(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、実施形態に係るX線CT撮影装置について説明する。
図1はX線CT撮影装置20を示す斜視図であり、
図2はX線CT撮影装置20の内部構造を示す断面図であり、
図3は主として支持部及び支持部を支持する構造部分を示す断面図であり、
図4は主として支持部を支持する構造部分を示す断面図である。また、
図5はX線CT撮影装置の模式的な断面図であり、
図6は
図5のIV−IV線における部分模式断面図である。
図5及び
図6は、各部間の相互関係を説明するために模式化した図であるため、他の図で表された部分が簡略化又は省略等して描かれていることがある。また、
図7は支持部をXYZ方向に移動させる構造部分を示す斜視図である。
【0033】
<1.全体構成>
まず、
図1、
図2及び
図5を参照して、X線CT撮影装置20の全体構成について説明する。
【0034】
X線CT撮影装置20は、被写体Pとして患者の一部、例えば、頭部、頚椎、腕関節、手指、乳房、腰椎、股関節、膝、足等をCT撮影するための装置であり、X線発生器40と、X線検出器45と、支持部30と、基体100とを備える。
【0035】
X線発生器40は、X線コーンビームを発生可能に構成されている。X線検出器45は、X線発生器40から照射され、撮影対象である被写体Pを透過したX線を検出する部分である。
【0036】
支持部30は、炭素繊維強化プラスチックによって形成された外装部32を含み、外装部32によってX線発生器40とX線検出器45とを対向させた状態で支持するように構成されている。
【0037】
基体100は、本装置20を構成する各部が直接或は間接的に組付けられるベースとなる部分である。特に、本基体100は、X線発生器40とX線検出器45とが旋回軸A周りに旋回するように、支持部30を旋回可能に支持している。なお、以下の説明では、便宜上、基体100に対して支持部30が設けられた側を前側、その反対側を後側という場合がある。
【0038】
本実施形態では、基体100は、旋回軸Aが水平方向に沿って配設されるように、上記支持部30を支持している。このため、支持部30によって支持されたX線発生器40とX線検出器45とは、鉛直方向に対して直交する水平方向に沿った旋回軸Aを挟んで間隔をあけて対向配置され、その周りに旋回する。なお、旋回軸Aは水平状に配置されるが、厳密に水平でなくてもよい。例えば、水平に広がる2次元平面をSzxとし、旋回軸Aの軸方向をDaとし、軸方向Daと2次元平面Szxのなす最小角度をAaとすると、好適には角度Aaはゼロであるが、プラス20°からマイナス20°の範囲内のいずれかであってもよい。また、図示は略するが、旋回軸Aを傾動可能な機械構成にしておいて、一時的に角度Aaをゼロにできるようにしてもよく、この場合も水平状の配置である。
【0039】
このX線CT撮影装置20では、次のようにして被写体PのX線CT撮影を行う。すなわち、被写体Pが、基体100の反対側から旋回軸Aに沿ってX線発生器40とX線検出器45との間に配設される。この状態で、支持部30が旋回軸A周りに回転することで、X線発生器40及びX線検出器45が前記旋回軸A周りに回転する。そして、X線検出器45で得られる電気信号に基づいて被写体PのCT画像を再構成する演算処理等を行って、被写体PのCT画像を生成する。
【0040】
このため、本X線CT撮影装置20は、被写体Pを水平方向に沿って配設した状態でX線CT撮影するのに適した装置として構成されている。もっとも、支持部は、水平方向に対して傾斜する旋回軸、又は、鉛直方向に沿った旋回軸周りに旋回可能に支持されていてもよい。
【0041】
以下、各部についてより具体的に説明する。
【0042】
<2.支持部の構成>
図1〜
図5に示すように、支持部30は、外装部32を含む。外装部32は、X線発生器40及びX線検出器45を対向させた状態で内蔵して支持する支持要素である。また、外装部32は、X線発生器40、X線検出器45及びそれらへの配線材等を覆ってそれらを保護する要素となり得る部分である。
【0043】
外装部32は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)によって形成されている。炭素繊維強化プラスチックは、鉄等の金属材料と比べて軽量であり、強度も優れる。かかる外装部32によってX線発生器40及びX線検出器45を内蔵して支持することで、当該外装部32を含む支持部30の軽量化を図ることができる。また、支持部30の軽量化を図ることができる結果、当該支持部30を回転可能に支持する構成部分(後述する)の軽量化が可能となる。これにより、X線CT撮影装置20の全体を軽量化できる。
【0044】
どのように炭素繊維強化プラスチックで外装部32を形成するかは、様々に考えうる。布状に織り上げた炭素繊維をプラスチックに接合して形成してもよいし、または炭素繊維を細片状としてプラスチックに一様に分散させて混入して形成してもよい。
【0045】
また、X線発生器40とX線検出器45とを支持する構成部分を剛性に優れた炭素繊維強化プラスチックによって形成することと、当該構成部分を、外装部32をなす形状とし、その延在方向に対して直交する面における断面形状を環状形状(好ましくは箱形状)とすることとが相俟って、剛性に優れた構成とすることができる。このように、外装部32を含む支持部30の軽量化を図ると共にその高剛性化を図ることで、支持部30の旋回時において支持部30の撓み変形を少なくすることができる。結果、X線発生器40とX線検出器45との旋回移動を高精度に保つことができ、かつ、X線CT撮影装置20の軽量化を図ることができる。特に、X線発生器40とX線検出器45とが、それらの支持構造部分等の撓み変形に起因してぶれることを抑制することで、X線発生器40とX線検出器45との旋回時に逐次得られる画像間において位置ずれを抑制できる。結果、高精度なX線CT画像を得ることができる。
【0046】
具体的には、外装部32は、旋回軸Aに沿って延在する一対のアーム部34、36と、アーム基部38とを含む。アーム部34は後述するX線発生器40と共に支持部30のX線発生部40Aを構成し、アーム部36は後述するX線検出器45と共に支持部30のX線検出部45Aを構成する。
