(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
供給位置に向かってテープを案内するテープガイドと、前記テープガイドの途中の切断位置で前記テープを切断するメスと、前記テープを送るローラとを有するテープ供給装置と、
前記供給位置で前記テープに沿って縫製を行うミシンとを備えるテープ縫い付け装置において、
前記ローラを、前記切断位置を挟んで前記テープガイドに沿って二つ設けると共に、
前記二つのローラと前記メスとを制御して、前記テープの供給位置側の先端部が前記テープガイドの先端部から突出した状態で前記テープの切断を行い、切断後の前記テープを逆方向に後退させてから前記ミシンの供給位置に前記テープの供給を行う制御手段を備えることを特徴とするテープ縫い付け装置。
前記テープ供給装置は、前記テープガイドを搭載し、前記供給位置と当該供給位置から離隔した待機位置との間で移動可能な可動ブロックと、前記可動ブロックの位置切り替えの駆動源とを備え、
前記制御手段は、前記位置切り替えの駆動源を制御して、前記可動ブロックを前記待機位置に移動させた状態で、前記テープの供給位置側の先端部が前記テープガイドの先端部から突出した状態での前記テープの切断を行うことを特徴とする請求項1記載のテープ縫い付け装置。
供給位置に向かってテープを案内するテープガイドと、前記テープガイドの途中の切断位置で前記テープを切断するメスと、前記テープを送るローラとを有するテープ供給装置と、
前記供給位置で前記テープに沿って縫製を行うミシンとを備えるテープ縫い付け装置において、
前記ローラを、前記切断位置を挟んで前記テープガイドに沿って二つ設けると共に、
前記二つのローラと前記メスとを制御して、前記ミシンによる縫製に同期して前記テープの先端部を前記供給位置に向かって送ることで前記テープの送りと当該テープの縫製とを並行して行い、前記縫製の途中で前記テープの切断を行う制御手段を備えることを特徴とするテープ縫い付け装置。
供給位置に向かってテープを案内するテープガイドと、前記テープガイドの途中の切断位置で前記テープを切断するメスと、前記テープを送るローラとを有するテープ供給装置と、
前記供給位置で前記テープに沿って縫製を行うミシンとを備えるテープ縫い付け装置において、
前記ローラを、前記切断位置を挟んで前記テープガイドに沿って二つ設けると共に、
前記二つのローラと前記メスとを制御して、前記テープの供給位置側の先端部が前記テープガイドの先端部から突出した状態で前記テープの切断を行い、切断後の前記テープを逆方向に後退させてから前記ミシンの供給位置に前記テープの供給を行う第一の延長制御と、
前記二つのローラと前記メスとを制御して、前記ミシンによる縫製に同期して前記テープの先端部を前記供給位置に向かって送ることで前記テープの送りと当該テープの縫製とを並行して行い、前記縫製の途中で前記テープの切断を行う第二の延長制御とを選択的に実行する制御手段と、
前記制御手段が、前記第一と第二の延長制御のいずれを実行するか予め設定する選択設定手段とを備えることを特徴とするテープ縫い付け装置。
前記制御手段は、前記二つのローラの送り量の検出又は前記テープの先端部の位置検出の何れか一方又は両方の検出に基づいて、前記テープを目標とするテープ長さで切断する動作制御を行うことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のテープ縫い付け装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1は本発明を適用したテープ縫い付け装置の一実施形態の構成を示すもので、1はテーブル、2はミシン、3はテープ供給装置、4はテープラック、5は制御ボックス(制御手段)、7はバーコードリーダ、8はミシン制御端末(操作パネル)、9は糸巻きである。また、制御ボックス5には、複数の縫製パターンを記憶する記憶手段としてのROMやRAMが設けられている。そして、ミシン制御端末8に設けられたタッチパネルを操作して、選択された縫製パターンの編集を行うことができる。
図示、上下方向をZ軸方向、これと直交する一つの方向をX軸方向(左右方向)、Z軸方向とX軸方向の両方向に直交する方向をY軸方向(前後方向)と定義する。
なお、テーブル1には身頃がセットされ、ミシン2により縫製パターンに基づいて身頃にテープを縫い付ける。
【0019】
図示のように、テーブル1の向こう側(Y軸方向後方側)にミシン2が配置されて、そ
のテーブル1及びミシン2の右側にテープ供給装置3が配置され、そのテープ供給装置3の向こう側(Y軸方向後方側)にテープラック4が配置されている。なお、テーブル1に
針落ち穴10が形成され、テーブル1上に下板11及び上押え12が設けられている。また、ミシン2の頭部には、テープ縫い付け装置(テープ供給装置3とミシン2が含まれる。)のスタートスイッチ20及び停止スイッチ21が設けられている。
【0020】
テープ供給装置3は、テーブル1の右側に固定した固定ブロック31に、図示省略の直動案内としてのリニアガイドを介して可動ブロック33が取り付けられている。また、固定ブロック31にはシリンダ32が固定されている。シリンダ32の駆動ロッドの先端側は、可動ブロック33に固定されている。シリンダ32の駆動ロッド(ピストン)が進退すると、リニアガイドに案内されて、可動ブロック33は、テーブル1に対し右斜め上方から進退動作する。
そして、テーブル1の右側下方に制御ボックス5が配置され、テープ供給装置3の右側にミシン制御端末8が配置されている。このミシン制御端末8は、タッチパネル式の表示画面を備えている。
さらに、ミシン制御端末8の手前下にバーコードリーダ7が掛けられて、ミシン制御端末8の向こう側に糸巻き9が配置されている。糸巻き9から糸がミシン2に供給される。
【0021】
図2はテープを縫い付ける靴の身頃を示したもので、左外側の身頃LO、左内側の身頃LI、右内側の身頃RI、右外側の身頃ROの4枚である。
ここで、靴の踝の下に位置する高さは、左右ともに外側の身頃LO・ROの方が内側の身頃LI・RIよりも低く(幅が狭く)なっている。
そして、4枚の身頃LO・LI・RI・ROの底側に沿った部分には同一ピッチの2つの基準穴hがそれぞれ貫通形成されている。この2つの基準穴hは全サイズの身頃に共通で設けられ、靴底との接着時に折り返して基準穴hが隠されるようになっている。
【0022】
図3はミシン制御端末8の表示画面の表示例を示したもので、作業者がバーコードリーダ7を持って図示しないバーコードシート上の、これからテープを縫い付ける所定の靴サイズのバーコードを読み取ると、図示のように、例えば読込値「8T」に関するデータが表示される。
【0023】
図4は
図1のテープ縫い付け装置をミシン側から見たもので、身頃LI(またはRO)をセットした状態を示しており、図示のように、身頃LI(またはRO)はテーブル1上の下板11と上押え12との間に挟まれる。従って、下板11と上押え12が身頃押え部を構成する。
なお、下板11と上押え12は、押え駆動装置13を介して、図示しない周知のX−Y送り装置(支持ガイドと、移動ベース、モータ等から構成される。)によりX軸方向、Y軸方向を同期移動し、また、上押え12は押え駆動装置13により上昇下降する。すなわち、X−Y送り装置は、身頃を支持する身頃押えを、水平一平面に沿って移動させる。
【0024】
図5は
図1のテーブル1及び身頃押え部を拡大したもので、テーブル1には、基準ピン用の3つの丸穴14(14a、14b、14c)と、身頃センサ用の4つの丸穴15(15a、15b、15c、15d)が形成されている。すなわち、左右の丸穴14a、14bと、その中心を通り、向こう側(Y軸方向後方側)の丸穴14cが形成されている。
また、その左右の丸穴14a、14bの手前側に左右の丸穴15a、15dが形成され、その間で少し向こう寄りに左右の丸穴15b、15cが形成されている。
そして、丸穴14c内の基準ピン16cの中心を通る、Y軸方向中心線に対して、14aと14b、15aと15d、15bと15cは左右対称の位置にある。
図中、22はミシン2の針、23は針22が貫通する中押えである。また、
図5は縫製前に身頃をセットする、初期位置に身頃押え部11、12が位置する。
【0025】
図6は
図5のテーブル1及び身頃押え部を正面側から見たもので、テーブル1の下には、丸穴14(14a、14b、14c)に出没する3つの基準ピン16と、丸穴15(15a、15b、15c、15d)の直下に位置する光電管による4つの身頃センサ17・18が配置されている。すなわち、テーブル1の下面にブラケット19を介して4つの身頃センサ17・18が取り付けられている。手前側の左右の丸穴15a、15dの直下に身頃センサ17がそれぞれ位置し、その間で少し向こう寄りの左右の丸穴15b、15cの直下に身頃センサ18がそれぞれ位置している。
【0026】
図7は
図6のテーブル1下部分を下方から見たもので、
図8は
図7の部分を右側から見たものである。
図示のように、テーブル1の下部には、ロッド111を介して支持板112が固定されている。この支持板112上にシリンダユニット113が搭載され固定されている。シリンダユニット113の駆動ロッド(ピストン)には可動板114が固定されている。可動板114には、ナットで固定した3つのネジ棒115上に基準ピン16がそれぞれ組み付けられている。位置決め部材としてのこの基準ピン16は、ネジ棒115に対し所定以上の荷重がかかると内部に引っ込むようバネを介装して組み付けられている。シリンダユニット113の駆動ロッドが上下動すると、可動板114を介して基準ピン16が上昇、下降する。
【0027】
図9は
図4の身頃押え部を拡大したもので、図示のように、テーブル1上で下板11の上に置いた身頃LI(またはRO)の2つの基準穴hに、作業者側から見て右側の基準ピン16bと中央向こう側の基準ピン16cが挿入して位置決めされる。なお、各身頃LI、LO、RI、ROは、その先端側(靴先側)が、Y軸方向後方側に配置されて位置決めされる。
【0028】
図10は
図9と内外が異なる身頃をセットした状態を示すもので、図示のように、テーブル1上で下板11の上に置いた身頃LO(またはRI)の2つの基準穴hに、作業者側から見て左側の基準ピン16aと中央向こう側の基準ピン16cが挿入して位置決めされる。
【0029】
図11は
