【実施例1】
【0026】
まず、本実施例1に係る遊技システムの概念について説明する。
図1は、実施例1に係る遊技システムの概念を説明するための説明図である。同図に示すように、遊技客が、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申込用紙を遊技店の店員に手渡して会員登録を要求すると、遊技店の店員は、該遊技客に会員カード1を即時発行する(S1)。遊技店の店員が遊技店の閉店後等に会員申込用紙に記入された個人情報を会員管理装置50に新規の会員データとして入力すると、会員管理装置50は、入力された会員データと会員データベース54aに登録済の会員データとを比較し、重複登録の判定を行う(S2)。
【0027】
重複登録の判定後、会員管理装置50は、入力された新規の会員データを会員データベース54aに登録する(S3)。この時、新規の会員データと重複する会員データが存在するならば、重複する会員データの会員カードIDを新規の会員データに対して重複会員カードIDとして設定する。また、重複する会員データに対しても新規の会員カードIDを重複会員カードIDとして設定する。
【0028】
会員カード1が遊技店内の台間カード処理機10に挿入されたならば、台間カード処理機10は、会員カード1から会員カードIDを読み取り、通信回線90を介して接続された会員管理装置50に送信する。
【0029】
会員管理装置50は、台間カード処理機10から会員カードIDを受信したならば、受信した会員カードIDにより会員データベース54aを検索し、当該会員カードIDに対応付けられた貯玉数を台間カード処理機10に送信する。また、当該会員カードIDに重複会員カードIDが設定されていたならば、会員管理装置50は台間カード処理機10に対して重複会員カードIDを送信する。
【0030】
台間カード処理機10は、会員管理装置50から重複会員カードIDを受信したならば、挿入された会員カードと重複して登録された会員カードが存在することを表示出力する。また、挿入された会員カードの排出禁止や、店員の呼び出し、今後利用するカードの選択要求等を行うこともできる。
【0031】
計数機80、精算機60、景品管理装置70等も通信回線90を介して会員管理装置50と接続されており、会員カードが挿入されたならば会員カードから会員カードIDを読み取って会員管理装置50に送信する。そして、会員管理装置50から重複会員カードIDを受信したならば、挿入された会員カードと重複して登録された会員カードが存在することの表示出力、挿入された会員カードの排出禁止、店員の呼び出し又は今後利用するカードの選択要求等を行うことができる。
【0032】
このように、遊技店に会員登録された会員が所持する会員カードの会員カードIDと該会員の個人情報とを対応付けた会員データを会員データベース54aにより管理し、会員データの一致度に基づいて特定の会員が複数の会員カードを重複登録しているか否かを判定し、台間カード処理機10等に重複登録と判定された複数の会員カードのいずれかが挿入された場合に報知することにより、同一人物による重複登録を効率良く検出することができる。
【0033】
次に、実施例1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。
図2は、実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示す遊技システムは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、精算機60と、景品管理装置70と、計数機80と、通信回線90とを有する。
【0034】
台間カード処理機10は、島コントローラ30に接続されており、島コントローラ30、カード管理装置40、会員管理装置50、精算機60、景品管理装置70及び計数機80は、通信回線90を介して接続されている。
【0035】
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。当該遊技領域には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域パチンコ玉が通過したことに基づいて所定個数のパチンコ玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技領域には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域をパチンコ玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が当たりとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域へのパチンコ玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0036】
上記入賞領域には、当該入賞領域へのパチンコ玉の通過を検出するための所定の検出センサが設けられており、当該センサにより、入賞領域へ打ち込まれたパチンコ玉の通過(入賞)を検出するようになっている。また、遊技機の制御装置は、入賞領域ごとに何個のパチンコ玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有している。
【0037】
したがって、打ち込んだパチンコ玉の特定の入賞領域への通過がセンサにより検出されると、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過したパチンコ玉数から付与すべき賞玉を決定する。
【0038】
台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶するととともに、所定の玉貸し操作がなされたならば、所定数のプリペイド価値を減算しつつ、減算したプリペイド価値分に対応するパチンコ玉を貸し出す。
【0039】
また、台間カード処理機10は、会員カードを受け付けたならば、該会員カードに関連付けられたプリペイド価値を記憶するとともに、排出操作を受け付けたならば、プリペイド価値を会員カードに関連付けて排出する処理を行う。
