特許第5965652号(P5965652)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965652
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】容器と蓋との組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20160728BHJP
   B65D 41/34 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   B65D41/04 A
   B65D41/34
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-14323(P2012-14323)
(22)【出願日】2012年1月26日
(65)【公開番号】特開2013-154886(P2013-154886A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】安部 直幸
(72)【発明者】
【氏名】野崎 幸仁
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 翼
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−053577(JP,A)
【文献】 特表2009−524556(JP,A)
【文献】 特開平07−041023(JP,A)
【文献】 特表平06−504750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/04
B65D 41/34
B65D 41/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端面は開口され且つ円筒形外周面を有する口頸部を備えた容器と、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を備えた蓋との組み合わせにおいて、
該容器の該口頸部の該外周面には周方向に等間隔をおいて複数個の被係止手段が配設されており、該被係止手段の各々は上方から見て時計方向に向かって下方に傾斜して延び、
該蓋の該スカート壁の内周面には該被係止手段に対応して周方向に等間隔をおいて複数個の係止手段が配設されており、該係止手段の各々は該スカート壁の内周面に接続され且つ該時計方向に向かって下方に傾斜して延びる基縁から半径方向内方に向かって上方に傾斜して延出し該被係止手段の下面に係止せしめられるフラップ片と、該フラップ片の上方に配置され且つ下端縁は該時計方向に向かって下方に傾斜して延び該被係止手段の上面と協働して該容器の該口頸部に対する該蓋の移動を案内するリブとを含み、
該容器の該口頸部の外周面に配設されている該被係止手段の各々の該時計方向下流端は、該時計方向に見て下流側に隣接して位置する被係止手段の該時計方向上流端部の下方に位置し或いは該時計方向に見て下流側に隣接して位置する被係止手段の該時計方向上流端に対して該リブの周方向長さよりも小さい間隔をおいて該時計方向上流側に位置し、
該被係止手段の該時計方向下流端部には、該リブ又は該フラップ片に当接して該リブ及び該フラップ片の該時計方向下流側への移動を阻止する阻止手段が配設されている、
ことを特徴とする組み合わせ。
【請求項2】
該被係止手段及び該係止手段は2乃至6個配設されている、請求項1記載の組み合わせ。
【請求項3】
該阻止手段は該被係止手段の上面における該時計方向下流端部に形成された突起から構成され且つ該時計方向に見て下流側に隣接する該被係止手段の該時計方向上流端よりも該時計方向下流側に位置し、該リブの該時計方向下流端が該阻止手段に当接せしめられる、請求項1又は2記載の組み合わせ。
【請求項4】
該口頸部の外周面には、更に、該被係止手段の下方に位置するフラップ片反転防止突条が形成されている、請求項1から3までのいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項5】
該フラップ片反転防止突条は該被係止手段の各々に対応して周方向に間隔をおいて複数個配設されており、該フラップ片反転防止突条の各々は該被係止手段の該時計方向下流部の下方に配設されている、請求項4記載の組み合わせ。
【請求項6】
該被係止手段の上面及び下面、該リブの下面、及び該フラップ片の該基縁及び突出縁並びに該フラップ片反転防止突条の上面の該時計方向傾斜角度は同一である、請求項1から5までのいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項7】
