特許第5965624号(P5965624)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965624
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】自動車用インバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20160728BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   H02M7/48 ZZHV
   B60L9/18 J
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-260594(P2011-260594)
(22)【出願日】2011年11月29日
(65)【公開番号】特開2013-39017(P2013-39017A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年7月30日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0079529
(32)【優先日】2011年8月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】申 東 敏
(72)【発明者】
【氏名】全 禹 勇
(72)【発明者】
【氏名】劉 仁 ピル
(72)【発明者】
【氏名】朴 亨 ジュン
(72)【発明者】
【氏名】金 ジュン 煥
(72)【発明者】
【氏名】尹 盛 俊
(72)【発明者】
【氏名】金 ミン 智
(72)【発明者】
【氏名】尹 在 勳
(72)【発明者】
【氏名】朱 正 弘
【審査官】 仲村 靖
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−312866(JP,A)
【文献】 特開2007−014085(JP,A)
【文献】 特開平11−136960(JP,A)
【文献】 特開2004−274959(JP,A)
【文献】 特開2008−029093(JP,A)
【文献】 特開2002−034268(JP,A)
【文献】 特開2003−199294(JP,A)
【文献】 特開2004−266973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
B60L 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換スイッチング素子からなるパワーモジュール、前記パワーモジュールに結合され、冷却水を流通させる冷却モジュール、マウンティングユニットを通じて前記冷却モジュールに装着され、前記パワーモジュールによるリップル電流を吸収するキャパシタモジュールを含む自動車用のインバータであって、
前記パワーモジュール、冷却モジュール、及びキャパシタモジュールが予め結合されてモジュールアセンブリーを構成し、前記モジュールアセンブリーがケースの内部に装着され、前記ケースが、上端と下端が開放された形態で構成され、
前記モジュールアセンブリーの冷却モジュールの冷却プレートが、前記ケースの下部開放端を通じて前記ケースの下段部内壁面に結合されることを特徴とする自動車用インバータ。
【請求項2】
前記冷却モジュールは、その周縁部分に一体に形成され前記ケースに結合され得る少なくとも一つの第1結合突起を含み、
前記ケースは、その下段部内壁面に一体に形成され、前記第1結合突起にボルトにより結合され得る第2結合突起を含むことを特徴とする請求項に記載の自動車用インバータ。
【請求項3】
前記パワーモジュールと冷却モジュールはボルトを通じて結合されることを特徴とする請求項1に記載の自動車用インバータ。
【請求項4】
前記マウンティングユニットは、
前記冷却モジュールの周縁部分に一体に形成される少なくとも一つのマウンティングボスと、
前記マウンティングボスに対応して前記キャパシタモジュールに一体に形成される少なくとも一つのレッグと、
前記マウンティングボスとレッグを締結する締結部材と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の自動車用インバータ。
【請求項5】
前記冷却モジュールは、冷却媒体の流入のための流入口と冷却媒体の排出のための流出口をさらに含み、
前記ケースには、前記流入口と流出口が挿入される一対の結合口が形成されることを特徴とする請求項に記載の自動車用インバータ。
【請求項6】