【0040】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。また、計数機80は、遊技島毎に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数する処理を行う。計数機80は、所定数の玉数を計数する度にパルス信号を図示しないホールコンピュータに対して送信する。計数終了後、計数機80は、計数結果である獲得玉数をレシートにバーコード印刷して発行処理する。
【0041】
カード管理装置40は、会員カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する管理装置である。会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、貯玉、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0042】
さらに、会員管理装置50は、会員データの一致度に基づいて特定の会員が複数の会員データを重複登録しているか否かを判定する。この重複登録の判定の詳細については後述する。
【0043】
精算機60は、プリペイド価値が対応付けられた会員カードが挿入されると、この会員カードIDをカード管理装置40に送信し、該会員カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0044】
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり貯玉、持玉及び計数玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置70には、会員カードから会員カードIDを読み取るリーダライタ、計数機80が発行したレシートの読み取り等を行うバーコードリーダ並びに特殊景品を払い出す装特殊景品払出装置が接続されている。景品管理装置70は、リーダライタが会員カードを受け付けた場合には、リーダライタで読み取った会員カードIDをカード管理装置40に送信して、該会員カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。また、持玉が関連付けられた計数レシート或いは計数カードを読み取った場合にも持玉数の要求を行う。
【0045】
次に、
図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。
図3は、
図2に示した会員管理装置50の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続される。表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等であり、入力部52は、キーボードやマウス等である。
【0046】
また、会員管理装置50は、通信部53と、記憶部54と、制御部55とを有する。通信部53は、通信回線90を介して台間カード処理機10等とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0047】
記憶部54は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員データベース54aを記憶する。会員データベース54aは、上述したように、遊技店に会員登録された会員が所持する会員カードの会員カードIDと該会員の個人情報とを対応付けた会員データを管理するデータベースである。
【0048】
図4は、会員データベースを説明するための説明図である。
図4に示すように、会員データベース54aは、会員カードID、重複フラグ、重複会員カードID、氏名、住所、貯玉数及び来店ポイント等の項目を有する。
【0049】
会員カードIDは、会員カードを一意に識別する識別情報である。重複フラグは、重複する会員カードが存在する場合に「1」、存在しない場合に「0」の値をとる。重複会員カードIDは、重複する会員カードのIDを示す。氏名及び住所は会員の氏名と住所を示し、貯玉数は該会員カードに対応付けられた貯玉の数を示す。来店ポイントは、会員の来店時に加算され、会員サービスに利用される。具体的には、その日に最初に会員カードIDを読み取った装置が、該会員カードIDに対応付けられた来店ポイントを所定数加算させる。来店ポイントの付与は、台間カード処理機10等、会員カードIDを読み取り可能な任意の装置で行うことができ、来店ポイントを付与するために専用の装置を設けてもよい。
【0050】
具体的には、
図4に示す会員データベース54aは、会員カードID「0001」に重複フラグ「0」、氏名「AA BB」、住所「M県N市P町3−1」、貯玉数「2100」及び来店ポイント「20」を対応付けている。また、会員カードID「0002」に重複フラグ「1」、重複会員カードID「0004」、氏名「CC DD」、住所「M県N市Q町2−7」、貯玉数「5460」及び来店ポイント「32」を対応付けている。
【0051】
同様に、会員データベース54aは、会員カードID「0003」に重複フラグ「0」、氏名「EE FF」、住所「K県L市R町5−4」、貯玉数「6020」及び来店ポイント「54」を対応付けている。また、会員カードID「0004」に重複フラグ「1」、重複会員カードID「0002」、氏名「CC DD」、住所「M県N市Q町2−1」、貯玉数「3400」及び来店ポイント「28」を対応付けている。さらに、会員カードID「0005」に重複フラグ「0」、氏名「II JJ」、住所「M県R市S町1118−10」、貯玉数「850」及び来店ポイント「6」を対応付けている。
【0052】
ここで、氏名が同一であり、住所が類似する会員カードID「0002」の会員データと会員カードID「0004」の会員データとは、同一の人物が重複登録したものであると判定されているため、重複フラグが「1」となり、互いの会員カードIDが重複会員カードIDに設定されている。
【0053】
図3に示す制御部55は、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、管理部55a、判定部55b、報知指示部55c、合算処理部55d及び利用禁止処理部55eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、管理部55a、判定部55b、報知指示部55c、合算処理部55d及び利用禁止処理部55eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0054】
