(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の処分用袋システムにおいて、前記袋は、少なくとも部分的に取り外し自在なプルタブ(pull tab)を前記開口上端部に含み、当該プルタブは、前記開口上端部を閉鎖状態に保つものであり、さらに前記プルタブは前記開封自在な閉鎖部が開封された時にアクセスできるよう前記ポッドの前記開封自在な閉鎖部に隣接して配置されるものである処分用袋システム。
請求項1記載の処分用袋システムにおいて、前記開封自在な閉鎖部は、外周縫製部と引き糸とを有する着脱自在な合着アセンブリを含み、この着脱自在な合着アセンブリは、前記引き糸が引かれると前記縫製部が前記底部シートから前記上部シートを開放するように構成されており、前記開封自在な閉鎖部は前記上部シートを完全に横切る状態で延長するものであり、それにより、前記開封自在な閉鎖部が操作されて前記開封状態になると前記上部シートは2片に分離されるものであり、当該上部シート片は前記袋に取り付けられているものである処分用袋システム。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システムの分解斜視図で、当該システムの主要な構成要素を示したものである。
【
図2】
図2は、
図1の前記処分用袋システムを組み立てた状態の平面図である。
【
図4】
図4は、
図2の前記処分用袋システムを曲げ、その柔軟性を示した側面図である。
【
図5】
図5は、
図2の前記処分用袋システムを通常の弛緩した平坦な状態で示した側面図である。
【
図6】
図6は、
図2の前記処分用袋システムの処分用袋の平面図であり、前記処分用袋システムを製造する第1の方法例に基づいて平坦に敷かれた前記処分用袋を示している。
【
図7】
図7は、
図6の前記袋を示した図であり、当該袋は1回折り畳まれている。
【
図8】
図8は、
図7の前記袋を示した図であり、当該袋は再度(合計2回)折り畳まれている。
【
図9】
図9は、
図8の前記袋を示した図であり、当該袋のループ持ち手が畳み込まれている。
【
図10】
図10は、
図9の前記袋を示した図であり、当該袋の自由側縁部が非永続的に一体的に接着され、前記折り込まれたループ持ち手に隣接した前記自由側縁部の上端部にプルタブが接着されている。
【
図11】
図11は、
図10の前記袋を示した図であり、当該袋の底部が斜めに折り畳まれ、前記処分用袋容器の前記底部シートに接着されている。
【
図12】
図12は、
図11の前記袋および底部シートを示した図であり、前記袋は渦巻状構成へと平坦に折り畳まれている。
【
図13】
図13は、
図12の前記処分用袋システムを示した図であり、前記袋および底部シートの上に前記上部シートが組み立てられて当該組み立てが完了し、前記組み立て済みの処分用袋システムがおむつに適用されている。
【
図14】
図14は、
図13の前記おむつおよび前記処分用袋システムが一体的に組み立てられ、使用準備が整った状態を示した図である。
【
図15】
図15は、
図14の前記おむつおよび処分用袋システムの斜視図で、前記おむつはこの時点で汚れており、当該処分用袋システムを使用して前記おむつを処分する第1の方法例に基づいて巻かれている。
【
図16】
図16は、
図15の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、当該おむつおよび処分用袋システムは、前記処分用袋容器の開封自在な閉鎖部を開けている間、把持されている。
【
図17】
図17は、
図16の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記容器の開封自在な閉鎖部は、開口状態で開口部を形成している。
【
図18】
図18は、
図17の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記処分用袋が引かれ、前記開口部を通じて前記容器から展開されている。
【
図19】
図19は、
図18の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、張力を加えて前記処分用袋が引かれ、その底部は、前記容器の前記底部シートに接着されたままである。
【
図20】
図20は、
図19の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記プルタブが前記袋の上部から取り外されている。
【
図21】
図21は、
図20の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、利用者の第二指が縦方向に滑って前記袋の前記側縁部の非永続的な接着部を破壊している。
【
図22】
図22は、
図21の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋の前記ループ持ち手が展開されている。
【
図23】
図23は、
図22の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋の前記ループ持ち手が互いから分離されている。
【
図24】
図24は、
図23の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋が開けられている。
【
図25】
図25は、
図24の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、利用者の手が前記袋の中に伸びて前記おむつを把持している。
【
図26】
図26は、
図25の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋が中表に裏返されている。
【
図27】
図27は、
図26の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋が裏返され、この時点で前記おむつは前記裏返しになった袋に収容されている。
【
図28】
図28は、
図27の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋を閉じるため当該袋の前記ループ持ち手が結び合わされている。
【
図29】
図29は、
図28の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記おむつを収容した前記袋は、結び合わされ閉鎖状態になっている。
【
図30】
図30は、
