特許第5965759号(P5965759)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965759
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】方向指示装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/42 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
   B60Q1/42 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-157838(P2012-157838)
(22)【出願日】2012年7月13日
(65)【公開番号】特開2014-19216(P2014-19216A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光
(72)【発明者】
【氏名】水野 好幸
(72)【発明者】
【氏名】赤堀 英広
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−88601(JP,A)
【文献】 特開2010−201982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の旋回方向を指示する方向指示装置であって、
中立位置から前記旋回方向を指示する位置に操作され、前記旋回方向の表示をオンに切り替える指示操作部と、
前記指示操作部によって前記旋回方向の表示がオンに切り替えられた場合、前記旋回方向を表示する表示部と、
前記車両の進路を変更するために操作されるハンドルの舵角を検知する舵角検知部と、
前記指示操作部が左/右の旋回方向を指示する位置に操作され、前記表示部によって前記左/右の旋回方向が表示された状態で、前記舵角検知部によって検知される舵角が、前記左/右の旋回方向と反対方向である右/左の旋回方向の回転角度である第1角度の大きさ以上となったか否かを判別する第1判別部と、
前記舵角検知部によって検知される舵角が、前記第1角度の大きさ以上となった後、前記第1角度より小さい第2角度の大きさ以下となったか否かを判別する第2判別部と、
前記第2判別部によって前記舵角が前記第2角度の大きさ以下となったと判別された場合、前記表示部による前記旋回方向の表示を取り消す取消部と、
を備えることを特徴とする方向指示装置。
【請求項2】
前記指示操作部は、前記ハンドルの舵角がキャンセル角度になると、前記中立位置に自動復帰し、
前記第1角度は、前記キャンセル角度より大きい回転角度であり、前記第2角度は前記キャンセル角度より小さい回転角度であることを特徴とする請求項1記載の方向指示装置。
【請求項3】
前記舵角検知部は、前記ハンドルの舵角を、前記ハンドルの中央位置を値0とし、前記ハンドルが右の旋回方向および左の旋回方向の回転角度にある場合にそれぞれ符号の異なる値として検知することを特徴とする請求項1または2記載の方向指示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の旋回方向を指示する方向指示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械式のターンシグナルSWレバー(操作レバー)のセルフキャンセル機構の場合、ハンドルを回転させることにより、操作レバーを中立(N)位置に戻すようになっている。即ち、ハンドル軸に軸支されたキャンセルカムが、ハンドルの回転に追従して回転し、キャンセルピンを回転運動させ、このキャンセルピンが可動軸に取り付けられたラチェットを駆動させ、操作レバーを右折(R)または左折(L)位置からN位置に復帰させる。この場合、逆ハンドル操作を行っても、セルフキャンセルが起こる。
【0003】
また、電子制御式のセルフキャンセルタイプの操作レバーの場合も、キャンセルのタイミングは機械式の場合と同様である。
【0004】
また、モーメンタリ式ターンシグナルSWにおいては、舵角センサ等により任意のステアリング角度(舵角)を検出して信号を出力させ、電子制御でターンシグナルをオフにする技術が知られている。
【0005】
この種の先行技術として、つぎのようなものがある。すなわち、特許文献1には、操作スイッチが操作状態から中立点に復帰した時から数秒間、方向指示器灯およびコーナリング・ランプの点灯状態を保持させる遅延動作を行い、操作スイッチが運転者の操作により復帰したときには、この遅延動作を禁止することが示されている。
【0006】
特許文献2には、ターンシグナルの点灯を実行した後にステアリングホイールの回転方向の経時的な変化を監視するターンシグナル装置が示されている。このターンシグナル装置は、ステアリングホイールがターンシグナルの点灯方向に一旦回転した後にその逆方向に回転し、さらにその後にターンシグナルの点灯方向に回転したことが検知されたとき、ターンシグナルの消灯を行う。
【0007】
特許文献3には、レバーを中間位置B、Dに揺動操作した際、このレバーは中立位置Aに自動復帰し、点灯装置に駆動信号を所定時間出力することで、車線変更時等に所定時間だけターンシグナルランプが点滅する旋回方向指示装置が示されている。
【0008】
