(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に基づくメダルゲーム機の好ましい実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0023】
図1〜
図14は、本発明に基づくメダルゲーム機の一実施形態を示している。本実施形態のメダルゲーム機Aは、いわゆるアーケード型であり、筐体1と、メダル投入機構2と、メダル落としゲームが行われるプッシャフィールド3と、プッシャフィールド3を囲う図示しないショーケースとを備えている。図示しないショーケースは透明板等を用いて形成されており、ショーケースの外側からプッシャフィールド3を視認できるようになっている。このメダルゲーム機Aのプレイヤは、筐体1の前方からメダル投入機構2にメダルMaを投入し、プッシャフィールド3において進行するメダル落としゲームに興じる。なお、以降の説明において使用する前後方向は、メダルゲーム機Aのプレイヤに近い方を前方とし、遠い方を後方とする方向である。また、以降の説明において、前後方向および上下方向と直交する方向を横方向とする。
【0024】
筐体1は、平面視矩形状に形成されており、プッシャフィールド3の各構成要素を支持する下部筐体11と、プッシャフィールド3を露出させるように下部筐体11の後部に連結された上部筐体12とを備えている。
図1に示すように、上部筐体12は、液晶ディスプレイなどを用いた電子ゲーム実行用の画像表示装置121と、プッシャフィールド3上のメダルMbが上部筐体12内に侵入するのを防ぐための壁部材122とを有している。
【0025】
図1に示すように、下部筐体11は、前方側に、操作テーブル13およびメダル払い出し口14を有している。操作テーブル13には、画像表示装置121を用いて行われる電子ゲームを操作するための操作ボタン131、および、メダル落としゲームに使用するメダルを収容可能なメダル整列溝132が設けられている。メダル払い出し口14は、操作テーブル13の下方に設けられている。上述の電子ゲームおよびメダル落としゲームによってプレイヤが獲得したメダルは、メダル払い出し口14を介してプレイヤに払い出される。プレイヤは、払い出されたメダルをそのままメダルMaとしてメダル投入機構2に投入してもよく、以下に説明するように、メダル整列溝132を用いて整列させてもよい。なお、メダル整列溝132において整列されるメダルを以下メダルMcとする。
【0026】
メダル整列溝132においては、一方の端部に向かってメダルMcを押すことにより、メダルMcが整列させられる。メダル整列溝132は、整列させられたメダルMcを押す力を緩めることにより、メダルMcの上端部をメダル整列溝132の他方の端部に向けて傾斜させる傾斜手段を備えている。
【0027】
図12は、メダル整列溝132が表れる、操作テーブル13の一部断面図である。なお、
図12に示す断面は、前後方向および上下方向を含む平面である。
図12に示すように、メダル整列溝132は、メダルMcにほぼ沿う半円状の断面を有している。このような形状にすることで、収容されるメダルMcがずれるのを防ぎ、
図13に示すように、複数のメダルMcを立てた状態で図中左右方向に沿って整列させることができる。
【0028】
図13に示すように、メダル整列溝132の図中左端面132aは、上方ほど図中右方に変位するように傾斜している。左端面132aと、上下方向に沿い、図中左右方向に対して垂直な平面Hzとが成す角度は、たとえば5°である。
【0029】
図13に示すように、平面Hzと平行になるように立てられた複数のメダルMcに、プレイヤが指で図中左方に力を加えた場合、複数のメダルMcは左端面132aに沿うように傾斜する。このとき、図中左方に押す力を緩めると、
図14に示すように、複数のメダルMcは左端面132aの傾斜以上に傾斜していく。すなわち、左端面132aは、メダルMcの上端部をメダル整列溝132の図中右方の端部に向けて傾斜させる傾斜手段として機能する。結果として、左端面132aと複数のメダルMcとの間に隙間が生じることになる。プレイヤは指Obをこの隙間に滑り込ませることにより、メダル整列溝132から複数のメダルMcを容易に取り出すことができる。