【0047】
一対のアーム部34、36は、先端部が塞がれた角筒状に形成されており、旋回軸Aに沿って延在するように配設されている。
【0048】
アーム基部38は、中間胴部38aと、その両端側の曲げ部38bとを含む。中間胴部38aは旋回軸Aに対して直交する方向に延在する角筒状に形成されており、曲げ部38bは、中間胴部38aの端部において旋回軸Aに直交する方向から旋回軸Aに沿った方向に曲る角筒状に形成されている。中間胴部38aとその両端の曲げ部38bとは、全体として1つの角筒を形成するように連なっている。
【0049】
一対のアーム部34、36は、アーム基部38の両端に連なっており、アーム基部38によって旋回軸Aを挟んで対向する並行状態で支持されている。
【0050】
そして、外装部32を全体として見ると、一対のアーム部34、36とアーム基部38とがU字状をなすように連続する筒形状(ここでは角筒形状)をなしている。外装部32内には、一方のアーム部34の端部からアーム基部38を経て他方のアーム部36の端部に至る空洞が形成されている。なお、外装部32の表面には塗装等が施されていてもよい。
【0051】
一方のアーム部34の先端部にX線発生器40が取付けられており、他方のアーム部36の先端部にX線検出器45が取付けられている。
【0052】
X線発生器40は、X線発生本体部41と、X線規制部42とを含む。X線発生本体部41は、X線管等、X線を発生させる部分である。X線規制部42は、X線発生本体部41によるX線の照射方向前方に設けられ、X線の照射領域を規制する部分である。X線規制部42は、X線の広がりを規制する開口を形成する板状部材からなり、コリメータと呼ばれることもある。開口形状は、X線CT撮影を行う態様に応じて、スリット状或は所定大きさの略方形開口形状に形成されている。開口を形成するための板状部材としては、一枚の板に一つまたは複数の開口が設けられたもの、二枚以上の板をずらして重ね合わせることで開口を形成するもの、さらには二枚以上の板を移動可能に配置して開口形状及び開口面積を変更可能としたもの、等、目的とするX線撮影或はCT撮影の対象となる領域に応じた種々の構成が採用される。開口によってX線が例えばX線コーンビームとなるように規制される。
【0053】
図5に示す例では、複数の遮蔽板421、422がX線の通過を許容する開口425を形成している。それぞれの遮蔽板421、422はX線発生本体部41に対してZ方向に独立変位する。複数の遮蔽板421、422は互いに近接することで開口425のZ方向の幅を小さくし、互いに離隔することで開口425のZ方向の幅を大きくすることができる。遮蔽板421、422が同じ方向に変位して照射するX線の方向をZ方向について変更することもでき、照射方向と幅の変更を兼ねる移動も可能である。遮蔽板421、422はモータ等のアクチュエータを備えた遮蔽板駆動機構で変位させるが、遮蔽板駆動機構の図示は省略する。
【0054】
複数の遮蔽板421、422が縦方向にX線の通過を規制する部材であるとすれば、横方向にX線の通過を規制する図示しない遮蔽板423、424も備えられる。
【0055】
遮蔽板423、424は遮蔽板421、422のX線照射方向前方か後方に隣接して配置され、遮蔽板421、422の移動方向と交差する横方向にX線発生本体部41の出射口411から発生するX線を規制する。遮蔽板423、424のX線発生本体部41に対するZ方向と交差する方向への独立変位は、遮蔽板421、422の変位と方向が異なるだけで同様であるので説明は省略する。
【0056】
このX線発生器40は、他方のアーム部36の先端部に向けてX線コーンビームを照射可能な位置及び姿勢で、一方のアーム部34の先端部に取付けられている。
【0057】
具体的には、一方のアーム部34の先端部の内向き部分には、発生器側開口35が形成されている。ここでは、一方のアーム部34の先端部の内向き部分に方形状の発生器側開口35が形成されている。発生器側開口35は、アーム部34内にX線発生器40を収容する際に、前記X線発生器40を通過させて収容するための開口である。従って、発生器側開口35は、X線発生器40を通過させることが可能な程度の大きさに形成されている。
【0058】
そして、アーム部34のうち発生器側開口35を通って、X線発生器40が当該発生器側開口35の奥側でアーム部34内に収容状態で取付けられている。
【0059】
このように、X線発生器40をアーム部34内に取付けた状態では、当該X線発生器40で発生されたX線は、本発生器側開口35を通ってX線検出器45側に照射される。
【0060】
X線検出器45は、2次元的に広がった検知面を有するフラットパネルディテクタ(FPD)或はX線蛍光増倍管(I.I.=Image Intensifier)等により構成されている。
【0061】
このX線検出器45は、X線発生器40からのX線が検知面に照射可能な姿勢で、他方のアーム部36の先端部内向き部分に取付けられている。
【0062】
具体的には、他方のアーム部36の先端部の内向き部分には、検出器側開口37が前記発生器側開口35に対向して形成されている。ここでは、他方のアーム部36の先端部の内向き部分に方形状の検出器側開口37が形成されている。そして、アーム部36のうち検出器側開口37に、X線検出器45が収容状態で前記発生器側開口35に対向して取付けられている。即ち、上記X線検出器45が検出器側開口37を塞ぐようにアーム部36の先端部に取付けられている。この状態では、X線検出器45の検知面は、検出器側開口37より突出した状態で、当該検出器側開口37の全体に広がるように延在している。
【0063】
これにより、一対のアーム部34、36によって、X線発生器40及びX線検出器45が旋回軸Aを挟んで対向状態で支持される。そして、そして、X線発生本体部41より照射されたX線コーンビームがX線規制部42によってその広がりを規制されつつ発生器側開口35を通って照射される。そして、このX線コーンビームが旋回軸A及びその周辺を通ってX線検出器45の検知面に達するようになっている。