図29の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記おむつを収容して閉じた前記袋がベビーカーから下げられ、一時的に保管されている。
【
図31】
図31は、
図30の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記おむつを収容して閉じた前記袋がごみ容器に入れられている。
【
図32】
図32は、本発明の第2の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システムの分解斜視図で、当該システムの主要な構成要素を示したものである。
【
図35】
図35は、
図33の前記処分用袋システムの処分用袋の平面図であり、前記処分用袋システムを製造する第2の方法例に基づいて平坦に敷かれた前記処分用袋を示している。
【
図37】
図37は、
図36の前記袋を示した図であり、当該袋は再度(合計2回)折り畳まれている。
【
図38】
図38は、
図37の前記袋を示した図であり、当該袋の引き紐の露出部分が畳み込まれている。
【
図39】
図39は、
図38の前記袋を示した図であり、当該袋の底部が斜めに漏斗状に折り畳まれている。
【
図40】
図40は、
図39の前記袋を示した図であり、当該袋の底部が前記処分用袋容器の前記底部シートに接着されている。
【
図41】
図41は、
図40の前記袋および底部シートを示した図であり、前記袋は渦巻状構成へと平坦に折り畳まれている。
【
図42】
図42は、
図33の前記処分用袋システムの処分用袋をおむつに適用したものの斜視図で、前記おむつはこの時点で汚れ、巻かれており、当該前記処分用袋システムを使って使い捨てのおむつを処分する第2の方法例に基づき、前記処分用袋容器が開かれると同時に、開口部を通じて引き糸が引かれている。
【
図43】
図43は、
図42の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記引き糸が引かれて、前記処分用袋容器の前記2つの上部シート部分を前記底部シートに保持する縫製部が開放されている。
【
図44】
図44は、
図43の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記引き糸が引かれて、前記2つの上部シート部分が底部シートから完全に分離されている。
【
図45】
図45は、
図44の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記2つの上部シート部分が引き離されて、前記袋が開かれている。
【
図46】
図46は、
図45の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋が完全に開けられ、その引き紐の露出部分が展開されている。
【
図47】
図47は、
図46の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、利用者の手が前記袋の中に伸びて前記おむつを把持している。
【
図48】
図48は、
図47の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋が中表に裏返されている。
【
図49】
図49は、
図48の前記巻かれたおむつおよび処分用袋システムを示した図であり、前記袋の上部シート部分が、前記裏返された袋の中に畳み込まれている。
【
図50】
図50は、本発明の第3の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システムの断面図で、容器の底部がおむつの外部シートにより画成されている。
【
図51】
図51は、
図50の前記処分用袋システムおよびおむつを組み立てている状態の平面図であり、処分用袋は小型構成へと平坦に折り畳まれている。
【
図52】
図52は、
図51の前記袋を示した図であり、当該袋は前記おむつの外部シートに取り付けられている。
【
図53】
図53は、
図52の前記袋の前記外部シートに取り付けられている上部シートを示した図であり、これにより前記袋用の前記容器が形成される。
【
図54】
図54は、
図50の前記処分用袋システムおよびおむつが組み立てられた状態を示した図である。
【
図55】
図55は、本発明の第4の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システムの断面図で、前記事前に組み立てられた処分用袋システムは、おむつの2枚のシート間に挿入される。
【
図56】
図56は、
図55の前記処分用袋システムおよびおむつの斜視図であり、前記事前に組み立てられた自己完結型処分用袋システムが、前記おむつの2枚のシート間に配置されている。
【
図57】
図57は、本発明の第5の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システムの断面図で、容器の底部シートはおむつの内部シートにより画成されている。
【
図58】
図58は、
図57の前記処分用袋システムおよびおむつの斜視図であり、この自己完結型処分用袋システムの袋および上部シートは、前記おむつの2枚のシート間に配置されている。
【
図59】
図59は、本発明の第6の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システムの断面図で、容器の上部シートはおむつの外部シートにより画成されている。
【
図60】
図60は、本発明の第7の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システムの断面図で、容器の上部シートはおむつの外部シートにより画成され、前記容器の底部シートは前記おむつの内部シートにより画成されている。
【
図61】
図61は、