特許文献4には、レバーを中立位置に揺動操作した時に点灯装置を点滅作動させ、所定回数の点滅後に停止させることで、すぐ手を離してレバーが中立位置に自動復帰した場合でも、確実な点滅動作を行えることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平06−32170号公報
【特許文献2】特開2010−201982号公報
【特許文献3】特開2006−117047号公報
【特許文献4】特許第4793312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の方向指示装置には、つぎのような問題があった。すなわち、大型トラック等の小回りがきかない車両では、右折(または左折)時、一旦、進路とは反対方向にハンドルを切る(逆ハンドル)操作が行われる。その際、予めセットした方向指示器が自動でキャンセル(セルフキャンセル)してしまう。
【0011】
このため、運転手は、右折(または左折)が完了する迄、手動で方向指示器のターンシグナルSWの操作レバーをR(またはL)位置で保持し続けることになり、ハンドル操作とレバー操作の2つの操作を同時に行わなければならず、安全性が低下していた。
【0012】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、右(左)折時にハンドルを左(右)回転させても、旋回方向の表示が取り消されることなく、指示操作部を操作し続ける煩わしさを解消し、安全性を確保することができる方向指示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するために、本発明に係る方向指示装置は、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1) 車両の旋回方向を指示する方向指示装置であって、
中立位置から前記旋回方向を指示する位置に操作され、前記旋回方向の表示をオンに切り替える指示操作部と、
前記指示操作部によって前記旋回方向の表示がオンに切り替えられた場合、前記旋回方向を表示する表示部と、
前記車両の進路を変更するために操作されるハンドルの舵角を検知する舵角検知部と、
前記指示操作部が左/右の旋回方向を指示する位置に操作され、前記表示部によって前記左/右の旋回方向が表示された状態で、前記舵角検知部によって検知される舵角が、前記左/右の旋回方向と反対方向である右/左の旋回方向の回転角度である第1角度の大きさ以上となったか否かを判別する第1判別部と、
前記舵角検知部によって検知される舵角が、前記第1角度の大きさ以上となった後、前記第1角度より小さい第2角度の大きさ以下となったか否かを判別する第2判別部と、
前記第2判別部によって前記舵角が前記第2角度の大きさ以下となったと判別された場合、前記表示部による前記旋回方向の表示を取り消す取消部と、
を備えること。
(2) 上記(1)の構成の方向指示装置であって、
前記指示操作部は、前記ハンドルの舵角がキャンセル角度になると、前記中立位置に自動復帰し、
前記第1角度は、前記キャンセル角度より大きい回転角度であり、前記第2角度は前記キャンセル角度より小さい回転角度であること。
(3) 上記(1)または(2)の構成の方向指示装置であって、
前記舵角検知部は、前記ハンドルの舵角を、前記ハンドルの中央位置を値0とし、前記ハンドルが右の旋回方向および左の旋回方向の回転角度にある場合にそれぞれ符号の異なる値として検知すること。
【0014】
上記(1)〜(3)の構成の方向指示装置によれば、左/右の旋回方向が表示された状態で、舵角検知部によって検知される舵角が、右/左の旋回方向の回転角度である第1角度の大きさ以上となった後、第2角度の大きさ以下となったと判別された場合、旋回方向の表示が取り消される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、左/右の旋回方向が表示された状態で、舵角検知部によって検知される舵角が、右/左の旋回方向の回転角度である第1角度の大きさ以上となった後、第2角度の大きさ以下となったと判別された場合、旋回方向の表示を取り消す。これにより、右(左)折時にハンドルを左(右)回転させても、旋回方向の表示が取り消されることなく、指示操作部を操作し続ける煩わしさを解消し、安全性を確保することができる。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態における方向指示装置1の構成を示す図である。
図2図2は、ハンドル41の回転方向を示す図である。
図3図3(A)から図3(C)は、操作レバー43のセルフキャンセル動作を説明する図である。
図4図4は、ターンシグナルのキャンセル動作手順を示すフローチャートである。
図5図5(A)から図5(E)は、逆ハンドル操作で左方向に旋回する場合の車両50の軌跡を示す図である。
図6図6は、セルフキャンセルのタイミングを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態における方向指示装置について図面を用いて説明する。図1は実施形態における方向指示装置1の構成を示す図である。方向指示装置1は、電子制御式のものであり、CPU11、コンビネーションスイッチ14、右ターンシグナルランプ15、左ターンシグナルランプ16及び舵角センサ17を備える。
【0019】
コンビネーションスイッチ14は、ハンドル軸42(図2図3参照)を中心に上下方向に揺動自在な操作レバー43によってオンに切り替えられるターンシグナルスイッチ13を有する。
【0020】