【0064】
なお、上記X線発生器40及びX線検出器45に対する配線は、外装部32内の空間を通って配設される。外装部32の適宜位置に、配線等を取付けるための作業用の開口、放熱のための開口等が形成されていてもよい。
【0065】
なお、上記一方のアーム部34の先端部には、位置付用の光を照射する位置付用光照射部34aが設けられている。位置付用光照射部34aは、発光ダイオード或は電球等により構成され、可視光を発するように構成されている。この位置付用光照射部34aは、X線発生器40及びX線検出器45との間の空間に向けて光を照射可能な姿勢で、一方のアーム部34の先端部(ここでは、先端部側方位置)に取付けられている。また、スリットを形成した遮蔽板及びレンズ等により、位置付用光照射部34aから照射される光が、X線発生器40及びX線検出器45による撮影位置を示すように規制されている。ここで、位置付用光照射部34aから照射される光が前記撮影位置を示す態様としては、当該光が旋回軸Aを狙って照射される場合、或は、撮影領域の境界を示す場合等が考えられ、また、光は線状に照射されても、点状に照射されても、面状に照射されてもよい。また、位置付用光照射部34aの取付位置は、一方のアーム部34の先端部に限られず、一方のアーム部34の他の部分、他方のアーム部36等であってもよい。
【0066】
また、支持部30は、旋回軸Aに沿って上記X線発生器40及びX線検出器45の反対側に延出するように設けられた旋回支持軸部50を含む。
【0067】
すなわち、アーム基部38には、旋回軸Aに沿った空洞部39が形成されている。ここでは、アーム基部38の延在方向中間部の前部及び後部に、旋回軸A周りで開口する開口38hが形成されている。そして、この開口38hに筒部材38eが嵌め込まれ、外装部32に対してネジ止等で固定されている。この筒部材38eの内周側に前記旋回軸A周りに拡がる空間を形成する空洞部39が形成されている。また、筒部材38eの内周部であって旋回軸A方向の中間部には、内周側に向けて突出する固定用鍔部38fが延出している。
【0068】
旋回支持軸部50は、第1旋回支持軸部52と第2旋回支持軸部56とを備える。
【0069】
図4に示すように、第1旋回支持軸部52は、中央が開口する円板状部53と、円板状部53の中央開口から円板状部53の一方主面側(後側)に延出する筒状部54とを備えている。第1旋回支持軸部52は、円板状部53の中央開口と筒状部54内の空間とが連続する中空形状に形成されている。
【0070】
第2旋回支持軸部56は、筒状部57と、筒状部57の一端部(後側端部)から外周側に広がる固定用鍔部58とを備える。
【0071】
筒状部57の他端部(前側端部)は、第1旋回支持軸部52の筒状部54の一端部(後側端部)に連結されている。ここでは、筒状部57の他端部が筒状部54の一端部に内嵌めされることで、それらが連結されている。固定用鍔部58は、後述する旋回駆動部180の中空回転軸部186に連結されている。
【0072】
この旋回支持軸部50は、上記円板状部53を筒部材38eの固定用鍔部38fに重ね合せた状態でネジ止等することによって、外装部32に固定されている。この固定状態で、旋回支持軸部50は外装部32に対して旋回軸Aに沿って一対のアーム部34、36の反対側に延出している。この旋回支持軸部50は、全体として、第1旋回支持軸部52の内部空間と第2旋回支持軸部56の内部空間とが連続する中空形状に形成されている。
【0073】
そして、旋回支持軸部50が後述する第1軸受160及び第2軸受165で回転可能に支持されることによって、支持部30が片持ち状態で旋回軸A周りに回転可能に支持される。また、旋回支持軸部50の他端部が旋回駆動部180の中空回転軸部186に相対回転不能に連結され、当該旋回駆動部180によって回転駆動されることによって、支持部30が旋回軸A周りに回転駆動される。そして、支持部30が旋回軸A周りに回転することで、X線発生器40及びX線検出器45が旋回軸A周りに回転し、CT画像を再構成するために必要な、複数方向から患部を撮影した複数のX線投影データを取得することができる。
【0074】
また、空洞部39には、収容部60が設けられている。収容部60は、有底円筒状に形成されており、被写体Pの少なくとも一部を収容可能に構成されている。より具体的には、収容部60は、円板部61aの周囲に周壁部61bが形成された構成とされている。円板部61aの中央部は開口が形成されている。また、収容部60内には、円板部61aの開口を塞ぐように底板61cが取付けられている。なお、収容部60の少なくとも一部が空洞部39内に配設されていればよい。従って、収容部60の奥側部分又は前側部分が空洞部39から突出していてもよい。
【0075】
そして、X線発生器40とX線検出器45との間に被写体P(詳細には、患者の一部で、X線撮影対象となる部分であり、例えば、上腕Pa)を配設した状態で、一部(例えば手先Pb)を収容部60に収容できるようになっている。
【0076】
この収容部60は、空洞部39に収容されてはいるが、筒部材38eには固定されていない。ここでは、収容部60は、その中心軸を旋回軸Aと一致させると共に、一対のアーム部34、36間の空間に向けて開口させた状態で、収容部支持部62によって回転不能に支持されている。
【0077】
収容部支持部62は、取付部材63と、第1収容部支持軸部64と、第2収容部支持軸部65とを備える。
【0078】
取付部材63は、中央が開口する円板状部63aと、円板状部63aの中央開口から円板状部63aの一方主面側(後側)に延出する筒状部63bとを備えている。
【0079】
第1収容部支持軸部64は、円筒状に形成されている。第1収容部支持軸部64の一端部(前側端部)は、筒状部63bの端部に連結されている。ここでは、第1収容部支持軸部64の一端部(前側端部)は、後述する第2軸受165の内側環状部材167を介して筒状部63bの端部に連結されている。
【0080】
また、第2収容部支持軸部65は、丸棒状に形成されている。第2収容部支持軸部65の一端部(前側端部)は、第1収容部支持軸部64の他端部(後側端部)に連結されている。ここでは、第2収容部支持軸部65の一端部(前側端部)が、第1収容部支持軸部64の他端部(後側端部)内に挿入された状態で連結されている。
