特許第5965707号(P5965707)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965707
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20160728BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20160728BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20160728BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20160728BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20160728BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20160728BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160728BHJP
【FI】
   F21S8/04 130
   F21S2/00 230
   F21V23/00 120
   F21V3/02 400
   F21V7/00 510
   F21V3/00 320
   F21Y115:10
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-94332(P2012-94332)
(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2013-222636(P2013-222636A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2014年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】小野 隆
(72)【発明者】
【氏名】丸山 孝享
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 祐介
【審査官】 石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/129199(WO,A1)
【文献】 特開2012−054126(JP,A)
【文献】 特開2006−155955(JP,A)
【文献】 特開2011−155019(JP,A)
【文献】 特開平09−204811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 3/00−3/02
F21V 7/00
F21V 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、該器具本体へ2列に離隔配置された発光ダイオードからなる光源部と、2列に離隔配置された前記光源部の間に配置し前記光源部を駆動させる電源装置と、2列に離隔配置された前記光源部のそれぞれを覆うように設けられた透光カバーと、を有する照明装置において、
前記電源装置を覆う反射板を備え、
前記透光カバーは、前記光源部を覆うように設けられた状態で前記光源部の側部方向に位置し、かつ前記光源部からの光の一部が透過する戻し部を備え、
前記反射板の外側面は、前記器具本体に対して略鉛直となり、かつ前記透光カバーの戻し部に隣接するよう配置したことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記光源部は照明装置外側方向を向くように前記器具本体へ各々斜めとなるように配置したことを特徴とする請求項1に記載された照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、指向性の高いLED(発光ダイオード、発光素子)などを光源とする照明装置が提供されている。このような照明装置の一例としては天井面などに取り付けられる長尺な照明装置などがある。例えば、特許文献1においては指向性の高いLED光源を床面方向に水平に配置し、断面視が略コの字状に折り曲げた反射シートが設けられており、反射シートの両縁が透光パネルの両縁に位置するように配置してあり照明装置直下が際立って明るくなる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4528862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1における製品内側方向の反射シートはLEDに近接して鉛直方向に対し傾斜させ配置しているため、LEDから製品内側方向の反射シートに照射された光は照明装置直下方向への反射光となり照明装置直下が際立って明るくなるが、均斉度(室内の照度分布の均一さ)は低くなる恐れがある。
【0005】
本発明では、天井面に対し横方向(水平方向)への光の広がりを十分に確保し均斉度が高い照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、器具本体と、該器具本体へ2列に離隔配置された発光ダイオードからなる光源部と、2列に離隔配置された前記光源部の間に配置し前記光源部を駆動させる電源装置と、2列に離隔配置された前記光源部のそれぞれを覆うように設けられた透光カバーと、を有する照明装置において、前記電源装置を覆う反射板を備え、前記透光カバーは、前記光源部を覆うように設けられた状態で前記光源部の側部方向に位置置し、かつ前記光源部からの光の一部が透過する戻し部を備え、前記反射板の外側面は、前記器具本体に対して略鉛直となり、かつ前記透光カバーの面の一部に隣接するよう配置した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天井面に対し横方向(水平方向)への光の広がりを十分に確保し均斉度が高い照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施形態の照明装置10を示す斜視図。