管理部55aは、会員データベース54aに対する会員データの登録、更新及び削除を行う処理部である。判定部55bは、会員データの一致度に基づいて、特定の会員により重複して登録された会員データが存在するか否かを判定する処理部である。
【0055】
報知指示部55cは、重複登録と判定された複数の会員データにそれぞれ対応する複数の会員カードIDのいずれかが台間カード処理機10等により読み取られた場合に、重複登録された会員カードが存在する旨を報知するよう台間カード処理機10等に指示する処理部である。
【0056】
また、報知指示部55cは、重複登録された複数の会員データにそれぞれ対応する複数の会員カードIDを台間カード処理機10等に対して送信して、重複する複数の会員カードの中から会員により利用される会員カードを選択させるよう指示することもできる。
【0057】
合算処理部55dは、重複登録された複数の会員データから会員により利用される会員カードが選択された場合に、選択されない会員カードに対応付けられた価値情報を選択された会員カードに対応付けられた価値情報に合算する処理部である。ここで、価値情報とは、貯玉、持玉、来店ポイント及びプリペイド価値を含む。
【0058】
利用禁止処理部55eは、重複登録された複数の会員カードの中から会員により利用される会員カードが選択された場合に、選択されない会員カードの利用を禁止する処理部である。
【0059】
次に、
図2に示した台間カード処理機の外観構成について説明する。
図5は、
図2に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。なお、
図5には、台間カード処理機10が併設される遊技機20を破線で図示している。また、
図5では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
【0060】
図5に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、持玉カードや会員カードを受け付けるカード挿入口14と、パチンコ玉を遊技機20に投出するノズル17とが設けられている。なお、遊技機20の前面には、プリペイド価値の残数を表示するプリペイド価値表示部と、持玉数を表示する持玉数表示部と、パチンコ玉の投出を指示するための玉貸しボタンと、カード返却を指示するための返却ボタンとが設けられ、台間カード処理機10の制御部に直結されている。
【0061】
次に、
図2に示した台間カード処理機の内部構成について説明する。
図6は、
図2に示した台間カード処理機10の内部構成を示すブロック図である。
図6に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12a、表示操作部13、リードライト(R/W)部14a、通信部19、記憶部15及び制御部16を有する。
【0062】
紙幣搬送部12aは、紙幣挿入口12から挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。R/W部14aは、カード挿入口14に挿入された会員カードに記憶された会員カードID及びプリペイド価値データを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14に挿入された会員カードは、このR/W部14aを経て図示しないカード収納部に収納される。通信部19は、通信回線90を介して会員管理装置50等との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
【0063】
記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、プリペイド価値データ15a、貯玉数データ15b及び持玉数データ15cを記憶する。プリペイド価値データ15aは、遊技客の現時点のプリペイド価値の残数であり、紙幣又は会員カード投入により加算される。また、玉貸しボタンが押下操作されてパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出した場合には、プリペイド価値データ15aは、投出したパチンコ玉の数に対応する分だけ減算される。
【0064】
貯玉数データ15bは、遊技客の貯玉数を示すデータである。会員カードがカード挿入口12に挿入されると、台間カード処理機10は、会員カードIDに対応付けられた貯玉数を会員管理装置50から取得して、貯玉数データ15bとする。貯玉再プレイボタンが押下操作されてパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出した場合には、貯玉数データ15bは、投出したパチンコ玉の数だけ減算される。
【0065】
同様に、持玉数データ15cは、遊技客の持玉数を示すデータである。会員カード又は一般カードがカード挿入口14に挿入されると、台間カード処理機10は、会員カード又は一般カードから読み出したカードIDに対応付けられた貯玉数をカード管理装置40から取得して、持玉数データ15cとする。再プレイボタンが押下操作されてパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出した場合には、持玉数データ15cは、投出したパチンコ玉の数だけ減算される。また、遊技機20に設けた各台計数機でパチンコ玉を計数した場合には、計数結果が持玉数データ15cに加算される。
【0066】
制御部16は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部16a、紙幣処理部16b、カード処理部16c及び重複対処処理部16dを有する。データ管理部16aは、紙幣挿入口12に紙幣が挿入されると、この紙幣分に相当するプリペイド価値をプリペイド価値データ15aに加算する。同様に、データ管理部16aは、カード挿入口14に会員カードが挿入されると、この会員カードに関連付けられたプリペイド価値をプリペイド価値データ15aに加算する。
【0067】
また、データ管理部16aは、R/W部14aが会員カードから読み取った会員カードIDに対応する持玉数及び貯玉数を受信した場合には、持玉数データ15c及び貯玉数データ15bに加算する。
