(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の次元を有した座標情報であって、予め定められた範囲内の位置に対応する座標情報を取得する座標取得部と、前記座標取得部が取得した前記座標情報を、変換精度のレベルを示す数n(ただし、nは1以上の整数)と、互いに異なる文字のm個で構成される文字セットとに基づいて、前記文字セットの文字を含む位置コードに変換するコード変換部とを備える第1の変換装置と、
前記位置コードを取得するコード取得部と、前記コード取得部が取得した前記位置コードを、前記数nと、前記文字セットとに基づいて、前記座標情報に変換する座標変換部とを備える第2の変換装置と
を備え、
前記コード変換部は、
前記次元ごとの前記範囲をmのn乗個に分割した場合における前記n桁のm進数であって、前記文字セットの各文字をm進数の各値にそれぞれ対応させた前記n桁のm進数を表す第1の文字列に、前記座標情報を前記次元ごとに変換するコード変換処理と、
前記コード変換処理によって変換した前記n桁のm進数を表す第1の文字列を、前記次元ごとに順番に、1文字ずつ並べて結合した第2の文字列、を生成する結合処理と、
を実行し、前記第2の文字列を位置コードとして変換し、
前記座標変換部は、
前記コード取得部が前記位置コードとして取得した前記第2の文字列を、前記次元ごとの前記第1の文字列に分離する分離処理と、
前記n桁のm進数を表す前記第1の文字列を、前記文字セットに基づいて、前記座標情報に前記次元ごとに変換する座標変換処理と
を実行する
ことを特徴とする変換システム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態による変換システムについて図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による変換システム100を示すブロック図である。
図1において、変換システム100は、変換装置1と、逆変換装置2とを備えている。
【0023】
まず、本実施形態における変換装置1の構成について説明する。
変換装置1(第1の変換装置)は、座標情報の一例として、地球上の緯度及び経度を用いる場合について説明する。すなわち、ここでは、座標情報は、2次元の座標情報(緯度,経度)であり、予め定められた範囲(例えば、360度)内の位置に対応する座標情報である。
【0024】
変換装置1は、取得した座標情報(緯度,経度)を、後述する位置コードに変換する。また、変換装置1は、座標情報取得部11と、文字セット記憶部12と、制御部13とを備えている。
【0025】
座標情報取得部11(座標取得部)は、緯度及び経度を、例えば、角度(単位は度)として取得する。ここで、緯度は、例えば、南緯90度から北緯90度までの値であり、座標情報取得部11は、南緯の場合に負の値(マイナスの値)、北緯の場合に正の値(プラスの値)として緯度を取得する。また、経度は、西経180度から東経180度までの値であり、座標情報取得部11は、西経の場合に負の値(マイナスの値)、東経の場合に正の値(プラスの値)として緯度を取得する。座標情報取得部11は、取得した座標情報(緯度,経度)を制御部13に出力する。
【0026】
文字セット記憶部12は、互いに異なる文字のm個(例えば、m=26)で構成される文字セットの変換テーブルを記憶する。本実施形態では、この文字セットの一例として、英文字26文字の文字セットを用いる場合について説明する。文字セット記憶部12は、26進数を英文字で表現するための変換テーブルを予め記憶している。文字セット記憶部12は、例えば、文字セットを、26進数における26個の各値と、“A”〜“Z”の26個の文字のうちのいずれかの文字とを対応付けて記憶する。すなわち、文字セット記憶部12は、例えば、文字セットを、m進数におけるm個の各値と、m個の文字のうちのいずれかの文字とを対応付けて記憶する。
【0027】
図2は、本実施形態における文字セット記憶部12のデータ構成の一例を示す図である。
図2に示すように、文字セット記憶部12は、例えば、10進数表現の“0”と26進数表現の“A”とを対応付けて記憶している。文字セット記憶部12は、“1”〜“25”までも同様に、“1”〜“25”のそれぞれと、“B”〜“Z” のそれぞれとを対応付けて記憶している。
【0028】
再び、
図1の説明に戻り、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、変換装置1の制御を行う。ここでは、制御部13は、主に、座標情報取得部11が取得した座標情報を、位置コードに変換する制御を行う。制御部13は、正規化処理部131と、コード変換部10とを備えている。
【0029】
正規化処理部131は、座標情報(緯度,経度)を0以上の値に正規化する。具体的に、座標情報取得部11が取得した座標情報を緯度α及び経度βとした場合に、緯度α及び経度βの範囲は、以下の式(1)に示す範囲で表される。
【0031】
ここで、緯度α及び経度βは、実数である。
正規化処理部131は、下記の式(2)に示すように、緯度αに90度を加算して正規化した緯度α1を生成し、経度βに180度を加算して正規化した経度β1を生成する。
【0033】
この正規化処理部131によって正規化された緯度α1と経度β1とは、以下の式(3)に示される範囲となる。
【0035】
なお、西経180度と東経180度とは、同一の位置であるため、同時に表現できる必要はなく、経度β1の範囲は、式(4)に示す範囲としてもかまわない。
【0037】
このように、正規化処理部131は、座標情報取得部11が取得した緯度α及び経度βを正規化し、正規化した緯度α1及び経度β1をコード変換部10に出力する。
【0038】
コード変換部10は、座標情報取得部11が取得した座標情報を、変換精度のレベルを示す数n(ただし、nは1以上の整数)と、互いに異なる文字のm個(例えば、26個
の英文字)で構成される文字セットとに基づいて、文字セットの文字を含む位置コードに変換する。コード変換部10は、例えば、正規化処理部131が正規化した緯度α1及び経度β1を、文字セット記憶部12に記憶されている文字セットと、レベルを示す数n(レベルn)とに基づいて、位置コードに変換する。ここで、レベルnは、緯度及び経度をそれぞれ26進数における何桁で表すかに対応する。例えば、レベル1は、緯度及び経度のそれぞれを1桁の26進数で表し、レベル6は、緯度及び経度のそれぞれを6桁の26進数で表す。なお、変換精度のレベルを示す数n(レベルn)は、予め定められていてもよいし、座標情報取得部11を介して変換装置1の外部から取得されてもよい。
また、コード変換部10は、変換処理部132と、結合処理部133とを備えている。
【0039】
変換処理部132は、緯度α1及び経度β1のそれぞれをn桁の26進数に変換するとともに、文字セット記憶部12に記憶されている文字セットに基づいて、英文字表現にした変換緯度及び変換経度も変換するコード変換処理を実行する。なお、n桁の26進数は、次元ごとの範囲(ここでは、360度)を26
n個に分割した場合における値に対応する。すなわち、変換処理部132は、次元ごとの範囲(ここでは、360度)をmのn乗個(例、26