図60の前記処分用袋システムおよびおむつの斜視図であり、袋は、前記おむつの外部および内部シート間に配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、使い捨ての物品を処分するための自己完結型ポッド状処分用袋システムおよび方法に関する。本明細書で説明する諸実施形態において、これらのシステムおよび方法は、標準的な市販の使い捨ておむつまたはカスタマイズされた使い捨ておむつを含む使い捨ておむつを処分するため使用される。図示されたおむつは幼児用のものであるが、当該システムおよび方法は、大人用おむつにも容易に適用できることが理解されるであろう。他の実施形態において、当該システムおよび方法は、体液吸収用にヒト(または他の動物)が着用する他の使い捨ての物品、例えば生理用品(例えば、生理用パッド、ナプキン、およびライナー)および医療廃棄物である創傷被覆材、圧迫帯、および手術用トレイライナーの処分において使用するようなっている。また、さらに他の実施形態において、当該システムおよび方法は、体液を含んだ他の使い捨ての物品を処分するため使用され、前記体液は、例えば他の医療廃棄物である(例えば、メス、針、およびランセットを含む使用済みの鋭利な物、ヒトの組織および身体部分、ならびに手術用機器)。本明細書で詳述するシステムおよび方法については、前記使い捨ての物品をおむつとして例示しているが、本発明はおむつ用途に限定されるものではなく、本明細書で特定したものを含む他の使い捨ての物品を処分するためのシステムおよび方法を明示的に含むことが理解されるであろう。なお、本明細書で説明する詳細は代表的なもので、単に例示目的で提供しており、本発明を不要に限定するものではないことに注意すべきである。
【0010】
図1〜31は、本発明の第1の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システム10を示したものである。
図1〜5は、このシステム10の概要を提供し、
図6〜14は、その構造の細部を示し、
図15〜31は、その使用の詳細を示している。
【0011】
図1〜5を参照すると、前記処分用袋システム10は、容器12と、この容器内に収容された処分用袋14とを含む。図示した実施形態において、前記容器12は、上部シート16および底部シート18(「シート16・18」)を有し、これらは各々の外周20に沿って一体的に合着され、内部空洞22を形成する。他の実施形態において、前記容器は折り畳まれた単一シートで形成され、上部および底部シートは、1若しくはそれ以上の側壁、または他の従来の薄型容器によって相互連結される。前記上部および底部シート16・18は、接着剤により、縫製により、または当該技術分野で知られた他の合着要素により、一体的に合着できる。前記袋14は略平坦な小型構成に折り畳まれ、前記容器空洞22内で保持されて、前記容器12の開封自在な閉鎖部24を通じて少なくとも部分的に取り出し可能である。前記容器閉鎖部24は、手で操作して閉鎖状態から開口状態にできるように設計されている。そのため、前記袋14を内部に有する前記容器12は、全体として薄く平坦な薄型形状であり、前記システム10をおむつ8に取り付けて(例えば、
図14を参照)、後で必要なときに使用でき、それまでの通常おむつ着用中は目障りになることがない。これにより、前記処分用袋システムは、汚れたおむつ8または他の使い捨ての物品を処分するため、便利で衛生的な自己完結型の方法を提供する。
【0012】
前記容器12は、前記空洞22が折り畳まれた前記袋14を完全に十分収容できる必要最低限の大きになるようにサイズ調整および成形される。また、前記折り畳まれた袋の保持のみに必要なサイズより大きくなるように前記空洞22がサイズ調整および成形される実施形態では、前記容器12は若干大きくすることが好ましい。前記底部および上部シート16・18は、同じ材料、例えば柔らかく柔軟なビニールおよび綿の複合織物材料、または異なる材料で作製でき、それぞれ単一の層または複数の層で作製できる。そのような材料を使うと、前記容器12は柔らかく柔軟になって(
図4を参照)前記おむつの形状に適合し、通常のおむつ着用中、前記おむつとともに曲がるようになる。
【0013】
図1〜5に示す通常の市販用実施形態において、前記容器12は、略円盤形状で(前記シート16・18は略円形)、厚さ約0.50cm(弛緩または非圧縮状態で)、外周約6.35cm、直径約2.02cm、および重量約1.0グラム未満である。前記容器12の前記上部シート16は、綿およびビニールの複合織物材料でできた(例えば、前記おむつ8背部側の外面にふさわしく装飾的および質感的に設計された)透過性の最上層16aと、綿材料(例えば、強靱で柔軟なエジプト綿)の最下層16cと、前記最上および最下層を接着する従来の接着膜(例えば、一般におむつ製造に使用されるタイプ)の中間層16bとを含む。前記底部シート18は、綿材料(例えば、強靱で柔軟なエジプト綿)の中間層18bと、前記おむつ8に接着する従来の接着膜(例えば、一般におむつ製造に使用されるタイプ)の最下層18cと、前記最下層をおむつに接着する従来の接着膜(例えば、一般におむつ製造に使用されるタイプ)の最上層18aとを含む。前記底部シート18の前記最上層18aは、従来のホットスタンピング工程を使って前記底部シートの中間層18bおよび前記上部シートの最下層16cの前記外周20だけを一体的に接着する環形状を有するホットメルト接着膜であり、これにより前記折り畳まれた袋14が前記中間層18bと前記最下層16cとの間に(そしてこれらシートの周内に)配置された状態で、前記容器12が閉じられてシールされ、前記袋が内設された前記空洞22が形成される。また、前記最下層18cは、前記おむつの製造中または製造後に実施される従来のホットスタンピング工程を使って前記容器12を前記おむつ8に接着するホットメルト接着膜であってよく、これにより前記処分用袋システム10が前記おむつの一部になる。通常、前記上部シートの層16a〜cが、まず一体的に接着されたのち、前記袋14の底端部が(例えば、スポットヒーティングまたはホットメルト接着剤により)前記底部シートの中間層18bに接着され、次いで(前記底部シートの最上層18aを使って)前記上部および底部シート16・18がそれらの間にある前記袋14と一体的に接着されて、前記組み立てられたシステム10が前記おむつ8に接着される。他の実施形態において、前記容器は、前記袋の折り畳み構成に基づいて長方形、多角形、または他の形状を有することができ、前記袋のサイズおよび望ましい厚さに基づいてより大きい若しくは小さいサイズを有することができる。
【0014】
前記開封自在な閉鎖部24は、前記袋14にアクセスを提供し、当該袋14を前記容器12から(少なくとも部分的に取り出して)展開するためのものであるが、この閉鎖部24は、通常、前記上部シート16に設けられる。ただし、一部の実施形態において、この開封自在な閉鎖部は、当該容器の側壁その他の部分に形成できる。図示した実施形態において、前記開封自在な閉鎖部24は、前記上部シート16に形成された細長い破壊域として設けられ、この閉鎖状態の破壊域の両側で前記上部シートに逆方向の力をかける操作を行うと、前記破壊域に沿って前記上部シートが破断し、当該前記上部シートに細長いスリット状の開口部26を形成して開口状態にできる(例えば、