該被係止手段は傾斜角度α1で該時計方向に向かって下方に傾斜して延びる上面及び下面を有する上流部と傾斜角度α2で該時計方向に向かって下方に傾斜して延びる上面及び下面を有する下流部とを含み、該傾斜角度α2は該傾斜角度α1よりも小さく、該リブの下面及び該フラップ片の該基縁及び該突出縁は該傾斜角度α2で該時計方向に向かって下方に傾斜せしめられている、請求項1から5までのいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項8】
該被係止手段の上流部の上面及び下面と下流部の上面及び下面とは、夫々、弧状凹面部及び弧状凸面部を介して接続されている、請求項7記載の組み合わせ。
【請求項9】
該容器の該口頸部の該外周面には、該被係止手段の下方において半径方向外方に突出する係止あご部も配設されており、該蓋の該スカート壁には周方向破断ラインが形成されていて該スカート壁は該周方向破断ラインよりも上方の主部と該周方向破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該係止手段は該主部の内周面に配設されており、該タンパーエビデント裾部の内周面には該容器の該口頸部に該蓋が装着されると該係止あご部に係合せしめられる係合手段が配設されている、請求項1から8までのいずれかに記載の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上端面は開口され且つ円筒形外周面を有する口頸部を備えた容器と、円形天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁を備え容器の口頸部に装着される蓋との組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
清涼飲料等のための容器と蓋との組み合わせとして、周知の如く、口頸部の外周面には雄螺条が形成された容器とスカート壁の内周面には雌螺条が形成された蓋との組み合わせが広く実用に供されている。かような組み合わせにおいては、容器の口頸部に蓋を装着して口頸部を密封する際には、口頸部に蓋を被嵌して蓋を上方から見て時計方向に回転せしめ、かくして口頸部の雄螺条にスカート壁の雌螺条を螺合せしめる。容器の内容物を消費する際には、蓋を上方から見て反時計方向に回転せしめて口頸部の雄螺条とスカート壁の雌螺条との螺合とを解除し、蓋の少なくとも大部分を口頸部から離脱せしめる。
【0003】
而して、雄螺条と雌螺条との協働を利用した上記のとおりの組み合わせには、(1)口頸部に蓋を装着して口頸部を密封する際に、口頸部の雄螺条に対するスカート壁の雌螺条の螺合度合いを充分精密に制御することが必要である(螺合が過小であると口頸部を確実に密封することができない等の問題が発生し、螺合が過大になると螺合を解除して口頸部から蓋を離脱する際の必要トルクが過大になる或いは蓋が局部的に損傷せしめられてしまう等の問題が発生する)、(2)口頸部から蓋の少なくとも大部分を離脱せしめる際には蓋を相当な角度範囲、例えば150度程度、に渡って反時計方向に旋回せしめることが必要であり、口頸部の開封操作が必ずしも容易でない、という問題が存在する。
【0004】
下記特許文献1及び2には、雄螺条と雌螺条との協働を利用しない形態の容器と蓋との組み合わせが開示されている。下記特許文献1に開示されている組み合わせにおいては、容器の口頸部の外周面に周方向に等間隔をおいて複数個の案内リード条を形成すると共にかかる案内リード条の下方に位置する環状係止フランジを配設し、蓋のスカート壁の内周面には口頸部の案内リード条と協働する案内リード条を配設すると共に上記環状係止フランジに係止せしめられる係止突起を配設している。口頸部に蓋を装着する際には、蓋の時計方向への回転に応じて案内リード条の協働によって口頸部に対して蓋が下方に強制されて係止突起が環状係止フランジを弾性的に乗り越えてその下方に係止される。口頸部から蓋を離脱する際には、蓋の反時計方向への回転に応じて案内リード条の協働によって口頸部に対して蓋が上方に強制されて係止突起が環状係止フランジを乗り越えてその上方に離脱せしめられる。
【0005】
下記特許文献2に開示されている組み合わせにおいては、口頸部の外周面には雄螺条を配設しているが、スカート壁の内周面には複数個の突起を所要配列で配設している。口頸部に蓋を装着して口頸部を密封する際には、口頸部に対する蓋の角度位置を特に特定する必要なくして口頸部に蓋を被嵌して下方に強制し、複数個の突起の一部を雄螺条に係止せしめる。口頸部から蓋を離脱する際には、蓋を反時計方向に回転せしめて突起の一部と雄螺条との係止を解除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平1−26943号公報
【特許文献2】実公平4−54929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1及び2に開示されている組み合わせは、雄螺条と雌螺条との協働を利用しない形態であるが、未だ充分に満足し得るものではなく、次のとおりの解決すべき問題を有する。