前記キャパシタモジュールは、前記冷却モジュールに結合された状態でバスバーを通じて前記パワーモジュールと電気的に連結されることを特徴とする請求項1に記載の自動車用インバータ。
【請求項7】
請求項1に記載の自動車用インバータの製造方法であって、
パワーモジュールと冷却モジュールとを結合する段階と、
前記冷却モジュールにキャパシタモジュール結合してモジュールアセンブリーを形成する段階と、
前記モジュールアセンブリーを前記ケースに収容する段階と
前記冷却モジュールをケースに結合する段階と、
この順に含むことを特徴とする自動車用インバータの製造方法
【請求項8】
前記モジュールアセンブリーは、前記パワーモジュール、冷却モジュール、及びキャパシタモジュールが結合された状態で前記ケースの内部に装着されることを特徴とする請求項7に記載の自動車用インバータの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車または燃料電池自動車に使用されるインバータシステムに係り、より詳しくは、パワーモジュールとキャパシタモジュールの組立構造を改善した自動車用インバータに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、グリーンエネルギーへの関心が高まる中、内燃機関自動車を代替する未来型自動車としてハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などが脚光を浴びている。
【0003】
このようなハイブリッド自動車と電気/燃料電池自動車は動力源としてエンジンと高出力モータが適用されている。
【0004】
そして、ハイブリッド自動車と電気/燃料電池自動車は、内部的に生産された電気エネルギーを利用してバッテリーまたは燃料電池を充電したり、バッテリーまたは燃料電池で発生する高電圧の直流電源を使用するためにインバータシステムを採用している。前記インバータシステムは、バッテリーまたは燃料電池で発生する高電圧の直流電源をU、V、W相の3相交流電源に変換する。
【0005】
インバータシステムは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のような電力変換スイッチング素子からなるパワーモジュールと、前記パワーモジュールの電力変換スイッチング素子のスイッチング作動によるリップル電流(Ripple Current)を吸収するキャパシタモジュールを備えている。
【0006】
このようなキャパシタモジュールは、バスバー(busbar)を通じてインバータの入力段である高電圧DC入力端およびパワーモジュールと電気的に連結されている。
【0007】
従来技術でパワーモジュールとキャパシタモジュールはケースの内部に別個に装着されるが、これはキャパシタモジュールが比較的大きい重量を有するため、プラスチック材質からなるパワーモジュールでキャパシタモジュールを支持するための構造的剛性を確保することが難しいためである。
【0008】
また、従来技術でパワーモジュールとキャパシタモジュールがケースの内部に別個に装着されるため、パワーモジュールとキャパシタモジュールを電気的に連結するためにケースにはバスバーを設置するための別途の組立ホールを形成している。
【0009】
つまり、従来技術では、ケースの組立ホールを通じてパワーモジュールとキャパシタモジュールを電気的に連結するバスバーを設置する。
【0010】
しかし、従来技術では、ケースにバスバーを設置するための組立ホールを形成するため、その組立ホールを塞ぐために別途のカバー、ボルト、シーラントなどを必要とする。したがって、全体の組立工程数および部品数が増加し、これによって製作コストと重量が増加する。
【0011】
また、従来技術では、パワーモジュールとキャパシタモジュールをケースの内部に個別に装着するため、組立性が低下する。
【0012】
そして、従来技術では、ケースの組立ホールを塞ぐためのカバーと、カバーの防水シーリングのためのシーラントを必要とするため、防水に対するリスクが増加し、品質が低下する。
(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−182898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、構造的剛性を確保しながらパワーモジュールとキャパシタモジュールを一体化でき、パワーモジュールとキャパシタモジュールを電気的に連結するためのケースの組立ホールおよびその組立ホールを塞ぐためのカバーなどを削除することができるようにした自動車用インバータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような目的を達成するための本発明の一または複数の実施例による自動車用インバータは、電力変換スイッチング素子からなるパワーモジュール、パワーモジュールに結合され、冷却水を流通させる冷却モジュールと、マウンティングユニットを通じて冷却モジュールに装着され、パワーモジュールによるリップル電流を吸収するキャパシタモジュールと、を含む自動車用のインバータであって、