n個)に分割した場合におけるn桁のm進数(例、26進数)であり、文字セットの各文字をm進数(例、26進数)の各値にそれぞれ対応させたn桁のm進数(例、26進数)を表す第1の文字列(変換緯度及び変換経度)に、座標情報を次元ごとに変換する変換処理を実行する。
【0040】
ここで、n桁の26進数では、0〜26
n−1を表現することが可能である。そこで、変換処理部132は、正規化された緯度α1及び経度β1を効率よく変換するために、下記の式(5)により、緯度α1及び経度β1を変換緯度α2及び変換経度β2に変換する。
【0042】
なお、式(5)に示すように、変換緯度α2は、m(例、m=26)のn乗を範囲(例、360度)で除算した値に、正規化された緯度α1を乗算して算出される。また、変換経度β2は、m(例、m=26)のn乗を範囲(例、360度)で除算した値に、正規化された経度β1を乗算して算出される。
ここで、変換緯度α2及び変換経度β2は、下記の式(6)の範囲となる。
【0044】
例えば、レベル4(n=4)である場合における式(6)の変換緯度α2及び変換経度β2の範囲は、下記の式(7)として表される。
【0046】
ここで、(***・・・)
26と表記する値は、26進数を示している。なお、“*”は、任意の英文字を示す。
このように、変換処理部132は、式(5)により算出した変換緯度α2及び変換経度β2を、文字セット記憶部12に基づいて、英文字列であるn桁の26進数に変換する。
【0047】
具体的には、変換処理部132は、例えば、緯度α=12.3456789000である場合に、変換緯度α2=(HKET)
26を第1の文字列として変換する。なお、変換緯度α2は、厳密には、(HKET.・・・)
26というように、小数点以下を含む値であるが、ここでは、変換処理部132は、小数点以下を切り捨てて、変換緯度α2=(HKET)
26を第1の文字列として変換する。
また、変換処理部132は、例えば、経度β=123.456789000である場合に、変換経度β2=(VXVL)
26を第1の文字列として変換する。なお、変換経度β2は、厳密には、(VXVL.・・・)
26というように、小数点以下を含む値であるが、ここでは、変換処理部132は、小数点以下を切り捨てて、変換経度β2=(VXVL)
26を第1の文字列として変換する。
【0048】
結合処理部133は、第1の文字列(変換緯度α2及び変換経度β2)を、次元ごとに順番に(交互に)、1文字ずつ並べた位置コード(第2の文字列)に結合する結合処理を実行する。すなわち、結合処理部133は、上述の変換処理によって変換したn桁のm進数(例、26進数)を表す第1の文字列(変換緯度α2及び変換経度β2)を、次元ごとに順番に(交互に)、1文字ずつ並べた第2の文字列に結合する結合処理を実行する。変換緯度α2=(HKET)
26及び変換経度β2=(VXVL)
26である場合に、結合処理部133は、第2の文字列として“HVKXEVTL”を生成する。
なお、結合処理部133は、デリミタ(区切り文字)ありが予め指定されている場合には、上述の結合処理において、所定の文字数ごと(例えば、4文字ごと)にデリミタ(区切り文字)として、例えば、“−”を挿入して、第2の文字列に結合する。例えば、上述の変換緯度α2=(HKET)
26及び変換経度β2=(VXVL)
26である場合に、結合処理部133は、第2の文字列として“HVKX−EVTL”を生成する。
【0049】
このように、コード変換部10は、座標情報(緯度α及び経度β)を、位置コードとして第2の文字列に変換し、変換した位置コード(第2の文字列)を出力する。
【0050】
次に、逆変換装置2の構成について説明する。
逆変換装置2(第2の変換装置)は、変換装置1とは逆の変換をする装置であり、取得した位置コードを、座標情報(緯度,経度)に変換する。また、逆変換装置2は、位置コード取得部21と、文字セット記憶部22と、制御部23とを備えている。
【0051】
位置コード取得部21(コード取得部)は、例えば、変換装置1が生成した位置コードを取得する。ここで、位置コードは、例えば、英文字の文字列(上述した第2の文字列)である。位置コード取得部21は、取得した位置コードを制御部23に出力する。
【0052】
文字セット記憶部22は、互いに異なる文字のm個(例えば、m=26)で構成される文字セットの変換テーブルを記憶する。文字セット記憶部22は、例えば、上述した変換装置1が備える文字セット記憶部12と同一の構成であり、ここでは説明を省略する。
【0053】
制御部23は、例えば、CPUであり、逆変換装置2の制御を行う。ここでは、制御部23は、主に、位置コード取得部21が取得した位置コードを、座標情報(緯度及び経度)に変換する制御を行う。制御部23は、レベル判定部231と、座標変換部20と、逆正規化処理部234とを備えている。
【0054】
レベル判定部231は、位置コード取得部21が取得した位置コードの文字数に基づいて、変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を判定する。レベル判定部231は、例えば、デリミタを除いた位置コードの文字数を座標情報の次元の数(例えば、“2”)で除算することにより、レベルを示す数n(レベルn)を判定する。例えば、位置コードの文字数が“4”である場合に、レベル判定部231は、変換精度のレベルをレベル2と判定する。また、例えば、位置コードの文字数が“10”である場合に、レベル判定部231は、変換精度のレベルをレベル5と判定する。
【0055】
座標変換部20は、上述した変換装置1が備えるコード変換部10の逆の処理を実行する。すなわち、座標変換部20は、位置コード取得部21が取得した位置コード(第2の文字列)を、文字セット記憶部12に記憶されている文字セットと、変換精度のレベルを示す数n(レベルn)とに基づいて、座標情報(緯度α及び経度β)に変換する。なお、変換精度のレベルを示す数n(レベルn)は、レベル判定部231が判定したものでもよいし、位置コード取得部21を介して逆変換装置2の外部から取得されてもよい。
また、座標変換部20は、分離処理部232と、逆変換処理部233とを備えている。
【0056】
分離処理部232は、位置コード取得部21が位置コードとして取得した第2の文字列を、次元ごとの上述した第1の文字列に分離する分離処理を実行する。例えば、位置コードが“HVKXEVTL”である場合に、分離処理部232は、第1の文字列として、“HKET”及び“VXVL”に分離する。
【0057】
逆変換処理部233は、n桁のm進数を表す第1の文字列を、文字セット記憶部12に記憶されている文字セットに基づいて、正規化された座標情報(緯度α1及び経度β1)に次元ごとに変換する座標変換処理を実行する。例えば、第1の文字列が変換緯度α2=(HKET)
26及び変換経度β2=(VXVL)
26である場合に、逆変換処理部233は、座標変換処理により、緯度α1=102.3454及び経度β1=303.4565を生成する。
【0058】
逆正規化処理部234は、上述した変換装置1が備える正規化処理部131の逆の変換処理を行う。すなわち、逆正規化処理部234は、下記の式(8)によって、正規化された座標情報である緯度α1及び経度β1を、緯度α及び経度βに変換する。
