特許第5965839号(P5965839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5965839光導波路の底面近くに位置する光源を有する照明デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965839
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】光導波路の底面近くに位置する光源を有する照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20160728BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20160728BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20160728BHJP
【FI】
   F21S2/00 419
   F21S2/00 412
   H01L33/32
   H01L33/58
【請求項の数】15
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-520128(P2012-520128)
(86)(22)【出願日】2010年6月23日
(65)【公表番号】特表2012-533840(P2012-533840A)
(43)【公表日】2012年12月27日
(86)【国際出願番号】IB2010052855
(87)【国際公開番号】WO2011007277
(87)【国際公開日】20110120
【審査請求日】2013年6月18日
【審判番号】不服2014-25960(P2014-25960/J1)
【審判請求日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】12/503,915
(32)【優先日】2009年7月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】ビエールハイゼン サージ ジェイ
【合議体】
【審判長】 島田 信一
【審判官】 一ノ瀬 覚
【審判官】 尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−339151(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/022284(WO,A1)
【文献】 特開2008−300298(JP,A)
【文献】 特開2007−227168(JP,A)
【文献】 特開2009−43738(JP,A)
【文献】 特開2006−12818(JP,A)
【文献】 特開2005−115372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の透明材料の部分を有する導波路と、
前記導波路の底面の近くに配置された複数の光源
前記導波路の上面の近くに配置された照明される面と
を有し、
前記複数の光源の夫々は、
半導体発光ダイオードと、
前記半導体発光ダイオードが載置されるマウントの上面から前記導波路の底面に達するよう延在する反射性の側壁と、
前記マウントの上面、前記導波路の底面及び前記側壁によって囲まれて前記半導体発光ダイオードを収容する空腔に充填される第2の透明材料の部分
を有する、デバイス。
【請求項2】
反射性の材料が前記側壁に適用されていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記反射性の材料が、透明な結合材料中に適用されたTiO2を含むことを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記マウントの上面は、
前記半導体発光ダイオードが載置される第1の部分と
前記第1の部分に隣接し、前記側壁に達するまで延在して前記空腔を形成する第2の部分
を有し、
前記第2の部分は、反射性であることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記反射性の材料が前記第2の部分に適用されていることを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第2の透明材料の部分が、ガラス及びシリコーンのうちの一つであることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記照明される面の下方にある前記導波路の部分へと光を導くよう、当該導波路の端が成形されていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記導波路の端が湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記導波路の端が、当該端に入射する光の全反射を引き起こさせるよう成形されていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記導波路と前記空腔との間に、特定の色の光がその入射角に応じて透過又は反射される干渉フィルタを更に有することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記照明される面と前記半導体発光ダイオードとの間に波長変換材を更に有することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2の透明材料の部分が前記半導体発光ダイオードの発光面の延在方向の長さよりも大きな長さを当該方向にもつことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記半導体発光ダイオードが、