【0068】
データ管理部16aは、玉貸しボタンが押下操作されると、プリペイド価値データ15aを減算して、所定数のパチンコ玉をノズル17より投出する。また、データ管理部16aは、貯玉再プレイボタンが押下操作されると、貯玉数データ15bを減算して、所定数のパチンコ玉をノズル17より投出する。また、データ管理部16aは、再プレイボタンが押下操作されると、持玉数データ15cを減算して、所定数のパチンコ玉をノズル17より投出する。
【0069】
なお、貯玉再プレイボタンと再プレイボタンとは、個別に設けてもよいし、共通のボタンとしてもよい。さらに玉貸しボタン、貯玉再プレイボタン及び再プレイボタンを共通のボタンとしてもよい。また、パチンコ玉の投出は、ノズル17からに限定されるものではなく、遊技機20から払い出すように遊技機20に対して払い出し指示を送信する構成であってもよい。
【0070】
そして、返却ボタンが押下操作され、カードを排出する場合には、データ管理部16aは、会員カードID、プリペイド価値データ15aが示すプリペイド価値、貯玉数データ15bが示す貯玉数並びに持玉数データ15cが示す持玉数をカード管理装置40に送信して情報更新依頼を行う。その後、データ管理部16aは、プリペイド価値データ15a、貯玉数データ15b及び持玉数データ15cを零にクリアする。
【0071】
紙幣処理部16bは、紙幣挿入口12から受け付けた紙幣を搬送制御しつつ該紙幣の金種識別及び真偽識別を行った後に、該紙幣を図示しない紙幣収納部に収納する処理部である。紙幣処理部16bは、受け付けた紙幣が真正な紙幣であると識別した場合には、金種に対応する価値をデータ管理部16aに通知し、プリペイド価値の加算を行わせる。
【0072】
カード処理部16cは、カード挿入口14からカードを受け付けたならば、R/W部14aにより会員カードIDを読み取らせ、会員カードIDをカード管理装置40及び会員管理装置50に送信する。また、カード処理部16cは、返却ボタンが押下操作され、データ管理部16aにより情報が更新された後に、会員カードをカード挿入口14から返却する。
【0073】
重複対処処理部16dは、会員管理装置50から重複会員カードIDを受信したならば、重複登録された会員カードが存在する旨を表示操作部13に表示出力することで遊技客に対して報知する。
【0074】
また、重複対処処理部16dは、会員管理装置50から重複会員カードIDを受信したならば、挿入されたカードの利用及び排出を禁止することができる。また、重複登録された複数の会員カードの中から利用する会員カードの選択をする選択用の操作画面を表示操作部13に表示出力することもできる。選択用の操作画面に対し、遊技客又は店員による操作入力が行われ、利用する会員カードが選択されたならば、重複対処処理部16dは、選択された会員カードの会員カードIDを会員管理装置50に送信し、会員カードの利用及び排出を可能とする。
【0075】
次に、会員データ登録の処理手順について説明する。
図7は、会員データ登録の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、遊技客が、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申込用紙を遊技店の店員に手渡して会員登録を要求すると、遊技店の店員により該遊技客に会員カードが手渡される。この会員カードの会員カードIDは、新規発行用の会員カードIDとして会員管理装置50に予め記憶されているか、若しくは会員管理装置50に通知され、該会員カードは即時利用可能な状態で発行される(ステップS101)。
【0076】
会員管理装置50は、遊技店の閉店後等に会員申込用紙に記入された個人情報のデータ入力を受け付け付けると(ステップS102)、入力された会員データと会員データベース54aに登録済みの会員データとの重複を判定する(ステップS104)。
【0077】
入力された会員データと重複する会員データがない場合(ステップS104;No)には、会員管理装置50は、入力された会員データの重複フラグに「0」をセットし(ステップS108)、入力された会員データを会員データベース54aに登録して(ステップS107)、処理を終了する。
【0078】
一方、入力された会員データと重複する会員データがある場合には(ステップS104)、会員管理装置50は、入力された会員データの重複フラグに「1」をセットし、重複する会員データの会員カードIDを入力された会員データの重複会員カードIDとしてセットする。同様に、重複する会員データに対しても新規の会員カードIDを重複会員カードIDとして設定する。重複する会員データの重複フラグに「1」をセットし、入力された会員データの会員カードIDを重複する会員データの重複会員カードIDとしてセットする(ステップS106)。そして、入力された会員データを会員データベース54aに登録して(ステップS107)、会員管理装置50は処理を終了する。
【0079】
次に、ステップS103に示した重複判定の処理手順についてさらに説明する。
図8は、重複判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、会員管理装置50は、会員データベース54aに登録済の会員データを1つ選択し(ステップS201)、入力された会員データの氏名の文字列と選択した会員データの氏名の文字列とを比較する(ステップS202)。氏名の文字列の一致度が80%未満であるならば(ステップS203;No)、会員管理装置50は、ステップS208に移行する。
【0080】
氏名の文字列の一致度が80%以上であるならば(ステップS203;Yes)、会員管理装置50は、入力された会員データの住所の文字列と選択した会員データの住所の文字列とを比較する(ステップS204)。住所の文字列の一致度が70%未満であるならば(ステップS205;No)、会員管理装置50は、ステップS208に移行する。
【0081】
住所の文字列の一致度が70%以上であるならば(ステップS205;Yes)、会員管理装置50は、入力された会員データと選択した会員データとが重複すると判定し(ステップS206)、重複する会員データの会員データの会員カードIDを一時記憶して(ステップS207)、ステップS208に移行する。
