(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、機械式のターンシグナルSWレバー(操作レバー)のセルフキャンセル機構の場合、ハンドルを回転させることにより、操作レバーを中立(N)位置に戻すようになっている。即ち、ハンドル軸に軸支されたキャンセルカムが、ハンドルの回転に追従して回転し、キャンセルピンを回転運動させ、このキャンセルピンが可動軸に取り付けられたラチェットを駆動させ、操作レバーを右折(R)または左折(L)位置からN位置に復帰させる。
【0003】
また、電子制御式のセルフキャンセルタイプの操作レバーの場合も、キャンセルのタイミングは機械式の場合と同様である。
【0004】
また、モーメンタリ式ターンシグナルSWにおいては、舵角センサ等により任意のステアリング角度(舵角)を検出して信号を出力させ、電子制御でターンシグナルをオフにする技術が知られている。
【0005】
この種の先行技術として、つぎのようなものがある。すなわち、特許文献1には、操作スイッチが操作状態から中立点に復帰した時から数秒間、方向指示器灯およびコーナリング・ランプの点灯状態を保持させる遅延動作を行い、操作スイッチが運転者の操作により復帰したときには、この遅延動作を禁止することが示されている。
【0006】
特許文献2には、ターンシグナルの点灯を実行した後にステアリングホイールの回転方向の経時的な変化を監視するターンシグナル装置が示されている。このターンシグナル装置は、ステアリングホイールがターンシグナルの点灯方向に一旦回転した後にその逆方向に回転し、さらにその後にターンシグナルの点灯方向に回転したことが検知されたとき、ターンシグナルの消灯を行う。
【0007】
特許文献3には、レバーを中間位置B、Dに揺動操作した際、このレバーは中立位置Aに自動復帰し、点灯装置に駆動信号を所定時間出力することで、車線変更時等に所定時間だけターンシグナルランプが点滅する旋回方向指示装置が示されている。
【0008】
特許文献4には、レバーを中立位置に揺動操作した時に点灯装置を点滅作動させ、所定回数の点滅後に停止させることで、すぐ手を離してレバーが中立位置に自動復帰した場合でも、確実な点滅動作を行えることが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の方向指示装置には、つぎのような問題があった。すなわち、Uターンに近い交差点などで1回転以上ハンドル操作を行った場合、このハンドルを戻す操作によって右折あるいは左折の途中でターンシグナル表示が消える(セルフキャンセル)おそれがある。これは、機械式のターンシグナルSWレバー(操作レバー)の場合、キャンセル角となる舵角の位置が、ハンドル1回転以内の位置の他に、1回転以上した位置(キャンセル角+n回転)として存在するためである。
【0011】
このため、途中でセルフキャンセルが起こると、運転手は操作レバーを再度操作することになり、ハンドル操作が煩わしく、安全性の低下に繋がった。また、後続車においても、途中でターンシグナル表示が消え、困惑する原因となった。
【0012】
一方、操作レバーを一定時間保持(長押し)することや、圧力センサを用いて一定値以上の圧力を加えることで、1回転以上のハンドル操作時にセルフキャンセルを行わないようにすることも検討されるが、運転手による付帯操作や追加機能が必要であった。
【0013】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハンドルを1回転以上操作した場合でも、右折あるいは左折の途中で旋回方向の表示が取り消されることなく、指示操作部を再度操作する煩わしさを解消し、安全性を確保することができる方向指示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を達成するために、本発明に係る方向指示装置は、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 車両の旋回方向を指示する方向指示装置であって、
中立位置から前記旋回方向を指示する位置に操作され、前記旋回方向の表示をオンに切り替える指示操作部と、
前記指示操作部によって前記旋回方向の表示がオンに切り替えられた場合、前記旋回方向を表示する表示部と、