パワーモジュール、冷却モジュール、及びキャパシタモジュールが予め結合されてモジュールアセンブリーを構成し、モジュールアセンブリーがケースの内部に装着され、ケースが、上端と下端が開放された形態で構成され、モジュールアセンブリーの冷却モジュールの冷却プレートが、ケースの下部開放端を通じてそのケースの下段部内壁面に結合されることを特徴とする。
【0016】
前記パワーモジュール、冷却モジュール、およびキャパシタモジュールが予め結合されてモジュールアセンブリーを構成し、前記モジュールアセンブリーをケースの内部に装着することを特徴とする。
【0017】
前記パワーモジュールと冷却モジュールはボルトを通じて結合されることを特徴とする。
【0018】
前記マウンティングユニットは、前記冷却モジュールの周縁部分に一体に形成される少なくとも一つのマウンティングボス、前記マウンティングボスに対応して前記キャパシタモジュールに一体に形成される少なくとも一つのレッグ、および前記マウンティングボスとレッグを締結する締結部材を含むことを特徴とする。
【0019】
前記冷却モジュールは、冷却媒体の流入のための流入口と冷却媒体の排出のための流出口をさらに含み、前記ケースには、前記流入口と流出口が挿入される一対の結合口が形成されることを特徴とする。
【0020】
前記ケースは、上端と下端が開放された形態で構成されることを特徴とする。
【0021】
前記モジュールアセンブリーは、前記ケースの下部開放端を通じてそのケースの下段部内壁面に結合されることを特徴とする。
【0022】
前記冷却モジュールは、その周縁部分に一体に形成され、前記ケースに結合され得る少なくとも一つの第1結合突起を含み、前記ケースは、その下段部内壁面に一体に形成され、前記第1結合突起にボルトにより結合され得る第2結合突起を含むことを特徴とする。
【0023】
前記キャパシタモジュールは、前記冷却モジュールに結合された状態でバスバーを通じて前記パワーモジュールと電気的に連結されることを特徴とする。
【0024】
また本発明の自動車用インバータの製造方法は、パワーモジュールと冷却モジュールとを結合する段階と、前記冷却モジュールにキャパシタモジュール結合してモジュールアセンブリーを形成する段階と、前記モジュールアセンブリーを前記ケースに収容する段階と、前記冷却モジュールをケースに結合する段階と、をこの順に含むことを特徴とする。
【0025】
前記モジュールアセンブリーは、前記パワーモジュール、冷却モジュール、およびキャパシタモジュールが結合された状態で前記ケースの内部に装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例による自動車用インバータの構造は、全体部品数、組立工程数およびコスト、重量を減らすことができ、シーリング部位を減らし防水に対するリスクを減らして、組立性および品質をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例による自動車用インバータを示した斜視図である。
図2】本発明の実施例による自動車用インバータの一部分解斜視図である。
図3】本発明の実施例による自動車用インバータの平面図である。
図4】本発明の実施例による自動車用インバータの側面図である。
図5】本発明の実施例による自動車用インバータに適用されるモジュールアセンブリーを示した分解斜視図である。
図6】本発明の実施例による自動車用インバータに適用されるモジュールアセンブリーを示した平面図である。
図7】本発明の実施例による自動車用インバータに適用されるモジュールアセンブリーを示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野の当業者が容易に実施することができるよう詳しく説明する。
【0029】
本発明は多様な異なる形態で具現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。また、添付図面は、本発明の例示的な実施例を説明する際に参照するためのものであり、本発明の技術的な思想を添付図面に限定して解釈してはならない。
【0030】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体を通して同一または類似する構成要素については同一の参照符号を付した。
