特許第5965629号(P5965629)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965629
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】魚釣用電動リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/017 20060101AFI20160728BHJP
   A01K 89/015 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   A01K89/017
   A01K89/015 H
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-270924(P2011-270924)
(22)【出願日】2011年12月12日
(65)【公開番号】特開2013-121340(P2013-121340A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2014年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】城 英樹
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−178345(JP,A)
【文献】 特開2005−204567(JP,A)
【文献】 特開平09−154446(JP,A)
【文献】 特開2004−180528(JP,A)
【文献】 特開2000−139293(JP,A)
【文献】 特開平08−214742(JP,A)
【文献】 特開平04−325044(JP,A)
【文献】 米国特許第04515324(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/00 − 89/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体の左右側板間に設けられ、釣糸が巻回されるスプールと、
前記リール本体のスプール前方側に設けられ、スプールを回転駆動する駆動モータと、
前記左右側板間に設置され、前記スプールに対して釣糸を均等に案内するレベルワインド機構と、
を有する魚釣用電動リールであって、
前記レベルワインド機構は、釣糸巻き取り時に回転駆動されるウォームシャフトと、前記ウォームシャフトに係合し、釣糸を挿通する釣糸導通孔を具備した釣糸案内体と、
前記釣糸案内体を摺動可能に保持するピラーと、
を備え、
前記ウォームシャフトは、その軸芯が、前記リール本体の前後方向において、前記駆動モータとスプールとの間に位置すると共に、前記駆動モータのケース上端より低い位置となるように配置されており、
前記釣糸案内体は、釣糸導通孔の下面後端が、前記ウォームシャフトの軸芯よりも前方となるように配置されており、
前記ピラーは少なくとも二つあり、各ピラーは前記ウォームシャフトの軸芯を中心として対向する配置関係にある
ことを特徴とする魚釣用電動リール。
【請求項2】
前記レベルワインド機構は、クラッチ機構をOFF操作して前記スプールがフリー回転可能状態において、スプールの回転に応じて駆動されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
【請求項3】
前記リール本体を側面視した際、前記釣糸導通孔の下面後端からスプールの釣糸巻回胴部の外周に接する線分と水平線との成す角を、4°以上22°以下に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用電動リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用電動リールに関し、特に、駆動モータ、スプール、レベルワインド機構の配置形態に特徴を有する魚釣用電動リールに関する。
【背景技術】
【0002】
船釣り等、一般的に深場の魚層を対象とした魚釣りを行なう場合、魚釣用電動リール(以下では、電動リールとも称する)が多用されている。この種の電動リールは、リール本体に、スプールを巻き取り駆動する駆動モータを組み込んでおり、スプールの充分な糸巻き容量とリール全体の小型化を図るため、例えば、特許文献1に見られるように、駆動モータをスプールの内部ではなく、スプール前方のリール本体の側板間に配置した筒状の収容部内に収容保持した構成(スプールアウトタイプ)が知られている。
【0003】
このような電動リールは、仕掛けの放出から巻き取りに至るまでの作業を、釣竿が船縁の竿掛けに置かれたままの状態で行なう通常の実釣形態に鑑み、比較的大型に構成されたものも多いが、最近では、手持ち状態でリール操作が行なえるように、よりコンパクト化された構成も製品化されている。例えば、特許文献2には、リール本体の前後方向をコンパクト化するように、駆動モータや、レベルワインド機構の配置形態に特徴を有する電動リールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−204567号
