【課題を解決するための手段】
【0016】
本アッセイは、アッセイが検出するように構成されている各HPV型を検出するためのプライマー/プローブのセットを活用する。本アッセイによる検出に対して感受性である多様な血清型には、例えば、HPVの33型、39型、51型、56型、58型、59型、66型、および68型が含まれる。当業者は、本明細書で説明されるプライマー/プローブのセットを、他のHPV型(例えば、16型、18型、および45型)に対する他のプライマー/プローブのセットと組み合わせうることを理解するであろう。単一のプライマー/プローブセットを用いて、少なくとも1つの型を検出する。Taq−Manアッセイを用いるPCR増幅の状況では、プライマー/プローブのセットは、少なくとも、フォワードプライマー、リバースプライマー、およびプローブである。互いに対して縮重しているオリゴヌクレオチド配列を伴うプライマー/プローブ対のセットにより、少なくとも2つの型を選択する。本明細書で用いられる「縮重配列」とは、近縁の異なる型の同じ遺伝子の同じ遺伝子座と相補的であり、それらを2つの型に識別させるような、互いに対するわずかな配列のばらつきを有する、2つのオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブである。
【0017】
本発明の一実施形態では、縮重プライマー/プローブのセットが、HPVの39型および68型を検出するためのセットである。このプライマー/プローブのセットは、両方の型のE6遺伝子における同じ遺伝子座を標的とする。この標的の長さは91ヌクレオチドであり、これを
図1に示す。この標的は、E6遺伝子全体のうちの一セグメントであるに過ぎない。HPVの39型および68型の縮重プライマー/プローブのセットの標的は、配列番号36である。好ましい実施形態では、両方のプローブのシグナル部分が、CY5として市販されているシアニン色素標識である。
【0018】
この実施形態では、縮重していないプライマー/プローブのセットが、HPVの51型を識別する。51型に対するプライマー/プローブのセットもまた、異なる遺伝子座においてであるが、E6遺伝子を標的とする。好ましい実施形態では、このプライマー/プローブのセットにおけるこのプローブのシグナル部分がFAMであり、これについては以下で具体的に確認する。
【0019】
本発明の第2の実施形態では、縮重プライマー/プローブのセットが、HPVの33型および58型を検出するためのセットである。このプライマー/プローブのセットは、両方の型のE6遺伝子における同じ遺伝子座を標的とする。この標的の長さは138ヌクレオチドであり、これを
図2に示す。この標的は、E6遺伝子全体のうちの一セグメントであるに過ぎない。HPVの33型および58型の縮重プライマー/プローブのセットの標的は、配列番号37である。好ましい実施形態では、両方のプローブのシグナル部分が、FAMである。
【0020】
この実施形態では、縮重していないプライマー/プローブのセットが、HPVの59型を識別する。59型に対するプライマー/プローブのセットもまた、E6遺伝子を標的とするが、必ずしも同じ遺伝子座ではない。好ましい実施形態では、このプライマー/プローブのセットにおけるこのプローブのシグナル部分がCY5であり、これについては以下で具体的に確認する。
【0021】
本発明の第3の実施形態では、縮重プライマー/プローブのセットが、HPVの56型および66型を検出するためのセットである。このプライマー/プローブのセットは、両方の型のE6遺伝子における同じ遺伝子座を標的とする。この標的の長さは79ヌクレオチドであり、これを
図3に示す。この標的は、E6遺伝子全体のうちの一セグメントであるに過ぎない。HPVの56型および66型の縮重プライマー/プローブのセットの標的は、配列番号38である。好ましい実施形態では、両方のプローブのシグナル部分が、CY5である。
【0022】
この実施形態では、縮重していないプライマー/プローブのセットが、HPVの59型を識別する。59型に対するプライマー/プローブのセットは、E6遺伝子を標的とする。好ましい実施形態では、このプライマー/プローブのセットにおけるこのプローブのシグナル部分がCY5であり、これについては以下で具体的に確認する。この実施形態では、HPVの59型に用いられるシグナル部分と同じシグナル部分を、HPVの56型_66型にもまた用いる。この実施形態では、同じ色素を同じチャネルに割り当てるので、HPVの59型と、56型_66型とは光学的に識別されることがない。
【0023】
