特許第5965803号(P5965803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マンダムの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965803
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】デオドラント組成物及びデオドラント剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20160728BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20160728BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20160728BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20160728BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/34
   A61Q15/00
   A61K8/26
   A61K8/46
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-214694(P2012-214694)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-70022(P2014-70022A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年2月2日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴多 徹也
(72)【発明者】
【氏名】清水 真由美
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−070492(JP,A)
【文献】 特開2012−092078(JP,A)
【文献】 特開平11−005801(JP,A)
【文献】 特開2001−302483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノールと、制汗剤と、ステアロキシヒドロキシアルキルセルロースとを含み、
前記エタノールの含有量が50質量%を超え
前記ステアロキシヒドロキシアルキルセルロースの含有量が0.3質量%以上、5質量%以下である、デオドラント組成物(但し、3−o−エチルアスコルビン酸を含むものを除く)。
【請求項2】
前記制汗剤が、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛及びミョウバンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のデオドラント組成物。
【請求項3】
ポリオキシエチレンアルキルグルコシド及び(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの内の少なくとも1種をさらに含む、請求項1又は2に記載のデオドラント組成物。
【請求項4】
ポリオキシエチレンアルキルグルコシドをさらに含む、請求項1又は2に記載のデオドラント組成物。
【請求項5】
(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルをさらに含む、請求項1、2又は4に記載のデオドラント組成物。
【請求項6】
ジェル状である、請求項1〜のいずれか1項に記載のデオドラント組成物。
【請求項7】
容器と、請求項1〜のいずれか1項に記載のデオドラント組成物とを備え、
前記デオドラント組成物が、前記容器内に充填されている、デオドラント剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制汗剤を含むデオドラント組成物に関する。また、本発明は、容器内に上記デオドラント組成物が充填されているデオドラント剤に関する。
【背景技術】
【0002】
人に不快感を与える脇臭は、汗が皮脂と混ざり、皮膚常在菌によって分解されることにより生じる。従来、この不快な脇臭を防止するため、制汗剤を含むデオドラント組成物が用いられている。また、上記デオドラント組成物は、容器内に充填されて、デオドラント剤として用いられている。上記デオドラント剤は、ジェル、クリーム、ローション、エアゾールスプレー、ミスト及びスティックなどの様々なタイプで用いられている。
【0003】
エアゾールスプレータイプのデオドラント剤は、脇などの塗布対象物に直接塗布せずに、噴霧して用いることができるために、使用性に優れており、更に連続使用したときの清潔性にも優れている。このため、エアゾールスプレータイプのデオドラント剤は、広く支持されており、広く用いられている。
【0004】
一方で、塗布対象物に直接塗布して用いるデオドラント剤は、ジェル、クリーム、ローション及びロールオンなどのタイプで用いられている。中でも、ロールオンタイプのデオドラント剤は、組成物を手に付けて塗布対象物に塗布することなく、組成物を塗布対象物に直接かつ均一に塗布することができるため、使用性に優れている。さらに、ロールオンタイプのデオドラント剤は、エアゾールタイプのデオドラント剤と比べて、高い制汗効果と高い殺菌効果とを両立することが容易である。このため、近年、デオドラント剤の中で、ロールオンタイプのデオドラント剤の使用率が増加している。
【0005】
上記デオドラント組成物の一例として、下記の特許文献1には、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンと、制汗有効成分と水とを含むデオドラント組成物が開示されている。特許文献1では、従来にない消臭効果と長時間にわたる持続力とを有するデオドラント組成物を提供できることが記載されている。
【0006】
下記の特許文献2には、(A)制汗剤及び/又は殺菌剤、(B)不飽和脂肪酸、(C)酸化防止剤、及び(D)水性媒体を含むデオドラント組成物が開示されている。特許文献2では、肌上での速乾性に優れ、取り扱いが容易で、かつ刺激感の少ないデオドラント剤を提供できることが記載されている。
【0007】
下記の特許文献3には、(A)塩化メタクリル酸コリンエステル共重合体0.05〜5.0重量%と、(B)エタノール10.0〜50.0重量%と、(C)スルホ石炭酸亜鉛0.5〜3.0重量%及び/又はアルミニウムヒドロキシクロライド0.5〜10.0重量%とを含むデオドラント組成物が開示されている。特許文献3では、刺激が少なく、感触の良いデオドラント効果が奏されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−95906号公報
【特許文献2】特開2006−76997号公報