【0008】
上記特許文献1に開示されている組み合わせにおいては、口頸部から蓋を離脱する際には蓋を比較的小さい角度範囲、例えば90度程度、回転せしめればよく、比較的迅速に口頸部から蓋を離脱することができる。しかしながら、口頸部に蓋を装着して口頸部を密封する際には、口頸部に蓋を被嵌して時計方向に所要回転角度に渡って充分精密に回転せしめることが必要である。
【0009】
一方、上記特許文献2に開示されている組み合わせにおいては、口頸部に対する蓋の角度位置を特に特定する必要なくして単に口頸部に蓋を被嵌して下方に強制することによって、口頸部に蓋を装着することができる。しかしながら、雄螺条を乗り越えて突起を移動せしめる際には突起を弾性的に圧縮し或いはスカート壁自体を弾性的に拡張せしめることが必要であり、相当大きな力で蓋を下方に強制することが必要である。口頸部に蓋を所要とおりに装着した状態において複数個の突起の一部は雄螺条に乗り上げた状態にあり、口頸部に対する蓋の装着状態が不安定である。又、口頸部から蓋を離脱する際には相当な角度範囲、例えば150度程度、反時計方向に回転せしめることが必要であり、口頸部の開封操作は必ずしも容易でない。
【0010】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、過剰な力を必要とすることなく且つ口頸部に対する蓋の角度位置を特に特定する必要なくして口頸部に蓋を被嵌して下方に強制することによって充分容易且つ迅速に容器の口頸部に蓋を充分に安定した状態で装着することができ、加えて比較的小さい角度範囲に渡って蓋を回転せしめることによって迅速且つ容易に口頸部から蓋を離脱することができる、新規且つ改良された容器と蓋の組み合わせを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、鋭意研究の結果、容器の口頸部の外周面に周方向に等間隔をおいて特定形態の被係止手段を配設すると共に、蓋のスカート壁の内周面に周方向に等間隔をおいて特定形態の係止手段を配設することによって上記主たる技術的課題を解決することができることを見出した。
【0012】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成することができる容器と蓋との組み合わせとして、上端面は開口され且つ円筒形外周面を有する口頸部を備えた容器と、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下するスカート壁を備えた蓋との組み合わせにおいて、
該容器の該口頸部の該外周面には周方向に等間隔をおいて複数個の被係止手段が配設されており、該被係止手段の各々は上方から見て時計方向に向かって下方に傾斜して延び、
該蓋の該スカート壁の内周面には該被係止手段に対応して周方向に等間隔をおいて複数個の係止手段が配設されており、該係止手段の各々は該スカート壁の内周面に接続され且つ該時計方向に向かって下方に傾斜して延びる基縁から半径方向内方に向かって上方に傾斜して延出し該被係止手段の下面に係止せしめられるフラップ片と、該フラップ片の上方に配置され且つ下端縁は該時計方向に向かって下方に傾斜して延び該被係止手段の上面と協働して該容器の該口頸部に対する該蓋の移動を案内するリブとを含み、
該容器の該口頸部の外周面に配設されている該被係止手段の各々の該時計方向下流端は、該時計方向に見て下流側に隣接して位置する被係止手段の該時計方向上流端部の下方に位置し或いは該時計方向に見て下流側に隣接して位置する被係止手段の該時計方向上流端に対して該リブの周方向長さよりも小さい間隔をおいて該時計方向上流側に位置し、
該被係止手段の該時計方向下流端部には、該リブ又は該フラップ片に当接して該リブ及び該フラップ片の該時計方向下流側への移動を阻止する阻止手段が配設されている、
ことを特徴とする組み合わせが提供される。
【0013】
好ましくは、該被係止手段及び該係止手段は2乃至6個配設されている。該阻止手段は該被係止手段の上面における該時計方向下流端部に形成された突起から構成され且つ該時計方向に見て下流側に隣接する該被係止手段の該時計方向上流端よりも該時計方向下流側に位置し、該リブの該時計方向下流端が該阻止手段に当接せしめられるのが好適である。該口頸部の外周面には、更に、該被係止手段の下方に位置するフラップ片反転防止突条が形成されているのが好ましい。該フラップ片反転防止突条は該被係止手段の各々に対応して周方向に間隔をおいて複数個配設されており、該フラップ片反転防止突条の各々は該被係止手段の該時計方向下流部の下方に配設されているのが好都合である。該被係止手段の上面及び下面、該リブの下面、及び該フラップ片の該基縁及び突出縁並びに該フラップ片反転防止突条の上面の該時計方向傾斜角度は同一でよい。