この実施形態は、さらに別のHPV血清型に対するさらに別のプライマー/プローブのセット(縮重の場合もあり、識別性の場合もある)(例えば、HPVの33血清型および58血清型に対する縮重プライマー/プローブのセット)を活用するマルチプレックスアッセイを意図する。このHPVの他の血清型に対するシグナル部分は、CY5ではなく、Cy5の発光波長とは検出可能な形で異なる波長で発光する(例えば、FAM)。
【0024】
他の実施形態では、HPVの59型に対するシグナル部分がFAMであり、これは、HPVの56血清型および66血清型に対する縮重プライマー/プローブのセットに対するCY5によるシグナル部分と光学的に識別されうる。
【0025】
代替的実施形態は、本明細書で説明されるプライマー/プローブのセットおよび縮重プライマー/プローブのセットによる任意の組合せおよびすべての組合せを伴うアッセイまたはプローブセットまたはキットを意図する。具体的に述べると、HPV血清型であるHPV51またはHPV59に対するプライマー/プローブのセットのうちの任意のセットを、HPV血清型であるHPV39_68、HPV33_58、およびHPV56_66に対する縮重プライマー/プローブのセットのうちの任意のセットと組み合わせることができる。具体的に述べると、HPV51に対するプライマー/プローブのセットを、HPV39_68、HPV33_58、およびHPV56_66のうちの1または複数による縮重プライマー/プローブのセットと組み合わせるアッセイまたはプローブセットまたはキットを意図する。HPV59に対するプライマー/プローブのセットを、HPV39_68、HPV33_58、およびHPV56_66のうちの1または複数による縮重プライマー/プローブのセットと組み合わせるアッセイまたはプローブセットまたはキットである。プローブのシグナル部分が同じ色素かまたは異なる色素である実施形態を意図する。マルチプレックスアッセイを意図するので、プライマー/プローブのセットを、HPVの他の血清型の存在または非存在を検出するように構成された他のプライマー/プローブのセットと組み合わせることができる。縮重プライマー/プローブのセットにおける検出プローブのシグナル部分が、HPVの51血清型または59血清型に対するプライマー/プローブのセットのシグナル部分と同じである実施形態では、マルチプレックスアッセイが、HPVの第4の血清型(例えば、HPV31、HPV52、HPV45など)に対する第4のプライマー/プローブのセットを包含し、この第4のプライマー/プローブのセットが、縮重プライマー/プローブのセットおよびHPV51またはHPV59のプライマー/プローブのセットの検出プローブのシグナル部分と異なるシグナル部分を有することを意図する。本明細書ではまた、1つのアッセイにおいて2つの縮重プライマー/プローブのセットを組み合わせるマルチプレックスアッセイも意図する。例えば、1つのマイクロウェルにおいて、HPVの33血清型および58血清型の存在を検出するための、第1の縮重プライマー/プローブのセットを、HPVの56血清型および66血清型の存在または非存在を検出するための、第2の縮重プライマー/プローブのセットと組み合わせることができる。これらの実施形態では、第1の縮重プライマー/プローブのセットのプローブが、第2の縮重プライマー/プローブのセットのシグナル部分の発光波長とは検出可能な形で異なる波長で発光するシグナル部分を有する。この例では、HPVの33血清型および58血清型に対するプローブのシグナル部分がFAMであり、HPVの56血清型および66血清型に対するプローブのシグナル部分がCY5となる。
【0026】
上記で説明したシグナル発生部分に加えて、プローブはまた、非蛍光性のダーククエンチャーも有する。適切なダーククエンチャーの一例は、BHQ(商標)1(Biosearch Technologies)であり、これは、FAMフルオロフォアと共に用いるのに適する。適切なクエンチャーの別の例は、BHQ(商標)2(Biosearch Technologies)であり、これは、CY5フルオロフォアと共に用いるのに適する。シグナル発生部分の他の例は当業者によく知られており、本明細書では詳述しない。
【0027】
本明細書で用いられる「プライマー」という用語は、核酸鎖に相補的であるプライマーの伸長産物の合成が触媒される条件下に置かれたとき、相補鎖に沿った合成の始点として作用することが可能なオリゴヌクレオチドを指す。このような条件は、適切な緩衝液(「緩衝液」は、補因子であるか、またはイオン強度、pHなどに影響を及ぼす成分を包含する)中で、適切な温度における、4つの異なるデオキシリボヌクレオシド三リン酸およびDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素などの重合化誘導剤の存在を包含する。本明細書で用いられるオリゴヌクレオチドプライマーは、精製された制限消化産物の場合のように、天然の場合もあり、または合成により作製される場合もある。増幅における効率を最大とするには、プライマーが一本鎖であることが好ましい。