【0030】
図1に示すように、メダル投入機構2は、図示しないショーケースの外側に設置されるメダル投入口21と、メダル投入口21に連接されたメダル留置部22と、メダル投入口21に連接されたガイド部23とを有している。メダル留置部22は、メダル投入口21とともに、図示しないショーケースの外側に設置されており、プレイヤがメダル整列溝132から取り出した複数のメダルMcを設置可能に構成されている。メダル留置部22に設置された複数のメダルMcは、たとえばプレイヤが指で押すことにより、メダル投入口21に立った状態で投入される。なお、プレイヤは、指に持ったメダルをメダル投入口21に直接投入することもできる。
【0031】
ガイド部23は、後方に行くほど下方に変位するように傾斜している。また、ガイド部23は、プレイヤの操作によって横方向に所定角度範囲内で揺動可能とされている。このガイド部23は、メダル投入口21に投入されたメダルMaを立ったままの状態でプッシャフィールド3に転入させるものである。プッシャフィールド3に転入させられたメダルMaは、プッシャフィールド上の複数のメダルMbの一部となる。
【0032】
プッシャフィールド3は、固定テーブル30と、可動テーブル31と、1対の固定壁32と、規制部材33とを備えている。
図2〜
図11は、プッシャフィールド3を説明するための図である。
図2は、メダルゲーム機Aのプッシャフィールド3の要部正面図である。なお、
図2では簡略化のためにメダル投入機構2を省略している。
図3は、筐体1の一部および可動テーブル31の一部を省略し、プッシャフィールド3の要部が表れるようにした要部正面図である。
図4は、筐体1を省略し、プッシャフィールド3が明示されるようにしたメダルゲーム機Aの斜視図であり、
図5は可動テーブル31の斜視図である。
図6は、筐体1を省略し、プッシャフィールド3が明示されるようにしたメダルゲーム機Aの平面図である。
図2〜
図6および
図9においては、メダルMbを省略している。
【0033】
固定テーブル30は、水平な上面を有しており、この上面の一部分が露出するように下部筐体11に固定されている。なお、上述の前後方向は、固定テーブル30の上面に沿う方向である。
図1および
図7に示すように、固定テーブル30の上面には多数のメダルMbが載置されている。
図6に示すように、固定テーブル30の前端縁301は、1対の固定壁32の前端よりも後方に位置している。また、
図1に示すように固定テーブル30の前端縁301の前方には落下溝が生じている。
【0034】
1対の固定壁32は、たとえば金属板に折り曲げ加工を施すことにより形成されており、それぞれ固定テーブル30の上面に対して垂直に起立し、かつ前後方向に延びている。1対の固定壁32は、
図4に示すように、互いに対向し、横方向において可動テーブル31を挟むように設けられている。1対の固定壁32はそれぞれ筐体1に固定されている。1対の固定壁32の後方部分は上部筐体12の内部に入り込んでいる。
図2〜
図4および
図6に示すように、1対の固定壁32のそれぞれに規制部材33が設けられている。
【0035】
1対の固定壁32は、
図3および
図4に示すように、1対の固定壁32に挟まれた空間内に突き出すように形成された1対の凸部321を有している。1対の凸部321は、たとえば押出加工により形成される。
図9に表れているように、凸部321は、前後方向に長く延びるように形成されている。
【0036】
さらに、
図4に示すように、1対の固定壁32には、1対の開口部322が形成されている。1対の開口部322は、複数のメダルMbが通過する大きさである。1対の開口部322を通過したメダルMbは固定テーブル30の横端縁302に到達し、そこから図示しないメダル回収口に落下する。メダル回収口に入ったメダルMbは所定のメダル貯留部(図示略)に回収される。
【0037】
さらに、
図4および
図6に示すように、1対の固定壁32には1対のローラ323が設けられている。1対のローラ323は上部筐体12内に配置されるものであり、
図1に示すように1対の固定壁32が筐体1に固定された状態では外部から見えないようになっている。1対のローラ323は、可動テーブル31の上面に対して転動自在に接している。
