(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965802
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】本体及び外蓋を具備する合成樹脂製容器蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 47/08 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
B65D47/08 F
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-212676(P2012-212676)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-65523(P2014-65523A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】杉山 尚
【審査官】
高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−71882(JP,A)
【文献】
実開昭54−176558(JP,U)
【文献】
特開昭61−60457(JP,A)
【文献】
特開2010−70241(JP,A)
【文献】
特開2011−93598(JP,A)
【文献】
米国特許第6056142(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D35/44−35/54
B65D39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉塞壁と該閉塞壁の周縁に接続された筒状装着壁とを有し、該装着壁を容器の口頸部に係合せしめることによって容器の口頸部に装着され、該閉塞壁が容器の口頸部を閉塞する本体、及び天面壁及び該天面壁から垂下する筒状スカート壁を有し、且つ該本体の該閉塞壁を覆う閉位置と該閉塞壁を露呈せしめる開位置との間を旋回自在に該本体に連結された外蓋を具備する合成樹脂製容器蓋において、
該閉塞壁は中央領域と該中央領域を囲繞する周縁領域とを有し、該中央領域は該周縁領域の内周縁から上方に隆起する筒状隆起部と該筒状隆起部の上端に接続された上面部とによって規定され、該筒状隆起部は周方向において交互に位置する分離領域及び変形領域並びに該分離領域と該変形領域との間に位置する介在領域を有し、該分離領域においては該筒状隆起部の下端が破断可能な弧状薄肉部を介して該周縁領域に接続されており、該変形領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部は厚さが低減されていて変形自在であり、該介在領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部は該変形領域における該筒状隆起部の厚さの低減よりも更に大きく厚さが低減されていて破断可能であり、
該外蓋の該天面壁は中央領域と該中央領域を囲繞する周縁領域と共に、該中央領域と該周縁領域との間に介在せしめられた中間領域とを有し、該中間領域は該周縁領域の内周縁から下方に延びる外側筒状部と該中央領域の外周縁から下方に延びる内側筒状部と該外側筒状部の下端と該内側筒状部の下端とを接続する接続部とを有し、少なくとも該内側筒状部は薄肉で変形可能であり、
該外蓋を該閉位置にせしめた状態においては該外蓋の該天面壁の該中央領域は該本体の該閉塞壁の上面部に対向して位置し、該外蓋の該天面壁の該中央領域を押圧すると、該天面壁の該中間領域における少なくとも該内側筒状部の変形によって該天面壁の該中央領域が沈降せしめられ、該天面壁の該中央領域の沈降に付随して該本体の該閉塞壁の該上面部も沈降せしめられ、これによって該分離領域においては該弧状薄肉部が破断されて該筒状隆起部の下端が該閉塞壁の周縁領域から分離され、該介在領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部が破断され、該変形領域においては該上面部の沈降に応じて該筒状隆起部の少なくとも下部が変形される、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。