サファイヤ成長基板と、
前記サファイヤ成長基板上に適用された反射性のコーティングと、
を有することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記半導体発光ダイオードにより発されるエネルギの50%よりも多くを当該半導体発光ダイオードの上面の法線に対して45度よりも大きな角度で発させるフォトニック結晶を前記半導体発光ダイオードが有することを特徴とする、請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数の光源は、前記導波路の底面下において間隔をあけて配置されることを特徴とする、請求項1乃至14のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光ダイオードを含む照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)などの半導体発光デバイスは、現在入手可能な最も効率のよい光源の一つである。可視スペクトル全体に渡って動作可能な高輝度LEDの製造において、現在興味の対象となる材料システムはIII族乃至V族の半導体を含んでおり、
特にガリウム、アルミニウム、インジウム、及びIII族の窒素化合物材料とも呼ばれる窒素のII族、III族、及びIV族の合金を含み、ガリウム、アルミニウム、インジウム、ヒ素、及びリンのII族、III族、及びIV族の合金を含む。しばしば、III族の窒素化合物のデバイスは、サファイヤ、炭化珪素、又はIII族の窒素化合物の基板上でエピタキシャルに成長し、III族のリン化物のデバイスは、金属有機CVD法(MOCVD)、エピタキシャル成長法(MBE)又は他のエピタキシャル技術によって、砒化ガリウム上でエピタキシャルに成長する。しばしば、n型領域が基板上に蒸着され、この後、発光領域又は活性領域がn型領域上に蒸着され、この後、p型領域が活性領域上に蒸着される。p型領域が基板と隣接するよう、層の順序が逆転してもよい。
【0003】
半導体発光デバイスの有望な用途の一つは、汎用照明のためのバックライト用であり、液晶表示装置(LCD)などの表示デバイス用である。カラー又はモノクロの透過型のLCDが、携帯電話、個人用情報機器、携帯型の音楽プレーヤ、ラップトップ・コンピュータ、デスクトップ型のモニタ、及びTVのアプリケーションで普通に使われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図5に例示されている、光がLEDにより提供されるバックライトの一例が米国特許公報US 7,052,152に記載されている。LED 43のアレイがバックライト45のリアパネルに配置されている。バックライト45の背面48及び側壁46が高反射性の材料で覆われている。色を変換する蛍光物質層47がバックライト45のカバープレート40に配置されている。液晶表示パネル44がバックライト45の前に配置されている。液晶表示パネル44は従来のLCDでもよく、第1の偏光フィルタと、液晶層の選択されたエリア全体の電界を生じさせるための薄膜トランジスタのアレイと、液晶層と、RGBの色フィルタのアレイと、第2の偏光フィルタと、を有する。色フィルタのアレイは、赤色、緑色、及び青色のサブピクセルをもっている。液晶表示パネル44とバックライト45との間に追加のフィルム、例えば輝度強化フィルム(BEF)、又は偏光回復フィルム(DBEF)がしばしば用いられる。LCD 44に入射する光が十分に混合され且つ均一になるよう、斯様な構造は厚くなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、中実で透明な光導波路の底面に配置された光源を有するデバイスを形成することである。本発明の実施例によるデバイスは、第1の透明材料の部分から通常は形成される光導波路を含む。光源が光導波路の底面のすぐ近くに配置される。当該光源は、半導体発光ダイオードと、当該半導体発光ダイオード及び光導波路の間に配置された第2の透明材料の部分とを有する。第2の透明材料の部分の側壁は反射性である。照明されねばならない面(被照明面)が、光導波路の上面のすぐ近くに配置される。幾つかの実施例では、光導波路の端は湾曲している。
【0006】
本発明の実施例による照明デバイスは、充分な照度、混合度、及び均一性を備えつつ従来のデバイスよりも薄い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例による照明システムを例示する。
図2】光導波路の底部に接続された半導体発光デバイスの第1の例を例示する。
図3】光導波路の底部に接続された半導体発光デバイスの第2の例を例示する。
図4】光導波路の一部分の平面図である。
図5】バックライト及びLCDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
後部プレート48、側壁46、及びカバープレート40により形成され、図5に例示した光導波路は、LCD 44に入射する光が十分に混合され且つ均一であるよう、厚くなければならない。図5に例示したような箱状で開放型の光導波路の代わりに、本発明の実施例では、中実の光導波路が使用される。光源が光導波路の底面に隣接して配置される。本発明の実施例による照明デバイスは、図5で例示されたデバイスよりも薄い。
【0009】