【特許文献2】特開2008−178345号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電動リールには、コンパクト化が求められるだけでなく、同時に大きな巻上力(モータ出力)も求められ、更には、仕掛けの落下速度も求められる。特に小型で高性能の電動リールでは、リールサイズを小型化しつつ大出力の比較的大型のモータを必要とする、いわば相反する要件を同時に満たす必要があるが、この要件をクリアするのは現実的に難しいという問題がある。
【0006】
すなわち、リール本体をコンパクト化するにあたっては、リール本体の前後方向(竿軸方向)のコンパクト化と同時に、高さ方向のコンパクト化(ロープロファイル化)も求められるが、大きな巻上力(モータ出力)のために大きな駆動モータ(大きな断面積)が必要となる場合には、必然的に、駆動モータのハウジング(駆動モータ自体のケース部または駆動モータを収容するリール本体部分)と、スプールから繰り出される釣糸の糸道との間にスペースを確保することが難しくなってしまい、結果として、スプールから繰り出される釣糸と駆動モータのハウジングとの干渉を防止するために、レベルワインド機構のラインガイド(釣糸案内体の釣糸導通孔)を高い位置にする必要が生じてしまう。ところが、ラインガイドの上部には、モータ制御ケースが配設されており、その制御ケースの下面と干渉が生じることから、高さ方向のコンパクト化(ロープロファイル化)を図ることが困難となる。
【0007】
また、ラインガイドを高い位置にすると、仕掛け放出時(落下時)に釣糸がラインガイド部分で大きく屈折して抵抗が増加するようになり、ある程度の深さになると、仕掛け落下速度が遅くなるという問題も生じる。特にスプール内に駆動モータを収容しないタイプは、駆動モータのスペース分を糸巻量に利用するため、釣糸巻回胴部の外径は小さく、釣糸が放出されるにしたがって屈折角度がより大きくなって抵抗が増加してしまう。
【0008】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、コンパクトなリールサイズに比して大型の駆動モータを組み合わせても、仕掛けの落下速度の向上が図れる魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体の左右側板間に設けられ、釣糸が巻回されるスプールと、前記リール本体のスプール前方側に設けられ、スプールを回転駆動する駆動モータと、前記左右側板間に設置され、前記スプールに対して釣糸を均等に案内するレベルワインド機構と、前記釣糸案内体を摺動可能に保持するピラーと、を有しており、前記レベルワインド機構は、釣糸巻き取り時に回転駆動されるウォームシャフトと、前記ウォームシャフトに係合し、釣糸を挿通する釣糸導通孔を具備した釣糸案内体と、を備え、前記ウォームシャフトは、その軸芯が、前記リール本体の前後方向において、前記駆動モータとスプールとの間に位置すると共に、前記駆動モータのケース上端より低い位置となるように配置されており、前記釣糸案内体は、釣糸導通孔の下面後端が、前記ウォームシャフトの軸芯よりも前方となるように配置されており、前記ピラーは少なくとも二つあり、各ピラーは前記ウォームシャフトの軸芯を中心として対向する配置関係にある、ことを特徴とする。
【0010】
上記した構成の魚釣用電動リールでは、レベルワインド機構を構成するウォームシャフトについて、その軸芯が、リール本体の前後方向において、駆動モータとスプールとの間に位置し、かつ、駆動モータのケース上端より低い位置となるように配置したことで、レベルワインド機構の内、実際に釣糸を案内する部分(釣糸導通孔)以外の大部分を駆動モータとスプールとの間のスペースに収容することが可能となる。そして、前記釣糸案内体は、釣糸導通孔の下面後端が、ウォームシャフトの軸芯よりも前方となるように配置されているため、高さ方向のスペースを小さくしながら、側面視において、前記釣糸導通孔の下面後端からスプールの釣糸巻回表面の外周(ある一定量釣糸が引き出された状態での外周)に接する線分と水平線との成す角を小さくすることが可能となる。これにより、釣糸を放出する際の釣糸導通孔部分での釣糸の屈折角度が小さくなり、ガイド摩擦抵抗が軽減されて、仕掛けの落下速度の向上が図れるようになる。
【0011】
なお、上記した構成において、駆動モータは、空洞部を有するモータケース内に磁石及び電機子等を収容したいわゆるユニット構造の他、リール本体の構成部材そのものに凹所を形成し、この凹所部分にモータケースとしての機能を持たせたもの(いわゆるビルトインタイプ)であっても良い。この場合、上記した駆動モータのケース上端とは、駆動モータを構成している部分、すなわち、駆動モータの構成要素である磁石、電機子等を収容するように形成されているハウジング部分(リール本体と一体化された部分、或いは、リール本体内に組み込まれたモータケース部分)の内、最も上端となる位置によって定義される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンパクトなリールサイズに比して大型の駆動モータを組み合わせても、仕掛けの落下速度の向上が図れる魚釣用電動リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