【0060】
このように、座標変換部20は、位置コード(第2の文字列)を、座標情報(緯度α及び経度β)に変換し、変換した座標情報(緯度α及び経度β)を出力する。
【0061】
次に、本実施形態における変換システム100の動作について説明する。
まず、本実施形態における変換装置1の動作について説明する。
【0062】
図3は、本実施形態における変換装置1のコード変換処理を示すフローチャートである。
この図において、まず、座標情報取得部11は、座標情報(緯度α及び経度β)を取得する(ステップS101)。座標情報取得部11は、取得した座標情報(緯度α及び経度β)を制御部13に出力する。
【0063】
次に、制御部13の正規化処理部131は、緯度α及び経度βを正規化する(ステップS102)。正規化処理部131は、例えば、上述した式(1)により、緯度α及び経度βを、正規化した緯度α1及び経度β1に変換する。正規化処理部131は、変換した緯度α1及び経度β1をコード変換部10に出力する。
【0064】
次に、コード変換部10の変換処理部132は、正規化した緯度α1及び経度β1をn桁の26進数に変換する(ステップS103)。すなわち、変換処理部132は、上述した式(5)により、正規化した緯度α1及び経度β1をn桁の26進数に変換する。
【0065】
次に、変換処理部132は、n桁の26進数を英文字の文字列(変換緯度α2及び変換経度β2)に変換する(ステップS104)。変換処理部132は、例えば、上述した変換緯度α2=(HKET)
26及び変換経度β2=(VXVL)
26の例のように、n桁の26進数を英文字の文字列(第1の文字列)に変換する。変換処理部132は、変換した英文字の文字列(第1の文字列)を結合処理部133に出力する。
【0066】
次に、結合処理部133は、英文字の文字列(変換緯度α2及び変換経度β2)を1桁ずつ交互に(順番に)結合する(ステップS105)。結合処理部133は、例えば、第1の文字列が変換緯度α2=(HKET)
26及び変換経度β2=(VXVL)
26である例の場合に、第2の文字列として“HVKXEVTL”を生成する。
【0067】
次に、結合処理部133は、デリミタありの指定であるか否かを判定する(ステップS106)。すなわち、結合処理部133は、デリミタを挿入する指定がされているか否かを判定する。結合処理部133は、デリミタありの指定である場合(ステップS106:YES)に、処理をステップS107に進める。また、結合処理部133は、デリミタありの指定でない場合(ステップS106:NO)に、処理をステップS108に進める。
【0068】
次に、ステップS107において、結合処理部133は、結合した文字列(第2の文字列)に、デリミタを挿入する。例えば、結合処理部133は、4文字ごとにデリミタとして、例えば、“−”を挿入して、第2の文字列に結合する。例えば、第2の文字列が、上述の“HVKXEVTL”である場合に、結合処理部133は、第2の文字列として“HVKX−EVTL”を生成する。
【0069】
次に、ステップS108において、コード変換部10は、変換した文字列(第2の文字列)を位置コードとして出力し、処理を終了する。
【0070】
次に、本実施形態における逆変換装置2の動作について説明する。
図4は、本実施形態における逆変換装置2の座標変換処理を示すフローチャートである。
この図において、まず、位置コード取得部21は、位置コードを取得する(ステップS201)。位置コード取得部21は、取得した位置コードを制御部23に出力する。
【0071】
次に、制御部23の座標変換部20は、デリミタありであるか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、座標変換部20の分離処理部232は、取得した位置コードにデリミタがあるか否かを判定する。分離処理部232は、デリミタがある場合(ステップS202:YES)に、処理をステップS203に進める。また、分離処理部232は、デリミタがない場合(ステップS202:NO)に、処理をステップS204に進める。
【0072】
次に、ステップS203において、分離処理部232は、位置コードからデリミタを書外し、処理をステップS204に進める。
【0073】
次に、ステップS204において、分離処理部232は、位置コードを1桁ずつ交互に(順番に)分離して、英文字の文字列(変換緯度α2及び変換経度β2)を生成する。例えば、分離処理部232は、位置コード“HVKXEVTL”を、第1の文字列として変換緯度α2=(HKET)
26及び変換経度β2=(VXVL)
26に分離する。分離処理部232は、分離した次元ごとの第1の文字列を逆変換処理部233に出力する。
なお、この際に、レベル判定部231は、位置コードの文字数に基づいて、変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を判定する。
【0074】
次に、逆変換処理部233は、英文字の文字列(変換緯度α2及び変換経度β2)をn桁の26進数に変換する(ステップS205)。すなわち、逆変換処理部233は、n桁のm進数を表す第1の文字列を、文字セット記憶部12に記憶されている文字セットに基づいて、n桁の26進数に変換する。
【0075】
次に、逆変換処理部233は、n桁の26進数を10進数の緯度α1及び経度β1に変換する(ステップS206)。なお、この10進数の緯度α1及び経度β1は、正規化された緯度及び経度の値である。
【0076】
次に、逆正規化処理部234は、緯度α1及び経度β1を逆正規化する(ステップS207)。すなわち、逆正規化処理部234は、上述した式(8)によって、正規化された座標情報である緯度α1及び経度β1を、緯度α及び経度βに変換する。
【0077】
次に、座標変換部20は、変換した座標情報(緯度α及び経度β)を出力し(ステップS208)、処理を終了する。
【0078】
次に、本実施形態における位置コードの変換例について説明する。
図5は、本実施形態における位置コードのフォーマットを説明する図である。
図5に示す表において、“c”は、英文字の1文字を示しており、“−”は、デリミタを示している。なお、ここでは、レベル1からレベル6までの精度の位置コードのフォーマットを示している。
【0079】
また、
図5において、(a)列は、本実施形態において説明した座標情報(緯度α及び経度β)をデリミタありの場合における位置コードのフォーマットを示している。また、(b)列は、本実施形態におけるデリミタなしの場合における位置コードのフォーマットを示している。
【0080】
また、(c)列は、後述する第2の実施形態において説明するCD(チェックディジット)を付加した場合、且つ、デリミタありの場合における位置コードのフォーマットを示している。また、(d)列は、後述する第2の実施形態において説明するCD(チェックディジット)を付加した場合、且つ、デリミタなしの場合における位置コードのフォーマットを示している。
例えば、レベル3において、(a)列のデリミタありの場合における位置コードのフォーマットは、“cccc−cc”であり、CDを付加した場合、且つ、デリミタなしの場合における位置コードのフォーマットは、“ccccccc”である。