【請求項2】
閉塞壁と該閉塞壁の周縁に接続された筒状装着壁とを有し、該装着壁を容器の口頸部に係合せしめることによって容器の口頸部に装着され、該閉塞壁が容器の口頸部を閉塞する本体、及び天面壁及び該天面壁から垂下する筒状スカート壁を有し、且つ該本体の該閉塞壁を覆う装着位置に着脱自在に該本体又は容器の口頸部に装着される外蓋を具備する合成樹脂製容器蓋において、
該閉塞壁は中央領域と該中央領域を囲繞する周縁領域とを有し、該中央領域は該周縁領域の内周縁から上方に隆起する筒状隆起部と該筒状隆起部の上端に接続された上面部とによって規定され、該筒状隆起部は周方向において交互に位置する分離領域及び変形領域並びに該分離領域と該変形領域との間に位置する介在領域を有し、該分離領域においては該筒状隆起部の下端が破断可能な弧状薄肉部を介して該周縁領域に接続されており、該変形領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部は厚さが低減されていて変形自在であり、該介在領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部は該変形領域における該筒状隆起部の厚さの低減よりも更に大きく厚さが低減されていて破断可能であり、
該外蓋の該天面壁は中央領域と該中央領域を囲繞する周縁領域と共に、該中央領域と該周縁領域との間に介在せしめられた中間領域とを有し、該中間領域は該周縁領域の内周縁から下方に延びる外側筒状部と該中央領域の外周縁から下方に延びる内側筒状部と該外側筒状部の下端と該内側筒状部の下端とを接続する接続部とを有し、少なくとも該内側筒状部は薄肉で変形可能であり、
該外蓋を該装着位置にせしめた状態においては該外蓋の該天面壁の該中央領域は該本体の該閉塞壁の上面部に対向して位置し、該外蓋の該天面壁の該中央領域を押圧すると、該天面壁の該中間領域における少なくとも該内側筒状部の変形によって該天面壁の該中央領域が沈降せしめられ、該天面壁の該中央領域の沈降に付随して該本体の該閉塞壁の該上面部も沈降せしめられ、これによって該分離領域においては該弧状薄肉部が破断されて該筒状隆起部の下端が該閉塞壁の周縁領域から分離され、該介在領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部が破断され、該変形領域においては該上面部の沈降に応じて該筒状隆起部の少なくとも下部が変形される、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。
【請求項3】
該本体の該筒状隆起部における該分離領域及び該変形領域は、夫々、周方向に等間隔をおいて3個乃至10個存在する、請求項1又は2記載の合成樹脂製容器蓋。
【請求項4】
該本体の該筒状隆起部における該介在領域の周方向幅は0.05乃至0.30mmである、請求項1から3までのいずれかに記載の合成樹脂製容器蓋。
【請求項5】
該本体の該筒状隆起部における該変形領域において、該筒状隆起部の少なくとも下部は0.30乃至0.50mmの厚さを有する、請求項1から4までのいずれかに記載の合成樹脂製容器蓋。
【請求項6】
該本体の該筒状隆起部における該介在領域において、該筒状隆起部の少なくとも下部は0.15乃至0.25mmの厚さを有する、請求項1から5までのいずれかに記載の合成樹脂製容器蓋。
【請求項7】
該本体の該筒状隆起部は該上面部の外周縁から下方に延びる上部、該上部の下端縁から半径方向外方に延びる中間部及び該中間部の外周縁から下方に延びる下部を有し、該変形領域及び該介在領域においては該下部のみにおいて厚さが低減されている、請求項1から6までのいずれかに記載の合成樹脂製容器蓋。
【請求項8】
該外蓋が該閉位置又は該装着位置にある状態において、該外蓋の該天面壁の該中央領域は該本体の該上面部に接触乃至近接して位置し、該外蓋の該天面壁の該中間領域における該接続部は該本体の該筒状隆起部の該中間部の上面に接触乃至近接して位置する、請求項7記載の合成樹脂製容器蓋。
【請求項9】
