(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2のエアゾール容器のようにパウチの切り口(溶着部分)に保護膜などを設ける場合、保護膜にクラックやピンホールがないことを確かめなければならず、製造工程が煩雑となった。また、完全に保護することも製造上困難であった。また、高温下で長期間保管したとき、内容物の透過を完全に防止することはできない場合があった。
本発明は、2種類の内容物を1本の外部容器に収容する吐出容器であって、2つの内容物を長期間安定して保管することができる吐出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の吐出容器は、外部容器と、その外部容器内に収容されるパウチと、外部容器に固着され、パウチと連結されるバルブとを備えており、前記パウチが外パウチと、その内部に空間を隔てて収容される内パウチとからなり、前記内パウチ内に第1内容物が充填され、前記外部容器と
外パウチとの間に第2内容物が充填されることを特徴としている。
このような吐出容器であって、外部容器内に収容され、パウチを収容し、バルブと連結される内袋をさらに備え、前記第2内容物が内袋と
外パウチとの間に充填されるものが好ましい。
また、外部容器が合成樹脂製であり、透光性を有するものが好ましい。
本発明の吐出製品は、本発明の吐出容器の内パウチ内に第1内容物を充填し、前記外部容器と
外パウチとの間に第2内容物および噴射剤を充填したことを特徴としている。
本発明の吐出製品の他の態様は、内袋を備えた本発明の吐出容器の内パウチ内に第1内容物を充填し、前記内袋と
外パウチとの間に第2内容物を充填し、前記外部容器と内袋との間に噴射剤を充填したことを特徴としている。
このような吐出製品であって、前記第1内容物が染料を含有する染毛剤第1剤であり、前記第2内容物が酸化剤を含有する染毛剤第2剤であるものが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の吐出容器は、外部容器と、その外部容器内に収容されるパウチと、外部容器に固着され、パウチと連結されるバルブとを備えており、前記パウチが外パウチと、その内部に空間を隔てて収容される内パウチとからなり、前記内パウチ内に第1内容物が充填され、前記外部容器と
外パウチとの間に第2内容物が充填されるため、たとえ第2内容物が外パウチを透過しても、内パウチとの間の空間により内パウチ内の第1内容物と直接接触することがない。反対に第1内容物が内パウチを透過しても、前記空間により外パウチ外の第2内容物と直接接触することがない。つまり、第1内容物及び第2内容物を安定して保管することができる。
また、第1内容物が充填される内パウチの貼り合わせ部(溶着部分)の外縁(シートの切り口面)の少なくとも一部が第2内容物と空間を隔てているため、たとえ第2内容物が外パウチを透過しても内パウチの貼り合わせ部(溶着部分)の外縁(切り口面)と第2内容物との接触を防止でき、貼り合わせ部の劣化も防止できる。特に、内パウチとして、金属シートを用いている場合、この劣化防止は顕著である。
【0007】
このような吐出容器であって、外部容器内に収容され、パウチを収容し、バルブと連結される内袋をさらに備え、前記第2内容物が内袋と
外パウチとの間に充填される場合、内袋に加わる噴射剤の圧力を、パウチ全体に押圧することができる。また、第2内容物によ
る外部容器の内面の腐食を防止することができる。
外部容器が合成樹脂製であり、透光性を有する場合、内部の状態を確認できる。また、内容物の残量を視認できる。
【0008】
本発明の吐出製品は、本発明の吐出容器の内パウチ内に第1内容物を充填し、前記外部容器と
外パウチとの間に第2内容物および噴射剤を充填しているため、それぞれ第1内容物と第2内容物を独立して安定に保管できる。また第2内容物は噴射剤と共に吐出できるため、第1内容物と異なる吐出形態にすることができ、たとえば、第2内容物を発泡させて第1内容物と混ざりやすくする、塗り伸ばしやすくするなど、使いやすくすることができる。
本発明の吐出製品の他の態様は、本発明の吐出容器の内パウチ内に第1内容物を充填し、前記内袋と
