特許第5965408号(P5965408)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965408
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】冷却用ダクトピストン及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F02F 3/00 20060101AFI20160721BHJP
   F02F 3/16 20060101ALI20160721BHJP
   F16J 1/01 20060101ALI20160721BHJP
   F16J 1/09 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   F02F3/00 301B
   F02F3/00 G
   F02F3/00 R
   F02F3/00 302Z
   F02F3/16
   F16J1/01
   F16J1/09
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-539148(P2013-539148)
(86)(22)【出願日】2011年9月24日
(65)【公表番号】特表2013-545924(P2013-545924A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】EP2011004793
(87)【国際公開番号】WO2012065661
(87)【国際公開日】20120524
【審査請求日】2013年7月16日
【審判番号】不服2015-11303(P2015-11303/J1)
【審判請求日】2015年6月16日
(31)【優先権主張番号】102010051681.3
(32)【優先日】2010年11月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】ティモテウス・カイザー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン・プファイファー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガンク・レーム
(72)【発明者】
【氏名】カール・ヴァイスコップフ
【合議体】
【審判長】 中村 達之
【審判官】 金澤 俊郎
【審判官】 梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−172251(JP,U)
【文献】 特開平4−311654(JP,A)
【文献】 特開昭59−110848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 3/00 - 3/28
F16J 1/00 - 1/24
F16J 7/00 - 10/04
F01P 1/00 - 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用の冷却用ダクトピストン(1)であって、割り当てられた燃焼室に面するライニング部分(3)に接続されたピストン基体(2)を有し、前記ライニング部分(3)は前記燃焼室に面する冷却用ダクトピストン(1)のピストン表面(4)を完全に形成し、一個の環状凹部(5)が前記燃焼室に面するピストン基体(2)の表面に設けられ、前記ライニング部分(3)は、燃焼室に面するピストン基体(2)の表面と接続し、これにより前記凹部(5)に架橋し、その結果として、前記環状凹部(5)は、それを架橋する前記ライニング部分(3)と共に一個の冷却用ダクト(6)を形成し、
前記ライニング部分(3)の材料は前記ピストン基体(2)の材料よりもより高いレベルの熱伝導率を持つ、フェライト鋼であり、
前記ピストン基体(2)の材料はニッケル(Ni),マンガン(Mn),窒素(N)で安定化されたオーステナイト鋼であって、前記オーステナイト鋼は、16から21×10−6−1の領域の熱膨張係数を有する
ことを特徴とする、冷却用ダクトピストン(1)。
【請求項2】
前記オーステナイト鋼がFe−Cr−Niオーステナイトであって、
−炭素(C)が0.2から0.4重量%,
−ニッケル(Ni)が8から18重量%,
−クロム(Cr)が15から26重量%,
−ケイ素(Si)が0.5から2重量%,
−マンガン(Mn)が最高12重量%まで,
