(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5965509
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】製袋機
(51)【国際特許分類】
B31B 37/26 20060101AFI20160721BHJP
B31B 37/60 20060101ALI20160721BHJP
B31B 1/90 20060101ALI20160721BHJP
B31B 1/36 20060101ALI20160721BHJP
B65D 30/16 20060101ALI20160721BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
B31B37/26
B31B37/60
B31B1/90 321
B31B1/36 321
B65D30/16 F
B65D33/38
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-60938(P2015-60938)
(22)【出願日】2015年3月24日
【審査請求日】2016年1月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000110192
【氏名又は名称】トタニ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 幹夫
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−255629(JP,A)
【文献】
特開2013−159093(JP,A)
【文献】
特開2011−161665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 37/00−37/74
B31B 1/00− 1/98
B65D 30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端面に突出部が形成され、前記突出部に注入口が形成されたプラスチック袋を製造する製袋機であって、
第1および第2胴材を互いに重ね合わせ、長さ方向に送る胴材送り機構と、
前記胴材の送りにともない、前記第1および第2胴材を案内し、前記第1胴材の一側縁付近において、前記第1胴材が第1折り曲げ線に沿って折り曲げられ、前記第2胴材の対応一側縁付近において、前記第2胴材が第2折り曲げ線に沿って折り曲げられ、前記第1胴材に第1折り曲げ部が形成され、前記第2胴材に第2折り曲げ部が形成され、前記第1折り曲げ部が前記第2折り曲げ部に重ね合わされ、前記第1および第2胴材が前記第1および第2折り曲げ線に沿って折り曲げられたとき、前記一側縁と第1折り曲げ線間の距離は前記対応一側縁と第2折り曲げ線間の距離の2倍よりも設定距離だけ大きく、前記第1折り曲げ部が前記第2折り曲げ部に重ね合わされたとき、前記一側縁と対応一側縁が互いに整合するようにする胴材ガイド機構と、
前記胴材の折り曲げ後、前記胴材の送りにともない、前記第1胴材を前記第1折り曲げ線に沿ってスリットし、前記第1折り曲げ部に開口を形成するスリット刃とからなり、
前記第1折り曲げ部によって前記一端面が形成され、前記設定距離によって前記突出部が形成され、前記開口によって前記注入口が形成されるようにしたことを特徴とする製袋機。
【請求項2】
一端面に突出部が形成され、他端面にスパウトが設けられたプラスチック袋を製造する製袋機であって、
第1および第2胴材を互いに重ね合わせ、長さ方向に送り、前記第1および第2胴材が間欠的に送られるようにする胴材送り機構と、
前記胴材の送りにともない、前記第1および第2胴材を案内し、前記第1胴材の一側縁付近において、前記第1胴材が第1折り曲げ線に沿って折り曲げられ、前記第2胴材の対応一側縁付近において、前記第2胴材が第2折り曲げ線に沿って折り曲げられ、前記第1胴材に第1折り曲げ部が形成され、前記第2胴材に第2折り曲げ部が形成され、前記第1折り曲げ部が前記第2折り曲げ部に重ね合わされ、前記第1および第2胴材が前記第1および第2折り曲げ線に沿って折り曲げられたとき、前記一側縁と第1折り曲げ線間の距離は前記対応一側縁と第2折り曲げ線間の距離の2倍よりも設定距離だけ大きく、前記第1折り曲げ部が前記第2折り曲げ部に重ね合わされたとき、前記一側縁と対応一側縁が互いに整合するようにする胴材ガイド機構と、