【0081】
また、
図6は、本実施形態における位置コードの変換例を示す図である。
図6の表において、(a)列は、場所を示しており、この表は、東京、ワシントンD.C.、キャンベラ、ブラジリア、及びロンドンの5箇所について、位置コードの変換例を示している。
また、(b)列は、座標情報(緯度α及び経度β)を示し、(c)列は、レベル1からレベル4までの変換緯度α2及び変換経度β2(上述した第1の文字列)を示している。また、(d)列は、レベル1からレベル4までの変換緯度α2及び変換経度β2(上述した第1の文字列)を示している。なお、(d)列において、各レベルの位置コードは、CDなしの場合と、CD付きの場合との両方の場合についてそれぞれ示している。
【0082】
例えば、場所が東京である場合、座標情報(緯度α及び経度β)は、緯度α=35.695225度、経度β=139.704895度である。この場合、変換装置1は、座標情報(緯度α及び経度β)を、レベル1(CDなし)の位置コードとして“JX”に変換し、レベル4(CDなし)の位置コードとして“JXCCAISS”に変換する。
なお、レベル4は、地球の大円(球の中心を通る平面で切断した場合の境界線)周約40000km(キロメートル)を26
4=456976に換算したものであるので、大円上では、1あたり87.53mに対応する。同様に、レベル5では、1あたり3.367mに対応し、レベル6では、1あたり0.129mに対応する。
また、本実施形態における位置コードは、変換精度のレベルに応じて、敷地、建物、構造物など、地球上の位置を示すことが可能である。また、この位置コードは、緯度及び経度により一意的に決められるので、コードを管理する管理者(管理団体)を設ける必要がなく、例えば、住所やビル名が変更になっても不変に使用することが可能である。このように、本実施形態における位置コードを用いることにより、地球上の位置を漏れなくコード化することができるとともに、一元化することができる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態における変換装置1は、座標情報取得部11と、コード変換部10とを備えている。座標情報取得部11は、複数の次元(例えば、2次元)を有した座標情報であって、予め定められた範囲内の位置に対応する座標情報(例、緯度α及び経度β)を取得する。コード変換部10は、座標情報取得部11が取得した座標情報(例、緯度α及び経度β)を、変換精度のレベルを示す数n(ただし、nは1以上の整数)と、文字セット(例、英文字の文字セット)とに基づいて、文字セットの文字を含む位置コードに変換する。ここで、文字セットは、互いに異なる文字のm個(例、英文字26個)で構成される。コード変換部10は、以下のコード変換処理と、結合処理とを実行する。すなわち、コード変換部10は、コード変換処理として、次元ごとの範囲をmのn乗個(例、26
n個)に分割した場合におけるn桁のm進数(例、26進数)であり、文字セットの各文字をm進数の各値にそれぞれ対応させたn桁のm進数を表す第1の文字列に、座標情報を次元ごとに変換する。また、コード変換部10は、結合処理として、変換処理によって変換したn桁のm進数を表す第1の文字列を、次元ごとに順番に、1文字ずつ並べた第2の文字列に結合する。そして、コード変換部10は、結合した第2の文字列を位置コードとして変換する。
【0084】
これにより、本実施形態における変換装置1は、座標情報(例、緯度α及び経度β)から一意的に位置コードを生成することができる。この位置コードは、例えば、官公庁、協会、業界などの各分野が規定している体系に基づいてコード化されている位置コードではないので、本実施形態における変換装置1は、官公庁、協会、業界などの分野に依存しない位置コードを使用することを可能にすることができる。
【0085】
なお、変換装置1が変換した位置コードは、電気的な信号により逆変換装置2に伝送されてもよいし、人間の音声又は手書き文字として伝達されてもよい。本実施形態における変換装置1は、例えば、10種類より多い文字セットを用いた文字列を位置コードとして生成すれば、座標情報の数値をそのまま数字の位置コードとした場合よりも、位置コードの文字数を短くすることができる。そのため、本実施形態における変換装置1は、例えば、人間の音声又は手書き文字として位置コードを伝達する場合に、単純に座標情報の数値をそのまま数字でコード化した場合に比べて伝達ミスを低減することができる。
また、本実施形態における変換装置1は、結合処理として、変換処理によって変換したn桁のm進数を表す第1の文字列を、次元ごとに順番に、1文字ずつ並べた第2の文字列に結合する。このことにより、逆変換装置2は、例えば、位置コードの伝送が途中で途切れた場合であっても、取得できた位置コードの桁数に対応する精度の座標情報を得ることができる。
【0086】
また、人間は、一般に、文字例を伝達する場合に、3桁又は4桁ごとなど、文字列を区切って伝達すると間違いが発生しにくい。本実施形態では、コード変換部10は、上述の結合処理において、所定の文字数ごとに区切り文字(デリミタ)を挿入して、第2の文字列に結合する。
これにより、本実施形態における変換装置1は、例えば、人間の音声又は手書き文字として位置コードを伝達する場合に、伝達ミスを低減することができる。
【0087】
また、本実施形態では、文字セットは、26文字の英文字のセットであり、コード変換部10は、コード変換処理において、座標情報を、n桁の26進数を表す第1の文字列に次元ごとに変換する。
これにより、位置コードを26進数で表現するため、本実施形態における変換装置1は、10進数を使用する場合に比べて位置コードの文字数を低減することができる。また、英文字のみを用いて、数字文字を用いないので、本実施形態における変換装置1は、例えば、人間が手書き文字として位置コードを伝達する場合に、“0”(ゼロ)と“O”(オー)、“1”(イチ)と“I”(アイ)などの伝達ミスを低減することができる。
【0088】
また、本実施形態では、座標情報は、地球の緯度α及び経度βを含み情報である。
これにより、本実施形態における変換装置1は、地球上の位置を緯度α及び経度βに基づいて、一意的に位置コードに変換することができる。
【0089】
また、本実施形態における変換装置1は、座標情報(緯度α及び経度β)を0以上の値に正規化する正規化処理部131を備えている。コード変換部10は、正規化処理部131によって正規化された座標情報(緯度α1及び経度β1)に基づいて、位置コードに変換する。
これにより、コード変換部10は、正規化しない場合に比べて容易にn桁の26進数である第1の文字列に変換することができる。したがって、本実施形態における変換装置1は、正規化処理部131を備えない場合に比べて容易に位置コードを生成することができる。
【0090】