【0038】
さらに、
図8および
図10に示すように、1対の固定壁32には、横方向に貫通し、上下方向に延びる複数の長孔324が形成されている。一例として、左右の固定壁32に3個ずつの長孔324が形成されている。各固定壁32に形成される3個の長孔324は前後方向に沿って所定の間隔を空けて配列されている。
【0039】
可動テーブル31は、固定テーブル30の上面よりも上方に配置されており、図示しないモータの駆動によって一定のストロークで前後方向に沿って往復動する。可動テーブル31は、前後方向における前方側に移動するときに固定テーブル30の上面に載置されたメダルMbを前方に押し出すように構成されている。
図1に示すように、筐体1に組み込まれたとき、可動テーブル31の一部は上部筐体12内に収容されている。
【0040】
図5および
図7に示すように、可動テーブル31は、メダル載置板311と、上方にメダル載置板311が載置された台車312と、台車312の前方に取り付けられた傾斜部313と、傾斜部313に設けられた複数のチャッカ314と、3枚のメダル押出板315とを有している。
【0041】
メダル載置板311は、メダルMbを載置可能な水平な上面を有しており、たとえばネジを介して台車312に固定されており、台車312と一体となって移動する。メダル載置板311は、
図5および
図6に示すように、平面視長矩形状とされており、上方から見たときに台車312のほとんどの部分と重なって見えるようになっている。可動テーブル31の上面はメダル載置板311の上面によって構成される。
図7および
図8に示すように、メダル載置板311の横方向両側には1対の固定壁32が隣接して設けられている。メダル載置板311の横方向端部と、隣接する固定壁32との間には僅かな隙間(たとえばメダルMbの厚みの0.5倍程度)が設けられている。
【0042】
台車312は、固定テーブル30の上面に接しながら回転する複数のローラ312aと、1対の固定壁32のいずれかに接しながら回転する複数のローラ312bとを有している。
図5に示すように、複数のローラ312bは、複数のローラ312aよりも上方に設けられている。これらのローラ312a,312bにより、台車312は、固定テーブル30の上方の1対の固定壁32に挟まれた領域を前後にスムーズに移動可能となっている。
【0043】
さらに、
図7に示すように、台車312の下端部には、横方向に並ぶ複数の係合棒312cが設けられている。
図9に示すように、各係合棒312cは、台車312の前方(図中左方)の側面から前方に突出している。各係合棒312cは、たとえば、正面視円形となるように形成されている。
【0044】
傾斜部313は、
図9に示すように、前方(図中左方)ほど下方に変位するように傾斜している。
図7に示すように、複数のチャッカ314は、傾斜部313に横方向に所定の間隔を隔てて設けられている。各チャッカ314は、メダルMbが通過し得る開口を有し、たとえば、マイクロスイッチなどを用いて構成された図示しないセンサによってメダルMbの通過が検出されるように構成されている。
【0045】
3枚のメダル押出板315は、
図3および
図7に示すように、横方向に並ぶように配置されている。各メダル押出板315は、たとえば樹脂製であり、正面視長矩形状に形成されている。さらに、各メダル押出板315には1対の長孔315aが形成されている。各長孔315aは上下方向に長く延びている。
図7および
図9に示すように、各長孔315aには各係合棒312cが嵌合している。各長孔315aの上下方向における寸法は、正面視における各係合棒312cの直径よりも長くなっている。このような構成によれば、3枚のメダル押出板315は、台車312に対して横方向への移動が規制され、かつ、各長孔315aの長さ分だけ上下に移動可能に連結されることになる。通常、
図9に示すように、各メダル押出板315は、自重によって固定テーブル30の上面に接する位置にある。
【0046】
3枚のメダル押出板315のうち、
図7における右方に配置されたメダル押出板315の右端部には、左方に凹む凹部315bが形成されている。このメダル押出板315の右端部と、