前記胴材の送りにともない、前記第1および第2胴材を案内し、前記第1胴材の他側縁付近において、前記第1胴材が第3折り曲げ線に沿って折り曲げられ、前記第2胴材の対応他側縁付近において、前記第2胴材が第4折り曲げ線に沿って折り曲げられ、前記第1胴材に第3折り曲げ部が形成され、前記第2胴材に第4折り曲げ部が形成され、前記第3折り曲げ部が前記第4折り曲げ部に重ね合わされ、前記第1および第2胴材が前記第3および第4折り曲げ線に沿って折り曲げられたとき、前記他側縁と前記第3折り曲げ線間の距離は前記対応他側縁と第4折り曲げ線間の距離の2倍に対応する距離であり、前記第3折り曲げ部が前記第4折り曲げ部に重ね合わされたとき、前記他側縁と対応他側縁が互いに整合するようにする付加ガイド機構と、
前記第1胴材の折り曲げ前、前記胴材の間欠送り毎に、前記第1胴材の他側縁と第3折り曲げ線間において、前記第1胴材に孔を形成し、前記孔にスパウトを挿入し、前記第1胴材が前記第3折り曲げ線に沿って折り曲げられるとき、前記第3折り曲げ部によって前記スパウトが反転するようにするスパウト挿入機構とからなり、
前記第1折り曲げ部によって前記一端面が形成され、前記設定距離によって前記突出部が形成され、前記第3折り曲げ部によって前記他端面が形成され、前記第3折り曲げ部に前記スパウトが設けられるようにしたことを特徴とする製袋機。
【請求項3】
さらに、前記胴材の間欠送り毎に、前記胴材の長さ方向において、前記第1および第2折り曲げ部をヒートシールし、前記第3および第4折り曲げ部をヒートシールする縦シール装置を備えた請求項2に記載の製袋機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラスチック袋を製造する製袋機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、プラスチック袋を製造する製袋機では、一般に、第1および第2胴材が互いに重ね合わされ、長さ方向に送られる。そして、第1および第2胴材によってプラスチック袋が製造される。特許文献2に記載されている製袋機もこの点は同様である。
【0003】
さらに、特許文献1の製袋機の場合、そのプラスチック袋は一端面および突出部を有する。そして、底ガセット材が胴材の長さ方向に配置され、各胴材間に挿入され、底ガセット材によって一端面が形成され、一端面に突出部が形成される。したがって、突出部に取っ手孔を設けることができ、ジッパまたは注ぎ口を設けることもできる。突出部に注入口を形成し、内容物を注入口から注入し、プラスチック袋に充填することも考えられる。
【0004】
一方、特許文献2の製袋機では、胴材の送りにともない、胴材ガイド機構によって第1および第2胴材が案内され、第1胴材の一側縁付近において、第1胴材が第1折り曲げ線に沿って折り曲げられ、第2胴材の対応一側縁付近において、第2胴材が第2折り曲げ線に沿って折り曲げられる。したがって、第1胴材に第1折り曲げ部が形成され、第2胴材に第2折り曲げ部が形成される。そして、第1折り曲げ部が第2折り曲げ部に重ね合わされ、第1折り曲げ部によって一端面が形成される。
【0005】
したがって、特許文献2の製袋機の場合、第1折り曲げ部によって一端面が形成され、特許文献1の製袋機のように、底ガセット材を別途供給する必要はなく、製袋機の構成が簡略化され、コストは低い。しかしながら、その反面、プラスチック袋の一端面に突出部を形成することはできない。突出部を形成するには、特許文献1の製袋機のように、底ガセット材を別途供給し、各胴材間に挿入する必要があり、製袋機の構成が複雑化され、コストは高い。
【0006】
以上の観点において、特別の構成の製袋機を新たに提供し、底ガセット材を別途供給しなくても、プラスチック袋の一端面に突出部が形成され、製袋機の構成が簡略化され、コストが低いようにすることが要望されている。
【0007】
さらに、特許文献3に記載されているものもプラスチック袋を製造する製袋機であり、そのプラスチック袋は一端面、他端面およびスパウトを有する。スパウトは充填された内容物を取り出すためのものである。
【0008】
したがって、プラスチック袋の一端面に突出部を形成し、突出部に注入口を形成し、内容物を注入口から注入する。さらに、他端面にスパウトを設け、内容物をスパウトから取り出すようにすることが好ましく、その製袋機の開発も要望されている。
【0009】
プラスチック袋の一端面に突出部を形成するだけではなく、一端面にスパウトを設けることも考えられ、その製袋機の開発も要望されている。
