(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965756
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 75/34 20060101AFI20160728BHJP
B65D 5/38 20060101ALI20160728BHJP
B65D 85/60 20060101ALI20160728BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
B65D75/34
B65D5/38 B
B65D85/60
B65D77/04 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-153839(P2012-153839)
(22)【出願日】2012年7月9日
(65)【公開番号】特開2014-15239(P2014-15239A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106885
【氏名又は名称】シグマ紙業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 好春
【審査官】
谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06273260(US,B1)
【文献】
特開2008−230660(JP,A)
【文献】
特開2012−051625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/34
B65D 5/38
B65D 85/60
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定深さの複数個の窪みが形成された収容シートと、収容シートの各窪みにそれぞれ収容された内容物と、収容シートの窪み開口部を被覆して収容シートと積層された易破断性の被覆シートとからなるPTPシートと、上面部、左右の側面部,底面部及び背面部を備え、正面が開口されたスリーブとから構成され、PTPシートの積層された収容シート及び被覆シートに内容物を収容する収容部、正面部及び差込みフラップが順に折り目を介して形成され、PTPシートが収容部側自由端を先端としてスリーブの正面開口を通して出し入れ自在に嵌挿され、
前記スリーブは、前記上面部の外側に重なる第2上面部をさらに備えており、
前記第2上面部は、当該第2上面部と一体に設けられ、前記上面部と当該第2上面部との間に折り返されたポケット片を有しており、
前記第2上面部と前記ポケット片との折り目が、前記上面部と前記ポケット片との間に収容される物を挿入するための挿入口を構成していることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
請求項1に記載の包装容器において、前記スリーブの上面部に、前記第2上面部とは反対側に膨出するエンボス部が形成されることを特徴とする包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、プラスチックシートからなる収容シートに熱成形して形成した窪みにタブレット状やカプセル状の薬剤、チョコレート、ガム、各種サプリメント等の内容物を収容し、窪みの開口部をアルミ箔等、比較的破れ易い被覆シートで覆い、窪みの周縁部を接着又はシール等で固定するPTP(Press Through Package)シートが知られている。
【0003】
このようなPTPシートは、包装容器(例えば、特許文献1参照)に収容されて出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−352254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、PTPシートの内容物を取り出すためには、包装容器の差込みフラップを引き出して開封するとともに、包装容器に収容されたPTPシートを取り出し、さらに、PTPシートの収容シート側窪みを押し込み、窪みの開口部を覆っている被覆シートを破る必要がある。すなわち、包装容器の開封作業と、包装容器からのPTPシートの引出し作業が必要になり、作業が二度手間となる欠点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、PTPシートをトレーとして活用することでPTPシートを取り出す際の二度手間を解消することのできる包装容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定深さの複数個の窪みが形成された収容シートと、収容シートの各窪みにそれぞれ収容された内容物と、収容シートの窪み開口部を被覆して収容シートと積層された易破断性の被覆シートとからなるPTPシートと、上面部、左右の側面部,底面部及び背面部を備え、正面が開口されたスリーブとから構成され、PTPシートの積層された収容シート及び被覆シートに内容物を収容する収容部、正面部及び差込みフラップが順に折り目を介して形成され、PTPシートが収容部側自由端を先端としてスリーブの正面開口を通して出し入れ自在に嵌挿され
、前記スリーブは、前記上面部の外側に重なる第2上面部をさらに備えており、前記第2上面部は、当該第2上面部と一体に設けられ、前記上面部と当該第2上面部との間に折り返されたポケット片を有しており、前記第2上面部と前記ポケット片との折り目が、前記上面部と前記ポケット片との間に収容される物を挿入するための挿入口を構成していることを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、PTPシートは、内容物を収容する収容部に正面部及び差込みフラップが順に折り目を介して連設されて形成されることにより、スリーブの正面開口を通してPTPシートをその収容部側自由端を先端として嵌挿すれば、PTPシートの差込みフラップがスリーブの上面部内面に接触するとともに、その正面部がスリーブの正面開口を閉鎖して包装容器を形成する。
【0009】
