【文献】
赤井和幸,スマートコミュニティ実現に向けたIEEE1888による機器情報管理手法の検討,情報処理学会研究報告 2012(平成24)年度(1) [CD−ROM],日本,一般社団法人情報処理学会,2012年 6月15日,p.1−7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
データ通信システムにおける代行サーバ装置、ノード検索装置、および、通信ネットワークのノードを構成するノード機器としての各コンピュータに処理を実行させるコンピュータであって、
前記代行サーバ装置としてのコンピュータに、
通信ネットワークのノードを構成するノード機器に対応付けられたアドレスを宛先とする処理要求を受信する第1受信ステップと、
前記処理要求を、当該処理要求の宛先に対応付けられたノード機器である処理要求先ノード機器が処理可能な通信プロトコルに変換するプロトコル変換ステップと、
前記プロトコル変換ステップにて通信プロトコルを変換した処理要求を、前記処理要求先ノード機器へ送信する第1送信ステップと、
を実行させ、
前記ノード検索装置としてのコンピュータに、
ノード機器が実行可能な処理とノード機器のアドレスとが対応付けられたノード情報におけるアドレスとして、前記第1受信ステップにて受信するアドレスである、前記ノード機器に対応付けられたアドレスを登録するアドレス登録ステップと、
処理を指定して当該処理を実行可能なノード機器のアドレスを問い合わせるアドレス問い合わせを受信する第2受信ステップと、
前記ノード情報から、前記アドレス問い合わせにて指定された処理に対応付けられているアドレスを検索する検索ステップと、
検索結果のアドレスを、前記アドレス問い合わせに対する応答として送信する第2送信ステップと、
を実行させ、
前記ノード機器としてのコンピュータに、
当該ノード機器としてのコンピュータの送信部が、処理要求有無の問い合わせを前記代行サーバ装置へ送信する第3送信ステップと、
当該ノード機器としてのコンピュータの受信部が、前記処理要求有無の問い合わせに対する応答として、処理要求を受信する第3受信ステップと、
前記処理要求に従って処理を行う要求処理ステップと、
前記送信部および前記受信部の動作状態と停止状態との切替を管理する動作停止切替管理ステップと、
を実行させ、
前記動作停止切替管理ステップでは、所定タイミング毎に前記送信部および前記受信部を動作状態として前記第3送信ステップおよび前記第3受信ステップを実行し、前記第3受信ステップにおける処理要求の受信完了後、次の所定タイミングまで前記送信部および前記受信部を停止状態とする処理を実行させる
ためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、IEEE1888プロトコルに基づく構成のデータ通信システムに本発明を適用する場合を例に説明するが、本発明の適用範囲はこれに限らない。通信プロトコルの変換を行うサーバ装置を複数具備する様々なシステムに本発明を適用可能である。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態におけるデータ通信システムの構成を示す概略ブロック図である。同図において、データ通信システム1は、レジストリ(Registry)装置11と、代行サーバ装置12と、ゲートウェイ(Gateway;GW)装置21と、簡易ゲートウェイ装置22と、ストレージ(Storage)装置23と、アプリケーション(Application;APP)24と、センサ機器31と、アクチュエータ機器32と、測定データ33と、加工データ34とを具備する。
また、レジストリ装置11と、代行サーバ装置12と、ゲートウェイ装置21と、簡易ゲートウェイ装置22と、ストレージ装置23と、アプリケーション24とは、通信ネットワーク90を介して通信を行う。センサ機器31やアクチュエータ機器32は、ゲートウェイ装置21または簡易ゲートウェイ装置22に接続している。また、測定データ33や加工データ34は、ストレージ装置23が記憶しているデータである。
【0018】
通信ネットワーク90は、レジストリ装置11と、代行サーバ装置12と、ゲートウェイ装置21と、簡易ゲートウェイ装置22と、ストレージ装置23と、アプリケーション24との通信を媒介する。通信ネットワーク90として様々な通信ネットワークを用いることができる。例えば、通信ネットワーク90は、インターネット(Internet)であってもよいし、LAN(Local Area Network)であってもよいし、データ通信システム1専用のネットワークであってもよい。
【0019】
ゲートウェイ装置21は、通信ネットワーク90と、センサ機器31やアクチュエータ機器32や他の通信ネットワークとの接続を仲介して、ゲートウェイ機能を提供する装置である。ここでいうゲートウェイ機能は、通信プロトコルの差異を解消する機能である。具体的には、ゲートウェイ装置21は、センサ機器31の測定データを通信ネットワーク90で使用可能なデータに変換する。また、ゲートウェイ装置21は、アクチュエータ機器32に対する動作指令を、アクチュエータ機器32が実行可能なデータに変換する。また、ゲートウェイ装置21は、通信ネットワーク90の通信プロトコルと他のネットワークの通信プロトコルとのプロトコル変換を行う。
ゲートウェイ装置21は、例えばサーバ装置にて構成される。
【0020】
簡易ゲートウェイ装置22は、通信ネットワーク90と、センサ機器31やアクチュエータ機器32や他の通信ネットワークとの接続を仲介して、ゲートウェイ機能の一部を提供する装置である。例えば、アクチュエータ機器32に接続している簡易ゲートウェイ装置22は、通信ネットワーク90のノードを構成してアクチュエータ機器32を動作させるノード機器の一例に該当する。