【0010】
したがって、この発明の目的は、特別の構成の製袋機を新たに提供し、底ガセット材を別途供給しなくても、プラスチック袋の一端面に突出部が形成されるようにすることにある。
【0011】
他の目的は、突出部に注入口が形成されるようにすることにある。
【0012】
他の目的は、プラスチック袋の他端面にスパウトが設けられるようにすることにある。
【0013】
他の目的は、プラスチック袋の一端面にスパウトが設けられるようにすることにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第4526592号公報
【特許文献2】特許第3655627号公報
【特許文献3】特開2013−159093号公報
【発明の概要】
【0015】
この発明によれば、一端面に突出部が形成さ
れ、突出部に注入口が形成されたプラスチック袋を製造する製袋機において、第1および第2胴材が互いに重ね合わされ、長さ方向に送られる。さらに、胴材の送りにともない、胴材ガイド機構によって第1および第2胴材が案内され、第1胴材の一側縁付近において、第1胴材が第1折り曲げ線に沿って折り曲げられ、第2胴材の対応一側縁付近において、第2胴材が第2折り曲げ線に沿って折り曲げられる。したがって、第1胴材に第1折り曲げ部が形成され、第2胴材に第2折り曲げ部が形成される。そして、第1折り曲げ部が第2折り曲げ部に重ね合わされる。さらに、この発明によれば、第1および第2胴材が第1および第2折り曲げ線に沿って折り曲げられたとき、一側縁と第1折り曲げ線間の距離は対応一側縁と第2折り曲げ線間の距離の2倍よりも設定距離だけ大きい。そして、第1折り曲げ部が第2折り曲げ部に重ね合わされたとき、一側縁と対応一側縁が互いに整合する。
さらに、胴材の折り曲げ後、胴材の送りにともない、第1胴材が第1折り曲げ線に沿ってスリットされ、第1折り曲げ部に開口が形成される。したがって、第1折り曲げ部によって一端面が形成され、設定距離によって突出部が形成さ
れ、開口によって注入口が形成される。
【0016】
好ましい実施例では、第1および第2胴材の折り曲げ前、一側縁が対応一側縁を超え、一定距離張り出し、その距離は対応一側縁と第2折り曲げ線間の距離の2倍よりも設定距離の2倍だけ大きい。
【0018】
さらに、第1および第2胴材が間欠的に送られる。
【0019】
さらに、一端面および突出部の他に、両側面を有するプラスチック袋を製造する製袋機において、胴材の重ね合わせ前、胴材の間欠送り毎に、サイドガセット材が第1胴材に供給され、その幅方向に配置される。したがって、第1および第2胴材が互いに重ね合わされたとき、サイドガセット材が第1および第2胴材間に配置される。さらに、胴材の重ね合わせ後、胴材の間欠送り毎に、サイドガセット材の一端縁付近において、仮止め機構によって第2胴材とサイドガセット材が仮止めされる。したがって、第2胴材が第2折り曲げ線に沿って折り曲げられるとき、サイドガセット材の一端縁付近において、第2胴材によってサイドガセット材が開かれる。さらに、第1胴材が第1折り曲げ線に沿って折り曲げられるとき、第1折り曲げ部が開かれたサイドガセット材に重ね合わされる。したがって、サイドガセット材によって両側面が形成される。
【0020】
さらに、胴材の間欠送り毎に、胴材の長さ方向において、縦シール装置によって第1および第2折り曲げ部がヒートシールされる。さらに、胴材の間欠送り毎に、胴材の幅方向において、横シール装置によって胴材とサイドガセット材がヒートシールされる。
【0021】
さらに、一端面および突出部の他に、他端面を有し、他端面にスパウトが設けられたプラスチック袋を製造する製袋機において、胴材の送りにともない、付加ガイド機構によって第1および第2胴材が案内され、第1胴材の他側縁付近において、第1胴材が第3折り曲げ線に沿って折り曲げられ、第2胴材の対応他側縁付近において、第2胴材が第4折り曲げ線に沿って折り曲げられる。したがって、第1胴材に第3折り曲げ部が形成され、第2胴材に第4折り曲げ部が形成される。そして、第3折り曲げ部が第4折り曲げ部に重ね合わされる。さらに、第1および第2胴材が第3および第4折り曲げ線に沿って折り曲げられたとき、他側縁と第3折り曲げ線間の距離は対応他側縁と第4折り曲げ線間の距離の2倍に対応する距離である。そして、第3折り曲げ部が第4折り曲げ部に重ね合わされたとき、他側縁と対応他側縁が互いに整合する。さらに、第1胴材の折り曲げ前、胴材の間欠送り毎に、第1胴材の他側縁と第3折り曲げ線間において、第1胴材に孔が形成され、孔にスパウトが挿入される。そして、第1胴材が第3折り曲げ線に沿って折り曲げられるとき、第3折り曲げ部によってスパウトが反転する。したがって、第3折り曲げ部によって他端面が形成され、第3折り曲げ部にスパウトが設けられる。