該外蓋の該中間領域において該内側筒状部に加えて該外側筒状部及び該接続部も薄肉である、請求項1から8までのいずれかに記載の合成樹脂製容器蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口頸部に装着される本体と共に、本体に旋回自在に連結された或いは着脱自在に装着される外蓋を具備する合成樹脂製容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
醤油或いは液体調味料等を収容した容器のための容器蓋として、下記特許文献1には、閉塞壁とこの閉塞壁の周縁に接続された筒状装着壁とを有する本体、及びこの本体に旋回自在に連結された外蓋を具備する合成樹脂製容器蓋が開示されている。本体の閉塞壁には破断可能な薄肉ラインによって切取領域が規定されており、この切取領域の上面には引張リングが付設されている。外蓋は本体の閉塞壁を覆う閉位置と閉塞壁を露呈せしめる開位置とに選択的に位置せしめられる。かような容器蓋は、本体の装着壁を容器の口頸部に係合せしめることによって容器の口頸部に装着され、本体の閉塞壁が口頸部を閉塞する。容器の内容物を消費する際には、外蓋を開位置に旋回せしめて本体の閉塞壁を露呈せしめる。しかる後に、引張リングに指を掛けて引っ張り薄肉ラインを破断し、切取領域を切り取って閉塞壁に排出口を生成する。
【0003】
下記特許文献2には、本体の閉塞壁に形成する破断可能な薄肉ラインを無端環状形態ではなく略U字形状に設定し、この薄肉ライン内の領域を筒状隆起部とこの筒状隆起部の上端に接続された上面部とによって構成することが開示されている。外蓋は本体の閉塞壁を覆う装着位置に着脱自在に装着される。容器の内容物を消費する際には、本体から外蓋を離脱して本体の閉塞壁を露呈せしめる。しかる後に、閉塞壁の中央領域における上面部に指を当接せしめて押圧し、薄肉ラインを破断せしめて筒状隆起部及び上面部を部分的に閉塞壁の周縁領域よりも下方に変位し、かくして閉塞壁に排出口を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−002348号公報
【特許文献2】実願平4−28285号(実開平5−81053号)明細書及び図面
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている上記のとおりの容器蓋には、(1)引張リングを引っ張って薄肉破断ラインを破断せしめるのに相当な力を必要とし、特に女性乃至子供には薄肉ラインの破断が必ずしも容易でない、(2)引張リングの周囲には、通常、内容物の排出を案内する案内筒片が配設されているが、引張リングに指を掛ける際に指が案内筒片の内周面に接触し、衛生上問題である、(3)切取領域を切り取る際に、切取領域の裏面に付着していた内容物が周囲に飛散してしまう傾向がある、(4)切り取られた切取領域が屑となり、その廃棄が面倒である、という問題が存在する。
【0006】
特許文献2に開示されている上記容器蓋には、特許文献1に開示されている上記容器蓋における上記問題(1)、(3)及び(4)はない。しかしながら、指が当接せしめられる上面部が閉塞壁の周縁領域よりも部分的に下方に変位した状態に残留し、排出される内容物が上面部に沿って流動する、場合によっては上面部が部分的に容器の内容物内に進入してしまう、という衛生上許容し得ない問題がある。更に、上面部に当接される指自体が、容器の内容物内に進入してしまう虞も少なくない。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、上記特許文献1及び2に開示されている上述したとおりの問題が全て解決されている、換言すれば容器の内容物を消費する際の必要操作を充分容易に遂行することができ、廃棄すべき屑が生成されることがなく、そして更に衛生上の問題が皆無である、新規且つ改良された、本体及び外蓋を具備する合成樹脂製容器蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討の結果、本体の閉塞壁の中央領域を独特な形態にすると共に、外蓋の天面壁を独特な形態にすることによって、上記主たる技術的課題を達成できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明の第一の局面によれば、上記主たる技術的課題を解決する合成樹脂製容器蓋として、閉塞壁と該閉塞壁の周縁に接続された筒状装着壁とを有し、該装着壁を容器の口頸部に係合せしめることによって容器の口頸部に装着され、該閉塞壁が容器の口頸部を閉塞する本体、及び天面壁及び該天面壁から垂下する筒状スカート壁を有し、且つ該本体の該閉塞壁を覆う閉位置と該閉塞壁を露呈せしめる開位置との間を旋回自在に該本体に連結された外蓋を具備する合成樹脂製容器蓋において、