【特許文献3】特開2002−370958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1〜3に記載のような従来のデオドラント組成物が容器内に充填され、デオドラント剤として用いられる場合には、該デオドラント剤は、保存時又は塗布時に、容器を倒立した状態で、又は容器を傾けた状態で用いられることが多い。このような状態でデオドラント剤が保存又は塗布されると、デオドラント組成物が容器から垂れ落ちることがある。特に、ロールオンタイプのデオドラント剤では、デオドラント組成物の垂れ落ちが問題となりやすい。
【0010】
また、特許文献1〜3の実施例に記載のデオドラント組成物は、エタノールを含む。このようなエタノールを含むデオドラント組成物では、使用前にエタノールが揮発しやすい。エタノールの揮発を抑えるために、組成物の増粘を目的として、従来の増粘剤を用いた場合には、塗布及び乾燥後に凝集物が生じたり、使用後につっぱり感が生じたり、使用後にさらさら感が低下したりするという問題がある。例えば、特許文献2の実施例で用いられている(メタ)アクリル系共重合体を増粘剤として用いた場合には、塗布及び乾燥後に凝集物が生じたり、使用後につっぱり感が生じたり、使用後にさらさら感が低下したりしやすい。さらに、エタノールと制汗剤とを含むデオドラント組成物において、従来の増粘剤を用いた場合には特に、塗布時の垂れ落ちを充分に抑えることは困難である。
【0011】
本発明の目的は、エタノールと制汗剤とを含む組成を有していても、塗布時に垂れ落ちを抑え、更に塗布及び乾燥後に凝集物を生じ難くし、使用後につっぱり感を抑え、かつ使用後にさらさら感を高めることができるデオドラント組成物、並びに該デオドラント組成物を用いたデオドラント剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の広い局面によれば、エタノールと、制汗剤と、疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとを含む、デオドラント組成物が提供される。
【0013】
本発明に係るデオドラント組成物のある特定の局面では、前記制汗剤が、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛及びミョウバンからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0014】
本発明に係るデオドラント組成物は、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド及び(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの内の少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
【0015】
本発明に係るデオドラント組成物は、ポリオキシエチレンアルキルグルコシドをさらに含むことが好ましい。本発明に係るデオドラント組成物は、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルをさらに含むことが好ましい。
【0016】
本発明に係るデオドラント組成物は、ジェル状であることが好ましい。
【0017】
本発明の広い局面によれば、容器と、上述したデオドラント組成物とを備え、前記デオドラント組成物が、前記容器内に充填されている、デオドラント剤が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るデオドラント組成物は、エタノールと制汗剤と疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとを含むので、塗布時に垂れ落ちを抑え、塗布及び乾燥後に凝集物を生じ難くし、使用後につっぱり感を抑え、かつ使用後にさらさら感を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明に係るデオドラント組成物は、(A)エタノールと、(B)制汗剤と、(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとを含む。
【0021】
本発明に係るデオドラント組成物は、(A)エタノールと(B)制汗剤とともに(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースが用いられているので、(A)エタノールと(B)制汗剤とを含む組成を有していても、粘度を適度な範囲に制御でき、塗布時に垂れ落ちを抑えることができる。また、容器からデオドラント組成物を吐出する際に、デオドラント組成物の垂れ落ちを抑えることもできる。
【0022】
さらに、本発明に係るデオドラント組成物における上述した組成の採用により、(A)エタノールと(B)制汗剤とを含む組成であっても、塗布及び乾燥後に凝集物を生じ難くし、使用後につっぱり感を抑え、かつ使用後にさらさら感を高めることができる。
【0023】
従来のデオドラント組成物では、該組成物100質量%中の(A)エタノールの含有量が50質量%を超える場合に、塗布時に垂れ落ちを抑え、塗布及び乾燥後に凝集物を生じ難くし、使用後につっぱり感を抑え、かつ使用後にさらさら感を高めることは困難である。特に、これらの全ての性能を良好にすることは困難である。
【0024】
これに対して、本発明に係るデオドラント組成物では、該組成物100質量%中の(A)エタノールの含有量が50質量%を超えていても、塗布時に垂れ落ちを抑え、塗布及び乾燥後に凝集物を生じ難くし、使用後につっぱり感を抑え、かつ使用後にさらさら感を高めることができる。
【0025】
さらに、本発明に係るデオドラント組成物における上述した組成の採用により、速乾性を高めることもできる。
【0026】
塗布及び乾燥後に凝集物をより一層生じ難くする観点からは、本発明に係るデオドラント組成物は、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシド及び(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの内の少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
【0027】
塗布及び乾燥後に凝集物をより一層生じ難くする観点からは、本発明に係るデオドラント組成物は、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドを含むことが好ましい。
【0028】
塗布及び乾燥後に凝集物をより一層生じ難くする観点からは、本発明に係るデオドラント組成物は、(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルを含むことが好ましい。
【0029】
以下、本発明に係るデオドラント組成物に用いられる又は好適に用いられる各成分を詳細に説明する。
【0030】