−タングステン(W)が最高2重量%まで,
−ニオブ(Nb)が最高2重量%まで,
−アルミニウム(Al)が最高2重量%まで,
−窒素(N)が0.05から0.3重量%、及び、
−鉄(Fe)が、100重量%のスチール合金を保持するための差分比率に相当する比率、
の組成物を有することを特徴とする、請求項1に記載の冷却用ダクトピストン(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の冷却用ダクトピストン(1)を製造する方法であって、
−前記環状凹部(5)が設けられた前記燃焼室に面する前記ピストン基体(2)の表面と前記ライニング部分(3)の間に少なくとも固定接続を設けるステップと、
−前記環状凹部(5)を架橋し、これにより、前記環状凹部(5)と前記環状凹部(5)を架橋する前記ライニング部分(3)を通して前記冷却用ダクト(6)を形成するステップと、
を有する製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷却用ダクトピストン及びピストン基体とライニング部分からそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却用ダクトピストン及びその製造は例えば特許文献1により知られており、これは、割り当てられた燃焼室に永久的に接続された更なる部品に面する、ピストン基体を持つ燃焼機関用のピストンを記載する。ここで更なる部品は燃焼室に面するピストンの表面を完全に形成する。ピストン基体には、このピストン基体の材料で完全に囲まれた冷却ダクトが提供される。エンジンオイルはこれを通って循環でき、ピストンの上方領域を冷却する。
【0003】
特許文献2には、先行技術として、冷却用ダクトがロスト・コアにより製造される方法が規定されている。このロスト・コアは完全に封入されるように型に配置される。そして、ロスト・コアの材料は形成された冷却用ダクトから放出され、この場合、エンジンオイルの回路内の汚染物を防止する為に、冷却用ダクト内に材料が完全に残らないように確保する必要がある。冷却用ダクトを製造する代わりに、例えば、メタルの細長い一片により閉じられた、ピストン基体の燃焼室側内に環状凹部が提供される。ピストンの設計はこれにより高さがより高く、一方では、使われた材料は互いに熱と機械的特性に対して調節される必要があり、及び他方では、メタルの細長い一片は、燃焼室側で冷却用ダクトを介してピストン基体に取り付けられる必要がある。
【0004】
特許文献2の主題はピストン上部とピストン下部から成る複数の部分を持つスチールのピストンであり、この場合、ピストンの上部の領域では、環状要素がピストンの上部に対して同軸で放射状に円周方向の冷却ダクトを形成する。環状要素の取り付け領域は複数のセクション内で少なくとも一回セットされ、及び環状要素はピストン基体に永久的に取り付けられ、少なくとも一つの取り付け点は燃焼室に面するスチールピストンの表面内にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第DE10 2007 029 307A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第DE10 2007 005 268A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引用された先行技術に基づき、本発明の目的は、簡単で強固に構成され、その結果、費用対効果が高い、改良された冷却用ダクトピストンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1の特徴を持つ冷却用ダクトピストンにより解決される。
【0008】
本発明の更なる目的は、改良した冷却用ダクトピストンを製造するために、簡単化されより効果的な方法を創造することであり、これにより、冷却用ダクトを形成する為に、ロスト・コアを提供し封入する必要がない。
【0009】
請求項の特徴による方法がこの目的を解決する。
【0010】
冷却用ダクトピストン及びその製造方法の開発は、下位請求項に示されている。
【0011】
特に、本発明は、割り当てられた燃焼室に面するライニング部分に接続されたピストン基体を持つ内燃機関用の冷却用ダクトピストンに関し、ライニング部分は燃焼室に面する冷却用ダクトピストンのピストンの表面を形成する。本発明による冷却用ダクトピストンは、次のような特徴をもつ:環状凹部が燃焼室に面するピストン基体の表面に設けられており、ここでライニング部分は燃焼室に面するピストン基体の表面に少なくとも永久的に接続されており、その上、環状凹部に架橋し、その結果、冷却用ダクトが環状凹部とそれに架橋するライニング部分により形成される。
