれかであるか否かを判定する方法が採用される。
【0058】
ここで、先ほど画像形成装置1が起動したため、前記制御手段401は、現像バイアスのキャリブレーションを実行すると判定し(図5:S101YES)、その旨をキャリブレーション実行手段402に通知する。当該通知を受けたキャリブレーション実行手段402は、現像バイアスを段階的に変更した複数のパッチを形成し、各パッチの濃度を測定する現像バイアスのキャリブレーションを実行して、印刷時の現像バイアスを決定する。
【0059】
前記キャリブレーション実行手段402が、現像バイアスのキャリブレーションを実行して、印刷時の現像バイアスを決定する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、所定の色(黒色)を例として、以下のようになされる。
【0060】
先ず、前記キャリブレーション実行手段402は、所定のメモリに予め記憶されたパッチデータに基づいて、感光体ドラム10の表面に所定数(例えば、4つ)のパッチの静電潜像を形成させる。ここで、前記パッチの位置は、中間転写ベルトB1の2つの濃度検知センサ605、606の位置に対応して、感光体ドラム10の両端の位置となる。
【0061】
又、前記キャリブレーション実行手段402は、所定のメモリに予め記憶されたバイアステーブル(バイアス条件)を参照する。ここで、前記バイアステーブル600には、図6(A)に示すように、前記パッチの静電潜像に対応して、所定数(例えば、4つ)の現像バイアスV1(V)〜V4(V)と、各現像バイアスV(V)で一つのパッチを形成可能な単位時間T1(sec)とが関連付けて記憶される。4つの現像バイアスV1(V)〜V4(V)は、各単位時間T1(sec)だけ現像ローラ40aに印加され、例えば、最初の現像バイアスV1(V)=40V、第二の現像バイアスV2(V)=80V、第三の現像バイアスV3(V)=120V、最後の現像バイアスV4(V)=160Vのように、最初の現像バイアスV1(V)から最後の現像バイアスV4(V)まで段階的に現像バイアスの絶対値が高くなるように記憶されている。又、現像バイアスのキャリブレーションで印加される現像バイアスは、印刷時の現像バイアス(例えば、300V)と比較して、画像濃度が半分になるように低く設定される。4つの現像バイアスV1(V)〜V4(V)を印加する時間は、全体として4*T1(sec)となる。
【0062】
前記バイアステーブル600を参照したキャリブレーション実行手段402は、当該バイアステーブル600に従って、最初の現像バイアスV1(V)から最後の現像バイアスV4(V)まで順番に各単位時間T1(sec)毎に現像ローラ40aに印加し、各現像バイアスV1(V)〜V4(V)の印加のタイミングに合わせて、感光体ドラム10の表面の両端のパッチの静電潜像を現像ローラ40aに対応させて、段階的に濃度が高くなる4つのパッチを感光体ドラム10の両端にそれぞれ形成させる。
【0063】
そして、前記キャリブレーション実行手段402は、図6(B)に示すように、4つのパッチ601、602を中間転写ベルトB1にそれぞれ転写させるとともに(図5:S102)、当該中間転写ベルトB1に設置された2つの濃度検知センサ605、606を起動して、4つのパッチ601、602の濃度D1(−)〜D4(−)をそれぞれ測定する(図5:S103)。
【0064】
ここで、中間転写ベルトB1の一端側に形成された4つのパッチ601は、一方の濃度検知センサ605で濃度を測定され、中間転写ベルトB1の他端側に形成された4つのパッチ602は、他方の濃度検知センサ606で濃度を測定され、各パッチ601、602の濃度は、平均化される。例えば、最初のパッチの濃度D1(−)=0.52(−)、第二のパッチの濃度D2(−)=0.64(−)、第三のパッチの濃度D3(−)=0.76(−)、最後のパッチの濃度D4(−)=0.88(−)とする。
【0065】
又、前記中間転写ベルトB1に形成された4つのパッチ601、602の回転方向の長さL1は、4*T1(sec)に中間転写ベルトB1の回転速度R(m/sec)を乗算した値となる。
【0066】
さて、各パッチ601、602の濃度を測定すると、前記キャリブレーション実行手段402は、パッチ601、602の形成に要した現像バイアスV1(V)〜V4(V)と、当該パッチ601、602の濃度D1(−)〜D4(−)と、目標となる目標画像濃度De(−)とに基づいて、印刷時の現像バイアスVe(V)を決定する。
【0067】