図1のテープ供給装置3にテープをセットする状態を示したもので、
図12はそのテープをセットする方向から見た状態を示したものである。
図示のように、テープラック4は、上段ラック41、中段ラック42、下段ラック43の3段構成となっており、上段ラック41の回転板44上に小さい幅のテープTsが、中段ラック42の回転板44上に一般幅のテープTmが、下段ラック42の回転板44上に大きい幅のテープTwが、それぞれロール状態で置かれている。
【0030】
図示例では、最も多く用いられる普通幅のテープTmがテープ供給装置3のテープ供給経路にセットされる。
ここで、上段ラック41、中段ラック42、下段ラック43はともに、テープTs・Tm・Twをテープ供給装置3にセットする場合は、ガイド45に掛けて供給用穴46に通す。この供給用穴46にテープを通すと、近接スイッチによるテープセンサ47がテープを検出する。なお、LEDランプ48は、前記バーコードリーダ7で所定の靴サイズのバーコードを読み取った際、靴サイズに適合したテープ幅ラック(41〜43)の該当ラックLEDランプが点灯し、オペレータ(作業者)に知らせる。
また、使用しないテープの先端は待機用穴49に通しておく。
【0031】
図13は
図1のテープ供給装置3を拡大したもので、可動ブロック33の左下がり形状の上面がテープ供給経路となっていて、そのテープ供給経路は固定テープガイド34と可動テープガイド35により幅補正可能となっている。すなわち、固定テープガイド34に組み込んだ前後一対のネジ棒37が可動テープガイド35に螺合されている。
また、一対のネジ棒37の下方には、
図43に示すように、ネジ棒37に直交するように、1本の伝達軸371が配置されている。この伝達軸371と一対のネジ棒37は、各々ウオームギア372により連結されている。また、伝達軸371の一端は、固定テープガイド34に組み込まれた一つのパルスモータ36に直交歯車(一対の傘歯車)373で連結されている。
そして、パルスモータ36の駆動により、伝達軸371、ウオームギア372を介して、一対のネジ棒37が回転すると、固定テープガイド34に対し可動テープガイド35が平行移動してテープ供給経路の幅が補正される。
このように、テープ幅(テープ供給経路幅)を補正する幅補正機構(幅補正装置)が構成されている。
【0032】
図14は
図13のテープ送り出し機構部38を拡大したもので、図示のように、テープ送り出し機構部38は、テープ供給経路上のテープ上面に圧接してテープを送る前ローラ381及び後ローラ382と、これら前ローラ381及び後ローラ382の回転軸をそれぞれ回転自在に保持するホルダ383と、前ローラ381及び後ローラ382の間の中央直下において、可動ブロック33に固定された図示しないモータとを備える。
なお、ホルダ383は、前ローラ381及び後ローラ382の間の中央において、支軸385に回動可能に支持されている。支軸385は、ブラケット384に固定され、また、ブラケット384は可動ブロック33に固定されている。
また、前ローラ381と後ローラ382は、テープの送り出し方向に間隔を開けて配置され、テープに圧接してテープを送る2つのローラである。
また、可動ブロック33に固定された図示しないモータは、2つのローラを回転させる駆動源としての1つのモータである。
また、ホルダ383は、2つのローラの回転軸をそれぞれ回転自在に支持する。
【0033】
そして、ホルダ383を挟んで前ローラ381及び後ローラ382の反対側において、その回転軸とモータの駆動軸がタイミングベルト機構(動力伝達機構)39で連動連結される。
すなわち、タイミングベルト機構39は、前ローラ381及び後ローラ382の回転軸とモータの駆動軸に歯付きプーリ391・392・393をそれぞれ装着し、これら3つの歯付きプーリ391・392・393にタイミングベルト394を巻き付けて、ブラケット384の両側部において、タイミングベルト394の外周面にそれぞれ圧接するテンションプーリ395を設けて構成されている。テンションプーリ395は、ホルダ383の側面にブラケット396を介して取り付けられている。
タイミングベルト機構(動力伝達機構)39は、ホルダ383を挟んで2つのローラ(381、382)と反対側において、1つのモータの駆動軸の回転動力を、2つのローラの回転軸に伝達する。
詳細に述べると、タイミングベルト機構(動力伝達機構)39は、2つのローラの回転軸と1つのモータの駆動軸にそれぞれ設けられた歯付きプーリ391、392、393と、これら歯付きプーリに掛け渡されたタイミングベルト394から構成されている。
【0034】
また、前ローラ381及び後ローラ382の間のテープ供給経路上には、テープを切断するメス301が可動ブロック33の上面に可動に取り付けられている。メス301に上下動を付与する伝達腕307は、前ローラ381、後ローラ382のY軸方向後方側に配置されている。このメス301には一体化したレバー302が設けられている。
すなわち、メスを一端側で保持し、メスともに上下動する伝達腕307と、伝達腕307に支持され、メスとともに上下動し、テープ供給経路上のテープを押圧可能な押えレバー(302)を備えている。
【0035】
さらに、テープ供給経路上には、テープセット側にテープ継目を検出する光電管によるテープ継目センサ303がブラケット304を介して可動ブロック33の上面に設置され、テープ送り出し側端にテープを検出する光電管によるテープセンサ305がブラケット306を介して可動ブロック33の上面に設置されている。
【0036】
図15はメス301を作動させた状態を示したものである。押えレバー302は板ばねで、メス301が作動した状態(
図15)で、テープを上方から押え付ける。これによってテープ供給装置3が進退動作時にテープがずれるのを防止する。テープをテープ供給装置3にセットする際は、手でレバー302を持ち上げ交換前のテープを抜き取り、使用するテープを挿入してテープ端をメス301側面に突き当て、レバー302を戻し固定する。
【0037】
図16は
図13のテープ供給経路を平面で示したものである。図示のように、可動ブロック33の上面に形成されたテープ供給経路には、メス301の突き当て位置に対するテープ送り方向の下流側に隣接して、スリット状のテープ退避穴33aが形成されている。また、メス301のテープ送り方向の下流側の平面には、上記テープ退避穴33aにテープTmを案内するガイド板308が形成されている。
テープ退避穴33aは、後述する第一の延長制御(
図45参照)において、切断後のテープTmがテープ供給経路上を通常のテープ送り方向とは反対側に向かって送られる際に進入させるための退避スペースである。
また、ガイド板308は、
図45に示すように、斜め下方向に向かってメス301に垂下されており、メス301が下降した状態でその先端部がテープ退避穴33aの入り口に臨んでおり、後退移動するテープTmの後端部が当接すると、テープ退避穴33a側に導く構造となっている。
【0038】
図17は
図14のテープ送り出し機構部38を側面で示したもので、図示のように、ホルダ383を揺動して前ローラ381と後ローラ382とを切り替えるローラ切り替え機構330が設けられている。
ローラ切り替え機構330は、レバー332及びシリンダユニット335等により構成される。
【0039】
すなわち、ホルダ383の側面に取り付けられた後側のブラケット396に形成した下方への延長部397に係合ピン398を固定する。この係合ピン398を、可動ブロック33の側面に固定した第2支軸331に中間部で回動自在に支持された、連結レバー332の前側端に形成した長穴333に挿入する。
また、連結レバー332の後側端には、上方に向けたピストンロッド336を有するシリンダユニット335が配置されている。シリンダユニット335は可動ブロック33の側面に固定されている。レバー332の後側は、連結コマ334を介して、ピストンロッド336の上端部に連結されている。
すなわち、ローラ切り替え機構330は、ホルダ383を、2つのローラの間を支点として揺動させ、2つのローラの一方のみを選択的にテープに圧接させる。
詳細に述べると、ローラ切り替え機構330は、一端側がホルダ383に連結される連結レバー332と、連結レバー332を回動可能に支持する第2支軸331と、連結レバー332の後端部に連結されるシリンダユニット335を有する。
【0040】
図17は後ローラ382がテープ供給経路上に降りてテープを送る状態を示している。
この状態から
図18に示すように、シリンダユニット335を動作させてピストンロッド336を下げると、レバー332が中間部の支軸331を支点に時計回りに揺動する。これにより、長穴333及び係合ピン398を介して後側のブラケット396が上方に移動し、ブラケット396と一体化されたホルダ383が中央の支軸385を支点に反時計回りに揺動する。これにより、後ローラ382がテープ供給経路から上昇すると同時に、前ローラ381がテープ供給経路上に下降してテープを送る状態となる。
【0041】
図19は
図16のテープ供給経路の幅補正機構部を示す斜視図で、パルスモータ36の駆動によりネジ棒37が回転し、固定テープガイド34に対し可動テープガイド35が平行移動して、図示のように、テープ供給経路の幅が広く補正された状態である。
【0042】
図20は
図19のテープ供給経路の幅を狭く補正した状態を示したものである。
【0043】
図21は身頃LI(またはRO)にテープTmを供給する直前の縫い始め状態を拡大して示したもので、この時、図示のように、身頃LI(またはRO)上に針22を落とし、縫い始め少なくとも3針以上して、身頃LI(またはRO)と上糸を下糸を介して結節させる。
【0044】
図22は身頃LI(またはRO)にテープTmを供給した時を示したもので、図示のように、テープTmを針22下まで供給して上糸に突き当てる。
【0045】
図23は身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付け始めた状態を示したもので、身頃LI(またはRO)上のテープTm上に針22を落とし、且つ通常の縫いピッチ(例えば、2mm〜2.5mm)よりも、小さい1mm前後(例えば、0.7mm〜1.3mm)の小ピッチで2針以上して、テープTmと身頃LI(またはRO)を上糸・下糸にて結合させる。