【0021】
具体的には、簡易ゲートウェイ装置22は、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24が用いる通信プロトコルよりも簡単な通信プロトコルにて通信ネットワーク90における通信を行う。ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24が用いる通信プロトコルから簡易ゲートウェイ装置22が用いる通信プロトコルへの変換は、代行サーバ装置12が行う。
【0022】
また、簡易ゲートウェイ装置22は、通信機能を常駐させてはおらず、代行サーバ装置12へ問い合わせを行うことで、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24から簡易ゲートウェイ装置22自らへの処理要求(例えば、測定データの送信要求やアクチュエータの動作要求)を取得する。そのために、代行サーバ装置12が簡易ゲートウェイ装置22宛のメッセージを一時的に記憶しておく。
【0023】
図2は、簡易ゲートウェイ装置22の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、簡易ゲートウェイ装置22は、ネットワーク通信部311と、対配下機器通信部312と、記憶部320と、制御部330とを具備する。制御部330は、通信制御部331と、要求処理部332と、動作停止切替管理部333とを具備する。
【0024】
ネットワーク通信部311は、通信ネットワーク90に接続しており、通信制御部331の制御に従って代行サーバ装置12と通信を行う。特に、ネットワーク通信部311は、処理要求有無の問い合わせを代行サーバ装置12へ送信する。また、ネットワーク通信部311は、処理要求有無の問い合わせに対する応答を受信する。例えば、簡易ゲートウェイ装置22がアクチュエータ機器32に接続している場合、ネットワーク通信部311は、処理要求有無の問い合わせに対する応答として、アクチュエータ機器32に対する動作要求を受信する。また、簡易ゲートウェイ装置22がセンサ機器31に接続している場合、ネットワーク通信部311は、処理要求有無の問い合わせに対する応答として、センサ機器31の測定データの送信要求を受信する。
ネットワーク通信部311は、送信部および受信部の一例に該当する。
【0025】
対配下機器通信部312は、センサ機器31やアクチュエータ機器32に接続しており、要求処理部の制御に従って通信を行う。例えば、対配下機器通信部312がアクチュエータ機器32に接続している場合、当該対配下機器通信部312は動作指令をアクチュエータ機器32へ送信する。また、対配下機器通信部312がセンサ機器31に接続している場合、当該対配下機器通信部312はセンサ機器31からの測定データを受信する。
記憶部320は、簡易ゲートウェイ装置22が具備する記憶デバイスにて構成され、各種データを記憶する。例えば、記憶部320は、ネットワーク通信部311が受信した処理要求を一時的に記憶する。
【0026】
制御部330は、簡易ゲートウェイ装置22の各部を制御して各種機能を実行する。制御部330は、例えば、簡易ゲートウェイ装置22の具備するCPU(Central Processing Unit;中央処理装置)が記憶部320からプログラムを読み出して実行することで構成される。
通信制御部331は、ネットワーク通信部311を制御して、代行サーバ装置12との通信を行わせる。
通信制御部331は常駐せず、例えば一定時間毎に動作する。これにより、簡易ゲートウェイ装置22の消費電力を低減させることができる。
【0027】
また、上述したように、通信制御部331は、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24が用いる通信プロトコルよりも簡単な通信プロトコルにて、ネットワーク通信部311に代行サーバ装置12との通信を行わせる。これにより、通信制御部331の処理負荷を低減させることができる。従って、簡易ゲートウェイ装置22は、高性能なCPUを具備する必要が無く、簡易ゲートウェイ装置22の製造コストや消費電力を低減させることができる。
ネットワーク通信部311と通信制御部331との組み合わせは、送信部および受信部の一例に該当する。
【0028】
要求処理部332は、対配下機器通信部312を制御して、対配下機器通信部312に接続しているセンサ機器31やアクチュエータ機器32と通信を行わせる。例えば、対配下機器通信部312がセンサ機器31に接続している場合、当該センサ機器31が測定データを送信すると、要求処理部332は対配下機器通信部312を介して測定データを受信して記憶部320に記憶させる。
【0029】
また、要求処理部332は、ネットワーク通信部311が受信した処理要求に応じた処理を行う。例えば、ネットワーク通信部311が処理要求としてアクチュエータ機器32の動作要求を受信すると、要求処理部332は、対配下機器通信部312を介してアクチュエータ機器32へ動作指令を送信することで、動作要求に従ってアクチュエータ機器32を動作させる。また、ネットワーク通信部311が処理要求としてセンサ機器31の測定データを受信すると、要求処理部332は、記憶部320が記憶している測定データを読み出して通信制御部331へ出力することで、当該測定データを代行サーバ装置12へ送信させる。
要求処理部332は常駐せず、センサ機器31が測定データを送信するタイミングや、ネットワーク通信部311が処理要求を受信するタイミングに応じて動作する。これにより、簡易ゲートウェイ装置22の消費電力を低減させることができる。
【0030】