図17を参照)。前記破壊域は、必要に応じて破れるよう、カッターなどで付けた溝(score line)、ミシン目、より薄くした部分、または別の方法で設けることができる。一部の実施形態において、前記容器12の前記開封自在な閉鎖部24は、チャイルドレジスタントな(子供が操作できない)設計にできる。例えば、前記容器の開封自在な閉鎖部24として当該容器の前記上部シート16に破壊域を設けた実施形態の場合、その破壊域を破って開けるには成人の知恵と、手または指の強さおよび器用さが必要とされるよう、前記破壊域を形成することができる。子どもは前記閉鎖部24を開けて前記容器12内の前記袋14にアクセスするだけの知恵または手および指の強さおよび器用さを有さないため、前記容器閉鎖部24は効果的にチャイルドレジスタントなものとなる。代替実施形態において、前記開封自在な閉鎖部は、面ファスナー、スナップ、ボタン、または他の従来のファスナー、ジッパー、引き紐、または当業者に知られている従来の開封自在な閉鎖部を伴うポケットフラップにより設けられる。
【0015】
前記処分用袋14は、従来のビニール製処分用袋により設けることができる。一部の実施形態において、前記袋14は香りがつけられ、および/または柔軟な若しくは伸縮性の袋である。前記袋14は、底端部30および開口上端部32を伴う本体28と、前記開口上端部用の従来の閉鎖部34とを有し、前記閉鎖部34は、汚れたおむつ8を前記袋本体内に入れた後に当該袋の上部を閉じてシールするためのものである(
図6を参照)。通常の実施形態において、前記袋閉鎖部34は、結べるループ持ち手、引き紐、タイフラップ(結べるフラップ)、ジップロック(登録商標)スライド式閉鎖機構、または取り付けられていないツイストタイにより提供されるが、他のものも使用できる。前記袋閉鎖部34は、閉じたとき当該袋の上部32に比較的小さな開口部が残って当該袋が完全には密閉されないよう設計されることが好ましく、これによりおむつを入れた袋が圧迫されて破裂するおそれが最小限に抑えられる。図示した実施形態では、前記袋14が略長方形の本体28を有し、その長さは約8インチ、幅は約6インチである(前記上端部の袋閉鎖部34は含まず)。また、前記袋閉鎖部34は2つの長方形ループ持ち手により提供され、それらのループ持ち手は、前記上端部32の対向しあう側から延出し、結び合わせて前記袋14を閉じやすくなっており、平坦に伸ばして1つに折り畳んだとき、それぞれ長さ約8インチ(
図28を参照)または長さ約4インチである(
図6を参照)。このサイズおよび形状の袋14は、約18か月児までの幼児用おむつについて適切に機能するが、他のサイズおよび形状の袋を使っても良好な結果が得られる。
【0016】
前記処分用袋14は、当該袋が前記容器から展開されても前記おむつ8から分離されないよう(また損傷して当該袋の使用目的を達成できなくなることがないよう)、前記容器12に取り付けることが好ましい。例えば、前記袋の前記開口上端部32から反対側にある前記底端部30は、前記容器12の内面、例えば前記底部シートの中間層18bに接着剤で熱接着される。他の実施形態では、前記袋14が他の部分(例えば、その側面の下部)で、および/または他の取り付け要素(例えば、粘着テープまたはプラスチックのクリップ)により取り付けられる。一部の実施形態において、前記袋14の前記底端部30は、前記底部シート18の中央付近で当該底部シートに取り付けられ、他の実施形態において、前記袋の底端部は、当該袋が前記容器12内で渦巻状またはらせん状に巻かれて配置されるよう半径線に沿って前記底部シートに取り付けられる。前記袋14は、平坦な小型構成に折り畳まれて前記容器の空洞22内に収容されるため、前記容器12から容易に引き出して使用することができる(前記容器内に取り付けられてとどまる前記底端部30を除く)。例えば、各袋14は、それ自体の上に数回長手方向に折り畳み、および/または渦巻状またはらせん状の構成に折り畳んで、開口上端部32が前記容器の閉鎖部24に隣接して上部に配置された状態にし、前記容器の閉鎖部を開いたときに見える若しくはアクセスできるようにできる(
図6〜16を参照)。
【0017】
前記処分用袋システム10は、子どもを保護する複数の保護措置とともに設計できる。例えば、前記袋を収容する容器12は、前記おむつ8の背部側外面の臀部領域すぐ上に取り付けることができる(
図14を参照)。前記おむつ8上で前記処分用袋システム10をこのように配置すると、このおむつを着用している子どもが前記処分用袋システム10にアクセスするのを妨げる上で役立つ。また、前記容器12の前記開封自在な閉鎖部24は、子どもがこの閉鎖部を開けて前記容器内の前記袋14にアクセスすることができないよう、チャイルドレジスタントな設計にできる。さらに、この処分用袋システム10は、前記袋14が前記容器12内で強固に保持されるよう設計できる(例えば、前記容器は、弛緩状態で前記空洞22が前記折り畳まれた袋と同じサイズかそれより若干小さくなるようサイズ調整および成形できる)ため、前記容器の閉鎖部24が開いたとき、成人の手または指の器用さおよび強さをもってしか前記袋を引き出して使用できないようにできる(
図18〜19を参照)。さらに、この処分用袋システム10は、前記袋14が前記容器12に取り付けられるよう設計して、使用するために前記容器から展開された前記袋を、当該おむつを着用している子どもが前記おむつ8から分離できないようにできる。また、この処分用袋システム10は、前記袋14が折り畳まれた形状でプルタブ36(安全用接着剤リリースストリップ(帯状体)としても機能する)により一時的にシールされるよう、また前記袋を子どもが開けて展開しないよう保つ上で非永続的な接着縁部38が役立つよう、設計できる。
【0018】
上記ではこの第1の実施形態例の前記処分用袋システム10について全般的に説明してきたが、以下、その構造の詳細について
図6〜14を参照して説明する。本明細書で説明する前記処分用袋システム10を作製する方法は、例示目的で提供しており、本発明を限定するものではないことが理解されるであろう。
【0019】
前記処分用袋システム10を作製する方法には、次の工程を含めることができ、この工程は、当該技術分野で知られている従来の大量生産製造設備および技術を使って実施できる。まず、
図6に示すように前記袋14を平坦に敷いたのち、前記ループ持ち手閉鎖部32が
図7に示すように位置合わせされるよう長手方向に半分に折り畳んで、再度長手方向に半分に折り畳んで
図8に示すように4分の1の大きさにする。次に、