また、この時、図示しないX−Y送り装置による身頃の搬送に同期させ、前ローラを回転させてテープTmを送る。この時のテープ送り量は縫い目ピッチ以上〜縫い目ピッチの2倍の量とし、その量は使用するテープTmの特性(硬さ、伸び縮み、滑り)による為、ミシン制御端末8にて設定変更可能となっている。
【0046】
すなわち、靴の身頃にテープを縫い付ける方法であって、身頃に、縫い始め少なくとも3針以上の縫い目を形成してから、テープの縫い始め予定位置を針下まで供給して、身頃上のテープに、通常の縫いピッチよりも小ピッチで2針以上の縫い目を形成してから、前記通常の縫いピッチで身頃にテープを縫い付けている。
なお、身頃の移動は、身頃を支持する身頃押えを、水平一平面に沿って移動させるX−Y送り装置によって行われる。
また、小ピッチで2針以上の縫い付け時は、少なくとも縫いピッチ以上の長さ分ずつ(例えば、縫い目ピッチ以上〜縫い目ピッチの2倍の範囲で送ると好ましい)、テープ送り量を縫いピッチ送り方向に繰り出すと、テープ縫い付け時にテープが正確に縫われる。
なお、縫いピッチ送り方向は、靴の身頃に直線状のテープを縫い付ける場合、最初に長方形の長辺を縫うためX軸方向であり、テープ供給装置3のテープ送り方向(テープ供給経路)はX軸方向に形成されている。
また、靴の身頃にテープを縫い付ける方法は、靴の身頃にテープを縫い付ける装置であって、身頃がセットされるテーブルと、身頃を支持する身頃押えを、水平一平面に沿って移動させるX−Y送り装置と、テープを身頃に供給するテープ供給装置と、縫製パターンに基づいて身頃にテープを縫い付けるミシンを備えるテープ縫い付け装置に適用できる。さらに、針が貫通する中押えを備えるテープ縫い付け装置に適用できる。
【0047】
その後、通常の縫いピッチで身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付ける。
【0048】
図24は
図23の身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付け始める際の中押え23の高さを示したものである。この中押え23は針22と同期して一定のストロークで上下動するもので、特許4526917号に記載があるように、縫製中に高さが変更可能となっている。前述したように、身頃LI(またはRO)上のテープTm上に針22を落とし、且つ通常の縫いピッチよりも小さい1mm前後の小ピッチで2針以上する際には、中押え23を身頃厚み分程度まで下降するように設定して、身頃LI(またはRO)上にテープTmを押え付ける。
すなわち、小ピッチで2針以上の縫い付け時は、中押え23の高さをその後の高さよりも小さくする。具体的には、小ピッチで2針以上の縫い付け時は、中押え23の高さを身頃厚み高さまで下降するように設定し、その後テープTmを縫い付ける際には、中押え23の高さを通常の高さ(身頃厚み+テープ厚み)に戻す。
【0049】
図25は
図23の身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付け始めた以降の中押え23の高さの変更を示したもので、通常の縫いピッチで身頃LI(またはRO)にテープTmを縫い付ける際には、中押え23を上昇して通常の高さ(身頃厚み+テープ厚み)に戻す。
【0050】
図26は
図13と同様のテープ供給装置3の斜視図で、テープ継目(テープ繋ぎ目)TGの検出時を示したものである。
長尺のテープを金テープ(金色の反射テープ)で繋いだテープ継目(テープ繋ぎ目)TGがテープ供給装置3上のテープ供給経路に到達して、図示のように、光電管によるテープ継目センサ303において、テープ継目TGが金テープによる反射で検出されると、後ローラ382で送られてメス301によりテープ継目TGの手前で切断されて、再び後ローラ382で送られてメス301によりテープ継目TGの後側で切断される。
すなわち、テープ継目センサ303は、2つのローラ381、382に対し、長尺のテープの送り出し方向の上流側に配置され、テープの継目を検出する。
【0051】
図27はテープ継目TGの送り出し状態を示したもので、切断後のテープ継目TGは前ローラ381で送り出されて、図示のように、光電管によるテープセンサ305によりテープの送り出しが検出される。
すなわち、テープセンサ305は、2つのローラ381、382に対しテープの送り出し方向の下流側に配置され、テープの有無を検出する。
【0052】
図28は
図27のテープ継目TGの取り除き方を示したもので、図示のように、送り出された切断後のテープ継目TGを作業者が手指で摘んで取り除く。
【0053】
ここで、テープが載る可動ブロック33の先端は、メッキ処理により反射する表面である。
【0054】
切断後のテープ継目TGは、その切断位置(寸法)によって、
図42(A)から(C)の3通りの状態が発生する。
図42(A)は、テープ継目TGがちょうどテープセンサ305下に位置した場合で、この時、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、ON(金テープ)→OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。
図42(B)は、テープ継目TGの後にテープセンサ305が位置した場合で、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。
図42(C)は、テープ継目TGの前にテープセンサ305が位置した場合で、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、OFF(テープ)→ON(金テープ)→OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。いずれの場合も、テープ継目TGを取り除くとテープセンサ305はOFF→ONの切替りが発生するようにしている。
【0055】
また、テープ縫い付け装置では、テープ供給装置3のメス301からテープガイド34,35の先端部までの距離が一定であり、通常の縫製時には、テープTmを身頃へ縫い付け始める前に既定のテープ長さに切断することから、テープTmをメス301からテープガイド34,35の先端部までの距離よりも長いサイズとすることができない。
そこで、縫製が予定されたテープ長さtlがメス301からテープガイド34,35の先端部までの距離よりも長い場合に、第一又は第二の延長制御のいずれかを選択的に実行する。
【0056】
図45は第一の延長制御の動作説明図である。この第一の延長制御は、テープガイド34,35の先端部を超えてテープTmの繰り出しを行い、適正位置でテープTmの事前カットを行ってから身頃への縫い付けを行う制御である。
即ち、予め、テープ供給装置3を待機位置に後退させておき、後ローラ382を下降させてから(
図45(A))、縫製が予定されたテープ長さtlだけ送りを行う(
図45(B))。この送りは、後ローラ382の回転開始からの動作量を積算し、積算量を監視することで行われる。
そして、メス301を下降してテープTmを切断し(
図45(C))、前ローラ381を下降させて(
図45(D))、切断後のテープTmを逆方向に送る(
図45(E))。この時、逆方向の送り量は、テープ長さtlからメス301からテープガイド34,35の先端部までの距離clを減じた距離とする。これにより、テープTmの先端部がテープガイド34,35の先端部と一致した状態とすることができる。
また、テープTmは逆方向に送られることにより、その後端部がメス301に設けられたガイド板308に当接し、テープ退避穴33a内に案内されるようになっている。
なお、テープ長さtlの最大値は、メス301からテープガイド34,35の先端部までの距離clとテープ供給装置3が待機位置にある状態でのテープガイド34,35の先端部から針22までの距離との合計値となる。これを超えると、テープTmの切断の際に前方に送りだすと、テープTmが針22と干渉する恐れがあるからである。
【0057】
図46は第二の延長制御の動作説明図である。この第二の延長制御は、テープTmの事前カットを行わずにテープTmを送りながら身頃への縫い付けを開始し、テープTmの適正な切断位置がメス301に到達してからカットを行う制御である。
即ち、通常縫製と同様に、テープ供給装置3を供給位置(針22への最近接位置)としつつ後ローラ382を下降させ(
図46(A))、テープTmの先端部をテープガイド34,35の先端部まで送る(
図46(B))。その後、テープTmをカットせずにテープTmを縫い速度に合わせて送りながら縫いを実行する(
図46(C)及び
図46(D))。
そして、縫製が予定されたテープ長さtlとするための切断位置がメス301の切断位置に到達すると、送りを一時停止して、メス301の下降により切断を行い(
図46(E))、その後は、残りの縫製を通常の縫製と同様に実行する。
【0058】
上記テープの切断は、テープTmの送り開始からの送り量の積算値がテープ長さtlとなったことを検知して実行してもよいし、テープTmの先端部をテープガイド34,35の先端部に合わせた状態からの送り量の積算値が、テープ長さtlから距離clを減じた距離となったことを検知して実行してもよい。
また、テープTmの先端部をテープガイド34,35の先端部に一致させた後の送りは後ローラ382に限らず、前ローラ381で行ってもよい。
【0059】
上記第一の延長制御と第二の延長制御とは、ミシン制御端末8により、予めいずれを実行するか選択設定を行うことが可能となっている。
【0060】
また、テープ供給装置3は、テープTmの縫い付けを行う装置の動作に応じて、テープ供給経路の幅を広げたり狭めたりして切り替える動作制御を実施する。
具体的には、制御ボックス5(制御手段)が、幅補正機構(幅補正装置)を動作制御して、テープの縫い付けを行う装置の動作に応じて、固定テープガイド34に対し可動テープガイド35を平行移動させてテープ供給経路の幅を切り替えるようにする。
【0061】
例えば、テープ縫い付け装置において、テープガイド34,35の先端部からテープを繰り出す直前、又は身頃にテープを縫い付ける直前(身頃と糸の結節部分にテープを突き当てるまで)、或いは身頃にテープを縫い付け始めた数針(例えば2針程度)までは、テープ供給経路の幅がテープ幅よりも広くなる位置(待機位置)に、可動テープガイド35を移動させて待機させておく。このようにテープに摩擦ができるだけかからないように、テープ供給経路の幅をテープ幅よりも広くすることで、テープ供給装置3によって身頃に向けて送り出されるテープがテープ供給経路の途中で詰まってしまったり、一時的に止まってしまったりするトラブルを低減することができる。