前記車両の進路を変更するために操作されるハンドルの舵角を検知する舵角検知部と、
前記指示操作部が左/右の旋回方向を指示する位置に操作され、前記表示部によって前記左/右の旋回方向が表示された状態で、前記ハンドルが前記左/右の旋回方向に1回転以上回転する場合に回転数を計数する計数部と、
前記計数部によって計数された回転数を記憶値として記憶する記憶部と、
前記ハンドルが前記左/右の旋回方向に操作された後、前記左/右の旋回方向と逆方向である右/左の旋回方向に回転する際、前記舵角検知部によって検知される舵角が所定の角度の大きさ以下となった場合、前記記憶部に記憶された記憶値が、前記回転数が値0であることを表す所定値であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部によって前記記憶値が前記所定値でないと判別された場合、前記旋回方向の表示を取り消さず、一方、前記記憶値が前記所定値であると判別された場合、前記旋回方向の表示を取り消す取消部と、
を備えること。
(2) 上記(1)の構成の方向指示装置であって、
前記左/右の旋回方向に回転する際、前記舵角検知部によって検知される舵角が第1角度の大きさ以上となった後、前記右/左の旋回方向に回転する際、前記舵角が、前記所定の角度として、前記第1角度より小さい第2角度の大きさ以下となると、前記取消部は、前記判別部によって前記記憶値が前記所定値でないと判別された場合、前記旋回方向の表示を取り消さず、前記右/左の旋回方向の回転数に応じて前記記憶値を減算すること。
(3) 上記(1)または(2)の構成の方向指示装置であって、
前記指示操作部は、前記ハンドルの舵角がキャンセル角度になると、前記中立位置に自動復帰し、
前記第1角度は、前記キャンセル角度より大きい回転角度であり、前記第2角度は前記キャンセル角度より小さい回転角度であること。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか一つの構成の方向指示装置であって、
前記舵角検知部は、前記ハンドルの舵角を、前記ハンドルの中央位置を値0とし、前記ハンドルが右の旋回方向および左の旋回方向の回転角度にある場合にそれぞれ符号の異なる値として検知すること。
【0015】
上記(1)〜(4)の構成の方向指示装置によれば、ハンドルが左/右の旋回方向に操作された後、右/左の旋回方向に回転する際、舵角が所定の角度の大きさ以下となった場合、回転数が値0でないと、旋回方向の表示を取り消さず、回転数が値0であると、旋回方向の表示を取り消す。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ハンドルが左/右の旋回方向に操作された後、右/左の旋回方向に回転する際、舵角が所定の角度の大きさ以下となった場合、回転数が値0でないと、旋回方向の表示を取り消さず、回転数が値0であると、旋回方向の表示を取り消す。これにより、ハンドルを1回転以上操作した場合でも、右折あるいは左折の途中で旋回方向の表示が取り消されることなく、指示操作部を再度操作する煩わしさを解消し、安全性を確保することができる。
【0017】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態における方向指示装置について図面を用いて説明する。
図1は実施形態における方向指示装置1の構成を示す図である。方向指示装置1は、電子制御式のものであり、CPU11、コンビネーションスイッチ14、右ターンシグナルランプ15、左ターンシグナルランプ16及び舵角センサ17を備える。
【0020】
コンビネーションスイッチ14は、ハンドル軸42(
図2、
図3参照)を中心に上下方向に揺動自在な操作レバー43によってオンに切り替えられるターンシグナルスイッチ13を有する。
【0021】
操作レバー43は、運転手によって中立(N)位置から右折(R)位置あるいは左折(L)位置に操作され、ハンドル軸42の回転により中立位置(N位置)に復帰する。
【0022】
ターンシグナルスイッチ13は、入力I/F21を介してCPU11に接続される右ターンシグナル用接点部31、及び、入力I/F22を介してCPU11に接続される左ターンシグナル用接点部32を有する。右ターンシグナル用接点部31は、運転手が操作レバー43をR位置に下げることでオンとなる。左ターンシグナル用接点部32は、運転手が操作レバー43をL位置に上げることでオンとなる。