動作停止切替管理部333は、ネットワーク通信部311と通信制御部331とで構成する送信部および受信部の動作状態と停止状態との切替を管理する。具体的には、動作停止切替管理部333は、例えば一定周期毎など所定タイミング毎に、通信制御部331の処理を実行するプロセスを起動させることで、通信制御部331を動作状態とし、もって、送信部および受信部を動作状態とする。また、動作停止切替管理部333は、処理要求の受信が完了した後、通信制御部331の処理を実行するプロセスを終了させることで、通信制御部331を停止状態とし、もって、送信部および受信部を、次の所定タイミングまで停止状態とする。
【0031】
通信制御部331が動作状態となって送信部が動作状態となることで、処理要求有無の問い合わせの送信が可能になる。また、通信制御部331が動作状態となって受信部が動作状態となることで、処理要求の待受および受信が可能になる。
一方、通信制御部331が停止状態となることで、制御部330の処理負荷が低減し、制御部330の動作に要する消費電力を低減させることができる。
【0032】
また、動作停止切替管理部333は、要求処理部332の動作状態と停止状態との切替を管理する。
例えば、簡易ゲートウェイ装置21がアクチュエータ機器32に接続している場合、動作停止切替管理部333は、ネットワーク通信部311が、処理要求としてアクチュエータ機器32に対する動作要求を受信すると、要求処理部332の処理を実行するプロセスを起動させることで、要求処理部332を動作状態とする。要求処理部332が動作状態となることで、当該要求処理部332は、アクチュエータ機器32を動作要求に従って動作させるよう制御することができる。
そして、動作停止切替管理部333は、動作要求に従ってのアクチュエータ機器32の動作完了後、要求処理部332の処理を実行するプロセスを終了させることで、要求処理部332を停止状態とする。要求処理部332が停止状態となることで、制御部330の処理負荷が低減させることができ、制御部330の動作に要する消費電力を低減させることができる。
【0033】
また、例えば、簡易ゲートウェイ装置21がセンサ機器31に接続している場合、動作停止切替管理部333は、センサ機器31の測定実行タイミングなど所定タイミング毎に、要求処理部332の処理を実行するプロセスを起動させることで、要求処理部332を動作状態とする。要求処理部332が動作状態となることで、当該要求処理部332は、センサ機器31からの測定データを記憶部320に記憶させるなど、測定データに対する処理を実行することができる。
そして、動作停止切替管理部333は、センサ機器31からの測定データに対する要求処理部332の処理完了後、要求処理部332の処理を実行するプロセスを終了させることで、要求処理部332を停止状態とする。要求処理部332が停止状態となることで、制御部330の処理負荷を低減させることができ、制御部330の動作に要する消費電力を低減させることができる。
【0034】
なお、動作停止切替管理部333が、送信部や受信部の停止状態において、送信部や受信部への電源やクロック信号の供給を停止するようにしてもよい。
例えば、通信制御部331の停止状態において、動作停止切替管理部333が、ネットワーク通信部311を構成する通信回路への電源供給やクロック信号の供給を停止するよう、簡易ゲートウェイ装置21の具備する電源回路やクロック回路を制御するようにしてもよい。
また、通信制御部331と動作停止切替管理部333とを、異なるプロセッサを用いて構成しておき、通信制御部331の停止状態において、動作停止切替管理部333が、通信制御部331を構成するプロセッサへの電源供給やクロック信号の供給を停止するようにしてもよい。
【0035】
また、要求処理部332の停止状態において、動作停止切替管理部333が、対配下機器通信部312を構成する通信回路への電源供給やクロック信号の供給を停止するようにしてもよい。
また、要求処理部332と動作停止切替管理部333とを、異なるプロセッサを用いて構成しておき、要求処理部332の停止状態において、動作停止切替管理部333が、要求処理部332を構成するプロセッサへの電源供給やクロック信号の供給を停止するようにしてもよい。
このように、動作停止切替管理部333が、電源やクロック信号の供給/停止を管理することで、簡易ゲートウェイ装置21の消費電力をさらに低減させることができる。
【0036】
特に、通信配線敷設の負担や配線の複雑化を避けるために、例えば無線LANまたはZigBee(登録商標)などの無線通信回路を用いてネットワーク通信部311を構成することが考えられ、一般的に有線通信の場合よりも消費電力が大きくなる。そこで、動作停止切替管理部333が、ネットワーク通信部311を構成する通信回路への電源供給やクロック信号の供給を停止することで、より大きな消費電力低減効果を得られる。
【0037】
図1に戻って、代行サーバ装置12は、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24と簡易ゲートウェイ装置22との通信を仲介する。具体的には、代行サーバ装置12は、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24が用いる通信プロトコルと簡易ゲートウェイ装置22が用いる通信プロトコルとのプロトコル変換を行う。
また、代行サーバ装置12は、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24から簡易ゲートウェイ装置22への処理要求を一時的に記憶し、記憶している処理要求を、簡易ゲートウェイ装置22からの問い合わせに応じて纏めて送信する。
【0038】