外パウチとの間に第2内容物を充填し、前記外部容器と内袋との間に噴射剤を充填しているため、第1内容物、第2内容物及び噴射剤を独立して安定に保管できる。また第1内容物と第2内容物を同じ吐出形態にすることができ、各内容物の吐出量を目視で確認しやすい。
第1内容物が染料を含有する染毛剤第1剤であり、第2内容物が酸化剤を含有する染毛剤第2剤である場合、反応性が高く分解しやすい染毛剤でも、安定して保管することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1aの吐出容器10は、外部容器11と、その内部に収容される内袋12と、その内部に収容されるパウチ13と、外部容器11に固着され、内袋12及びパウチ13と連結されるバルブ14とを備えている。パウチ13は、外パウチ16と、その内部に空間Sを隔てて収容される内パウチ17とを有している。この吐出容器10は、外部容器11と内袋12の間の空間S1に噴射剤Pが充填され、内パウチ17内に第1内容物Aが充填され、内袋12とパウチ13(外パウチ16)との間の空間S2に第2内容物Bが充填されて吐出製品(エアゾール製品)となる。
【0011】
外部容器11は、筒状の胴部と、胴部の下端を閉じる底部と、胴部の上端に形成されたテーパー状の肩部と、肩部の上端に形成された環状のビード部11aとを備えた耐圧容器である。なお、肩部とビード部11aの間に首部を設けてもよい。このような外部容器11は、アルミニウムやブリキ等の金属板を絞り加工あるいはインパクト加工等で有底筒状に成形し、その上部にネッキング加工などで肩部および首部を形成し、首部の上端にカーリング加工でビードを形成している。また、その底部が内側に突出しており、これにより外部容器内部の圧力にも耐えうる強度が付与されている。なお後述するように合成樹脂製のもの、あるいは、ガラスなど他の材質のものも採用しうる。
【0012】
内袋12は、筒状の胴部、胴部の下端を閉じる底部、胴部の上端に形成されたテーパー状の肩部、肩部の上端から円筒状に伸びる首部、及び、首部の上端に外方に突出する円板状のフランジ部12aを備えた可撓性を有する袋体である。底部の下面には、ピンチオフ部12bが形成されている。
内袋12は、底部(ピンチオフ部12b)を外部容器の底部に載置させたときに、フランジ部12aが外部容器のビード部11aよりも上に位置するように構成されている。しかし、フランジ部12aを外部容器のビード部11aに保持させて宙吊りとなるようにしてもよい。
内袋12は、軟質合成樹脂のプリフォームを押出成形し、ブロー成型によって成形される。軟質合成樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、エバール(EVOH)、ナイロン(NY)等が挙げられ、特に、PE/EVOH/
PE、PE/NY/PEなどの積層体が好ましい。
【0013】
パウチ13は、外パウチ16と、その内部に空間Sを隔てて収容される内パウチ17と、外パウチ16の開口部及び内パウチ17の開口部に貼着され、バルブ14内と内パウチ17内とを連通する筒状の連結部材18とを備えている。空間Sは、内パウチ17を中心に筒状を呈している(
図1c参照)。外パウチ16と内パウチ17との間に空間Sがあるため、第2内容物が外パウチ16を浸透または透過したり、第1内容物が内パウチ17を浸透または透過しても、第1内容物及び第2内容物が接触することがない。そのため、両内容物を長期間安定に保管することができる。また、パウチ13の内パウチ17の全ての貼り合わせ部の外縁(切り口面)が、空間Sに晒されているため、たとえパウチ13を覆う第2内容物が外パウチ16を浸透または透過しても、外縁と第2内容物との接触を防止でき、外縁が腐食されにくい。特に、内パウチ17を金属シートから構成している場合、腐食防止の効果が高い。
なお、空間S内には、特に窒素等の不活性ガスが充填されるのが好ましい。
【0014】
外パウチ16及び内パウチ17は、2枚のシートを重ねあわせ、または、折り合わせた後、周縁部を熱溶着や接着剤などにより貼り合わせて形成される2つの面から形成される可撓性を有する袋体である。しかし、3面以上が折り畳まれるようにしてもよい。その材質は、第1内容物A及び第2内容物Bに応じて、あるいは、その使用に応じて適宜決定される。それぞれは、