図2図1に示した魚釣用電動リールの内部駆動機構をハンドル側の側方から見た概略図。
図3】スプールとレベルワインド機構との間に設置される動力伝達機構を示す図。
図4図1のA−A線に沿う断面図。
図5図4の拡大図であり、スプールに巻回される釣糸の糸道を説明する図。
図6】釣糸案内体の変形例を示す図。
図7】本発明の第2の実施形態に係る魚釣用電動リールを示す断面図。
図8】本発明の第3の実施形態に係る魚釣用電動リールを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る魚釣用電動リールの実施形態について説明する。
図1から図5は本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は平面図、図2は内部駆動機構(特にクラッチ機構)をハンドル側の側方から見た概略図、図3はスプールとレベルワインド機構との間に設置される動力伝達機構を示す図、図4図1のA−A線に沿う断面図、そして、図5図4の拡大図であり、スプールに巻回される釣糸の糸道を説明する図である。
なお、以下の説明において、前後方向、左右方向、上下方向は、図1及び図2に記載の方向と定義する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る魚釣用電動リール1は、左右のフレーム3a,3bに左右カバー4a,4bを取着して構成される左右側板5A,5Bを具備したリール本体5を有している。リール本体5を構成する一方の側板(右側板5B)側には、巻取り操作される手動ハンドル6が設けられており、左右側板5A,5B間には、釣糸が巻回されるスプール7が、支軸であるスプール軸7a(図4参照)を中心に回転可能に支持されている。また、本実施形態では、図4及び図5に示すように、スプール7の前方側における左右側板5A,5B間に駆動モータ8を保持しており、スプール7は、手動ハンドル6の巻取り操作および駆動モータ8の回転駆動によって、動力伝達機構10を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。
【0016】
なお、駆動モータ8をスプール7の前方に設置することで、スプール7の糸巻き容量を確保しつつ、リール本体5を可及的にコンパクト化することが可能となる。前記動力伝達機構10については、駆動モータ8の回転駆動力を減速してスプール7側に伝達する機能(減速機構102および伝達ベルト103などによって果たされる)、駆動モータ8が回転駆動しても手動ハンドル6を連れ回しさせない機能や手動ハンドル6の逆回転を防止する機能(ラチェット104を含む)などを備えた公知のものによって構成することが可能である。また、そのような動力伝達機構10については、左側板5A側に配設されていても良いし、右側板5B側に配設されていても良く、或いは、左右側板それぞれに振り分けて配設されていても良い。なお、図1において、符号116は、ハンドル6に結合されたハンドル軸、符号118は、ハンドル軸116に回転可能に支持されたドライブギヤ、符号120は、ドライブギヤ118に噛合するピニオンであり、これらは前述した動力伝達機構10を構成する。また、図1において、符号125は、魚釣時にスプール7から釣糸が繰り出された際にスプール7の回転にドラグ力を付与する公知のドラグ機構であり、リール本体5とハンドル6との間には、ドラグ機構125によるドラグ力の調整を行なうための星型のドラグ調整ノブ(スタードラグ)139が設けられている。
【0017】
また、スプール7の前方の左右側板5A,5B間には、スプール7に対して釣糸を均等に案内する機能を備えたレベルワインド機構140が設置されている。さらに、リール本体5を構成する左右側板5A,5B間のスプール7の上方には、駆動モータ8を制御する制御部100(制御基板100A,100Bを有する)を収容した箱型の制御ケース15が配設されている。本実施形態の制御ケース15は、リール本体を構成する左右側板5A,5Bの表面と面一状になるように構成されており、前後方向の長さ寸法が左右方向の長さ寸法よりも長く設定されている。
【0018】
また、リール本体5内には、前記ピニオン120を軸方向に移動させてスプール7を釣糸巻き取り状態/フリー回転状態に切り換える公知のクラッチ機構17(図2参照)が配置されている。このクラッチ機構17は、前記動力伝達機構10に介在されて手動ハンドル6および駆動モータ8からの動力伝達を継脱する機能を備えており、本実施形態では、右側板5B側に設置されている。このクラッチ機構17を構成するクラッチプレート17aには、動力伝達をON状態からOFF状態に切り換えるクラッチOFF切換部材18と、動力伝達をOFF状態からON状態に切り換えるクラッチON切換部材19が係合している。
【0019】
本実施形態におけるクラッチOFF切換部材18は、スプール7をサミングしながら操作が可能となるように、スプール7の後方側の左右側板5A,5B間に橋設された構成となっており、図4に示す状態から、その表面となる操作部18aに親指を載置して下方に押し下げ操作することで、クラッチ機構17をON状態からOFF状態に切り換えるよう構成されている。このクラッチOFF切換部材18は、図2に示される振り分け保持バネ200によって、図2に示すクラッチON位置とクラッチOFF位置(図示せず)との間で振り分け保持される。