【0081】
そして、収容部支持部62の一端部(前側端部)が収容部60の円板部61aの外向き面に固定されることで、収容部支持部62は、収容部60に対してその開口とは反対側に向けて旋回軸Aに沿って延出する姿勢で延出するように支持される。この収容部支持部62は、上記旋回支持軸部50の内部空間及び旋回駆動部180の中空回転軸部186の内部空間を通って当該旋回支持軸部50に対して相対回転可能に配設される。そして、収容部支持部62の他端部(後側端部)が中空回転軸部186から外方に突出して後述する旋回支持基部150に固定されることで、収容部60が上記空洞部39内において回転不能かつ一定位置及び姿勢で支持される。
【0082】
空洞部39は、外装部32による支持機能を保てる範囲で可能な限り大きな開口形状であることが好ましい。また、収容部60の開口は、収容部60を空洞部39内に収容可能な範囲内で可能な限り大きく形成されていることが好ましい。
【0083】
なお、ここでは、収容部60は回転不能に支持されているが、回転可能に支持されていてもよい。もっとも、この場合であっても、収容部は、支持部に対して相対回転可能に支持され、支持部が回転しても、収容部は支持部の回転に従動しない、つまり、回転しない状態を保てることが好ましい。
【0084】
本実施形態における支持部30は、アーム基部38にZ方向に伸延する旋回支持軸部50が連結され、アーム部34、アーム部36がアーム基部38から旋回支持軸部50とは反対のZ方向に伸延し、その配置によってアーム部34、アーム部36の間に被写体Pを位置付ける空間ができる構成になっている。
【0085】
支持部30を簡易、軽量にするため、支持部30の全体形状はU字状となっている。U字状は、厳密にUの字の形状でなくともよく、C字状、アーム基部の両端部に対して一対のアーム部が直角姿勢で並行状に延出する形状でもよい。つまり、アーム基部38、アーム部34、アーム部36からなり、アーム基部38は直線形状でも湾曲形状でもよいが、Z方向に直交する方向に概ね伸延しており、アーム部34、アーム部36は直線形状でも湾曲形状でもよいが、
Z方向に沿った方向に概ね伸延しており、アーム基部38とアーム部34、アーム部36との接合部分も湾曲して滑らかに接合されても、明白な角度をつけて接合されてもよく、このように形成されたアーム基部38、アーム部34、アーム部36の成す形状をU字状と総称するものとする。
【0086】
<3.基体の構成>
<3.1.基体の概略構成>
図1、
図2及び
図5に示すように、基体100は、支持部30及び収容部60等を支持する部分である。基体100は、台座102と、XYZ方向移動機構部110と、旋回支持基部150とを備える。
【0087】
台座102は、本装置20の下方に配設されるベースとなる部分である。台座102は、平面視において本装置20を傾かないように一定姿勢で支持できる程度の広がりを有している。台座102は、複数のフレームが組合わされた構造であってもよいし、板状の構造であってもよい。
【0088】
台座102の下方には、床上を転がり可能な転動体として、車輪109が設けられている。ここでは、台座102の下部4角に車輪109が設けられている。そして、本装置20の利用者等が装置20を押すことで、本装置20が床面等の上を走行移動できるようになっている。
【0089】
このように、車輪109を設けることで、本X線CT撮影装置20を容易に移動できる。支持部30等を軽量化できることと相俟って、本CT撮影装置20をより容易に移動できる。
【0090】
なお、各車輪の少なくとも一部に車輪の回り止めを行う周知のロック機構を設けて、X線CT撮影装置20の停止状態が維持できるようにしてもよい。
【0091】
XYZ方向移動機構部110は、上記台座102に設けられ、旋回支持基部150及び当該旋回支持基部150によって直接又は間接的に支持された各部(支持部30等を含む)を、台座102に対して、旋回軸Aと平行なZ方向、Z方向に対して水平面内において直交するX方向、Z方向及びX方向との双方に直交する鉛直方向であるY方向に移動させるように構成されている。
【0092】
また、旋回支持基部150は、上記XYZ方向移動機構部110によってXYZ方向に移動可能に支持されている。この旋回支持基部150は、上記旋回支持軸部50及び収容部支持部62等を支持可能に構成されている。
【0093】
そして、支持部30が旋回支持基部150に支持されることで、当該支持部30が旋回支持基部150と共にXYZ方向に移動可能に支持される。また、上記収容部60等も直接又は間接的に旋回支持基部150に支持されており、支持部30と共にXYZ方向に移動可能に支持される。
【0094】
なお、上記基体100は、上記各部を覆うカバー104を備える。カバー104は、樹脂又は金属等によって形成されており、このカバー104によって上記各部が外部に露出しないように保護されている。
【0095】
ここでは、カバー104は、カバー本体104aと、前面カバー104bとを含む。カバー本体104aは、XYZ方向移動機構部110の周囲及び上方を覆っており、台座102に対して一定位置に固定されている。カバー本体104aのうち支持部30の部分には、開口が形成されており、当該開口を塞ぐように前面カバー104bが配設されている。前面カバー104bは、図示しないが、XYZ方向移動機構部110の中のZ方向に移動するZ方向移動プレートに固定されており、Z方向移動プレートと共にZ方向にのみ移動しつつ、カバー本体104aの上記開口を塞ぐ。
【0096】
なお、前面カバー104bには、旋回支持軸部50が挿通される開口が形成されている。旋回支持軸部50のうち前面カバー104bを通過する部分の周りに軸カバー104cが取付けられている。この軸カバー104cは、ベース板152に固定されている。軸カバー104cの中央には開口が形成され、旋回支持軸部50が当該開口を貫通している。軸カバー104cは旋回支持軸部50とは機械的には分離されているので、旋回支持軸部50に従動して回転するようなことはない。以上の固定関係より、軸カバー104cは前面カバー104bとともにZ方向に移動し、前面カバー104bに対してX方向とY方向に移動しつつ前面カバー104bに形成された開口を塞ぐことができる。