【0012】
本発明による冷却用ダクトピストンは簡単でありながら強固に設計されており、ピストンの動作温度により特に熱的に及び機械的にストレスを与えられている燃焼室に面する表面に取り付け箇所を持たない。更に、その製造に関しては、ロスト・コアは必要とされておらず、その結果として、例えば、完全な冷却用ダクトピストン内にロスト・コアの固体部が残る危険性とエンジンオイルを汚染する危険性はない。
【0013】
ライニング部分の固定接続が、ライニング部分をピストン基体に少なくとも部分的に成型されて提供される鋳造接続であるか、又はピストン基体との材料の接着かポジティブ接続であると有利であることが証明されており、その理由は信頼性があり、永久的で製造しやすい接続がこれにより実現され得るからである。ライニング部分とピストン基体用に使われた材料により、好適な固定接続、又は複数のタイプの固定接続の組み合わせが選択されることができ、一方、例えば、ライニング部分の一セクションが成型され、そして冷却用ダクトピストンの形状により、更なるライニング部分が再形成され、ポジティブに接続される。
【0014】
本発明の更なる開発において、ライニング部分は、被覆壁と冷却用ダクトの一方の壁の少なくとも一つのセクションを形成し、及び更にピストン基体の外周辺側を部分的に形成する。これにより、燃焼室に最も近くに位置されている、特に熱的ストレスに曝されている外周辺側の領域を、ライニング部分により形成することが可能である。
【0015】
ピストン基体の外周辺側を少なくとも部分的に形成するライニング部分のセクションにおいて、ピストンのリング用の少なくとも一つの環状溝が、有利に提供されることができ、この結果として、特に熱的ストレスに曝された外周辺側の領域に、第1ピストンリングが提供されることができる。その上、ピストン基体の外周辺側を部分的に形成するライニング部分は、この領域にポジティブに接続されることができる。
【0016】
冷却用ダクトピストンの更なる実施形態において、ライニング部分の材料は、ピストン基体からの燃焼室側上で生じる温度を放散する為に、ピストン基体の材料よりも熱伝導率のより高いレベルを持つ。ここで、ライニング部分の材料はフェライト鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、グラファイト材料、好ましくはグラファイト繊維マットであり、及び、ピストン基体の材料はオーステナイト鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタニウム、チタニウム合金、鋳鉄、グラファイト材料又は複合材料である。ライニング部分の材料として好ましいグラファイト繊維マットは特にピストン基体の熱絶縁用に使われる。
【0017】
ライニング部分とピストン基体の材料の組み合わせの好適な選択により、様々な温度の範囲と領域に好適な冷却用ダクトピストンを提供することができる。好適な材料の組み合わせは、たとえば、ライニング部分がフェライト鋼でピストン基体がオーステナイト鋼、ライニング部分がフェライト鋼でピストン基体がアルミニウム、ライニング部分とピストン基体がアルミニウム、などである。
【0018】
ピストン基体のための好ましい材料は、ニッケル(Ni),マンガン(Mn),窒素(N)で安定化されたオーステナイト鋼で、前記オーステナイト鋼は、16から21×10−6−1の領域の熱膨張係数を有する。特にオーステナイト鋼は次の組成を持つFe−Cr−Niオーステナイトである:炭素(C)が0.2から0.4重量%,ニッケル(Ni)が8から18重量%,クロム(Cr)が15から26重量%,ケイ素(Si)が0.5から2重量%,マンガン(Mn)が最高12重量%まで,タングステン(W)が最高2重量%まで,ニオブ(Nb)が最高2重量%まで,アルミニウム(Al)が最高2重量%まで,窒素(N)が0.05から0.3重量%、及び、鉄(Fe)が、100重量%のスチール合金を保持するための差分比率に相当する比率。
【0019】
オーステナイト鋼の所定の熱膨張係により、オーステナイトは、ライニング部分がアルミニウムから成る場合は、本発明によると、ピストン基体の材料として使うのに特に好適である。更に、上記のオーステナイト鋼から製造したピストン基体はアルミニウムから製造したシリンダーのライニングの使用に特に好適である。