図1は、本発明の実施例による照明デバイスを例示する。複数の光源8が光導波路6の底面に結合されている。光導波路6は例えば、複数の光源により供された光を混合する透明材料の部分でもよい。光導波路6は例えば(PMMAなどの)アクリル、硬いシリコーン、モールド成形されたプラスチック、ポリカーボネート、又は何らかの他の適切な材料でもよい。光導波路6からの光は、被照明面の方へと導かれる。下記の実施例は、被照明面として液晶表示(LCD)パネル4を用いているものの、本発明が液晶ディスプレイに限定されることはない。被照明面は、汎用照明のアプリケーションの場合、単純な透明カバーを含むどのような表面でもよい。
【0010】
被照明面が、第1の偏光フィルタ、液晶層の選択されたエリア全体の電界を発生させるための薄膜トランジスタのアレイ、液晶層、RGBの色フィルタのアレイ、及び第2の偏光フィルタを有する従来のLCD 4でもよい。当該色フィルタのアレイは、赤色、緑色、及び青色のサブピクセルを有する。液晶表示パネル4と光導波路6との間に、輝度強化フィルム又は偏光回復フィルム、及び均一性を改善するための拡散素子など、良く知られたフィルムが追加で使用されることができる。
【0011】
図2は、光導波路6の底面に結合された光源8の第1の例を例示する。青色光又はUV光を発しているIII族の窒素化合物LED 12などの半導体LEDが、相互接続部14によってマウント10と接続されている。LED 12は例えば、薄膜のフリップチップ・デバイスでもよい。
【0012】
薄膜のフリップチップのIII族の窒素化合物デバイスは、サファイヤ、SiC、又はGaNなどの成長基板上に、最初にn型領域を成長させ、発光領域又は活性領域を成長させ、p型領域を成長させることで形成されることができる。p型領域及び発光領域の一部分が、下方にあるn型領域の一部分を露出させるためにエッチングされる。反射性の金属電極(例えば、銀、アルミニウム、又は合金)が、この後、露出したn型領域及びp型領域の上に形成される。ダイオードが順バイアスされた場合、発光領域はIll族の窒素化合物の活性層の組成により決定される波長で光を発する。斯様なLEDの形成は良く知られている。
【0013】
半導体LED 12が、この後、フリップチップとしてマウント10上に載置される。当該マウント10は、例えばセラミック、アルミニウム、又はシリコンなど何らかの適切な材料である。マウント10は、例えば金又は半田などの相互接続部を介して半導体構造上にある金属電極に半田付け又は超音波溶接された金属電極を含む。例えば超音波溶接又は他の何らかの適切な接続手段によって電極自体が接続されることができる場合、相互接続部は省略されてもよい。半導体の電極、マウントの電極、及び相互接続部を含み、半導体層12とマウント10との間にある複数の金属層が、構造部14として図2に示されている。マウント10は機械的な支持部として作用し、LEDチップのn電極とp電極と電源との間の電気的なインタフェースを提供し、ヒートシンクの役割を備えている。適切なマウントが良く知られている。
【0014】
LEDの厚さを減じるため、及び光が成長基板により吸収されるのを防止するために、成長基板がエッチング、化学-機械研磨、又はレーザ溶解など、当該基板に適している方法によって取り除かれ、レーザがIII族の窒素化合物構造部及び成長基板のインタフェースを加熱してIII族の窒素化合物構造の一部を溶解し、基板を半導体構造から解放する。一実施例では成長基板の除去は、LEDのアレイがマウント・ウェーハ上に載置された後で、且つLED/マウントが(例えば鋸で切ることにより)切り離される前に実行される。
【0015】
成長基板が取り除かれた後、幾つかの実施例では残留しているIII族の窒素化合物の構造部が、例えばフォトニック結晶を用いて薄くされ及び/又は粗くされるか若しくはパターン化される。当該フォトニック結晶は例えば、デバイスの上面の法線に対して大きな角度で発光を最大にするようデザインされている。幾つかの実施例では、50%よりも大きなエネルギがデバイスの上面の法線に対して45度よりも大きな角度で発されるよう、フォトニック結晶が構成される。デバイスが封入材で覆われてもよい。幾つかの実施例では、成長基板はデバイスの一部に残留する。大半の光がデバイスの上面の法線に対して大きな角度で発されるよう、当該成長基板が反射性のコーティングで覆われてもよい。一つ以上の蛍光体などで構成される波長変換材が、半導体構造部の上に形成されてもよい。
【0016】
空腔20がLED 12を光導波路6から隔てている。側面18及びLED 12に隣接した空腔の底部16は反射性である。当該空腔20が、例えばシリコーンなどの透明材料で充填されてもよい。干渉フィルタ層22が光導波路6と空腔20との間に配置される。光線24など、小さな角度でLED 12により発された青色光は反射され、光線26など、大きな角度でLED 12により発された青色光は透過するよう干渉フィルタ層22が構成される。適切な干渉フィルタが知られており、例えばOcean Optics社、830, Douglas Ave. Dunedin, FL 34698, USAから入手可能である。
【0017】
図2に例示されたデバイスは、マウント10に載置される薄膜フリップチップLED 12を最初に形成することにより形成されることができる。空腔20の反射性の側壁18及び反射性の底部16が、この後形成される。例えばTiO2などの反射性の材料が、例えばシリコーンなどのモールド成形可能な材料に配置され、この後、反射性の側壁18と底部16とを形成するために、マウント10にモールド成形される。代替的には、側壁18及び底部16が剛性材料で事前に作られて、当該剛性材料自体が反射性ではない場合、反射性の材料で被覆されて、この後マウント10に配置されてもよい。空腔20が、この後透明材料で充填される。干渉フィルタ層22が、この後空腔20の透明材料上にコーティングされる。
【0018】