((A)エタノール)
本発明に係るデオドラント組成物における(A)エタノールの含有量は特に限定されない。上記デオドラント組成物100質量%中、(A)エタノールの含有量は好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%を超え、特に好ましくは51質量%以上、好ましくは99.69質量%以下、より好ましくは99.68質量%以下、より一層好ましくは99.6質量%以下、更に好ましくは99.49質量%以下、特に好ましくは99.4質量%以下、最も好ましくは90質量%以下である。(A)エタノールの含有量が上記下限以上であると、使用性及び速乾性がより一層高くなる。また、本発明に係るデオドラント組成物では、(A)エタノールの含有量が上記下限以上であっても、塗布時に垂れ落ちを抑え、塗布及び乾燥後に凝集物を生じ難くし、使用後につっぱり感を抑え、かつ使用後にさらさら感を高めることができる。(A)エタノールの含有量の上限は他の成分の含有量に応じて適宜調整可能である。
【0031】
上記デオドラント組成物100質量%中、(A)エタノールの含有量は、50質量%を超えることが特に好ましい。本発明に係るデオドラント組成物では、(A)エタノールの含有量が50質量%を超えていても、本発明の効果が良好に発揮される。
【0032】
((B)制汗剤)
本発明に係るデオドラント組成物に含まれる(B)制汗剤は、例えば、皮膚を収れんすることにより、汗の発生を抑制する。(B)制汗剤は特に限定されない。(B)制汗剤として、従来公知の制汗剤を使用可能である。(B)制汗剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0033】
(B)制汗剤としては、例えば、アルミニウム塩及びパラフェノールスルホン酸亜鉛等が挙げられる。上記アルミニウム塩としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(カリミョウバン)、硫酸アルミニウムアンモニウム(アンモニウムミョウバン)、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム及びアラントインクロルヒドロキシアルミニウム等が挙げられる。これら以外の制汗剤を用いてもよい。
【0034】
制汗効果をより一層高める観点からは、(B)制汗剤は、アルミニウム塩及びパラフェノールスルホン酸亜鉛の内の少なくとも1種であることが好ましく、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛及びミョウバンからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛及び硫酸アルミニウムカリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。本発明に係るデオドラント組成物は、クロルヒドロキシアルミニウムを含んでいてもよく、パラフェノールスルホン酸亜鉛を含んでいてもよく、ミョウバンを含んでいてもよい。
【0035】
本発明に係るデオドラント組成物における(B)制汗剤の含有量は特に限定されない。上記デオドラント組成物100質量%中、(B)制汗剤の含有量は好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。(B)制汗剤の含有量が上記下限以上であると、制汗効果がより一層効果的に得られる。(B)制汗剤の含有量が上記上限以下であると、制汗効果を得るために制汗剤が過剰に含まれ難くなる。
【0036】
上記デオドラント組成物100質量%中、(B)制汗剤の含有量は0.01質量%以上、25質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上、20質量%以下であることがより好ましい。
【0037】
((C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロース)
本発明に係るデオドラント組成物に含まれる(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシアルキルセルロースの疎水化物である。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、増粘作用を有することが好ましく、増粘剤であることが好ましい。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは特に限定されない。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとして、従来公知の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び疎水化ヒドロキシエチルセルロース等を使用可能である。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0038】
(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシアルキルセルロースにアルキル基を導入することで得られることが好ましい。上記疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースにアルキル基を導入することで得られることが好ましい。疎水性が高いことから、該アルキル基は、長鎖アルキル基であることが好ましい。疎水性が高いことから、(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシアルキルセルロースに炭素数12以上のアルキル基(疎水性を与えるアルキル基)を導入することで得られることが好ましい。
【0039】
(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、炭素数12以上のアルキル基(疎水性を与えるアルキル基)を有することが好ましい。上記疎水性を与えるアルキル基の炭素数の上限は特に限定されない。上記疎水性を与えるアルキル基の炭素数は22以下であることが好ましい。上記疎水性を与えるアルキル基は直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。上記疎水性を与えるアルキル基の直鎖部分の炭素数は12以上であることが好ましい。
【0040】
上記疎水性を与えるアルキル基としては、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基及びドコシル基等が挙げられる。
【0041】