【0022】
さらに、胴材の間欠送り毎に、胴材の長さ方向において、縦シール装置によって第3および第4折り曲げ部がヒートシールされる。
【0023】
他の実施例では、一端面にスパウトが設けられたプラスチック袋を製造する製袋機において、第1胴材の折り曲げ前、胴材の間欠送り毎に、第1胴材の一側縁と第1折り曲げ線間において、第1胴材に孔が形成され、孔にスパウトが挿入される。そして、第1胴材が第1折り曲げ線に沿って折り曲げられるとき、第1折り曲げ部によってスパウトが反転する。したがって、第1折り曲げ部にスパウトが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図3】Aは
図1の第1および第2胴材が折り曲げられた状態を示す説明図、BはAの第1および第2胴材が折り曲げられる前の状態を示す説明図である。
【
図4】Aは
図1の製袋機で得られるプラスチック袋を示す平面図、BはAのプラスチック袋の分解図、CはAのプラスチック袋に内容物が充填された状態を示す斜視図、DはCの突出部がカットされた状態を示す斜視図である。
【
図6】Aは
図5の製袋機で得られるプラスチック袋を示す平面図、BはAのプラスチック袋に内容物が充填された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1はこの発明にかかる製袋機を示す。この製袋機は
図4のプラスチック袋を製造するためのものである。そのプラスチック袋は第1および第2胴材1,2を使用したもので、一端面3および突出部4を有する。そして、第1および第2胴材1,2が互いに重ね合わされ、第1および第2胴材1,2によって前面および後面が形成される。さらに、第1および第2胴材1,2が第1および第2折り曲げ線5,6に沿って折り曲げられ、これによって一端面3が形成され、一端面3に突出部4が形成される(
図4A、
図4B)。
【0027】
さらに、サイドガセット材7が第1および第2胴材1,2間に配置され、サイドガセット材7によって両側面が形成される。サイドガセット材7は特許文献2に記載されているサイドガセット材と同様のもので、補助ガセット部8を有する。ただし、特許文献2のプラスチック袋では、胴材1,2の折り曲げ後、第1胴材1がその折り返し線に沿って折り返され、これによって補助ガセット部8が閉じられるが、このプラスチック袋では、折り曲げ後、第1胴材1はその折り返し線に沿って折り返されず、補助ガセット部8は開いた状態に保たれる。
【0028】
さらに、このプラスチック袋では、第1および第2胴材1,2が第3および第4折り曲げ線9,10に沿って折り曲げられ、これによって他端面11が形成され、他端面11にスパウト12が設けられる。折り曲げ後、第1胴材1はその折り返し線に沿って折り返されず、補助ガセット部8は開いた状態に保たれる。スパウト12は特許文献3に記載されているスパウトと同様のものである。
【0029】
さらに、第1および第2胴材1,2が適宜ヒートシールされ、これによってヒートシール部13が形成され、第1および第2胴材1,2およびサイドガセット材7が互いにヒートシールされ、これによってヒートシール部14が形成される。さらに、第1胴材1が第1折り曲げ線5に沿ってスリットされ、これによって注入口15が形成される。
【0030】
したがって、プラスチック袋の製造後、内容物を注入口15から注入し、プラスチック袋に充填すると、内容物によってプラスチック袋が膨らみ、第1および第2胴材1,2が押し離される。さらに、ヒートヒートシール部分13によって第1および第2胴材1,2が拘束され、ヒートシール部分14によって胴材1,2とサイドガセット材7が拘束される。したがって、第1および第2胴材1,2およびサイドガセット材7がそれぞれ折り戻され、第1胴材1によって一端面3および他端面11が形成され、サイドガセット材7によって両側面が形成され、プラスチック袋は立方体または直方体をなす(
図4C)。突出部4は前面または後面と一端面3間に形成され、一定高さをもち、外方に突出する。
【0031】
したがって、その後、突出部4を一端面3に沿ってヒートシールし、これによってヒートシール部16を形成すると、ヒートシール部16によって注入口15を閉じることができる。ヒートシール後、突出部4をヒートシール部16に沿ってカットしてもよい(
