【文献】
土門さや香他,連続強度評定による雑味成分を低減したコーヒー飲料の風味特徴の解析,日本農芸化学会2013年度大会講演要旨集,2013年3月5日,講演番号:3A12p03
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(C)としてカフェインを含み、当該ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(C)の含有量が0.05〜4.5質量%である、請求項8〜10のいずれか一項に記載のソリュブルコーヒー。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、雑味が低減され、苦味のキレ及び口腔香気の良好なコーヒー飲料及びソリュブルコーヒーを提供することにある。また、本発明は、コーヒー飲料の雑味低減方法及び口腔香気改善方法の提供することにある。
【0008】
本発明
者は、嗜好性の高いコーヒー飲料を開発すべく苦味について検討を行った。コーヒー飲料は、苦味を楽しむ飲料であり、その代表例としてエスプレッソがある。コーヒー飲料は、口に含んだときにシャープな苦味が感じられ、その苦味の後引きがなくキレのよい良質の苦味が好まれているが、後味に良質でない苦味が残ると、コーヒー飲料の美味しさが損なわれてしまう。ここで、本明細書において「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。苦味のキレの悪化の要因について検討したところ、雑味が苦味のキレの悪化に関与し、さらに苦味のキレの悪化が口腔香気の低下を齎すことを見出した。更に、コーヒー飲料の雑味を低減すべく詳細に検討を行った結果、コーヒー飲料に含まれる特定の香気成分が雑味に関与していることが判明した。そして、かかる香気成分のコーヒー飲料中の含有量を低減することで、雑味が抑制され、しかも雑味の抑制により、苦味のキレ及び口腔香気の改善されたコーヒー飲料が得られることを見出した。
【0009】
本発明によれば、雑味が抑制され、しかも雑味の抑制により、苦味のキレ及び口腔香気の改善されたコーヒー飲料及びソリュブルコーヒーを提供することができる。また、本発明によれば、コーヒー飲料の雑味の低減方法、及び口腔香気の改善方法を提供することができる。
【0010】
本発明のコーヒー飲料は、成分(A)として、雑味の原因物質である、アセチルメチルピロール(2-acetyl-1-methylpyrrole)を含有する。
本発明のコーヒー飲料中の成分(A)の含有量は、0.1質量ppm未満であるが、より一層の雑味の低減、苦味のキレ及び口腔香気の改善の観点から、0.09質量ppm以下が好ましく、0.08質量ppm以下がより好ましく、0.06質量ppm以下が更に好ましく、0.03質量ppm以下がより更に好ましい。なお、成分(A)の含有量の下限は特に限定されず、0質量ppmであってもよいが、生産効率の観点から、下限値を0.0001質量ppm、更に0.001質量ppmとすることもできる。本発明のコーヒー飲料中の成分(A)の含有量の範囲としては、好ましくは0〜0.09質量ppm、より好ましくは0〜0.08質量ppm、更に好ましくは0〜0.06質量ppm、より更に好ましくは0.0001〜0.06質量ppm、より更に好ましくは0.001〜0.03質量ppmである。なお、本明細書において、成分(A)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。また、本明細書において、成分(A)の含有量が0質量ppmとは、後掲の実施例に記載の方法において成分(A)の含有量を分析したときに検出限界以下である場合も包含する概念である。
【0011】
このように、本発明のコーヒー飲料は、成分(A)がコーヒー飲料に通常含まれる量よりも顕著に低減されているため、雑味が抑制される。その結果、口に含んだときにシャープな苦味が感じられ、その苦味が後に引かないため、口腔香気を十分に高めることができる。
【0012】
本発明のコーヒー飲料は、成分(B)として、ジカフェオイルキナ酸類を含有する。ここで、本明細書において「ジカフェオイルキナ酸類」とは、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、ジカフェオイルキナ酸類含有量は上記3種の合計量に基づいて定義される。なお、本明細書において、成分(B)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
【0013】
本発明のコーヒー飲料は、成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.00055以下であるが、苦味のコク、苦味のキレ、及び口腔香気のより一層の改善の点から、0.00045以下が好ましく、0.00035以下がより好ましく、0.00025以下が更に好ましい。なお、質量比[(A)/(B)]の下限は特に限定されず、0であってもよいが、生産効率の観点から、下限値を0.000001、更に0.00001とすることもできる。本発明のコーヒー飲料中の質量比[(A)/(B)]の範囲としては、好ましくは0〜0.00055、より好ましくは0〜0.00045、更に好ましくは0.000001〜0.00035、より更に好ましくは0.00001〜0.00025である。
【0014】
また、本発明のコーヒー飲料中の成分(B)の含有量は、苦味の付与、苦味のコクの向上の観点から、30質量ppm以上が好ましく、50質量ppm以上がより好ましく、70質量ppm以上が更に好ましく、80質量ppm以上がより更に好ましく、また苦味のキレ改善の観点から、300質量ppm以下が好ましく、250質量ppm以下がより好ましく、200質量ppm以下が更に好ましく、150質量ppm以下がより更に好ましい。本発明のコーヒー飲料中の成分(B)の含有量の範囲としては、好ましくは30〜300質量ppm、より好ましくは50〜250質量ppm、更に好ましくは70〜200質量ppm、より更に好ましくは80〜150質量ppmである。
【0015】
本発明のコーヒー飲料は、成分(C)として、カフェインを含有することができる。
本発明のコーヒー飲料中の成分(C)の含有量は、苦味の付与の観点から、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.015質量%以上が更に好ましく、0.02質量%以上がより更に好ましく、また苦味のキレ改善の観点から、0.15質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.075質量%以下が更に好ましく、0.05質量%以下がより更に好ましい。本発明のコーヒー飲料中の成分(C)の含有量の範囲としては、好ましくは0.005〜0.15質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%、更に好ましくは0.015〜0.075質量%、より更に好ましくは0.02〜0.05質量%である。なお、本明細書において、成分(C)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