図1cに示すように内パウチ17が外パウチ16内に完全に収容されていれば良い。これにより、内パウチ17の貼り合わせ部の外縁(シートの切り口面)がパウチ13と内袋12との間に充填された第2内容物Bと触れることがない。特に、2つの面を重ね合わせた平らな状態で、外パウチ16の内面積(貼り合わせ部より内側及び/または折れ目で囲まれた部位)が、内パウチ17の全体の面積より大きくなるように構成するのが好ましい。これにより、外パウチ16及び内パウチ17を同軸にして連結部材18と連結したとき、外パウチ16の貼り合わせた部位と、内パウチ17の貼り合わせ部の外縁(シートの切り口面)との間に隙間を形成させることができ、生産工程において外パウチ16及び内パウチ17が重なって貼着されることを防止でき、パウチ13を正確に連結部材18に固定することができる。また、外パウチ16の満注量が内パウチ17の満注量より大きいのが好ましい。これにより、内パウチ17に第1内容物Aを充填しても、外パウチ16を破ったりするおそれが小さい。
空間S内への窒素等の不活性ガスの充填は、不活性ガスの環境下(例えば、成形室あるいは成形空間)でパウチ13を成形することにより可能となる。
【0015】
このような袋体を構成するシートとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エバール(EVOH)、 ナイロン(NY)
などの対薬品性に優れた合成樹脂シート、アルミニウム(アルミ箔)などの金属箔シートや上記合成樹脂シートにシリカ(Si)やアルミナ(Al
2O
3)、炭素(C)などを蒸着した蒸着樹脂シートなどのガスバリアシート等が挙げられる。特に、ガスの透過がほとんどないアルミ箔シートを合成樹脂シートで両面を覆ったものを用いることが好ましく、外層/中間層/内層の順に、PE/Al箔/PE、PE/PET/Al箔/PE、PE/Al箔/PET/PEなどの積層シートを用いることが好ましい。
さらに、アルミ箔などの金属箔シートを合成樹脂シートで両面を覆ったパウチを用いることで、後述する
図4のように、光透性を有する合成樹脂製の外部容器を用いる場合に、内パウチ17内の第1内容物Aを光から遮断して光による劣化を防止することができる。
【0016】
連結部材18は、上端に形成されたバルブ連結部18aと、その下方に形成された外パウチ16の上端開口部が貼着される上貼着部18bと、その下方に形成された内パウチ17の上端開口部が貼着される下貼着部18cと、内パウチ17内に挿入されるディップ部18dとを有している。上貼着部18b及び下貼着部18cは共に外形が四角柱(ひし形)となるように構成されている(
図1b参照)。そして、上貼着部18bの四角柱の前後幅(
図1aの表裏方向)及び左右幅の方が、下貼着部18cの四角柱の前後幅より大きく構成されている。つまり、上貼着部18bと下貼着部18cとで段が形成されている。これにより、外パウチ16と内パウチ17との間の空間を確実に確保できる。しかし、この連結部材18は、少なくとも上貼着部18bが下貼着部18cより上方にあればよい。つまり、上貼着部18bとバルブ連結部18aとは同じ高さにあってもよく、例えば、上貼着部18bをバルブ連結部18aの外周面に設けたり、
図3のように上貼着部18bをバルブ14のハウジングの表面に設けてもよい。また、上貼着部18b及び下貼着部18cの外形は楕円柱でもよい。さらに、ディップ部18dは、無くてもよい。
連結部材18の材質は、第1内容物A及び第2内容物B、さらにはパウチの材質に応じて適宜決定される。特に、PEやPP等の内容物に対して反応性が低く、パウチの内層と溶着しやすい材質が好ましい。
【0017】
バルブ14は、吐出容器内に充填された第1内容物A及び第2内容物Bを独立してバル
ブ14内に誘導し、独立して外部に吐出するものである。バルブ14は、外部容器のビー