【0082】
ステップS208では、会員管理装置50は、会員データベース54aに登録済の全ての会員データと入力された会員データとを比較したかを判定し(ステップS208)、比較していない会員データが残っていれば(ステップS208;No)、ステップS201に移行する。そして、会員データベース54aに登録済の全ての会員データと入力された会員データとを比較した(ステップS208;Yes)後、会員管理装置50は、重複判定処理を終了して、
図7に示した処理に戻る。
【0083】
なお、一致度の判定基準を、項目の重要度によって変更することで、より正確に重複の判定を行うように構成してもよい。この場合、氏名であっても、名字と名前で一致度の判定基準を変更してもよい。
【0084】
次に、台間カード処理機10の処理手順について説明する。
図9は、台間カード処理機10の処理手順を示すフローチャートである。台間カード処理機10は、会員カードの挿入を検知すると(ステップS301;Yes)、挿入された会員カードから会員カードIDを読み取って(ステップS302)、会員カードIDを会員管理装置50に送信する(ステップS303)。
【0085】
台間カード処理機10は、会員管理装置50から重複会員カードIDを受信したならば(ステップS304;Yes)、重複対処処理部16dによる重複対処処理を実行して(ステップS307)、処理を終了する。
【0086】
一方、会員管理装置50から重複会員カードIDを受信せず(ステップS304;No)、貯玉数を受信したならば(ステップS305;Yes)、台間カード処理機10は、受信した貯玉数を貯玉数データ15bに加算して(ステップS306)、処理を終了する。
【0087】
なお、貯玉数を受信していなければ(ステップS305;No)、台間カード処理機10は、ステップS304に移行する。また、ステップS306又はステップS307の後に処理を終了すると、台間カード処理機10は、通常の遊技処理を開始する。
【0088】
次に、会員管理装置50が台間カード処理機10から会員カードIDを受信した場合の処理手順について説明する。
図10は、会員管理装置50が台間カード処理機10から会員カードIDを受信した場合の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、会員管理装置50は、台間カード処理機10から会員カードIDを受信すると(ステップS401;Yes)、該会員カードIDに対応付けられた重複フラグを読み出す(ステップS402)。
【0089】
重複フラグの値が「1」である場合には(ステップS403;Yes)、会員管理装置50は、該会員カードIDに対応付けられた重複会員カードIDを読み出して、台間カード処理機10に送信し(ステップS404)、処理を終了する。一方、重複フラグの値が「1」でない場合には(ステップS403;No)、会員管理装置50は、該会員カードIDに対応付けられた貯玉数を読み出して、台間カード処理機10に送信し(ステップS405)、処理を終了する。
【0090】
次に、
図9に示した重複対処処理(ステップS307)の処理手順についてさらに説明する。重複対処処理としては、挿入された会員カードと重複して登録された会員カードが存在することを示す表示出力に加え、挿入された会員カードの排出禁止や、店員の呼び出し、今後利用するカードの選択要求等を行うことができる。そこで、
図11に、挿入された会員カードの排出禁止並びに店員の呼び出しを行う場合の重複対処処理を示し、
図12に、今後利用するカードの選択要求を行う場合の重複対処処理を示す。
【0091】
図11は、挿入された会員カードの排出禁止並びに店員の呼び出しを行う場合の重複対処処理を示すフローチャートである。
図11に示すように、台間カード処理機10は、会員管理装置50から重複会員カードIDならば、重複して登録された会員カードが存在することを示す画面を表示操作部13に表示し(ステップS501)、挿入された会員カードの排出を禁止する(ステップS502)。
【0092】
ステップS502の後、台間カード処理機10は、店員の呼出をおこない、店員による遊技客への確認等により重複が解消したならば(ステップS504;Yes)、カード排出禁止を解除して(ステップS505)、重複対処処理を終了する。
【0093】
図12は、今後利用するカードの選択要求を行う場合の重複対処処理を示すフローチャートである。
図12に示すように、台間カード処理機10は、会員管理装置50から重複会員カードIDならば、重複して登録された会員カードのいずれかを今後利用するカードとして選択させる会員カード選択画面を表示操作部13に表示する(ステップS601)。
【0094】
遊技客又は店員により、挿入された会員カード以外の会員カードが選択された場合には(ステップS602;No)、台間カード処理機10は、選択された会員カードを会員管理装置50に通知して挿入された会員カードの利用を禁止し、挿入された会員カードを排出して(ステップS605)、重複対処処理を終了する。
【0095】
一方、遊技客又は店員により、挿入された会員カードが選択された場合には(ステップS602;Yes)、台間カード処理機10は、選択された会員カードを会員管理装置50に通知して重複会員カードIDに対応付けられた貯玉を挿入された会員カードに移行させ(ステップS603)、移行により増加した貯玉数を貯玉数データ15bに加算して(ステップS604)、処理を終了する。なお、選択されなかった会員カードには利用の禁止処理を行う。利用の禁止処理が行われた会員カードは、次回いずれかの装置に挿入されると、カードの排出が禁止され、店員の呼出が行われる。
【0096】
上述してきたように、本実施例1では、遊技店に会員登録された会員が所持する会員カードの会員カードIDと該会員の個人情報とを対応付けた会員データを会員データベース54aにより管理し、会員データの一致度に基づいて特定の会員が複数の会員カードを重複登録しているか否かを判定し、台間カード処理機10等に重複登録と判定された複数の会員カードのいずれかが挿入された場合に報知することにより、同一人物による重複登録を効率良く検出することができる。
【0097】