具体的には、前記キャリブレーション実行手段402は、前記現像バイアスV1(V)〜V4(V)と、前記パッチ601、602の濃度D1(−)〜D4(−)とに基づいて、図7(A)に示すように、現像バイアスV(V)に対するパッチの濃度D(−)の近似直線700(原点のゼロを通過する近似直線)を生成し、当該生成した近似直線700に、所定のメモリに予め記憶された目標画像濃度De(−)を代入して、当該目標画像濃度De(−)に対応する印刷時の現像バイアスVe(V)を逆算(決定)する(図5:S104)。ここで、前記目標画像濃度De(−)は、黒ベタ画像の濃度のような高い濃度であり、例えば、1.3(−)であり、これに対応する印刷時の現像バイアスVe(V)=300Vとなる。これにより、現像バイアスのキャリブレーションが完了し、画像形成可能な状態となる。
【0068】
さて、ユーザが、所定の上位装置(PC)を用いて、所定の画像データの画像形成(印刷)の指示を、当該上位装置に接続された画像形成装置1に入力すると(図5:S105YES)、当該画像形成装置1の制御手段401が、前記決定された印刷時の現像バイアスVe(V)を用いて印刷を実行する(図5:S106)。
【0069】
具体的には、前記制御手段401が、感光体ドラム10の表面に、画像データに対応する静電潜像を形成させ、現像ローラ40aに印刷時の現像バイアスVe(V)を印加する。ここで、現像ローラ40aには、印刷時の現像バイアスVe(V)により、磁気ローラ40bからトナーが供給される。そして、前記制御手段401は、感光体ドラム10の静電潜像に、現像ローラ40aのトナーを供給して、トナー像を形成させ、これを中間転写ベルトB1に転写させる。又、前記制御手段401は、この転写したトナー像に対応して用紙収容部2から用紙を搬送して、二次転写部3で二次転写し、その後、定着部4で定着して、排紙トレイ部7に排紙する。このような作業により、一の画像データに対応する一枚の印刷物が排紙される。尚、入力される画像データが、複数枚である場合には、上述した作業を繰り返すことで、複数枚の印刷物が排紙されることになる。
【0070】
ここで、前記制御手段401が、一枚の印刷物を排紙すると、印刷実行に要した印刷時の現像バイアスVe(V)を調整するか否かを判定する(図5:S107)。
【0071】
ここで、前記制御手段401が、印刷時の現像バイアスVe(V)を調整するか否かを判定する方法は、どのような方法でも構わない。例えば、前記制御手段401が、現時点が特定の時点であるか否かを判定する方法、具体的には、前記制御手段401が、現時点が、予め印刷枚数をカウントしておき、当該カウントした印刷枚数が所定の閾値(例えば、1000枚)を超過した時点、予め印刷画像のドットをカウントしておき、当該カウントしたドットに対応するトナー消費量が所定の閾値を超過した時点のいずれかであるか否かを判定する方法が採用される。
【0072】
ここで、現時点が特定の時点でない場合には(図5:S107NO)、S105に戻り、前記制御手段401は、ユーザからの印刷の指示を受け付ける状態になる(図5:S105)。
【0073】
尚、上述のように、印刷指示に係る画像データが複数枚(例えば、100枚)である場合には、前記制御手段401は、現時点が特定の時点でないと判定すると(図5:S107NO)、継続して印刷を実行することになる(図5:S105YES→S106)。
【0074】
一方、例えば、前記カウントした印刷枚数が前記閾値(1000枚)を超過した場合は(図5:S107YES)、前記制御手段401が、印刷時の現像バイアスVe(V)を調整する必要があると判定し、その旨を現像バイアス調整手段403に通知する。当該通知を受けた現像バイアス調整手段403は、現像バイアスのキャリブレーションで段階的に変更した二つの現像バイアスVa(V)、Vb(V)を印加し、二つの現像バイアスのうち、高い現像バイアスVb(V)で特定のパッチ(紙間パッチとする)を紙間に形成し、当該紙間パッチの濃度Db(−)を測定して、当該紙間パッチの形成に要した現像バイアスVb(V)と、当該紙間パッチの濃度Db(−)とを利用して、印刷時の現像バイアスVe(V)を調整する。
【0075】
前記現像バイアス調整手段403が、印刷時の現像バイアスVe(V)を調整する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下のようになされる。
【0076】
先ず、前記現像バイアス調整手段403は、中間転写ベルトB1のうち、画像データのトナー像の相互の間隔に対応する紙間に紙間パッチを形成出来るように、感光体ドラム10の表面の両端にそれぞれ一つの紙間パッチの静電潜像を形成させる。ここで、前記紙間パッチは、現像バイアスのキャリブレーションで使用したパッチと同等のパッチとされる。