テープ供給経路の途中にテープが詰まってしまうと身頃にテープを供給できないトラブルになることは勿論、テープ供給経路の途中でテープが一時的に止まってしまうことでは、テープを縫い始める予定位置からずれた位置にテープを供給してしまうトラブルや、テープを所定の長さにカットできないなどのトラブルの原因になる。
特に、コシのない軟らかなテープの場合、前ローラ381及び後ローラ382によって送り出される際に、そのテープの縁が固定テープガイド34や可動テープガイド35と擦れた抵抗によってテープが折れ曲がりやすく、テープ詰まりが発生してしまうことがある。
そこで、テープ供給経路の幅をテープ幅よりも広くすることによって、固定テープガイド34及び可動テープガイド35とテープとの摩擦を抑えて、テープの送り出しをスムーズに行うことが可能になる。なお、テープ供給経路の幅は、テープ幅よりも例えば1〜3mm広くすればよく、そのような配置を可動テープガイド35の待機位置とさせるようにすればよい。
【0062】
また、テープ縫い付け装置において、テープの縫い付けに関する所定のタイミングに、可動テープガイド35を待機位置から移動させて、テープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替える。こうすることで、身頃に送り出すテープの姿勢が安定し、身頃に縫い付けるテープの向きがずれることがない。
ここで、制御ボックス5(制御手段)が、幅補正機構(幅補正装置)を動作制御して、テープ供給経路の幅がテープ幅となる位置に可動テープガイド35を移動させるタイミングとしては、例えば、以下の3つのタイミング(タイミングA,B,C)がある。
・タイミングA;テープの先端位置をテープガイドの先端まで繰り出した状態で、テープを縫い始める予定位置において、身頃のみを縫製し、身頃と糸を結節したタイミング(
図21参照)。
・タイミングB;テープを縫い始める予定位置において、身頃のみを縫製して、身頃と糸を結節した部分に、テープを突き当てたタイミング(
図22参照)。
・タイミングC;テープを縫い始める予定位置において、身頃のみを縫製して身頃と糸を結節した部分にテープを突き当てた後、テープを身頃と結節させる少なくとも1針の縫い目が形成されたタイミング(
図23参照)。
この3つのタイミングの何れかを選択し、そのタイミングで可動テープガイド35を移動させる制御を、記憶手段(ROM、RAM)を備えた制御ボックス5(制御手段)に設定しておくことで、所望のタイミングに可動テープガイド35を待機位置から移動させて、テープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替えることができる。
【0063】
次に、以上の構成によるテープ縫い付け装置の制御を
図29以降のフローチャートに従って説明する。
なお、以下の制御は、制御ボックス5に内蔵した制御ユニットによって処理される。
【0064】
図29はテープ縫い付けのゼネラルフローチャートで、まず、電源を投入し(ステップS1)、テープ供給装置3を初期化(ステップS2)する。
【0065】
図31はテープ供給装置3の初期化(ステップS2)のフローチャートで、可動テープガイド35の原点を検索し(ステップS201)、可動テープガイド35を(テープ幅+幅補正値)に移動する(ステップS202)。続いて、テープ供給装置3を待機位置に移動し(ステップS203)、前ローラ381を下降して後ローラ382を上昇し(ステップS204)、メス301を下降して(ステップS205)、処理を終了する。
【0066】
図29のゼネラルフローチャートにおいて、テープ供給装置3の初期化(ステップS2)に続いて、ミシン制御端末8の表示画面の初期画面に表示される図示しない準備キーの押し下げを待機し(ステップS3)、準備キーが押し下げられると、上押え12、下板11をワークセット位置(
図5に示す初期位置)へ移動する(ステップS4)。続いて、上押え12を上昇し(ステップS5)、位置決めピン(基準ピン16)を上昇する(ステップS6)。
【0067】
次に、バーコードリーダ7によるバーコードの読み込みの有無を判断し(ステップS7)、バーコード読み込み有りで、そのバーコードに基づいて靴サイズとテープ幅を取得する(ステップS8)。続いて、テープ幅変化の有無を判断し(ステップS9)、テープ幅変化有りで、幅補正値を0にし(ステップS10)、テープ幅に対応するPL(パイロットランプ)であるLEDランプ48を点灯し、その他のPLを消灯する(ステップS11)。なお、ステップS9において、テープ幅変化無しの場合は、ステップS11に進む。
続いて、可動テープガイド35を(テープ幅+幅補正値)に移動し(ステップS12)、再びステップS7の処理に戻る。
【0068】
また、ステップS7において、バーコード読み込み無しの場合は、幅補正値入力の有無を判断し(ステップS13)、幅補正値入力有りで、幅補正値を更新し(ステップS14)、ステップS12に進む。なお、ステップS13において、幅補正値入力無しの場合は、
図30のステップS15に進む。
ここで、ステップS14においては、幅補正値を更新するとともに、縫製パターンを移動し、さらに、縫製パターンを拡大または縮小する。すなわち、
図1のミシン制御端末8の
図3に示した表示画面において、そのタッチパネルに対するオペレータの設定による幅補正値(図示例では−0.5mm)に対応して、縫製パターンを移動して、さらには、縫製パターンを拡大したり縮小する。
従って、ミシン制御端末8の表示画面は、テープ幅を設定値に対し一時的に増減可能とする設定手段を兼ねている。
【0069】
図30は
図29に続くゼネラルフローチャートで、ステップS15において、起動SW(スタートスイッチ)20のONか否かを判断し、スタートスイッチ20のONで、テープのチェックを行い(ステップS16)、スタートスイッチ20がOFFの場合は、再びステップS7の処理に戻る。
【0070】
図32はテープチェック(ステップS16)のフローチャートで、テープ幅に対応するテープセンサ47がONでそれ以外のテープセンサ47がOFFか否かを判断し(ステップS1601)、テープ幅に対応するテープセンサ47がONでそれ以外のテープセンサ47がOFFの場合は、供給テープ有無検出が行われる(ステップS1602)。即ち、縫製開始当初は、作業者の手作業により、テープ供給装置3のテープ供給経路にテープTmの先端部がメス301に突き当てられた状態でセットする必要がある。この供給テープ有無検出の処理では、テープ供給経路上に設けられたテープ継目センサ303を利用して、テープTmがテープ供給経路の上流部にセットされているか否かの判定を実行する。
そして、供給テープ有無検出によりテープありと判定された場合には、OKとして(ステップS1603)、処理を終了する。
【0071】
なお、ステップS1601において、テープ幅に対応するテープセンサ47がONでそれ以外のテープセンサ47がOFFでない場合には、NGとして(ステップS1604)、処理を終了する。
また、ステップS1602において、供給テープ有無検出によりテープなしと判定された場合には、NGとして(ステップS1604)、処理を終了する。
【0072】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、テープチェック(ステップS16)に続いて、テープチェックがOKか否かを判断し(ステップS17)、テープチェックOKで、ABセンサ(身頃センサ17)のチェックを行い(ステップS18)、テープチェックNGの場合は、ミシン制御端末8に「材料なし」を表示し再びステップS7の処理に戻る。
尚、このミシン制御端末8に「材料なし」は、材料(テープ)がセットされたことをテープ継目センサ303でチェック(ステップS18)されると表示が消える。
【0073】
図33はABセンサチェック(ステップS18)のフローチャートで、左右の身頃センサ17の内一つのみONか否かを判断し(ステップS1801)、左右の身頃センサ17の内一つのみONで、左右の身頃センサ17の状態を取得し(ステップS1802)、つまり、左、右のどちらがONか?を取得する。
すなわち、ステップS1802においては、
図41の下図に示すように、左の身頃センサ17aがON(遮蔽状態)であれば、テーブル1に左外側身頃LOか右内側身頃RIがセットされており、また、右の身頃センサ17bがONであれば、テーブル1に左内側身頃LIか右外側身頃ROがセットされている。
【0074】
そして、ステップS1802の処理後、OKとして(ステップS1803)、処理を終了する。
なお、ステップS1801において、左右の身頃センサ17の内一つのみONでない場合には、NGとして(ステップS1804)、ミシン制御端末8に「ワークセット待ち」を表示して処理を終了する。
尚、このミシン制御端末8に「ワークセット待ち」は、材料(身頃)がセットされ、左右の身頃センサ17の内一つのみONされると表示が消える。
【0075】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、ABセンサチェック(ステップS18)に続いて、ABセンサチェックがOKか否かを判断し(ステップS19)、ABセンサチェックOKで、IOセンサ(身頃センサ18)の位置演算を行い(ステップS20)、ABセンサチェックNGの場合は、再びステップS7の処理に戻る。
【0076】
図34はIOセンサ位置演算(ステップS20)のフローチャートで、靴サイズ・左右の身頃センサ17(17a、17b)の状態より、左右の身頃センサ18の何れか一方のチェック位置へ移動するための、パターンNo、又は、座標を取得(左右の身頃センサ18の何れか一方の位置情報の取得)して(ステップS2001)、処理を終了する。
つまり、左の身頃センサ17aがONであれば左の身頃センサ18aをIOセンサーとして選択すると共にそのチェック位置を取得し、右の身頃センサ17bがONであれば右の身頃センサ18bをIOセンサーとして選択すると共にそのチェック位置を取得する。