図7中右方の固定壁32との間には、摩擦を防ぐために、僅かな隙間が設けられている。この隙間は、メダルMbが挟まるのを防ぐために、メダルMbの厚みの0.5倍以下であるのが望ましい。さらに、
図7に示すように、先述の凹部315bは、図中右方の固定壁32に形成された左方に突き出す凸部321に嵌合している。凸部321の少なくとも一部は凹部315bと上下方向に重なっている。
【0047】
3枚のメダル押出板315のうち、
図7における左方に配置されたメダル押出板315の左端部には、右方に凹む凹部315cが形成されている。このメダル押出板315の左端部と、
図7中左方の固定壁32との間には、摩擦を防ぐために、僅かな隙間が設けられている。この隙間は、メダルMbが挟まるのを防ぐために、メダルMbの厚みの0.5倍以下であるのが望ましい。さらに、
図7に示すように、先述の凹部315cは、図中左方の固定壁32に形成された右方に突き出す凸部321に嵌合している。凸部321の少なくとも一部は凹部315cと上下方向に重なっている。
【0048】
なお、上述のように3種類の形状のメダル押出板315を用いる代わりに、左右の端部に凹部314bおよび凹部315cを形成されているメダル押出板315を3つ用意して並べてもよい。このような構成を採用すれば、1種類のメダル押出板315を大量に生産することになり、3つのメダル押出板315のどれかが磨り減って交換する際に、メダル押出板315の調達を容易にかつより安価に行うことが可能となる。
【0049】
このような可動テーブル31が後方に移動するとき、メダル載置板311上の複数のメダルMbは、壁部材122の前方側に取り残され、相対的にメダル載置板311の前方へ移動することになる。これらのメダルMbが互いに押し合うと、一部のメダルMbが前方にある傾斜部313へと押し出され、傾斜部313を滑って固定テーブル30上に落下する。このとき、メダルMbがチャッカ314を通過すると、画像表示装置121を用いて行われる電子ゲームの展開に変化が生じる。このようにすることで、より一層プレイヤの興趣を高めることができる。
【0050】
さらに、可動テーブル31が前方に移動するとき、メダル押出板315が、固定テーブル30上の比較的後方に位置するメダルMbを前方に押し出す。これらのメダルMbがさらに前方のメダルMbをうまく前方に押し出すと、固定テーブル30の前端縁301からその手前の落下溝にメダルMbが落下する。上記落下溝に落下したメダルMbは、ホッパー装置等を有する周知のメダル払出機構(図示略)を介してメダル払出し口14に払い出されるようになっている。
【0051】
規制部材33は、可動テーブル31上のメダルMbの水平移動を規制するためのものであり、より具体的には、可動テーブル31の横方向両端部と1対の固定壁32との間にメダルMbが挟まれるのを防止するためのものである。規制部材33は、前後方向に延びるブロック状とされており、可動テーブル31の横方向端部に対してオーバーハングしている。規制部材33の前後方向における前方側の端部は、可動テーブル31が前後方向における最前位置にあるときの、可動テーブル31の前方側の端縁よりも前方側に位置している。本実施形態では、1対の固定壁32にそれぞれ規制部材33が設けられている。各固定壁32に設けられた規制部材33は、横方向における向きが逆になっているものの同じ構成を備えたものである。以下において、
図9に表れている規制部材33の一方側について説明を行うが、他方側の規制部材33も同様の構成を備えている。
【0052】
図10に示すように、規制部材33は、上下方向に離間する下面331および上面332を有している。規制部材33の下面331は、前後方向に沿って延び、かつ、横方向に互いに離間する第1の端縁331aおよび第2の端縁331bを有している。
図10に示すように、規制部材33は、横方向において、第1の端縁331aが、第2の端縁331bよりも固定壁32から遠くに位置するように、当該固定壁32に連結されている。本実施形態では、下面331は、可動テーブル31の上面と平行な面となっており、第1の端縁331aおよび第2の端縁331bが上下方向において同一の位置にある。上面332は、横方向において、固定壁32から遠ざかるにつれて下方に変位するように傾斜している。