【0023】
右ターンシグナルランプ15は、CPU11に接続された出力ドライバ23によって駆動され、点滅あるいは消灯する。左ターンシグナルランプ16は、CPU11に接続された出力ドライバ24によって駆動され、点滅あるいは消灯する。右ターンシグナルランプ15及び左ターンシグナルランプ16は表示部に相当する。
【0024】
舵角センサ17(舵角検知部)は、ハンドル軸42(
図2参照)に設けられ、絶対舵角を、つまりハンドル41の中央(センタ)位置を中心とし(0度)、右回転(マイナス)及び左回転(プラス)の舵角をそれぞれ異なる符号の値として検知可能である。また、舵角センサ17はCAN(Controller Area Network)I/F28を内蔵する。CPU11は、CANI/F27を内蔵し、舵角センサ17に内蔵されたCANI/F28を介して、舵角センサ17との間で信号を送受信する。
【0025】
CPU11は、ハンドルの回転数n(記憶値)を記憶する回転数メモリ29(記憶部)を内蔵する。この回転数メモリ29に記憶された回転数nは、舵角センサ17によって検知される舵角が左方向あるいは右方向に1回転する度に、それぞれプラス(+)値1あるいはマイナス(−)値1減少する。
【0026】
CPU11は、入力I/F21を介して右ターンシグナル用接点部31から入力されるR位置の信号、左ターンシグナル用接点部32から入力されるL位置の信号、及びCANI/F27を介して舵角センサ17によって検知される舵角信号を入力する。CPU11は、これらの入力信号及び回転数メモリ29に記憶された回転数nをもとに、後述する制御プログラムに従って、右ターンシグナルランプ15及び左ターンシグナルランプ16の点滅を停止する制御を行う。
【0027】
また、CPU11には、入力I/F25を介してイグニッション(IGN)SWが接続される。さらに、CPU11には、バッテリ(+B)に接続された電源回路18から電源が供給される。
【0028】
図2はハンドル41の回転方向を示す図である。ハンドル軸42には、舵角センサ17が取り付けられる。舵角センサ17は、前述したように、中央位置を0度とし、左/右回転の角度(舵角)をそれぞれプラス/マイナスの角度で検知し、その角度信号を出力する。ここでは、ハンドル41を右回転させると、マイナスの角度を検知し、ハンドル41を左回転させると、プラスの舵角を検知する。また、ここでは、回転方向をプラス/マイナスで表し、角度の大きさ(大小)を絶対値で表すものとする。
【0029】
図3は操作レバー43のセルフキャンセル動作を説明する図である。操作レバー43は、可動軸45を中心に揺動自在である。操作レバー43のハンドル側の端部はラチェット機構48を有し、操作レバー43がR位置またはL位置に揺動された場合、その位置を保持する。
【0030】
一方、ハンドル軸42には、キャンセルカム46が軸支され、ハンドル操作によって、ハンドル軸42がキャンセル角度を超えるまで角度まで回転した後、反対方向に回転する際、キャンセルカム46がキャンセルピン47を回動させる。このキャンセルピン47の回動によりラチェット機構48が解除され、操作レバー43は中立(N)位置に復帰する。
【0031】
このように、操作レバー43は、中立(N)位置から右折(R)位置あるいは左折(L)位置に操作された後、ハンドル軸42に軸支されたキャンセルカム46によってラチェット機構48が解除されると、中立位置(N位置)に復帰する。なお、キャンセル角度は、車種(トラック、乗用車)等によって異なり、130度、40度など、任意の値に設定される。
【0032】
上記構成を有する方向指示装置1の動作を示す。前述したように、運転手が操作レバー43を右折(R)位置に下げ、右ターンシグナル用接点部31がオンになると、右ターンシグナルランプ15が点滅する。同様に、運転手が操作レバー43を左折(L)位置に上げ、左ターンシグナル用接点部32がオンになると、左ターンシグナルランプ16が点滅する。
【0033】
本実施形態では、Uターンに近い交差点などで1回転以上ハンドル操作を行って右折あるいは左折する時に、右ターンシグナルランプ15または左ターンシグナルランプ16が点滅している状態から、停止(消灯)させる際のキャンセル動作を示す。