該閉塞壁は中央領域と該中央領域を囲繞する周縁領域とを有し、該中央領域は該周縁領域の内周縁から上方に隆起する筒状隆起部と該筒状隆起部の上端に接続された上面部とによって規定され、該筒状隆起部は周方向において交互に位置する分離領域及び変形領域並びに該分離領域と該変形領域との間に位置する介在領域を有し、該分離領域においては該筒状隆起部の下端が破断可能な弧状薄肉部を介して該周縁領域に接続されており、該変形領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部は厚さが低減されていて変形自在であり、該介在領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部は該変形領域における該筒状隆起部の厚さの低減よりも更に大きく厚さが低減されていて破断可能であり、
該外蓋の該天面壁は中央領域と該中央領域を囲繞する周縁領域と共に、該中央領域と該周縁領域との間に介在せしめられた中間領域とを有し、該中間領域は該周縁領域の内周縁から下方に延びる外側筒状部と該中央領域の外周縁から下方に延びる内側筒状部と該外側筒状部の下端と該内側筒状部の下端とを接続する接続部とを有し、少なくとも該内側筒状部は薄肉で変形可能であり、
該外蓋を該閉位置にせしめた状態においては該外蓋の該天面壁の該中央領域は該本体の該閉塞壁の上面部に対向して位置し、該外蓋の該天面壁の該中央領域を押圧すると、該天面壁の該中間領域における少なくとも該内側筒状部の変形によって該天面壁の該中央領域が沈降せしめられ、該天面壁の該中央領域の沈降に付随して該本体の該閉塞壁の該上面部も沈降せしめられ、これによって該分離領域においては該弧状薄肉部が破断されて該筒状隆起部の下端が該閉塞壁の周縁領域から分離され、該介在領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部が破断され、該変形領域においては該上面部の沈降に応じて該筒状隆起部の少なくとも下部が変形される、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。
【0010】
更に、本発明の第二の局面によれば、上記主たる技術的課題を解決する合成樹脂製容器蓋として、閉塞壁と該閉塞壁の周縁に接続された筒状装着壁とを有し、該装着壁を容器の口頸部に係合せしめることによって容器の口頸部に装着され、該閉塞壁が容器の口頸部を閉塞する本体、及び天面壁及び該天面壁から垂下する筒状スカート壁を有し、且つ該本体の該閉塞壁を覆う装着位置に着脱自在に該本体又は容器の口頸部に装着される外蓋を具備する合成樹脂製容器蓋において、
該閉塞壁は中央領域と該中央領域を囲繞する周縁領域とを有し、該中央領域は該周縁領域の内周縁から上方に隆起する筒状隆起部と該筒状隆起部の上端に接続された上面部とによって規定され、該筒状隆起部は周方向において交互に位置する分離領域及び変形領域並びに該分離領域と該変形領域との間に位置する介在領域を有し、該分離領域においては該筒状隆起部の下端が破断可能な弧状薄肉部を介して該周縁領域に接続されており、該変形領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部は厚さが低減されていて変形自在であり、該介在領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部は該変形領域における該筒状隆起部の厚さの低減よりも更に大きく厚さが低減されていて破断可能であり、
該外蓋の該天面壁は中央領域と該中央領域を囲繞する周縁領域と共に、該中央領域と該周縁領域との間に介在せしめられた中間領域とを有し、該中間領域は該周縁領域の内周縁から下方に延びる外側筒状部と該中央領域の外周縁から下方に延びる内側筒状部と該外側筒状部の下端と該内側筒状部の下端とを接続する接続部とを有し、少なくとも該内側筒状部は薄肉で変形可能であり、
