特許第5965490号(P5965490)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5965490内燃機関用のシリンダヘッドにおける空気供給装置の配置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965490
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】内燃機関用のシリンダヘッドにおける空気供給装置の配置
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/10 20060101AFI20160721BHJP
   F02F 1/42 20060101ALI20160721BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20160721BHJP
   F02M 35/16 20060101ALI20160721BHJP
   F02B 29/04 20060101ALI20160721BHJP
   F02B 39/00 20060101ALI20160721BHJP
   F02D 9/10 20060101ALI20160721BHJP
   F02D 9/02 20060101ALI20160721BHJP
   F01M 13/00 20060101ALI20160721BHJP
   F01M 13/04 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   F02M35/10 101M
   F02F1/42 D
   F02F7/00 L
   F02M35/16 E
   F02M35/16 F
   F02M35/10 311C
   F02B29/04 D
   F02B39/00 G
   F02B39/00 T
   F02D9/10 H
   F02D9/02 351M
   F01M13/00 G
   F01M13/00 M
   F01M13/04 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-536121(P2014-536121)
(86)(22)【出願日】2012年9月5日
(65)【公表番号】特表2014-532146(P2014-532146A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】EP2012003709
(87)【国際公開番号】WO2013056762
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2014年6月16日
(31)【優先権主張番号】102011116310.0
(32)【優先日】2011年10月18日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】ヨッヘン・へフナー
(72)【発明者】
【氏名】セシール・イェッカー
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−048035(JP,A)
【文献】 特開平11−159410(JP,A)
【文献】 特公平03−053451(JP,B2)
【文献】 特開平07−097965(JP,A)
【文献】 特開昭57−081118(JP,A)
【文献】 特開2010−059952(JP,A)
【文献】 特開2008−106627(JP,A)
【文献】 特開平11−182368(JP,A)
【文献】 米国特許第04318273(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0014228(US,A1)
【文献】 米国特許第04693084(US,A)
【文献】 特開2011−190744(JP,A)
【文献】 特開2008−025354(JP,A)
【文献】 実開平01−174561(JP,U)
【文献】 特開2007−009827(JP,A)
【文献】 特開2006−283730(JP,A)
【文献】 特開2004−108156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/10
F01M 13/00
F01M 13/04
F02B 29/04
F02B 39/00
F02D 9/02
F02D 9/10
F02F 1/42
F02F 7/00
F02M 35/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の内燃機関用のシリンダヘッドにおける空気供給装置(10)の配置であって、前記空気供給装置(10)は、前記内燃機関に供給されるべき空気を前記内燃機関の燃焼室に分配するための吸気装置(28)と、エアガイド部材(16)を介して前記吸気装置(28)と流体接続される、空気を圧縮するためのコンプレッサー(12)とを有し、