図3は、代行サーバ装置12の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、代行サーバ装置12は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを具備する。記憶部220は、アドレス記憶部221と、プロトコル記憶部222と、処理要求記憶部223とを具備する。制御部230は、通信制御部231を具備する。
【0039】
通信部210は、通信ネットワーク90に接続しており、通信制御部231の制御に従ってゲートウェイ装置21や簡易ゲートウェイ装置22やストレージ装置23やアプリケーション24と通信を行う。
ここで、上述したように、簡易ゲートウェイ装置22は通信機能を常駐させていない。そこで、通信部210は、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24から簡易ゲートウェイ装置22への処理要求を、簡易ゲートウェイ装置22に代わって受信する。具体的には、代行サーバ装置12は、自らが受け持つ簡易ゲートウェイ装置22毎に、当該簡易ゲートウェイ装置22に対応付けられたアドレスを有する。ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24は、簡易ゲートウェイ装置22へ処理要求を送信する際、送信先の簡易ゲートウェイ装置22に対応付けられたアドレス宛に当該処理要求を送信し、通信部210が当該処理要求を受信する。
【0040】
また、通信部210は、処理要求有無の問い合わせを簡易ゲートウェイ装置22から受信する。そして、通信部210は、問い合わせ元の簡易ゲートウェイ装置22宛の処理要求を当該簡易ゲートウェイ装置22宛に、簡易ゲートウェイ装置22との通信プロトコルにて送信する。より具体的には、簡易ゲートウェイ装置22は、上記のように代行サーバ装置12(記憶部220)が一時的に記憶している処理要求を、処理要求有無の問い合わせに対する応答として問い合わせ元の簡易ゲートウェイ装置22へ送信する。
【0041】
記憶部220は、代行サーバ装置12が具備する記憶デバイスにて構成され、各種データを記憶する。
アドレス記憶部221は、代行サーバ装置12が簡易ゲートウェイ装置22毎に有しているアドレスを記憶する。
プロトコル記憶部222は、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24と通信を行う際の通信プロトコルと、簡易ゲートウェイ装置22と通信を行う際の通信プロトコルとを記憶する。
処理要求記憶部223は、通信部210が受信した、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24から簡易ゲートウェイ装置22への処理要求を一時的に(通信部210が簡易ゲートウェイ装置22へ送信するまで)記憶する。
【0042】
制御部230は、代行サーバ装置12の各部を制御して各種機能を実行する。制御部230は、例えば、代行サーバ装置12の具備するCPUが記憶部220からプログラムを読み出して実行することで構成される。
通信制御部231は、通信部210を制御して、ゲートウェイ装置21や簡易ゲートウェイ装置22やストレージ装置23やアプリケーション24と通信を行わせる。上述したように、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24と簡易ゲートウェイ装置22とでは、使用する通信プロトコルが異なるため、通信制御部231は、通信相手に応じた通信プロトコルをプロトコル記憶部222から読み出し、読み出した通信プロトコルに従って通信部210を制御する。これにより、通信制御部231は、通信部210を制御して処理要求を簡易ゲートウェイ装置22へ送信させる際、受信時の通信プロトコルから簡易ゲートウェイ装置22が処理可能な通信プロトコルへと変換する。
通信制御部231は、プロトコル変換部の一例に該当する。また、通信部210と通信制御部231との組み合わせは、送信部および受信部の一例に該当する。
【0043】
図1に戻って、ストレージ装置23は、ストレージ機能を提供する。ここでいうストレージ機能は、センサ機器31の測定データや、当該測定データを加工したデータ(加工データ)など、各種データを記憶(蓄積)する機能である。ストレージ装置23は、例えばネットワークストレージ(NAS;Network Attached Storage)機器などの記憶デバイスを用いて構成される。
【0044】
アプリケーション24は、アプリケーション機能を提供する。ここでいうアプリケーション機能は、コンピュータがアプリケーションプログラムを実行することで得られる機能である。特に、アプリケーション24は、例えばセンサ機器31の測定データの見える化(視覚的表示)など、データ通信を伴うアプリケーション機能を提供する。
【0045】
センサ機器31は、測定を行って測定データを出力する。ここで、測定を行う様々な機器をセンサ機器31として用いることができる。例えば、センサ機器31は、温度センサや電力センサやなどのデジタルセンサまたはアナログセンサであってもよいし、人感センサなどのON/OFFセンサであってもよい。
【0046】
アクチュエータ機器32は、動作指令を受けて動作する。ここで、制御対象となる様々な機器をアクチュエータ機器32として用いることができる。例えば、アクチュエータ機器32は、電源スイッチのようにON/OFF動作を行う機器であってもよいし、空調機器における温度調整機能のように数値制御される機器であってもよい。
【0047】