図4D)。その後、内容物をスパウト12から取り出すことができる。
【0032】
なお、内容物をスパウト12から注入することも考えられるが、注入口15から注入することができ、スパウト12と比較すると、注入口15は大幅に大きい。したがって、充填機によって内容物を注入し、充填するとき、これを容易に注入し、充填することができる。
【0033】
そして、
図4のプラスチック袋の製造工程において、
図1の製袋機では、第1および第2胴材1,2が互いに重ね合わされ、長さ方向に送られる。第1および第2胴材1,2はプラスチックフィルムからなる。この実施例では、広幅の胴材がその供給ロールから供給され、長さ方向に送られ、スリット刃17に導かれ、胴材の送りにともない、スリット刃17によって広幅の胴材がスリットされ、広幅の胴材が第1および第2胴材1,2に分割される。その後、胴材ガイド機構18によって第2胴材2が案内され、反転し、第1胴材1の上方において、第2胴材2が第1胴材1に導かれ、第1および第2胴材1,2が互いに重ね合わされる。たとえば、特許文献2の胴材ガイド機構と同様、胴材ガイド機構18にガイドローラ、プレートが使用され、ガイドローラ、プレートによって第2胴材2が案内され、反転する。
【0034】
さらに、
図2に示すように、胴材送り機構に送りローラ19が使用され、第1および第2胴材1,2が送りローラ19に導かれ、駆動モータによって送りローラ19が回転し、第1および第2胴材1,2が送られる。したがって、第1および第2胴材1,2が互いに重ね合わされ、長さ方向に送られるものである。送りローラ19は間欠的に回転し、第1および第2胴材1,2は間欠的に送られる。
【0035】
広幅の胴材を使用せず、第1および第2胴材をその供給ロールから供給し、互いに重ね合わせるようにしてもよい。この場合、スリット刃によって広幅の胴材をスリットする必要はない。
【0036】
その後、胴材1,2の送りにともない、胴材ガイド機構20によって第1および第2胴材1,2が案内され、第1胴材1の一側縁21付近において、第1胴材1が第1折り曲げ線5に沿って折り曲げられ、第2胴材2の対応一側縁22付近において、第2胴材2が第2折り曲げ線6に沿って折り曲げられる。したがって、第1胴材1に第1折り曲げ部23が形成され、第2胴材2に第2折り曲げ部24が形成される。そして、第1折り曲げ部23が第2折り曲げ部24に重ね合わされる。たとえば、特許文献2の胴材ガイド機構と同様、胴材ガイド機構20にガイドローラ、プレートが使用され、ガイドローラ、プレートによって第1および第2胴材1,2が案内され、折り曲げられる。
【0037】
さらに、この製袋機では、第1胴材1が第1折り曲げ線5に沿って折り曲げられ、第2胴材2が第2折り曲げ線6に沿って折り曲げられるが、第1および第2胴材1,2が第1および第2折り曲げ線5,6に沿って折り曲げられたとき、
図3に示すように、一側縁21と第1折り曲げ線5間の距離L1は対応一側縁22と第2折り曲げ線6間の距離L2の2倍よりも設定距離L3だけ大きい。そして、第1折り曲げ部23が第2折り曲げ部24に重ね合わされたとき、一側縁21と対応一側縁22が互いに整合する(
図3A)。さらに、後述するように、その状態でプラスチック袋が製造される。したがって、プラスチック袋が製造されたとき、第1折り曲げ部23によって一端面3が形成され、設定距離L3によって突出部4が形成される。
【0038】
なお、第1および第2胴材1,2の折り曲げ前、一側縁21が対応一側縁22を超え、一定距離L1’張り出し、その距離L1’は対応一側縁22と第2折り曲げ線6間の距離L2の2倍よりも設定距離L3の2倍だけ大きい(
図3B)。そして、その状態で第1および第2胴材1,2が折り曲げられる。したがって、折り曲げられたとき、一側縁21と第1折り曲げ線5間の距離L1が対応一側縁22と第2折り曲げ線6間の距離L2の2倍よりも設定距離L3だけ大きくなるものである。
【0039】
さらに、この製袋機では、胴材1,2の重ね合わせ前、胴材1,2の間欠送り毎に、サイドガセット材7が第1胴材1に供給され、その幅方向に配置される。したがって、第1および第2胴材1,2が互いに重ね合わされたとき、サイドガセット材7が第1および第2胴材1,2間に配置される。この製袋機では、サイドガセット材供給機構25によってサイドガセット材7が供給される。サイドガセット材供給機構25は特許文献2のそれと同様のものである。