該外蓋を該装着位置にせしめた状態においては該外蓋の該天面壁の該中央領域は該本体の該閉塞壁の上面部に対向して位置し、該外蓋の該天面壁の該中央領域を押圧すると、該天面壁の該中間領域における少なくとも該内側筒状部の変形によって該天面壁の該中央領域が沈降せしめられ、該天面壁の該中央領域の沈降に付随して該本体の該閉塞壁の該上面部も沈降せしめられ、これによって該分離領域においては該弧状薄肉部が破断されて該筒状隆起部の下端が該閉塞壁の周縁領域から分離され、該介在領域においては該筒状隆起部の少なくとも下部が破断され、該変形領域においては該上面部の沈降に応じて該筒状隆起部の少なくとも下部が変形される、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。
【0011】
好ましくは、該本体の該筒状隆起部における該分離領域及び該変形領域は、夫々、周方向に等間隔をおいて3個乃至10個存在する。該本体の該筒状隆起部における該介在領域の周方向幅は0.05乃至0.30mmであり、該本体の該筒状隆起部における該変形領域において、該筒状隆起部の少なくとも下部は0.30乃至0.50mmの厚さを有し、該本体の該筒状隆起部における該介在領域において、該筒状隆起部の少なくとも下部は0.15乃至0.25mmの厚さを有する、のが好適である。該本体の該筒状隆起部は該上面部の外周縁から下方に延びる上部、該上部の下端縁から半径方向外方に延びる中間部及び該中間部の外周縁から下方に延びる下部を有し、該変形領域及び該介在領域においては該下部のみにおいて厚さが低減されている、のが好都合である。好ましくは、該外蓋が該閉位置又は該装着位置にある状態において、該外蓋の該天面壁の該中央領域は該本体の該上面部に接触乃至近接して位置し、該外蓋の該天面壁の該中間領域における該接続部は該本体の該筒状隆起部の該中間部の上面に接触乃至近接して位置する。該外蓋の該中間領域において該内側筒状部に加えて該外側筒状部及び該接続部も薄肉であるのが好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の合成樹脂製容器蓋においては、閉位置或いは装着位置にある外蓋の天面壁における中央領域に指を当接せしめて押圧することによって所用操作、即ち弧状薄肉部の破断及び介在領域における筒状隆起部の破断、を充分容易に実現することができる。所用操作は外蓋が閉位置或いは装着位置にある状態で遂行され、それ故に本体の閉塞壁に指を接触せしめてしまう虞はなく、衛生上の問題は皆無である。本体の閉塞壁における筒状隆起部及び上面部は本体の閉塞壁の周縁領域から離脱されることはなく、廃棄すべき屑が生成されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を示す断面図。
【
図4】
図1に示す容器蓋の、
図3の線A−Aにおける部位にて示した断面図。
【
図5】
図1に示す容器蓋の、
図3の線B−Bにおける部位にて示した断面図。
【
図6】
図1に示す容器蓋の、
図3の線C−Cにおける部位にて示した断面図。
【
図7】
図1に示す容器蓋の、筒状隆起部を沈降せしめた状態での断面図。
【
図8】
図7に示す状態から、容器蓋の外蓋を旋回動せしめた状態での断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0015】
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された全体を番号2で示す容器蓋は、ポリプロピレン又はポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から全体が一体に成形されている。かかる容器蓋2は本体4と外蓋6とを具備している。外蓋6はヒンジ手段8を介して本体4に接続されており、
図1に実線で示す開位置と二点鎖線で示す閉位置との間を、ヒンジ中心線10を中心として旋回自在である。
【0016】
図1と共に