該被係止手段は傾斜角度α1で該時計方向に向かって下方に傾斜して延びる上面及び下面を有する上流部と傾斜角度α2で該時計方向に向かって下方に傾斜して延びる上面及び下面を有する下流部とを含み、該傾斜角度α2は該傾斜角度α1よりも小さく、該リブの下面及び該係止フラップ片の該基縁及び該突出縁は該傾斜角度α2で該時計方向に向かって下方に傾斜せしめられている形態も好適である。該被係止手段の上流部の上面及び下面と下流部の上面及び下面とは、夫々、弧状凹面部及び弧状凸面部を介して接続されているのが望ましい。該容器の該口頸部の該外周面には、該被係止手段の下方において半径方向外方に突出する係止あご部も配設されており、該蓋の該スカート壁には周方向破断ラインが形成されていて該スカート壁は該周方向破断ラインよりも上方の主部と該周方向破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該係止手段は該主部の内周面に配設されており、該タンパーエビデント裾部の内周面には該容器の該口頸部に該蓋が装着されると該係止あご部に係合せしめられる係合手段が配設されているのが好都合である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の組み合わせにおいては、口頸部に対する蓋の角度位置を特に特定する必要なくして単に口頸部に蓋を被嵌して下方に強制することによって口頸部に蓋を充分安定した状態に装着することができる。口頸部に配設されている被係止手段を乗り越えて移動せしめられる構成要素はスカート壁の内周面に接続された基縁から半径方向内方に向かって上方に傾斜して延出するフラップ片であるので、弾性的に撓むことによって被係止手段を乗り越えることができ、蓋を下方に強制するのに過大な力を要することはない。口頸部から蓋の少なくとも大部分を離脱する際には、蓋を比較的小さい角度範囲に渡って反時計方向に回転せしめさえすれば、フラップ片が被係止手段の下面に沿って移動せしめられて被係止手段から離脱せしめられ、従って充分迅速に且つ容易に口頸部から蓋の少なくとも大部分を離脱せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に従って構成された組み合わせの好適実施形態における、容器の口頸部を示す正面図。
図2図1に示す口頸部の縦断面図。
図3図1に示す口頸部の外周面を示す展開図。
図4】本発明に従って構成された組み合わせの好適実施形態における、蓋を示す正面図。
図5図4に示す蓋の断面図。
図6図4に示す蓋のスカート壁の内周面を示す展開図。
図7図1乃至図3に示す容器の口頸部に図4乃至図6に示す蓋を装着する際の挙動を示す断面図。
図8図1乃至図3に示す容器の口頸部に図4乃至図6に示す蓋を装着する際の挙動を示す簡略展開図。
図9】本発明に従って構成された組み合わせの他の好適実施形態を示す、図8と同様の簡略展開図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に従って構成された組み合わせの好適実施形態を示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0017】
本発明に従って構成された組み合わせの好適実施形態は、図1乃至図3に口頸部2のみを示す容器と図4乃至図6に示す蓋4とから構成されている。
【0018】
図1乃至図3を参照して説明すると、ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂或いはガラスから形成することができる容器は全体として円筒形状の口頸部2を備えている。この口頸部2の内周面は円筒形状である。口頸部2の外周面も全体として円筒形状であり、外周面の上端部には半径方向外方に若干だけ突出した環状突条6が形成されており、外周面の軸線方向略中間部には半径方向外方に突出した環状係止あご部8が形成され、更に係止あご部8よりも下方には環状サポートリング10が形成されている。
【0019】
口頸部2の外周面には、周方向に等間隔をおいて複数個、好ましくは2乃至6個、の被係止手段12が配設されていることが重要である。図示の実施形態においては、軸線方向において上記突条6と係止あご部8との間において、周方向に等間隔をおいて3個の被係止手段12が配設されている。被係止手段12の各々は、上方から見て時計方向に向かって下方に傾斜して延びる傾斜突条14から構成されている。傾斜突条14の上記時計方向下流端は、上記時計方向に見て下流側に隣接して位置する傾斜突条14の該時計方向上流端部の下方に位置している。所望ならば、傾斜突条14の上記時計方向下流端を、上記時計方向に見て下流側に隣接して位置する傾斜突条14の上記時計方向上流端に対して時計方向上流側に位置せしめることもできる。この場合、上記時計方向下流側に位置する傾斜突条14の上記時計方向上流端と上記時計方向上流側に位置する傾斜突条14の上記時計方向下流端との周方向間隔は、かかる周方向間隔を通して後述するリブが通過してしまうことを回避するために、後述するリブの周方向長さよりも小さいことが重要である。