【0016】
更に、本発明のコーヒー飲料は、成分(D)として、クロロゲン酸類を含有することができる。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、上記3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸類を併せての総称である。
【0017】
本発明のコーヒー飲料中の成分(D)の含有量は、生理活性の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.07質量%以上が更に好ましく、0.1質量%以上がより更に好ましく、0.12質量%以上がより更に好ましく、0.15質量%以上がより更に好ましく、また風味の観点から、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下がより更に好ましく、0.3質量%以下がより更に好ましい。本発明のコーヒー飲料中の成分(D)の含有量の範囲としては、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%、更に好ましくは0.07〜0.8質量%、より更に好ましくは0.1〜0.8質量%、より更に好ましくは0.12〜0.5質量%、より更に好ましくは0.15〜0.3質量%である。なお、本明細書において、成分(D)の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義され、また成分(D)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
【0018】
本発明のコーヒー飲料中の成分(B)と成分(D)との質量比[(B)/(D)]は、生理効果、苦味のコクの観点から、0.04以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.06以上が更に好ましく、0.07以上がより更に好ましく、また、風味、苦味のキレ改善の観点から0.2以下が好ましく、0.18以下がより好ましく、0.16以下が更に好ましく、0.14以下がより更に好ましい。本発明のコーヒー飲料中の質量比[(B)/(D)]の範囲としては、好ましくは0.04〜0.2、より好ましくは0.05〜0.18、更に好ましくは0.06〜0.16、より更に好ましくは0.07〜0.14である。
【0019】
本発明のコーヒー飲料は、コク付与の観点から、Brix(20℃)が、0.8以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、1.2以上が更に好ましく、1.5以上がより更に好ましく、そして、飲みやすさの点から、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.3以下が更に好ましい。本発明のコーヒー飲料のBrixの範囲としては、好ましくは0.8〜3.0、より好ましくは1.0〜2.5、更に好ましくは1.2〜2.5、より更に好ましくは1.5〜2.3である。
【0020】
本発明のコーヒー飲料は、風味の観点から、液性が酸性であることが好ましい。具体的には、pH(20℃)は、4.0以上が好ましく、4.3以上がより好ましく、4.5以上が更に好ましく、そして、6.0以下が好ましく、5.9以下がより好ましく、5.8以下が更に好ましい。コーヒー飲料のpH(20℃)の範囲としては、好ましくは4.0〜6.0、より好ましくは4.3〜5.9、更に好ましくは4.5〜5.8である。
【0021】
本発明のコーヒー飲料は、例えば、成分(A)の含有量が低減され、かつ成分(A)と成分(B)の質量比が制御されたコーヒー抽出物をそのまま、あるいは水に希釈して得ることができる。
【0022】
成分(A)の含有量が低減され、かつ成分(A)と成分(B)の質量比が制御されたコーヒー抽出物は、例えば、(i)原料焙煎コーヒー豆抽出物を逆相クロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ等の各種クロマトグラフィに供して成分(A)を分画し、原料焙煎コーヒー豆抽出物中の成分(A)の含有量を低減させるか、あるいは(ii)平均粒径が特定範囲内に制御された、焙煎コーヒー豆及び活性炭を同一容器内に仕込み、当該容器内に抽出溶媒を供給してコーヒー抽出液を得、当該コーヒー抽出液を当該容器内にて活性炭と接触させる方法により、成分(A)及び成分(B)の、焙煎コーヒー豆からの抽出量及び活性炭への吸着量を制御し得ることができる。なお、(i)の方法において、分画方法は公知の方法を適宜採用することができる。以下、(ii)の方法について説明する。
【0023】
本発明で使用する焙煎コーヒー豆は、平均粒径が、好ましくは0.90〜1.40mm、更に好ましくは0.96〜1.33mmである。ここで、本明細書において「平均粒径」とは、JIS K1474の6.3に基づき粒度を求め、次に6.4に基づき粒度分布を求め、更に同項b)の7)に基づいて算出された質量平均粒径を意味する。
焙煎コーヒー豆は、色差計で測定したL値が、好ましくは10〜60、より好ましくは13〜40、更に好ましくは15〜35、より更に好ましくは20〜30であり、焙煎度の異なるコーヒー豆を混合して使用することもできる。焙煎度の異なるコーヒー豆を混合して使用する場合、焙煎コーヒー豆の焙煎度は、使用する焙煎コーヒー豆のL値に、当該焙煎コーヒー豆の含有比率を乗じた値の総和とする。また、L値が大きな焙煎コーヒー豆を用いることで、成分(B)の含有量の高いコーヒー抽出物を得ることができる。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。色差計として、例えば、スペクトロフォトメーター SE2000((株)日本電色社製)を用いることができる。なお、焙煎方法及び焙煎条件は特に限定されない。コーヒー豆の豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種を挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0024】
また、本発明で使用する活性炭は、平均粒径が、好ましくは0.30〜0.60mm、更に好ましくは0.32〜0.45mmである。ここでいう「平均粒径」もJIS K1474に基づいて算出された質量平均粒径である。なお、活性炭の由来原料としては、木質(例えば、オガコ)、石炭、ヤシ殻等を挙げられ、中でも、ヤシ殻活性炭が好ましい。また、水蒸気等のガスや薬品により賦活した活性炭を用いてもよく、中でも、水蒸気賦活活性炭が好ましい。活性炭の使用量は、焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは10〜35質量%、更に好ましくは20〜28質量%である。
【0025】
平均粒径が制御された、焙煎コーヒー豆及び活性炭は、必要により焙煎コーヒー豆及び活性炭を粉砕し、篩分けして所望の平均粒径を有するものを採取すればよい。粉砕方法は特に限定されず、公知の方法及び装置を用いることができる。なお、焙煎コーヒー豆及び活性炭の分級には、例えば、Tyler製(JIS Z 8801-1)の篩を用いることができる。