【0053】
さらに、規制部材33は、複数の係合部材333を介して上下方向に移動可能なように固定壁32に支持されている。具体的には、各係合部材333は円柱状の胴部333aと、雄ネジが形成されたネジ部333bとを有する段付きネジである。規制部材33には、ネジ部333bに形成された雄ネジに嵌合する雌ネジが設けられた係合孔334が形成されている。
図10に示すように、係合部材333が固定壁32に形成された長孔324を貫通し、ネジ部333bが係合孔334に捻じ込まれることにより、規制部材33は固定壁32に連結されている。なお、先述したように、固定壁32には複数の長孔324が形成されている。本実施形態では、各長孔324に対して1個ずつ係合部材333が嵌め込まれている。
【0054】
係合部材333の胴部333aの直径は、長孔324の上下方向寸法よりも短くなっている。このため、胴部333aは長孔324の長さに応じて、一定範囲で上下に自由移動可能となっている。先述のように規制部材33の係合孔334に係合部材333のネジ部333bが捻じ込まれているため、胴部333aを一定範囲で上下動させると規制部材33の下面331も一定範囲で上下動する。
【0055】
規制部材33の下面331が下限位置をとるのは、
図10に示すように、胴部333aが長孔324の下端に接するときである。逆に、規制部材33の下面331が上限位置をとるのは、
図11に示すように、胴部333aが長孔324の上端に接するときである。規制部材33の下面331は上述の下限位置と上限位置との間を上下に移動可能である。通常、自重によって、規制部材33の下面331は、
図10に示す下限位置にある。
図10に示すように、規制部材33の下面331は、下限位置にあるとき、可動テーブル31の上面と離間している。
【0056】
規制部材33の下面331が下限位置にあるときの、第1の端縁331aと可動テーブル31の上面との上下方向における距離d1(
図10参照)は、メダルMbの厚みの3倍より長くなっている。また、距離d1は、メダルMbの厚みの整数倍とは異なる値であるのがよい。なお、メダルMbの厚みは、たとえば2.0mmであり、距離d1>6.0mmとするのが望ましい。
【0057】
規制部材33の下面331が上限位置にあるときの、第1の端縁331aと可動テーブル31の上面との上下方向における距離d2(
図11参照)は、メダルMbの直径の半分よりも短くなっている。なお、メダルMbの直径は、たとえば21mmであり、距離d2<10mmとするのが望ましい。
【0058】
規制部材33が横方向に短すぎる場合、メダルMbが比較的立った状態で可動テーブル31と固定壁32との間に入り込むことが起こり得る。上述したように、可動テーブル31と固定壁32との間の隙間はメダルMbの厚みの0.5倍程度であるが、メダルゲーム機Aを使用しているうちに可動テーブル31が横方向に移動し、左右のいずれかの固定壁32に寄ってしまう場合がある。このとき、可動テーブル31が寄った固定壁32の反対側の固定壁32と可動テーブル31との間の隙間がメダルMbの厚みと同程度となり、メダルMbが隙間に挟まってしまうことが起こり得る。このような事態を防止するために、本実施形態では、規制部材33の横方向寸法がある程度大きくなるように、第1の端縁331aの位置が以下の条件を満たす位置にある。
【0059】
図10および
図11に二点鎖線で示す平面Haは、基準線Lbと第1の端縁331aとを含む平面である。なお、基準線Lbは、可動テーブル31の上面を含む平面と固定壁32とが交差する線である。このように規定される平面Haと可動テーブル31の上面とが成す傾きは、たとえば、
図11に示すように、メダルMbが斜めになって規制部材33の下方に入り込み、メダルMbが固定壁32と第1の端縁331aに当接するときのメダルMbの傾きとほぼ一致する。規制部材33の横方向寸法が小さく、第1の端縁331aの位置が固定壁32に近い場合、平面Haと可動テーブル31の上面とが成す角度は大きくなる。換言すれば、メダルMbが立った状態で規制部材33の下に入り込みやすくなる。逆に、規制部材33の横方向寸法が大きく、第1の端縁331aの位置が固定壁32から遠い場合には、平面Haと可動テーブル31の上面とが成す角度は小さくなる。下面331が上限位置にあるときに、平面Haと可動テーブル31の上面とが成す角度が60°以下であれば、先述の問題を十分に防ぐことが可能である。なお、