また、重複登録された複数の会員カードの会員カードIDを送信して、該複数の会員カードから今後利用する会員カードを選択させることにより、重複登録を解消することができる。
【0098】
また、今後利用する会員カードが選択された場合に、選択されない会員カードに対応付けられた貯玉等の価値情報を選択された会員カードに対応付けられた価値情報に合算するようことで、遊技客に不利益を与えることなく重複登録を解消できる。また、今後利用する会員カードが選択された場合に、選択されない会員カードの利用を禁止することで、重複登録された会員カードの利用を防止することができる。
【0099】
また、前記報知指示手段は、重複登録と判定された複数の会員カードのいずれかが挿入された場合に、挿入された会員カードの排出を禁止することで、重複登録された会員カードを回収し、重複登録された会員カードの利用を防止することができる。
【0100】
なお、本実施例1では、台間カード処理機10に重複登録された会員カードを挿入された場合に、重複して登録された会員カードが存在することの表示、挿入された会員カードの排出禁止、店員の呼び出し若しくは今後利用するカードの選択要求等を行う場合を説明したが、計数機80、精算機60、景品管理装置70等に重複登録された会員カードを挿入された場合にも、重複して登録された会員カードが存在することの表示、挿入された会員カードの排出禁止、店員の呼び出し若しくは今後利用するカードの選択要求等を行うことができる。
【実施例2】
【0101】
上記実施例1では、登録された会員情報に基づいて同一人物による重複登録を検出する構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施例2では利用履歴に基づいて同一人物による重複登録を検出する構成を示すこととする。
【0102】
まず、本実施例2に係る遊技システムの概念について説明する。
図13は、実施例2に係る遊技システムの概念を説明するための説明図である。同図に示すように、遊技客が、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申込用紙を遊技店の店員に手渡して会員登録を要求すると、遊技店の店員は、該遊技客に会員カード1を即時発行する(S11)。遊技店の店員が遊技店の閉店後等に会員申込用紙に記入された個人情報を会員管理装置150に新規の会員データとして入力すると、会員管理装置150は、入力された新規の会員データを会員データベース54bに登録する(S12)。このように、遊技客の住所、氏名及び電話番号等の個人情報を登録した会員を本会員という。
【0103】
また、遊技客が、携帯電話等の携帯端末装置2による会員登録を要求すると、遊技店の店員は、携帯端末装置2の識別情報と、遊技客の生年月日と、遊技客により指定されたパスワードとを対応付けて、会員管理装置150に登録させる(S12)。このように、携帯IDm等を登録し、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を登録していない会員を仮会員という。仮会員は、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を登録することで本会員に移行することができる。また、仮会員は、会員カードの発行を受けてもよいが、携帯端末装置2の識別情報を利用し、携帯端末装置2を会員カードの代わりとして利用することもできる。
【0104】
携帯端末装置2を会員カードの代わりとして利用する場合には、携帯端末装置2に会員カードIDを記憶させ、台間カード処理機110等が携帯端末装置2から会員カードIDを読み取るように構成してもよいし、台間カード処理機110等が携帯端末装置2の識別情報を読み取って会員カードIDの代わりとして利用するよう構成してもよい。ここでは、台間カード処理機110等が携帯端末装置2から会員カードIDを読み取る構成を例に説明を行う。
【0105】
台間カード処理機110は、会員カード1又は携帯端末装置2から会員カードIDを読み取ると、読み取った会員カードIDを会員管理装置150に送信する。会員管理装置150は、受信した会員カードIDに対応付けられた貯玉数を会員データベース54bから読み出して、台間カード処理機110に送信するとともに、受信した会員カードIDと日付とを対応付けて利用履歴データ54cに登録する。したがって、利用履歴データ54cには、会員カードIDと日付と対応付けられて蓄積されることとなる。
【0106】
会員管理装置150は、利用履歴データ54cに基づいて、重複登録の候補が存在するか否かを判定する重複候補判定を行う(S13)。この重複候補判定の詳細については後述する。判定の結果、重複登録の候補が存在するならば、会員管理装置150は、重複登録の候補と判定された会員データの重複候補フラグを「1」にセットする。
【0107】
そして、会員管理装置150は、台間カード処理機110から受信した会員カードIDの重複候補フラグが「1」であるならば、店員に対して重複登録した可能性のある遊技客が来店したことを報知する。
【0108】
なお、計数機80、精算機60、景品管理装置70等も通信回線90を介して会員管理装置150と接続されており、会員カード1又は携帯端末装置2から会員カードIDを読み取って会員管理装置150に送信する。このため、会員管理装置50は、台間カード処理機110、計数機80、精算機60及び景品管理装置70のいずれかが利用された場合に、会員カードIDの重複候補フラグが「1」であるか否かを判定し、重複候補フラグが「1」であるならば、店員に対して重複登録した可能性のある遊技客が来店したことを報知することができる。
【0109】
このように、利用履歴に基づいて重複登録の候補を判定し、抽出することにより、本会員と仮会員のように会員データに登録された項目に差がある場合であっても、同一人物による重複登録を効率良く検出することができる。
【0110】
次に、実施例2に係る台間カード処理機110及び会員管理装置150の内部構成について説明する。
図14は、
図13に示した台間カード処理機110の内部構成を示すブロック図である。
図14に示すように、台間カード処理機110は、携帯端末通信部18をさらに有する点が
図6に示した台間カード処理機10と異なる。
【0111】
携帯端末通信部18は、携帯端末装置2の接近を検知し、携帯端末装置2から会員カードIDを読み取って制御部16に出力する処理部である。その他の構成及び動作は、