ド部11aに固定されるマウンティングカップ21と、そのマウンティングカップの下面中央に保持される筒状のハウジング22と、そのハウジング内に上下移動自在に収容され2つのステム孔を有するステム23と、それぞれのステム孔を閉じ、ハウジング内で上下に配置される2つのステムラバー25a、bと、2つのステムラバー25a、bを支持する筒状のラバー保持部材26と、ステムを常時上方に付勢するバネ27とを有している。そのため、下方のステムラバー25bとハウジング22の内面によって区画される空間(第1独立通路)と、2つのステムラバー25a、b、ステム23及びハウジングの内面によって区画される空間(第2独立通路)とが形成される。なお、マウンティングカップ21の外縁と外部容器のビード部11aの間には、環状のシール材29が設けられる。外部容器11とバルブ14とはこのシール材29によってシールされる。
【0018】
ハウジング22の下端には、連結部材18のバルブ連結部18aと連結し、ハウジングの内外を連通する筒状の連結部22aが形成されている。この連結部22aは、ハウジング内の第1独立通路を介してステム23の下側のステム孔と連通している。また、ハウジング22の上部側面にもハウジングの内外を連通する連通孔22bが形成されている。連通孔22bは、ハウジング内の第2独立通路を介してステム23の上側のステム孔と連通している。これによりそれぞれ第1内容物A及び第2内容物Bは、独立してステム23から吐出される。
しかし、バルブ14は、吐出容器内に充填された第1内容物A及び第2内容物Bをバル
ブ14内に誘導し、外部に吐出するものであればよい。例えば、第1独立通路及び第2独立通路をハウジング内で合流させ、ステム孔が一つのステムから一緒に吐出させてもよい。なお、後述する
図9のように、2つのハウジング及びそれぞれに収容される2つのステムを用いた2つのバルブ機構を備えたバルブを用いても良い。
【0019】
この吐出容器10に充填される第1内容物A及び第2内容物Bの組み合わせとしては、例えば、2液式染毛剤、2液式パーマ剤あるいは2液式接着剤などのように、2液を混合することにより有効成分の効果が得られる2液反応製剤が挙げられる。このとき、内パウチ内に充填する第1内容物Aを反応性が高いものとするのが好ましい。
例えば、2液式染毛剤の場合、第1内容物Aとして染料を含有する染毛剤第1剤が用いられ、第2内容物Bとして酸化剤を含有する染毛剤第2剤が用いられるのが好ましい。染毛剤第2剤は酸化剤として過酸化水素を含有しており、過酸化水素は分解して酸素を発生しやすい。一方、染毛剤第1剤に含まれる染料は酸素と接触すると酸化されて発色し、保存中に酸化されると染毛効果が低下する。前記内パウチに反応性の高い染毛剤第1剤を充填し、内袋12と外パウチ16の間の空間S2に分解しやすい染毛剤第2剤を充填することで、保存中に染毛剤第2剤から酸素が発生しても2つのパウチが酸素を遮断して、有効成分である染料を安定に保存することができる。仮に外パウチの周縁部が染毛剤第2剤により劣化して酸素が浸入したとしても、内パウチの周囲には空間があり、空間内の気体により酸素が希釈されるため内パウチの周縁部は劣化しない。
外部容器11と内袋12との間の空間S1に充填される噴射剤Pとしては、たとえば、窒素、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気などの圧縮ガスや、液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハイドロフルオロオレフィンなどの液化ガスが挙げられる。
【0020】
次に吐出製品の製造方法を示す。外部容器11、内袋12、パウチ13、バルブ14を準備する。そして、パウチ13をバルブ14に連結し、バルブ14の第2独立通路を閉じつつ第1独立通路を介して第1内容物Aを内パウチ17内に充填する。一方、外部容器11内に収容した内袋12に第2内容物Bを充填する。
その後、パウチ13を内袋12内に収容し、バルブ14を外部容器11のビード部11aの上に位置させる。ついで、噴射剤Pを外部容器11のビード部11aと内袋のフランジ部12aの間から吹き込み、外部容器11と内袋12の間の空間S1に噴射剤Pを充填(アンダーカップ充填)する。それと同時に、バルブ14を下方に押圧しマウンティング