測定データ33は、ストレージ装置23が記憶しているセンサ機器31の測定データである。加工データ34は、ストレージ装置23が記憶している加工データ(センサ機器31の測定データを加工したデータ)である。測定データ33や加工データ34は、ストレージ装置23が記憶するデータの例に該当する。但し、ストレージ装置23が記憶するデータはこれに限らず、例えば、ユーザ入力にて得られたデータや、当該データの加工データをストレージ装置23が記憶するようにしてもよい。
【0048】
以下では、ゲートウェイ機能と、ストレージ機能と、アプリケーション機能とを総称して「コンポーネント」または「コンポーネント20」と表記する。また、「コンポーネント」の表記において、ゲートウェイ機能とゲートウェイ装置ないし簡易ゲートウェイ装置と、および、ストレージ機能とストレージ装置とを同視する。従って、ゲートウェイ装置や簡易ゲートウェイ装置やストレージ装置をコンポーネントとも称する。コンポーネントは、通信ネットワーク90のノードに該当する。
データ通信システム1が具備するコンポーネントの個数は、
図1に示す6つに限らず、1つ以上であればよい。
【0049】
また、以下では、センサ機器の測定データと、アクチュエータ機器への指令としてのデータと、ストレージ装置が記憶しているデータとを総称して「ポイント」または「ポイント30」と表記する。また、「ポイント」の表記において、センサ機器の測定データとセンサ機器と、および、アクチュエータ機器への指令とアクチュエータ機器とを同視する。従って、センサ機器やアクチュエータ機器をポイントとも称する。
【0050】
なお、「ポイント」の表記において、同一のソース(源)から得られるデータを同視する。例えば、センサ機器31の測定データと、ストレージ装置23が記憶しているセンサ機器31の過去の測定データなど、1つのセンサ機器から得られる一連の時系列データを同一のポイントと見做す。
データ通信システム1が具備するポイントの個数は、
図1に示す7つに限らず任意の個数であってよい。
【0051】
レジストリ装置11は、レジストリ機能を提供する。ここでいうレジストリ機能は、データ通信システム1の構成要素としてのコンポーネントやポイントに関する情報を記憶し、コンポーネントに提供する機能である。レジストリ装置11は、例えばサーバ装置にて構成される。
レジストリ装置11は、ノード検索装置の一例に該当する。
【0052】
図4は、レジストリ装置11の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、レジストリ装置11は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを具備する。記憶部120は、コンポーネント情報記憶部121を具備する。制御部130は、通信制御部131と、アドレス登録部132と、検索部133とを具備する。
【0053】
通信部110は、通信ネットワーク90に接続しており、通信制御部131の制御に従って通信を行う。特に、通信部110は、処理を指定して当該処理を実行可能なコンポーネントのアドレスを問い合わせるアドレス問い合わせを受信する。例えば、通信部110は、IEEE1888プロトコルにおける、コンポーネントのLOOKUPを受信する。
また、通信部110は、アドレス問い合わせに対する応答として、検索部133による該当アドレスの検索にて得られたアドレスを送信する。
【0054】
記憶部120は、レジストリ装置11が具備する記憶デバイスにて構成され、各種データを記憶する。
コンポーネント情報記憶部121は、コンポーネントが実行可能な処理とコンポーネントのアドレスとが対応付けられたコンポーネント表を記憶する。コンポーネント情報記憶部121はノード情報記憶部の一例に該当し、コンポーネント表はノード情報の一例に該当する。
【0055】
図5は、コンポーネント情報記憶部121が記憶するコンポーネント表の例を示す説明図である。同図に示すコンポーネント表は、コンポーネント表本体T11と、配下ポイント表T12とを有する。コンポーネント表本体T11は、「コンポーネント名」欄と、「URI」欄と、「リンク」欄とを有している。また、コンポーネント表本体T11の1行が、1つのコンポーネントに対応する。
【0056】
「コンポーネント名」欄は、コンポーネント毎に付されているコンポーネント名を格納する。コンポーネント名は、コンポーネントの識別情報の一例に該当する。
「URI」欄は、コンポーネントのURI(Uniform Resource Identifier)を格納する。コンポーネントのURIは、通信ネットワーク90におけるコンポーネントのアドレスの一例に該当する。
【0057】
図5の例において、簡易ゲートウェイ1の行のURL「http://repre1.co.jp/gw1」は、代行サーバ装置が、簡易ゲートウェイ1に対応付けて有しているアドレスである。また、簡易ゲートウェイ2の行のURL「http://repre1.co.jp/gw2」は、代行サーバ装置が、簡易ゲートウェイ2に対応付けて有しているアドレスである。
【0058】
このように、簡易ゲートウェイ装置のアドレスに代えて代行サーバ装置のアドレスを登録しておくことで、アドレスを検索する検索部133は、簡易ゲートウェイ装置のアドレスに代えて代行サーバ装置のアドレスを取得し、検索要求元のコンポーネントへ応答する。そして、応答を受けたコンポーネントが、簡易ゲートウェイに対する処理要求を、当該アドレスを用いて送信することで、通信機能を停止中の簡易ゲートウェイ装置に代わって代行サーバ装置が処理要求を受信することができる。
【0059】
また、簡易ゲートウェイ装置毎に異なるアドレスを有することで、当該アドレスにてゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24から処理要求を受信した代行サーバ装置は、アドレスを参照することで、処理要求先の簡易ゲートウェイ装置を識別することができる。