図6に示した台間カード処理機10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0112】
次に、実施例2に係る会員管理装置150の内部構成について説明する。
図15は、
図13に示した会員管理装置150の内部構成を示すブロック図である。
図15に示すように会員管理装置150は、記憶部54に会員データベース54b、利用履歴データ54c及び重複候補データ54dを記憶し、制御部55に会員データ管理部55f、利用履歴管理部55g、候補判定部55h、及び報知部55iを有する。その他の構成及び動作は、
図3に示した会員管理装置50と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0113】
記憶部54が記憶する会員データベース54b、利用履歴データ54c及び重複候補データ54dの具体例を説明する。
図16は、会員データベース54bを説明するための説明図である。
図16に示すように、会員データベース54aは、会員カードID、会員種別、重複候補フラグ、携帯IDm、氏名、住所、貯玉数及び来店ポイント等の項目を有する。
【0114】
会員カードIDは、会員カードを一意に識別する識別情報である。会員種別は、本会員と仮会員のいずれであるかを示す。重複候補フラグは、該会員データが重複している可能性があると判定された場合に「1」、重複している可能性があると判定されていない場合に「0」の値をとる。携帯IDmは、携帯端末装置の識別情報であり、16桁の数字である。氏名及び住所は会員の氏名と住所を示し、貯玉数は該会員カードに対応付けられた貯玉の数を示す。来店ポイントは、会員の来店時に加算され、会員サービスに利用される。
【0115】
具体的には、
図16に示す会員データベース54bは、会員カードID「0001」に会員種別「本会員」、重複候補フラグ「0」、携帯IDm「123・・・」、氏名「AA BB」、住所「M県N市P町3−1」、貯玉数「2100」及び来店ポイント「20」を対応付けている。また、会員カードID「0002」に会員種別「本会員」、重複候補フラグ「1」、氏名「CC DD」、住所「M県N市Q町2−7」、貯玉数「5460」及び来店ポイント「32」を対応付けている。
【0116】
同様に、会員データベース54aは、会員カードID「0056」に会員種別「仮会員」、重複候補フラグ「0」、携帯IDm「345・・・」、貯玉数「1720」及び来店ポイント「61」を対応付けている。また、会員カードID「0057」に会員種別「仮会員」、重複候補フラグ「1」、携帯IDm「678・・・」、貯玉数「4431」及び来店ポイント「19」を対応付けている。また、会員カードID「0058」に会員種別「本会員」、重複候補フラグ「0」、氏名「TT UU」、住所「M県R市S町102−9」、貯玉数「5133」及び来店ポイント「42」を対応付けている。
【0117】
ここで、会員カードID「0001」の会員データは、全ての項目が登録されているが、会員カードID「0002」及び会員カードID「0058」の会員データは、携帯IDmが登録されていない。また、会員カードID「0056」及び会員カードID「0057」の会員データは、氏名及び住所が登録されていない。
【0118】
このように、登録された項目からは重複登録であるかが判定できない場合であっても、利用履歴の比較によって重複登録の可能性があるか否かを判定することができる。
図17は、利用履歴データ54cを説明するための説明図である。
図16に示すように、利用履歴データ54cは、日付と会員カードIDとを対応付けている。
【0119】
具体的には、会員カードID「0065」と会員カードID「0013」は、2011年の9月1日、9月3日及び9月10日に利用されている。このように、利用される日付が一致する度合いが高ければ、同一の遊技客が会員カードIDを重複して利用している可能性が高いと判定することができる。
【0120】
利用される日付の一致度は、連続して所定回数以上日付が一致するか否か、所定期間に所定回数以上日付が一致するか否か、来店回数に対する日付の一致回数が所定比率を超えているか否か等によって判定する。
【0121】
図18は、利用履歴データ54cから生成した重複候補データ54dを説明するための説明図である。
図18に示す重複候補データ54dは、来店回数に対する日付の一致回数の比率である利用履歴重複率により重複候補を抽出した結果である。
【0122】
具体的には、重複候補データ54dは、会員カードIDが「0601」である会員データと、他の3つの会員データとの利用履歴重複率が100%であり、会員カードIDが「0057」である会員データと、他の2つの会員データとの利用履歴重複率が100%であり、会員カードIDが「0103」である会員データと、他の1つの会員データとの利用履歴重複率が99%であり、会員カードIDが「0065」である会員データと、他の1つの会員データとの利用履歴重複率が97%であることを示している。なお、重複候補データ54dは、利用履歴重複率の降順でソートし、番号を付しているが、任意の項目でソートが可能である。また、重複している可能性のある会員カードIDを列挙して表示するようにしてもよい。
【0123】
次に、
図15に示す制御部55が有する会員データ管理部55f、利用履歴管理部55g、候補判定部55h及び報知部55iについて説明する。会員データ管理部55fは、会員データベース54bに対する会員データの登録、更新及び削除を行う処理部である。利用履歴管理部55gは、利用履歴データ54cに対する利用履歴の登録、更新を行う処理部である。
【0124】
候補判定部55hは、利用履歴データ54cに基づいて重複登録された可能性のある会員データを判定し、重複候補データ54dを生成する処理部である。重複登録は、少なくとも一方が仮会員である可能性が高い。そこで、候補判定部55hは、仮会員と本会員の組み合わせについて判定を行う。加えて、仮会員と全ての会員との組み合わせについて判定を行ってもよい。
【0125】