前記シリンダヘッドに取り付けられている前記空気供給装置(10)が、前記シリンダヘッドの吸気口側(18)に置かれる前記吸気装置(28)から、前記エアガイド部材(16)を経由して、前記シリンダヘッドの排気ガス側(14)に置かれる前記コンプレッサー(12)へ、前記シリンダヘッドの上を超えて延び、前記吸気装置(28)、前記エアガイド部材(16)及び前記コンプレッサー(12)によって区切られた中間スペース(52)を形成し、前記中間スペースに前記シリンダヘッドが少なくとも部分的に置かれ、
前記吸気装置(28)と前記シリンダヘッドとを接続する前記吸気装置(28)の第1接続フランジと、前記シリンダヘッドから排気ガスを排出可能な前記コンプレッサー(12)を駆動するターボチャージャーのタービンの第2接続フランジとが、それぞれの平面に置かれ、前記それぞれの平面は、前記内燃機関の垂直方向に互いに向かい合って上方に延び、かつ互いに向かい合って傾斜しており、
前記吸気装置(28)が、ハウジング上部および前記ハウジング上部と接続しているハウジング下部を含み、前記ハウジング上部と前記ハウジング下部とが、ねじ留め、溶接、接着及び/又はリベット継ぎによって、互いに接続されていること、及び/又はこれらの部分が、少なくとも部分的に互いに一体として形成されていることを特徴とする、配置。
【請求項2】
前記吸気装置(28)に、前記コンプレッサー(12)によって圧縮された空気を冷却するための冷却装置(40)が一体化されていることを特徴とする、請求項1に記載の配置。
【請求項3】
前記エアガイド部材(16)が、スロットルバルブ(24)及び前記スロットルバルブ(22)を作動させるためのアクチュエータを備えたスロットルバルブ部材(22)を含むことを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の配置。
【請求項4】
前記エアガイド部材(16)が、空気誘導部材としてサイレンサ(20)を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の配置。
【請求項5】
前記吸気装置(28)に、オイルセパレータ(46)が一体化されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の配置。
【請求項6】
前記シリンダヘッドへのシリンダヘッドカバーの取り付けと、前記吸気装置(28)の前記シリンダヘッドへの取り付けとが時間的に同時に行われるように、前記吸気装置(28)に、前記シリンダヘッドカバーが一体化されていること特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の配置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の配置を備える、自動車用の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に従った内燃機関用のシリンダヘッドにおける空気供給装置の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、構成ユニットとして予め製造可能な多気筒型内燃機関用の吸気モジュールについて開示しており、この吸気モジュールには燃料噴射弁が一体化され、内燃機関のシリンダヘッドにフランジで固定可能であって、下部、下部と密接に接続された上部及び少なくとも1つの空気取入口を備えたハウジングを有する。この空気取入口は、複数の空気管を備えた吸気路を介して、排気口と接続している。燃料噴射のため、空気管の中に、空気管の排気口に隣接するハウジング内部に燃料噴射弁が置かれる。ここでは、ハウジング内において、吸気フィルターが原空気側と浄化空気側との間に置かれ、吸気路の浄化空気側の部分が、エアコレクタ路及び少なくともそこから延びている空気管の管部分とともに、ハウジング上部の中に作られることが想定されている。
【0003】
特許文献2により、吸気管設備を備えた、4サイクルレシプロピストン方式の内燃機関用シリンダヘッドカバーが既知であり、このシリンダヘッドカバーは構成ユニットを形成する。この構成ユニットのシリンダヘッドカバーは、ガスケットを介してねじによって内燃機関のシリンダヘッドに固定される。ここでは、ねじのヘッドが、複数部品からなるシリンダヘッドを所定の位置に保つ同軸に置かれる固定ねじにねじ込まれていることが想定されている。
【0004】
さらに、自動車の大量生産から、空気供給装置を対応する内燃機関のシリンダヘッドにそのように配置することは既知であり、その配置では、空気供給装置は、内燃機関に供給されるべき空気を内燃機関の燃焼室に分配するための吸気装置と、空気を圧縮するためのコンプレッサーとをそれぞれ含む。この場合、コンプレッサーは、エアガイド部材(Luftleitungselement)を介して吸気装置と流体接続しているため、吸気装置とコンプレッサーとの間を空気が流れることができる。