また、本実施形態における逆変換装置2は、位置コード取得部21と、座標変換部20とを備えている。位置コード取得部21は、互いに異なる文字のm個(例、英文字26個)で構成される文字セットの文字を含む位置コードを取得する。座標変換部20は、位置コード取得部21が取得した位置コードを、変換精度のレベルを示す数nと、文字セットとに基づいて、複数の次元を有する座標情報(例、緯度α及び経度β)に変換する。座標変換部20は、以下の分離処理と、座標変換処理とを実行する。すなわち、座標変換部20は、分離処理として、位置コード取得部21が位置コードとして取得した第2の文字列を、次元ごとの第1の文字列に分離する。座標変換部20は、座標変換処理として、n桁のm進数(例、26進数)を表す第1の文字列を、文字セットに基づいて、座標情報(例、緯度α及び経度β)に次元ごとに変換する。
これにより、本実施形態における逆変換装置2は、位置コードから一意的に座標情報(例、緯度α及び経度β)を生成することができる。この位置コードは、例えば、官公庁、協会、業界などの各分野が規定している体系に基づいてコード化されている位置コードではないので、本実施形態における逆変換装置2は、変換装置1と同様に、官公庁、協会、業界などの分野に依存しない位置コードの使用を可能にすることができる。
【0091】
また、本実施形態では、位置コード取得部21が取得した位置コードの文字数に基づいて、変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を判定するレベル判定部231を備えている。座標変換部20は、位置コードを、レベル判定部231が生成した変換精度のレベルを示す数n(レベルn)と、文字セットとに基づいて、複数の次元を有する座標情報(例、緯度α及び経度β)に変換する。
これにより、本実施形態における逆変換装置2は、変換精度のレベルnを外部から取得する必要がなく、位置コードから座標情報(例、緯度α及び経度β)を生成することができる。
【0092】
また、本実施形態における変換システム100は、上述した変換装置1(第1の変換装置)と、上述した逆変換装置2(第2の変換装置)とを備えている。
したがって、本実施形態における変換システム100は、上述した変換装置1及び逆変換装置2と同様の効果を奏する。
【0093】
次に、本発明に係る第2の実施形態について図面を参照して説明する。
[第2の実施形態]
図7は、本実施形態による変換システム100aを示すブロック図である。
図7において、変換システム100aは、変換装置1aと、逆変換装置2aとを備えている。この図において、
図1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
なお、本実施形態において、変換装置1aがCD生成部134を備える点と、逆変換装置2aがCD判定部235を備える点とが、第1の実施形態とは異なる。
【0094】
まず、本実施形態における変換装置1aの構成について説明する。
変換装置1a(第1の変換装置)は、座標情報取得部11と、文字セット記憶部12と、制御部13aとを備えている。また、制御部13aは、正規化処理部131と、コード変換部10aと、CD生成部134とを備えている。また、コード変換部10aは、変換処理部132と、結合処理部133aとを備えている。
【0095】
CD生成部134(検査文字生成部)は、第2の文字列を検査する検査文字(CD:チェックディジット)を生成する。
コード変換部10aは、結合処理において、CD生成部134が生成したCDを付加した第2の文字列を生成する。
なお、制御部13a、コード変換部10a、及び結合処理部133aは、CD生成部134が生成したCDを第2の文字列に付加する処理が追加になる点を除いて、第1の実施形態における制御部13、コード変換部10、及び結合処理部133と同様である。
【0096】
次に、本実施形態における逆変換装置2aの構成について説明する。
逆変換装置2a(第2の変換装置)は、位置コード取得部21と、文字セット記憶部22と、制御部23aとを備えている。また、制御部23aは、レベル判定部231と、座標変換部20aと、逆正規化処理部234と、CD判定部235とを備えている。また、座標変換部20aは、分離処理部232aと、逆変換処理部233とを備えている。
【0097】
CD判定部235は、まず、位置コード取得部21が取得した位置コードにCDが付加されているか否かを判定し、判定した判定結果を分離処理部232aに出力する。また、CD判定部235は、位置コードにCDが付加されている場合に、位置コード取得部21が取得した位置コードからCDを生成し、生成したCDと、位置コードに付加されているCDとが一致するか否かを判定する。CD判定部235は、生成したCDと、位置コードに付加されているCDとが一致しないと判定した場合に、CDエラーを示す情報を出力する。
【0098】
分離処理部232aは、CD判定部235が判定した判定結果が“位置コードにCDが付加されている”である場合に、位置コード取得部21が取得した位置コードからCDを除外する処理を行う。
なお、制御部23a、座標変換部20a、及び分離処理部232aは、位置コードからCDを除外する処理が追加になる点を除いて、第1の実施形態における制御部23、座標変換部20、及び分離処理部232と同様である。
【0099】
次に、本実施形態における変換システム100aの動作について説明する。
まず、本実施形態における変換装置1aの動作について説明する。
【0100】
図8は、本実施形態における変換装置1aのコード変換処理を示すフローチャートである。
図8において、ステップS301からステップS305までの処理は、
図3に示される第1の実施形態におけるステップS101からステップS105までの処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0101】
ステップS306において、結合処理部133aは、CDありの指定であるか否かを判定する。すなわち、結合処理部133aは、CDを挿入する指定がされているか否かを判定する。結合処理部133aは、CDありの指定である場合(ステップS306:YES)に、処理をステップS307に進める。また、結合処理部133aは、CDありの指定でない場合(ステップS306:NO)に、処理をステップS308に進める。
【0102】
次に、ステップS307において、結合処理部133aは、結合した文字列(第2の文字列)にCDを挿入する。例えば、結合処理部133aは、CD生成部134に上述した第2の文字列に対するCDを生成させる。結合処理部133aは、例えば、CD生成部134が生成したCDを、結合した第2の文字列の最後尾に付加して、CD付きの位置コードを生成する。
【0103】
続く、ステップS308及びステップS309の処理は、
図3に示される第1の実施形態におけるステップS106及びステップS107の処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
なお、本実施形態では、ステップS308のYESの場合と、及びステップS309の処理後に、処理をステップS310に進める。
【0104】
次に、ステップS310において、コード変換部10aは、変換した文字列(第2の文字列)を位置コードとして出力し、処理を終了する。
【0105】
次に、本実施形態における逆変換装置2aの動作について説明する。
図9は、本実施形態における逆変換装置2aの座標変換処理を示すフローチャートである。