図10に示すように、下面331が下限位置にあるときの平面Haと可動テーブル31の上面とが成す角度は、下面331が上限位置にある場合よりも自然に小さくなる。
【0060】
次に、メダルゲーム機Aの作用について説明する。
【0061】
本実施形態のメダルゲーム機Aにおいては、規制部材33の下面331が下限位置にあるとき、下面331が可動テーブル31の上面と接触しないようになっている。このため、可動テーブル31が前後に往復動する際に、下面331と可動テーブル31の上面とが擦り合わされることがない。従って、メダルゲーム機Aにおいては、可動テーブル31の前後動がより円滑に行われる。さらに、規制部材33の下面331が磨耗しにくいため、規制部材33を交換する必要性が大幅に減少し、整備コストの削減を図ることができる。
【0062】
さらに、規制部材33が上下動可能になっているため、下面331と可動テーブル31の上面との間の意図的に設けられた隙間に、その隙間よりも大きな異物が入り込もうとした場合には規制部材33が上方に移動する。規制部材33が上方に移動することにより、異物を噛んで可動テーブル31の前後動が停止してしまうのを防ぐことができる。また、規制部材33を手動でさらに上昇させることで容易に異物を取り出すことができる。
【0063】
本実施形態では、上述したように、下面331が上限位置にある場合の下面331と可動テーブル31の上面との距離d2がメダルMbの直径の半分よりも短くなっている。このような構成による作用について
図15および
図16を用いて説明する。
図15には、本実施形態とは異なる構成のメダルゲーム機A’の一部断面図を示している。
図15に示すメダルゲーム機A’では、下面331と可動テーブル31の上面との距離が、メダルMbの直径の半分よりも長い距離d3となっている。このような構成では、
図15に示すように、起立した状態のメダルMbが他のメダルMbに押されて規制部材33を横方向に押圧するときに、メダルMbが第1の端縁331aに当接することがある。このとき、規制部材33はメダルMbによって上方に押し上げられることになる。このような事態になると、下面331が下限位置から上方に押し上げられた状態のまま、可動テーブル31が前後動することになる。下面331と可動テーブル31の上面との距離が大きいほど、規制部材33の下に寝ていない状態のメダルMbが入り込みやすくなっている。寝ていない状態のメダルMbは、寝ている状態のメダルMbに比べて1対の固定壁32と可動テーブル31との間に入り込みやすく、可動テーブル31の移動を阻害する原因になりやすい。可動テーブル31の移動をより円滑にするには、寝ていない状態のメダルMbが規制部材33の下方に入り込むのを防ぐことが必要である。
【0064】
図16には、本発明に基づくメダルゲーム機Aの一部断面図を示している。メダルゲーム機Aにおいては、距離d2がメダルMbの直径の半分よりも短くなっているため、
図16に示すように、起立した状態のメダルMbは、第1の端縁331aに当接せずに、規制部材33の側面に当接することになる。すなわち、下面331が上限位置にある場合であっても、メダルMbが第1の端縁331aを押し上げることはなく、従って、下面331がそれより下にあるときにもメダルMbが第1の端縁331aを押し上げることはない。このため、メダルゲーム機Aでは、
図15に示すようなメダルMbが規制部材33を押し上げてしまう状況が発生しにくくなっている。このことは、下面331と可動テーブル31の上面との間に寝ていない状態のメダルMbが入り込むのを防ぐ上で望ましい構成である。
【0065】
さらに、上述したように、規制部材33がある程度の横寸法を有するように、第1の端縁331aの位置が設定されているため、起立状態に近い状態のメダルMbは規制部材33の下方により一層入り込みにくくなっている。このため、規制部材33の下方に入り込むメダルMbは、可動テーブル31の上面に寝た状態のものか、
