(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、給湯機に備えられているリモコンには、給湯温度設定やタンク残湯量、時刻表示といった多くの情報を表示する標準画面を待機画面として表示しておき、必要に応じて表示画面を切り換えるものが一般的である。
【0003】
また、特許文献1の給湯機のように、使用者が浴槽に入っているときにはそれ以外のときとは異なり入浴時間をカウントした画面に切り換えるリモコンが提案されている。
【0004】
また、非特許文献1の給湯機のように、使用者が待機画面を選択して設定することができる給湯機も存在する。この給湯機では、給湯設定温度やンク残湯量、時刻表示といった多くの情報を表示する標準画面と、時計を大きく表示する時刻表示画面とを待機画面として設定可能である。このようにすれば、給湯機を利用していないときであっても給湯機のリモコンを実質的に時計として利用することができ、給湯機のリモコンの有用性を給湯機を利用していないときにも高めることができる。そして、この非特許文献1の給湯機は、ふろ動作中には時刻表示画面が標準画面に切り替わるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この非特許文献1の給湯機は、ふろ動作中には時刻表示画面が標準画面に切り替わるものである。ここで、湯はりや追焚といったふろ動作は通常数分〜数十分程度の長時間を要するものである。従って、ふろ動作中は、使用者にとって有用性の高い時刻表示を表示することができず、使用者の利便性を十分に高めることができないおそれがある。このような問題は、ふろ動作以外にも、動作の完了までに長時間を要するものにも当てはまり得るし、使用者が時刻表示画面以外の画面を選択した場合にも当てはまり得る。
【0008】
そこで、本発明は、標準画面とは異なる画面を待機画面として設定した使用者にとって有用性の高い給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、使用者が指令を入力する入力装置と、情報を表示する表示装置と、給湯機能に関連する動作を行う給湯機本体とを備え、前記表示装置には、使用者が複数種類の画面の中から待機画面を選択可能に構成され、前記複数種類の画
面は、浴槽関係の情報、給湯関係の情報および沸き上げ関係の情報を表示する標準画面と、
この標準画面以外の画面
として時刻表示画面であり、使用者が標準画面
以外の画面として時刻表示画面を待機画面として設定した場合に、使用者が指令する給湯機能に基づく動作が短時間で完了するものは、その動作中に標準画面を表示し、使用者の指令に基づく動作の完了までに長時間を要するものは、
前記給湯機能の動作中に前記時刻表示画面に前記給湯機能に関連する表示要素を
併せて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、標準画面とは異なる画面を待機画面として設定した使用者にとって有用性の高い給湯機を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る給湯機について説明する。
【0013】
図1に示すように、第1実施形態に係る給湯機は電気給湯機であり、給湯機能に関連する動作を行う給湯機本体11を有する。この給湯機本体11は、温水を貯湯する貯湯タンク12と、貯湯タンク12に貯湯するための水を加熱する熱源であるヒートポンプユニット13とを備え、この給湯機本体11へは、給水源(例えば、水道管19)からの給水が配管20を経て供給される。具体的には、給湯機本体11は、給水源から供給された低温水をヒートポンプユニット13で加熱して温水を生成し、生成された温水を貯湯タンク12に貯溜するものである。即ち、給湯機本体11は、貯湯タンク12を備えるタンクユニット16と、ヒートポンプユニット13とを備えて構成される。
【0014】
また、給湯機本体11は、水道管19からの低温水を貯湯タンク12内の温水と熱交換させて加熱し給湯用の温水を生成する給湯熱交換器14を備える。この場合、貯湯タンク12は、低温水と熱交換させる熱媒体としての温水を貯蔵する貯蔵タンクとして機能する。また、給湯機本体11は、浴槽15内から導出した浴槽水を貯湯タンク12内の温水と熱交換させ加熱する追いだき熱交換器18を備える。
【0015】