【0097】
また、基体100の上側部分の側部及び後部には表示操作パネル106、107が設けられると共に、基体100の内部には図示省略のCT撮影処理ユニットが設けられている。
【0098】
表示操作パネル106、107は、タッチパネル等によって構成されており、CT撮影に係る諸情報を表示する表示装置及びCT撮影に係る諸指示を入力するための入力装置として用いられる。勿論、表示装置と入力装置とは別々に組込まれていてもよい。
【0099】
また、CT撮影処理ユニットは、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータ等によって構成された処理制御ユニットである。このCT撮影処理ユニットは、予め格納されたソフトウエア及び表示操作パネル106、107等によって入力された諸指示に従って、XYZ方向移動機構部110の動作制御、CT撮影時における旋回駆動部180の動作制御、及び、撮影によってX線検出器45で得られる電気信号に基づいて撮影対象のCT画像を再構成する演算処理等を行うように構成されている。撮影されたCT画像は、表示操作パネル106、107に表示されてもよいし、有線或は無線の通信回路を通じて他の表示部に表示される構成であってもよいし、磁気記録媒体、光学記録媒体、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録されてもよい。
【0100】
<3.2.支持部及び収容部の支持構成>
支持部30及び収容部60の支持構成について
図2〜
図6を参照してより具体的に説明する。
【0101】
上記したように旋回支持基部150は、XYZ方向移動機構部110によって移動可能に支持されている。
【0102】
旋回支持基部150は、ベース板152と、後部支持部154と、軸受支持部156とを備える。
【0103】
ベース板152は、XYZ方向移動機構部110の上方位置に水平姿勢で支持された板状部分である。
【0104】
後部支持部154は、全体として板状に形成された部分である。後部支持部154は、1枚の板状部材で構成されていてもよいし、複数の板状部材で構成されていてもよい。
図4では、後部支持部154は、中央に孔が形成された板状部材の背面側に前記孔を閉じるように別の板状部材が取付けられた構成として描かれ,
図5の模式図では、後部支持部154は1つの板状部材として簡略化して描かれている。
【0105】
後部支持部154は、ベース板152の後部に、旋回軸Aに対して直交する姿勢で固定されている。後部支持部154は、別のブラケット等を介してベース板152に固定されていてもよいし、ベース板152に直接固定されていてもよい。
【0106】
軸受支持部156は、後部支持部154よりも旋回軸A方向に沿って支持部30側(つまり、前側)に離れた位置で、上記ベース板152に対して一定位置及び姿勢で固定されている。軸受支持部156は、旋回軸Aを囲む環状形状に形成されている。軸受支持部156は、ベース板152又は後部支持部154に直接固定されていてもよいし、別途ブラケット等を介してそれらに固定されていてもよい。
【0107】
軸受支持部156の内周部には、第1軸受160が支持されている。第1軸受160は、外側環状部材161と内側環状部材162とが円柱体又は球体等の転動体を介して相対回転可能に連結された構成とされている。外側環状部材161は、上記軸受支持部156の内部に相対回転不能に固定されており、内側環状部材162は、旋回支持軸部50の外周部に相対回転不能に固定されている。ここでは、内側環状部材162は、旋回支持軸部50のうち筒状部54の端部の外周周りに固定されている。
【0108】
そして、本第1軸受160によって、旋回支持軸部50が、旋回軸Aに沿って旋回駆動部180から離れた位置で、回転可能に支持される。
【0109】
また、第1軸受160から旋回軸Aに沿って支持部30側(つまり前側)に離れた位置に第2軸受165が設けられている。第2軸受165は、外側環状部材166と内側環状部材167とが円柱体又は球体等の転動体を介して相対回転可能に連結された構成とされている。外側環状部材166は、旋回支持軸部50に相対回転不能に固定されている。ここでは、外側環状部材166は、旋回支持軸部50のうち第1旋回支持軸部52の前側、さらに具体的には、円板状部53の前側の主面にその内周側に突出する状態で固定されている。また、内側環状部材167は、収容部支持部62に相対回転不能に固定されている。つまり、収容部支持部62は、第2軸受165を支持することで、旋回支持軸部50を回転可能に支持しており、この点において、旋回支持基部150の一要素としても用いられる。
【0110】
そして、本第2軸受165によって、旋回支持軸部50が、旋回軸Aに沿って旋回駆動部180から離れ、かつ、第1軸受160から離れた位置で、回転可能に支持されている。
【0111】
このように、旋回支持基部150の第1軸受160及び第2軸受165によって、台座102の上方で、旋回支持軸部50が回転可能に支持され、これにより、旋回支持基部150が支持部30を片持ち状に回転可能に支持する。
【0112】
このように、第1軸受160及び第2軸受165によって旋回支持軸部50を回転可能に支持することで、旋回軸Aに沿って配設された旋回支持軸部50が生むモーメント荷重が直接旋回駆動部180に作用することを抑制し、旋回支持軸部50の実際の回転軸のブレを防ぐことができる。
【0113】
旋回支持軸部50を回転可能に支持する構成としては種々の態様を想定することができる。例えば、軸受としては、すべり軸受であってもよいし、転がり軸受であってもよく、さらに、転がり軸受の場合、玉軸受であってもよいし、コロ軸受であってもよい。軸受としては、ラジアル荷重、アキシアル荷重等各種方向からの荷重に強いクロスローラベアリングを用いることが好ましい。これにより、支持部30をより精度よく回転可能に支持することができる。