【0040】
さらに、胴材1,2の重ね合わせ後、胴材1,2の間欠送り毎に、サイドガセット材7の一端縁付近において、仮止め機構26によって第2胴材2とサイドガセット材7が仮止めされる。仮止め機構26も特許文献2のそれと同様のもので、超音波シール装置またはヒートシール装置からなる。さらに、仮止め機構26によって第1胴材2とサイドガセット材7も仮止めされる。したがって、その後、第2胴材2が第2折り曲げ線6に沿って折り曲げられるが、折り曲げられるとき、サイドガセット材7の一端縁付近において、第2胴材2によってサイドガセット材7が開かれる。さらに、第1胴材1が第1折り曲げ線5に沿って折り曲げられるとき、第1折り曲げ部23が開かれたサイドガセット材7に重ね合わされる。その後、その状態でプラスチック袋が製造される。したがって、プラスチック袋が製造されたとき、サイドガセット材7によって両側面が形成される。
【0041】
さらに、胴材1,2の送りにともない、付加ガイド機構27によって第1および第2胴材1,2が案内され、第1胴材1の他側縁28付近において、第1胴材1が第3折り曲げ線9に沿って折り曲げられ、第2胴材2の対応他側縁29付近において、第2胴材2が第4折り曲げ線10に沿って折り曲げられる。したがって、第1胴材1に第3折り曲げ部30が形成され、第2胴材2に第4折り曲げ部31が形成される。そして、第3折り曲げ部30が第4折り曲げ部31に重ね合わされる。たとえば、胴材ガイド機構20と同様、付加ガイド機構27にガイドローラ、プレートが使用され、ガイドローラ、プレートによって第1および第2胴材1,2が案内され、折り曲げられる。
【0042】
さらに、第1胴材1が第3折り曲げ線9に沿って折り曲げられ、第2胴材2が第4折り曲げ線10に沿って折り曲げられるが、第1および第2胴材1,2が第3および第4折り曲げ線9,10に沿って折り曲げられたとき、他側縁28と第3折り曲げ線9間の距離L4は対応他側縁29と第4折り曲げ線10間の距離L5の2倍に対応する距離である。そして、第3折り曲げ部30が第4折り曲げ部31に重ね合わされたとき、他側縁28と対応他側縁29が互いに整合する。
【0043】
なお、第1および第2胴材1,2の折り曲げ前、他側縁28が対応他側縁29を超え、一定距離L4張り出し、その距離L4は対応他側縁29と第4折り曲げ線10間の距離L5の2倍に対応する距離である。そして、その状態で第1および第2胴材1,2が折り曲げられる。したがって、折り曲げられたとき、他側縁28と第3折り曲げ線9間の距離L4は対応他側縁29と第4折り曲げ線10間の距離L5の2倍に対応する距離である。
【0044】
さらに、第1胴材1の折り曲げ前、胴材1,2の間欠送り毎に、第1胴材1の他側縁28と第3折り曲げ線9間において、第1胴材1に孔32が形成され、孔32にスパウト12が挿入される。たとえば、特許文献3の製袋機と同様、孔形成機構33としてパンチが使用され、胴材1,2の間欠送り毎に、パンチによって第1胴材1が打ち抜かれ、孔32が形成される。さらに、スパウト挿入機構34としてロボットが使用され、胴材1,2の間欠送り毎に、ロボットによってスパウト12が挿入される。その後、スパウトシール装置35によってスパウト12と第1胴材1がヒートシールされる。そして、第1胴材1が第3折り曲げ線9に沿って折り曲げられるとき、第3折り曲げ部30によってスパウト12が反転する。したがって、プラスチック袋が製造されたとき、第3折り曲げ部30によって他端面11が形成され、第3折り曲げ部30にスパウト12が設けられる。
【0045】
さらに、サイドガセット材7の一端縁付近において、仮止め機構26によって第2胴材2とサイドガセット材7が仮止めされ、第1胴材1とサイドガセット材7が仮止めされるが、これと同時に、サイドガセット材7の他端縁付近において、仮止め機構26によって第2胴材2とサイドガセット材7が仮止めされ、第1胴材1とサイドガセット材7も仮止めされる。したがって、第2胴材2が第4折り曲げ線10に沿って折り曲げられるとき、サイドガセット材7の他端縁付近において、第2胴材2によってサイドガセット材7が開かれる。さらに、第1胴材1が第3折り曲げ線9に沿って折り曲げられるとき、第3折り曲げ部30が開かれたサイドガセット材7に重ね合わされる。その後、その状態でプラスチック袋が製造される。
【0046】