図9に示すように、前記折り畳まれた本体の2つの半分28の間へ前記ループ持ち手閉鎖部32を折り下げる(または、前記袋14を最初に半分に折り畳んだ後でこれを行うことができる)。
【0020】
次いで、前記袋14の前記本体28の前記開口上端部32(前記容器閉鎖部24に隣接させて配置すべき)は、前記プルタブ36で
図10に示すように安全にシールできる。前記プルタブ36は、裏面に接着剤を、正面または上側には前記プルタブ36を引くよう利用者に説明するマーク(例えば「ここを引く」と印刷した文言)を伴ったシート材料(例えば、紙またはプラスチック)により設けることができる。前記プルタブ36を設置するには、前記裏面の接着剤を前記袋14の前記上端部32の片面に接着させたのち、当該上端部の上から折って反対側の上端部側面に接着させる。必要に応じ、前記裏面の接着剤のほぼ半分には、通常の使用条件下で永続的に接着して前記プルタブ36を前記袋14から容易に引き剥がせないようにするよう選択された接着剤を含めることができ、これにより、前記プルタブ36が前記袋14から分離されて前記袋が意図された目的に使用できなくなり過剰な廃棄物が生じるということはなくなる。他の実施形態において、前記プルタブは、他の取り付け要素、例えば粘着テープ、プラスチッククリップ、または面ファスナーで前記袋上部に取り付けられ、前記袋上端部32は安全シールを使って若しくは使わずに閉鎖され、または安全シールは省略される。このように、前記プルタブ36は、便利に使える見つけやすい位置(前記容器閉鎖部24に隣接)で機能するため、利用者が当該プルタブ36を引いて前記袋14を前記容器12から展開して使用できるようにするだけでなく、幼児が前記袋を開けて損傷させる可能性を最小限に抑える安全措置として機能する。
【0021】
この時点で、または前記プルタブ36を設置する前に、前記折り畳まれた袋14の前記位置合わせされた自由側縁部31を、
図10に示したように、前記非永続的な接着部38で互いに接着させることができる。通常の実施形態において、前記非永続的な接着部38は、前記自由側縁部31に沿って配置した接着剤をスポットヒーティングして形成される。他の実施形態において、前記非永続的な接着部は、他の取り付け要素、例えば粘着テープ、プラスチッククリップ、または面ファスナーで形成され、折り畳まれていない若しくは数回折り畳まれた袋の自由縁部に沿って形成され、または省略される。前記非永続的な接着部38は、(4分の1の大きさへと)2回折り畳まれた前記袋14の位置合わせされた自由側縁部31に沿って形成されて前記自由側縁部31を一時的に一体的に保持するため、前記袋は前記2回折り畳まれた形状で保持されるが、当該袋の前記接着部は、前記2回折り畳まれた袋本体28の2つの半身の間の空間に成人が指を入れ、前記接着部の裏側で十分な力を加えて指を滑らせ接着済み前記縁部を互いから分離すると当該袋を展開して使用できる強度を有する。すなわち、前記非永続的な接着部38の接着力を克服し、前記袋14を展開する上で十分な力を生じるには、成人の知恵と、手または指の器用さおよび強さとが必要とされるため、子どもは一般に前記袋を開けることはできない。
【0022】
次に、
図11に示すように、前記袋14の底端部30を前記容器12に取り付ける。通常の実施形態では、永続的な接着部40により前記袋の底端部30を前記容器の底部シート18に取り付ける。前記永続的な接着部40は、通常の意図された使用中に成人の利用者が前記袋14を引き出して前記容器から展開しても、前記袋14が前記容器12に強固に取り付けられた状態で保たれるよう、従来の技術により形成される。これは安全機能として作用し、前記おむつを着用している幼児が前記容器12から前記袋14を取り出して損傷させるのを防ぎ、別個の廃棄物が生じるのを最小限に抑える上で役立つ。例えば、前記永続的な接着部40は、接着材料をスポットヒーティングして形成できる。前記袋の底端部30は、前記容器の底部シート18のほぼ中央で当該底部シートに取り付けることができる。必要に応じ、前記袋の底端部30は、底部の各隅を斜めに折り畳んで底縁部を折り上げることにより、図示したように(例えば、約1/2インチ幅へと)漏斗状に折り畳むことができる。
【0023】
次いで、前記袋14を平坦な小型構成に畳み込み、前記プルタブ36が上部になるようにして前記底部シート18に抗し平坦に敷くことにより、前記プルタブ36は、組み立て後、
図12に示すように前記容器閉鎖部24に隣接して配置される。通常の実施形態において、前記袋14は、渦巻状またはらせん状の構成(例えば、外周約5.08cm)に折り畳まれる。次に前記上部シート16を前記底部シート18に取り付けて、前記折り畳まれた袋14が前記上部シート16と前記底部シート18との間に配置され前記空洞22が形成された状態で、組み立てを完了する。通常の実施形態において、前記シート16・18は、ホットメルト接着剤により一体的に合着されるが、代替態様として縫合し、または他の従来の取り付け要素、例えば嵌合するネジと螺刻またはスナップフィットデテントを使って合着することもできる。
【0024】
前記処分用袋システム10は、
図13に示すように、使い捨てのおむつ8に取り付け可能である。前記おむつ8は、従来のおむつ製造設備および技術を使って組み立てラインで製造できる。通常、これには、吸収性の内層(おむつのコア)を形成する工程と、プラスチックフィルムおよび布帛の層を合わせて接着剤付けして裏地(backing)を一体的に形成する工程と、その裏地にコアを接着剤付けする工程とが伴う。前記処分用袋システム10は、前記おむつ8の製造工程における追加工程としておむつ組み立てラインで前記おむつ8に取り付けることができる。例えば、前記処分用袋システム10は、伸縮材料を前記おむつのウエストおよび脚部開口部に取り付ける工程と、前記おむつ裁断および折り畳み工程の直前に、前記おむつの裏地7上にホットスタンピングできる。そして前記処分用袋システム10が前記おむつの裏地7に取り付けられた後は、前記おむつのコアおよび裏地(この時点で処分用袋システムが取り付けられている)が一体的に合わせられ、裁断され、折り畳まれ、包装されて、前記おむつ8の製造が完了する。このように、前記処分用袋システム10の前記おむつ8への取り付けは、おむつ製造工程における追加工程として行える。例えば、図示したおむつ製造設備9は、複数の前記おむつ8を搬送するコンベヤーベルトと、複数の前記処分用袋システム10を収容しそれらを前記おむつに取り付けるため定位置に供給するホッパーと、前記処分用袋システムを前記おむつに接着するホットスタンピング機構とを含む。当業者であれば、当該技術分野で知られている他の設備および技術を使っても前記処分用袋システム10を使い捨てのおむつ8に取り付けられることが理解されるであろう。