【0005】
これらの既知の配置には、望ましくないことに取り付けに広いスペースが必要であるため、自動車のエンジンルームのように特にスペースの乏しい領域におけるパッケージの問題が生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 44 03 219 A1
【特許文献2】DE37 30 817 C2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、冒頭に述べた種類の内燃機関用のシリンダヘッドにおける空気供給装置の配置を、取り付けに必要なスペースが特にわずかとなるようにさらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴を備える、内燃機関用シリンダヘッドにおける空気供給装置の配置によって解決される。本発明の実用的かつ重要な更なる進展を伴う有利な実施形態は、請求項2以降で述べられている。
特に自動車の、特に乗用車の内燃機関用シリンダヘッドにおける空気供給装置のこのような配置の場合、空気供給装置は吸気装置を含む。吸気装置の用途は、内燃機関に供給されるべき空気を、燃焼室に、特に内燃機関のシリンダに分配することである。
【0009】
さらに、空気供給装置は、例えばターボチャージャーのコンプレッサーを含み、このコンプレッサーによって内燃機関に供給されるべき空気を圧縮する。このとき、コンプレッサーは、エアガイド部材を介して吸気装置と流体接続している。このため、例えば圧縮された空気は、コンプレッサーから吸気装置へと勢いよく流れることが可能であり、吸気装置はこの後、圧縮された空気を燃焼室に分配することができる。
【0010】
本発明によると、シリンダヘッドに取り付けられた空気供給装置は、内燃機関の空気側に置かれる吸気装置から、エアガイド部材を経由して、内燃機関の排気ガス側に置かれるコンプレッサーへ、シリンダヘッドの上を超えて、すなわち、垂直方向にシリンダヘッドの上方に延び、吸気装置、エアガイド部材及びコンプレッサーによって区切られた中間スペースを形成する。この中間スペースにシリンダヘッドが少なくとも部分的に置かれる。このことは、例えばシリンダヘッドのシリンダヘッドカバー及び/又はシリンダヘッドの少なくとも1つのその他の部分が中間スペースに置かれることを意味する。空気供給装置及びその構成要素、すなわちコンプレッサー、吸気装置及びエアガイド部材をこのように配置することによって、極めてコンパクトかつ取り付けに必要なスペースを節約する配置が達成され、この配置では、空気を燃焼室に供給する管の長さが非常に短い。
【0011】
特にコンパクトな配置によって、とりわけ自動車のエンジンルームのようなスペースの乏しい領域におけるパッケージの問題の解決及び/又は回避につながる。管の長さが極めて短いことで、吸気量は特に小さくなり、このことが動力、すなわち内燃機関の応答性に、ひいては運転性能に有益である。コンパクトな配置のため、特に自動車の加速の際に、吸気量の変化に対する空気供給装置の反応時間はごくわずかであり、このことから優れた動力が実現する。
【0012】
本発明による配置では、特に空気を誘導するための部品数、及び空気供給装置の構成要素、すなわち吸気装置、コンプレッサー及びエアガイド部材を接続するための部品数もきわめて少ない。このことから、本発明による配置は、特にコストが極めて低くかつ軽量となる。部品数が少ないことによって、接続箇所の数も特に少なくなるため、この配置は、公差がきわめて小さく、気密性に特に優れ、かつ機能実現性が特に高い。
【0013】
コンプレッサー、エアガイド部材及び吸気装置は、例えば少なくとも実質上、シリンダヘッドの上を超えてアーチ状に延びている。この場合、少なくとも実質的に、円弧弓形状の配置、その他の少なくとも実質的に円形の配置、又は少なくとも実質的に角のある配置を想定することができ、このような配置により取り付けに必要なスペースが特に少なくなる。
【0014】
本発明のさらなる有利な実施形態では、吸気装置とシリンダヘッドとを接続するシリンダヘッドの第1接続フランジと、シリンダヘッドから排気ガスを排出可能なシリンダヘッドの第2接続フランジとが、それぞれの平面に置かれ、それらの平面は、特に内燃機関の垂直方向に互いに向かい合って上方に延びている。換言すれば、接続フランジ若しくは平面は、相対して傾斜している。このことによって、空気を誘導する管の長さを特に短くすることができ、その結果、取り付けに必要なスペースが特に少なくなる。
【0015】