【0077】
又、前記現像バイアス調整手段403は、前記バイアステーブル600を参照して、現像バイアスのキャリブレーションで段階的に変更した二つの現像バイアスVa(V)、Vb(V)を特定する。
【0078】
ここで、前記二つの現像バイアスVa(V)、Vb(V)は、例えば、前記バイアステーブル600に記憶された所定数の現像バイアスV1(V)〜V4(V)から、段階的に変更された二つの現像バイアスV1(V)〜V4(V)とされる。例えば、二つの現像バイアスVa(V)、Vb(V)は、最初の現像バイアスV1(V)と第二の現像バイアスV2(V)の二つ、第二の現像バイアスV2(V)と第三の現像バイアスV3(V)の二つ、第三の現像バイアスV3(V)と最後の現像バイアスV4(V)の二つとされるが、例えば、二つの濃度検知センサ605、606で濃度を確実に測定できて、且つ、ある程度高濃度のパッチとなる現像バイアスの組が好ましく、第二の現像バイアスV2(V)と第三の現像バイアスV3(V)の二つ、第三の現像バイアスV3(V)と最後の現像バイアスV4(V)の二つのいずれかが特定される。ここでは、前記二つの現像バイアスVa(V)、Vb(V)は、第二の現像バイアスV2(V)と第三の現像バイアスV3(V)の二つとする。
【0079】
さて、前記現像バイアス調整手段403は、二つの現像バイアスVa(V)、Vb(V)として、第二の現像バイアスV2(V)と第三の現像バイアスV3(V)とを特定すると、図7(B)に示すように、印刷実行中に現像ローラ40aに印加していた印刷時の現像バイアスVeから、第二の現像バイアスV2(V)(低い現像バイアス)と第三の現像バイアスV3(V)(高い現像バイアス)とを順番に各単位時間T1(sec)毎に現像ローラ40aに印加する。そして、前記現像バイアス調整手段403は、低い現像バイアスV2(V)を現像ローラ40aに印加したタイミングに、感光体ドラム10の表面の両端の紙間パッチの静電潜像を現像ローラ40aに対応させずに、高い現像バイアスV3(V)を現像ローラ40aに印加したタイミングに合わせて、感光体ドラム10の表面の両端の紙間パッチの静電潜像を現像ローラ40aに対応させて、高い現像バイアスV3(V)で紙間パッチを感光体ドラム10の両端にそれぞれ形成させる。
【0080】
そして、前記現像バイアス調整手段403は、図8(A)に示すように、前記感光体ドラム10に形成された紙間パッチ800、801を中間転写ベルトB1の紙間Sに転写させるとともに(図5:S108)、前記2つの濃度検知センサ605、606を起動して、両端に転写された紙間パッチ800、801の濃度をそれぞれ測定する(図5:S109)。
【0081】
ここで、中間転写ベルトB1の一端側に形成された一方の紙間パッチ800は、一方の濃度検知センサ605で濃度を測定され、中間転写ベルトB1の他端側に形成された他方の紙間パッチ801は、他方の濃度検知センサ606で濃度を測定され、各紙間パッチ800、801の濃度は、平均化される。ここで、高い現像バイアスV3(V)の紙間パッチ800、801の濃度D3`(−)を、例えば、0.80(−)とする。
【0082】
又、前記中間転写ベルトB1に形成された紙間パッチ800、801と、当該紙間パッチ800、801が形成される直前に、低い現像バイアスV2(V)が印加された領域802、803との回転方向の長さL2は、2*T1(sec)に中間転写ベルトB1の回転速度R(m/sec)を乗算した値となる。
【0083】
さて、前記紙間パッチ800、801の濃度D3`(−)を測定すると、前記現像バイアス調整手段403は、紙間パッチ800、801の形成に要した高い現像バイアスV3(V)と、当該紙間パッチパッチ800、801の濃度D3`(−)と、現像バイアスのキャリブレーションの結果と、目標画像濃度De(−)とに基づいて、印刷時の現像バイアスVe(V)を調整(補正)する。
【0084】
具体的には、前記現像バイアス調整手段403は、前記高い現像バイアスV3(V)と、前記紙間パッチパッチ800、801の濃度D3`(−)と、現像バイアスのキャリブレーションの現像バイアスV1(V)〜V4(V)と、そのパッチ601、602の濃度D1(−)〜D4(−)とに基づいて、図8(B)に示すように、当該現像バイアスのキャリブレーション時に生成した近似直線700を消去して、新たな近似直線804を再生成する。そして、前記現像バイアス調整手段403は、当該再生成した近似直線804に、前記目標画像濃度De(−)を代入して、当該目標画像濃度De(−)に対応する印刷時の現像バイアスVe`(V)を新たに逆算(決定)する(図5:S110)。