【0020】
また、本実施形態におけるクラッチON切換部材19は、右側板5B側に設置されており、振り分け保持バネ200によって、クラッチON位置とクラッチOFF位置との間で揺動可能となるよう振り分け保持されている。この場合、クラッチON切換部材19は、クラッチON状態では、図2に示すように、右側板5Bの表面と略面一状となり、クラッチOFF状態では、右側板5Bの表面から突出するようになっている。そして、クラッチON切換部材19は、スプール7に巻回された釣糸に対して親指の腹部でサミング操作している状態から容易にON操作できるように(左側板の後端側を支点として親指が届き易いように)、巻回されている釣糸の側方でやや後方側に設置されていることが好ましい。
なお、クラッチON切換部材19は、上記のように揺動される機械式以外にも、電気式(例えば、ソレノイドを利用したもの)で構成されていても良い。また、クラッチOFF切換部材18と一体部材で構成されていても良い。
【0021】
前記リール本体5には、駆動モータ8に対して電力を供給するための給電部20が設けられている。この給電部20は、左側板5Aの前方側の下面領域に形成されており、この給電部20に対しては、着脱可能な携帯バッテリ(図示せず)を装着したり、或いは、足元に置いたバッテリや釣り船に設置されている電源部から電力供給される給電コードが装着される。
【0022】
前記制御ケース15は、図1図2及び図4に示すように、スプール7の上方でスプール軸7a近傍からレベルワインド機構140および駆動モータ8を覆うような大きさを備えている。また、前記制御ケース15の後方部分には、駆動モータ8の出力を調整するモータ出力操作部材(以下、操作部材と称する)25が配置されている。この操作部材25は、スプール7の上方に位置して、前後方向(釣竿方向)に変位できるように支持されている。本実施形態における操作部材25は、スプール7の上方において、回転可能な形状となっており、詳細には、操作性が良好となるように、略円筒形状に構成され、その外表面(回転表面)が、左右側板間でスプール7を露出させる開口領域に面して、回転する方向が前後方向(後方側から見ると上下方向)となるように支持されている。
【0023】
前記操作部材25は、リール本体5を、リール脚取付け部5aを介して釣竿に装着した際、釣竿とともにリール本体5を片手で把持保持した状態の手の親指が届く位置であって制御ケース15の表示部(液晶表示部)16の後方側の位置に配設されている。
【0024】
具体的に、本実施形態の操作部材25は、制御ケース15の中央部分(左右側板5A,5Bの間の中心領域)に設置され、制御ケース15の後方に回転可能に支持された支軸(回転支軸)25aに設けられている。すなわち、制御ケース15の後方側には、その中央領域に、制御ケース15の後端縁から前方側に向かって延び、制御ケース15の後端縁で開口した凹陥部(開放部)15Aが設けられており、この凹陥部15Aを横切るようにして前記支軸25aが回転可能に支持されている。前記支軸25aは、前記スプール7の支軸(スプール軸7a)と略平行で、その両側が制御ケース15に対して回転可能に支持された状態となっており、操作部材25は、支軸25aの中央部において、凹陥部15A内に納まるように設置されている。これにより、スプール7上のどの位置においてもサミング操作から操作部材25の操作への移行を障害なくスムーズに行なうことが可能となる。
【0025】
上記のように、操作部材25を、釣竿とともにリール本体5を把持保持した状態でサミング操作しながら操作可能な位置に配設したことで、釣竿とリール本体5を保持した姿勢で片手操作を行うことが可能となる。また、親指でサミングしながら、親指の指先で操作部材25に触れていることが可能であるため、サミングによるアタリを感知しながら、即座にモータ駆動による巻き取りが可能となる。さらに、操作部材25は、略前後方向に移動可能となっていることから、同時にサミングしたり離したりする(接触させたり離す)指の動きと同一方向となり、操作性が良好となる。
【0026】
なお、前記制御ケース15の後方側下端部分に、操作部材25とスプール7との間で、操作部材25の下方を覆うように、保護カバー(誤動作防止部材)15cを設けておくことが好ましい。このような保護カバー15cを設けておくことで、釣糸を巻き取り操作する際、釣糸に付着したゴミや海水が操作部材25に当たることを防止して、誤動作が生じることを防止することが可能となる。この場合、保護カバー15cは、制御ケースと一体部品であっても良いし、金属の薄板材などを制御ケースに接合しても良い。
【0027】
上記した制御ケース15には、駆動モータ8の駆動を制御する制御部100(制御基板100A,100B)が収容されており、操作部材25の回転操作量に応じて駆動モータ8の出力を調整するようになっている。この場合、制御部100は、操作部材25を前方に向けて回転操作することで、その操作回転角が角度センサ130によって検出され、駆動モータ8の出力が上昇するように設定されている。すなわち、釣糸の巻き取りをする際、スプールをサミングしている親指をそのまま前方に延ばして、操作部材25を押し上げるような操作をすることで、釣糸の巻き取り操作が行えるため、操作性の向上が図れるようになる。