【0031】
また、図面に示した各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したに過ぎず、本発明が図面に示した多くの部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0032】
図1は、本発明の実施例による自動車用インバータを示した斜視図であり、図2は、本発明の実施例による自動車用インバータの一部分解斜視図であり、図3は、本発明の実施例による自動車用インバータの平面図であり、図4は、本発明の実施例による自動車用インバータの側面図である。
【0033】
図1乃至図4を参照すれば明らかのとおり、本発明の実施例による自動車用インバータ100は、動力源としてエンジンと高出力モータが適用されるハイブリッド自動車または電気/燃料電池自動車に適用される。
【0034】
本明細書では、前記インバータ100がバッテリー電源の印加を受けて高出力モータを駆動する通常のハイブリッドおよび電気自動車に適用されるものを例示する。
【0035】
前記インバータ100は、高出力モータを制御するためにバッテリーで発生する高電圧直流電源をU、V、W相の3相交流電源に変換する電力変換システムである。
【0036】
本発明の実施例による前記自動車用インバータ100の構造は、全体部品数、組立工程数およびコスト、重量を減らすことができ、シーリング部位を減らして防水に対するリスクを減少できるので、組立性および品質をさらに向上することができる。
【0037】
このために、本発明の実施例による前記自動車用インバータ100は、基本的に主要構成部品が一体に結合したモジュールアセンブリー10と、前記モジュールアセンブリー10を収容するケース20を含む。
【0038】
本発明の実施例において、前記モジュールアセンブリー10は、インバータ100の主要構成部品としてパワーモジュール30、冷却モジュール50、およびキャパシタモジュール70を含む。
【0039】
このような前記モジュールアセンブリー10に対するパワーモジュール30、冷却モジュール50、およびキャパシタモジュール70の結合構造を図1乃至図7を参照してより詳しく説明する。
【0040】
前記パワーモジュール30は、電力変換スイッチング素子(例えば、IGBT)であり、プラスチック素材からなり、キャパシタモジュール70と電気的に連結される。
【0041】
前記冷却モジュール50は、パワーモジュール30およびキャパシタモジュール70で発生する熱を冷却水のような冷却媒体で冷却するためのものであり、パワーモジュール30と一体に結合される。
【0042】
パワーモジュール30と共にキャパシタモジュール70が装着されるので、熱放出が容易なアルミニウム素材からなる冷却モジュール50は、冷却媒体を循環させてパワーモジュール30およびキャパシタモジュール70から発生する熱を冷却することができる。
【0043】
前記冷却モジュール50は、内部に冷却媒体の流れを可能にする流路(図示せず)が具備されたほぼ四角形状の冷却プレート51を含む。
【0044】
ここで、前記冷却プレート51は、ボルト53などを通じてパワーモジュール30に結合される。
【0045】
前記冷却プレート51には、前記流路と連結され、その流路に冷却媒体の流入する流入口55と、前記流路から冷却媒体を排出する流出口57が形成されている。前記流入口55と流出口57は、冷却プレート51の一側周縁部分に突出して形成される。
【0046】
そして、前記冷却プレート51の他の周縁部分には、ケース20の内壁面に結合される複数の第1結合突起59が互いに離隔して形成される。
【0047】
前記第1結合突起59には、ボルト53が結合される第1ボルトホール59aが形成される。前記冷却プレート51は、第1結合突起59の第1ボルトホール59aにボルト53が挿入されてケース20の内壁面に締結される。
【0048】
前記キャパシタモジュール70は、パワーモジュール30の電力変換スイッチング素子によるリップル電流(Ripple Current)を吸収するためのものであり、リップル電流を吸収してDC入力電圧の急激な変動を抑制する平滑作用を行う。
【0049】
前記キャパシタモジュール70は、複数の単位モジュール(図示せず)がアルミニウム素材のハウジング71に内蔵された構造からなる。前記キャパシタモジュール70は、インバータの正常的な動作を可能にし、高電圧バッテリーの耐久寿命を増大させる役割を果たす。
【0050】
このようなキャパシタモジュール70のハウジング71は、マウンティングユニット90を通じて冷却モジュール50の冷却プレート51と結合される。