この結果、PTPシートをトレーとして活用することで包装容器の開封作業が不要になり、PTPシートを取り出す際の二度手間を解消することができる。
【0010】
また、内容物がガムである場合において、ポケット片を折り込んで形成される挿入口を通して捨て紙を第2上面部のポケット片と上面部との空間に挿入することができる。この際、挿入された捨て紙を折り込まれたポケット片が弾性力によって押圧し、上面部との間で脱落しないように保持することができる。
【0011】
本発明において、前記スリーブの上面部に
、前記第2上面部とは反対側に膨出するエンボス部が形成されることが好ましい。これにより、ポケット片を折り込んで形成される挿入口を通して第2上面部のポケット片と上面部との空間に挿入された捨て紙を安定的に保持することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、PTPシートをトレーとして活用することでPTPシートを取り出す際の二度手間を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の包装容器の一実施形態を示す分解斜視図である。
【
図2】
図1の包装容器を構成するPTPシートの展開図及び模式的に示すA−A線断面図である。
【
図3】
図1の包装容器を構成するスリーブの展開図である。
【
図4】本発明の包装容器の
参考例を示す分解斜視図である。
【
図5】
図4の包装容器を構成するスリーブの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1乃至
図3には、本発明の包装容器1の一実施形態が示されている。
【0017】
この包装容器1は、PTPシート10と、該PTPシート10を出し入れ自在に嵌挿されるスリーブ20とから構成されている。
【0018】
PTPシート10は、
図2に示すように、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン等のプラスチックシートからなる収容シート11と、易破断性の金属箔、例えば、アルミ箔からなる被覆シート12と、内容物Cとから構成され、ヒートシールされた収容シート11及び被覆シート12によってPTP台紙13が形成されている。そして、後述するスリーブ20の底面部23に対応する収容部131の収容シート11に熱成形によって所定深さの複数個の窪み11aが形成されて内容物Cが収容され、収容部131に正面部132及び差込みフラップ133が順に折り目a,bを介して連設されている。
【0019】
つまり、PTPシート10のPTP台紙13を構成する収容シート11及び被覆シート12は、スリーブ20の底面部23の幅に対応する幅を有するとともに、底面部23の長さと、その正面側開口の高さに対応する長さと、設定された差込みフラップ133の長さの和を長さとする長方形状に形成され、PTP台紙13の収容部131に対応する収容シート11に窪み11aが形成されて内容物Cが収容された後、窪み11aを除く収容シート11に被覆シート12がヒートシールされるとともに、ヒートシールされた収容シート11及び被覆シート12からなるPTP台紙13の収容部131と正面部132との境界に折り目aが形成され、正面部132と差込みフラップ133との境界に折り目bが形成される。そして、PTP台紙13の収容部131に対して折り目aに沿って正面部132を差込みフラップ133とともに谷折りし、次いで、正面部132に対して折り目bに沿って差込みフラップ133を谷折りすることにより、PTPシート10が形成される(
図1参照)。
【0020】
なお、本実施例においては、内容物Cがガムであることに対応して、後述するスリーブ20に廃棄するガムの捨て紙P(
図1参照)が収容されている。
【0021】
一方、スリーブ20は、
図3の展開図において、上面部21の左端縁に、右側面部22、底面部23、左側面部24及び第2上面部25が折り目c,d,e,fを介して順に連設される一方、上面部21の下端縁に糊代26が折り目gを介して連設され、また、底面部23の下端縁に背面部27が折り目hを介して連設されて構成されている。そして、第2上面部25には、捨て紙Pの挿入を案内するとともに、上面部21との間で弾性的に保持するためのポケット片251が折り目iを介して区画形成されている。また、上面部21には、捨て紙Pを収容するように、内方に向けて膨出する方形状のエンボス部21aが形成されている。さらに、上面部21及び第2上面部25には、その上端部に弓形状の切欠部21a,25aが上下に重なるように形成されるとともに、底面部23の上端部には、上面部21及び第2上面部25の切欠部21a,25aに対応して方形状の切欠部23aが形成されている。
【0022】
ここで、スリーブ20の内寸は、スリーブ20に対してPTPシート10を円滑に出し入れすることができるように、PTPシート10の外寸に対応して設定されている。
【0023】
次に、このように構成されたスリーブ20の組み立て手順について説明する。
【0024】
まず、
図3の展開図にしたがってコートボールを打ち抜くとともに、裏面が上面を向くように反転させた後、底面部23に対して右側面部22を上面部21とともに折り目dに沿って谷折りするとともに、上面部21の自由端側上下各端縁部に接着剤をそれぞれ塗布する一方、第2上面部25に対してポケット片251を折り目iを介して谷折りするとともに、第2上面部25の自由端側上下各端縁部に接着剤を塗布した後、左側面部24に対して第2上面部25をポケット片251を折り込んだ状態で谷折りし、上面部21に重ねて貼着する。次いで、底面部23に対して右側面部22を折り目dに沿って起立させた後、上面部21に対して糊代26を折り目gに沿って山折りするとともに、糊代26に接着剤を塗布し、次いで、底面部23に対して背面部27を折り目hに沿って谷折りし、背面部27を糊代26に貼着することにより、正面が開口されたスリーブ20が形成される(
図1参照)。
【0025】
スリーブ20が形成されたならば、スリーブ20の正面開口を通してPTPシート10におけるPTP台紙13の収容部131の自由端側から差し込むとともに、第2上面部25の裏面側に折り込んだポケット片251によって形成された挿入口25x(