【0114】
また、収容部60の収容部支持部62は、旋回支持軸部50及び旋回駆動部180を通って後部支持部154に達し、当該後部支持部154に相対回転不能に固定されている。これにより、収容部支持部62及び収容部60が空洞部39内で回転不能に支持される。
【0115】
なお、ここでは、旋回支持基部150には、旋回支持軸部50の周囲に位置して回転位置検出部170及び回転制動部175が設けられている。
【0116】
回転位置検出部170は、ギヤ等の回転伝達機構171を介して旋回支持軸部50に連結され、当該旋回支持軸部50と同期して回転可能な回転位置検出用軸部172と、当該回転位置検出用軸部の回転角度を検出するエンコーダ等の検出部173とを含む。
【0117】
回転制動部175は、ギヤ等の回転伝達機構176を介して旋回支持軸部50に連結され、当該旋回支持軸部50と同期して回転可能な制動用軸部177と、当該制動用軸部177の回転を規制可能な制動部178とを含む。制動部178としては、電磁ブレーキ等を用いることができる。そして、回転位置検出部170によって支持部30の回転角度を検出し、支持部30が所定量以上回転したと判断された場合に、回転制動部175によって制動用軸部177の回転を停止させ、もって、支持部30の回転を停止させる。
【0118】
これにより、例えば、支持部30が利用者により手動回転された場合において、支持部30の過回転を抑制することができる。
【0119】
<3.3.支持部の回転駆動構成>
図2〜
図5に示すように、上記支持部30及び旋回支持軸部50は、中空モータ182によって構成される旋回駆動部180によって回転駆動される。
【0120】
中空モータ182は、中空本体部184と、中空回転軸部186とを備える。中空本体部184は、環状に形成されており、中空回転軸部186は、環状形状に形成されており、中空本体部184内に回転可能に支持されている。そして、中空本体部184内に電機子及び界磁子の一方が組込まれ、中空回転軸部186に電機子及び界磁子の他方が組込まれ、これらの両作用によって、中空回転軸部186が中空本体部184に対して回転駆動されるようになっている。また、本中空モータ182は、サーボモータ等の回転角度を制御可能なモータとしても構成されており、上記処理制御ユニットの制御下、その回転角度(回転方向及び回転量)が制御されるようになっている。
【0121】
この中空モータ182の中空本体部184は、旋回支持基部150に固定されている。ここでは、中空本体部184の後側の環状端面が後部支持部154にネジ止等で固定されることで、ベース板152に固定されている。中空本体部184は、別のブラケット等を介してベース板152に固定されていてもよい。また、中空モータとしては、ダイレクトドライブ型中空モータがより好ましく使用できる。
【0122】
また、中空回転軸部186は、中空本体部184の一方側(前側)に突出しており、その端面に、上記旋回支持軸部50の後端部がネジ止等で相対回転不能に連結されている。
【0123】
そして、旋回駆動部180の駆動によって中空回転軸部186を回転させることによって、旋回支持軸部50及び支持部30が、その回転方向及び回転量を制御されつつ、回転駆動されるようになっている。
【0124】
<3.4.XYZ方向移動機構部について>
図2、
図5及び
図7を参照してXYZ方向移動機構部110について説明する。
【0125】
XYZ方向移動機構部110は、Y方向移動機構部120と、ZX方向移動機構部130とを備える。なお、本XYZ方向移動機構部110の各移動方向における制御は、処理制御ユニットによってなされる。
【0126】
Y方向は、鉛直方向(上下方向)に沿った方向であり、
Z方向は旋回軸Aに沿った水平方向に沿った方向であり、
X方向は、
Z方向及びY方向の双方に直交する水平方向に沿った方向である。
【0127】
Z方向を基にして説明すると、Z方向は旋回軸Aの軸方向と同じ方向であり、図示の例では水平方向に設定されている。X方向とY方向は共にZ方向に直交する方向であり、Y方向は図示の例では鉛直方向に、X方向は水平方向に沿って設定されている。
【0128】
上記Y方向移動機構部120は、旋回支持基部150をY方向に沿って昇降移動可能に構成されており、ZX方向移動機構部は、旋回支持基部150をY方向移動機構部120と共にZ方向及びX方向に沿って移動可能に構成されている。
【0129】
より具体的には、台座102上にZX方向移動機構部130が配設されている。
【0130】
ZX方向移動機構部130は、Z方向移動機構部132と、X方向移動機構部142とを備える。台座102上にZ方向移動機構部132が配設され、Z方向移動機構部132上にX方向移動機構部142が配設されている。
【0131】
Z方向移動機構部132は、一対のZ方向ガイド部133と、Z方向駆動部134と、Z方向移動プレート135とを含む。
【0132】
一対のZ方向ガイド部133は、リニアガイド等によって構成されており、台座102上に、Z方向に沿って並列姿勢で配設されている。そして、一対のZ方向ガイド部133によって、Z方向移動プレート135が台座102に対してZ方向に往復移動可能に支持されている。
【0133】
Z方向駆動部134は、モータ及びボールネジを含む直線駆動機構、リニアモータ、流体シリンダ等によって構成されている。このZ方向駆動部134は、台座102とZ方向移動プレート135との間に設けられ、Z方向移動プレート135を台座102に対してZ方向に移動駆動するように構成されている。
【0134】
Z方向への移動駆動は、例えば、Z方向移動プレートに固定された被ガイド部材をZ方向駆動部134のボールネジの回転で移動させることで行うようにすることができる。
【0135】
X方向移動機構部142は、一対のX方向ガイド部143と、X方向駆動部144と、X方向移動プレート145とを含む。
【0136】
一対のX方向ガイド部143は、リニアガイド等によって構成されており、Z方向移動プレート135上に、X方向に沿って並列姿勢で配設されている。そして、一対のX方向ガイド部143によって、X方向移動プレート145がZ方向移動プレート135に対してX方向に往復移動可能に支持されている。