操作レバー43は、運転手によって中立(N)位置から右折(R)位置あるいは左折(L)位置に操作され、ハンドル軸42の回転により中立位置(N位置)に復帰する。
【0021】
ターンシグナルスイッチ13は、入力I/F21を介してCPU11に接続される右ターンシグナル用接点部31、及び、入力I/F22を介してCPU11に接続される左ターンシグナル用接点部32を有する。右ターンシグナル用接点部31は、運転手が操作レバー43をR位置に下げることでオンとなる。左ターンシグナル用接点部32は、運転手が操作レバー43をL位置に上げることでオンとなる。
【0022】
右ターンシグナルランプ15は、CPU11に接続された出力ドライバ23によって駆動され、点滅あるいは消灯する。左ターンシグナルランプ16は、CPU11に接続された出力ドライバ24によって駆動され、点滅あるいは消灯する。右ターンシグナルランプ15及び左ターンシグナルランプ16は表示部に相当する。
【0023】
舵角センサ17は、ハンドル軸42(図2参照)に設けられ、絶対舵角を、つまりハンドル41の中央(センタ)位置を中心とし(0度)、右回転(マイナス)及び左回転(プラス)の舵角をそれぞれ異なる符号の値として検知可能である。尚、相対舵角を検知する構成であってもよい。また、舵角センサ17はCAN(Controller Area Network)I/F28を内蔵する。CPU11は、CANI/F27を内蔵し、舵角センサ17に内蔵されたCANI/F28を介して、舵角センサ17との間で信号を送受信する。
【0024】
CPU11は、入力I/F21を介して右ターンシグナル用接点部31から入力されるR位置の信号、左ターンシグナル用接点部32から入力されるL位置の信号、及びCANI/F27を介して舵角センサ17によって検知される舵角信号を入力する。CPU11は、これらの入力信号をもとに、後述する制御プログラムに従って、右ターンシグナルランプ15及び左ターンシグナルランプ16の点滅を停止する制御を行う。
【0025】
また、CPU11には、入力I/F25を介してイグニッション(IGN)SWが接続される。さらに、CPU11には、バッテリ(+B)に接続された電源回路18から電源が供給される。
【0026】
図2はハンドル41の回転方向を示す図である。ハンドル軸42には、舵角センサ17が取り付けられる。舵角センサ17は、前述したように、中央位置を0度とし、左/右回転の角度(舵角)をそれぞれプラス/マイナスの角度で検知し、その角度信号を出力する。ここでは、ハンドル41を右回転させると、マイナスの角度を検知し、ハンドル41を左回転させると、プラスの舵角を検知する。ここでは、回転方向をプラス/マイナスで表し、角度の大きさ(大小)を絶対値で表すものとする。
【0027】
図3は操作レバー43のセルフキャンセル動作を説明する図である。操作レバー43は、可動軸45を中心に揺動自在である。操作レバー43のハンドル側の端部はラチェット機構48を有し、操作レバー43がR位置またはL位置に揺動された場合、その位置を保持する。
【0028】
一方、ハンドル軸42には、キャンセルカム46が軸支され、ハンドル操作によって、ハンドル軸42がキャンセル角度を超えるまで角度まで回転した後、反対方向に回転する際、キャンセルカム46がキャンセルピン47を回動させる。このキャンセルピン47の回動によりラチェット機構48が解除され、操作レバー43は中立(N)位置に復帰する。
【0029】
このように、操作レバー43は、中立(N)位置から右折(R)位置あるいは左折(L)位置に操作された後、ハンドル軸42に軸支されたキャンセルカム46によってラチェット機構48が解除されると、中立位置(N位置)に復帰する。なお、キャンセル角度は、車種(トラック、乗用車)等によって異なり、130度、40度など、任意の値に設定される。
【0030】
上記構成を有する方向指示装置1の動作を示す。前述したように、運転手が操作レバー43を右折(R)位置に下げ、右ターンシグナル用接点部31がオンになると、右ターンシグナルランプ15が点滅する。同様に、運転手が操作レバー43を左折(L)位置に上げ、左ターンシグナル用接点部32がオンになると、左ターンシグナルランプ16が点滅する。
【0031】
本実施形態では、大型トラック等、小回りがきかない車両が右折あるいは左折する時に、一旦、進路とは反対方向にハンドルを切る(逆ハンドル)操作を行う場合を示す。特に、逆ハンドル操作で右折または左折する時に、左ターンシグナルランプ16または右ターンシグナルランプ15が点滅している状態から、停止(消灯)させる際のキャンセル動作を示す。また、前述したように、キャンセル角度は任意に設定可能であるが、ここでは、ハンドル41の舵角として、+40度がキャンセル角度に設定されている。
【0032】
図4はターンシグナルのキャンセル動作手順を示すフローチャートである。この制御プログラムはCPU11内のROM(図示せず)に格納されており、CPU11によって実行される。
【0033】
また、ここでは、逆ハンドル操作で左折する場合を示す。なお、逆ハンドル操作で右折する場合も同様である。図5は逆ハンドル操作で左方向に旋回する場合の車両50の軌跡を示す図である。
【0034】
まず、CPU11は、運転手によって操作レバー43が左折(L)位置に操作され、左ターンシグナルランプ16が点滅するまで待つ(ステップS1)。この状態では、図5(A)に示すように、車両50の進路aは直進である。
【0035】