さらに、第1および第2胴材1,2が縦シール装置36,37,38および横シール装置39に導かれ、胴材1,2の間欠送り毎に、胴材1,2の長さ方向において、縦シール装置36によって第1および第2折り曲げ部23,24がヒートシールされる。第1および第2折り曲げ部23,24は一側縁21および対応一側縁22に沿ってヒートシールされる。さらに、胴材1,2の間欠送り毎に、胴材1,2の長さ方向において、縦シール装置37によって第1胴材1と第3折り曲げ部30がヒートシールされ、縦シール装置38によって第3および第4折り曲げ部30,31がヒートシールされる。第1胴材1と第3折り曲げ部30は第3折り曲げ線9に沿ってヒートシールされ、第3および第4折り曲げ部30,31は他側縁28および対応他側縁29に沿ってヒートシールされる。さらに、胴材1,2の間欠送り毎に、胴材1,2の幅方向において、横シール装置39によって胴材1,2とサイドガセット材7がヒートシールされる。特許文献1の製袋機と同様、胴材1,2とサイドガセット材7はサイドガセット材7の長さ方向中心線に沿ってヒートシールされる。
【0047】
さらに、コーナーカット機構40としてパンチが使用され、ヒートシール後、胴材1,2の間欠送り毎に、パンチによって第1胴材1、第1および第3折り曲げ部23,30およびサイドガセット材7が打ち抜かれる。これによってプラスチック袋がコーナーカットされる。
【0048】
さらに、第1胴材1および第1折り曲げ部23がスリット刃41に導かれ、胴材1の送りにともない、第1胴材1および第1折り曲げ部23が第1折り曲げ線5に沿ってスリットされる。これによってその耳42が生じ、注入口15が形成され、耳42は適宜回収される。さらに、第1胴材1および第3折り曲げ部30がスリット刃43に導かれ、胴材1の送りにともない、第1胴材1および第3折り曲げ部30が第3折り曲げ線9に沿ってスリットされる。これによってその耳44が生じ、ヒートシール部分13が形成され、耳44は適宜回収される。
【0049】
さらに、折り曲げ部カット機構45としてトムソン刃が使用され、胴材1,2の間欠送り毎に、胴材1,2の長さ方向において、トムソン刃によって第1および第2折り曲げ部23,24がカットされ、第3および第4折り曲げ部30,31もカットされる。第1および第2折り曲げ部23,24は一側縁21および対応一側縁22に沿ってカットされ、第3および第4折り曲げ部30,31は他側縁28および対応他側縁29に沿ってカットされる。さらに、第1および第2折り曲げ部23,24は一定長さずつカットされ、第3および第4折り曲げ部30,31も一定長さずつカットされる。これによってその耳46が生じ、耳46は適宜回収される。さらに、そのトムソン刃の両端において、各折り曲げ部23,24,30,31が斜めにカットされ、これによってプラスチック袋がコーナーカットされる。
【0050】
さらに、その後、第1および第2胴材1,2がカッタ47に導かれ、胴材1,2の間欠送り毎に、胴材1,2の幅方向において、カッタ47によって胴材1,2およびサイドガセット材7がカットされる。胴材1,2およびサイドガセット材7はサイドガセット材7の長さ方向中心線に沿ってカットされる。
【0051】
これによってプラスチック袋が製造されるものである。
【0052】
この製袋機の場合、第1折り曲げ部23によって一端面3が形成され、設定距離L3によって突出部4が形成される。したがって、特許文献1の製袋機のように、底ガセット材を別途供給する必要はない。底ガセット材を別途供給しなくても、プラスチック袋の一端面3に突出部4を形成することができ、製袋機の構成が簡単であり、コストは低い。
【0053】
さらに、突出部4に注入口15が形成される。したがって、プラスチック袋の製造後、内容物を注入口15から注入し、プラスチック袋に充填することができる。
【0054】
さらに、サイドガセット材7によって両側面が形成され、第3折り曲げ部30によって他端面11が形成され、第3折り曲げ部30にスパウト12が設けられる。したがって、内容物の充填後、内容物をスパウト12から取り出すことができる。
【0055】
なお、特許文献1のプラスチック袋と同様、突出部4に取っ手孔を設けることも考えられ、ジッパまたは注ぎ口を設けることも考えられる。ただし、取っ手孔を設ける場合、突出部4に注入口15を形成し、内容物を注入口15から注入することはできず、内容物をスパウト12から注入する必要がある。
【0056】
内容物の注入前、突出部4を一端面3に沿ってヒートシールし、これによってヒートシール部16を形成する。その後、突出部4をヒートシール部16に沿ってカットすることも考えられるが、この場合、内容物をスパウト12から注入する必要があることは同様である。