(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、アルキロキシヒドロキシアルキルセルロースであることが好ましい。上記疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、アルキロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースであることが好ましい。上記アルキロキシヒドロキシアルキルセルロースにおけるアルキロキシ基の炭素数は好ましくは12以上、好ましくは22以下である。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、上記アルキロキシ基ではない疎水性を与えるアルキル基(長鎖アルキル基など)を含む基を有していてもよい。
【0042】
上記アルキロキシ基としては、ドデシロキシ基(ラウロキシ基)、トリデシロキシ基、テトラデシロキシ基(ミリスチロキシ基)、ペンタデシロキシ基、ヘキサデシロキシ基(セチロキシ基)、ヘプタデシロキシ基、オクタデシロキシ基(ステアロキシ基)、ノナデシロキシ基、エイコシロキシ基、ヘンエイコシロキシ基及びドコシロキシ基等が挙げられる。
【0043】
(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとしては、例えば、ドデシロキシヒドロキシアルキルセルロース(ラウロキシヒドロキシアルキルセルロース)、トリデシロキシヒドロキシアルキルセルロース、テトラデシロキシヒドロキシアルキルセルロース(ミリスチロキシヒドロキシアルキルセルロース)、ペンタデシロキシヒドロキシアルキルセルロース、ヘキサデシロキシヒドロキシアルキルセルロース(セチロキシヒドロキシアルキルセルロース)、ヘプタデシロキシヒドロキシアルキルセルロース、オクタデシロキシヒドロキシアルキルセルロース(ステアロキシヒドロキシアルキルセルロース)、ノナデシロキシヒドロキシアルキルセルロース、エイコシロキシヒドロキシアルキルセルロース、ヘンエイコシロキシヒドロキシアルキルセルロース及びドコシロキシヒドロキシアルキルセルロース等が挙げられる。これらの疎水化ヒドロキシアルキルセルロースは、増粘作用を有し、増粘剤である。
【0044】
(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとしては、特に好ましくはオクタデシロキシヒドロキシアルキルセルロース(ステアロキシヒドロキシアルキルセルロース)が挙げられ、最も好ましくはオクタデシロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース(ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース)が挙げられる。
【0045】
(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとして、市販品を用いてもよい。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースの市販品としては、サンジェロース60L、サンジェロース60M、サンジェロース90L、サンジェロース90M(商品名;全てステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、大同化成工業社製)等が挙げられる。
【0046】
本発明に係るデオドラント組成物における(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースの含有量は特に限定されない。上記デオドラント組成物100質量%中、(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースの含有量は好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースの含有量が上記下限以上であると、塗布時の垂れ落ちがより一層抑えられる。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースの含有量が上記上限以下であると、塗布時の垂れ落ちがより一層抑えられ、容器からの吐出性及び塗布性がより一層良好になる。また、(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、塗布及び乾燥後に凝集物をより一層生じ難くし、使用後につっぱり感をより一層抑え、かつ使用後にさらさら感をより一層高めることができる。
【0047】
上記デオドラント組成物100質量%中、(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースの含有量は0.3質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、3質量%以下であることがより好ましい。
【0048】
((D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシド)
本発明に係るデオドラント組成物は、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドを含むことが好ましい。(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドの使用により、塗布及び乾燥後に凝集物がより一層生じ難くなる。例えば、塗布時に高分子成分が凝集した凝集物(カス)が生じて、塗布対象物に付着したり、塗布対象物から剥がれ落ちたりすることを抑えることができる。(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドは特に限定されない。(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドとして、従来公知のポリオキシエチレンアルキルグルコシドを使用可能である。(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0049】
(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドとしては、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンエチルグルコシド、ポリオキシエチレンプロピルグルコシド及びポリオキシエチレンプロピルメチルグルコシド等が挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレンメチルグルコシドが好ましい。これら以外のポリオキシエチレンアルキルグルコシドを用いてもよい。
【0050】
(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドにおける酸化エチレンの付加モル数は、好ましくは5以上、好ましくは50以下、より好ましくは30以下である。
【0051】
(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドの好適な例としては、ポリオキシエチレン(10E.O.〜20E.O.)メチルグルコシドが挙げられる。