【0137】
X方向駆動部144は、モータ及びボールネジを含む直線駆動機構、リニアモータ、流体シリンダ等によって構成されている。このX方向駆動部144は、Z方向移動プレート135とX方向移動プレート145との間に設けられ、X方向移動プレート145を、Z方向移動プレート135に対してX方向に移動駆動するように構成されている。
【0138】
X方向への移動駆動は、例えば、X方向移動プレートに固定された被ガイド部材をX方向駆動部144のボールネジの回転で移動させることで行うようにすることができる。
【0139】
そして、上記Z方向移動機構部132及びX方向移動機構部142によって、X方向移動プレート145に配設されたY方向移動機構部120がZX二次元平面内で移動駆動可能に維持される。
【0140】
Y方向移動機構部120は、ガイドロッド部121と、駆動ロッド部125と、昇降ガイド部122と、昇降駆動部126とを備える。
【0141】
ガイドロッド部121及び駆動ロッド部125は、ベース板152に垂下状に設けられた長尺部材である。
【0142】
昇降ガイド部122は、X方向移動プレート145上に配設されており、ガイドロッド部121を昇降移動可能に支持している。ここでは、昇降ガイド部122は、ガイドロッド部121を挿通可能な鉛直方向に沿った円柱状空間を有する部材として構成されており、X方向移動プレート145に鉛直姿勢で立設されている。また、昇降ガイド部122内には、ガイドローラ122a(
図5参照)が回転可能に支持されている。そして、昇降ガイド部122内にガイドロッド部121が挿通されると、ガイドローラ122aがガイドロッド部121の外周面に押し当てられる。そして、ガイドローラ122aを従動回転させつつ、ガイドロッド部121が昇降ガイド部122内を昇降移動できるようになっている。
【0143】
昇降駆動部126は、駆動ロッド部125を昇降駆動することで、ベース板152を含む旋回支持基部150を昇降駆動するように構成されている。
【0144】
すなわち、昇降駆動部126は、モータ126aと、モータ126aの回転運動を直線運動に変換する伝達機構部126bとを含む。伝達機構部126bとしては、ラックギヤとピニオンギヤとを組合わせた機構、ボールネジ機構等各種構成を採用することができる。昇降駆動部としては、その他、流体シリンダ等を用いた構成を採用することもできる。
【0145】
そして、ガイドロッド部121が昇降ガイド部122によって昇降可能にガイドされた状態で、昇降駆動部126によって駆動ロッド部125が昇降駆動されることで、旋回支持基部150、支持部30及び収容部60等が昇降駆動されることになる。
【0146】
なお、XYZ方向移動機構部のX方向移動機構部、Y方向移動機構部、Z方向移動機構部の組合わせは上記例に限られず、どの移動機構部が基台側又は旋回支持基部側に設けられるかについては任意である。また、各方向の移動機構部のいずれか1つ又は2つが省略されてもよいし、全ての方向の移動機構部が省略されてもよい。
【0147】
<4.動作及び効果等>
このX線CT撮影装置20では、患者の被写体P(例えば、上腕Pa)を撮影する場合には、まず、当該患者の被写体Pである腕を旋回軸Aに沿ってX線発生器40とX線検出器45との間に配設する(
図1参照)。なお、患者のうち被写体Pとなる部分の位置、患者の身長等にあわせて、上記XYZ方向移動機構部110によって、支持部30によって支持されるX線発生器40とX線検出器45との位置を調整し、被写体Pが旋回軸Aに沿って配設されるようにする。
【0148】
そして、被写体Pを一定位置に保った状態で、旋回駆動部180の駆動により旋回軸A周りにX線発生器40とX線検出器45とを旋回させる。なお、本X線CT撮影装置20では、X線発生器40とX線検出器45とは、X線CT撮影のための回転中において、旋回軸Aに沿った方向では停止している。すなわち、X線発生器40とX線検出器45のそれぞれは、X線CT撮影中に、Z方向については変位せず、X方向とY方向に拡がるXY平面上を旋回移動する。もっとも、複数箇所のX線CT撮影を連続で行えるようにして、Z方向上のある位置でX線CT撮影が完了した後にZ方向移動プレートを変位させてZ方向上の別の位置でのX線CT撮影が行われるようにしてもよい。そして、X線検出器45で得られる複数の投影データを反映する信号に基づいて画像再構成のための演算が行われ、被撮影領域の3次元画像データが生成されてCT画像が得られる。
【0149】
Z方向上のある位置でX線CT撮影が完了した後にZ方向移動プレートを変位させてZ方向上の別の位置でのX線CT撮影を行う場合、得られた複数箇所の3次元画像データを実際の被撮影領域の配置に合わせて接合し、1つの3次元画像データを生成するように構成してもよい。
【0150】
このように構成されたX線CT撮影装置20によると、支持部30は、炭素繊維強化プラスチックによって形成された外装部32を含み、この外装部32によってX線発生器40とX線検出器45とを対向させた状態で支持している。そして、炭素繊維強化プラスチック自体軽量であること、及び、外装部32内には空間を形成できることから、当該外装部32を含む支持部30の軽量化を図ることができる。また、支持部30の軽量化を図る事ができる結果、当該支持部30を回転可能に支持する第1軸受160、第2軸受165及びそれらの支持構成部分を、当該軽量な支持部30に応じて適度な強度を持つ構成とすることができ、それらの支持構成をも軽量化することができる。これにより、X線CT撮影装置20を軽量化できる。
【0151】
また、炭素繊維強化プラスチックは強度に優れる上、X線発生器40とX線検出器45とを支持する構成部分を、外装部32をなす形状とすることで、支持部30を剛性に優れた構成とすることができる。そして、外装部32を含む支持部30の軽量化を図ると共に高剛性化を図ることで、X線発生器40とX線検出器45とが旋回する際の実際の旋回軸のぶれを抑制することができる。
【0152】
このように、X線発生器40とX線検出器45との実際の旋回軸のぶれを抑制でき、かつ、X線CT撮影装置20の軽量化を図ることができる。