【0034】
また、前述したように、キャンセル角度は任意に設定可能であるが、ここでは、ハンドル41の舵角として、+40度がキャンセル角度に設定されている。
【0035】
図4はターンシグナルのキャンセル動作手順を示すフローチャートである。この制御プログラムはCPU11内のROM(図示せず)に格納されており、CPU11によって実行される。
【0036】
また、ここでは、1回転以上ハンドル操作を行って左折する場合を示す。なお、1回転以上ハンドル操作を行って右折する場合も同様である。
図5は1回転以上ハンドル操作を行って左方向に旋回する場合の車両50の軌跡を示す図である。
【0037】
まず、CPU11は、運転手によって操作レバー43が左折(L)位置に操作され、左ターンシグナルランプ16が点滅するまで待つ(ステップS1)。この状態では、
図5(A)に示すように、車両50の進路aは直進である。
【0038】
左ターンシグナルランプ16が点滅を開始すると、CPU11は、舵角センサ17によって検知される舵角が、中央位置である角度0からキャンセル角度(+40度)より2度大きい、予備角度(+42度)以上になるまで待つ(ステップS2)。この予備角度(+42度)は第1角度に相当する。運転手によって操作されるハンドル41が左回転すると、
図5(B)に示すように、車両50の進路bは左方向への旋回を開始する。
【0039】
予備角度(+42度)以上になると、CPU11は、舵角センサ17によって検知される舵角信号をもとに、運転手によってハンドル操作が左方向に1回転したか否かを判別する(ステップS3)。ハンドル操作が1回転していない場合、CPU11は、ステップS5の処理に進む。ハンドル操作が1回転に満たない場合、
図5(C)に示すように、車両50の進路cは左方向に曲がる。
【0040】
一方、ステップS3でハンドル操作が左方向に1回転した場合、CPU11は、回転数メモリ29に記憶された回転数nを値1増加させる(ステップS4)。ステップS4の処理は計数部に相当する。ハンドル操作が左方向に1回転した場合、
図5(D)に示すように、車両50の進路dは左方向に大きく曲がる。
【0041】
この後、CPU11は、回転数メモリ29に記憶された回転数nが値0(所定値)であるか否かを判別する(ステップS5)。ステップS5の処理は判別部に相当する。ハンドル操作が左方向に1回転した直後であれば回転数nは1より大きいため、ステップS6の処理に進む。その後、CPU11は、舵角センサ17によって検知される舵角信号をもとに、運転手によってハンドル操作が右方向に1回転したか否かを判別する(ステップS6)。ハンドル操作が左方向に回転中であればステップS8に進む。そして、CPU11は、左ターンシグナルランプ16の点滅を継続する(ステップS8)。
【0042】
こうして、CPU11は、ハンドル操作が左方向に回転中、ステップS3、S4、S5、S6、S8の処理を繰り返し実施し、左方向への回転数が増加する度に、回転数nがインクリメントされる。また、該当処理が継続されている間、左ターンシグナルランプ16の点滅を継続する。
【0043】
一方、ハンドル操作を右方向に回転させ始めると、CPU11は、舵角センサ17によって検知される舵角信号をもとに、運転手によってハンドル操作が右方向に1回転したか否かを判別する(ステップS6)。ステップS6でハンドル操作が右方向に1回転した場合、CPU11は、回転数メモリ29に記憶された回転数nを値1減少させる(ステップS7)。そして、CPU11は、ステップS8、S3、S4を経てステップS5に戻り、回転数メモリ29に記憶された回転数nが値0(所定値)であるか否かを判別する。回転数nが値0でない場合、ハンドル操作を右方向に回転させ始めたばかりで、まだ舵角が左回転の角度にあるとして、CPU11は、再度、運転手によってハンドル操作が右方向に1回転したか否かを判別し(ステップS6)、1回転していれば回転数nを値1減少させ(ステップS7)、左ターンシグナルランプ16の点滅を継続する(ステップS8)。この後、CPU11は、ステップS5の処理に戻り、再び回転数メモリ29に記憶された回転数nが値0(所定値)であるか否かを判別する。
【0044】