左ターンシグナルランプ16が点滅を開始すると、CPU11は、舵角センサ17によって検知される舵角が、中央位置である角度0から右回転の角度(マイナス角度)となってハンドル41が右回転するまで待つ(ステップS2)。
【0036】
運転手によって操作されるハンドル41が右回転すると、図5(B)に示すように、車両50の進路bは右方向に曲がる。CPU11は、この時点で、逆ハンドル操作がなされていると判断する。尚、ステップS2にて、舵角センサ17によって検知される舵角が、中央位置である角度0から左回転の角度(プラス角度)となってハンドル41が左回転された場合、CPU11は、通常のハンドル操作がなされていると判断する。
【0037】
さて、CPU11は、更に舵角センサ17によって検知される舵角が、ほぼ1回転に近い右回転の角度(−322度以上)となるまで待つ(ステップS3)。なお、ほぼ1回転に近い角度(−322度以上)に限らず、1回転(−360度)を超える角度であってもよい。ハンドル41がほぼ1回転に近い角度に至ると、車両50の進路cは、図5(C)に示すように、大きく曲る。
【0038】
そして、CPU11は、ほぼ1回転に近い右回転である角度になった後でも、左ターンシグナルランプ16の点滅状態を維持する(ステップS4)。
【0039】
運転手がハンドル41を右回転から左回転に操作すると、図5(D)に示すように、車両の進路dは左方向に旋回し始める。CPU11は、舵角センサ17によって検知される舵角が、左回転のキャンセル角度(+40度)より2度大きい、予備角度(+42度)以上になるまで待つ(ステップS5)。この予備角度(+42度)は第1角度に相当する。また、ステップS5の処理は第1判別部に相当する。
【0040】
予備角度以上になって、車両が大きく左方向に旋回した後、図5(E)に示すように、車両50の進路eを真っ直ぐにするために、運転手はハンドル41を右回転させて元の位置に戻そうとする。CPU11は、舵角センサ17によって検知される舵角が、キャンセル角度より2度小さい、予備角度(+38度)以下に戻るまで待つ(ステップS6)。この予備角度(+38度)は第2角度に相当する。また、ステップS6の処理は第2判別部に相当する。
【0041】
CPU11は、舵角センサ17によって検知される舵角が予備角度(+38度)以下に戻ると、セルフキャンセルを行い、左ターンシグナルランプ16の点滅を停止させる(ステップS7)。ステップS7の処理は取消部に相当する。この後、CPU11は本動作を終了する。
【0042】
図6はセルフキャンセルのタイミングを説明する図である。左方向に旋回する場合、符号hに示すように、検知される舵角が、キャンセル角度(+40度)より2度大きい、予備角度(+42度)以上になった後、キャンセル角度より2度小さい、予備角度(+38度)以下となると、方向指示装置1はセルフキャンセルを行う。
【0043】
同様に、右方向に旋回する場合、検知される舵角が、キャンセル角度(−40度)より2度大きい、予備角度(−42度)以上になった後、キャンセル角度より2度小さい、予備角度(−38度)以下となると、方向指示装置1はセルフキャンセルを行う。
【0044】
本実施形態の方向指示装置によれば、逆ハンドル操作で、左折(右折)時にハンドルを右(左)回転させても、左(右)ターンシグナルの点滅が停止することなくなり、操作レバーを保持し続ける煩わしさを解消することができる。また、運転手がハンドル操作とレバー操作の2つの操作を同時に行わなくて済み、安全性を確保することができる。
【0045】
また、ステップS5、S6の予備角度は、それぞれ操作レバーを自動復帰させるキャンセル角度より少しだけ大きい角度、小さい角度であるので、ターンシグナルランプの点滅停止と操作レバーの中立位置(N位置)への復帰とを同期させることも可能である。
【0046】
また、舵角センサは、ハンドルの舵角を、中央(センタ)位置にある場合に値0とし、左旋回方向の回転角度にある場合にプラスの値とし、右旋回方向の回転角度にある場合にマイナスの値として検知するので、舵角を取り扱った処理が簡単になる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、本実施形態の構成が持つ機能を達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態では、予備角度はキャンセル角度(+40度)より2度大きな値に設定されたが、これに限定されず、3度以上等の値に変更可能である。また、予備角度は、左旋回方向と右旋回方向とで、異なる値に設定されてもよい。
【0049】
以上、本発明は、車両の旋回方向を指示する際、右(左)折時にハンドルを左(右)回転させても、旋回方向の表示が取り消されることなく、指示操作部を操作し続ける煩わしさを解消し、安全性を確保することができ、有用である。
【符号の説明】
【0050】
1 方向指示装置
11 CPU
14 コンビネーションスイッチ
15 右ターンシグナルランプ
16 左ターンシグナルランプ
17 舵角センサ
18 電源回路
21、22、25 入力インタフェース(I/F)
23、24 出力ドライバ
27、28 CANインタフェース(I/F)
41 ハンドル
42 ハンドル軸
43 操作レバー
45 可動軸
46 キャンセルカム
47 キャンセルピン
48 ラチェット機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6