カップ21を外部容器11に対してカシメ、バルブ14を外部容器11に固着する。なお、第1内容物Aは、バルブ14にパウチ13を連結する前に内パウチ17内に充填してもよく、バルブ14を外部容器11に固着してからバルブ14を介して充填してもよい。
このように吐出容器10は、第2内容物Bを比較的大きな内袋12の開口部から充填できるため、第2内容物Bの充填速度を上げることができる。
【0021】
このように吐出容器10は、第1内容物Aを充填する内パウチ17が外パウチ16の内部に空間Sを隔てて収容されているため、第1内容物又は第2内容物が内パウチ17又は外パウチ16を浸透または透過しても、それらは直接混合されず、長期間安定して保管することができる。また、内パウチ17に金属箔シートを含む積層シートを用いても、金属箔シートの貼り合せ部の外縁(シートの切り口面)の第2内容物Bによる腐食が防止される。つまり、内パウチ17の貼り合わせ部の外縁(シート切り口面)の劣化を防止することができるため、金属で第1内容物を覆うことができ、染毛剤第1剤のような反応性の高い第1内容物を安定に保管することができる。この吐出容器10は、外部容器11とパウチ13の間に内袋12を設けているため、第2内容物Bと噴射剤Pとを分けて保管することができる。また、少なくとも第2内容物Bは外部容器11の大きな開口から充填できるため、生産に適している。
【0022】
図2に示す吐出容器30は、パウチ31の外パウチ32の上下端と内パウチ33の上下端とが固定されたものである。つまり、パウチ31の外パウチ32の上端の貼り合せ部32a及び下端の貼り合わせ部32bで、パウチ31の内パウチ33の上端及び下端を覆うように挟んだものである。この場合、内パウチ33の上下端と空間S2内の第2内容物Bとは、外パウチ32の貼り合わせ部32a、bを介しているだけとなる。つまり、内パウチ33の一部が第2内容物Bとの間に空間Sを挟んでいないため、
図1より若干耐薬品性が落ちる。しかし、この吐出容器30は、外パウチ32と内パウチ33との間に、内パウチ33を覆う筒状の空間Sを少なくとも備えているため、第2内容物Bによる腐食等は抑えることができる。
他の構成は、
図1の吐出容器10と同じであり、外部容器11、内袋12、バルブ14を備えている。
【0023】
この吐出製品の製造方法は、内パウチ33および外パウチ32用のシートの左右両端をそれぞれ溶着あるいは貼着して筒状体とし、内パウチ33の下端を開放した状態、及び、外パウチ32の下端を開放した状態で連結部材18の貼着部18cに内パウチ33と外パウチ32の上端を溶着あるいは貼着する。そして、内パウチ33の下端から第1内容物Aを充填し、内パウチ33及び外パウチ32の下端を一緒に溶着あるいは貼着する。しかし、第1内容物Aがこぼれなければ、別々に下端を閉じてもよい。内パウチ33の下端を外パウチ32の溶着(貼着)シロ内に位置させることで容易に両下端が溶着できる。このように第1内容物Aを内パウチ33の下端から充填できるため、充填用の開口部を大きく取ることができ、充填速度を上げることができる。この場合、この内容物の充填及びパウチの溶着を窒素等の不活性ガスの環境下で行うことにより、空間S内に不活性ガスを充填することができる。
その後、外部容器11内に内袋12を収容し、内袋12内に第2内容物Bを充填する。ついで、第1内容物Aを充填したパウチ31を内袋内に挿入し、噴射剤をアンダーカップ充填してバルブを外部容器に固着する。
【0024】
図3に示す吐出容器40は、パウチ41の外パウチ42の上端開口部と、内パウチ43の上端開口部を別々の部材に固定したものである。詳しくは、外パウチ42の上端開口部をバルブ14のハウジング44に固定し、内パウチ43の開口部をバルブ14に連結される連結部材45に固定したものである。
バルブ14のハウジング44は、筒状の外ハウジング46と、その下端から挿入して連
結される内ハウジング47とからなる。また、外ハウジング46の下端は、外パウチ42の上端開口部と溶着あるいは接着しやすい形状となっており、この形態では外形が四角柱(ひし形)となっている(上貼着部)。この外ハウジング46の上端に上方のステムラバー25aを保持させ、外ハウジングと内ハウジング47の間に下方のステムラバー25bを保持させ、ラバー保持部48がそれらを支持する。これにより、2つのステムラバー25a、bの間の空間によって第2独立通路が形成され、下方のステムラバー25及び内ハウジング47によって第1独立通路が形成される。