図41に示すように本実施例では、左右の身頃センサ17、18を対称に配置し、左右おのおのの身頃センサ18のチェック位置は、縦方向Dの距離となる。
【0077】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、IOセンサ位置演算(ステップS20)に続いて、上押え12を下降し(ステップS21)、基準ピン16を下降し(ステップS22)、下板11及び上押え12をその間に挟んだ身頃とともに左右の何れか一方の身頃センサ18(18a、18b)のチェック位置に移動し(ステップS23)、左右の身頃センサ18のチェックを行う(ステップS24)。
【0078】
図35はIOセンサチェック(ステップS24)のフローチャートである。左右の身頃センサ18が共にONであるか判断し(ステップS2401)、共にONでなければABセンサーチェック(身頃センサ17のチェック)で取得した左右どちらか一方の身頃センサ18にてIO検出を行う(ステップS2402)。
すなわち、ステップS2402においては、
図33のABセンサチェック(ステップS18)のステップS1802で左の身頃センサ17aがONでテーブル1に左外側身頃LOか右内側身頃RIがセットされている場合、左の身頃センサ18aがOFFで、踝下の高さが低い(幅が狭く)方の左外側身頃LOがテーブル1にセットされており、また、左の身頃センサ17aがON、左の身頃センサ18aがONで、踝下の高さが高い(幅が広い)方の右内側身頃RIがテーブル1にセットされている。
【0079】
また、ステップS2402において、
図33のABセンサチェック(ステップS18)のステップS1802で右の身頃センサ17bがONで左内側身頃LIかテーブル1に右外側身頃ROがセットされている場合は、右の身頃センサ18bがOFFで、踝下の高さが低い(幅が狭く)方の右外側身頃ROがテーブル1にセットされており、また、右の身頃センサ17bがON、右の身頃センサ18bがONで、踝下の高さが高い(幅が広い)方の左内側身頃LIがテーブル1にセットされている。
【0080】
そして、ステップS2402の処理後、左右の身頃センサ18の状態・靴サイズ・左右の身頃センサ17の状態より、テープ長さ、縫製パターンを決定し(ステップS2403)、OKとして(ステップS2404)、処理を終了する。
なお、ステップS2401において、左右の身頃センサ18が共にONの場合はNGとして(ステップS2405)、ミシン制御端末8に「ワークセット異常」を表示し処理を終了する。
【0081】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、IOセンサチェック(ステップS24)に続いて、IOセンサチェックがOKか否かを判断し(ステップS25)、IOセンサチェックOKで、縫製する(ステップS26)。
【0082】
図36及び
図37は縫製(ステップS26)のフローチャートで、まず、テープ送り出し機構部38の後ローラ382を下降させる(ステップS2601)。
そして、既にテープTmの縫着縫製が実行中の場合には、「供給終了命令」または「縫製終了命令」が読み込まれるまで縫製を行う(ステップS2602)。
そして、現在縫製中ではない場合又は「供給終了命令」または「縫製終了命令」により縫製が終了した場合には、可動テープガイド35を(テープ幅+幅補正値)よりも隙間幅を若干広げる方向に移動させる(ステップS2603)。この位置を可動テープガイド35の待機位置とする。
【0083】
次に、新たに第一の供給指令が読み込まれたか否かを判断する(ステップS2604)。
【0084】
なお、S2403で選択された縫製パターンには、供給終了命令、縫製終了命令、第一、第二の供給指令、補正区間開始命令、補正区間終了命令等が組み込まれている。
上記第一の供給指令はテープ供給経路上でメス301の切断位置からテープガイド24,25の先端までテープを送るための指令であり、第二の供給指令はテープガイド24,25の先端からテープの送りを再開するための指令である。
また、
図44(A)に示すように、補正区間開始命令は(g−1)針目に、補正区間終
了命令は(h)針目に組み込まれている。
【0085】
そして、ステップS2604において、第一の供給指令がなければ、補正区間開始命令か判断する(ステップS2630)。補正区間開始命令であれば、次の1針を縫製データの移動量に幅補正値を加えて縫製する(ステップS2631)。次に、S2603に戻る。
また、S2630で、補正区間開始命令でなければ、補正区間終了命令か判断する(ステップS2632)。補正区間終了命令であれば、次の1針を縫製データの移動量から幅補正値を減じて縫製する(ステップS2633)。次に、S2603に戻る。
また、S2632で補正区間終了命令でなければ処理を終了する。
【0086】
図44を参照して、ステップS2631とステップS2633の詳細を説明する。
図44(A)は、テープの幅補正値が0の場合の縫製パターンであり、(B)は作業者が可動テープガイド35を操作して、テープ幅を増加した場合の縫製パターンである。いずれも、針落ち点e→f→(g―1)→g→h→(h+1)→iを通過する。各針落ち点
間のピッチを2mmとすると、(g−1)とg、hと(h+1)の間隔は2mmである。
例えば、Y軸方向前方側に、0.5mmテープ幅を増加させると、針落ち点gの一針前の針落ち点(g−1)に、Y軸方向の成分のみ幅補正値0.5mmが加えられて、新たな針落ち点g座標が決められる(旧g座標(x、y)→新g座標(x、y+0.5)。これが、補正区間開始命令であれば、次の1針を縫製データの移動量に幅補正値を加減して縫製することを意味する。
また、Y軸方向前方側に、0.5mmテープ幅を増加させると、針落ち点hの次の針落ち点(h+1)に幅補正値0.5mmが減らされて、hと(h+1)のピッチ間距離は1.5mmになる。これが、補正区間終了命令であれば、次の1針を縫製データの移動量に幅補正値を加減して縫製することを意味する。
結果的には、この補正区間開始命令と補正区間終了命令により、制御手段(制御ボックス5)は、可動テープガイド側の複数の針落ち点(gからh)を区間指定し、
可動テープガイドの移動量に対応して、区間指定された複数の針落ち点を平行移動して、縫製パターンを作成している。
【0087】
ステップS2604において、第一の供給指令を読み込んだ場合には、テープ残量チェック処理を実行する(ステップS2605)。
図38は、テープ残量チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。テープ残量チェック処理の際には、後述するテープ送りの処理で行われるテープの継ぎ目TGが検出された場合に設定される継目フラグがONか否かを判断し(ステップS2701)、継目フラグがONでなければテープ残量チェック処理を終了する。また、継目フラグがONである場合には、テープ送りの処理の際に求められた「継ぎ目までの長さ」(継ぎ目の現在位置からメス301までの距離)の現在値が縫製しようとしているテープの長さよりも大きいか否かを判定する(ステップS2702)。
そして、「継ぎ目までの長さ」の方が大きい場合には、「継ぎ目までの長さ」の現在値から縫製しようとしているテープの長さを減じた値を新たな「継ぎ目までの長さ」の現在値に更新する(ステップS2703)。
一方、「継ぎ目までの長さ」の現在値が縫製しようとしているテープの長さ以下の場合には、ミシン制御端末8に「継ぎ目エラー」を表示し(ステップS2704)、継ぎ目排出動作を実行する(ステップS2705)。即ち、継ぎ目TGがメス301を通過するまで後ローラ382でテープTmを送り、継ぎ目TGの後ろ側でテープTmを切断し、前ローラ381を下降させて切断されたテープTmの継ぎ目TG部分をテープ供給装置3の先端部から排出する。
さらに、作業者により排出したテープTmの継ぎ目TGがテープ供給装置3から取り除かれて(ステップS2707)、ミシン制御端末8に設けられた継ぎ目エラー解除ボタンが押下されるまで待機する(ステップS2707)。
そして、継ぎ目エラー解除ボタンが押下されると、ミシン制御端末8の「継ぎ目エラー」表示を解除する。さらに、縫製を指示するミシン制御端末8に設けられた起動スイッチが押下されると(ステップS2708)、継目フラグのONを解除して(ステップS2709)、テープ送りの処理を終了する。
【0088】
そして、テープ残量チェック処理が終わると、メス301を上昇させ(ステップS2606)る。
そして、縫製しようとしているテープTmの長さがテープ長短しきい値を超える長さかを判定する(ステップS2607)。テープ長短しきい値とは、テープ供給装置3が切り出すことができる機械的なテープ長さの上限値であり、具体的にはメス301からテープガイド34,35の先端部までの長さと同値である。そして、テープTmの長さがテープ長短しきい値以上である場合には、第一又は第二の延長制御に移行するが、これらについては後述する。
【0089】
そして、テープTmの長さがテープ長短しきい値以下の場合には、通常の縫製制御が行われる。即ち、後ローラ382を下降させて(ステップS2608)、
図35のIOセンサチェック(ステップS24)のステップS2403で決定した所定のテープ長さ分だけテープを送るテープ送り制御を行う(ステップS2609)。
【0090】
図39はテープ送り制御のサブルーチンを示すフローチャートである。このテープ送り制御は、微小長さ単位でテープTmを送りながら継目検出を行う繰り返し処理である。
まず、テープ継目センサ303によりテープ継目TGの検出を行う(ステップS2731)。そして、テープ継目TGが検出されない場合にはステップS2734に処理を進める。
一方、テープ継目TGを検出した場合には、[継目までの長さ]を[テープ継目センサ−メス間距離]−[送り残り量]により算出する(ステップS2732)。なお、[送り残り量]とは、縫製しようとしているテープの長さからこのテープ送り制御で繰り返される微小長さ単位での送りによる減じられた値である。また、これと同時に、継目フラグをONに設定する(ステップS2733)。そして、ステップS2734に処理を進める。
ステップS2734では、微小長さ単位でのテープTmの送りを行う。また、これに伴い、[送り残り量]を現在の送り残り量から微小長さ分減じた値に更新する(ステップS2735)。