代替的に又は追加的に、吸気装置とシリンダヘッドとを少なくとも間接的に接続する空気供給装置の第3接続フランジ及び/又はタービンとシリンダヘッドとを少なくとも間接的に接続しうる若しくは接続している、内燃機関の排気ガスによって駆動されえコンプレッサーを駆動するターボチャージャーのタービンの第4接続フランジを、それぞれのさらなる平面に配置することもでき、このとき、これらのさらなる平面は、特に内燃機関の垂直方向に互いに向かい合って上方に延びている。このことは、本発明による配置の取り付けに必要なスペースを特に少なくする。
【0016】
この場合、シリンダヘッドの上記の第1接続フランジは、吸気口フランジともよばれ、このフランジを介して内燃機関に空気が供給される。シリンダヘッドの上記の第2接続フランジは、排気口フランジともよばれ、このフランジを介して内燃機関の排気ガスが排出され、かつ、例えばターボチャージャーのタービンに運ばれる。
【0017】
このターボチャージャーには、内燃機関からの排気ガスを用いタービンによって駆動されうるコンプレッサーが配置されていてよい。排気口フランジと吸気口フランジが相対して傾斜していることにより、少なくとも実質上直接シリンダヘッドに接する排気口側(排気口フランジ)のターボチャージャーから、少なくとも直接シリンダヘッドに接する吸気口側(吸気口フランジ)のインタークーラまでの管の長さを極めて短くすることができる。これは、この配置の取り付けに必要なスペースを少なくするのに有益である。
【0018】
さらなる有利な実施形態では、吸気装置に、コンプレッサーによって圧縮された空気を冷却するための冷却装置、特にインタークーラーが一体化されている。冷却装置は、圧縮され、これにより温度上昇した空気を再び冷却することから、空気の過給度を上昇させるために用いられる。冷却装置を吸気装置に一体化することによって、吸気装置は特に高度な機能一体性を有し、このことによって部品数、重量及びコストが低く抑えられる。さらに、この一体化によって、特に簡単な、また、これによる時間とコスト面で有利な組み立てを行うことが可能となるが、これは、吸気装置、及び場合によっては吸気装置と接続されているエアガイド部材及び/又はコンプレッサーが、モジュール部品として予め組み立てられ、そして予め組み立てられたモジュール部品として、時間とコスト面で有利にシリンダヘッドに取り付けられうる、すなわち固定されうるためである。この場合、モジュール部品の予めの組み立ては、シリンダヘッド若しくはその他の内燃機関の組み立てと、少なくとも一部時間的に並行して行うことができるため、内燃機関全体をきわめて短時間で、また、これによりコスト面で有利に製造することができる。
【0019】
本発明の有利な実施形態では、エアガイド部材は、スロットルバルブ及びスロットルバルブを作動させるためのアクチュエータを備えたスロットバルブ部材を含む。スロットルバルブによって、内燃機関に供給されるべき空気が貫流可能な断面は、変動可能に調節されうる。この一体化によって、エアガイド部材は極めて高度なモジュール性と高度な機能一体性を有し、これにより、重量、部品数及びコストが低く抑えられる。
【0020】
さらなる有利な実施形態では、エアガイド部材は、空気誘導部材として、サイレンサを含む。換言すれば、空気はサイレンサを貫流するが、サイレンサは音の抑制に有用であるため、内燃機関の防音性能は極めて優れている。このことは、自動車の乗客のための快適な走行に有益である。
【0021】
さらなる実施形態では、吸気装置にオイルセパレータが一体化されている。オイルセパレータの用途は、オイルとガスとの混合物のオイル部分を、この混合物のガス部分から分離することである。このように、オイルセパレータは、内燃機関のクランクケースのいわゆるクランクケース脱気の範囲において用いられうる。クランクケース脱気の範囲において、オイルとガスとの混合物を含むいわゆるブローバイガスがクランクケースから排出され、オイルセパレータに運ばれる。この後、オイルセパレータは、オイル部分の少なくとも大部分をガス部分から分離する。次にこのオイル部分は、内燃機関のオイル循環に再び運ばれる。ガスは、吸気路、特にエアガイド部材に、またエアガイド部材を経由して内燃機関の燃焼室に送られうる。
【0022】
オイルセパレータを吸気装置に一体化した結果、シリンダヘッドへの吸気装置の取り付けとシリンダヘッドへのオイルセパレータの取り付けは同時に行われることになる。換言すれば、オイルセパレータをシリンダヘッドに個別に固定するための追加的な時間とコストを要する組み立て工程は不要である。このことにより、組み立てコストが低く抑えられる。さらには、このように配置することで取り付けに必要なスペースは特に少なくてすむ。
【0023】
さらなる有利な実施形態では、吸気装置にシリンダヘッドカバーが一体化されており、このシリンダヘッドカバーによって、シリンダヘッドが少なくとも部分的にカバーされる。この一体化によって、シリンダヘッドカバーをシリンダヘッドに固定するための追加的かつ個別の組み立て工程はなくなるが、これは、シリンダヘッドへのシリンダヘッドカバーの取り付けと、吸気装置若しくは空気供給装置全体のシリンダヘッドへの取り付けとが時間的に同時に行われることになるからである。さらに、上述の一体化は、これによって接合箇所の数を特に少ない範囲に抑えることができるという利点を有する。これは、空気供給装置の気密性及びその公差の低さにとって有益である。