図9において、ステップS401からステップS403までの処理は、
図4に示される第1の実施形態におけるステップS201からステップS203までの処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
なお、本実施形態では、ステップS402のYESの場合と、及びステップS403の処理後に、処理をステップS404に進める。
【0106】
ステップS404において、CD判定部235は、位置コードがCDありか否かを判定する。すなわち、CD判定部235は、位置コード取得部21が取得した位置コードの文字数に基づいて、位置コードにCDが付加されているか否かを判定する。CD判定部235は、例えば、位置コードの文字数が奇数(2の倍数+1)である場合に、位置コードにCDが付加されていると判定する。CD判定部235は、位置コードにCDが付加されていると判定した場合(ステップS404:YES)に、処理をステップS405に進める。また、CD判定部235は、位置コードにCDが付加されていないと判定した場合(ステップS404:NO)に、処理をステップS408に進める。
【0107】
次に、ステップS405において、分離処理部232aは、位置コードのCDを除外(分離)する。すなわち、分離処理部232aは、位置コード取得部21が取得した位置コードからCDを除外した文字列を第2の文字列として、分離処理部232aに出力する。
【0108】
次に、CD判定部235は、CDが正しいか否かを判定する(ステップS406)。すなわち、CD判定部235は、位置コード取得部21が取得した位置コードからCDを生成し、生成したCDと、位置コードに付加されているCDとが一致するか否かを判定する。CD判定部235は、生成したCDと、位置コードに付加されているCDとが一致すると判定した場合(ステップS406:YES)に、処理をステップS408に進める。また、CD判定部235は、生成したCDと、位置コードに付加されているCDとが不一致であると判定した場合(ステップS406:NO)に、処理をステップS407に進める。
【0109】
次に、ステップS407において、CD判定部235(制御部23a)は、CDエラーを示す情報を外部に出力する。
【0110】
続く、ステップS408からステップS412までの処理は、
図4に示される第1の実施形態におけるステップS204からステップS208までの処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0111】
なお、本実施形態において用いたCD付き(CDあり)の位置コードは、
図5の(c)列、及び(d)列に対応する。
また、
図6の(d)列に示すように、例えば、場所が択捉島カモイワッカ岬である場合、変換装置1aは、座標情報(緯度α及び経度β)を、レベル1(CDあり)の位置コードとして“JXJ”に変換する。この場合、最後尾の文字“J”がCDに対応する。また、変換装置1aは、座標情報(緯度α及び経度β)を、レベル4(CDあり)の位置コードとして“JXUCOJEWI”に変換する。この場合、最後尾の文字“I”がCDに対応する。
【0112】
以上説明したように、本実施形態における変換装置1aは、第2の文字列を検査するCD(検査文字)を生成するCD生成部134(検査文字生成部)を備えている。コード変換部10aは、上述の結合処理において、CD生成部134が生成したCD(検査文字)を付加した第2の文字列を生成する。
これにより、生成した位置コードが正しいか否かを確認することが可能になるので、本実施形態における変換装置1aは、位置コードの伝送エラーを検出することができる。したがって、本実施形態における変換装置1aは、出力した位置コードの信頼性を向上させることができる。
【0113】
また、本実施形態における逆変換装置2aは、位置コードに付加されているCDが正しいか否かを判定するCD判定部235を備えている。
これにより、本実施形態における逆変換装置2aは、位置コードの伝送エラーを検出することができる。
また、同様に、本実施形態における変換システム100aは、位置コードの伝送エラーを検出することができる。
【0114】
次に、本発明に係る第3の実施形態について図面を参照して説明する。
[第3の実施形態]
図10は、本実施形態による変換システム100bを示すブロック図である。
図10において、変換システム100bは、変換装置1bと、逆変換装置2bとを備えている。この図において、
図1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
なお、本実施形態において、変換装置1b及び逆変換装置2bがレベル生成部14を備える点が、第1の実施形態とは異なる。
【0115】
まず、本実施形態における変換装置1bの構成について説明する。
変換装置1b(第1の変換装置)は、座標情報取得部11aと、文字セット記憶部12と、制御部13と、レベル生成部14とを備えている。
【0116】
座標情報取得部11aは、座標情報(緯度α及び経度β)と、位置コードの精度を示す情報(例えば、10メートルなど)を取得する。座標情報取得部11aは、取得した位置コードの精度を示す情報をレベル生成部14に出力する。
【0117】
レベル生成部14は、座標情報取得部11aが取得した精度情報に基づいて、変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を生成する。なお、レベル生成部14は、例えば、精度情報の範囲と、対応するレベルnとを対応付けた変換テーブルを予め定めており、この変換テーブルに基づいて、レベルnを生成してもよい。レベル生成部14は、生成した変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を制御部13に出力する。
制御部13のコード変換部10は、座標情報(緯度α及び経度β)を、レベル生成部14が生成した数nと、文字セット記憶部12が記憶する文字セットとに基づいて、位置コードに変換する。
【0118】
次に、本実施形態における逆変換装置2bの構成について説明する。
逆変換装置2b(第2の変換装置)は、位置コード取得部21aと、文字セット記憶部22と、制御部23と、レベル生成部24とを備えている。
【0119】
位置コード取得部21aは、位置コードと、位置コードの精度を示す情報(例えば、10メートルなど)を取得する。位置コード取得部21aは、取得した位置コードの精度を示す情報をレベル生成部24に出力する。
【0120】
レベル生成部24は、位置コード取得部21aが取得した精度情報に基づいて、変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を生成する。なお、レベル生成部24は、変換装置1bが備えるレベル生成部14と同様である。レベル生成部24は、生成した変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を制御部23に出力する。
制御部23の座標変換部20は、位置コードを、レベル生成部14が生成した数nと、文字セット記憶部12が記憶する文字セットとに基づいて、座標情報(緯度α及び経度β)に変換する。