そして、新たに求められた[送り残り量]が0になった場合、即ち、縫製しようとしているテープの長さ分の送りが行われた場合にはこのテープ送り制御を終了する。また、[送り残り量]がまだ0ではない場合には、ステップS2731に戻り、最初からテープ送り制御を繰り返す。
【0091】
そして、テープ送り制御によりテープ長さ分の送りが終わると、メス301を下降して(ステップS2610)、テープTmを予定されたテープ送り長さにカットし、前ローラ381を下降させる(ステップS2611)。
【0092】
続いて、テープ供給装置3を針22側の供給位置に移動し(ステップS2612)、テープ長さに切断されたテープTmの先端をテープガイド34,35の先端と一致するまで送る(ステップS2613)。この位置合わせは、テープ供給装置3のテープセンサ305からテープガイド34,35の先端までの距離が既知であることを利用して、テープセンサ305によりテープTmの先端検出後、当該既知である距離分の送りを行った後に前ローラを停止させることで可能である。
【0093】
ステップS2613の続きの処理は
図37に示す。
テープTmの先端位置をテープガイド34,35の先端に合わせると、身頃と糸を結節させるため、身頃のみ数針(例えば、3針以上の縫い目を形成する)縫製を行う(ステップS2614)。
そして、第二の供給指令を読み取ったか否かを判定し(ステップS2615)、第二の供給指令を読み取っていない場合には、ステップS2614に戻って身頃のみの縫製を続ける。
そして、第二の供給指令を読み取ると、可動テープガイド35を待機位置から移動させてテープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替えるタイミングの設定が前述したタイミングAであるか否かを判断し(ステップS2616)、制御ボックス5における設定がタイミングAであればステップS2617に進み、設定がタイミングAでなければステップS2617をスキップしてステップS2618に進む。
【0094】
設定されているタイミングが「タイミングA」の場合、身頃に糸が結節してから可動テープガイド35を待機位置から移動させて、テープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替える(ステップS2617)。
次いで、テープTmを送って、テープTmを身頃の糸の結節部分に突き当てる(送られたテープTmは、針下まで送られ、身頃と縫い付け可能な位置である。このテープTmの位置を、テープ縫い始め予定位置とする。)(ステップS2618)。
【0095】
次に、可動テープガイド35を待機位置から移動させてテープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替えるタイミングの設定が前述したタイミングBであるか否かを判断し(ステップS2619)、制御ボックス5における設定がタイミングBであればステップS2620に進み、設定がタイミングBでなければステップS2620をスキップしてステップS2621に進む。
即ち、設定されているタイミングが「タイミングB」の場合、身頃に糸が結節してから可動テープガイド35を待機位置から移動させて、テープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替える(ステップS2620)。
【0096】
次いで、中押え23を身頃厚み高さまで下降するように設定した後、テープTmを身頃と結節させるため、テープTmを繰り出しながら、X−Y送り装置で身頃を移動させて、小ピッチ(1mm前後、例えば、0.7mm〜1.3mm)で数針縫製する(例えば、2針以上の縫い目を形成して、テープTmを身頃に縫い付ける。)。
小ピッチで2針以上の縫い付け時は、少なくとも縫いピッチ以上の長さ分づつ、前ローラにより、テープTmを縫いピッチ送り方向に繰り出す。(例えば、縫い目ピッチ以上〜縫い目ピッチの2倍の範囲で送ると好ましい。)(ステップS2621)。
【0097】
次に、可動テープガイド35を待機位置から移動させてテープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替えるタイミングの設定が前述したタイミングCであるか否かを判断し(ステップS2622)、制御ボックス5における設定がタイミングCであればステップS2623に進み、設定がタイミングCでなければステップS2623をスキップしてステップS2624に進む。
即ち、設定されているタイミングが「タイミングC」の場合、テープTmを身頃と結節させるように例えば2針縫製してから、可動テープガイド35を待機位置から移動させて、テープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替える(ステップS2623)。
【0098】
次に、現在のテープ縫着縫製が第二の延長制御に基づくものか否かの判断を行う(ステップS2624)。この判断において、第二の延長制御に基づく場合については後述する。
そして、現在のテープ縫着縫製が第二の延長制御に基づくものではない場合、つまり、通常縫製又は第一の延長制御に基づく場合には、ステップS2601に処理を戻し、後ローラ382を下降させてから縫製を続ける。その際、中押え23を上昇して通常の高さ(身頃厚み+テープ厚み)に戻す。テープは身頃と糸によって結合されており、身頃がX−Y送り装置によって移動することで縫い目ピッチに必要な量が引き出されて行く。
そして、一つのテープについて縫い付けの終了を示す「供給終了命令」又は複数のテープ全体の縫製の完了を示す「縫製終了命令」を読み込むことで、現在のテープの縫製が終了する。
そして、「供給終了命令」を読み込んだ場合には、ステップS2604で再び第一の供給指令を読み込んで、次のテープの縫製に移行し、「縫製終了命令」を読み込んだ場合には、ステップS2605〜S2607を経て縫製の終了となる。
【0099】
また、前述したように、ステップS2607において、テープTmの長さがテープ長短しきい値以上であると判断した場合には、第一又は第二の延長制御が実行される。
まず、テープTmの長さがテープ長短しきい値以上である場合には、第二の延長制御の実行が予め設定されているか否かを判断する(ステップS2625)。
【0100】
そして、第一の延長制御が設定されている場合には、テープ供給装置3を待機位置に後退移動させ(ステップS2626)、ステップS2608に処理を進めて、後ローラ382を下降させる(
図45(A))。
さらに、テープ長さtl分のテープ送りを行い(ステップS2609:
図45(B))、メス301を下降してテープTmを切断し(ステップS2610:
図45(C))、前ローラ381を下降して(ステップS2611:
図45(D))、テープ供給装置3を供給位置に前進移動させる(ステップS2612)。
さらに、テープTmの先端をテープガイド34,35の先端と一致するように送りを行う(ステップS2613)。なお、このとき、前述した通常縫製の場合には、テープは前方に送られるが、第一の延長制御では、テープTmは後方に送られる(
図45(E))。
そして、これ以降は、ステップS2614〜S2624,S2601,S2602の処理を経て前述した通常縫製の場合と同様にして縫製が行われる。
【0101】
また、ステップS2625において、第二の延長制御が選択されていると判断した場合には、ステップS2612に処理を進めて、テープ供給装置3を供給位置に前進移動させる(
図46(A))。
さらに、テープTmの先端がテープガイド34,35の先端に一致するまでテープ送りを行い(ステップS2613:
図46(B))、身頃と糸を結節させる(ステップS2614)。
そして、第二の供給指令を読み取ってからは、選択されているいずれかのタイミングA〜Cでテープ供給経路の幅をテープ幅に合わせつつ、テープTmを身頃と糸の結節部分に突き当てて(
図46(C))、小ピッチでテープTmを身頃と結節させる(ステップS2615〜S2623:
図46(D))。
【0102】
さらに、第二の延長制御が選択されている場合には、ステップS2624の判断により、ステップS2627に処理が進められる。即ち、ミシン2における送りピッチと同じ送り量でテープTmをテープ供給装置3で送りつつ、テープTmの縫製を行うと共に、ステップS2615の第二の供給指令からのテープTmの送り量の積算値が、「テープ長さtl」−「メスからテープガイドの先端部までの距離cl」を減じた値に達したら、ミシン2により縫製を停止する。この停止位置で、メス301を下降させてテープTmの切断を行う(ステップS2628:
図46(E)))。これにより、テープTmはテープ長さtlで切断される。
そして、ミシン2により縫製を再開し(ステップS2629)、S2601,S2602の処理を経て前述した通常縫製の場合と同様にして縫製が行われる。
【0103】
図30のゼネラルフローチャートにおいて、縫製(ステップS26)に続いて、外押え12を上昇させる(ステップS27)。
その後、テープ供給装置3をワークセット位置へ移動し(ステップS28)、縫製物回収待ち処理(ステップS29)を行う。
【0104】
図40は縫製物回収待ち(ステップS29)のフローチャートで、ABセンサの状態、つまり、左右の身頃センサ17の状態より、ONだった身頃センサ17を取得し(ステップS2801)、ONだった身頃センサ17がOFFになったか否かを判断する(ステップS2802)、OFFになった場合基準ピンを上昇させる(S2803)。そして、処理を終了する。その後、再びステップS6の処理に戻る。
【0105】
また、
図30のゼネラルフローチャートにおいて、ステップS25で、IOセンサチェックがOKでない場合は、再びステップS6の処理に戻る。
【0106】
上記実施形態のテープ縫い付け装置は、
供給位置に向かってテープTmを案内するテープガイド34,35と、テープガイド34,35の途中の切断位置でテープを切断するメス301と、テープを送るローラ381,382とを有するテープ供給装置3と、
供給位置でテープに沿って縫製を行うミシン2とを備え、
ローラ381,382を、切断位置を挟んでテープガイド34,35に沿って二つ設けると共に、二つのローラ381,382とメス301とを制御して、テープの供給位置側の先端部がテープガイド34,35の先端部から突出した状態でテープの切断を行い、切断後のテープを逆方向に後退させてからミシン2の供給位置にテープの供給を行う制御手段5を備えている。