【0028】
なお、前記角度センサ130は、制御ケース15内に設けられた収容部133にシールされた状態で組み込まれており、支軸25aの回転位置に応じた操作位置信号を出力するようになっている。すなわち、角度センサ130は、操作部材25の操作位置に応じて操作信号を出力し、駆動モータ8の出力は、操作部材25の操作位置に応じて調整することが可能となっている。
【0029】
また、前記操作部材25の回転操作量と駆動モータ8の出力との関係については任意であるが、本実施形態では、操作部材25の基準位置をモータの出力値0として、120°前方に回転操作した際、モータ出力がMaxになるように設定されている。すなわち、前方方向に向けて操作した際に増速とすることで、釣竿とリール本体を持つ手に負荷がかかる高速巻き取り時に、より前方を把持できるので、把持保持性が高くなり、操作性が良く、疲れ難くなる。もちろん、操作部材25については、後方に向けて回転操作した際に、駆動モータ8の出力が上昇するように設定しても良い。このような操作部材の構成によれば、スプールをサミングしている親指の第一関節を折り曲げる動作をするだけで、サミング操作をONからOFFにすると同時に、操作部材を手前側に回転操作(駆動モータの増速回転)することができ操作性の良い構成となる。
【0030】
前記制御ケース15の表面には、繰り出された釣糸の長さ(糸長情報)などを表示する表示部(液晶表示部)16が設けられており、また、その周囲には、各種の情報が設定可能な複数の操作ボタン216が配設されている。なお、本実施形態において、操作ボタン216は、制御ケース15の上面において、表示部16と操作部材25との間で且つ釣竿とともにリール本体5を把持保持した状態で親指が届く位置とされている。
【0031】
また、本実施形態において、スプール7の前方側に配設される駆動モータ8は、図4及び図5に示されるように、リール本体5を構成する構成部材8Aに凹所を形成し、この凹所に、モータの構成部材を収容したモータケース8Bを収容配置して構成される。すなわち、リール本体5の構成部材8Aに凹所を形成してハウジング機能(以下ハウジング8Aとする)を持たせ、これがモータケース8Bの外周を取り囲むことにより駆動モータ8の外枠が形成される。また、本実施形態のハウジング8Aは、後述するレベルワインド機構140の釣糸案内体145の釣糸導通孔145aから導出される釣糸Sに対面する部位が平坦部(平面)8Aaとして形成されており、この平坦部8Aaに対応して、内側のモータケース8Bにも平坦部8Aaと重ね合わされる部位に平坦部8Baが形成されている。すなわち、本実施形態のモータケース8B(したがってハウジング8Aも)は、側面視で上下方向がつぶれた円形状となっており、前方に向けて下がるような傾斜表面(平坦面)を有する形状となっている。この結果、一般的に、円形状に形成されるモータケース(凹所)と比較すると、上下方向に短縮化が図れ、ロープロファイル化を図り易くすることができる。なお、ハウジング8Aの平坦部8Aaの釣糸S側(上方側)は、複数の部材で構成しても良く、例えば、リール本体5と一体の部材の表層側を樹脂部材や耐摩耗性の高い部材と組み合わせたり、フロントカバー305と兼用したものであっても良い。
【0032】
前記モータケース8Bの内面には、平坦部8Baを除く位置に、磁界を構成する磁石233が周方向に沿って取着されている。この場合、磁石233は、モータケース8Bの内面に対し接着剤等によって固着しても良いし、保持手段によって係止するようにしても良く、更には、磁石233は、周方向に沿って所定間隔おいて取着されていても良い。また、磁石233については、その外側に磁気回路を構成して磁力の漏洩を防止する継鉄(ヨーク)を取着しても良いが、ハウジング8Aにそのようなヨークとしての機能を持たせても良い。
【0033】
なお、ハウジング8Aは、右側板側がそのまま開口すると共に、左側板側には底壁が形成されており、この底壁の中心部分に軸受を介して駆動軸231を回転可能に支持している。
【0034】
この駆動軸231には、モータケース8Bの内面に取着された磁石233に対向して駆動モータ8の構成部材である電機子235(磁石233に対向するコイル235aを有する)が装着されており、かつ、電機子235の軸方向右側板側に、電機子235に電流を供給する図示しない整流子が装着されている。
【0035】
また、本実施形態において、駆動モータ8のハウジング8Aの平坦部8Aaは、リール本体5が水平に配置された状態でリール本体5の前方に向かって水平面に対して斜め下向きに延在するように形成されている。具体的に、平坦部8Aaの傾斜状態については、電動リールを釣竿に装着した状態で、釣糸案内体145の釣糸導通孔145aの前端下縁Pから導出される釣糸Sが、釣竿の最も基端側に取着されている釣糸ガイドの下縁部(図示せず)との間で摺動する際、釣竿の撓み状態や釣竿の種別に関係なく、図5に示されるように、平坦部8Aaの表面に接触しない程度になっていることが好ましい。すなわち、平坦部をこのように設定することで、駆動モータ8のハウジング8Aが、釣糸の接触抵抗となることを確実に防止することが可能となる。