被係止手段12を構成する傾斜突条14は平坦な上面、鉛直に延びる外側面及び平坦な下面を有し、上面及び下面は共に上記時計方向に向かって下方に傾斜角度αで傾斜して延びている。傾斜角度αは9乃至30度、好ましくは15乃至25度、程度であるのが好適である。図示の実施形態においては、被係止手段12を構成する傾斜突条14の上面における上記時計方向下流端部には上方に突出する突起16が付設されている。突起16は上記時計方向に見て下流側に位置する傾斜突条14の上記時計方向上流端よりも上記時計方向下流側に位置する(即ち時計方向に見て突起16の上流端は下流側に位置する傾斜突条14の上流端と整合又はこれより下流側に位置する)のが好ましい。かかる突起16は後の説明から明確に理解されるとおり阻止手段を構成する。図示の実施形態においては、口頸部2の外周面には、更に、被係止手段12の各々の下方、好ましくは上記時計方向下流部の下方、にフラップ片反転防止突条18も配設されている。フラップ片反転防止突条18の各々は上記時計方向に向かって下方に傾斜角度βで傾斜して延びている。傾斜角度βは上記傾斜角度αと同一でよい。フラップ片反転防止突条18の横断面形状は略二等辺三角形でよい。
【0020】
図4乃至図6を参照して説明を続けると、ポリプロピレン或いはポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成することができる蓋4は、円形天面壁20とこの天面壁20の周縁から垂下する略円筒形状のスカート壁22とを有する。天面壁20の内面外周縁部には、下方に垂下する内側環状シール24と外側環状シール26とが形成されている。スカート壁22の下部には周方向破断ライン28が形成されており、スカート壁22は周方向破断ライン28よりも上方の主部30と周方向破断ライン28よりも下方のタンパーエビデント裾部32とに区画されている。図示の実施形態においてはスカート壁22の内周面下部には周方向に間隔をおいて軸線方向に延び主部30とタンパーエビデント裾部32とを接続する複数個の縦リブ34が配設されており、縦リブ34とこれらの間に存在するスリットとによって周方向破断可能ライン28が形成されている。タンパーエビデント裾部32は切断されることなく残留せしめられた縦リブ34によって規定されている所謂橋絡部によって主部30に接続されている。スカート壁22の主部30の外周面にはそこに掛けられる指の滑りを防止するための凹凸形状36が配設されている。タンパーエビデント裾部32の内周面には係合手段38が形成されている。図示の実施形態においては、係合手段38は周方向に間隔をおいて配列された複数個の突条40から構成されている。
【0021】
スカート壁22の主部30の内周面には、上記被係止手段12に対応して、周方向に等間隔をおいて複数個、好ましくは2乃至6個、の係止手段42が配設されていることが重要である。係止手段42の各々は、フラップ片44とリブ46とから構成されている。フラップ片44の各々はスカート壁22の主部30の内面に接続された基縁から半径方向内方に向かって上方に傾斜して延出せしめられている。フラップ片44の各々の基縁及び突出縁は上記時計方向に向かって下方に傾斜角度γで傾斜せしめられているのが好ましい。傾斜角度γは上記傾斜角度αと同一でよい。リブ46の各々はフラップ片44の各々の上方に配設されており、上記時計方向に向かって下方に傾斜角度θで傾斜せしめられている下面を有する。傾斜角度θは上記傾斜角度αと同一でよい。リブ46の各々の横断面形状は略矩形でよい。図6に明確に図示する如く、周方向においてフラップ片44の各々とリブ46の各々は略整合して位置しているのが好都合である。
【0022】
図7a乃至図7cと共に図8a乃至図8cを参照して説明すると、容器の口頸部2に蓋4を装着して口頸部2を密封する際には、口頸部2に蓋4を被嵌し、蓋4を軸線方向下方に強制する。図8a乃至図8cを参照することによって理解される如く、蓋4に配設されている係止手段42におけるリブ46の上記時計方向先端が阻止手段を構成する突起16の位置よりも上記時計方向上流側に位置する状態で、リブ46が口頸部2に配設されている被係止手段12に当接せしめられると、リブ46と傾斜突条14との協働によって蓋4が上記時計方向に移動せしめられる。蓋4の上記時計方向への移動は、リブ46が突起16に当接することによって阻止される。一方、蓋4の下降に応じてフラップ片44は被係止手段12を弾性的に乗り越えてその下方に位置せしめられ、これによって口頸部2に蓋4が係止せしめられる。また、図7cを参照することによって明確に理解される如く、フラップ片44の外面は口頸部2に配設されているフラップ片反転防止突条18に当接乃至近接せしめられ、これによってフラップ片44が所要状態に保持され蓋4の装着が充分確実に維持される。フラップ片44は薄肉の基縁から半径方向内方に向かって上方に延出する形態である故に基縁を中心として傾動することによって傾斜突条14を充分容易に乗り越えることができる。蓋4のタンパーエビデント裾部32の内面に配設されている突条40は口頸部2に配設されている係止あご部8を弾性的に乗り越えてその下方に係合せしめられる。図7cに図示する如く、口頸部2に蓋4が所要とおりに装着されると、蓋4の天面壁20の内面に配設されている内側環状シール24及び外側環状シール26が、夫々、口頸部2の内周面上端部及び外周面上端部に密接せしめられ、口頸部2が密封される。