【0020】
本発明は更に上述のタイプの冷却用ダクトピストンを製造する方法に関する。これは次のステップを含む:
−環状凹部が設けられた燃焼室に面するピストン基体の表面とライニング部分の間に少なくとも固定接続を設けるステップと、そして
−環状凹部に架橋し、これにより、環状凹部とそれに架橋するライニング部分を通して冷却用ダクトを形成するステップ。
【0021】
本発明の方法によると、ピストン内に冷却用ダクト製造用のロスト・コアを提供する必要がない。実際は、ピストン基体の製造中でも、例えばダイカストにより、環状凹部は燃焼室に面する側に挿入されうる。この環状凹部はライニング部分により架橋され、これによりその結果、冷却用ダクトは簡単な方法で形成される。
【0022】
この方法の開発において、これは、ライニング部分を部分的にピストン基体に成型し、ライニング部分をピストン基体に材料結合として接続し、及び/またはポジティブに接続することによって、ライニング部分をピストン基体に接続するステップを含む。
【0024】
本実施形態の重要な利点は、ライニング部分がピストン基体に成型することにより固定接続があらかじめ形成されていることである。同時に、環状凹部は型内のネガ形状により冷却用ダクトのために提供される。冷却と離型の後、環状凹部は、ロスト・コア又はそのような物を用いることなく、ライニング部分を使って冷却用ダクトへ架橋することにより、簡単な方法で、このように封鎖され得る。
【0025】
本発明による方法の更なる実施形態において、環状凹部の架橋の後、ライニング部分の少なくとも一つの更なる成型されていないセクションが再成形され、外周辺側に接触するように動かされ、その結果として、ライニング部分が被覆壁及び冷却用ダクトの側壁の少なくとも一つのセクションを形成し、及びライニング部分がピストン基体の外周辺側を少なくとも部分的に形成する。この特別な実施形態は、ライニング部分が第一にピストン基体で成型されることにより、固定接続を提供するという利点を有し、その結果、ライニング部分は安定を保ち、確実に再成形ができ、環状凹部の架橋を実現できる。
【0026】
上記及び他の利点は附属された図を参照し、下記の説明で示される。説明中の図への言及は同様のものをサポートし主題の理解を助ける。図は本発明の好ましい実施形態の単なる概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による第一の実施形態の冷却用ダクトピストンの断面図である。
図2a】本発明による冷却用ダクトピストンの製造方法の複数ステップの断面図である。
図2a】本発明による冷却用ダクトピストンの製造方法の複数ステップの断面図である。
図2a】本発明による冷却用ダクトピストンの製造方法の複数ステップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示されている冷却用ダクトピストン1はピストン基体2を持つ。凹部5は内燃機関の燃焼室に面する側に適用され、及びピストンリング用の複数の環状溝10は外周辺側9上に提供される。燃焼室に面するピストン基体2の側は全面上ライニング部分3で覆われ、このライニング部分3は燃焼室に面する冷却用ダクトピストン1のピストン表面4を形成し、冷却用ダクト6を形成する為に凹部5を架橋する。ライニング部分3はフェライト鋼又はアルミニウム又はグラファイト繊維マットから作られた細長い一片とすることができる。
【0029】
ピストン基体2はオーステナイト鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタニウム、チタニウム合金、鋳鉄、グラファイト材料又は複合材料を鋳造またはダイカストとして、または鍛造により製造されている。
【0030】
フェライト鋼で作ったライニング部分3がオーステナイト鋼から作ったピストン基体2に接続されていると技術的に有利であることが判明した。その理由は、フェライト鋼は熱伝導率のより高いレベルを有するので、燃焼室側で発生する温度はピストン基体2のオーステナイト鋼により放散されるからである。
【0031】
更なる有利な組み合わせは、熱伝導率のよいレベルを持つフェライト鋼で作ったライニング部分3と、高い膨張係数を示すアルミニウムから作られたピストン基体2である。製造の形態に関して、これもまたアルミニウムから作られたピストン基体2上にアルミニウムから作られたライニング部分3を置くことは有利であり得る。その理由は熱膨張係数に関して相違がここで補償されなくてもよいからである。