【0036】
さらに、本実施形態では、スプール7及び駆動モータ8に対するレベルワインド機構140の配置関係をバランス良く設定して、駆動モータを大型化してもリール本体のロープロファイル化を実現でき、かつ、導出される釣糸Sの落下速度を低下させない(摩擦抵抗による速度低下を抑制する)ように構成している。
以下、レベルワインド機構140の構成について具体的に説明する。
【0037】
本実施形態に係るレベルワインド機構140は、左右側板間に回転可能に設置されるウォームシャフト142と、このウォームシャフト142の歯部に係合する係合ピン143aが設けられた釣糸案内体(ラインガイド)145とを備えている。この場合、ウォームシャフト142は、左右側板間に配設された筒状体144内に収容されていると共に、筒状体144の下側に形成された開口(図6参照)144aから歯部が露出しており、その部分に釣糸案内体145に保持された摺動子143に設けられた前記係合ピン143aが噛合した状態となっている。前記釣糸案内体145には、前後方向に沿って釣糸Sが挿通される釣糸導通孔145aが設けられると共に、保持された摺動子143よりも下方側において、前記ウォームシャフト142と平行となるように左右側板間に配設されたピラー147が挿通されており、前記釣糸案内体145は、筒状体144に回り止めされた状態で保持されている。このため、ウォームシャフト142が回転駆動されることで、前記釣糸案内体145は、回り止めされた状態でスプール7の前方側で左右方向に往復駆動され、釣糸導通孔145aに挿通される釣糸Sは、スプール7に対して平行に巻回される。また、本実施形態では、釣糸案内体145の係合ピン143が挿入される穴は下方に貫通されており、ピラー147が係合ピン143の抜け止めを兼ねている。
【0038】
なお、本実施形態のウォームシャフト142は、スプール7に対して釣糸Sを巻回するとき(手動ハンドル6又は駆動モータ8による巻き取り操作)、及び、クラッチ機構17を操作してスプール7をフリー回転状態にして釣糸を放出するときに回転駆動されるようになっている。具体的には、図1及び図3に示すように、例えば、前記左側板側に、スプールと一体回転するスプールギヤ7Aをスプール7の支軸(スプール軸7a)に設けておき、このスプールギヤ7Aと、前記ウォームシャフト142の左側板側の端部に設けられた駆動ギヤ142Aとの間に、ギヤトレイン150を配設しておくことで、釣糸巻回時に加え、釣糸放出時にスプール7が回転した際(図3の矢印参照)、ギヤトレイン150を介してウォームシャフト142を回転駆動することが可能となる。
【0039】
勿論、前記ウォームシャフト142は、スプール7に対して釣糸を巻回するときのみ回転駆動される(釣糸放出時は回転駆動されない)構成であっても良い。例えば、右側板側のモータ出力軸に上記した減速機構102を設けると共に、この減速機構102に前記ウォームシャフト142の駆動ギヤ142Aを噛合させ、さらに、前記ハンドル軸116に装着されたドライブギヤ118から減速機構102を介して動力伝達系を構築することで、前記ウォームシャフト142は、スプール7に対して釣糸Sを巻回するときのみ回転駆動されるようになる。すなわち、クラッチ機構17をOFFにすると、スプール7のフリー回転はドライブギヤ118に伝達されないため、釣糸放出時にウォームシャフト142が回転駆動しない(釣糸案内体145は左右に往復駆動されない)ように構成することが可能である。
【0040】
前記ウォームシャフト142は、その軸芯Cが、前記リール本体の前後方向において、前記駆動モータ8とスプール7との間に位置すると共に、前記駆動モータ8のケース上端より低い位置となるように配置されている。この場合、ウォームシャフト142は、駆動モータ8とスプール7との間のスペースに効率的に配置されていれば良く、好ましくは、両者の最短幅、具体的には、図2に示すように、スプール7のフランジ7cの最も前端となる位置P1と、そのP1から水平線を引いて前記駆動モータ8のケース(ハウジング8A)と交差する位置P2との間の幅Wの範囲内に位置することで、効率的にスペースを活用することが可能となる。なお、前記軸芯Cが駆動モータ8とスプール7との間に位置していれば、前記位置P1よりも前方側、或いは前記位置P2よりも後方側に位置していても良い。
【0041】
また、図5に示すように、前記ウォームシャフト142の軸芯Cは、駆動モータ8のケースの上端位置P3よりも低い位置となるように配置されている。この場合、駆動モータ8のケースの上端位置とは、上述したように、駆動モータ8を構成している部分(本実施形態ではハウジング8A)の内で、最も上方となる位置となる。
【0042】
前記釣糸案内体145は、図5に示すように、釣糸導通孔145aの下面後端P4が、ウォームシャフト142の軸芯Cよりも前方となるように、ウォームシャフト142(筒状体144)を囲繞した部分の上側が前方に向けて屈曲形成されている。また、釣糸案内体145を挿通する前記ピラー147は、本実施形態の構成では、前記ウォームシャフト142の下方に1本配設されており、前記ウォームシャフト142の軸芯Cを中心として、両側に負荷が作用する配置態様、すなわち、軸芯Cを中心として、釣糸導通孔145aとピラー147が対称となるような配置態様となっている。