図19は、候補判定部55hが判定を行う会員データの組み合わせを説明する説明図である。仮会員と全会員との組み合わせを対象とする全部判定は、友人や家族など同一人物ではないが行動を共にすることの多い会員の組み合わせについても情報収集することができるというメリットがある。一方、仮会員と本会員との組み合わせのみを対象とする一部判定は、重複登録である可能性の高い組み合わせを効率的に抽出することができる。
【0126】
報知部55iは、台間カード処理機110から会員カードIDを受信した場合に、受信した会員カードIDの重複候補フラグを読み出し、重複候補フラグが「1」である場合に、店員に対して重複登録した可能性のある遊技客が来店したことを報知する処理部である。重複候補は、重複登録であるとの断定にいたらずとも、重複登録の可能性が高いことを示すものであるので、重複登録の可能性があることを遊技客に直接報知するよりも、店員に対して報知を行うことが好ましい。来店した遊技客が仮会員であり、本会員の会員データと重複している可能性がある場合には、本会員への移行をすすめる等、重複登録を疑っていることを遊技客に悟られることなく、重複登録の解消を図ることができるためである。
【0127】
次に、会員管理装置150の処理手順について説明する。
図20は、会員管理装置150の処理手順を示すフローチャートである。
図20に示すように、会員管理装置150は、遊技客を本会員又は仮会員として登録し(ステップS701)、会員カードIDの利用履歴を台間カード処理機110等から収集して、利用履歴データ54cを生成する(ステップS702)。
【0128】
会員管理装置150の候補判定部55hは、利用履歴データ54cから重複候補を抽出し(ステップS703)、会員データの重複候補フラグを更新し(ステップS704)、処理を終了する。
【0129】
次に、重複登録した可能性のある遊技客の来店時の処理手順を説明する。
図21は、重複登録した可能性のある遊技客の来店時の処理手順を示すフローチャートである。台間カード処理機110は、会員カード1又は携帯端末装置2から会員カードIDを読み取ると(ステップS801;Yes)、読み取った会員カードIDを会員管理装置150に送信して(ステップS803)、通常処理を行う(ステップS803)。通常処理とは、遊技客の操作に基づくパチンコ玉の貸出等であり、遊技客は通常通り遊技を行うことができる。
【0130】
会員管理装置150は、台間カード処理機110から会員カードIDを受信すると(ステップS901;Yes)、該会員カードIDに対応付けられた重複候補フラグを読み出す(ステップS902)。
【0131】
重複フラグの値が「1」である場合には(ステップS903;Yes)、会員管理装置150は、店員に報知する(ステップS904)。ステップS904終了後、若しくは重複候補フラグが「1」ではない場合(ステップS903;No)、会員管理装置150は通常処理を行って(ステップS905)、処理を終了する。
【0132】
上述してきたように、本実施例2に係る遊技システムは、会員登録された会員が所持する会員カード1又は会員カードとして利用する携帯端末装置2の会員カードIDと該会員に関する情報とを対応づけて会員データベース54bにより管理し、会員カードIDの利用履歴を利用履歴データ54cとして管理し、利用履歴データ54cに基づいて同一人物により重複登録された可能性があるか否かを判定し、重複登録の可能性がある重複登録候補と判定された複数の会員カードIDのいずれかが検知された場合に報知するよう構成したので、同一人物による重複登録を効率良く検出することができる。
【0133】
また、通常の会員に比べ少ない情報量で会員登録された仮会員による利用履歴に基づいて、前記重複登録の候補が存在するか否かを判定することで、仮会員登録を利用した重複登録を検出することができる。
【0134】
また、利用履歴データに含まれる利用日時の一致度に基づいて、同一人物による重複登録の可能性を判定するので、登録された項目が異なる場合であっても重複登録を検出することができる。
【0135】
また、重複登録候補とされた会員カードIDに対応する遊技客が来店した旨を店員に対して報知することにより、遊技客に不快感を与えることなく重複登録の解消を試みることができる。
【0136】
なお、本実施例2では、利用履歴データとして会員カードIDと日付とを対応付けて管理し、日付の一致度に基づいて重複候補を抽出する場合を説明したが、本発明の利用はこれに限定されるものではない。例えば、会員カードIDを読み取った時刻を会員カードIDと対応付けて管理し、所定時間(例えば10分)以内に読み取った会員カードIDの組み合わせを対象に、重複登録の可能性を判定しても良い。すなわち、ある会員カードIDの組み合わせが10分以内に読み取られる状況が、所定期間内で所定回数以上発生した場合に重複登録の可能性があると判定する。また、ある会員カードIDの組み合わせが10分以内に読み取られる状況の発生数を来店数で除算して重複率を算定しても良い。さらに、会員カードIDの読み取りが同一の装置で行われた場合には、重複の可能性がより高いと判定できる。また、滞在時間が短い場合や貯玉の増減がないなど、来店ポイントのみを取得していると考えられる場合にも重複の可能性がより高いと判定できる。
【0137】
なお、本実施例2では、台間カード処理機110により読み取られた会員カードIDに重複候補フラグ「1」が設定されている場合に、店員に対して報知を行う例を説明したが、計数機80、精算機60、景品管理装置70等により読み取られた会員カードIDに重複候補フラグ「1」が設定されている場合にも店員に対して報知を行うことができる。
【0138】
なお、上述の実施例1及び2では、遊技機として遊技球を用いるパチンコ遊技機を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、遊技機が遊技球を用いる回胴式遊技機および遊技メダルを用いる回胴式遊技機であっても適用することができる。つまり、回胴式遊技機においては、上記実施例における特定の遊技領域を遊技球が通過したことによる「入賞」の信号に代えて、複数の回胴上の図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせがライン上に揃ったことによる「入賞」の信号を各台間カード処理機が受信して処理を行うことで構成が実現できる。
【0139】
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。