【0028】
本明細書で用いられる「プライマー対」とは、PCRによるアンプリコンを生成させる核酸ポリメラーゼの存在下において、核酸のセグメントのPCR増幅に関与することが可能な、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの2つのプライマーを指す。プライマー対を含むプライマーは、同じHPV遺伝子に特異的であり、その結果として、単一のHPV遺伝子に由来するヌクレオチド配列からなるアンプリコンを生成させることが可能である。代替的に、プライマー対を含むプライマーは、HPVゲノム内で互いに対して近接する範囲内に位置する、異なるHPV遺伝子に特異的であり、これにより、複数の遺伝子に由来するヌクレオチド配列からなるアンプリコンを生成させることも可能である。
【0029】
本発明のフルオロフォアについて本明細書で用いられる「異なるイメージングスペクトル」とは、各フルオロフォアが、特定のアッセイで用いられる他のすべてのフルオロフォアと比べて異なる発光極大値においてエネルギーを発することを意味する。固有の発光極大値を伴うフルオロフォアを用いることにより、特定のアッセイにおいて用いられる複数のフルオロフォアの各々により発せられる蛍光エネルギーを同時に検出することが可能となる。
【0030】
本明細書で用いられる、本発明のオリゴヌクレオチドプライマーおよびオリゴヌクレオチドプローブについて使用される「識別性」という用語は、前記プライマーおよびプローブが、単一のHPV型に特異的であることを意味する。これは、単一のHPV型に特異的であるが、他のHPV型とある程度の相同性も共有するHPVプライマーおよびHPVプローブを包含する。本発明の「識別性」のプライマーおよびプローブは、少なくとも1ヌクレオチド以上において、他のHPV型との3’側における相同性を欠くオリゴヌクレオチドを包含する。特定の位置において特定のHPV型に固有であり、アライメントにおいてこのHPV型を他のHPV型から識別するように作用するこのような残基を、「識別性塩基」と称する。オリゴヌクレオチドについての「識別性」という用語は、複数のHPV型に特異的であるプライマーおよびプローブ、すなわち、複数のHPV型との完全な相同性を共有するプライマーおよびプローブを包含しない。この点において、本明細書で開示される縮重プライマー/プローブのセットは、それに対してこれらの縮重プライマー/プローブのセットが構成されるHPV型を識別しない。例えば、HPVの39型および68型を標的とする縮重プライマー/プローブのセットについて述べると、HPVの39型に対するプライマー/プローブのセットは、HPVの39型をHPVの68型よりも優先するが、HPVの39型をHPVの68型に対して識別するわけではない。縮重プライマー/プローブのセットは、HPV型を識別するわけではないため、プローブは、同じシグナル部分を有することが好ましい。アッセイは、凝集物におけるこれらのHPV型の存在または非存在を決定するように構成されているので、この目的で2つの光学的チャネルを用いる必要はない。さらに、マルチプレックスアッセイのための単一のマイクロウェルにおいて、縮重プライマー/プローブのセットを、他のプライマー/プローブのセットと混合する場合、他のプライマー/プローブのセット(識別性の場合もあり識別性でない場合もある)に対するシグナル部分は、同じ場合もあり、異なる場合もある。アッセイのシグナル部分は、大部分、設計の選択の問題である。当業者は、特定のHPV型が存在するかどうかを知る必要がある場合、同じマイクロウェルにおいて、プライマー/プローブのセットにおいて同じシグナル部分を用いるであろう。これらの型のうちの1つだけが存在するかどうかを知れば十分である場合は、異なるHPV血清型に対するプライマー/プローブのセットにおいて同じシグナル部分を用いることができる。
【0031】
本明細書で用いられる「アンプリコン」とは、核酸ポリメラーゼおよび特定のプライマー対の存在下において、核酸を含む試料をPCR増幅することにより生成させる、特定のPCR反応産物を指す。アンプリコンは、単一のHPV型の単一の遺伝子に由来するヌクレオチド配列からなる場合もあり、アンプリコンは、単一のHPV型の複数の遺伝子に由来するヌクレオチド配列からなる場合もある。
【0032】