【0024】
特に好ましい実施形態では、ハウジングの部分、特にハウジング上部とハウジング下部とが、ねじ留め及び/又は溶接、及び/又は接着及び/又はリベット継ぎによって、互いに接続される、及び/又はこれらの部分が少なくとも部分的に互いに一体として形成されている。この接続技術によって、ハウジング部分を特に持続的に気密かつ軽量に接続することができる。特に、プラスチック製のハウジング部分の接続には、これらの部分の溶接の際、金属製の接続部材の使用を少なくとも部分的に避けることができる。このようにすることで、配置の全体重量を小さく抑えることができる。
【0025】
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、以下の好ましい実施例の説明及び図によって示される。前述の説明の中で挙げられている特徴及び特徴の組み合わせ、及び後述の図の説明で挙げられる及び/又は図の中でのみ示される特徴及び特徴の組み合わせは、本発明から逸脱しない範囲で、個々に列挙された組み合わせのみでなく、他の組み合わせ又は単独で使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】内燃機関のシリンダヘッドに配置するための空気供給装置の概略正面図であり、このとき、空気供給装置のシリンダヘッドへの設置状況に関しては、シリンダヘッドの空気側若しくは排気口側に置かれる空気供給装置の吸気装置が、エアガイド部材を経由して、シリンダヘッドの排気ガス側若しくは排気口側に置かれる空気供給装置のコンプレッサーへ、シリンダヘッドを超えて延び、吸気装置、エアガイド部材及びコンプレッサーによって区切られた中間スペースを形成し、このとき、シリンダヘッドは、少なくとも部分的にこの中間スペースの中に置かれる。
図2図1に従った空気供給装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1及び図2は、例えばレシプロピストン型内燃機関として形成された内燃機関のシリンダヘッドに置かれる空気供給装置10を示している。このとき、図1及び図2は、空気供給装置10がシリンダヘッドと接続した状態にある、若しくは少なくとも実質上、シリンダヘッドにおいて保たれた状態の設置状況にある空気供給装置10を示している。
【0028】
空気供給装置10は、ターボチャージャーのコンプレッサー12を有する。コンプレッサー12によって、内燃機関に供給されるべき空気を圧縮する。コンプレッサー12を駆動するため、ターボチャージャーは、内燃機関の排気ガスによって駆動可能なタービンを含む。
【0029】
タービンに排気ガスを有利に運ぶことができるよう、図1及び2に図示していないシリンダヘッドの排気口側14に、ターボチャージャー、ひいてはコンプレッサー12が置かれる。排気口側14では、シリンダヘッドを介して内燃機関から排気ガスが流出する。排気口側14は、排気ガス側ともよばれる。
【0030】
さらに、空気供給装置10はエアガイド部材16を含み、このエアガイド部材16によって、コンプレッサー12により圧縮された空気を、シリンダヘッド及び内燃機関の吸気口側18に誘導する。この場合、吸気口側18は、吸気側又は空気側ともよばれる。エアガイド部材16はサイレンサ20を含み、このサイレンサは、コンプレッサー12と流体接続している。このようにして、圧縮された空気は、コンプレッサー12からサイレンサ20に流入し、サイレンサ20を貫流する。
【0031】
さらに、エアガイド部材16は、スロットルバルブ24を備えたスロットルバルブアクチュエータ22を含む。スロットルバルブアクチュエータ22は、サイレンサ20と流体接続しているため、空気はサイレンサ20からスロットルバルブアクチュエータ22へと流入、若しくはそれを貫流する。このとき、スロットルバルブ24の用途は、空気が貫流可能な流路断面26を変動可能に調節することである。このようにして、例えばガソリンエンジンとして形成された内燃機関の例えば負荷若しくはトルクは、自動車の運転者によって調節されうる。
【0032】
さらに、空気供給装置10は吸気装置28を含み、この吸気装置28は、少なくとも実質上、シリンダヘッドの、ひいては内燃機関の吸気口側18に置かれる。吸気装置28は、ハウジング上部30及びそれぞれの接続フランジ32を介してハウジング上部30と接続しているハウジング下部34を含む。ハウジング上部30及びハウジング下部34によって、エアダクト(Luftkanaele)36はそれぞれ部分的に区切られ、このエアダクト36を介して、圧縮された空気が内燃機関に運ばれうる。ハウジング上部30及びハウジング下部34によって、収納スペース38もまたそれぞれ部分的に区切られている。収納スペース38には、インタークーラー40が置かれる。このことは、インタークーラー40が吸気装置28に一体化されていることを意味する。インタークーラー40の用途は、圧縮され、これによって温度上昇した空気を冷却することである。