図2及び3を参照して更に説明すると、本体4は、周縁部が上方に傾斜せしめられ、その半径方向内方は略水平にせしめられ、更にその半径方向内方は後に詳述する中央領域が筒状に隆起せしめられた、閉塞壁12を有する。閉塞壁12の下面には略円筒形状の装着壁14と、略円筒形状のシール壁16とが形成されている。装着壁14は閉塞壁12の外周縁から下方に垂下せしめられており、かかる装着壁14の内周面の軸方向下端部には、半径方向内方に突出した係止突条18が周方向等間隔に6個形成されている。装着壁14の半径方向外方には外周壁15が配設され、装着壁14の外周面下端と外周壁15の内周面下端は破断可能な環状連結部17で接続されている。かような外周壁15を含む容器蓋2はそれ自体周知の技術であり、容器の分別廃棄に際し、容器蓋2を容器口頸部から容易に取り除くことを可能となる(特開2007−22567号公報を参照されたい)。シール壁16は、装着壁14の半径方向内方であって装着壁14と同心状に形成せしめられている。
【0017】
閉塞壁12の上面には、略円筒形状の係止壁20と注出壁22とが形成されている。係止壁20は閉塞壁12の外周縁部より上方に延出せしめられており、その外周面上端には、半径方向外方に突出した環状係止突条24が形成されている。注出壁22は係止壁20の半径方向内方に位置せしめられ、係止壁20と注出壁22の中心は本体4の中心と整合せしめられている。
図1と共に
図2より明確に理解されるとおり、注出壁22の断面形状は、閉塞壁12近傍の基端部は略円筒形状であるが、その基端部の若干上方より半径方向外方に傾斜して上方に延出せしめられている。かかる注出壁22の延出高さは比較的低い係止壁20よりも高く、
図1及び
図2より明確に理解されるとおり、注出壁22はヒンジ手段8に近い部分の方が遠い部分よりも延出高さが低減せしめられている。これにより、外蓋6を開位置から閉位置に旋回せしめる際に、注出壁22が外蓋6の旋回を阻害しないように構成されている。また、ヒンジ手段8に対して直径方向反対側における注出壁22の上端部には半径方向外方にその上端部が湾曲せしめられているリップ26が形成され、かかるリップ26の下方には半径方向外方に突出する緩衝用突出部28が形成されている。かかる突出部28は、外蓋6を閉位置から開位置に旋回せしめた際に注出壁22の上端部が指に当たることを防止している。かような注出壁22の構成については、特開2010−36932号公報を参照されたい。
【0018】
図1乃至
図3に図示するとおり、閉塞壁12には、注出壁22よりも半径方向内方に中央領域30と、かかる中央領域30を囲繞するように略円環形状である周縁領域32とを有する。中央領域30は、周縁領域32の内周縁から上方に隆起する筒状隆起部34とかかる筒状隆起部34の上端に接続された略円形形状である上面部36とから構成されている。筒状隆起部34は、上面部36の外周縁から下方に延びる上部38、かかる上部38の下端縁から半径方向外方に略水平に延出する円環状の中間部40及びかかる中間部40の外周縁から下方に延出する下部42を有し、図示の実施形態においては、更に上部38及び下部42が夫々僅かに半径方向外方に傾斜せしめられている。筒状隆起部34には周方向において交互に位置する分離領域44及び変形領域46並びに前記分離領域44と前記変形領域46との間に位置する介在領域48が規定されていることが重要である。分離領域44、変形領域46及び介在領域48はいずれも筒状隆起部34の上端から下端まで半径方向外方に板状で規定され、分離領域44及び変形領域46は、夫々、周方向に等間隔をおいて3個乃至10個、図示の実施形態においては8個、形成されている。介在領域48の周方向幅は0.05乃至0.30mmであるのが好適である。
図4を参照することによって明確に理解される如く、分離領域44において、筒状隆起部34の上部38、中間部40及び下部42は比較的厚肉である均一の肉厚を有し、下部42の下端は破断可能な弧状薄肉部50を介して周縁領域32の内周縁に接続されている。
図5を参照することによって明確に理解される如く、変形領域46において、筒状隆起部34の上部38及び中間部40は分離領域における筒状隆起部34の上部及び中間部40と同等の肉厚を有すが、下部42は上部38及び中間部40に比べ厚さが低減されており、充分容易に変形され得る。変形領域46における下部42の厚さは0.30乃至0.50mmであるのが好ましい。下部42の下端は周縁領域32の内周縁に接続されている。