【0032】
ピストン基体2用の特に好ましい材料はFe−Cr−Niオーステナイトで次の組成物を含む:
炭素(C)が0.2から0.4重量%,ニッケル(Ni)が8から18重量%,クロム(Cr)が15から26重量%,ケイ素(Si)が0.5から2重量%,マンガン(Mn)が最高12重量%まで,タングステン(W)が最高2重量%まで,ニオブ(Nb)が最高2重量%まで,アルミニウム(Al)が最高2重量%まで,窒素(N)が0.05から0.3重量%、および鉄(Fe)ラジカル(100重量%を保持するため)で、これらはスチールには典型的な付随要素を持つ。オーステナイトは熱膨張係数が16から21x10−6−1の間であり、それでライニング部分がアルミニウムで作られていれば、ピストン基体2の材料として特に好適である。
【0033】
内燃機関の燃焼室内の一般的な温度を考えると、ピストン基体2からの内燃機関側上に生じる温度を放散する為に、ライニング部分3の材料が、ピストン基体2の材料よりも熱伝導率がより高いほうが有利である。更に、ライニング部分3の提案された材料は、燃焼エンジンの燃焼室に広がる温度範囲の為の腐食と疲労特性に対して良好な熱の一貫性を示す。
【0034】
図1は、燃焼室に面する冷却用ダクトピストン1の表面がライニング部分3により完全に形成される好ましい実施形態を示す一方、図2cは、外周辺側9の一部もライニング部分3により形成された本発明の更なる実施形態を示す。
【0035】
冷却用ダクトピストン1を製造する為に、プレハブのライニング部分3、例えば、湾曲した細長い一片が冷却用ダクトピストン1の型に挿入され、この型はピストン基体2に環状凹部5を作成するためにネガ形状を持つ。ピストン基体2用の材料は型に注入され、前もって挿入されたライニング部分3が成型され、及び材料接着接続がライニング部分3とピストン基体2の間の接触表面に形成される。
【0036】
これの代用として、ライニング部分3が成型された後、これをピストン基体2に、例えば、環状接合部により接続部に溶接するか、又は、ライニング部分3とピストン基体2の間で個々の溶接点を提供することが可能である。
【0037】
摩擦溶接、レーザ溶接又は誘導溶接として好ましく具体化される上述の溶融に加えて、固定接続ははんだ付けによっても可能である。同様に、固定接続はライニング部分3を押圧または圧力ばめにより実現され、それらの、押圧または圧力ばめのアンダーカット又は再成形により製造されたものは固定接続を可能とする。
【0038】
ライニング部分3とピストン基体2の間の固定接続の後、ライニング部分3の成型されていないセクションが環状凹部5上に再形成される。図2aと図2bの間の方法のステップから図式的にわかるように、これは曲げることによっても起こることができ、その結果として、ライニング部分3は少なくとも冷却用ダクト6の被覆壁7を形成する。
【0039】
図2bから図2cに示された主題に到達するように具体化された方法のステップにおいて、更に、ライニング部分3の成型されていないセクションは、ライニング部分3が被覆壁7と冷却用ダクト6の側壁8の一部分とを形成し、それでピストン基体2の外周辺側9の一部を形成するように、ピストン基体2の方向に追加的に湾曲する。ここで、冷却用ダクト6はロスト・コアの必要なしに閉鎖される。
【0040】
先行技術では、ロスト・コアは型内に提供されて組み立てられ、ピストン本体の鋳造後再び取り除かれる一方、本発明による製造方法では明確な単純化を示す。その上、燃焼室内に溶接接合部のような取り付け箇所を持たず、普通の動作温度において機械的及び熱的なストレスが特に与えられ、ピストンに所定の破壊点を付与できる、強固なピストンが製造される。
【0041】
本発明による冷却用ダクトピストン1の簡単で強固な構造により、本発明が適用されている個々の冷却用ダクトピストン1のための特に低い製造コスト、及び内燃機関用の低減された運転コストが生じる。
【0042】
図において、明示されてはいないが、図2cに示されている実施形態において、少なくとも一つの環状溝が、ピストン基体2の外周辺側9の一部を形成するライニング部分3のセクションで、ピストンリング用に提供され得る。この環状溝は、型に挿入されるライニング部分3内にすでに形成されることができ、又は、冷却用ダクトピストン1の製造が完了された後で挿入されることができる。
図1
図2a
図2b
図2c