【0026】
次に、焙煎コーヒー豆と活性炭を容器に仕込む。容器としては、例えば、ドリップ抽出器、カラム抽出器を挙げることができる。
また、容器内に活性炭を仕込んだ後、焙煎コーヒー豆を仕込む前に、容器内に水を通液して活性炭を洗浄してもよい。なお、洗浄に使用した水は容器外に排出する。水の温度は、好ましくは60〜100℃、更に好ましくは70〜95℃である。洗浄に用いる水の量は、活性炭に対して、好ましくは5〜200質量倍、更に好ましくは15〜50質量倍である。
【0027】
次に、焙煎コーヒー豆と活性炭を容器内に仕込んだ後、抽出溶媒を供給する。
抽出溶媒としては風味の観点から、水が好ましく、水道水、天然水、蒸留水、イオン交換水等を適宜選択して使用することができる。
抽出溶媒の温度は、好ましくは70〜90℃、より好ましくは77〜87℃である。
【0028】
また、焙煎コーヒー豆に対して抽出溶媒を一定量供給した後、抽出溶媒の供給を停止し、その状態を所定時間保持してもよい。この場合、抽出溶媒の供給量は、焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは0.5〜10質量倍であり、保持時間は、風味の観点から、好ましくは1〜20分、より好ましくは5〜16分である。
【0029】
次に、コーヒー抽出物を容器外に排出するが、コーヒー抽出液の抽出倍率、すなわち、コーヒー抽出液質量/焙煎コーヒー豆質量が所定量に達したときに停止することが好ましい。コーヒー抽出液の抽出倍率は、焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは1〜15質量倍、より好ましくは4〜12質量倍である。
排出されたコーヒー抽出液は、冷却後、必要により、濾過、遠心分離等により処理してもよい。
【0030】
このようにして、(A)アセチルメチルピロールの含有量が0.1質量ppm未満に低減されたコーヒー抽出物を得ることができる。得られたコーヒー抽出物は、成分(A)と(B)ジカフェオイルキナ酸類との質量比[(A)/(B)]が通常0.00055以下であるが、必要により、成分(B)を添加して質量比[(A)/(B)]を上記範囲内において調整することもできる。
【0031】
また、本発明のコーヒー飲料には、必要により、甘味料、乳成分、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、酸味料、アミノ酸、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤の1種又は2種以上を配合してもよい。本発明のコーヒー飲料は、ブラックコーヒー飲料としても、ミルクコーヒー飲料としてもよい。
【0032】
本発明のコーヒー飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して、容器詰コーヒー飲料として提供することができる。
また、コーヒー飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。
【0033】
次に、本発明のソリュブルコーヒーについて説明する。
本明細書において「ソリュブルコーヒー」とは、成分(A)の含有量が低減された前述のコーヒー抽出物を濃縮又は乾燥したものであって、一般的に飲用されるコーヒー飲料よりも固形分濃度が高いものをいう。ソリュブルコーヒーの乾燥固形分は、通常10〜100質量%であるが、ハンドリングの観点から、20〜99.9質量%が好ましく、25〜99質量%がより好ましく、30〜98質量%が更に好ましい。なお、「乾燥固形分」の測定は、後掲の実施例の「乾燥固形分の測定」に記載の方法にしたがうものとする。
ソリュブルコーヒーとしては、例えば、ポーションタイプの希釈飲料、インスタントコーヒー等を挙げることができる。インスタントコーヒーの形態としては、スプーンで計量し調製するもの、透過性浸出パッケージ又はカップ1杯分毎に小分けしたスティックタイプとすることができる。
【0034】
本発明のソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(A)の含有量は、3質量ppm未満であるが、より一層の雑味の低減、苦味のキレ及び口腔香気の改善の観点から、2.7質量ppm以下が好ましく、2.4質量ppm以下がより好ましく、1.8質量ppm以下が更に好ましく、0.9質量ppm以下がより更に好ましい。なお、成分(A)の含有量の下限は特に限定されず、0質量ppmであってもよいが、生産効率の観点から、0.001質量ppm、更に0.01質量ppmとすることもできる。本発明のソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(A)の含有量の範囲としては、好ましくは0〜2.7質量ppm、より好ましくは0〜2.4質量ppm、更に好ましくは0.001〜1.8質量ppm、より更に好ましくは0.01〜0.9質量ppmである。
【0035】
本発明のソリュブルコーヒーは、前述のコーヒー飲料と同様に質量比[(A)/(B)]が0.00055以下である。質量比[(A)/(B)]の好適な態様は、前述のコーヒー飲料において説明したとおりである。また、本発明のソリュブルコーヒー中の質量比[(B)/(D)]の好適な態様も、前述のコーヒー飲料において説明したとおりである。
【0036】
本発明のソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(B)の含有量は、苦味の付与、苦味のコクの向上の観点から、0.03質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.07質量%以上が更に好ましく、0.08質量%以上がより更に好ましく、また苦味のキレ改善の観点から、0.9質量%以下が好ましく、0.75質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下が更に好ましく、0.45質量%以下がより更に好ましい。本発明のソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(B)の含有量の範囲としては、好ましくは0.03〜0.9質量%、より好ましくは0.05〜0.75質量%、更に好ましくは0.07〜0.6質量%、より更に好ましくは0.08〜0.45質量%である。
【0037】
本発明のソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(C)の含有量は、苦味の付与の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.15質量%以上が更に好ましく、0.2質量%以上がより更に好ましく、また苦味のキレ改善の観点から、4.5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2.25質量%以下が更に好ましく、1.5質量%以下がより更に好ましい。本発明のソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(C)の含有量の範囲としては、好ましくは0.05〜4.5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%、更に好ましくは0.15〜2.25質量%、より更に好ましくは0.2〜1.5質量%である。