【0051】
ここで、前記キャパシタモジュール70のハウジング71は、マウンティングユニット90を通じて冷却モジュール50に結合され、マウンティングユニット90によりパワーモジュール30の上面で離隔して冷却モジュール50に結合される。
【0052】
つまり、前記冷却モジュール50の冷却プレート51は、マウンティングユニット90を通じてキャパシタモジュール70と結合し比較的重量が大きいキャパシタモジュール70を支持する。
【0053】
本発明の実施例において、前記マウンティングユニット90は、冷却プレート51の周縁から一体として一定の長さだけ突出して形成される複数のマウンティングボス91と、そのマウンティングボス91に対応してキャパシタモジュール70のハウジング71から一体として突出形成される複数のレッグ93を含む。
【0054】
前記マウンティングボス91は、比較的重量が大きいキャパシタモジュール70を実質的に支持するものであり、キャパシタモジュール70を支持できる構造的剛性を有し、冷却プレート51の周縁部分において垂直方向に長く形成される。前記マウンティングボス91は垂直方向に沿って締結溝92が形成されている。
【0055】
そして、前記レッグ93は、ハウジング71の下段部周縁で外側に突出して形成され、マウンティングボス91の締結溝92に対応する締結ホール94が形成されている。
【0056】
ここで、前記マウンティングユニット90は、冷却プレート51のマウンティングボス91とキャパシタモジュール70のレッグ93とを締結するための締結部材95をさらに含む。前記締結部材95として、レッグ93の締結ホール94を貫通してマウンティングボス91の締結溝92にねじ結合されるボルトが備えられる。
【0057】
一方、前記のようなパワーモジュール30とキャパシタモジュール70はバスバー80を通じて電気的に連結される。
【0058】
このようなバスバー80は、パワーモジュール30のスイッチングによるリップル電流をキャパシタモジュール70に供給するものであり、(+)(−)のバスプレートを通じてパワーモジュール30とキャパシタモジュール70を電気的に連結する。
【0059】
前記バスバー80は、ボルト53を通じて、パワーモジュール30とキャパシタモジュール70を電気的に連結する。
【0060】
このために、前記キャパシタモジュール70のハウジング71には、ボルト53でバスバー80の(+)(−)バスプレートを固定するための固定ブロック75が突出している。
【0061】
本発明の実施例において、前記ケース20は、図1乃至図4に示したように、パワーモジュール30、冷却モジュール50、およびキャパシタモジュール70を一体に結合したモジュールアセンブリー10を収容および装着するためのものである。
【0062】
前記ケース20は、モジュールアセンブリー10を収容するための収容空間を有する直四角形態で構成され、モジュールアセンブリー10の冷却モジュール50に結合される。
【0063】
前記ケース20は、上端と下端が開放された形態で構成され、モジュールアセンブリー10は、ケース20の下部開放端を通じてケース20の下段部内壁面に結合される。
【0064】
つまり、冷却モジュール50の冷却プレート51がケース20の下段部内壁面に結合される。
【0065】
ここで、前記ケース20の下段部内壁面の各角部には冷却プレート51の第1結合突起59とボルト53により結合される第2結合突起25が形成される。前記第2結合突起25には、ボルト53が結合される第2ボルトホール25aが形成される。
【0066】
したがって、第1結合突起59の第1ボルトホール59aと第2結合突起25の第2ボルトホール25aとが一致した状態で第1および第2ボルトホール59a、25aにボルト53が締結され、前記冷却モジュール50の冷却プレート51はケース20の下段部内壁面に結合される。
【0067】
そして、前記ケース20には、冷却プレート51の流入口55と流出口57が挿入される一対の結合口21が形成されている。
【0068】
次に、前記のように構成される本発明の実施例による自動車用インバータ100の組立過程を図面を参照して詳しく説明する。
【0069】
まず、本発明の実施例ではボルト53などを利用して冷却プレート51にパワーモジュール30を結合する。前記パワーモジュール30は、プラスチック素材からなり、冷却プレート51の上面に結合される。
【0070】
その後、キャパシタモジュール70のハウジング71を冷却モジュール50の冷却プレート51に装着する。この時、ハウジング71のレッグ93を冷却プレート51のマウンティングボス91に載置し、レッグ93の締結ホール94とマウンティングボス91の締結溝92とを一致させる。