図2図1の分斜視図。
図3】透光カバー30の斜視図。
図4図1の照明装置を器具本体20と電源装置70を上方向と短手方向を通るように切断し、光の照射方向を示す部分断面図。
図5図1の照明装置10を器具本体20と電源装置70を上方向と短手方向を通るように切断し、光の照射範囲を示す断面図。
図6図1の照明装置10を器具本体20と電源装置70を上方向と短手方向を通るように切断し、短手方向からみた断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1から図6中に記載する参照符号は以下の説明において共通符号とする。10は照明装置、20は器具本体、21は器具本体20の裾部、22は器具本体20の端部、23は器具本体20の立上部、24は立上部23に形成した凹部、30は透光カバー、31は透光カバー30の支持部、32は透光カバー30の発光部、33は透光カバー30の戻し部、34は透光カバー30の押え部、35は支持部31に形成した溝部、36は戻し部33に形成した凸部、40は反射材である反射板、41は反射板40の側面部、42は反射板40の底曲部、50はLED、52はLED50から発光部32の方向に照射された光、52′は光52が発光部32を透過した後の光、53はLED50から戻し部33の方向に照射された光、53′は光53が戻し部33を透過した後の光、53″は光53′が発光部32を透過した後の光、54は光部32で導光された拡散光、56はLED50の照射範囲(内側)、57はLED50の照射範囲(外側)、60は光源基板、70は電源装置、72は電源端子台、74は端板、80は取付部材(ねじ、ファスナーなど)、90は天井である。
【0011】
照明装置10が、天井90に取り付けられた際の天井側を上方向、床面側を下方向とする。つまり照明装置10が、天井90に取り付けられた場合、上方向から下方向へ器具本体20、反射板40の順になるよう取り付けられる。また、照明装置10の外形は長尺な略直方体であるため、照明装置10には6つの面が存在する。これ以降、照明装置10が天井90に取り付けられた状態を基準として、照明装置10の天井側の面を上面、照明装置10の床面側の面を下面、天井90と直交し長尺な照明装置10の長手面を長手方向側面、上面・下面・長手方向側面以外の天井90と直交し長尺な照明装置10の短手面を短手方向側面と呼ぶことにする。また、これ以降、天井90に平行であり長手方向側面と平行となる方向を長手方向、天井90に平行であり短手方向側面と平行となる方向を短手方向と呼ぶ。
【0012】
照明装置10の概略構成を以下に説明する。天井90に固定される器具本体20は長尺で長手方向から見て略逆ひ型である。器具本体20の短手方向には裾部21が設けられている。両方の裾部21は器具本体20の短手方向中心部を基準とし、短手方向端部へ行くにつれ下方向から上方向へと傾斜している。つまり器具本体20を天井面に取り付けた場合、裾部21は天井90に対して傾斜している。LED50を実装した光源基板60は、板状である。光源基板60は1つでも良いし、複数を接続しても良い。光源基板60は、両方の裾部21に固定され、天井90に対して斜め下面向きとなるよう固定される。透光カバー30は、略ハーフパイプ型である。つまり、透光カバー30は、長手方向に長尺な凹型形状である。透光カバー30は、光源基板60を覆うように器具本体20の短手方向の両外側に固定される。よって、透光カバー30は、天井90に対して斜めとなるよう固定される。一対の透光カバー30に挟まれるように光源基板60に実装したLED50を発光させるための電源装置70、および電源装置70に電力を供給する電源ケーブルを接続する電源端子台72が器具本体20に固定される。端板74は、板状であり、透光カバー30の長手方向端部を覆うよう器具本体20長手方向の両端に固定されている。着脱可能な反射板40は、略逆V型である。反射板40は、器具本体20と長手方向の長さが略等しく長尺で表面に反射処理を施している。また、反射板40は、電源装置70および電源端子台72を覆い、かつ一対の透光カバー間に位置するよう器具本体20に固着される。
【0013】
図3は透光カバー30の斜視図である。透光カバー30は光源であるLED50からの光を透過するものであればよく、透明となる材料で作成しても半透明となる材料で作成してもよい。また、透光カバー30は、拡散性でも非拡散性でもよい。拡散性であれば均斉度は高くなり、非拡散性であれば効率がよくなる。透光カバー30は、支持部31・発光部32・戻し部33・押え部34からなり、一体で設けられている。各部位は器具本体20の長手方向から見て、支持部31は器具本体20の両方の端部22の一方に係止することが可能な溝型形状であり、支持部31と接続している発光部32は光源基板60を覆うよう曲線型形状で、発光部32と接続している戻し部33は凸部または凹部を形成した板型形状で、戻し部33と接続している押え部34は板型形状である。
【0014】
図4図1の照明装置10を器具本体20と電源装置70を上方向と短手方向を通るように切断し、光の照射状態を示す部分断面図である。光源であるLED50から様々な方向に照射される光は、光源基板60を覆うように器具本体20に固定された透光カバー30を透過する。
【0015】
発光部32の方向に照射された光52は、発光部32を透過し光52′となる。光52′は主に床面方向照射する光となる。
【0016】