【0038】
本発明のソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(D)の含有量は、生理活性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.7質量%以上が更に好ましく、1.0質量%以上がより更に好ましく、1.2質量%以上がより更に好ましく、1.5質量%以上がより更に好ましく、また風味の観点から、60質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、24質量%以下が更に好ましく、15質量%以下がより更に好ましく、9質量%以下がより更に好ましい。本発明のソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(D)の含有量の範囲としては、好ましくは0.1〜60質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、更に好ましくは0.7〜24質量%、より更に好ましくは1.0〜15質量%、より更に好ましくは1.2〜15質量%、より更に好ましくは1.5〜9質量%である。
【0039】
本発明のソリュブルコーヒーは、上記コーヒー抽出物を乾燥して得ることが可能であり、乾燥方法としては、噴霧乾燥、凍結乾燥等が例示される。
【0040】
次に、コーヒー飲料の雑味低減方法及び口腔香気改善方法について説明する。
本発明のコーヒー飲料の雑味低減方法及び口腔香気改善方法は、当該コーヒー飲料
中の(A)アセチルメチルピロールの含有量を0.1質量ppm未満に調整するものである。成分(A)の含有量の好適な態様は、前述のコーヒー飲料において説明したとおりである。
また、本発明のコーヒー飲料の雑味低減方法及び口腔香気改善方法においては、より一層の雑味の低減、苦味のキレ及び口腔香気の改善の観点からコーヒー飲料中の成分(A)の含有量及び質量比[(A)/(B)]を、苦味のコクの向上、苦味のキレの改善の観点からコーヒー飲料中の(B)ジカフェオイルキナ酸類の含有量及び質量比[(B)/(D)]を、苦味の付与及び風味の観点からから(C)カフェインの含有量を、生理活性及び風味の観点からコーヒー飲料中の(D)クロロゲン酸類の含有量を、風味の観点からpHを、コク付与の観点からBrixを、それぞれ調整することができる。コーヒー飲料中の成分(A)、(B)、(C)及び(D)の各含有量、並びに質量比[(A)/(B)]、質量比[(B)/(D)]、pH及びBrixの好適な態様は、前述のコーヒー飲料において説明したとおりである。
【0041】
すなわち、上記実施形態に関し、本発明は更に以下のコーヒー飲料、ソリュブルコーヒー、並びにコーヒー飲料の雑味低減方法及び口腔香気改善方法を開示する。
【0042】
<1−1>
次の成分(A)及び(B);
(A)アセチルメチルピロール:0.1質量ppm未満、
(B)ジカフェオイルキナ酸類
を含み、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.00055以下である、コーヒー飲料。
【0043】
<1−2>
コーヒー飲料中の(A)アセチルメチルピロールの含有量を0.1質量ppm未満に調整する、コーヒー飲料の雑味低減方法。
【0044】
<1−3>
コーヒー飲料中の(A)アセチルメチルピロールの含有量を0.1質量ppm未満に調整する、コーヒー飲料の口腔香気改善方法。
【0045】
<1−4>
コーヒー飲料中に含まれる(A)アセチルメチルピロールと(B)ジカフェオイルキナ酸類との質量比[(A)/(B)]を0.00055以下に調整する、前記<1−2>又は<1−3>記載の方法。
<1−5>
質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.00045以下、より好ましくは0.00035以下、更に好ましくは0.00025以下であって、好ましくは0以上、より好ましくは0.000001以上、更に好ましくは0.00001以上である、前記<1−1>記載のコーヒー飲料、又は<1−4>記載の方法(以下、「コーヒー飲料、コーヒー飲料の雑味低減方法、又はコーヒー飲料の口腔香気改善方法」を「コーヒー飲料等」と称する)。
<1−6>
質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0〜0.00055、より好ましくは0〜0.00045、更に好ましくは0.000001〜0.00035、より更に好ましくは0.00001〜0.00025である、前記<1−1>、<1−4>又は<1−5>記載のコーヒー飲料等。
<1−7>
コーヒー飲料中の成分(A)の含有量が、好ましくは0.09質量ppm以下、より好ましくは0.08質量ppm以下、更に好ましくは0.06質量ppm以下、より更に好ましくは0.03質量ppm以下であって、好ましくは0質量ppm以上、より好ましくは0.0001質量ppm以上、更に好ましくは0.001質量ppm
以上である、前記<1−1>〜<1−6>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−8>
コーヒー飲料中の成分(A)の含有量が、好ましくは0〜0.09質量ppm、より好ましくは0〜0.08質量ppm、更に好ましくは0〜0.06質量ppm、より更に好ましくは0.0001〜0.06質量ppm、より更に好ましくは0.001〜0.03質量ppmである、前記<1−1>〜<1−7>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−9>
(B)ジカフェオイルキナ酸類が、好ましくは3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選ばれる少なくとも1種である、前記<1−1>、<1−4>〜<1−8>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−10>
コーヒー飲料中の成分(B)の含有量が、好ましくは30質量ppm以上、より好ましくは50質量ppm以上、更に好ましくは70質量ppm以上、より更に好ましくは80質量ppm以上であって、好ましくは300質量ppm以下、より好ましくは250質量ppm以下、更に好ましくは200質量ppm以下、より更に好ましくは150質量ppm以下である、前記<1−1>、<1−4>〜<1−9>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
【0046】
<1−11>
コーヒー飲料中の成分(B)の含有量が、好ましくは30〜300質量ppm、より好ましくは50〜250質量ppm、更に好ましくは70〜200質量ppm、より更に好ましくは80〜150質量ppmである、前記<1−1>、<1−4>〜<1−10>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−12>