こうして、CPU11は、ハンドル操作が右方向に回転中、ステップS6、S7、S8、S3、S5の処理を繰り返し実施し、右方向への回転数が減少する度に、回転数nがデクリメントされる。また、該当処理が継続されている間、左ターンシグナルランプ16の点滅を継続する。
【0045】
ステップS5で回転数nが値0である場合、CPU11は、運転手によってハンドルが元に戻す方向(右方向)に操作され、舵角センサ17によって検知される舵角がキャンセル角度より2度小さい、予備角度(+38度)以下に戻したか否かを判別する(ステップS9)。この予備角度(+38度)は第2角度に相当する。予備角度(+38度)以下に戻していない場合、CPU11は、ステップS3の処理に戻る。そして、ステップS9で舵角が予備角度(+38度)以下に戻された場合、CPU11は、左ターンシグナルランプ16の点滅を停止する(ステップS10)。ステップS10の処理は取消部に相当する。回転数nが値0で予備角度(+38度)以下に戻した場合、
図5(e)に示すように、車両50の進路eは直進に戻る。この後、CPU11は本動作を終了する。
【0046】
図6はセルフキャンセルのタイミングを説明する図である。左方向の旋回時に検知される舵角が、キャンセル角度(+40度)より2度大きい、予備角度(+42度)以上になった後、元に戻す際に検知される舵角が予備角度(+38度)以下となると、回転数nが値0である場合、方向指示装置1はセルフキャンセルを行う。一方、回転数nが値1以上である場合、回転数nを値1減らし、方向指示装置1は、左ターンシグナルランプ16の点滅を継続する。
【0047】
同様に、右方向の旋回時に検知される舵角が、キャンセル角度(−40度)より2度大きい、予備角度(−42度)以上になった後、元に戻す際の舵角が予備角度(−38度)以下となると、回転数nが値0である場合、方向指示装置1はセルフキャンセルを行う。一方、回転数nが値1以上である場合、回転数nを値1減らし、方向指示装置1は、右ターンシグナルランプ15の点滅を継続する。
【0048】
本実施形態の方向指示装置によれば、ハンドルを1回転以上操作した場合でも、右折あるいは左折の途中でターンシグナルランプの点滅が停止されることなく、操作レバーを再度操作する煩わしさを解消することができる。また、運転手がハンドル操作とレバー操作の2つの操作を同時に行わなくて済み、安全性を確保することができる。
【0049】
また、舵角が、予備角度(+42度)以上となった後、予備角度(+38度)以下となった場合に、回転数メモリに記憶された回転数を減算もしくは点滅を停止するので、適切なタイミングでターンシグナルランプの点滅を停止させることができる。
【0050】
また、ステップS2、S5の予備角度は、それぞれ操作レバーを自動復帰させるキャンセル角度より少しだけ大きい回転角度、小さい回転角度であるので、ターンシグナルランプの点滅停止と操作レバーの中立位置への復帰とを同期させることも可能である。
【0051】
また、舵角センサは、ハンドルの舵角を、中央(センタ)位置にある場合に値0とし、左旋回方向の回転角度にある場合にプラスの値とし、右旋回方向の回転角度にある場合にマイナスの値として検知するので、舵角を取り扱った処理が簡単になる。
【0052】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、本実施形態の構成が持つ機能を達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0053】
例えば、上記実施形態では、予備角度はキャンセル角度(+40度)より2度大きな値に設定されたが、これに限定されず、3度以上等の値に変更可能である。また、予備角度は、左旋回方向と右旋回方向とで、異なる値に設定されてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、ハンドルの回転数nそのものを記憶値として記憶したが、回転数が値1、値2、…であることを表す各フラグをセット/リセットすることで記憶してもよい。また、ハンドルの回転数nを初期値として値0からスタートさせる代わりに、任意の値からスタートさせてもよい。
【0055】
以上、本発明は、車両の旋回方向を指示する際、ハンドルを1回転以上操作した場合でも、右折あるいは左折の途中で旋回方向の表示が取り消されることなく、指示操作部を再度操作する煩わしさを解消し、安全性を確保することができ、有用である。