【0071】
このような状態で、レッグ93の締結ホール94にボルトのような締結部材95を結合すると、その締結部材95がマウンティングボス91の締結溝92に締結されることによって、キャパシタモジュール70のハウジング71を冷却プレート51に装着できる。
【0072】
この場合、前記キャパシタモジュール70のハウジング71は、マウンティングボス91によりパワーモジュール30の上面から離隔して冷却プレート51に結合される。
【0073】
したがって、前記キャパシタモジュール70は、マウンティングボス91を通じて冷却プレート51に結合されるので、前記モジュールアセンブリー10は比較的重量が大きいキャパシタモジュール70を支持する構造的剛性を確保できる。
【0074】
その後、パワーモジュール30に連結されたバスバー80をボルト53を利用してキャパシタモジュール70の固定ブロック75に固定する。これによって、パワーモジュール30とキャパシタモジュール70は、バスバー80を通じて電気的に連結される。
【0075】
パワーモジュール30が結合された冷却モジュール50にキャパシタモジュール70を装着することによって、パワーモジュール30、冷却モジュール50およびキャパシタモジュール70が一体に結合されたモジュールアセンブリー10を構成できる。
【0076】
その後、モジュールアセンブリー10をケース20の下部開放端を通じてケース20の内部に配置し、冷却モジュール50の流入口55と流出口57をケース20の結合口21に結合する。
【0077】
冷却プレート51の第1結合突起59の第1ボルトホール59aとケース20の第2結合突起25の第2ボルトホール25aとを一致させた状態で、第1、2ボルトホール59a、25aにボルト53を締結することによって冷却プレート50をケース20の下段部内壁面に結合する。
【0078】
ケース20に対するモジュールアセンブリー10の組立が完了すると、上部蓋(図示せず)をケース20の上段部に結合し、下部蓋(図示せず)をケース20の下段部に結合する。これにより、本発明実施例によるインバータ100の組立が完了する。
【0079】
前述した通り、本発明の実施例による自動車用インバータ100は、パワーモジュール30が冷却モジュール50に結合され、キャパシタモジュール70がマウンティングユニット90を通じて冷却モジュール50に装着され、パワーモジュール30、冷却モジュール50およびキャパシタモジュール70が一体化したモジュールアセンブリー10がケース20に装着される構造である。
【0080】
したがって、本発明の実施例では、別個に装着されたパワーモジュールとキャパシタモジュールを電気的に連結するバスバーを設置するための組立ホールがケースに形成される従来技術とは異なり、ケース20にバスバー80を設置するための別途の組立ホールおよびその組立ホールを塞ぐためのカバー、ボルト、シーラントなどを要としない。
【0081】
したがって、全体組立工程数および部品数を減少することができ、製作コストと重量を減少することができる。
【0082】
また、本発明の実施例では、パワーモジュール30とキャパシタモジュール70を冷却モジュール50に別途で組み立て、これらを組み立てたモジュールアセンブリー10をケース20に装着するため、組立性が向上する。
【0083】
また、本発明の実施例では、ケースの組立ホールを塞ぐためのカバーと、カバー防水のためのシーラントを必要としないので、防水に対するリスクを減少することができ、品質をさらに向上させることができる。
【0084】
以上で本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、技術的範囲内で多様に変形して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、ハイブリッド自動車または燃料電池自動車に使用されるインバータシステムの組立構造の分野に適用できる。
【符号の説明】
【0086】
10 モジュールアセンブリー
20 ケース
21 結合口
25 第2結合突起
25a 第2ボルトホール
30 パワーモジュール
50 冷却モジュール
51 冷却プレート
53 ボルト
55 流入口
57 流出口
59 第1結合突起
59a 第1ボルトホール
70 キャパシタモジュール
71 ハウジング
75 固定ブロック
80 バスバー
90 マウンティングユニット
91 マウンティングボス
92 締結溝
93 レッグ
94 締結ホール
95 締結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7