好ましくは成分(C)としてカフェインを含有し、コーヒー飲料中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.015質量%以上、より更に好ましくは0.02質量%以上であって、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.075質量%以下、より更に好ましくは0.05質量%以下である、前記<1−1>〜<1−11>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−13>
好ましくは成分(C)としてカフェインを含有し、コーヒー飲料中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.005〜0.15質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%、更に好ましくは0.015〜0.075質量%、より更に好ましくは0.02〜0.05質量%である、前記<1−1>〜<1−12>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−14>
好ましくは成分(D)としてクロロゲン酸類を含有し、コーヒー飲料中の成分(D)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.07質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.12質量%以上、より更に好ましくは0.15質量%以上であって、更に好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.3質量%以下である、前記<1−1>〜<1−13>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−15>
好ましくは成分(D)としてクロロゲン酸類を含有し、コーヒー飲料中の成分(D)の含有量が、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%、更に好ましくは0.07〜0.8質量%、より更に好ましくは0.1〜0.8質量%、より更に好ましくは0.12〜0.5質量%、より更に好ましくは0.15〜0.3質量%である、前記<1−1>〜<1−14>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−16>
コーヒー飲料中の成分(B)と成分(D)との質量比[(B)/(D)]が、好ましくは0.04以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.06以上、より更に好ましくは0.07以上であって、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.18以下、更に好ましくは0.16以下、より更に好ましくは0.14以下である、前記<1−1>〜<1−15>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−17>
コーヒー飲料中の成分(B)と成分(D)との質量比[(B)/(D)]が、好ましくは0.04〜0.2、より好ましくは0.05〜0.18、更に好ましくは0.06〜0.16、より更に好ましくは0.07〜0.14である、前記<1−1>〜<1−16>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−18>
コーヒー飲料のBrix(20℃)が、好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.2以上、より更に好ましくは1.5以上であって、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.3以下である、前記<1−1>〜<1−17>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−19>
コーヒー飲料のBrix(20℃)が、好ましくは0.8〜3.0、より好ましくは1.0〜2.5、更に好ましくは1.2〜2.5、より更に好ましくは1.5〜2.3である、前記<1−1>〜<1−18>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−20>
コーヒー飲料のpH(20℃)が、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.3以上、更に好ましくは4.5以上であって、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.9以下、更に好ましくは5.8以下である、前記<1−1>〜<1−19>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−21>
コーヒー飲料のpH(20℃)が、好ましくは4.0〜6.0、より好ましくは4.3〜5.9、更に好ましくは4.5〜5.8である、前記<1−1>〜<1−20>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−22>
好ましくは容器詰コーヒー飲料である、前記<1−1>〜<1−21>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
【0047】
<1−23>
好ましくはブラックコーヒー飲料又はミルクコーヒー飲料である、前記<1−1>〜<1−22>のいずれか一に記載のコーヒー飲料等。
<1−24>
好ましくは、甘味料、乳成分、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、酸味料、アミノ酸、pH調整剤及び品質安定剤から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を更に含有する、前記<1−1>、<1−5>〜<1−23>のいずれか一に記載のコーヒー飲料。
【0048】
<2−1>
次の成分(A)及び(B);
(A)アセチルメチルピロール:乾燥固形分中に3質量ppm未満、
(B)としてジカフェオイルキナ酸類
を含み、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.00055以下である、ソリュブルコーヒー。
【0049】
<2−2>
乾燥固形分が、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜99.9質量%、更に好ましくは25〜99質量%、より更に好ましくは30〜98質量%である、前記<2−1>記載のソリュブルコーヒー。
<2−3>
好ましくはポーションタイプの希釈飲料、又はインスタントコーヒーである、前記<2−1>又は<2−2>記載のソリュブルコーヒー。
<2−4>
ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(A)の含有量が、好ましくは2.7質量ppm以下、より好ましくは2.4質量ppm以下、更に好ましくは1.8質量ppm以下、より更に好ましくは0.9質量ppm以下であって、好ましくは0質量ppm以上、より好ましくは0.001質量ppm以上、更に好ましくは0.01質量ppm以上である、前記<2−1>〜<2−3>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−5>
ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(A)の含有量が、好ましくは0〜2.7質量ppm、より好ましくは0〜2.4質量ppm、更に好ましくは0.001〜1.8質量ppm、より更に好ましくは0.01〜0.9質量ppmである、前記<2−1>〜<2−4>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−6>
質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.00045以下、より好ましくは0.00035以下、更に好ましくは0.00025以下であって、好ましくは0以上、より好ましくは0.000001以上、更に好ましくは0.00001以上である、前記<2−1>〜<2−5>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−7>
質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0〜0.00055、より好ましくは0〜0.00045、更に好ましくは0.000001〜0.00035、より更に好ましくは0.00001〜0.00025である、前記<2−1>〜<2−6>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−8>
ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(B)の含有量は、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.07質量%以上、より更に好ましくは0.08質量%以上であって、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.75質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下、より更に好ましくは0.45質量%以下である、前記<2−1>〜<2−7>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−9>
ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(B)の含有量が、好ましくは0.03〜0.9質量%、より好ましくは0.05〜0.75質量%、更に好ましくは0.07〜0.6質量%、より更に好ましくは0.08〜0.45質量%である、前記<2−1>〜<2−8>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−10>
好ましくは成分(C)としてカフェインを含有し、ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上、より更に好ましくは0.2質量%以上であって、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2.25質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下である、前記<2−1>〜<2−9>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
【0050】
<2−11>
好ましくは成分(C)としてカフェインを含有し、ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.05〜4.5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%、更に好ましくは0.15〜2.25質量%、より更に好ましくは0.2〜1.5質量%である、前記<2−1>〜<2−10>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−12>
好ましくは成分(D)としてクロロゲン酸類を含有し、ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(D)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上、より更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.2質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上であって、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは24質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは9質量%以下である、前記<2−1>〜<2−11>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−13>
好ましくは成分(D)としてクロロゲン酸類を含有し、ソリュブルコーヒーの乾燥固形分中の成分(D)の含有量が、好ましくは0.1〜60質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、更に好ましくは0.7〜24質量%、より更に好ましくは1.0〜15質量%、より更に好ましくは1.2〜15質量%、より更に好ましくは1.5〜9質量%である、前記<2−1>〜<2−12>のいずれか一に記載のソリュブルコーヒー。
<2−14>
ソリュブルコーヒー中の成分(B)と成分(D)との質量比[(B)/(D)]が、好ましくは0.04以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.06以上、より更に好ましくは0.07以上であって、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.18以下、更に好ましくは0.16以下、より更に好ましくは0.14以下である、前記<2−12>又は<2−13>のいずれか一に記載の
ソリュブルコーヒー。
<2−15>
ソリュブルコーヒー中の成分(B)と成分(D)との質量比[(B)/(D)]が、好ましくは0.04〜0.2、より好ましくは0.05〜0.18、更に好ましくは0.06〜0.16、より更に好ましくは0.07〜0.14である、前記<2−12>〜<2−14>のいずれか一に記載の
ソリュブルコーヒー。
【実施例1】
【0051】
1.アセチルメチルピロールの分析
分析機器はGC-MSを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・機種:6890N/5975inert(Agilent Technologies, Inc.)