【0057】
さらに、この製袋機において、第1および第2胴材1,2が第1および第2折り曲げ線5,6に沿って折り曲げられたとき、一側縁21と第1折り曲げ線5間の距離L1は対応一側縁22と第2折り曲げ線6間の距離L2の2倍よりも設定距離L3だけ大きいことは前述したとおりである。したがって、設定距離L3によって突出部4が形成されるものであるが、一側縁21と第1折り曲げ線5間の距離L1が対応一側縁22と第2折り曲げ線6間の距離L2の2倍に対応する距離であるようにすると、突出部4は形成されない。プラスチック袋が製造されたとき、第1折り曲げ部23によって一端面3が形成され、サイドガセット材7によって両側面が形成され、第3折り曲げ部30によって他端面11が形成され、第3折り曲げ部30にスパウト12が設けられることは
図1の実施例と同様である。
【0058】
図5は他の実施例を示す。この実施例は他の形式の製袋機であり、
図6のプラスチック袋を製造するためのものである。
図6のプラスチック袋でも、第1および第2胴材1,2が第1および第2折り曲げ線5,6に沿って折り曲げられ、これによって一端面3が形成され、一端面3に突出部4が形成されることは
図4のプラスチック袋と同様である。さらに、サイドガセット材7によって両側面が形成され、補助ガセット部8が形成される。さらに、第1および第2胴材1,2が第3および第4折り曲げ線9,10に沿って折り曲げられ、これによって他端面11が形成される。プラスチック袋にヒートシール部13,14,16が形成されることも
図4のプラスチック袋と同様である(
図6A,B)。
【0059】
さらに、
図6のプラスチック袋では、その一端面3に突出部4が形成されるだけではなく、一端面3にスパウト12が設けられる。したがって、内容物の充填後、内容物をスパウト12から取り出すことができる。
【0060】
突出部4に取っ手孔48を設けてもよい。この場合、内容物の充填後、取っ手孔48によってプラスチック袋をぶら下げ、持ち運ぶことができる。ただし、突出部4に注入口を形成することはできず、内容物をスパウト12から注入する必要がある。
【0061】
そして、
図5の製袋機では、第1胴材1の折り曲げ前、胴材1,2の間欠送り毎に、第1胴材1の一側縁21と第1折り曲げ線5間において、第1胴材1に孔32が形成され、孔32にスパウト12が挿入される。たとえば、
図1の実施例と同様、孔形成機構33によって孔32が形成され、スパウト挿入機構34によってスパウト12が挿入される。したがって、第1胴材1が第1折り曲げ線5に沿って折り曲げられるとき、第1折り曲げ部23によってスパウト12が反転される。したがって、第1折り曲げ部23にスパウト12が設けられる。
【0062】
他の工程は
図1の製袋機と同様である。この結果、プラスチック袋の製造後、その一端面3に突出部4が形成されるだけではなく、一端面3にスパウト12が設けられる。胴材1,2の間欠送り毎に、第1折り曲げ部23に取っ手孔48を形成すると、プラスチック袋の製造後、突出部4に取っ手孔48を形成することもできる。
【符号の説明】
【0063】
1 第1胴材
2 第2胴材
3 一端面
4 突出部
5 第1折り曲げ線
6 第2折り曲げ線
7 サイドガセット材
9 第3折り曲げ線
10 第4折り曲げ線
11 他端面
12 スパウト
15 注入口
19 送りローラ
20 胴材ガイド機構
21 一側縁
22 対応一側縁
23 第1折り曲げ部
24 第2折り曲げ部
25 サイドガセット材供給機構
26 仮止め機構
27 付加ガイド機構
28 他側縁
29 対応他側縁
30 第3折り曲げ部
31 第4折り曲げ部
32 孔
33 孔形成機構
34 スパウト挿入機構
【要約】
【課題】特別の構成の製袋機を新たに提供し、底ガセット材を別途供給しなくても、プラスチック袋の一端面に突出部が形成されるようにする。
【解決手段】第1胴材1の一側縁21付近において、第1胴材1が第1折り曲げ線5に沿って折り曲げられ、第2胴材2の対応一側縁22付近において、第2胴材2が第2折り曲げ線6に沿って折り曲げられ、第1胴材1に第1折り曲げ部23が形成される。折り曲げられたとき、一側縁21と第1折り曲げ線5間の距離は対応一側縁22と第2折り曲げ線6間の距離の2倍よりも設定距離L3だけ大きい。したがって、第1折り曲げ部23によって一端面が形成され、設定距離L3によって突出部が形成される。
【選択図】
図1