【0052】
(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドとして、市販品を用いてもよい。(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドの市販品としては、例えば、マクビオブライドMG−20E、マクビオブライドMG−10E(商品名;日油社製)、並びにグルカムE−20,グルカムE−10(商品名;Noveon社製)等が挙げられる。
【0053】
本発明に係るデオドラント組成物における(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドの含有量は特に限定されない。上記デオドラント組成物100質量%中、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドの含有量は好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.25質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドの含有量が上記下限以上であると、塗布及び乾燥後に凝集物がより一層生じ難くなる。(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドの含有量が上記上限以下であると、乾燥終了時にべたつきが抑えられる。
【0054】
上記デオドラント組成物100質量%中、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドの含有量は0.1質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、5質量%以下であることがより好ましい。
【0055】
((E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル)
本発明に係るデオドラント組成物は、(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルを含むことが好ましい。(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの使用により、塗布及び乾燥後に凝集物がより一層生じ難くなる。例えば、塗布時に高分子成分が凝集した凝集物(カス)が生じて、塗布対象物に付着したり、塗布対象物から剥がれ落ちたりすることを抑えることができる。(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルは特に限定されない。(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルとして、従来公知のポリオキシエチレンアルキルグルコシドを使用可能である。(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0056】
(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルにおけるグリセリル基の数は2以上であれば特に限定されない。上記グリセリル基の数は2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。
【0057】
(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルとしては、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ジグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)トリグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)テトラグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ペンタグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ヘキサグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ヘプタグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)オクタグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ノナグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ウンデカグリセリル及び(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ドデカグリセリル等が挙げられる。これら以外の(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルを用いてもよい。
【0058】
(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルとして、市販品を用いてもよい。(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの市販品としては、例えば、Neosolue−Aqua(商品名;(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、日本精化社製)等が挙げられる。
【0059】
本発明に係るデオドラント組成物における(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの含有量は特に限定されない。上記デオドラント組成物100質量%中、(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの含有量は好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.25質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの含有量が上記下限以上であると、塗布及び乾燥後に凝集物がより一層生じ難くなる。(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの含有量が上記上限以下であると、乾燥終了時にべたつきがより一層抑えられる。
【0060】
上記デオドラント組成物100質量%中、(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの含有量は0.1質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、5質量%以下であることがより好ましい。
【0061】