連結部材45は、上端に形成されたバルブ連結部45aと、その下方に形成された内パウチ43の上端開口部43aが貼着される下貼着部45cと、内パウチ43内に挿入されるディップ部45dとを有している。
図1の連結部材18とは、上貼着部を備えていない点で異なる。
【0025】
このように構成されているため、
図1の吐出容器10と同様に、内パウチ43の貼り合せ部の外縁(シートの切り口面)が第2内容物Bによって劣化することがなく、両内容物を安定にして保管することができる。また、外部容器11とパウチ41の間に内袋12を設けているため、第2内容物Bと噴射剤Pとを分けて保管することができ、少なくとも第2内容物Bは大きな開口から充填できるため、生産に適している。
【0026】
図4の吐出容器50は、内袋を備えておらず、第2内容物Bと噴射剤Pとが同じ空間S2内に充填されるものである。また、外部容器51が合成樹脂製である。そして、吐出容器50は、容器を倒立させて使用するものである。
吐出容器50は、外部容器51と、その内部に収容されるパウチ52と、外部容器51に固着され、パウチ52と連結されるバルブ53とを備えている。パウチ52は、連結部材18のディップ部18dの上部に側孔18eが形成されている以外は、
図1のパウチ13と実質的に同じであり、外パウチ16、内パウチ17及び連結部材18を備えている。側孔18eを設けることにより、吐出容器50を倒立させた状態でも確実に第1内容物Aをバルブ53に送ることができる。この吐出容器10は、外部容器51とパウチ52の間の空間S2に噴射剤P及び第2内容物Bが充填され、内パウチ17内に第1内容物Aが充填されて吐出製品(エアゾール製品)となる。
【0027】
外部容器51は、筒状の胴部、テーパー状の肩部、円筒状の首部およびその上端開口に肉厚のフランジ部51aを備えた合成樹脂製の耐圧容器である。この外部容器51の首部とフランジ部51aは内面を共通している。また、内面51bには、上端から中部に向かって形成されるスリット51cが複数本形成されている。このスリット51cは、アンダーカップ充填により噴射剤Pの充填を促進するためのものである。
この外部容器51は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどの合成樹脂から有底筒状のプリフォームを成形し、そのプリフォームを軸方向に伸ばしながら内部に空気を吹き込んで半径方向にも膨らます2軸延伸ブロー成形によって成形される。特に、透光性を有する合成樹脂材料を用いることが、パウチの形状や内容物の残量を視認する上で好ましい。また噴射剤の透過を防止する上で、外部容器の内面および/または外面に炭素、酸化アルミ、シリカなどをガス状にして蒸着膜を設けてもよい。
【0028】
バルブ53は、外部容器51の開口部に挿入されるバルブホルダー61と、そのバルブホルダー61を外部容器51に固定するマウンテンカバー62と、バルブホルダー61に保持されるハウジング63と、そのハウジング63内に上下移動自在に収容され2つのステム孔を有するステム64と、それぞれのステム孔を閉じ、ハウジング63内で上下に配置される2つのステムラバー65a、bと、ハウジング63内に収容され、それぞれのステムラバー65a、bを支持するラバー保持部材66と、ステム64を常時上方に付勢するバネ67とを有している。
バルブホルダー61は、外部容器51内に挿入される筒状の挿入部61aと、その上端
を閉じ、かつ、半径方向外方に突出する蓋部61bとを有する。挿入部61aの内部にハウジング63は保持され、挿入部61aの外面に外部容器51との間をシールする環状のシール材61c(好ましくは、Oリング)が保持される。なお、蓋部61bには、ステム64を通す中心孔が形成されている。蓋部61bの外周縁は、外部容器51のフランジ部51aの上面と当接して固定される。
ハウジング63、ステム64、ステムラバー65、ラバー保持部材66、バネ67は、
図1のバルブ14のものと実質的に同じものである。