【0085】
ここで、図8(B)に示すように、新たな印刷時の現像バイアスVe`(V)は、古い印刷時の現像バイアスVe(V)よりも低くなっていることが理解される。これにより、印刷実行中であっても、印刷時の現像バイアスVe`(V)を適切に調整することが可能となり、画像品質を維持することが可能となる。
【0086】
特に、本発明では、高い現像バイアスV3(V)で紙間パッチを形成する直前に、低い現像バイアスV2(V)を印加している。これにより、現像ローラ40aの表面の残留トナーの影響が殆ど無い紙間パッチ800、801を形成することが可能となり、現像バイアスVe`(V)を精度高く調整することが可能となる。
【0087】
即ち、タッチダウン現像方式では、印刷における画像の濃度は、現像ローラ40aに付与されるトナー量で決定され、このトナー量は、現像ローラ40aと、当該現像ローラ40aにトナーを供給する磁気ローラ40bとの間の電位差、つまり、当該現像バイアスV(V)で決定されることになる。尚、タッチダウン現像方式とは、トナー及びキャリアを含有する二成分の現像剤を担持する磁気ローラからトナーのみを転移させることにより現像スリーブ上にトナー薄層を形成させ、静電潜像が形成された感光体の表面に、前記トナー薄層からトナーを飛翔させて静電潜像をトナー像として現像する方式のことである。
【0088】
ここで、画像形成装置1では、現像ローラ40aに所定のクリーニングブレードが設置されておらず、現像ローラ40aと磁気ローラ40bとのニップ領域のみで、所定の磁気ローラドクターブレード40gがトナーの引き剥がしとトナーの載せとをほぼ同時に行っている。
【0089】
そのため、前記磁気ローラドクターブレード40gで十分に剥ぎ取られなかったトナーが磁気ローラ40bに残留した場合、その残留トナーの影響で、前記磁気ローラ40bから供給されるトナー量が変動することになる。又、現像ローラ40aと磁気ローラ40bとは、カウンターとなっている。
【0090】
上述のように、前記現像ローラ40aに供給されるトナー量は、現像バイアスV(V)で決定されるものの、残留トナーが磁気ローラ40bを介して現像ローラ40aに存在する場合に、残留トナーの帯電量により、大きく変動する。
【0091】
ここで、現像ローラ40aにトナーが残留しない場合には、正規の現像バイアスV(V)に対応するトナー量が現像ローラ40aに供給されるものの、現像ローラ40aにトナーが残留する場合には、当該残留したトナーが既に所定の現像バイアスV(V)に印加された後であることから、摩擦帯電や電荷注入により、所定の帯電量を有し、現像バイアスV(V)の表面の帯電量が上昇する。すると、磁気ローラ40bから現像ローラ40aに次に供給されるトナー量は、残留したトナーの帯電量に対応するトナー量だけ減少してしまい、現像ローラ40aのトナー量が全体として減少することになる。
【0092】
従って、現像ローラ40aの残留トナーにより、正確な量のトナーが現像ローラ40aに供給されずに、画像濃度の低下、画像品質の劣化を招く。
【0093】
本発明では、印刷時の現像バイアスVe`(V)の調整に使用する紙間パッチ800、801を形成する直前に、低い現像バイアスV2(V)を印加するように構成している。これにより、上述した現像ローラ40aの残留トナーの帯電量を減少させ、当該現像ローラ40aに残留するトナーを十分に剥ぎ取らせることが可能となり、紙間パッチ800、801の形成の際に、現像ローラ40aのトナー量を安定化させることが可能となる。そのため、紙間パッチ800、801の濃度も適切になり、印刷時の現像バイアスVe`(V)の正確な調整が可能となるのである。
【0094】
特に、前記紙間パッチ800、801の形成に要する現像バイアスVb(V)を、現像バイアスのキャリブレーションで使用した現像バイアスV3(V)としていることから、著しく不適合な近似直線804が生じることが無く、印刷時の現像バイアスVe`(V)の調整(補正)も精度高く行うことが可能となるのである。又、現像バイアスのキャリブレーションのうち、紙間パッチの形成に要する現像バイアスを新たに印加することをしなくても済むから、現像バイアスのキャリブレーションに要する時間を長期化せずに済む。
【0095】