塗布及び乾燥後に凝集物を更に一層生じ難くする観点からは、本発明に係るデオドラント組成物は、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシド及び(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの内の少なくとも1種を含むことが好ましい。塗布及び乾燥後に凝集物を更に一層生じ難くする観点からは、本発明に係るデオドラント組成物は、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドと、(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルとの双方を含むことが好ましい。
【0062】
(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシド及び(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルの内の少なくとも1種を用いる場合に、並びに(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドと(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルとを併用する場合に、上記デオドラント組成物100質量%中、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドと(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルとの合計の含有量は好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
【0063】
(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドと(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルとを併用する場合に、上記デオドラント組成物において、(D)ポリオキシエチレンアルキルグルコシドと(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリルとの質量比((D)の含有量:(E)の含有量)は、例えば1:100〜100:1であり、1:10〜10:1であってもよく、1:5〜5:1であってもよい。
【0064】
(他の成分)
本発明に係るデオドラント組成物は、(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロース以外の増粘剤(他の増粘剤)を含んでいてもよい。該他の増粘剤としては、水溶性高分子等が挙げられる。該他の増粘剤の具体例としては、ヒドロキシアルキルセルロース等が挙げられる。上記ヒドロキシアルキルセルロースとしては、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。上記他の増粘剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0065】
本発明に係るデオドラント組成物は、(A)エタノール以外の溶媒を含んでいてもよい。該溶媒としては、水及び多価アルコール等が挙げられる。該多価アルコールとしては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びジグリセリン等が挙げられる。
【0066】
(A)エタノールと水とを併用する場合には、上記デオドラント組成物100質量%中、(A)エタノールと水との合計の含有量は好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%を超え、特に好ましくは71質量%以上、好ましくは99.69質量%以下、より好ましくは99.68質量%以下、より一層好ましくは99.6質量%以下、更に好ましくは99.49質量%以下、特に好ましくは99.4質量%以下である。(A)エタノールと水との合計の含有量が上記下限以上であると、使用性及び速乾性がより一層高くなる。
【0067】
(A)エタノールと水とを併用する場合には、上記デオドラント組成物100質量%中、水の含有量は好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。さらに、(A)エタノールと水とを併用する場合には、(A)エタノールの含有量は水の含有量よりも、多いことが好ましく、5質量%以上多いことが好ましく、10質量%以上多いことがより好ましい。(A)エタノールの含有量が多いほど、更に水の含有量が少ないほど、速乾性がより一層良好になる。
【0068】
また、本発明に係るデオドラント組成物は、上述した成分の他に、デオドラント剤又は化粧品に通常用いられる成分が添加されてもよい。本発明に係るデオドラント組成物は、例えば、界面活性剤、保湿剤、殺菌剤、オイル成分、金属イオン封鎖剤、防腐剤、清涼剤、抗炎症剤、植物エキス及び香料等を含んでいてもよい。
【0069】
上記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤等が挙げられる。上記保湿剤としては、ソルビトール等が挙げられる。また、グリセリンも保湿剤として使用可能である。上記オイル成分としては、エステル類、炭化水素類及びシリコーン等が挙げられる。
【0070】
(デオドラント組成物及びデオドラント剤の他の詳細)
本発明に係るデオドラント組成物は、ジェル状であることが好ましい。本発明に係るデオドラント組成物をジェル状にする方法として、公知の方法を採用可能である。(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースを用いることで、ジェル状にすることが容易である。また、(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースと(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロース以外の増粘剤とを併用して、ジェル状にしてもよい。また、デオドラント組成物の調製方法を選択して、ジェル状にしてもよい。(A)エタノールと(C)疎水化ヒドロキシアルキルセルロースとを配合して、ディスパーミキサーで撹拌して混合し、溶解を行った後、水を添加し、(B)制汗剤及び必要に応じて他の成分を配合して、ディスパーミキサーで撹拌して混合することで、ジェル状のデオドラント組成物が容易に得られる。
【0071】
本発明に係るデオドラント組成物の25℃における粘度ηは、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは50mPa・s以上、好ましくは5000mPa・s以下、より好ましくは3000mPa・s以下である。上記粘度ηが上記下限以上及び上記上限以下であると、塗布時の垂れ落ちがより一層抑えられ、容器からのデオドラント組成物の吐出性及び塗布性がより一層良好になる。