マウンテンカバー62は、バルブホルダー61の全体を覆うものであり、その下端を外部容器51のフランジ部51aの下面にカシメて固定される。
このバルブ53も、2つのステムラバー65a、65b、ステム64及びハウジング63の内面によって区画される空間(第2独立通路)と、下方のステムラバー65bとハウジング63の内面によって区画される空間(第1独立通路)とが形成される。つまり、第1内容物A及び第2内容物Bを独立して吐出させるものである。
【0029】
この吐出容器50の製造方法を
図5を参照して説明する。初めに、外部容器51、パウチ52、バルブ53を準備し、外部容器51内に第2内容物Bを充填する。
その後、バルブ53を連結させたパウチ52を外部容器51内に挿入する。このとき、パウチ52の底部が外部容器51の底部と当接し、バルブ53はパウチ52によって支持されることになる。そのため、バルブ53のバルブホルダー61の蓋部61bは、外部容器51のフランジ部51aの上面より若干上方に位置し、バルブホルダー61の挿入部61aに保持されたシール材61cは外部容器51のスリット51cの高さに位置する。そのため、外部容器51の開口部の内面51bとシール材61cの間に隙間が形成されている。
この状態で、マウンテンカバー62をカシメる前の状態の下端と外部容器51の隙間から噴射剤Pを充填し(
図5の矢印参照)、バルブ53を押し下げてシール材61cをスリット51cよりも下方に移動させてシール材を半径方向に圧縮し、その弾発力で空間S2をシールし、マウンテンカバー62の下端をカシメて、バルブ53を外部容器51に固着する。最後に、バルブ53の第2独立通路を閉じつつ第1独立通路から第1内容物Aをパウチ52の内パウチ17内に充填する。第1内容物Aは、パウチ52を外部容器51内に挿入する前に充填してもよい。
【0030】
この吐出製品は空間S2内の第2内容物Bと噴射剤を一緒に吐出することができるため、第2内容物Bをフォーム状にすることができ、第1内容物Aと混合しやすく、また塗り伸ばしやすい。
さらに、2液式染毛剤を充填する場合は、保存中に空間S2内の染毛剤第2剤から酸素が発生しても、その酸素は合成樹脂製の外部容器51を透過し、酸素は内パウチ17内の染毛剤第1剤には到達することがなく、第1内容物の安定性が一層高くなる。また、外部容器51内の圧力の上昇を防止することができる。さらに、アルミ箔などの金属箔シートを合成樹脂シートで両面を覆ったパウチを用いることで、内パウチ17内の第1内容物Aを光と遮断して光による劣化を防止することができる。
【0031】
図6の吐出容器70は、
図4の吐出容器50に内袋71を設けたものである。内袋71の開口部は、外部容器51と内袋71の間の空間Sに充填される噴射剤が内袋71の内部に入らないように、バルブホルダー61の挿入部61aの下端に固定されている。他の構成は、
図4の吐出容器50と実質的に同じであり、外部容器51、パウチ52、バルブ53を備えている。吐出容器70は、吐出容器50と同様に、外部容器51の開口部の内面51bとバルブのシール材61cによってシールされているため、内袋71の開口部はバルブホルダー61の下端に固定されているが、シール部と同じ位置あるいはシール部より噴射剤充填通路の下流であればよく、例えば、ハウジング、連結部材に固定されてもよい。なお、内袋の固定箇所は特に限定されるものではなく、外部容器51とバルブ53のシ
ール構造によって適宜決定される。
この吐出容器70は、内パウチ17内に第1内容物Aを、内袋71と外パウチ16の間の空間S2に第2内容物Bを、外部容器と内袋の間の空間Sに噴射剤を充填することで吐出製品とすることができる。
【0032】
図7の吐出容器80は、
図4の吐出容器50であって、パウチ81の外パウチ82及び内パウチ83の下端が固定されたものである。つまり、パウチ81の外パウチ82の下端の貼り合せ部82aで、パウチ81の内パウチ83の下端83aを覆うように挟み、内パウチ83の下端を外パウチ82の溶着(貼着)シロ内に位置させたものである。このようにすることにより、
図2の吐出容器30のように、第1内容物Aを内パウチ83の下端から充填でき、その充填速度を上げることができる。