ここで、パッチを形成する直前の現像バイアスの影響を具体的に説明する。図9(A)は、4つのパッチを連続して形成する場合の現像バイアスと印加する単位時間とを示す4種類のバイアス条件である。図9(B)には、4種類のバイアス条件で形成した4つのパッチの濃度を示すグラフである。
【0096】
ここで、図9(A)に示すように、第一のバイアス条件Aは、3つのパッチの形成に対して、印刷時の現像バイアスに近い現像バイアスV5(V)=320Vを印加し、最後のパッチの形成に対して、紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)=120Vを印加する条件とする。第二のバイアス条件Bは、4つのパッチの形成に対して、紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)=120Vを印加する条件とする。第三のバイアス条件Cは、3つのパッチの形成に対して、現像バイアスのキャリブレーションにおける第二の現像バイアスV2(V)(低い現像バイアスに対応する)=80Vを印加し、最後のパッチの形成に対して、紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)=120Vを印加する条件とする。第四のバイアス条件Dは、3つのパッチの形成に対して、現像バイアスのキャリブレーションにおける最初の現像バイアスV1(V)=40Vを印加し、最後のパッチの形成に対して、紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)=120Vを印加する条件とする。
【0097】
4種類のバイアス条件A〜Dに対応するパッチの濃度を確認すると、図9(B)に示すように、第二のバイアス条件Bでは、前の3つのパッチ濃度と比較して最後のパッチの濃度の変動が殆ど無く、第三のバイアス条件Cでは、最後のパッチの濃度の変動が次に少なく、第四のバイアス条件Dでは、最後のパッチの濃度の変動が少しあった。一方、第一のバイアス条件A、つまり、通常、現像バイアスの調整を紙間パッチで実行する場合のバイアス条件では、最後のパッチの濃度の変動が著しかった。
【0098】
又、最後のパッチの形成に要する現像バイアスV3(V)が同じであっても、直前の現像バイアスV(V)が高い程、最後のパッチの濃度が低くなっている。これは、第三のパッチの形成に要する現像バイアスが高い程、現像ローラ40aの残留トナーの帯電量が増加するため、最後のパッチの形成に要する現像バイアスV3(V)が同じでも、現像ローラ40aに供給されるトナー量が減少し、感光体ドラム10へ移行するトナー量が減少してしまうからである。
【0099】
従って、本発明では、前記紙間パッチ800、801を形成する直前に、当該紙間パッチ800、801の形成に要する現像バイアスV3(V)よりも低い現像バイアスV2(V)を予め印加することで、上述した現像ローラ40aの残留トナーの帯電量を減少させ、当該現像ローラ40aに残留するトナーを十分に剥ぎ取らせることが可能となり、上述したパッチの濃度の変動を抑えることが可能となるのである。
【0100】
ここで、上述した現像ローラ40aの残留トナーの帯電量を確実に低下させる、言い換えると、当該現像ローラ40aに残留するトナーを十分に剥ぎ取らせるために、前記紙間パッチ800、801を形成する直前の現像バイアスV(V)を0Vとしても構わない。直前の現像バイアスV(V)を0Vとすることで、現像ローラ40aの残留トナーの帯電量をゼロに近づけることが可能となり、当該残留トナーの剥ぎ取りを確実にすることが可能となる。
【0101】
前記紙間パッチ800、801を形成する直前の現像バイアスV(V)を0Vとする場合のバイアステーブル(バイアス条件)は、例えば、以下の構成とされる。図10(A)は、現像バイアスを0Vとする現像バイアスのキャリブレーションのバイアス条件である。図10(B)は、印刷時の現像バイアスを調整する際のバイアス条件である。
【0102】
先ず、前記キャリブレーション実行手段402が、現像バイアスのキャリブレーションを実行する際に、図10(A)に示すように、最初の現像バイアスV1(V)から四番目の最後の現像バイアスV4(V)まで段階的に現像バイアスの絶対値が高くなるように現像ローラ40aに現像バイアスV1(V)〜V4(V)を印加し、最後の現像バイアスV4(V)を印加させた直後に現像バイアスを0Vとし、0Vの直後に、紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)を印加する。この際、前記キャリブレーション実行手段402は、最初の現像バイアスV1(V)から四番目の現像バイアスV4(V)までに対応して4つのパッチを形成するとともに、前記紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)に対応して1つのパッチを形成する。そして、前記キャリブレーション実行手段402は、形成した各パッチの濃度を測定して、印刷時の現像バイアスVe(V)を決定する。この場合、前記現像バイアスのキャリブレーションに要する時間6*T1(sec)は、現像バイアスを0V、紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)とする時間2*T1(sec)だけ長くなる。