本明細書で用いられる「プライマー/プローブのセット」とは、単一のHPV型の特定のヌクレオチド配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーの対およびオリゴヌクレオチドプローブの組み分けを指す。前記オリゴヌクレオチドのセットは、(a)HPV型の核酸配列の第1の位置とハイブリダイズする識別性のフォワードプライマー;(b)第1の位置の下流にある、HPV型の核酸配列の第2の位置とハイブリダイズする識別性のリバースプライマー;および(c)これらのプライマー間に位置するHPV型の核酸配列とハイブリダイズする、フルオロフォアおよびクエンチャーで標識された蛍光プローブからなる。言い換えれば、オリゴヌクレオチドのセットは、単一のHPV型に特異的なアンプリコンの合成を開始させることが可能な、特定のPCRプライマーのセットと、このアンプリコンとハイブリダイズする蛍光プローブとからなる。
【0033】
本明細書で用いられる「複数」とは、2つ以上を意味する。
【0034】
オリゴヌクレオチドのセット、オリゴヌクレオチドプライマー、またはオリゴヌクレオチドプローブについて本明細書で用いられる「特異的にハイブリダイズする」とは、前記オリゴヌクレオチドのセット、オリゴヌクレオチドプライマー、またはオリゴヌクレオチドプローブが、単一のHPV型の核酸配列とハイブリダイズすることを意味する。
【0035】
本明細書で用いられる「遺伝子」とは、ポリペプチド鎖の生成に関与する核酸のセグメントを意味する。遺伝子は、翻訳配列(コード領域)、ならびに5’側の非翻訳配列および3’側の非翻訳配列(非コード領域)のほか、個別のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)も包含する。本発明の実施形態を説明する目的では、HPVゲノムが、複数の遺伝子:例えば、L1遺伝子、L2遺伝子、およびE1遺伝子、E2遺伝子、E4〜E7遺伝子を有する。
【0036】
本明細書で用いられる「遺伝子座」とは、形質に対応する遺伝子が存在する染色体上の位置を指す。遺伝子座という用語は、特定の遺伝子の対立遺伝子のうちのいずれか1つを包含する。遺伝子座はまた、異なるHPV型に由来する相同遺伝子も包含する。例えば、HPV16およびHPV6におけるL1遺伝子を検出するPCRアッセイは、異なるHPV型に由来する配列を検出するにも関わらず、単一の遺伝子座についてのアッセイである。これに対し、例えば、単一のHPV型のL1遺伝子およびE1遺伝子を検出するアッセイは、単一のHPV型を検出するアッセイではあるが、多重遺伝子座アッセイである。
【0037】
本明細書で用いられる「HPV」とは、ヒトパピローマウイルスを意味する。「HPV」とは、現在知られているものであれ、以下で説明されるものであれ、任意の種類のHPVを指すのに用いられる一般的な用語である。
【0038】
本明細書で用いられる「フルオロフォア」とは、レーザー、タングステン灯、水銀灯、もしくはキセノン灯、または発光ダイオードで励起されると、確定したスペクトルを有する光の形態でエネルギーを放出する蛍光レポーター分子を指す。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)過程において、フルオロフォアから発せられる光は、その励起スペクトルが、このフルオロフォアの発光スペクトルと重複する第2の分子を励起させうる。フルオロフォアの発光エネルギーが別の分子へと移動することにより、フルオロフォアの発光を消光させる。この第2の分子は、クエンチャー分子として知られている。本明細書では、「フルオロフォア」という用語が、「蛍光レポーター」という用語と互換的に用いられる。
【0039】
本明細書で用いられる「クエンチャー」または「クエンチャー分子」とは、フルオロフォアを含む蛍光プローブと連結されると、フルオロフォアにより発せられるエネルギーを受け取り、これにより、フルオロフォアの発光を消光させることが可能な分子を指す。クエンチャーは、蛍光性で、受け取ったエネルギーを光として放出する場合もあり、非蛍光性で、受け取ったエネルギーを熱として放出する場合もあり、プローブの長さに沿った任意の位置に結合させることができる。
【0040】
本明細書で用いられる「ダーククエンチャー」とは、非蛍光性クエンチャーを指す。
【0041】
本明細書で用いられる「プローブ」とは、該プローブのうちの少なくとも1つの配列による、標的領域内の配列または検出される領域内の配列との相補性のために、標的核酸内の配列と共に二重鎖構造を形成することが可能なオリゴヌクレオチドを指す。「プローブ」という用語は、フルオロフォアおよび結合させたクエンチャー分子を伴うかまたは伴わない、上記で説明したオリゴヌクレオチドを包含する。「蛍光プローブ」という用語は、フルオロフォアおよびクエンチャー分子を含むプローブを指す。
【0042】
本明細書で用いられる「FAM」とは、フルオロフォアである、6−カルボキシフルオレセインを指す。