図3は、光導波路6の底面に結合された光源8の第2の例を例示する。これまでに説明した通り、半導体LED 12は、相互接続部14によってマウント10に接続されたIII族の窒素化合物の薄膜のフリップチップである。図2のデバイスと同様に、空腔が反射性の側壁18により形成される。LED 12で占有されてはいない空腔の底部16の部分が反射するようにされる。ガラスなど中実の透明材料30が、反射性の側壁18と底部16とにより形成される空腔を占有する。上で説明した通り、光24を反射し、光26を透過する干渉フィルタ層22が、透明材料30上に配置される。
【0019】
上で説明した通り、図3に例示されたデバイスは、マウント10上に載置する薄膜フリップチップのLED 12を最初に形成することにより形成される。これとは別に、干渉フィルタ層22を形成する前か後に、ガラス板などの透明材料30が、所望のサイズに切断された干渉フィルタ層22で覆われる。例えば透明なエポキシ又は透明なシリコーンによって接着することにより、透明材料30がLED 12に取り付けられる。反射性がある側壁18及び底部16が、この後、透明材料30の側面及び底部を、例えば銀又はアルミニウムなどの反射性の金属、反射性塗料、反射コーティング、又は例えばシリコーンなどの結合剤中に配置されたTiO2などの反射材料でコーティングすることにより形成される。透明材料30がLED 12に取り付けられる前に、透明材料30の側面が反射材料でコーティングされてもよい。結合剤中の反射材料を透明材料30とマウント10との隙間に引き入れるために真空が用いられてもよいし、又は反射する底部16を形成するために、透明材料30の下へと流動するような結合剤が選択されてもよい。幾つかの実施例では、マウント10は反射性である。
【0020】
図2及び図3に例示されたデバイスの幾つかの実施例では、LED 12は数百μmと1mm又は2mmとの間の寸法をもつ側方の広がりを有する。透明材料で満たされた空間は、当該実施例ではLED 12の側方の広がりの例えば1.1倍と2倍との間の側方の広がりを有し、LED 12の側方の広がりの例えば0.5倍と1.5倍との間の高さを有する。一例では、LED 12は1mmの長さであり、マウント10は2mmの長さであり、透明材料30は長さは1.5mmで高さは1mmである。
【0021】
光導波路の一部の平面図である図4に例示したように幾つかの実施例では、被照明面の下方にある光導波路の領域へと光を導くよう光導波路6の縁部6Aが加工される。正方形8が光源の場所を例示しており、これは図2及び図3で例示された光源でもよい。縁部6Aは複数の湾曲する部分を含み、当該部分は反射性材料でコーティングされてもよいし、又は光源8により発されて縁部6Aに向かう光が全反射を引き起こすよう加工されてもよい。図4に例示したように、縁部6Aは波形でもよいし、又は別の形状をもってもよい。光は、ディスプレイの有効視認エリア50の方へと導かれる。光導波路6の縁部を加工することは、光導波路の縁部に入射した光をLEDに向けて戻すのではなく当該LEDから遠ざけるよう導くことにより、LEDにより吸収される光の損失量を減じることができる。光導波路6の縁部を加工することは、有効視認エリア50内の光の均一性を改善することにもなり、所与のディスプレイ特性に対して必要とされるLEDの数を減じることができ、光導波路の縁部と有効視認エリア50の端との間の距離であるベゼル高さ52を減じることができる。
【0022】
光源8は、光導波路6の底部全体を通じて、光導波路6の端部の近傍のみ、又は他のいかなる構成においても、等間隔に置かれる。幾つかの実施例では、幾つかの光源は青色光を発し、幾つかの光源は緑色光を発し、幾つかの光源は赤色光を発する。赤色光、緑色光、及び青色光は、白色光を形成するために光導波路6で組み合わされる。幾つかの実施例では、波長変換された光と青色光とが白色光を形成するために組み合わされるように、幾つかの青色光を発するLEDにより発された光の例えば波長変換によって各光源が白色光を発する。例えば、白色光を形成するために、黄色を発する蛍光体が青色光を発するLEDと組み合わされてもよいし、又は白色光を形成するために、赤色を発する蛍光体及び緑色を発する蛍光体が、青色光を発するLEDと組み合わされてもよい。他の色の光を発する追加の蛍光体又は他の波長変換材が、所望の色点を実現するために加えられてもよい。蛍光体が図2及び図3のLED 12に直接配置されてもよいし、又は干渉フィルタ層22と透明材料20又は透明材料30との間に配置されてもよいし、又は干渉フィルタ層22と光導波路6との間に配置されてもよい。幾つかの実施例では、一つ以上の遠隔蛍光体が図4に例示されたディスプレイの有効視認エリア50内の光導波路6上に配置されてもよい。
【0023】
光が複数の光源によって提供される、上に説明された照明システムにおいて、充分な照度、充分な混合度、及び充分な光の均一性を提供するかどうかで性能が測定されることができる。本発明の実施例は、実施例の特徴を組み込んでいない照明システムと比較して、より少ない光源で充分な照度、充分な混合度、及び充分な均一性を提供できる。ディスプレイ用のバックライトなど幾つかのアプリケーションでは、照明システムの厚さを最小化することが望ましい。本発明の実施例は、実施例の特徴を組み込んでいない照明システムと比較して、より薄い照明システムで同じ性能を提供できる。
【0024】
本発明が詳細に説明され、当業者は、与えられた本開示により、本願明細書中に説明されている発明の概念の精神を逸脱することなく、改変が本発明になされることができると理解することだろう。これ故、本発明の範囲が例示され且つ説明された特定の実施例に限定されると意図してはいない。
図1
図2
図3
図4
図5