【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1の特徴を持つ冷却用ダクトピストンにより解決される。
【0008】
本発明の更なる目的は、改良した冷却用ダクトピストンを製造するために、簡単化されより効果的な方法を創造することであり、これにより、冷却用ダクトを形成する為に、ロスト・コアを提供し封入する必要がない。
【0009】
請求項
3の特徴による方法がこの目的を解決する。
【0010】
冷却用ダクトピストン及びその製造方法の開発は、下位請求項に示されている。
【0011】
特に、本発明は、割り当てられた燃焼室に面するライニング部分に接続されたピストン基体を持つ内燃機関用の冷却用ダクトピストンに関し、ライニング部分は燃焼室に面する冷却用ダクトピストンのピストンの表面を形成する。本発明による冷却用ダクトピストンは、次のような特徴をもつ:環状凹部が燃焼室に面するピストン基体の表面に設けられており、ここでライニング部分は燃焼室に面するピストン基体の表面に少なくとも永久的に接続されており、その上、環状凹部に架橋し、その結果、冷却用ダクトが環状凹部とそれに架橋するライニング部分により形成される。
【0012】
本発明による冷却用ダクトピストンは簡単でありながら強固に設計されており、ピストンの動作温度により特に熱的に及び機械的にストレスを与えられている燃焼室に面する表面に取り付け箇所を持たない。更に、その製造に関しては、ロスト・コアは必要とされておらず、その結果として、例えば、完全な冷却用ダクトピストン内にロスト・コアの固体部が残る危険性とエンジンオイルを汚染する危険性はない。
【0013】
ライニング部分の固定接続が、ライニング部分をピストン基体に少なくとも部分的に成型されて提供される鋳造接続であるか、又はピストン基体との材料の接着かポジティブ接続であると有利であることが証明されており、その理由は信頼性があり、永久的で製造しやすい接続がこれにより実現され得るからである。ライニング部分とピストン基体用に使われた材料により、好適な固定接続、又は複数のタイプの固定接続の組み合わせが選択されることができ、一方、例えば、ライニング部分の一セクションが成型され、そして冷却用ダクトピストンの形状により、更なるライニング部分が再形成され、ポジティブに接続される。
【0014】
本発明の更なる開発において、ライニング部分は、被覆壁と冷却用ダクトの一方の壁の少なくとも一つのセクションを形成し、及び更にピストン基体の外周辺側を部分的に形成する。これにより、燃焼室に最も近くに位置されている、特に熱的ストレスに曝されている外周辺側の領域を、ライニング部分により形成することが可能である。
【0015】
ピストン基体の外周辺側を少なくとも部分的に形成するライニング部分のセクションにおいて、ピストンのリング用の少なくとも一つの環状溝が、有利に提供されることができ、この結果として、特に熱的ストレスに曝された外周辺側の領域に、第1ピストンリングが提供されることができる。その上、ピストン基体の外周辺側を部分的に形成するライニング部分は、この領域にポジティブに接続されることができる。
【0016】
冷却用ダクトピストンの更なる実施形態において、ライニング部分の材料は、ピストン基体からの燃焼室側上で生じる温度を放散する為に、ピストン基体の材料よりも熱伝導率のより高いレベルを持つ。ここで、ライニング部分の材料はフェライト鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、グラファイト材料、好ましくはグラファイト繊維マットであり、及び、ピストン基体の材料はオーステナイト鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタニウム、チタニウム合金、鋳鉄、グラファイト材料又は複合材料である。ライニング部分の材料として好ましいグラファイト繊維マットは特にピストン基体の熱絶縁用に使われる。
【0017】
ライニング部分とピストン基体の材料の組み合わせの好適な選択により、様々な温度の範囲と領域に好適な冷却用ダクトピストンを提供することができる。好適な材料の組み合わせは、たとえば、ライニング部分がフェライト鋼でピストン基体がオーステナイト鋼、ライニング部分がフェライト鋼でピストン基体がアルミニウム、ライニング部分とピストン基体がアルミニウム、などである。
【0018】
ピストン基体のための好ましい材料は、ニッケル(Ni),マンガン(Mn),窒素(N)で安定化されたオーステナイト鋼で、
前記オーステナイト鋼は、16から21×10
−6K
−1の領域の熱膨張係数を有する。特にオーステナイト鋼は次の組成を持つFe−Cr−Niオーステナイトである:炭素(C)が0.2から0.4重量%,ニッケル(Ni)が8から18重量%,クロム(Cr)が15から26重量%,ケイ素(Si)が0.5から2重量%,マンガン(Mn)が最高12重量%まで,タングステン(W)が最高2重量%まで,ニオブ(Nb)が最高2重量%まで,アルミニウム(Al)が最高2重量%まで,窒素(N)が0.05から0.3重量%、及び、鉄(Fe)が、100重量%のスチール合金を保持するための差分比率に相当する比率。
【0019】
オーステナイト鋼の所定の熱膨張係により、オーステナイトは、ライニング部分がアルミニウムから成る場合は、本発明によると、ピストン基体の材料として使うのに特に好適である。更に、上記のオーステナイト鋼から製造したピストン基体はアルミニウムから製造したシリンダーのライニングの使用に特に好適である。
【0020】
本発明は更に上述のタイプの冷却用ダクトピストンを製造する方法に関する。これは次のステップを含む:
−環状凹部が設けられた燃焼室に面するピストン基体の表面とライニング部分の間に少なくとも固定接続を設けるステップと、そして
−環状凹部に架橋し、これにより、環状凹部とそれに架橋するライニング部分を通して冷却用ダクトを形成するステップ。
【0021】
本発明の方法によると、ピストン内に冷却用ダクト製造用のロスト・コアを提供する必要がない。実際は、ピストン基体の製造中でも、例えばダイカストにより、環状凹部は燃焼室に面する側に挿入されうる。この環状凹部はライニング部分により架橋され、これによりその結果、冷却用ダクトは簡単な方法で形成される。
【0022】
この方法の開発において、これは、ライニング部分を部分的にピストン基体に成型し、ライニング部分をピストン基体に材料結合として接続し、及び/またはポジティブに接続することによって、ライニング部分をピストン基体に接続するステップを含む。
【0024】
本実施形態の重要な利点は、ライニング部分がピストン基体に成型することにより固定接続があらかじめ形成されていることである。同時に、環状凹部は型内のネガ形状により冷却用ダクトのために提供される。冷却と離型の後、環状凹部は、ロスト・コア又はそのような物を用いることなく、ライニング部分を使って冷却用ダクトへ架橋することにより、簡単な方法で、このように封鎖され得る。
【0025】
本発明による方法の更なる実施形態において、環状凹部の架橋の後、ライニング部分の少なくとも一つの更なる成型されていないセクションが再成形され、外周辺側に接触するように動かされ、その結果として、ライニング部分が被覆壁及び冷却用ダクトの側壁の少なくとも一つのセクションを形成し、及びライニング部分がピストン基体の外周辺側を少なくとも部分的に形成する。この特別な実施形態は、ライニング部分が第一にピストン基体で成型されることにより、固定接続を提供するという利点を有し、その結果、ライニング部分は安定を保ち、確実に再成形ができ、環状凹部の架橋を実現できる。
【0026】
上記及び他の利点は附属された図を参照し、下記の説明で示される。説明中の図への言及は同様のものをサポートし主題の理解を助ける。図は本発明の好ましい実施形態の単なる概略図である。