【0121】
次に、本実施形態における変換システム100bの動作について説明する。
まず、本実施形態における変換装置1bの動作について説明する。
【0122】
図11は、本実施形態における変換装置1aのコード変換処理を示すフローチャートである。
図11において、まず、座標情報取得部11aは、座標情報(緯度α及び経度β)を取得する(ステップS501)。座標情報取得部11aは、取得した座標情報(緯度α及び経度β)を制御部13に出力する。
【0123】
次に、レベル生成部14は、精度情報を取得し、変換精度のレベル(レベルn)を算出する(ステップS502)。すなわち、座標情報取得部11aが精度情報を取得し、取得した精度情報をレベル生成部14に出力する。レベル生成部14は、座標情報取得部11aが取得した精度情報に基づいて変換精度のレベル(レベルn)を生成する。レベル生成部14は、生成した変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を制御部13に出力する。
【0124】
続く、ステップS503からステップS509までの処理は、
図3に示される第1の実施形態におけるステップS102からステップS108までの処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0125】
次に、本実施形態における逆変換装置2bの動作について説明する。
図12は、本実施形態における逆変換装置2bの座標変換処理を示すフローチャートである。
図12において、まず、位置コード取得部21aは、位置コードを取得する(ステップS601)。位置コード取得部21aは、取得した位置コードを制御部23に出力する。
【0126】
次に、レベル生成部24は、精度情報を取得し、変換精度のレベル(レベルn)を算出する(ステップS602)。すなわち、位置コード取得部21aが精度情報を取得し、取得した精度情報をレベル生成部24に出力する。レベル生成部24は、位置コード取得部21aが取得した精度情報に基づいて変換精度のレベル(レベルn)を生成する。レベル生成部24は、生成した変換精度のレベルを示す数n(レベルn)を制御部23に出力する。
【0127】
続く、ステップS603からステップS609までの処理は、
図3に示される第1の実施形態におけるステップS202からステップS208までの処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0128】
以上説明したように、本実施形態における変換装置1bは、入力された位置コードの精度を示す精度情報に基づいて、変換精度のレベルを示す数nを生成するレベル生成部14を備えている。コード変換部10は、座標情報(緯度α及び経度β)を、レベル生成部14が生成した変換精度のレベルを示す数nと、文字セットとに基づいて、位置コードに変換する。
これにより、変換装置1bは、指定された精度情報に基づいて、適切な変換精度のレベルにおいて、座標情報(緯度α及び経度β)を位置コードに変換することができる。
【0129】
また、本実施形態における逆変換装置2bは、入力された位置コードの精度を示す精度情報に基づいて、変換精度のレベルを示す数nを生成するレベル生成部24を備えている。座標変換部20は、を位置コード、レベル生成部24が生成した変換精度のレベルを示す数nと、文字セットとに基づいて、座標情報(緯度α及び経度β)に変換する。
これにより、変換装置1bは、指定された精度情報に基づいて、適切な変換精度のレベルにおいて、座標情報(緯度α及び経度β)を位置コードに変換することができる。
【0130】
なお、変換装置1bにおいて指定される精度情報と、逆変換装置2bにおいて指定される精度情報とは、同一でなくてもよい。本実施形態における変換システム100bは、変換装置1bが位置コードを生成する際の変換精度のレベルと、逆変換装置2bが座標情報を生成する際の変換精度のレベルとは、必ずしも同一である必要はない。逆変換装置2bは、位置コードを生成する際の変換精度のレベル以下の変換精度のレベルであればよく、この場合、逆変換装置2bは、変換精度のレベルに応じて、位置コードの下位の桁の文字を座標情報の生成対象から除外する処理を行う。
【0131】
次に、本発明に係る第4の実施形態について図面を参照して説明する。
[第4の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態における変換装置1及び逆変換装置2を適用した位置情報システムの一例について説明する。
図13は、本実施形態による位置情報システム100cを示すブロック図である。
図13において、位置情報システム100cは、位置コード変換装置150と、座標位置表示装置250とを備えている。この図において、
図1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0132】
まず、位置コード変換装置150について説明する。
位置コード変換装置150は、変換装置1と、入力部151と、地図情報記憶部152と、表示部153と、表示制御部154とを備えている。
入力部151は、例えば、マウスやキーボードなどであり、使用者によって入力された操作情報、制御情報、及び地図上の位置を示す座標情報などを出力する。入力部151は、入力された地図上の位置を示す座標情報を変換装置1の座標情報取得部11に出力する。
【0133】
地図情報記憶部152は、予め地図情報を記憶している。
表示部153は、表示制御部154の制御に基づいて、各種情報及び画像を表示する。
表示制御部154は、地図情報記憶部152が記憶している地図情報に基づいて地図を表示部153に表示するとともに、入力部151によって入力された操作情報などに基づいて、表示部153の表示の変更を行う。また、変換装置1が出力した位置コードを表示部153に表示する。
【0134】
位置コード変換装置150は、
図14に示すように、表示部153に地図を表示し、入力部151により地図上の位置(例えば、建物など)を指定することにより、指定した地図上の位置に対応する位置コードを生成する。
図14は、位置情報システム100cにおける位置コードの変換処理画面の一例を示す図である。
この図において、画像G1は、表示部153が表示している表示画像を示している。表示エリアW1は、地図を表示する領域を示し、表示エリアW2は、変換精度のレベルの入力領域を示している。また、表示エリアW3は、地図上に指定された位置(座標情報)を変換した位置コードを表示する表示領域を示している。
【0135】
位置コード変換装置150において、例えば、使用者が入力部151から変換精度のレベルの値を指定した場合に、表示制御部154は、入力された変換精度のレベルに応じた範囲を示す四角い枠(範囲枠A1、A2など)を表示部153の表示エリアW1に表示させる。例えば、レベル4が指定された場合に、表示制御部154は、範囲枠A2を表示部153の表示エリアW1に表示させる。また、例えば、レベル5が指定された場合に、表示制御部154は、範囲枠A2よりも狭い範囲を示す範囲枠A1を表示部153の表示エリアW1に表示させる。
【0136】