【0107】
また、上記テープ縫い付け装置は、テープの先端部がテープガイド34,35の先端部から突出した状態でテープの切断を行い、テープ供給の際には、当該テープを逆方向に後退させるので、テープガイド34,35を長く大型化することなく、従来よりも長いテープの供給が可能となる。
また、テープガイド34,35の大型化を回避するので、長さの短いテープの供給も可能である。
【0108】
また、上記実施形態のテープ縫い付け装置のテープ供給装置3は、テープガイド34,35を搭載し、供給位置と待機位置との間で移動可能な可動ブロック33と、可動ブロック33の位置切り替えの駆動源としてのシリンダ32とを備え、制御手段5は、シリンダ5を制御して、可動ブロック33を待機位置に移動させた状態で、テープの供給位置側の先端部がテープガイドの先端部から突出した状態でのテープの切断を行う。
このため、テープの供給位置側の先端部がテープガイド34,35の先端部から突出しても、ミシン2側の針22など構成との干渉の発生を低減することができる。
【0109】
上記テープ縫い付け装置は、供給位置に向かってテープを案内するテープガイド34,35と、テープガイド34,35の途中の切断位置でテープを切断するメスと、テープを送るローラ381,382とを有するテープ供給装置3と、供給位置でテープに沿って縫製を行うミシン2とを備えるテープ縫い付け装置において、ローラ381,382を、切断位置を挟んでテープガイド34,35に沿って二つ設けると共に、二つのローラ381,382とメス301とを制御して、ミシン2による縫製に同期してテープの先端部を供給位置に向かって送ることでテープの送りと当該テープの縫製とを並行して行い、縫製の途中でテープの切断を行う制御手段5を備えている。
【0110】
このため、テープガイド34,35の先端部から直接ミシン2にテープ供給を行うと共に、テープガイド34,35の先端部からメス301までの距離clを超える長さのテープを切り出すことが可能となる。
【0111】
また、上記実施形態のテープ縫い付け装置のテープ供給装置3は、第一の延長制御と第二の延長制御とを選択的に実行する制御手段5と、制御手段が、第一と第二の延長制御のいずれを実行するか予め設定する選択設定手段としてのミシン制御端末8とを備えるので、諸条件に対応した適切な縫製を行うことが可能となる。
【0112】
制御手段5は、二つのローラ381,382の送り量の検出とテープの先端部の位置検出を行うテープセンサ47、テープ継目センサ303の両方の検出に基づいて、テープを目標とするテープ長さtlで切断する動作制御を行う。
このため、テープをより精度良く目標とするテープ長さtlで切断することができ、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
【0113】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、
図47に示すように、ミシン2のテーブル1には、基準ピン用の3つの丸穴14c、14d、14eと、2つの長穴14aa、14bbが形成されていてもよい。丸穴14cと2つの長穴14aa、14bbは、身頃押え部11の枠内で比較的大きな三角形の頂点に相当する配置になっており、3つの丸穴14c、14d、14eは、身頃押え部11の枠内で比較的小さな三角形の頂点に相当する配置になっている。
またこのとき、テーブル1の下方に配されている可動板114には、テーブル1の丸穴14c、14d、14eに対応する丸穴114c、114d、114eと、テーブル1の長穴14aa、14bbに対応する長穴114aa、114bbが形成されている(
図48参照)。
【0114】
そして、例えば、
図48に示すように、基準ピン16aが組み付けられたネジ棒115が可動板114の長穴114aaにナットで固定され、基準ピン16bが組み付けられたネジ棒115が可動板114の長穴114bbにナットで固定され、基準ピン16cが組み付けられたネジ棒115が可動板114の丸穴114cにナットで固定されている。
この状態で、シリンダユニット113の駆動ロッドが上下動すると、可動板114を介して基準ピン16が上昇・下降し、基準ピン16aはテーブル1の長穴14aaから、基準ピン16bはテーブル1の長穴14bbから、基準ピン16cはテーブル1の丸穴14cから、それぞれ出没する。
このような配置に3つの基準ピン16a、16b、16cが取り付けられていれば、
図9、
図10に示した身頃の位置決めと同様に、身頃(LI,LO,RI,RO)の縁側であって、靴底との接着時に折り返して隠される位置に設けられている2つの基準穴hに、基準ピン16b、16cまたは基準ピン16a、16cを挿入して、その身頃の位置決めを行うことができる。
【0115】
特に、基準ピン16aは長穴114aaに沿って取り付け位置が調整可能であり、基準ピン16bは長穴114aaに沿って取り付け位置が調整可能であるので、基準ピン16a,16bがテーブル1の長穴14aa,14bbから出没する位置を切り替えることができる。
これにより、例えば靴の種類・モデル毎に、身頃に形成された基準穴hの位置が異なる場合でも、身頃の基準穴hの位置に応じて基準ピン16a、16bの取り付け位置を調整することによって、様々な身頃の位置決めを行うことが可能になる。
【0116】
また、例えば、
図49、
図50に示すように、基準ピン16aが組み付けられたネジ棒115を可動板114の丸穴114dにナットで固定し、基準ピン16bが組み付けられたネジ棒115を可動板114の丸穴114eにナットで固定し、基準ピン16cが組み付けられたネジ棒115を可動板114の丸穴114cにナットで固定するように、基準ピン16の取り付け位置を変更することができる。ここで、基準ピン16cが組み付けられたネジ棒115は、基準ピン16cが他の基準ピン16a、16bよりも低い位置になるように、可動板114の下面側により長く突出するように螺着されて、丸穴114cに取り付けられている。
この状態で、シリンダユニット113の駆動ロッドが上下動すると、可動板114を介して基準ピン16が上昇・下降し、基準ピン16aはテーブル1の丸穴14dから、基準ピン16bはテーブル1の丸穴14eから、それぞれ出没する。一方、基準ピン16cはテーブル1の丸穴14cから上に出現しない高さに調整されている。
このような配置に3つの基準ピン16a、16b、16cが取り付けられていれば、
図51、
図52に示すように、身頃(LI,LO,RI,RO)の長手方向中央側であって、身頃に縫い付けられるテープで隠される位置に設けられている2つの基準穴hに、基準ピン16a、16bを挿入して、その身頃の位置決めを行うことができる。
【0117】
このように、基準ピン16a、16b、16cの取り付け位置を変更可能にすることによって、靴の種類やモデル毎に、身頃に形成された基準穴hの位置が異なる場合でも、その身頃の基準穴hの位置に応じて基準ピン16a、16b、16cの取り付け位置を調整して、様々な身頃の位置決めを行うことができる。
つまり、靴の種類やモデルによって、身頃の大きさや形状、また身頃に縫い付けられるテープの配置が異なるために、基準穴hを形成可能な位置が限られるなどして、身頃に形成する基準穴hの位置が異なってしまうことがあっても、基準ピン16a、16b、16cの取り付け位置が変更可能であれば、様々なタイプの身頃の位置決めを行うことが可能になる。
【0118】
(No.7[山谷様発案の実施形態のみ記載の発明です])
また、上記実施形態では、身頃に縫い付けるテープが複数本である場合、その全てのテープを縫い付ける縫製を一連の動作として行っていたが、任意のテープを選択して縫い付けるようにしてもよい。
【0119】
例えば、
図53はミシン制御端末8における表示画面であり、データ入力画面の一例を示している。
図54はミシン制御端末8における表示画面であり、縫製画面の一例を示している。このデータ入力画面と縫製画面はともにテープ縫製選択キー8aを備えている。
【0120】
この表示画面におけるテープ縫製選択キー8aを押下すると、例えば、
図55に示すような、テープ縫製選択画面が表示される。
テープ縫製選択画面には、縫製するテープのライン数に対応する縫製切り替えキー8bと、クリアキー8cと、エンターキー8d等が備えられている。
図55に示すテープ縫製選択画面は、3本のテープを身頃に縫い付けるためのものであり、3つの縫製切り替えキー8bを有している。このテープ縫製選択画面では、初期設定として3本全てのテープを縫製する選択がなされており、3つの縫製切り替えキー8bの表示が“縫製する”表示になっている。なお、縫製切り替えキー8bの数は、縫製するテープのライン数に応じて変動する。
そして、
図55に示すように、3本全てのテープを縫製する選択・設定がなされた状態で、エンターキー8dを押下して縫製画面に戻り、縫製を実行すると、
図56に示すように、順次テープが供給されて、3本のテープを身頃に縫い付けることができる。なお、図中の針落ち点tでテープが供給される。
【0121】
また、
図55に示すテープ縫製選択画面において、例えば、2本目のテープに対応する縫製切り替えキー8bを押下すると、
図57に示すように、2本目のテープに対応する縫製切り替えキー8bの表示が“縫製する”から“縫製しない”に切り替わる。なお、縫製切り替えキー8bを押下する度に、“縫製する”表示と“縫製しない”表示が順に切り替わり、縫製する/しないの選択を行うことができる。また、クリアキー8cを押下すると、全てのテープを縫製する選択がなされた初期設定に戻すことができる。
そして、
図57に示すように、1本目と3本目のテープを縫製し、2本目のテープを縫製しない選択・設定がなされた状態で、エンターキー8dを押下して縫製画面に戻り、縫製を実行すると、
図58に示すように、順次テープが供給されて、2本のテープを身頃に縫い付けることができる。なお、図中の針落ち点tでテープが供給されるとともに、1本目のテープを縫製後、3本目のテープが供給されるまでの区間は空送りされる。
この後、2本目のテープを縫製し、1本目と3本目のテープを縫製しない選択・設定がなされた装置によって、2本目のテープを身頃に縫い付けることができる。
【0122】