【0025】
図14は、前記処分用袋システム10の1つが取り付けられた前記おむつ8の1つの完成されたアセンブリを示したものである。図示した実施形態では、前記処分用袋システム10は、前記おむつ8の臀部領域のすぐ上で当該おむつの前記裏地7に取り付けられている。この位置で、前記処分用袋システム10は邪魔にならないよう配置されており、前記おむつ8を着用している幼児が当該処分用袋システムに手を伸ばし、これを開けて前記袋14へのアクセスを試みることは非常に困難である。他の実施形態では、前記処分用袋システム10を前記おむつ8の他の位置に設けることができる。
【0026】
以上、この第1の実施形態例の前記処分用袋システム10を製造する方法の一例について説明してきたが、以下では、その使用方法の詳細を
図15〜31を参照して説明する。本明細書で説明する、汚れたおむつ8を処分するための前記処分用袋システム10の使用方法は、例示目的で提供するものであり、本発明を限定するものではないことが理解されるであろう。この方法は、自己完結型処分用袋システム10が取り付けられたおむつ8を提供する工程を含む。前記処分用袋システムは、本明細書で説明する処分用袋システムのいずれによっても、またはそれらの変形形態または派生形態によっても提供することができる。
【0027】
前記使用方法は、子どもから汚れたおむつ8を取り外す工程と、前記処分用袋システム10が下向きの状態で前記おむつを平坦に敷く工程と、前記底部から前記汚れたおむつを巻く工程と、前記おむつの2つの伸縮性側部パネルを合わせ、前記処分用袋システムがまだ露出してアクセス可能な状態で
図15に示すように巻かれたおむつを束にして固定する工程とを含む。次に、前記巻かれたおむつ8を裏返して前記おむつの背部側7の前記処分用袋システム10を上向きにし、前記容器閉鎖部24を操作して閉鎖状態から開口状態にする。これは、例えば、成人利用者が破壊域タイプの容器閉鎖部24の両側に拇指を置き、前記閉鎖部が破断するまで横方向外側へ圧力を加えることにより行うことができ、これにより
図16〜17に示すように前記容器の上部シート16に前記開口部26が形成される。次いで前記袋14を使用するため前記容器12から展開する。これは、例えば、拇指および第二指を前記開口部26内に伸ばして前記袋14に取り付けられた前記プルタブ36を把持し(または前記袋自体を把持し)、
図18に示すように前記開口部を通じて前記袋を引き出すことにより行える。前記袋14は、その最大長へと展開されるまで前記容器12から引き出され、その底端部30は、
図19に示すように、まだ前記容器内でこれに取り付けられた状態である。
【0028】
次に、前記プルタブ36の少なくとも1つの端部を前記袋14から取り出し、当該袋の前記自由側縁部31の前記非永続的な接着部38を、
図20〜21に示すように接着解除する。例えば、前記プルタブ36のほぼ半分を剥がして(例えば、どちらの半分を剥がすか利用者に説明する表示を設けることができる)、図のように、他方のほぼ半分がまだ永続的に前記袋14に取り付けられている状態にすると、前記折り込まれたループ持ち手が展開自在になる。そして、成人利用者は、前記折り畳まれた袋の4分の1部分同士の間に第二指を挿入し(例えば、前記プルタブ36のある前記袋の上部32で)、その指を下に滑らせて図のように前記非永続的な接着部38を破壊することにより、前記接着されたを側縁部31を互いから分離または開放して前記袋14を展開できるようにする。次いで、
図22に示すように前記袋14の前記ループ持ち手閉鎖部34を展開し、
図23に示すように互いから分離して、
図24に示すように前記袋を完全に開く。
【0029】
次に、前記利用者は片方の手を前記袋14内に伸ばし、前記巻かれたおむつ8を把持して、
図25に示すように前記袋を手袋として効果的に使う。次いで利用者は前記袋14を裏返して中表にし、その裏返した袋の中に前記おむつが入るまで、
図26〜27に示すように、前記巻かれたおむつの上から前記袋を引く。最後に、前記袋閉鎖部34で前記袋14を閉じて、悪臭を生じる細菌および病原菌が前記おむつ8から漏れないようにする。例えば、前記ループ持ち手閉鎖部34は、
図28〜29に示すように結び合わせることができる。前記おむつを収容した袋14は、後で処分するよう一時的に保管し、例えば
図30に示すようにベビーカーから下げておき、または
図31に示すように、ただちにごみ容器に入れることができる。このように、前記処分用袋システム10を使うと、汚れたおむつの悪臭を低減して衛生的に処分する上で役立つ。
【0030】
以上、前記第1の実施形態例の前記処分用袋システム10の構造、製造、および使用について説明してきたが、以下では、本発明の全範囲をより適切に例示するため付加的な実施形態例について説明する。本明細書で説明するどの実施形態のどの特徴も、組み合わせて付加的な実施形態を形成できることが理解されるであろう。
【0031】
図32〜49は、本発明の第2の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システム110を示したものである。前記第1の実施形態例の前記処分用袋システム10は約18か月までの幼児向けおむつとの併用(を含み、かつこれらに限定されない)に十分適しているが、この第2の実施形態例の処分用袋システム110は、約18か月およびそれ以上の年齢の幼児向けおむつとの併用(を含み、かつこれらに限定されない)に十分適している。この処分用袋システム110は、容器112と、当該容器に収容された袋114を含む点で、前記第1の実施形態例の前記処分用袋システム10と同様である。また、前記容器112は、同様な材料で作製されて同様な寸法を有する多層の上部および底部シート116および118で同様に構成される。そのため、前記処分用袋システム110の基本構造、製造、および使用は、少数の特筆すべき例外を除いて同様である。
【0032】
この実施形態の前記袋114は、より大きなおむつ(に少数のおしりふきを加えたもの)を保持するため、より大きく、および/または伸縮性のプラスチック材料で作製することができる。通常の実施形態において、前記袋114は、弛緩状態で幅約6インチ、長さ約5インチであり、長さ10インチまで容易に伸張できる。また、前記袋114は、その開口上端部132に引き紐閉鎖部134を有する。これに伴い、前記処分用袋システム110を作製する方法は、