【0060】
「リンク」欄は、コンポーネント表本体の行から配下ポイント表へのリンクを示す欄である。当該リンクは、コンポーネント表本体の行から高々1つの配下ポイント表へ辿れるものであればよく、様々な表現方法を用いることができる。例えば、配下ポイント表にコンポーネント名を付して、コンポーネント名の一致にてコンポーネント表本体の行と配下ポイント表との対応関係を示すようにしてもよい。この場合、コンポーネント表本体に「リンク」欄を設けなくてもよい。
なお、コンポーネント表本体T11は、コンポーネントの属性情報などコンポーネントに関連する情報をさらに格納する。なお、URIでコンポーネントを識別する場合、「コンポーネント」欄を設けなくてもよい。
【0061】
配下ポイント表T12は、コンポーネントの配下にあるポイントに関する情報を示す。ここで、ポイントがコンポーネントの配下にあるとは、当該コンポーネントがデータとしての当該ポイントを出力すること、または、当該コンポーネントが、制御指令のデータとしての当該ポイントを受け付けることである。
配下ポイント表T12は、「KEY」欄を有している。「KEY」欄は、コンポーネントの配下にあるポイントの識別情報(
図5の例ではポイント名)を格納する。
図5の例では、既存コンポーネントBの配下には、ポイントaとポイントbとがある。また、簡易ゲートウェイ1の配下には、ポイントaとポイントcとがある。
【0062】
例えば、ポイントaが測定データのポイントである場合、
図5のコンポーネント表は、既存コンポーネントBや簡易ゲートウェイ1の配下にポイントaがあることを示すことで、既存コンポーネントBや簡易ゲートウェイ1が当該データを提供可能であることを示している。このように、コンポーネント情報記憶部121が記憶するコンポーネント表において、コンポーネントが実行可能な処理とコンポーネントのアドレスとが対応付けられている。
【0063】
なお、コンポーネントが配下ポイントを有していない場合や、配下のポイントを登録していない場合は、当該コンポーネントに対応する配下ポイント表は設けられない。
なお、配下ポイント表が、配下のポイントの属性情報など、配下のポイントに関する情報をさらに格納するようにしてもよい。
なお、コンポーネント情報記憶部121がコンポーネントの情報を記憶する形式として、コンポーネント表のような表形式に限らず、様々な形式を用いることができる。
【0064】
制御部130は、レジストリ装置11の各部を制御して各種機能を実行する。制御部130は、例えば、レジストリ装置11の具備するCPUが記憶部120からプログラムを読み出して実行することで構成される。
通信制御部131は、通信部110を制御して通信を行わせる。通信部110と通信制御部131との組み合わせは、送信部および受信部の一例に該当する。
【0065】
アドレス登録部132は、コンポーネント情報記憶部121の記憶するコンポーネント表にコンポーネントの情報を登録する。特に、アドレス登録部132は、コンポーネント表におけるアドレスとして、代行サーバ装置12の通信部210が受信するアドレスである、当該代行サーバ装置12が受け持つ簡易ゲートウェイ装置22に対応付けられたアドレスを登録する。
【0066】
例えば、代行サーバ装置12が、自らの受け持つ簡易ゲートウェイ装置22が実行可能な処理と、当該簡易ゲートウェイ装置22に対応付けられた、代行サーバ装置12自らが有するアドレスとを対応付けた登録要求を、レジストリ装置11へ送信する。そして、レジストリ装置11では、アドレス登録部132が当該登録要求に従って、簡易ゲートウェイ装置22が実行可能な処理と、当該簡易ゲートウェイ装置22に対応付けられた、代行サーバ装置12自らが有するアドレスとをコンポーネント表に登録する。
検索部133は、通信部110がアドレス問い合わせを受信すると、アドレス問い合わせにて指定されている処理に、コンポーネント表において対応付けられているアドレスを検索する。
【0067】
次に、
図6を参照して、データ通信システム1の動作について説明する。
図6は、データ通信システム1が行う処理の例を示すシーケンス図である。同図のシーケンスS111は、簡易ゲートウェイが実行可能な処理をコンポーネント表に登録する処理手順の第1の例を示している。
シーケンスS111において、簡易ゲートウェイは、コンポーネントのREGISTRATION手順にて簡易ゲートウェイ自らの情報をコンポーネント表に登録している。ここで、コンポーネントのREGISTRATION手順は、コンポーネント表へのコンポーネントの情報の登録や変更や削除を行う手順である。
【0068】
簡易ゲートウェイが簡易ゲートウェイ自らの情報をコンポーネント表に登録する際、代行サーバは、簡易ゲートウェイに対応付けて代行サーバ自らが有しているアドレスを、コンポーネント表に登録している。これにより、
図5の例のように、簡易ゲートウェイが実行可能な処理と、簡易ゲートウェイに対応付けて代行サーバが有するアドレスとを、コンポーネント表に登録することができる。
なお、簡易ゲートウェイと代行サーバとが、それぞれ、コンポーネント表への登録を行うようにしてもよいし、簡易ゲートウェイまたは代行サーバが、簡易ゲートウェイの情報と代行サーバの有するアドレスとを纏めてコンポーネント表に登録するようにしてもよい。特に、簡易ゲートウェイが、簡易ゲートウェイの情報と代行サーバの有するアドレスとを纏めてコンポーネント表に登録するようにすることで、代行サーバのなりすましを防止することができる。
【0069】
シーケンスS121〜S124は、簡易ゲートウェイが実行可能な処理をコンポーネント表に登録する処理手順の第2の例を示している。