【0072】
なお、デオドラント組成物はジェル状である場合には、上記粘度ηは10mPa・s以上、3000mPa・s以下である。
【0073】
上記粘度ηは、B型粘度計を用いて、Lアダプターを使用して、25℃及び12rpmの条件、又はローターNo.3を使用して、25℃及び30rpmの条件で測定される。上記B型粘度計としては、東機産業社製「TV−20」を使用可能である。
【0074】
(デオドラント剤)
本発明に係るデオドラント剤は、容器と、該容器内に充填されている上記デオドラント組成物とを備える。
【0075】
上記容器としては、ロールオン容器、エアゾール容器及びチューブ容器等が挙げられる。上記容器は、ロールオン容器であることが好ましい。ロールオンタイプのデオドラント剤は、組成物を手に付けて塗布対象物に塗布することなく、組成物を塗布対象物に直接かつ均一に塗布することができる。すなわち、ロールオン容器は、塗布性に優れている。例えば、脇などの肌に、ロールオン容器内のデオドラント組成物を直接塗布することが容易である。ロールオン容器は、塗布部にロールを備える。ロールは、円筒部材であってもよく、球状部材であってもよい。
【0076】
本発明に係るデオドラント組成物は、皮膚に塗布して用いられることが好ましく、脇に塗布して用いられることが好ましい。本発明に係るデオドラント組成物は、皮膚用デオドラント組成物であることが好ましく、脇用デオドラント組成物であることが好ましい。また、本発明に係るデオドラント組成物は、脇以外の皮膚に塗布して用いられてもよい。
【0077】
本発明に係るデオドラント剤は、組成物を皮膚に塗布して用いられることが好ましく、組成物を脇に塗布して用いられることが好ましい。本発明に係るデオドラント剤は、皮膚用デオドラント剤であることが好ましく、脇用デオドラント剤であることが好ましい。
【0078】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。本発明は以下の実施例にのみ限定されない。なお、配合量の単位は、特記しない限り「質量%」である。
【0079】
実施例、参考例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0080】
(B)ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム、大明化学工業社製「タイエースK20」)
(C)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、大同化成工業社製「サンジェロース60M」)
(C’)ヒドロキシプロピルセルロース((C)成分に相当しない、HPC、日本曹達社製「HPC−L」)
(C’)ヒドロキシプロピルメチルセルロース((C)成分に相当しない、HPMC、信越化学工業社製「メトローズ 90SH−400」)
(D)ポリオキシエチレンメチルグルコシド(ポリオキシエチレン(20E.O.)メチルグルコシド、日油社製「マクビオブライドMG−20E」)
(E)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル((エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、日本精化社製「Neosolue−Aqua」、60質量%グリセリン溶液)
【0081】
(実施例1〜7、参考例8及び比較例1〜6)
下記の表1,2に示す各成分を下記の表1,2に示す含有量で配合し、ディスパーミキサーで混合して、ジェル状のデオドラント組成物を得た。なお、(A)成分、(C)成分及び(C’)成分の中の下記の表1,2に示す成分を先に混合した後に、(B)成分、(D)成分、(E)成分及び精製水の中の下記の表1,2に示す成分をさらに加えて混合した。
【0082】
なお、比較例1,4,6で得られたデオドラント組成物には、不溶物が含まれていた。また、実施例1〜7、参考例8及び比較例1〜6で得られたでデオドラント組成物の上記粘度ηはいずれも、10mPa・s以上、3000mPa・s以下であった。
【0083】
得られたデオドラント組成物を、ロールオン容器内に充填して、デオドラント剤を得た。
【0084】
(評価)
専門パネル20名が、得られたデオドラント剤を用いて、デオドラント組成物を脇の下へ直接塗布し、乾燥させて、下記の項目について評価した。
【0085】
(試験例1:垂れ落ちのなさの評価)
塗布時の垂れ落ちのなさを下記の基準で評価した。
【0086】
<垂れ落ちのなさの評価基準>
○○:20名中16名以上が、組成物が肌から垂れ落ちないと回答
○:20名中11〜15名が、組成物が肌から垂れ落ちないと回答
△:20名中6〜10名が、組成物が肌から垂れ落ちないと回答
×:20名中5名以下が、組成物が肌から垂れ落ちないと回答
【0087】
(試験例2:凝集物のなさの評価)
塗布及び乾燥後に、凝集物が生じているか否か(カスが生じているか否か)を観察して、凝集物のなさを下記の基準で評価した。
【0088】
<凝集物のなさの評価基準>
○○:20名中16名以上が、凝集物が発生しないと回答
○:20名中11〜15名が、凝集物が発生しないと回答
△:20名中6〜10名が、凝集物が発生しないと回答
×:20名中5名以下が、凝集物が発生しないと回答
【0089】
(試験例3:速乾性の評価)
乾燥時の速乾性(乾く速さ)を下記の基準で評価した。
【0090】
<速乾性の評価基準>
○○:20名中16名以上が、速乾性に優れると回答
○:20名中11〜15名が、速乾性に優れると回答
△:20名中6〜10名が、速乾性に優れると回答
×:20名中5名以下が、速乾性に優れると回答
【0091】
(試験例4:つっぱり感のなさの評価)
乾燥後(使用後)に、つっぱり感のなさを下記の基準で評価した。
【0092】
<つっぱり感のなさの評価基準>
○○:20名中16名以上が、肌につっぱり感がないと回答
○:20名中11〜15名が、肌につっぱり感がないと回答
△:20名中6〜10名が、肌につっぱり感がないと回答
×:20名中5名以下が、肌につっぱり感がないと回答
【0093】
(試験例5:さらさら感の評価)
乾燥後(使用後)に、さらさら感を下記の基準で評価した。
【0094】
<さらさら感の評価基準>
○○:20名中16名以上が、肌にさらさら感があると回答
○:20名中11〜15名が、肌にさらさら感があると回答
△:20名中6〜10名が、肌にさらさら感があると回答
×:20名中5名以下が、肌にさらさら感があると回答
【0095】
組成及び評価結果を下記の表1,2に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
また、下記の表3〜6に、デオドラント組成物の処方例を示す。尚、配合量の単位は、質量%である。
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】