図1参照)を通して第2上面部25のポケット片251と上面部21のエンボス部21aとの間に形成された空間に捨て紙Pを挿入した後、包装容器1をフィルムで包装して出荷される。
【0026】
この場合、スリーブ20の正面開口がPTPシート10の正面部132によって閉鎖されるとともに、正面部132に連設された差込みフラップ133の外面がスリーブ20の上面部21の内面に接して支持される。
【0027】
一方、店頭にて消費者がガムを購入して食する場合は、フィルムを剥離した後、スリーブ20の第2上面部25及び上面部21に形成された切欠部25a,21aとともに、底面部23に形成された切欠部23aを通してPTPシート10の差込みフラップ133と収容部131の先端部を挟み込み、PTPシート10を引き出す。
【0028】
スリーブ20からPTPシート10を引き出したならば、PTP台紙13の収容シート11側窪み11aを押し込むことにより、被覆シート12を破断させて内容物Cを押し出すことができる。
【0029】
一方、ガムを取り出したならば、スリーブ20に対してPTPシート10をその収容部131の自由端側を先端に向けて正面開口を通して押し込むことにより、スリーブ20にPTPシート10を収容することができる。
【0030】
したがって、スリーブ20に対してPTPシート10を直接出し入れ自在に嵌挿することで、すなわち、PTPシート10をトレーとして活用することで包装容器の開封作業が不要となり、PTPシート10の取り出しに際して二度手間を解消することができる。
【0031】
なお、ガムの噛みカスは、スリーブ20に保持された捨て紙Pを引き出し、噛みカスを捨て紙Pによって包み込んだ後、ゴミ箱等に廃棄すればよい。そして、残りの捨て紙Pについては、ポケット片251が折り込まれることで形成された挿入口25xを通して第2上面部25のポケット片251と上面部21との空間に挿入すれば、ポケット片251がその弾性力によって捨て紙Pを上面部21との間で脱落することなく保持することができる。
【0032】
−参考例−
ところで、前述した実施形態においては、PTPシート10に内容物Cとしてガムを収容する場合について説明したが、ガムに限られるものではなく、例えば、内容物Cとして薬剤であっても構わない。
【0033】
内容物Cとして薬剤を収容する場合の包装容器1も、
図4に示すように、PTPシート10及びスリーブ20とから構成される。
【0034】
ここで、PTPシート10は、先に説明したPTPシート10と同一であり、同一の部材に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0035】
また、スリーブ20も、先に説明したPTPシート10とほぼ同一であり、同一の部材に同一の符号を付すとともに、相違する部分について主に説明する。
【0036】
スリーブ20は、
図5の展開図において、上面部21の左端縁に、右側面部22及び底面部23が折り目c,dを介して順に連設されるとともに、上面部21の右端縁に、左側面部24及び糊代28が折り目j,kを介して順に連設される一方、上面部21の下端縁に糊代26が折り目gを介して連設され、また、底面部23の下端縁に背面部27が折り目hを介して連設されて構成されている。そして、上面部21には、その上端部にコ字状の切り裂き目mにより切り離し片211が区画されている。また、底面部23には、上面部21の切り離し片211に対応して弓形状の切欠部23aが形成されている。
【0037】
このように構成されたスリーブ20を組み立てるには、
図5の展開図にしたがってコートボールを打ち抜くとともに、裏面が上面を向くように反転させた後、左側面部24に対して糊代28を折り目kに沿って谷折りするとともに、糊代28の表面に接着剤を塗布した後、上面部21に対して右側面部22を底面部23とともに折り目cに沿って谷折りし、底面部23の自由端側側縁部を糊代28に重ねて貼着する。次いで、底面部23に対して右側面部22を折り目dに沿って起立させた後、上面部21に対して糊代26を折り目gに沿って山折りするとともに、糊代26に接着剤を塗布し、次いで、底面部23に対して背面部27を折り目hに沿って谷折りし、背面部27を糊代26に貼着することにより、正面が開口されたスリーブ20が形成される(
図4参照)。
【0038】
スリーブ20が形成されたならば、スリーブ20の正面開口を通してPTPシート10におけるPTP台紙13の収容部131の自由端側から差し込んだ後、上面部21に区画された切り離し片211の裏面及びPTPシート10の差込みフラップ133の表面を例えば、ホットメルト接着剤を介して接着して出荷される。
【0039】
すなわち、医薬品の包装容器1は、一般にフィルム包装されることはないため、PTPシート10がスリーブ20から脱落するのを防止するため、両者を接着する。一方、スリーブ20からPTPシート10を引き出すためには、PTPシート10の差込みフラップ133に接着されたスリーブ20における上面部21の切り離し片211を切り裂き目mに沿って切り裂いて上面部21から切り離す必要がある。これにより、上面部21及び切り離し片211を区画する切り裂き目mの切り裂き状況を観察すれば、包装容器1が意図することなく開封されたか否かを把握することができる。
【0040】
また、前述した実施形態と同様に、PTPシート10をトレーとして活用することで包装容器の開封作業が不要となり、PTPシート10を取り出すに際して二度手間を解消することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 包装容器
10 PTPシート
11 収容シート
11a 窪み
12 被覆シート
13 PTP台紙
131 収容部
132 正面部
133 差込みフラップ
20 スリーブ
21 上面部
211 切り離し片
21a エンボス部
22,24 側面部
23 底面部
25 第2上面部
25x 挿入口
251 ポケット片
a,b PTPシートの折り目
c,d,e,f,g,h,i,j.k スリーブの折り目
m スリーブの切り裂き目