【0043】
上記した魚釣用電動リールの構成によれば、レベルワインド機構140を構成するウォームシャフト142の軸芯Cが、リール本体の前後方向において、駆動モータ8とスプール7との間に位置しており、かつ、前記軸芯Cを、駆動モータ8のハウジング8Aの上端より低い位置となるように配置したことで、レベルワインド機構142の内、実際に釣糸を案内する機能を有する部分である釣糸導通孔145a以外の大部分を、駆動モータ8とスプール7との間のスペースに収容することが可能となり、大型の駆動モータを組み込んでも、効率的にロープロファイル化を実現することが可能となる。そして、前記釣糸案内体145は、釣糸導通孔145aの下面後端P4がウォームシャフト142の軸芯Cよりも前方となるように配置されていることから、高さ方向のスペースを小さくしながら、側面視において(図5参照)、釣糸導通孔145aの下面後端P4から、スプール7の釣糸巻回表面の外周(ある一定量釣糸が引き出された状態の外周)に接する線分と水平線Xとの成す角θを、効率的に小さくすることが可能となる。これにより、釣糸を放出する際の釣糸導通孔部分145aでの釣糸Sの屈折角度を小さくすることが可能となり、ガイド摩擦抵抗が軽減されて、仕掛けの落下速度の向上が図れるようになる。特に、仕掛けが深い位置に到達するに連れて、釣糸導通孔部分145aでの釣糸Sの屈折角度が大きくなってしまい、これが放出時の抵抗となって速度低下が顕著になるが、上記のような配置関係にすることで、屈折角度がそれほど大きくなることがなくなり、仕掛けが深い位置に到達しても、大きく速度低下することはない。
【0044】
また、本実施形態では、駆動モータ8のケース(ハウジング8A)の釣糸放出側が、平坦面で構成されており、かつ、前方が下がるように傾斜配置されているため、釣糸Sが駆動モータ8と干渉し難くなり、リール本体のロープロファイル化、及びガイド摩擦抵抗を軽減することが可能となる。また、駆動モータ8のハウジング8Aの傾斜配置形態により、コンパクトなリールサイズに比して大型のモータを組み合わせた場合でも、釣糸と駆動モータ8のハウジング8Aとの干渉が発生し難くなって、効果的にロープロファイル化を実現することが可能となる。
【0045】
さらに、本実施形態では、スプールフリー状態にしたとき(クラッチ機構をOFFにしたとき)、レベルワインド機構140が駆動されるように構成されているため、釣糸が放出されるにしたがって、上記した角度θが増加し、ウォームギヤ142を下方に押し付ける力が増加するが、上記した角度θを相対的に小さくできるのでウォームギヤ142を下方に押し付ける力は小さくなり、このため、スプール7と連動するギヤトレイン150の回転抵抗が軽減され、スプール7の回転負荷が小さくなって仕掛けの落下を速くすることが可能となる。
また、特に、本実施形態のように、ウォームギヤ142の下方にてピラー147が係合ピン143の抜け止めを兼ねている構成の場合、ウォームギヤ142と係合ピン143の接する力が緩和されるので、スプール7と連動するギヤトレイン150の回転抵抗を効果的に軽減することができ、スプール7の回転負荷が小さくなって仕掛けの落下を速くすることが可能となる。
【0046】
なお、上記した構成において、スプール7に巻回される糸巻容量は、釣糸巻回胴部7bの径によって特定される。この場合、レベルワインド機構140は、釣糸巻回胴部7b及び釣糸導通孔145aの関係についてリール本体を側面視した際、前記釣糸導通孔145aの下面後端P4からスプール7の釣糸巻回胴部7bの外周に接する線分と水平線Xとの成す角θ1が、4°以上22°以下となるように設定されていることが好ましい。
【0047】
このような範囲が好ましいのは、角度θ1が4°よりも小さくなると、十分な糸巻容量が確保できなくなるためである。また、角度θ1が22°よりも大きくなると、仕掛けの落下速度の低下が顕著になるためである。すなわち、仕掛けを放出する際、上記したように、角度θが次第に大きくなることで屈折角度も大きくなり、釣糸抵抗が増大して速度低下が顕著になるが、上記したように、角度θ1を22°以下となるように設定しておくことで、釣糸の巻回量が少なくなった際のガイド摩擦抵抗を軽減することが可能となる。これにより、スプールの回転負荷が小さくなり(本実施形態では、スプール7と連動するギヤトレイン150の回転抵抗も軽減されてスプールの回転負荷が小さくなる)、仕掛けの落下速度を低下させるようなことはない。
【0048】
上記した構成では、リール本体のロープロファイル化、及び内部スペースの有効利用を考慮して、角度θを効率的に小さくできるように、釣糸導通孔145aの下面後端P4がウォームシャフト142の軸芯Cよりも前方に位置する配置態様となっていれば良いが、釣糸導通孔145aの断面形状については、図5に示したような水平線Xに沿った平坦形状以外にも、様々な形状にすることが考えられる。このため、釣糸導通孔145aの下面後端P4については、以下のように定義される。