図35〜41に示すように、前記袋114を2回折り畳み、それを前記底部シートに取り付け、平坦な渦巻状に折り畳む工程において、前記引き紐閉鎖部134の2つの露出した持ち手部分(例えば、長さ約4インチ)を折り込む工程を代わりに用いるよう修正される。
【0033】
また、前記容器112の前記上部および底部シート116・118は、着脱自在な合着アセンブリにより一体的に合着される。通常の市販用実施形態において、前記着脱自在な合着アセンブリは、露出した引き糸152に相互連結された引き抜き用縫製部150を含む。前記引き抜き用縫製部150は、前記上部および底部シート116・118の周縁部120を一体的に合着する。前記引き糸152が引かれると前記縫製部152が引き抜かれ、前記上部シート116は前記底部シート118から開放される。この実施形態において、容器閉鎖部124は、前記上部シート116の全直径にわたり延長する破壊域により提供されるため、前記上部シートの破壊域は、十分な力をかけると破断し、前記上部シートが2片116aおよび116bに分離する(二等分される)。そして、前記上部シート片116aおよび116bは、これらを引くと前記袋が前記容器112内から展開されるよう、(例えば、接着剤で)前記袋114に取り付けられる。これに伴い、(おむつ108に適用された)前記処分用袋システム110を使用する方法は、前記容器閉鎖部124を開けると形成される開口部126内に手を伸ばす工程と、前記容器112の前記外周120に沿って前記引き糸152を引いて前記上部および底部シート116・118を互いから分離し、かつ前記上部シートを2片116aおよび116bに分離して、前記底部シート118は前記おむつに取り付けられたままにし、前記上部シート片は前記袋に取り付けられたままにする工程(
図42〜44を参照)と、前記上部シートの2片をまとめて引いて前記袋114を前記容器から展開する工程と、前記上部シートの2片を引き離して前記袋を開ける工程(
図45を参照)と、前記袋内に手を伸ばして前記おむつを把持する工程(
図46〜48を参照)と、前記おむつが前記袋の中に入るまで前記袋を中表に裏返す工程と、まだ取り付けられている前記上部シートの2片を、前記裏返された袋の中に折り込む工程(
図49を参照)と、前記引き紐閉鎖部134で前記袋を閉じる工程とを代わりに用いるよう修正される。
【0034】
代替実施形態において、前記着脱自在な合着アセンブリは、前記上部シートの外周破壊域下と、前記上部および底部シートを一体的に合着する外周シール域とに配置される露出しない引き糸部分から延出する露出した引き糸部分を含み、前記破壊域の閉鎖部は、少なくとも前記外周シール域の全直径にわたり延長する。また他の実施形態において、前記着脱自在な合着アセンブリは、前記上部および底部シートを着脱自在に一体的に保持する他種の従来の着脱自在な合着アセンブリを含み、これは例えば面ファスナー、スナップフィットデテント、ジッパー、ボタン、ジップロック(登録商標)スライド式閉鎖機構、またはプラスチッククリップである。
【0035】
さらに、前記処分用袋システム110の前記袋114の前記引き紐閉鎖部134には、前記袋の開口上端部132の縁部(lip)に沿って付けた伸縮性のバンドを含めることができ、前記引き紐の2つの露出部分は、前記袋の開口上部の対向しあう側で前記伸縮性のバンドに取り付けられる。この使用方法において前記上部シート116を取り外した状態では、まだ前記袋114の前記開口端130に取り付けられている前記上部シートの2片116aおよび116bを引き離すと、前記伸縮性のバンドが引き伸ばされる。
【0036】
別の実施形態では、前記処分用袋システムに、前記容器を開けると有効になる香りモジュールが含まれる。この香りモジュールは、前記容器閉鎖部が開くと香りまたは芳香を放出して汚れたおむつの臭いを隠す上で役立つよう機能する。
【0037】
図50〜54は、本発明の第3の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システム210を示したものである。この実施形態は、容器212と、当該容器内に収容された処分用袋214であって、開封自在な閉鎖部224を通じて当該容器から展開自在な処分用袋214とを含む点で上述のものと同様である。ただし、この実施形態では、前記容器212の底部シートがおむつ208の裏地207(外部シート)により画成される。当該システム210を作製する際、前記袋214はおむつの裏地207(この場合、前記容器の底部シートでもある)に取り付け、上部シート216は前記裏地に取り付けることができる。
【0038】
図55〜56は、本発明の第4の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システム310を示したものである。この実施形態は、容器312と、当該容器内に収容された処分用袋314であって、開封自在な閉鎖部324を通じて当該容器から展開自在な処分用袋214とを含む点で上述のものと同様であり、前記容器312は、上部および底部シート316および316を含む。ただし、この実施形態では、事前に組み立てられたシステム310が前記おむつの裏地307と、当該おむつ308の内部シート306との間に配置される。前記裏地307は開封自在な閉鎖部302を含み、この閉鎖部302は、前記容器閉鎖部324に位置合わせされるため、前記袋314は、位置合わせされた双方の閉鎖部を通じて展開することができる。
【0039】
図57〜58は、本発明の第5の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システム410を示したものである。この実施形態は、容器412と、当該容器内に収容された処分用袋414であって、開封自在な閉鎖部424を通じて当該容器から展開自在な処分用袋414とを含む点で上述のものと同様である。ただし、この実施形態では、前記容器412の底部シートがおむつ408の内層404により画成される。また、前記おむつの裏地407は開封自在な閉鎖部402を含み、この閉鎖部402は、前記容器閉鎖部424に位置合わせされるため、前記袋414は、位置合わせされた双方の閉鎖部を通じて展開することができる。当該システム410を作製する際、前記袋414はおむつの内部シート304(この場合、前記容器の底部シートでもある)に取り付け、上部シート416は前記内部シートに取り付けることができる。
【0040】