図6を参照することによって明確に理解される如く、介在領域48においては、筒状隆起部34の上部38及び中間部40は前記分離領域における筒状隆起部34の上部38及び中間部40と同等の肉厚を有すが、下部42は変形領域46における下部42の厚さよりも更に大きく厚さが低減されていて破断可能にせしめられている。介在領域48における筒状隆起部34の下部42の厚さは0.15乃至0.25mmであるのが好ましい。所望ならば変形領域46及び介在領域48における上部38及び中間部40についても厚さを低減せしめてもよい。
【0019】
図1乃至
図3を参照して説明を続けると、外蓋6は円形天面壁58及びこの天面壁58の外周縁から垂下する円筒形状のスカート壁60を有する。天面壁58は、更に、略円形形状の中央領域78とかかる中央領域78を囲繞する略円環形状の周縁領域80と共に、中央領域78と周縁領域80との間に介在せしめられた中間領域82が規定されている。天面壁58の内周面における周縁領域80の内周縁部には下方に延びる略円筒形状シール壁62が形成されており、かかるシール壁62の外周面は閉位置において本体4の注出壁22の内周面に密接せしめられる。シール壁62は、ヒンジ手段8に近接する部分ではその下端が閉位置において閉塞壁12の上面と近接するほど下方に延出せしめられているがヒンジ手段8から離隔するにつれ漸次下方への延出長さが短くせしめられている。また、天面壁58における、ヒンジ手段8に対して直径方向反対側の位置には、半径方向外方に突出する鍔部64が形成されており、閉位置から開位置に外蓋6を旋回させる際に容易に指を掛けることができるように形成せしめられている。スカート壁60の内周面下端部には、閉位置において本体4に形成された環状係止突条24と係合する環状被係止突条68が形成されている。更に図示の実施形態においては、それ自体周知の液だれ防止機構70も配設されている。かかる液だれ防止機構70は、閉位置において天面壁58の下面に配設される下方に突出する2個の弧状リブ72及び1個の直線リブ74、並びにスカート壁60の内周面に配設される半径方向内方に突出する2個の周方向リブ76から構成される。かような液だれ防止機構70については特開2011−255925号公報を参考にされたい。
【0020】
中間領域82には周縁領域80の内周縁から下方に延びる外側筒状部84と中央領域78の外周縁から下方に延びる内側筒状部86と外側筒状部84の下端と内側筒状部86の下端とを接続する接続部88とを有することが重要である。外蓋6が閉位置にある状態において、中央領域78は本体4の上面部36と対向して接触乃至近接して位置し、接続部88は本体4の筒状隆起部34の中間部40の上面に接触乃至近接して位置するのが好ましい。図示の実施形態においては、中央領域78は本体4の上面部36の上方に対向及び近接して位置し、その中心位置は同一にせしめられ、中央領域78の外周縁は上面部36の外周縁より半径方向外方に延出せしめられているが中間部40の外周縁よりも短くせしめられている。中間領域82における、外側筒状部84、内側筒状部86及び接続部88はいずれも中央領域78及び周縁領域80に比べ薄肉にせしめられているが、所望ならば内側筒状部86のみを薄肉にせしめてもよい。外側筒状部84は天面壁58の下面に形成されたシール壁62よりも半径方向内方に位置し、容器蓋2の閉位置において、接続部88は筒状隆起部34の中間部40の外周端上面の上方に接触乃至近接して位置している。
【0021】
上述したとおりの容器蓋2は、
図1に図示するとおり、ガラス或いはポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂から形成することができる容器の口頸部94に装着される。口頸部94は上面が開口された略円筒形状であり、その外周面上端には環状被係止突条96が形成されている。容器蓋2は、その本体4のシール壁16を口頸部94内に挿入し、その装着壁14を口頸部94の外周に被嵌せしめることによって口頸部94に装着される。シール壁16の外周面は口頸部94の内周面に密接せしめられる。装着壁14の内周面に形成されている係止突条18は、口頸部94の被係止突条96を弾性的に乗り越えて、これに係止せしめられ、容器の口頸部94に容器蓋2が保持される。
【0022】
上述した容器蓋2について、容器の内容物を消費する際の工程を
図1と共に
図7及び