【0153】
特に、旋回軸Aが水平状であると、X線発生器40及びX線検出器45による重力の作用方向が、水平方向に沿った旋回軸A周りで変動する。例えば、X線発生器40又はX線検出器45が旋回軸Aの上方に位置した状態では、X線発生器40又はX線検出器45による重力は旋回軸Aに近づく方向に作用する。これに対して、X線発生器40又はX線検出器45が旋回軸Aの下方に位置した状態では、X線発生器40又はX線検出器45による重力は旋回軸Aから遠ざかる方向に作用する。このため、旋回軸Aが水平状であると、旋回軸のぶれが発生し易い。
【0154】
そこで、基体100が、旋回軸Aが水平状となるように支持部30を支持する構成において、支持部30が炭素繊維強化プラスチックによって形成された外装部32を含む構成を採用することで、X線発生器40とX線検出器45との実際の旋回軸のぶれを抑制でき、かつ、X線CT撮影装置20の軽量化を図ることができるという効果を顕著に発揮させることができる。特に、支持部を、アーム基部の両端部に対して一対のアーム部が直角姿勢で並行状に延出する形状に形成した場合は、各アーム部の撓み、歪みを有効に抑えることができ、効果が大である。
【0155】
もっとも、上記構成は、X線発生器及びX線検出器を鉛直方向に沿った旋回軸周りに旋回させるX線CT撮影装置に適用されてもよい。
【0156】
また、外装部32は、旋回軸Aに沿って延在する一対のアーム部34、36を含み、X線発生器40及びX線検出器45が一対のアーム部34、36によって対向状態で支持されているため、環状のガントリにX線発生器及びX線検出器が支持されているタイプのX線CT撮影装置(いわゆるガントリタイプのX線CT撮影装置)と比べて、コンパクト化及び軽量化が可能となる。
【0157】
もっとも、ガントリタイプのX線CT撮影装置においても、ガントリを構成する環状の外装部を、炭素繊維強化プラスチックによって構成してもよい。
【0158】
また、上記したように、支持部30が軽量であるため、当該支持部30を旋回支持基部150によって片持ち状に支持した構成においても、その軽量な支持部30に応じた強度を持つ構成を採用することで、その支持構成の簡易化及び軽量化を図ることができる。
【0159】
また、一対のアーム部34、36の一方にX線発生器40が収容状態で取付けられる発生器側開口35が形成されると共に、一対のアーム部34、36の他方にX線検出器45が収容状態で取付けられる検出器側開口37が形成されているため、X線発生器40及びX線検出器45を外装部32に取付けた状態で、それらの外部へのはみ出しを少なくして、構成のコンパクト化を図ることができる。
【0160】
また、Y方向移動機構部120と、Y方向移動機構部120をZX方向に移動させるZX方向移動機構部130とを備えるため、支持部30、X線発生器40及びX線検出器45を、3次元的に移動させることができ、X線発生器40によるX線の照射設定の自由度を高めることができる。
【0161】
また、支持部30自体は軽量であるため、Y方向移動機構部120及びZX方向移動機構部130に対する駆動負担を小さくすることができる。従来のように金属で支持部30を構成すると、人力による運搬が困難なほどの重量のX線CT撮影装置となるが、本件構成によって一人の人間の人力による運搬も可能なほど軽量化されたX線CT撮影装置20の提供が可能となる。
【0162】
さらに、ZX方向移動機構部130は、旋回支持基部150をY方向移動機構部120と共にZX方向に移動させる構成であるため、Y方向移動機構部120によって昇降移動される部分の小型化及び軽量化が可能となる。また、Y方向移動機構部120における昇降駆動に関する負担が小さくなり、Y方向移動機構部120の小型化及び軽量化も可能となる。
【0163】
また、旋回駆動部180として、中空モータ182を用い、旋回支持軸部50を中空モータ182によって直接駆動しているため、例えば、旋回支持軸部の側方に設けられたモータの回転駆動力を環状ベルト及びプーリ等を介して伝達する構成等と比較して、旋回支持軸部50及び支持部30の旋回角度を精度よく制御でき、また、その小型化も可能となる。
【0164】
また、旋回軸Aに沿って旋回駆動部180から離れた位置で、第1軸受160及び第2軸受165を介して旋回支持軸部50が回転可能に支持されているため、軸ぶれを有効に抑制できる。
【0165】
もっとも、旋回支持軸部としては、その他の構成、例えば、旋回支持軸部の周囲に設けられたモータの回転駆動力を環状ベルト及びプーリ、ギヤ等を介して伝達する構成が採用されてもよい。
【0166】
また、第1軸受160及び第2軸受165が旋回軸Aに沿って離れて設けられているため、旋回支持軸部50を旋回軸Aに沿って離れた位置で支持することが可能となり、軸ぶれをより有効に抑制することができる。
【0167】
旋回支持軸部は、1つの軸受又は3つ以上の軸受によって回転可能に支持されていてもよい。また、旋回支持軸部は、水平以外に水平から20度程度傾けて支持されていても良いし、水平を含む傾斜角度可変に支持されていても良い。
【0168】
また、支持部30のアーム基部38のうち旋回軸A周りの部分には空洞部39が形成されているため、被写体P(例えば、手先Pb)と支持部30との干渉を避けつつ、被写体P(例えば、上腕Pa)をX線発生器40とX線検出器45との間に無理なく配設することができる。これにより、被写体Pである患者等に無理な姿勢を強いなくてもすむ。
【0169】
しかも、空洞部39内に少なくとも一部を収容させるようにして収容部60が配設されており、収容部60は支持部30に対して相対回転可能とされている(ここでは収容部60は回転不能に支持されている)。このため、被写体Pと、支持部30の旋回部位との接触を回避することができる。
【0170】
また、収容部60は、収容部支持部62が、旋回支持軸部50及び中空モータ182の中空回転軸部186を通って旋回支持基部150に固定されているため、当該収容部60を簡易かつコンパクトな構成で固定できる。
【0171】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。