【0043】
本発明の他の実施形態は、HPVのE6/E7遺伝子領域に結合する、異なるオリゴヌクレオチド配列を用いる。本明細書で説明されるオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列(およびその相補鎖)に結合することが可能な配列を有する。本明細書で説明されるオリゴヌクレオチドはまた、HPVのE6/E7遺伝子の核酸配列を増幅することによる検出を容易とするように、単独で用いることもでき、組み合わせて用いることもできる。一実施形態では、遺伝子の標的部分において、Taq−Man(登録商標)リアルタイムPCRアッセイを実施するようにプローブを設計する。Taq−Man(登録商標)リアルタイムPCRアッセイに用いられる3つの縮重プローブのセット(それらのオリゴヌクレオチド配列との関係で説明される)の例については、以下で説明する。
【0044】
具体的に述べると、第1の縮重プライマー/プローブのセットがHPVの39型および68型に対するセットである第1の実施形態では、HPVの39型を優先するプライマー/プローブのセットが、配列番号1、3および5である。HPVの68型を優先するプライマー/プローブのセットは、配列番号2、4および6である。配列番号1および2はいずれも、Taq−Manのフォワードプライマーであり、互いに対して縮重している。配列番号3および4はいずれも、Taq−Manのリバースプライマーであり、互いに対して縮重している。配列番号5および6はいずれも、Taq−Manのプローブであり、互いに対して縮重している。HPVの33型および58型に対する縮重プライマー/プローブのセットは、配列番号7〜16であり、これには、2つの代替的なリバースプライマーの配列が含まれるが、配列番号13および14が好ましい。HPVの56型および66型に対する縮重プライマー/プローブのセットは、配列番号17〜23である。HPVの51血清型を選択するかまたは識別するプライマー/プローブの配列は、配列番号24〜29である。HPVの59型を選択するかまたは識別するプライマー/プローブの配列は、配列番号30〜35である。上記で言及したすべての配列を、以下の表1に列挙する。以下の表では、「D」を検出物質とし、「FP」をフォワードプライマーとし、「RP」をリバースプライマーとする。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
上記の表に記載したプライマー/プローブのセットの標的領域の位置を、以下の表1Aに記載する。
【0049】
【表4】
【0050】
縮重プライマー/プローブのセットの標的領域間には配列の相同性が存在するが、これらの領域の座標は、遺伝子型に依存する。
【0051】
さらなる実施形態では、本方法は、異なるが近縁の2つのHPV型を選択するための少なくとも1つの縮重プライマー/プローブのセットと、第3のHPV型を識別するプライマー/プローブのセットとを用いて試料を処理する工程を含む。この場合、縮重プローブのシグナル部分は同じ波長のシグナルを発し、好ましくは、2つの縮重プローブでシグナル発生部分は同じである。第3のHPV型を識別するプライマー/プローブのセットのシグナル発生部分は、縮重プローブのシグナル発生部分により発せられる波長とは異なり、したがって、個別に検出可能である波長のシグナルを発する。これらのプライマー/プローブのセットは、増幅された核酸産物の存在または非存在を検出するための核酸増幅反応において用いられる。
【0052】
別の実施形態では、HPVを検出するためのキットが提供される。該キットは、異なるが近縁の2つのHPV型を選択する少なくとも1つの縮重プライマー/プローブのセットと、第3のHPV型を識別するプライマー/プローブのセットとを包含する。この場合、縮重プローブのシグナル部分は、同じ波長のシグナルを発し、好ましくは、2つの縮重プローブでシグナル発生部分は同じである。第3のHPV型を識別するプライマー/プローブのセットのシグナル発生部分は、縮重プローブのシグナル発生部分により発せられる波長とは異なり、したがって、個別に検出可能である波長のシグナルを発する。プライマー/プローブのセットは、その生物を検出するのに用いることができる標的配列を増幅することが可能である。キットには、増幅アッセイを実施するためのオリゴヌクレオチドのうちの1または複数、および緩衝剤試薬が備えられている。
【0053】
キットのさらに別の態様では、Taq−Man PCRを目的とするオリゴヌクレオチドおよび試薬を提供することができる。この態様では、3つのオリゴヌクレオチドが提供される。3つのオリゴヌクレオチドのうちの2つは、増幅プライマーであり、第3のオリゴヌクレオチドは、検出物質として構成されている。