図59は、本発明の第6の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システム510を示したものである。この実施形態は、容器612と、当該容器内に収容された処分用袋614であって、開封自在な閉鎖部624を通じて当該容器から展開自在な処分用袋614とを含む点で上述のものと同様である。ただし、この実施形態では、前記容器612の上部シートがおむつ608の裏地607(外部シート)により画成される。当該システム610を作製する際、前記袋614は前記容器の底部シート618に取り付け、前記おむつの裏地607(この場合、前記容器の上部シートでもある)は前記裏地に取り付け、前記裏地は前記おむつ608の内層604に取り付けることができる。
【0041】
図60〜61は、本発明の第7の実施形態例に係る自己完結型処分用袋システム710を示したものである。この実施形態は、容器712と、当該容器内に収容された処分用袋714であって、開封自在な閉鎖部724を通じて当該容器から展開自在な処分用袋714とを含む点で上述のものと同様である。ただし、この実施形態では、前記容器712の上部および底部シートが、おむつ708の裏地707(外部シート)および内部シート706によりそれぞれ画成され、前記容器閉鎖部724は、前記おむつの裏地に形成される。このように、前記容器712を前記おむつ708の2枚のシートで形成することにより、前記組み立て済みシステム710およびおむつの厚さは最小限に抑えられている。当該システム710を作製する際、前記袋714は、前記おむつの内部シート706(この場合、前記容器の底部シートでもある)に取り付けられ、前記裏地707(この場合、前記容器の上部シートでもある)は、前記内部シートに取り付けられる。
【0042】
他の実施形態において、前記処分用袋システムは、体液吸収用にヒト(または他の動物)が着用する他の物品、例えば生理用品(例えば、生理用パッド、ナプキン、およびライナー)および他の物品、例えば医療廃棄物(例えば、創傷被覆材、圧迫帯、および手術用トレイライナー)に取り付けられ、またはそれにより少なくとも部分的に形成される。これらの実施形態では、当業者であれば容易に理解されるように、前記処分用袋システムは修正可能である。例えば、生理用ナプキン用途では、前記容器をサイズ調整してより小さくし(幅および厚さ)、細長い長方形の形状にする(全体として前記ナプキンの形状に適合させる)ことができ、前記容器の閉鎖部は当該容器の一端に設置でき、前記袋はサイズ調整してより小さくし、長手方向に1回だけ折り畳んで、その底部取り付け端部および上部引張り端部を上記と同じ端部で前記閉鎖部に隣接させることができる。これにより、システム全体の厚さが最小限に抑えられて快適さが増し、目立ちにくくなりながら、ナプキン処分用に十分大きな袋を提供することができる。
【0043】
そのため、本発明の処分用袋システムは、先行技術と比べて多数の利点をもたらす。当該処分用袋システムは、安全性および実用性を最大限に伸ばす年齢固有の設計に実装できる。当該処分用袋システムは、おむつ替えで生じる汚物を効率的に閉じ込めるとともに、悪臭漏れをなくし、細菌および病原菌の拡散を防ぐ。このおむつ処分用袋システムを使うと、汚れたおむつが衛生的なごみ袋に密閉され、このごみ袋はどんなごみ容器にも安全に廃棄でき、またはどこにでも保管して後で処分することができる。当該処分用袋システムは、効果的に既存のおむつ製品ラインを拡張したものであり、いかなる標準的な使い捨ておむつにも製造工程中、容易に追加できる。また、この処分用袋システムの構築に使用される材料は、すべて完全に生物分解性にできる。
【0044】
さらに、前記処分用袋システムに使用される袋は、好ましい香りを有するよう作製でき、柔軟で、液体不浸透性で、悪臭を通さない超軽量の合成材料で製作できる。これは、非常に薄く通常底に小さな穴が開いている従来の食料雑貨袋および買い物袋を使用する場合に勝る利点である。穴が開いている従来の買い物袋に汚れたおむつを入れる際は、液体および悪臭を閉じ込めるため二重にして使う必要がある。前記処分用袋システムの処分用袋は、容量も柔軟性も十分であるため、使用済みおしりふきその他の小さな廃棄物を入れる際も役立つ。例えば、使用済みおしりふきは、前記処分用袋に閉じ込める前の汚れたおむつの中に丸めて入れることができる。また、前記処分用袋システムの処分用袋をサイズ調整すると、汚れたおむつを入れた前記袋に余分なスペースが残り、別の廃棄物を入れられるようにできる。
【0045】
さらに、従来の袋が入手できない場所で、乳児のおむつ替えが必要になることもある。前記処分用袋システムを備えた使い捨ておむつを使うと、前記処分用袋は常に手元にあって利用できる。汚れたおむつは、前記処分用袋に密閉でき、後で処分するまで、例えば自宅にいても(高価なDIAPER GENIE(登録商標)おむつ容器が不要になる)、外出中におむつ替えするときも(例えば、自動車の後部座席で、海辺で、飛行機内で、キャンプ中、レストランで、友人および親戚訪問中、スポーツイベントで)、便宜的に保管できる。
【0046】
さらに、前記処分用袋システムの目に見える上部シートは、従来の使い捨ておむつと同じ若しくは同様な材料で作製できるため、前記上部シートの外観は、おむつに合った若しくは調和するパターン、質感などで作製可能である。前記処分用袋システムは、子どもを保護する複数の保護措置とともに設計できる。また、前記処分用袋システムを使うと、ごみ容器の悪臭を低減し、おむつ替え体験全体をより快適なものにする上で役立つ。要約すると、前記処分用袋システムは、より便利で衛生的、かつ悪臭のない処分システムおよび方法を提供することにより、親および介助者のおむつ替え体験を向上させる。
【0047】
本発明は、本明細書に説明し、および/または示す具体的な装置、方法、条件、またはパラメータに限定されるものではなく、また本明細書で使用する用語は、単なる例として特定の実施形態を説明するためのものであることを理解すべきである。そのため、前記用語は広義に解釈するよう意図されており、本発明を不要に限定することを意図したものではない。例えば、添付の請求項を含む本明細書では、別段の断わりがない限り、単数形扱いしている名称は複数形を包含し、用語「または」は「および/または」を意味し、言及された特定の数値は、少なくともその特定の値を包含する。また、本明細書で説明したいずれの方法も、記述された一連の工程に限定されるものではなく、本明細書に別段の断りがない限り、他の順序でも実施可能である。
【0048】
以上、本発明について例をとって示し、説明してきたが、当業者であれば、以下の請求項により定義された本発明の要旨を逸脱しない範囲で、多数の変更形態、追加形態、および削除形態が可能であることが明確に理解されるであろう。