【0049】
例えば、釣糸導通孔145aの断面形状が湾曲面、特に、スプールからの釣糸が接触する部分145bが、図6に示すような湾曲面となっていれば、前記下面後端P4については、スプール7の釣糸巻回胴部7bの表面からの接線を延ばし、釣糸導通孔145aの表面と接触する部分によって定義される。換言すれば、釣糸巻回胴部7bに巻回されている釣糸Sを放出して、最終的に釣糸巻回胴部7bの表面から繰り出されたと仮定した場合、その釣糸が釣糸導通孔145aに対して接触する位置が下面後端P4として定義される。このため、本発明では、そのように定義される下面後端P4が、ウォームシャフト142の軸芯Cに対して前方となるように構成されていれば、釣糸案内体145の形状については、適宜変形することが可能である。
【0050】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。なお、以下に例示する実施形態では、上述した第1の実施形態と同様な構成要素については、同一の参照符号を付し、詳細な説明については省略する。
【0051】
図7は、本発明の第2の実施形態を示しており、その内部構成を示した断面図(図1のA−A線に沿った断面図)である。
本実施形態では、レベルワインド機構140の釣糸案内体145Aを、2つのピラー147a,147bによって摺動可能に保持しており、釣糸案内体145Aが安定して保持されるようにしている。すなわち、本発明では、上述したように、釣糸案内体の形状が、ウォームシャフト142の軸芯Cから前方に延出した形状となっていることから、釣糸案内体の回転モーメントは大きくなるが、本実施形態のように、ピラーを複数配設することで、安定して釣糸案内体を案内保持することが可能となる。この場合、各ピラーの配置については、ウォームシャフト142の軸芯Cに対して対称(軸芯Cを中心として、対向するような配置関係であれば良い)になっていることが好ましく、ピラーの本数については3本以上であっても良い。
【0052】
また、本実施形態では、釣糸案内体145Aの前方側の表面145cの形状を、駆動モータ8のケーシング8Aの表面である湾曲面と対向するような湾曲形状としている。
このようにすることで、レベルワインド機構が配置される部分の省スペース化を達成することができ、リール本体を効率的に小型化することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態の釣糸導通孔は、釣糸案内体145Aとは別体で形成されたガイドリング145dを、釣糸案内体に形成した貫通孔部分に圧入することで構成している。この場合、ガイドリング145dは、釣糸に対する摺動抵抗が少ない材料、例えば、セラミックス(例えばSiC)、ステンレス等によって形成することが可能である。なお、釣糸導通孔(ガイドリング145d)の形状については、特に釣糸が摺接する部分(摺動時に大きな負荷が掛かる部分)を湾曲面で形成する等、適宜変形することが可能である(例えば、図6の構成を参照)。
【0054】
さらに、本実施形態では、制御ケース15の裏面15dの表面に、釣糸案内体145Aの移動方向に沿って、糸絡み防止用の傾斜突起15e,15fが形成されている。この傾斜突起15e,15fは、釣糸案内体に向けて次第に上昇するように形成されており、両傾斜突起間で、釣糸案内体145Aの上端領域が左右に移動するようになっている。
このような構成により、釣糸放出時、及び釣糸巻き取り時に釣糸にフケ等が生じても、糸絡みを効果的に防止することが可能となる。
【0055】
図8は、本発明の第3の実施形態を示しており、その内部構成を示した断面図(図1のA−A線に沿った断面図)である。
本実施形態では、上記した第2実施形態における釣糸案内体145Aの上方後端に、ピラー(釣糸案内体の回転防止用の案内ピラー)147cを設置している。このような位置にピラー147cを設置することで、上記第2実施形態における傾斜突起15fと同様、糸絡み防止の機能を果たすことができると共に、釣糸案内体145Bの回転防止機能を兼用することでき、ピラーを有効活用することが可能となる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明に係る電動リールは、レベルワインド機構の構成、及び配置態様に特徴があり、それ以外の構成については、適宜変形して実施することが可能である。また、上記したレベルワインド機構を構成する釣糸案内体の形状や材料についても、適宜変形することが可能である。さらに、レベルワインド機構における係合ピンの配置構成やウォームシャフトに対する噛合態様についても適宜変形することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 魚釣用電動リール
5 リール本体
5A,5B 左右側板
6 手動ハンドル
7 スプール
7a スプール軸
8 駆動モータ
8A ハウジング
140 レベルワインド機構
142 ウォームシャフト
145,145A,145B 釣糸案内体
145a 釣糸導通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8