図10に示すように、他の寝た状態のメダルMbにもたれ掛かって傾斜する寝た状態に近いものとなる。これらのメダルMbは、仮に可動テーブル31と固定壁32との間にメダルMbの厚み分相当の隙間が生じた場合でも、隙間に落下しにくく、可動テーブル31の前後動を妨げにくいものである。
【0066】
さらに、上述したように、距離d1は、メダルMbの厚みの整数倍とは異なる値となっている。このようにすると、メダルMbが1枚または複数枚上下に重なった状態で下面331と可動テーブル31の上面との間に入り込んだとしても、規制部材33の下面331がメダルMbに接触しにくくなっている。このため、規制部材33の下面331と可動テーブル31の上面との間にメダルMbが挟まって可動テーブル31の前後動が妨げられるのを防ぐとともに、下面331が磨耗するのを予防することができる。従って、メダルゲーム機Aでは、下面331と可動テーブル31の上面との間に意図的に設けられた隙間によって新たな問題が生じるのを好ましく防ぐことができる。
【0067】
さらに、本実施形態では、距離d1は、メダルMbの厚みの3倍よりも長くなっている。メダルゲーム機Aを運用する際、メダルMbが3枚より多く重なることは通常起こりにくいことである。このため距離d1をメダルMbの厚みの3倍よりも長くすることで、より一層、メダルMbと下面331とを接触しにくくすることができる。
【0068】
また、さらに、本実施形態では、
図3および
図7に示すように、1対の固定壁32に凸部321が設けられており、左右のメダル押出板315に凸部321に嵌合する凹部315b,315cが設けられている。このような構成によれば、
図7に示すように、固定テーブル30上の固定壁32付近ではメダルMbが起立しにくくなる。固定壁32とメダル押出板315との間に起立したメダルMbが挟まると、可動テーブル31の前後動が停止することが起こり得る。メダルゲーム機Aでは、凸部321が設けられているため、そのような問題が生じにくくなっている。
【0069】
本発明に係るメダルゲーム機は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るメダルゲーム機の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、上述したメダルゲーム機Aは一人用のものであるが、メダルゲーム機Aと同様の構造を複数内包する多人数用のメダルゲーム機も本発明の範囲内である。
【0070】
また、たとえば、上述した実施形態では、距離d1がメダルMbの厚みの3倍より長くなっているが、距離d1をもっと小さなものとしてもよい。たとえば、距離d1をメダルMbの厚みより短くし、規制部材33と可動テーブル31との間にメダルMbが入り込むのを防ぐ構成としてもよい。
【0071】
また、たとえば、上述した実施形態では、規制部材33が上下動可能に構成されているが、規制部材33の内部に下面331を上下動させる構造を設けてもよい。具体的には、規制部材33が、固定壁32に固定される第1の部材と、上記第1の部材に対して上下動可能に連結された第2の部材とで構成されており、上記第2の部材が上下動することにより、規制部材33の下面331が上下動するようにしてもよい。
【0072】
また、たとえば、上述した実施形態では、下面331が可動テーブル31の上面と平行な面となっているが、下面331が可動テーブル31の上面に対して傾斜していても構わない。
【0073】
また、たとえば、上述した実施形態では、
図13に示すように左端面132aが傾斜したメダル整列溝132を示しているが、反対側のメダル整列溝132の右端面が上方ほど左方に変位するように傾斜する構成としてもよい。また、メダル整列溝132の左右の両端面が傾斜する構成でもよい。また、左端面132aの傾斜は、複数のメダルMcを左端面132aから離れる方向に倒すことを目的としたものであり、たとえば
図17に示すように、メダル整列溝132の左端面132aを傾斜させる代わりに左端面132aに右方に突き出す突起132bを設けてもよい。なお、突起132bを設ける場合には、メダルMcが意図した方向に倒れるように、突起132bを上下方向においてメダルMcの中心位置と同程度か、それよりも高い位置に設けるのが好ましい。