・カラム:AQUATIC-2 0.25 mm×60m, 膜厚 1.4 μm(ジーエルサイエンス株式会社)
・導入系:スプリットレス
【0052】
分析条件は次の通りである。
・温度:資料注入入口 220 ℃
カラム 40 ℃(1 min保持)→10 ℃/min昇温→260 ℃
・ガス流量:ヘリウム(キャリヤーガス)1mL/min
・イオン源温度:230 ℃
・イオン化法 :EI
・設定質量数:m/z 123, 108
【0053】
2.クロロゲン酸類及びカフェインの分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
【0054】
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL、
・流量:1.0mL/min、
・UV−VIS検出器設定波長:325nm、
・カラムオーブン設定温度:35℃、
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、
・溶離液B:アセトニトリル。
【0055】
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
【0056】
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
【0057】
クロロゲン酸類の保持時間
クロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:5.3分、8.8分、11.6分の計3点
・モノフェルラキナ酸 :13.0分、19.9分、21.0分の計3点
・ジカフェオイルキナ酸 :36.6分、37.4分、44.2分の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
ジカフェオイルキナ酸類
・ジカフェオイルキナ酸 :36.6分、37.4分、44.2分の計3点。
ここで求めた3種のジカフェオイルキナ酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
なお、カフェインの分析は、UV−VIS検出器設定波長:270nm、カフェインを標準物質とした以外はクロロゲン酸類と同様に実施した。カフェインの保持時間は18.9分。
【0058】
3.ブリックスの測定
試料の20℃における糖用屈折計示度(Brix)を、糖度計(Atago RX-5000(Atago社製))を用いて測定した。
【0059】
4.乾燥固形分の測定
乾燥固形分とは、ソリュブルコーヒーを凍結乾燥させて得られる乾燥物の質量と、ソリュブルコーヒーの質量の比率であって、(凍結乾燥物の質量/ソリュブルコーヒーの質量)×100で定義される。ソリュブルコーヒー20gを専用のガラス容器に精秤し、この容器を−80℃のエタノールバス中で回転させながらソリュブルコーヒーを凍結した。凍結後、凍結乾燥機(東京理化器械社製 FD−81)で凍結乾燥させた。凍結乾燥の条件は、圧力0.08Torrとした後、室温に20時間放置した。
【0060】
5.官能評価
各コーヒー飲料を専門パネル5名が試飲し、苦味、雑味、苦味のキレ、口腔香気について下記の基準にて評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
【0061】
苦味の評価基準
5:苦味が十分に強い
4:苦味が強い
3:苦味がやや強い
2:苦味がやや弱い
1:苦味が弱い
【0062】
雑味の評価基準
5:雑味がない
4:雑味がほとんど感じられない
3:雑味がやや感じられる
2:雑味が感じられる
1:雑味が強く感じられる
【0063】
苦味のキレの評価基準
5:苦味のキレが非常に良い
4:苦味のキレが良い
3:苦味のキレがやや感じられる
2:苦味のキレがやや悪い
1:苦味のキレが悪い
【0064】
口腔香気の評価基準
5:口腔香気が非常に良い
4:口腔香気が良い
3:口腔香気がやや感じられる
2:口腔香気がやや悪い
1:口腔香気が悪い
【0065】
製造例1
実施例で使用したジカフェオイルキナ酸類製剤は、以下の手法で調製した。
生コーヒー豆の熱水抽出物を少量の溶離液(酢酸30 mL/蒸留水9200 mL/アセトニトリル 800 mL)に溶解させ、中圧分取カラムクロマトグラフィーにより分画をおこなった。得られた画分をエバポレーターと凍結乾燥により粉末を得た。それぞれ純度は、3.5−ジカフェオイルキナ酸:98.5%、3,4−ジカフェオイルキナ酸:97.3%、4,5−ジカフェオイルキナ酸:98.3%であった。3.5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸をそれぞれ同質量混合したものをジカフェオイルキナ酸類製剤とした。
【0066】
装置と条件は以下のとおりである。
○中圧分取カラムクロマトグラフ装置一式及び条件
・装置:オンラインデガッサ GASTORR154 (FLOM)
ポンプ PUNP60A (YAMAZEN)
グラディエーター GR200 (YAMAZEN)
フラクションコネクター FR50N (YAMAZEN)
・検出器:紫外分光光度計 PREP-UV-10V (YAMAZEN)
・検出波長:325 nm
・カラム:ULTRA PACK ODS-A-40 (YAMAZEN)
・カラム温度:室温