シーケンスS121において、簡易ゲートウェイは、コンポーネントのREGISTRATION手順にて簡易ゲートウェイ自らの情報をコンポーネント表に登録している。その際、簡易ゲートウェイは、自らのアドレスをコンポーネント表に登録する。
【0070】
その後、シーケンスS122において、代行サーバは、コンポーネントのLOOKUP手順にて、コンポーネント表に登録されている簡易ゲートウェイの情報の検索をレジストリに要求している。ここで、コンポーネントのLOOKUP手順は、コンポーネント表の検索を行う手順である。
そして、シーケンスS123において、レジストリは、シーケンスS121で登録された簡易ゲートウェイの情報を含む検索結果を応答している。
【0071】
シーケンスS124では、代行サーバは、検索にて得られた簡易ゲートウェイの情報に基づいて、簡易ゲートウェイに対して、当該簡易ゲートウェイに対応して代行サーバが有しているアドレス(
図6の例ではアクセスURI)を通知している。
ここで、上述したように、簡易ゲートウェイは通信機能を常駐させていない。そこで、代行サーバは、例えば、シーケンスS123にて簡易ゲートウェイの情報を取得した後、最初に当該簡易ゲートウェイから処理要求の問い合わせを受けた際に、シーケンスS124の処理を行う。
あるいは、簡易ゲートウェイが、シーケンスS121の処理を行った後、代行サーバからアドレスを取得するまでは、通信機能を起動させておくようにしてもよい。この場合、代行サーバは、任意のタイミングで簡易ゲートウェイにアドレスを通知することができる。
【0072】
シーケンスS125において、簡易ゲートウェイは、代行サーバからの通知に基づいて、コンポーネントのREGISTRATION手順にて、コンポーネント表に登録されている簡易ゲートウェイ自らのアドレスを、当該簡易ゲートウェイに対応して代行サーバが有しているアドレスに書き換えている。これにより、
図5の例のように、簡易ゲートウェイが実行可能な処理と、簡易ゲートウェイに対応付けて代行サーバが有するアドレスとを、コンポーネント表に登録することができる。
【0073】
なお、シーケンスS124〜S125の処理において、代行サーバが直接、コンポーネント表に登録されている簡易ゲートウェイのアドレスを、当該簡易ゲートウェイに対応して代行サーバが有しているアドレスに書き換えるようにしてもよい。この場合、代行サーバが簡易ゲートウェイから処理要求の問い合わせを待つ必要無しに、また、簡易ゲートウェイが通信機能を起動させておく必要無しに、アドレスの書き換えを行うことができる。
一方、
図6の例のように簡易ゲートウェイがアドレスの書き換えを行うことで、代行サーバのなりすましを防止することができる。
【0074】
シーケンスS131〜S133は、コンポーネントがアクチュエータに対して動作要求を行う処理手順の例を示している。
シーケンスS131において、アクチュエータを動作させたいコンポーネントは、コンポーネントのLOOKUP手順にて、ゲートウェイや簡易ゲートウェイの配下のアクチュエータの検索をレジストリに要求している。
【0075】
これに対して、シーケンスS132においてレジストリは、シーケンスS111またはシーケンスS121〜S124で登録された簡易ゲートウェイの情報を含む検索結果を応答している。この簡易ゲートウェイの情報は、アドレスとして簡易ゲートウェイに対応付けて代行サーバが有するアドレスを含んでいる。
シーケンスS133では、コンポーネントは、シーケンスS132で得られた検索結果に基づいて、簡易ゲートウェイの配下のアクチュエータに対する動作要求を、代行サーバの有するアドレスへ送信している。代行サーバは、この動作要求を受信し記憶しておく。
【0076】
シーケンスS141〜S143は、簡易ゲートウェイが動作要求を取得してアクチュエータを動作させる処理手順の例を示している。
シーケンスS141において、簡易ゲートウェイは、簡易ゲートウェイ自らに対する処理要求の有無をFETCH手順にて代行サーバへ問い合わせている。ここで、FETCH手順は、あるコンポーネントが別のコンポーネントに存在するデータを取得する手順である。
【0077】
これに対して、シーケンスS142において、代行サーバは、前回の問い合わせの後に受信した当該簡易ゲートウェイへの処理要求を纏めて応答している。シーケンスS142において代行サーバが解答する処理要求には、シーケンスS133で受信した動作要求が含まれている。
そして、シーケンスS143では、簡易ゲートウェイが、シーケンスS142で取得した処理要求に応じた処理を実行している。例えば、簡易ゲートウェイは、シーケンスS133で代行サーバが受信した動作要求に従って、簡易ゲートウェイ自らの配下のアクチュエータを動作させている。
【0078】
以上のように、代行サーバ装置12において通信部210は、簡易ゲートウェイ装置22に対応付けられたアドレスを宛先とする処理要求を受信する。そして、通信制御部231は、当該処理要求を、処理要求先の簡易ゲートウェイ装置22が処理可能な通信プロトコルに変換し、通信部210は、プロトコル変換された処理要求を、通信制御部231の制御に従って処理要求先の簡易ゲートウェイ装置22へ送信する。
【0079】
このように、代行サーバ装置12が処理要求をプロトコル変換することで、簡易ゲートウェイ装置22は、ゲートウェイ装置21やストレージ装置23やアプリケーション24が用いる通信プロトコルよりも簡単な通信プロトコルにて、代行サーバ装置12との通信を行うことができる。これにより、簡易ゲートウェイ装置22の処理負荷を低減させることができる。従って、簡易ゲートウェイ装置22は、高性能なCPUを具備する必要が無く、簡易ゲートウェイ装置22の製造コストや消費電力を低減させることができる。
【0080】