【0033】
吸気モジュールともよばれる吸気装置28は、空気分配器(Ladeluftverteiler)42をさらに含み、この空気分配器42によって、圧縮された空気は、シリンダとして形成された内燃機関の燃焼室へと分配される。換言すれば、空気は、収納スペース38から空気分配器42を経由して、内燃機関の燃焼室(シリンダ)へと流入することができる。吸気装置28をスロットルバルブアクチュエータ22と流体接続するため、吸気装置28は管継手44を有する。
【0034】
吸気装置28には、オイルセパレータ46も一体化されており、このオイルセパレータ46は、クランクケース脱気の範囲において、オイルとガスとの混合物のガス部分からオイル部分を分離する。吸気装置28をシリンダヘッド若しくは燃焼室と流体接続するため、吸気装置28は、第1平面48に置かれる第1接続フランジを有する。これに対応するのはシリンダヘッドの第2接続フランジであり、この第2接続フランジを介して、吸気装置28は、上記の第1接続フランジを経由してシリンダヘッドと接続される、又は接続可能である。この場合、シリンダヘッドの第2接続フランジは第2平面に置かれ、この第2平面は、少なくとも実質上、第1平面48と平行に延びている。
【0035】
タービンをシリンダヘッド若しくは燃焼室と流体接続して、タービンに排気ガスを運ぶことができるようにするため、タービンは、第3平面50に置かれる第3接続フランジを有する。これに対応するのはシリンダヘッドの第4接続フランジであり、この第4接続フランジを介して、シリンダヘッドは第3接続フランジを経由してタービンと接続可能である。上記の第4接続フランジは第4平面に置かれ、この第4平面は、少なくとも実質上、第3平面50と平行に延びている。
【0036】
図1から分かるように、平面48及び平面50は、シリンダヘッド、ひいては内燃機関を上向きにまっすぐに立てた状態での空気供給装置10の設置状況に関して、互いに向かい合って伸びている。換言すれば、平面48及び平面50は、相対して若しくは互いに向かい合って傾斜している。同様のことは、シリンダヘッドの第3平面と第4平面にも当てはまり、これらは平面48及び平面50と同様に相対して傾斜し、シリンダヘッドを上向きにまっすぐに立てた状態では、互いに向かい合って延びている。相対する接続フランジのこの傾斜によって、排気口側14のターボチャージャーから、吸気口側18のインタークーラー40までの管の長さは極めて短くなっており、この管を介して、コンプレッサー12から吸気装置28まで空気が導かれる。特に、空気流路の長さは、エアガイド部材16によって、極めて短く抑えられうる。
【0037】
さらに図1及び図2に見て取れるように、シリンダヘッドに取り付けられている空気供給装置10は、シリンダヘッドの吸気口側18に置かれる吸気装置28から、エアガイド部材16を経由して、シリンダヘッドの排気口側14に置かれるコンプレッサー12へ、シリンダヘッドの上を超えて、吸気装置28、エアガイド部材16及びコンプレッサー12によって区切られる中間スペース52を形成しつつ延びている。この場合、中間スペースには、シリンダヘッドが少なくとも部分的に置かれうる。このようにして、極めてコンパクトな配置が提供され、これによって、自動車のエンジンルームのように特にスペースの乏しい領域におけるパッケージの問題が解決及び/又は回避されうる。
【0038】
特に吸気装置28をシリンダヘッドに固定するためには、ねじ54、56を用い、これらはシリンダヘッドにねじ込まれる。また、ねじ54は、ハウジング上部30をハウジング下部34と接続するためにも用いられる。このために、ねじ54は、ハウジング上部30及びハウジング下部34のそれぞれの貫通孔を貫通し、シリンダヘッドにねじ込まれている。これによって、ハウジング上部30はハウジング下部34と固定される。同様に、ねじ留め、溶接、接着及び/又はリベット継ぎによって、ハウジング上部30がハウジング下部34と互いに接続している及び/又はこれらの部分が少なくとも部分的に互いに一体として形成されているということも考えられる。
【符号の説明】
【0039】
10 空気供給装置
12 コンプレッサー
14 排気口側
16 エアガイド部材
18 吸気口側
20 サイレンサ
22 スロットルバルブアクチュエータ
24 スロットルバルブ
26 流路断面
28 吸気装置
30 ハウジング上部
32 接続フランジ
34 ハウジング下部
36 エアダクト
38 収納スペース
40 インタークーラー
42 空気分配器
44 管継手
46 オイルセパレータ
48 第1平面
50 第2平面
52 中間スペース
54 ねじ
56 ねじ
図1
図2