【0103】
次に、現像バイアス調整手段403は、前記紙間パッチを形成する際に、図10(B)に示すように、現像バイアスのキャリブレーションの現像バイアスのうち、0V、紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)をVa(V)、Vb(V)として印加し、前記紙間パッチの形成に要する現像バイアスV3(V)で紙間パッチを紙間に形成する。このように、前記紙間パッチを形成する直前の現像バイアスV(V)を0Vとすることで、現像ローラ40aの残留トナーの帯電量をゼロに近づけることが可能となり、当該残留トナーの剥ぎ取りを確実にすることが可能となる。その結果、前記紙間パッチの形成の際に、現像ローラ40aのトナー量を安定化させることが可能となり、印刷時の現像バイアスVe`(V)の正確な調整が可能となるのである。
【0104】
このように、本発明では、現像バイアスのキャリブレーションを実行して、印刷時の現像バイアスを決定するキャリブレーション実行手段402と、前記印刷時の現像バイアスVe(V)の調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションで段階的に変更した二つの現像バイアスVa(V)、Vb(V)を印加し、二つの現像バイアスのうち、高い現像バイアスVb(V)で紙間パッチを紙間に形成し、当該紙間パッチの濃度Db(−)を測定して、当該紙間パッチの形成に要した現像バイアスVb(V)と、当該紙間パッチの濃度Db(−)とを利用して、印刷時の現像バイアスVe(V)を調整する現像バイアス調整手段403とを備えることを特徴とする。
【0105】
又、本発明では、現像バイアスのキャリブレーションに、所定の現像バイアスを0Vとし、その直後に、紙間パッチの形成に要する特定の現像バイアスV3(V)を印加するバイアス条件を加えて、印刷時の現像バイアスVe(V)を決定するキャリブレーション実行手段402と、前記印刷時の現像バイアスVe(V)の調整の際に、前記現像バイアスのキャリブレーションのバイアス条件のうち、現像バイアスを0Vとし、その直後に前記特定の現像バイアスV3(V)を印加し、当該特定の現像バイアスV3(V)で紙間パッチを紙間に形成し、当該紙間パッチの濃度を測定して、当該紙間パッチの形成に要した現像バイアスV3(V)と、当該紙間パッチの濃度とを利用して、前記印刷時の現像バイアスVe(V)を調整する現像バイアス調整手段403とを備えることを特徴とする。
【0106】
これにより、紙間でパッチを形成しても、現像バイアスの調整を適切に実行することが可能となる。
【0107】
尚、本発明では、所定の色(例えば、黒色)の現像バイアスについて説明したが、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の他の色の現像バイアスでも同様である。
【0108】
又、本発明の実施形態では、画像形成装置1が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを画像形成装置1に読み出させ、当該画像形成装置1が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。更に、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
以上のように、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、紙間でパッチを形成しても、現像バイアスの調整を適切に実行することが可能な画像形成装置及び画像形成方法として有効である。
【符号の説明】
【0110】
1 画像形成装置
401 制御手段
402 キャリブレーション実行手段
403 現像バイアス調整手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10