また、地図上の位置を指定する“+”のマークP1は、使用者の入力部151(主にマウス)の操作によって、地図上を移動され、建物などの位置を指定する。
図14の例では、マークP1は、「○○ビル」を示している。入力部151は、マークP1により位置が指定された場合に、指定された位置に対応する座標情報(緯度α及び経度β)を変換装置1に出力する。
次に、変換装置1は、座標情報(緯度α及び経度β)を、変換精度を示すレベルに基づいて位置コードに変換し、変換した位置コードを表示制御部154に出力する。表示制御部154は、表示部153の表示エリアW3に、変換装置1が変換した位置コードを表示させる。
図14に示す一例では、位置コード変換装置150は、位置コードとして、例えば、“JXCCALISBY”を表示部153の表示エリアW3に表示する。
【0137】
次に、座標位置表示装置250について説明する。
座標位置表示装置250は、逆変換装置2と、入力部251と、地図情報記憶部252と、表示部253と、表示制御部254とを備えている。
入力部251は、例えば、マウスやキーボードなどであり、使用者によって入力された操作情報、制御情報、及び位置コードなどを出力する。入力部251は、入力された位置コードを逆変換装置2の位置コード取得部21に出力する。
【0138】
地図情報記憶部252は、予め地図情報を記憶している。
表示部253は、表示制御部254の制御に基づいて、各種情報及び画像を表示する。
表示制御部254は、地図情報記憶部252が記憶している地図情報に基づいて地図を表示部253に表示するとともに、入力部251によって入力された操作情報などに基づいて、表示部253の表示の変更を行う。また、逆変換装置2が変換した座標情報に対応する地図上の位置を示すマークを表示部253に表示する。
【0139】
座標位置表示装置250は、
図15に示すように、表示部253に地図を表示し、入力部251により入力された位置コード、又は、位置コード変換装置150から電気信号として取得した位置コードに対応する座標情報(緯度α及び経度β)を生成する。
図15は、位置情報システム100cにおける座標情報の変換処理画面の一例を示す図である。
この図において、画像G2は、表示部253が表示している表示画像を示している。表示エリアW4は、地図を表示する領域を示し、表示エリアW5は、位置コードの入力領域を示している。また、表示エリアW6は、位置コードに対応する座標情報(緯度α及び経度β)を表示する表示領域を示している。
【0140】
座標位置表示装置250において、例えば、使用者が入力部251から位置コードを入力した場合に、入力部251は、入力された位置コードを逆変換装置2に出力する。
逆変換装置2は、位置コードを座標情報(緯度α及び経度β)に変換し、例えば、変換した座標情報(緯度α及び経度β)と、レベル判定部231が判定した変換精度のレベルとを表示制御部254に出力する。
表示制御部254は、逆変換装置2が変換した座標情報(緯度α及び経度β)に対応する地図上の位置に、“+”のマークP2を表示させる。表示制御部254は、レベル判定部231が判定した変換精度のレベルに基づいて、変換精度のレベルに応じた範囲を示す四角い枠(範囲枠A3)を、マークP2を中心に、表示部253の表示エリアW4に表示させる。
【0141】
例えば、
図15に示す一例では、座標位置表示装置250は、位置コードとして、例えば、“JXCCALISBY”が入力され、入力された“JXCCALISBY”を表示部253の表示エリアW5に表示する。また、座標位置表示装置250は、変換した座標情報(緯度α及び経度β)に対応する地図上の位置に、“+”のマークP2と範囲枠A3とを表示部253の表示エリアW4に表示させる。そして、座標位置表示装置250は、変換した座標情報(“北緯:35.6868度 東経:139.766685度”)を表示部253の表示エリアW6に表示する。
【0142】
以上説明したように、位置情報システム100cは、位置コード変換装置150において、使用者が地図上の位置を指定することにより位置コードを生成する。また、座標位置表示装置250において、使用者が入力した位置コードに対応する地図上の位置を表示部253に表示する。
これにより、位置情報システム100cは、官公庁、協会、業界などの分野に依存しない位置コードの使用を可能にすることができる。
【0143】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、座標情報として、地球の緯度及び経度を用いる一例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、座標情報として、地球の緯度及び経度に標高(高さ)情報を加えた3次元の座標情報を用いる形態でもよい。なお、3次元の場合には、CD判定部235は、例えば、位置コードの文字数が(3の倍数+1)である場合に、位置コードにCDが付加されていると判定する。
また、位置コードは、地球以外の天体(月、惑星)上の座標情報に適用してもよいし、予め範囲が定められている座標系であれば、他の座標系に適用してもよい。例えば、予め定められた平面状の範囲におけるデカルト座標系(直交座標系)に適用してもよい。
【0144】
また、上記の各実施形態において、文字セットとして英語圏のアルファベットである英文字26文字を使用し、26進数により位置コードを変換する形態を説明したがこれに限定されるものではない。例えば、文字セットは、英文字26文字の一部のみを使用してもよいし、他の言語圏の文字セットを使用してもよい。例えば、ひらがなの“あ行”から“は行”までの30文字(“あ”〜“ほ”)を文字セットとして、30進数により位置コードを変換する形態であってもよい。
【0145】
また、上記の各実施形態において、変換装置1(1a,1b)は、正規化処理部131を備える形態を説明したが、正規化処理部131を備えない形態であってもよい。
また、上記の各実施形態において、コード変換部10aの外部にCD生成部134を備える形態を説明したが、コード変換部10aがCD生成部134を備える形態でもよい。
また、上記の第2の実施形態及び第3の実施形態は、単独で実施する形態を説明したが、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせて実施する形態であってもよい。
【0146】
上記の各実施形態において、変換装置1(1a,1b)又は逆変換装置2(2a,2b)は、コード変換部10(10a)と座標変換部20(20a)とのいずれか1つを備える形態を説明したが、コード変換部10(10a)と座標変換部20(20a)との両方を備える形態でもよい。
【0147】
なお、変換装置1(1a,1b)又は逆変換装置2(2a,2b)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより変換装置1(1a,1b)又は逆変換装置2(2a,2b)の各機能による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0148】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。