特に、大量のセンサ機器31やアクチュエータ機器32を備えるデータ通信システム1を新設する場合や、既存のデータ通信システム1に大量のセンサ機器31やアクチュエータ機器32を増設する場合において、新設ないし増設するセンサ機器31やアクチュエータ機器32を管理するゲートウェイとして簡易ゲートウェイ装置22を用いることで、新設の場合の製造コストや運用コスト、あるいは、増設の場合の、作業者の負担や増設費用を低減させることができる。
【0081】
また、レジストリ装置11においてアドレス登録部132は、簡易ゲートウェイ装置22の情報と、当該簡易ゲートウェイ装置22に対応付けて代行サーバ装置12が有するアドレスとをコンポーネント表に登録する。そして、検索部133は、アドレスの問い合わせに対してコンポーネント表を参照し、簡易ゲートウェイ装置22のアドレスに代えて、当該簡易ゲートウェイ装置22に対応付けて代行サーバ装置12が有するアドレスを応答する。
これにより、代行サーバ装置12は、特別な処理を行わずとも自らの有するアドレス宛の処理要求を受信することで、簡易ゲートウェイ装置22に代わって処理要求を受信することができる。
【0082】
また、代行サーバ装置12において、簡易ゲートウェイ装置22に代わって代行サーバ装置12(通信部210)が受信した処理要求を処理要求記憶部223が記憶しておく。そして、通信部210は、処理要求有無の問い合わせを簡易ゲートウェイ装置22から受信すると、制御部230の制御に従って、処理要求記憶部223が記憶している処理要求を、処理要求有無の問い合わせに対する応答として、簡易ゲートウェイ装置22へ送信する。
このように、代行サーバ装置12が簡易ゲートウェイ装置22に代わって処理要求を受信し記憶しておくことで、簡易ゲートウェイ装置22は、通信機能を常駐させる必要が無い。これにより、簡易ゲートウェイ装置22の消費電力を低減させることができる。
【0083】
また、簡易ゲートウェイ装置22において、ネットワーク通信部311は、処理要求有無の問い合わせを所定タイミング毎に代行サーバ装置12へ送信し、応答として処理要求を受信する。そして、要求処理部332は、当該処理要求に従って処理を実行する。
このように、簡易ゲートウェイ装置22は、処理要求の有無を代行サーバ装置12へ問い合わせることで、通信機能を常駐させる必要が無い。これにより、簡易ゲートウェイ装置22の消費電力を低減させることができる。
【0084】
例えば、アクチュエータ機器32が配下にある簡易ゲートウェイ装置22において、ネットワーク通信部311は、処理要求有無の問い合わせに対する応答として、アクチュエータ機器32に対する動作要求を受信する。そして、要求処理部332は、当該動作要求に従ってアクチュエータ機器32を動作させる。
例えば、高々1日1回行えばよいゴミの収集処理など、リアルタイム性を要求されない処理について、簡易ゲートウェイ装置22は、簡易ゲートウェイ装置22自らの消費電力を低減させつつ、処理を実行することができる。
【0085】
また、動作停止切替管理部333は、ネットワーク通信部311と通信制御部331とで構成する送信部および受信部の動作状態と停止状態との切替を管理する。具体的には、動作停止切替管理部333は、例えば一定周期毎など所定タイミング毎に、通信制御部331の処理を実行するプロセスを起動させることで、通信制御部331を動作状態とし、もって、送信部および受信部を動作状態とする。また、動作停止切替管理部333は、処理要求の受信が完了した後、通信制御部331の処理を実行するプロセスを終了させることで、通信制御部331を停止状態とし、もって、送信部および受信部を、次の所定タイミングまで停止状態とする。
【0086】
通信制御部331が動作状態となって送信部が動作状態となることで、処理要求有無の問い合わせの送信が可能になる。また、通信制御部331が動作状態となって受信部が動作状態となることで、処理要求の待受および受信が可能になる。
一方、通信制御部331が停止状態となることで、制御部330の処理負荷が低減し、制御部330の動作に要する消費電力を低減させることができる。
【0087】
さらには、動作停止切替管理部333が、送信部および受信部の動作状態と停止状態との切替を管理することで、送信部や受信部の停止状態において、送信部や受信部への電源やクロック信号の供給を停止させることができる。
これにより、簡易ゲートウェイ装置21の消費電力をさらに低減させることができる。
【0088】
特に、通信配線敷設の負担や配線の複雑化を避けるために、例えば無線LANまたはZigBee(登録商標)などの無線通信回路を用いてネットワーク通信部311を構成することが考えられ、一般的に有線通信の場合よりも消費電力が大きくなる。そこで、動作停止切替管理部333が、ネットワーク通信部311を構成する通信回路への電源供給やクロック信号の供給を停止することで、より大きな消費電力低減効果を得られる。
【0089】
また、既存のデータ通信システム1にセンサやアクチュエータを増設する場合、既存の装置の通信プロトコルを変更する必要は無い。従って、既存のシステムに大量のセンサやアクチュエータを増設する場合であっても、作業者の負担や増設費用が大きくなることなく、サーバ装置の消費電力を低減させることができる。
【0090】
なお、レジストリ装置11や代行サーバ装置12や簡易ゲートウェイ装置22の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することで各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0091】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。