図8を参照して説明を続ける。容器の内容物を消費する際は、天面壁58に規定される中央領域78を指で下方に挿圧する。中央領域78が下方に挿圧せしめられると、中間領域82に形成される内側筒状部86は薄肉にせしめられていることから、その上端を半径方向内方に湾曲にせしめられた後、漸次下方に変形せしめられ、最終的に接続部88に対して上下反転せしめられる。また、中央領域78が挿圧せしめられると、中央領域78における天面壁58の下面は本体4の閉塞壁12に形成された中央部30の上面部36の上面に当接し、かかる力は上面部36を介して筒状隆起部34に伝達される。かくして、天面壁58の中央領域78を相応の応力以上で下方に挿圧すると、分離領域44の下端に形成された薄肉部50を破断せしめ、外蓋6の中央領域78と共に本体4の筒状隆起部34及び上面部36が下方に沈降せしめられる。この際、変形領域46の下端は薄肉にせしめられているが薄肉部50よりも大きな厚さを有すことから、変形領域46の下端が閉塞壁12に規定された周縁領域32より破断せしめられることはない。また、上記により筒状隆起部34及び上面部36が下方へ沈降せしめられるに際し、変形領域46の下部42の下端にはその上端に対して相対的に上方への力が加えられる。閉塞壁12の周縁領域32の内周縁を軸に相対的に上方への力が加えられる。而して、変形領域46の周方向両側には介在領域48が規定されており、かかる介在領域48の下部42は破断可能な薄肉により形成されていることから、変形領域46の下部42の下端にかかる相対的に上方への力によって介在領域48の下部42は筒状隆起部34及び上面部36の沈降に従って下端より漸次破断せしめられる。然るに、筒状隆起部34及び上面部36が沈降せしめられると共に、比較的薄肉にせしめられている変形領域46の下部42はその上端に対して漸次相対的に上方へ変形せしめられる。天面壁58の中央領域78を、中間領域82の内側筒状部86が接続部88に対して上下方向に完全に反転せしめて
図7に示す状態になるまで筒状隆起部34及び上面部36を沈降せしめると、かかる変形領域46の下部42の変形により容器の内部と連通する排出口が形成せしめられる。
【0023】
続いて、鍔部64に指を掛けて、
図1に二点鎖線で示す閉位置に位置する外蓋6を上方に強制すると、外蓋6の被係止突条68は、本体4の係止突条24を弾性的に乗り越える。外蓋6はヒンジ中心線10を旋回中心として旋回開動せしめられ、
図8に明確に示される通り注出壁22を露呈せしめる。次いで、容器を適宜に傾斜せしめれば、容器内の内容物が排出口を通して注出壁22に案内され、排出される。内容物を所定量注出した後、ヒンジ中心線10を旋回中心として外蓋6を旋回閉動せしめると、外蓋6は本体4の閉塞壁12及びその上面に形成されている注出壁22を覆う。外蓋6のシール壁62は、本体4の注出壁22内に進入せしめられ、シール壁62の外周面が注出壁22の内周面に密接せしめられる。外蓋6の被係止突条68は、本体4の係止突条24を弾性的に乗り越え、外蓋6が本体部4に係止せしめられる。
【0024】
図示の実施形態においては、容器蓋2における本体4と外蓋6とはヒンジ手段8を介して接続されているが、本発明はかかる形態の容器蓋に限定されるものではなく、本体と外蓋とが別個に形成され、外蓋が本体の閉塞壁を覆う装着位置に着脱自在に装着される形態(かかる形態については例えば特開2004−90969号公報を参照されたい)にも適用することができる。或いは、外蓋が容器の装着位置に着脱自在に装着され本体の閉塞壁を覆う形態(かかる形態については例えば特開2008−308218号公報を参照されたい)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0025】
2:容器蓋
4:本体
6:外蓋
8:ヒンジ手段
12:閉塞壁
14:装着壁
30:中央領域
32:周縁領域
34:筒状隆起部
36:上面部
38:上部
40:中間部
42:下部
44:分離領域
46:変形領域
48:介在領域
50:薄肉部
58:天面壁
60:スカート壁
78:中央領域
80:周縁領域
82:中間領域
84:外側筒状部
86:内側筒状部
88:接続部
94:口頸部
102:容器蓋
104:本体
106:外蓋
114:装着壁
134:筒状隆起部
136:上面部
140:中間部
160:スカート壁
178:中央領域
180:周縁領域