このように、身頃に縫い付ける複数のテープのうち、任意のテープを選択して縫製することを可能にすることによって、複数本のテープの縫製を複数台のミシンで分担することができる。
例えば、3本のテープの縫製を3台のミシンで分担して縫製するようにし、各ミシンで縫い付けるテープの色や柄、太さや素材などを異ならせることで、靴のデザインのバリエーションを豊富にすることができる。
【0123】
また、従来のように、3本のテープを縫い付ける縫製を一連の動作として行っていた際に、何れかのテープの縫い付けに不具合があって縫い直しを行う場合、全てのテープの縫いを解いた後、改めて3本のテープを縫い付ける縫製を実行しなければならず、煩雑な作業を要していた。
これに対し、任意のテープを選択して縫製することが可能であれば、不具合のあるテープのみを解いて、そのテープのみ縫い直すことができるので、作業効率を向上させることができる。
【0124】
また、上記実施形態では、基準ピン(16a、16b、16c)に位置合わせして載置した身頃に対するABセンサチェック及びIOセンサチェックを行い、左外側の身頃LO、左内側の身頃LI、右内側の身頃RI、右外側の身頃ROの何れであるか自動判別していたが、作業者がミシン制御端末8を用いて身頃の種類を入力し、選択するようにしてもよい。
【0125】
例えば、
図59はミシン制御端末8における表示画面であり、データ入力画面の一例を示している。
図60はミシン制御端末8における表示画面であり、縫製画面の一例を示している。このデータ入力画面と縫製画面はともに、テープを縫い付ける対象の身頃の種類を作業者が入力して選択するマニュアルモードにおけるミシン制御端末8の表示画面であり、A選択キー8e、B選択キー8f、IN選択キー8g、OUT選択キー8hを備えている。
なお、ミシンにおける身頃の自動判別モードと、作業者が選択入力するマニュアルモードは、ミシン制御端末8での所定の操作によって切り替えることができる。
【0126】
ここで、作業者が身頃の種類を見分け、選択する指標について説明する。
【0127】
各身頃LI、LO、RI、ROは、テープの縫い付け面を上面にして、身頃の先端側(靴先側)をY軸方向後方側に向けてミシンのテーブル1上に載置されるので、テーブル1上に位置決めされて載置された身頃の形状を視認することで、身頃がLIまたはROであることと、身頃がLOまたはRIであることを区別できる。
例えば
図9に示した向きに身頃が載置されていれば、その身頃と同じ向きのマークが表示されている「A選択キー8e」を押下することによって、左内側の身頃LIまたは右外側の身頃ROを選択したことになる。同様に、例えば
図10に示した向きに身頃が載置されていれば、その身頃と同じ向きのマークが表示されている「B選択キー8f」を押下することによって、左外側の身頃LOまたは右内側の身頃RIを選択したことになる。
【0128】
また、身頃における靴底側の縁には、小さな突起と小さな切欠の何れかが形成されている。例えば、小さな突起が形成されている身頃は内側の身頃であり、小さな切欠が形成されている身頃は外側の身頃である。つまり、身頃に形成された目印が小さな突起であるか小さな切欠であるか視認することで、身頃がLIまたはRIであることと、身頃がLOまたはROであることを区別できる。
そして、例えば、テーブル1上に載置された身頃の縁に小さな突起が形成されていれば、小さな突起のマークが表示されている「IN選択キー8g」を押下することによって、左内側の身頃LIまたは右内側の身頃RIを選択したことになる。同様に、テーブル1上に載置された身頃の縁に小さな切欠が形成されていれば、小さな切欠のマークが表示されている「OUT選択キー8h」を押下することによって、左外側の身頃LOまたは右外側の身頃ROを選択したことになる。
【0129】
そして、例えば、
図61に示すように、ミシン制御端末8の縫製画面において「B選択キー8f」と「IN選択キー8g」を押下したことによって、作業者は右内側の身頃RIを選択したことになる。
【0130】
このように、作業者は、ミシンのテーブル1上に載置された身頃の形状(向き)と、身頃の縁に形成された目印(小さな突起、小さな切欠)を視認して、視認した身頃に対応するマークが表示されている選択キーを選び、A選択キー8eとB選択キー8fの何れか一方と、IN選択キー8gとOUT選択キー8hの何れか一方を押下することによって、テーブル1上に載置された身頃が4種類の身頃のうち、左外側の身頃LO、左内側の身頃LI、右内側の身頃RI、右外側の身頃ROの何れであるか容易に選択することができる。
【0131】
次に、身頃の種類を作業者が入力して選択するマニュアルモードに関する動作制御について、
図62と
図63に示すフローチャートに従って説明する。
図62と
図63は、マニュアルモードにおけるテープ縫い付けのゼネラルフローチャートである。
ここで、
図62のフローチャートにおけるステップS401からステップS414は、前述した
図29のフローチャートにおけるステップS1からステップS14に相当し、同様の動作制御に関するものであるので、説明は割愛する。
なお、
図62のステップS413において、幅補正値入力無しの場合は、
図63のステップS415に進む。
【0132】
図63は
図62に続くゼネラルフローチャートであり、ステップS415において、「A選択キー8e」と「B選択キー8f」の何れかが押下されたか否か判断し(ステップS415)、「A選択キー8e」がオンであればAB選択状態を「A」に更新し(ステップS416)、「B選択キー8f」がオンであればAB選択状態を「B」に更新して(ステップS416)、再びステップS407の処理に戻る。
「A選択キー8e」「B選択キー8f」が押下されなければ、ステップS417において、「IN選択キー8g」と「OUT選択キー8h」の何れかが押下されたか否か判断し(ステップS417)、「IN選択キー8g」がオンであればIO選択状態を「IN」に更新し(ステップS418)、「OUT選択キー8h」がオンであればIO選択状態を「OUT」に更新して(ステップS418)、再びステップS407の処理に戻る。
「IN選択キー8g」と「OUT選択キー8h」が押下されなければ、ステップS419において、起動SW(スタートスイッチ)20のONか否かを判断し、スタートスイッチ20のONで、テープのチェックを行い(ステップS420)、スタートスイッチ20がOFFの場合は、再びステップS407の処理に戻る。
なお、ステップS420のテープチェックは、
図32のフローチャートにおけるステップS1601からステップS1604と同様であるので、説明は割愛する。
【0133】
図63のゼネラルフローチャートにおいて、テープチェック(ステップS420)に続いて、テープチェックがOKか否かを判断し(ステップS421)、テープチェックOKで、上押え12を下降し(ステップS422)、基準ピン16を下降し(ステップS423)、IO選択状態とAB選択状態のチェックを行う(ステップS424)。一方、テープチェックNGの場合は、ミシン制御端末8に「材料なし」を表示し再びステップS407の処理に戻る。
【0134】
図64は、IO・AB選択状態チェック(ステップS424)のフローチャートで、靴サイズ、IO選択状態、AB選択状態より、テープ長さ、縫製パターンを決定し(ステップS501)、処理を終了する。
【0135】
図63のゼネラルフローチャートにおいて、IO・AB選択状態チェック(ステップS424)に続いて、IO選択状態およびAB選択状態が適正になされているか否かを判断し(ステップS425)、IO・AB選択状態がOKで、縫製する(ステップS426)。
なお、ステップS426の縫製は、
図36、
図37のフローチャートにおけるステップS2601からステップS2633と同様であるので、説明は割愛する。
【0136】
図63のゼネラルフローチャートにおいて、縫製(ステップS426)に続いて、外押え12を上昇し(ステップS427)、テープ供給装置3をワークセット位置へ移動し(ステップS428)、縫製物回収待ち処理(ステップS429)を行う。
なお、ステップS429の縫製物回収待ちは、
図40のフローチャートにおけるステップS2801からステップS2803と同様であるので、説明は割愛する。
そして、縫製物回収待ち処理(ステップS429)の後、再びステップS406の処理に戻る。
また、
図63のゼネラルフローチャートにおいて、ステップS425で、IO・AB選択状態がOKでない場合は、再びステップS406の処理に戻る。
【0137】
以上のように、このミシンで身頃にテープを縫い付ける際、作業者は、ミシンのテーブル1上に載置された身頃の形状(向き)と、身頃の縁に形成された目印(小さな突起、小さな切欠)を視認して、視認した身頃に対応するマークが表示されている選択キーを選び、A選択キー8eとB選択キー8fの何れか一方と、IN選択キー8gとOUT選択キー8hの何れか一方を押下することによって、テーブル1上に載置された身頃が4種類の身頃のうち、左外側の身頃LO、左内側の身頃LI、右内側の身頃RI、右外側の身頃ROの何れであるか容易に選択することができる。
【0138】
つまり、ABセンサチェック及びIOセンサチェックによって、身頃の種類を自動判別できないような場合、上述したように作業者がマニュアル操作による選択入力を行うことで、似通った形状であるため一見区別し難い身頃が、左外側の身頃LO、左内側の身頃LI、右内側の身頃RI、右外側の身頃ROの何れであるか、間違いなく選択することができる。
具体的には、一般的な規格より大きなサイズの身頃や小さなサイズの身頃、また特殊なモデルの身頃の場合、既設のセンサ位置では、その身頃の種類を自動判別できないことがある。その際、自動判別モードからマニュアルモードに切り替えて、上述したマニュアル操作による選択入力を行うことによって、身頃の種類を容易に間違いなく選択することができ、その身頃に応じたテープの縫い付けを実行することが可能になる。
【0139】
(変形例)
以上の実施形態において、金テープで繋いだテープ継目としたが、テープ継目は銀テープや他の反射テープで繋いでもよい。
また、センサの種類、レイアウト及び使用個数、テープ供給装置の構成等は任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
位置決め部材としては、ピン形状のものに代えて、型を有する位置決め部材を設けても良い。