【0023】
容器内に収容されている清涼飲料の如き内容物を消費する際には、蓋4を上方から見て反時計方向に回転せしめる。かくすると、蓋4に配設されているリブ46が口頸部2に配設されている傾斜突条14の上面に案内されることによって蓋4が上昇せしめられ、蓋4に配設されているフラップ片44が口頸部2に配設されている傾斜突条14から離脱せしめられ、口頸部2から蓋4(更に詳しくは蓋4の、タンパーエビデント裾部32以外の部分)を離脱することができる。フラップ片44は口頸部2に配設されているフラップ片反転防止突条18に当接乃至近接しているので、フラップ片44が半径方向内方に向かって下方に延出する状態に反転してしまうことはない。図8cを参照することによって理解される如く、この際に蓋4の回転角度は比較的小さくてよく、従って充分容易に且つ迅速に口頸部2から蓋4を離脱して口頸部2を開封することができる。口頸部2を開封する際、蓋4のタンパーエビデント裾部32は係合手段38が口頸部2の係止あご部8に係止されている故に上昇することができず、周方向破断ライン28(更に詳しくは縦リブ34によって規定されている橋絡部)が破断され、スカート壁22の主部30からタンパーエビデント裾部32が切り離される。切り離されたタンパーエビデント裾部32は口頸部2から離脱されることなく口頸部2に残留せしめられる。所望ならば、タンパーエビデント裾部32に軸線方向に延在する破断ラインを形成し、口頸部2を開封する際には高強度に形成された少なくとも1個の橋絡部は破断されることなく維持され、軸線方向破断ラインが破断されてタンパーエビデント裾部32が帯状に展開され、タンパーエビデント裾部32も口頸部2から離脱されるようになすこともできる。
【0024】
上述した実施形態においては、リブ46の上記時計方向下流端が阻止手段を構成する突起16に当接することによって口頸部2に対する蓋4の上記時計方向への移動が阻止されるが、所望ならば、例えば被係止手段12の下面における上記時計方向下流端部に下方に突出する突起を配設し、かかる突起にフラップ片44の上記時計方向下流端が当接することによって口頸部2に対する蓋4の上記時計方向への移動が阻止されるように構成することもできる。
【0025】
図9a乃至図9cには、本発明に従って構成された組み合わせの他の好適実施形態が図示されている。図9a乃至図9cに図示する実施形態においては、口頸部2の外周面に配設されている被係止手段12を構成する傾斜突条14は、上面及び下面が傾斜角度α1で上記時計方向に向かって下方に傾斜する上流部14aと上面及び下面が傾斜角度α2で上記時計方向に向かって下方に傾斜する下流部14bとを含んでいる。傾斜角度α2は傾斜角度α1よりも小さい。傾斜角度α1は10乃至45度、好ましくは16乃至40度、程度で、傾斜角度α2は9乃至30度、好ましくは15乃至25度、程度であるのが好都合である。フラップ片反転防止突条の傾斜角度β、フラップ片44の基縁及び突出縁の傾斜角度γ並びにリブ46の下面の傾斜角度θは上記傾斜角度α2と同一でよい。傾斜突条14の上流部14aの上面及び下面と下流部14bの上面及び下面とは、夫々、弧状凹面部14c及び弧状凸面部14dを介して接続されている。フラップ片44が被係止手段12の下面に係止する際及び被係止手段12の下面から離脱する際の円滑性の点から、弧状凹面部14cは上記時計方向において弧状凸面部14dよりも幾分上流側に位置せしめられているのが好都合である。図9a乃至図9cに図示する実施形態においては、被係止手段12を構成する傾斜突条14が傾斜角度α2よりも大きい傾斜角度α1で傾斜する上流部14aを有する故に、フラップ片44が傾斜突条14の下方に充分円滑に進入し、そしてまたフラップ片44が傾斜突条14の下面から充分円滑に離脱することができる。
【符号の説明】
【0026】
2:容器の口頸部
4:蓋
8:係止あご部
12:被係止手段
16:阻止手段
18:フラップ片反転防止突条
20:天面壁
22:スカート壁
28:周方向破断ライン
30:スカート壁の主部
32:タンパーエビデント裾部
38:係合手段
42:係止手段
44:フラップ片
46:リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9