・溶離液:C液(酢酸30 mL/蒸留水9200 mL/アセトニトリル 800 mL)
D液(酢酸30 mL/蒸留水8000 mL/アセトニトリル 2000 mL)
・流速:10 mL/min
・試料注入量:10 mL
【0067】
濃度勾配条件
時間 溶離液C 溶離液D
0分 100% 0%
80分 100% 0%
580分 0% 100%
980分 0% 100%
【0068】
ジカフェオイルキナ酸類の保持時間
・3.5−ジカフェオイルキナ酸:702分
・3,4−ジカフェオイルキナ酸:658分
・4,5−ジカフェオイルキナ酸:787分
【0069】
実施例1
ドリップ抽出器(内径73mm、容積11L)に、水蒸気賦活化ヤシ殻活性炭(平均粒径0.358mm)90gを投入した。次いで、85℃の温水を活性炭の上部からシャワーより10分間供給し、活性炭を殺菌した。温水の供給量は、活性炭に対し、25質量倍であった。その後、L25の焙煎コーヒー豆(平均粒径0.965mm)400gを活性炭上に投入した。次いで、ドリップ抽出器下部から0.25kgの85℃の温水を供給し、底湯をはった。次いで、焙煎コーヒー豆の上部からシャワーより85℃の温水を1.25g/secの速度で供給した後、温水の供給を停止し、その状態を10分間保持した。温水の供給量は、焙煎コーヒー豆に対し、2.55質量倍であった。保持後、85℃の温水をシャワーより1.25g/secの速度で供給するとともに、同速度でコーヒー抽出液を排出した。採液量が2.4kgに達したときにコーヒー抽出液の排出を停止し、本採液をコーヒー抽出物として得た。
次に、このコーヒー抽出物を水で希釈して、コーヒー飲料を調製した。コーヒーの分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0070】
実施例2
実施例1で得られたコーヒー飲料にアセチルメチルピロールを0.03質量ppm添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
実施例3
実施例1で得られたコーヒー飲料にアセチルメチルピロールを0.06質量ppm添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0072】
実施例4
実施例1で得られたコーヒー飲料にアセチルメチルピロールを0.09質量ppm添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0073】
実施例5
実施例1で得られたコーヒー飲料を蒸留水で2倍に希釈した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
実施例6
実施例5で得られたコーヒー飲料にカフェインを0.0173質量%添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
実施例7
実施例6で得られたコーヒー飲料にジカフェオイルキナ酸類製剤をジカフェオイルキナ酸類濃度として83.0質量ppm添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0076】
実施例8
実施例1で得られたコーヒー飲料にカフェインを0.0955質量%添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
実施例9
実施例6で得られたコーヒー飲料にアセチルメチルピロールを0.02質量ppm添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0078】
実施例10
実施例9で得られたコーヒー飲料にジカフェオイルキナ酸類製剤をジカフェオイルキナ酸類濃度として83.0質量ppm添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0079】
実施例11
実施例1で得られたコーヒー抽出物をプレート濃縮器でBrix15に濃縮した。得られた濃縮液100gをスプレードライを行い、インスタントコーヒー18.7gを得た。得られたインスタントコーヒー2gを熱水180gに溶解し、コーヒー飲料を調製した。本コーヒー飲料は、苦味のキレ、口腔香気が良好であった。
【0080】
比較例1
実施例1において、活性炭処理をしないこと以外は、実施例1と同様の方法によりコーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0081】
比較例2
実施例1で得られたコーヒー飲料にアセチルメチルピロールを0.1質量ppm添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0082】
比較例3
比較例1で得られたコーヒー飲料にアセチルメチルピロールを0.1質量ppm添加し、コーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0083】
比較例4
市販の無糖ブラック缶コーヒー飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
表1から、コーヒー飲料中の(A)アセチルメチルピロールの含有量を0.1質量ppm未満に低減することで、雑味が抑制されるとともに、苦味のキレ及び口腔香気が改善されることが確認された。