戻し部33の方向に照射された光53は、戻し部33に隣接して配置している反射板40の側面部41で反射され反射光53′となり透光カバー30内側の発光部32方向に戻される。透光カバー30内側に戻された反射光53′は、発光部32を透過し照明装置10の外側方向への照射光53″となり横方向への光の広がりを高める効果が得られる。このように、基板を斜めに配置することで均斉度を高めることができる。反射板40を設けることで更に均斉度を高めることができる。
【0017】
また、反射板40の表面に光の反射性に優れた高反射処理を施すことで反射効率が高くなり透光カバー30内部に戻る反射光53′が増え発光効率を高める効果が得られる。
【0018】
透光カバー30に拡散性材料を用いた場合には、指向性の高いLED50においても透光カバー30の発光部32に照射される光は透光カバー30の拡散成分により面発光し短手方向へ光が導かれる拡散光54となり照明装置10近傍の天井面に照射さる。結果的に天井面の明るさが増すことにより部屋全体の明るさを高める効果が得られる。
【0019】
照明装置10における天井への施工手順は、透光カバー30が固定された器具本体20を天井に取り付け、電源端子台72に電源ケーブルなどの電気配線を行った後、反射板40を固着する。
【0020】
透光カバー30が器具本体20に固定されていない状態で施工した場合には、透光カバー30を別に取り付ける作業が必要となり施工に手間がかかることになる。
【0021】
図5図1の照明装置10を器具本体20と電源装置70を上方向と短手方向を通るように切断し、光の照射状態を示す断面図である。LED50を実装した光源基板60は照明装置10外側方向に各々斜め配置することで、2列に分離配置し各々のLED50から内側方向に照射され重なる範囲56を減らし、照明装置10の外側方向への照射範囲57を増やすことができ、均斉度が高く広範囲へ照射できる効果が得られる。
【0022】
図6図1の照明装置を器具本体20と電源装置70を上方向と短手方向を通るように切断し、短手方向からみた断面図である。器具本体20の裾部20に透光カバー30の一辺である支持部31に形成した溝部35を引っ掛け、戻し部33の凸部36が器具本体20の立上部23の凹部24に弾性係合される。また、戻し部33の凹部24を凹形状とし、立上部23の凹部24を凸形状での弾性係合でもよい。また、凸形状を切起し形状にして弾性係合させてもよい。
【0023】
反射板40は実使用状態において取付部材80(ねじ、ファスナーなど)で器具本体20方向すなわち下方向から上方向への力で固着される。反射板40の底曲部42は透光カバー30の押え部34に接することで透光カバー30を器具本体20へ押し付ける作用が生じ、実使用状態で透光カバー30は器具本体20に機械的に固着させることができ、施工後の透光カバー30の落下を排除できる。よって、器具本体20への透光カバー30の固定は、反射板40が器具本体20へ固着されるまでの弾性係合など非機械的な固定を可能とし、透光カバー30を固定するための部品数および組立作業工数の低減効果が得られる。
【0024】
LED50と反射処理を施した反射板40に適正な距離を設け、反射板40の側面部41が略鉛直になるよう配置することで、LED50から製品内側方向の反射板40に照射された光は横方向への反射光となり、照明装置10直下の光を分散させることができる。
【0025】
器具本体20へ2列に離隔配置された発光部が発光ダイオード(LED50)からなる光源部と、前記光源部を駆動させる電源装置70を前記2列に離隔配置した光源部間に配置した照明装置10において、前記光源部を覆うように前記器具本体20に2列配置した光の透過が可能な透光カバー30を備え、前記器具本体20に着脱可能な前記電源装置70を覆う反射材である反射板40を備え、前記反射板40の外側面は透光カバー30外面の一部に隣接させ、前記光源部から前記反射板40方向へ照射した光で前記透光カバー30を透過した光を前記反射板40で反射させ前記透光カバー30内に戻し、天井90面に対し横方向への光として利用することを特徴とした照明装置10とすることで、天井90面に対し横方向(水平方向)への光の広がりを十分に確保し均斉度が高く、天井90面への照射が可能となり部屋全体の明るさを高く感じられる照明装置10を提供することができる。
【0026】
照明装置10内側方向への光を反射板40での反射を利用して照明装置10外側方向へ照射させるとともに、光源であるLED50を実装したLED50基板を照明装置10の外側方向に各々斜め配置して照明装置10の直下付近で光の重なりを低減することで、天井90面に対し横方向(水平方向)への光の広がりを十分に確保し均斉度が高く、天井90面への照射が可能となり部屋全体の明るさを高く感じられる照明装置10を提供することができる。
【0027】
なお、光源をLED50で示してきたが、光源は有機ELでもよい。
【符号の説明】
【0028】
10 照明装置
20 器具本体
21 器具本体20の裾部
22 器具本体20の端部
23 器具本体20の立上部
24 立上部23に形成した凹部
30 透光カバー
31 透光カバー30の支持部
32 透光カバー30の発光部
33 透光カバー30の戻し部
34 透光カバー30の押え部
35 支持部31に形成した溝部
36 戻し部33に形成した凸部
40 反射材である反射板
41 反射板40の側面部
42 反射板40の底曲部
50 LED
52 LED50から発光部32の方向に照射された光
52′ 光52が発光部32を透過した後の光
53 LED50から戻し部33の方向に照射された光
53′ 光53が戻し部33を透過した後の光
53″ 光53′が発光部32を透過した後の光
54 発光部32で導光された拡散光
56 LED50の照射範囲(内側)
57 LED50の照射範囲(外側)
60 光源基板
70 電源装置
72 電源端子台
74 端板
80 取付部材(ねじ、ファスナーなど)
90 天井
図1
図2
図3
図4
図5
図6