【0033】
図8の吐出容器90は、
図7の吐出容器80であって、パウチ91の下部において、外パウチ92及び内パウチ93の内面を溶着させたものである。つまり、外パウチ92及び内パウチ93内に上下2つの空間を備えたものであり、それぞれ上下に2つの溶着シロが形成されたものである。
この吐出容器90は、内パウチ93の上側の空間93aに第1内容物Aを充填して用いる。つまり、第1内容物Aを内パウチ93の下端から充填し、その後、外パウチ92の上からパウチ91の下部(溶着シロ94)を溶着し、最後に、パウチ91の下端(外パウチ92の下端及び内パウチ93の下端、溶着シロ95)を溶着したものである。このようにパウチ91を2回または2箇所を同時に溶着することにより、第1内容物Aと第2内容物Bとの間の内パウチ93の下側の空間93bを設けることができる。そのため、両内容物を安定に保管できる。
【0034】
図9の吐出容器100は、2つの内容物がそれぞれ異なる2つのステムから吐出されるものである。
吐出容器100は、外部容器51と、その内部に収容される内袋71と、その内部に収容されるパウチ13と、外部容器51に固着され、内袋71及びパウチ13と連結される2つのステムを備えたバルブアッセンブリ101とを備えている。パウチ13は、
図1と
同様に、外パウチ16と、その内部に空間Sを隔てて収容される内パウチ17とを有している。この吐出容器100は、外部容器51と内袋71の間の空間S1に噴射剤Pが充填され、内パウチ17内に第1内容物Aが充填され、内袋71とパウチ13(外パウチ16)との間の空間S2に第2内容物Bが充填されて吐出製品(エアゾール製品)となる。
バルブアッセンブリ101は、外部容器51の開口部に挿入されるバルブホルダー102と、そのバルブホルダー102を外部容器51に固定するマウンテンカバー103と、バルブホルダー102に保持される2つのハウジング104と、それぞれのハウジング104内に上下移動自在に収容されるステム孔を有するステム105と、それぞれのステム孔を閉じ、それぞれのハウジング104内で配置される2つのステムラバー106と、ステム105を常時上方に付勢するバネ107と、ハウジング内にステム105、ステムラバー106及びバネ107を固定するカバー108とを有している。
バルブホルダー102は、ハウジング104を2つ保持するものであり、他の構成は、
図4のバルブホルダー61と実質的に同じものであり、挿入部61a及び蓋部61bを有する。
マウンテンカバー103は、2つのステム105を通すものであり、他の構成は、
図4のマウンテンカバー62と実質的に同じものである。
ハウジング104、ステム105、ステムラバー106、バネ107及びカバー108は、カバー108の側面をハウジング104にカシメることにより一体としたエアゾールバルブである。なお、ハウジング104の外周面にOリング109が設けられており、ハウジング104とバルブホルダー102の間をシールしている。
【0035】
この吐出容器100は、これまでの実施形態とは異なり、それぞれのステム105を操作することにより、内パウチ17内に充填される第1内容物Aと内袋71の空間S2に充
填される第2内容物Bを別々に吐出することができる。そのため、混ぜることを前提とし
ないでそれぞれの内容物の使用が可能となる。当然、吐出後混合して用いてもよい。
また内容物を充填するとき、それぞれのステムから充填することができる。そのため、他方の独立通路を閉じながら充填する必要がなく、簡易になる。
なお、吐出容器100も、内パウチ17の貼り合わせ部分(溶着部分)の外縁が外パウチ16と内パウチ17の間の空間Sに晒されるパウチ13を備えているため、内容物を長
期に保管でき、パウチの劣化も防止できる。また、
図9bにし示すように、内パウチ83の下端を外パウチ82の下端の溶着シロ内に配置して一緒に貼り合わせたものを用いた
図7のパウチ81を用いても良い。さらに、
図9cに示すように、パウチ13の下部を2回溶着する、または2箇所を同時に溶着し、第1内容物を充填する上側の空間93aの下側に空間93bを設けて貼り合わせ部を下側の空間93bに晒した
図8のパウチ91を用いても良い。