さらに、給湯機は、湯はり、追いだき、給湯等を行うために使用者が操作するリモコン装置6と、このリモコン装置6からの操作指令等に従って給湯機本体11全体を統括的に制御する本体側制御基板10とを備える。このリモコン装置6は、使用者が指令を入力する入力装置としての機能と、情報を表示する表示装置としての機能とを有している。
【0016】
また、給湯機本体11は、給湯端末に加熱された清水を供給する給湯回路と、浴槽15から取り出した浴槽水を貯湯タンク12に貯蔵される温水(この場合には、熱媒体として機能する)と追いだき熱交換器18によって熱交換させて浴槽15に戻す追いだき回路とを備える。
【0017】
給湯回路には、温水を一般給湯端末(蛇口、シャワー等、本実施形態では、混合栓17)に供給する一般給湯回路21と、温水を浴槽に設けられる浴槽端末に供給する湯はり回路とが含まれる。また、前記給湯回路に供給される清水の供給源としては、水道管19や井戸水等の外部の給水源の他、清水を貯溜する貯湯タンク12が考えられる。
【0018】
ここで、清水とは、使用者が直接接触し得る状態を未だ経ていない使用前の水を指すものであり、給水源からの水や貯湯タンク12に貯溜されている水を含むものである一方、浴槽15等に供給されたような汚れを含む使用後の水(特に、一度浴槽15に供給された浴槽水)とは区別されるものである。
以下、給湯機の各部の構成について詳細に説明する。
【0019】
図3は、給湯機本体11に備えられる本体側制御基板10とリモコン装置6との間で通信を行うシステム構成を示すブロック図である。
【0020】
給湯機本体11と、その給湯機本体11に備えられている本体側制御基板10と、その本体側制御基板10との間でデータ通信を行い、給湯機本体11を遠隔操作するリモコン装置6(リモートコントローラ)とを主要部として構成される。
【0021】
本体側制御基板10は給湯機本体11各部の動作を制御する為の本体側マイコン7と、このマイコン7での制御用データを記憶する本体側データ記憶手段8と、基板外部との通信用の通信部9とが主要部に備えられている。
【0022】
一方、リモコン装置6は、人為操作を行う操作部5と、各種の情報を表示する表示部4と、動作を制御する為のリモコン側マイコン1と、データを記憶するためのマイコン内部記憶装置が備えられ、本体側制御基板10が保有しているデータを記憶する為のリモコン側データ記憶手段2と、本体側制御基板10と通信を行う通信部3とを主要部として備えている。また、
図2は前記リモコン装置6の外観図を示す図である。
【0023】
次に、リモコン装置6の表示画面について説明する。
【0024】
まず、標準画面1の表示内容を
図4を用いて説明する。画面の左の部分には浴槽関係の情報を表示する。具体的には浴槽温度や浴槽水位などの設定値を表示する。左下には現在動作している浴槽給湯関連機能がある場合にその名称を表示する。例えば浴槽給湯関連機能として「ふろ自動」機能が動作中の場合は
図5に示すように「湯はり」と表示し、浴槽給湯関連機能として「ふろ保温」機能が動作中の場合は
図6に示すように「保温あと○:○○」と残り時間を表示する。左上の部分に時刻を表示し、現在の時間がわかるようにする。なお、浴槽給湯関連機能としては、上記以外にも、浴槽水を加熱する追い焚き機能、設定温度の湯を浴槽に供給するたし湯機能、設定温度より高温の湯を浴槽に供給する高温さし湯機能、加熱されていない水を浴槽に供給するさし水機能等がある。
【0025】
次に中央の部分には給湯関係の情報を表示する。具体的には給湯温度の設定値を表示する。また、中央の下部には「浴室優先」や「給湯優先」が設定されている場合には、
図4〜62に示すようにその表示をする。
【0026】
次に右の部分には沸き上げ関係の情報を表示する。具体的にはタンク残湯量を図で表示させたり、「沸き上げ」や「湯切れ防止」の設定を表示する。また、右下には「沸き上げ」や「沸き増し」が動作中である場合には、
図4〜6に示すようにその旨を表示する。
【0027】
ところで、この給湯機では、リモコン装置6の表示装置に表示される待機画面を使用者が複数種類の画面の中から選択可能に構成される。初期設定では、待機画面としては
図4〜6に示す標準画面が表示されている。次に、待機画面として設定可能なそれ以外の画面について説明する。
【0028】
次に、標準画面以外の画面の一つである時刻表示画面の表示内容を
図7を用いて説明する。
【0029】
まず、画面中央の行に拡大した時刻表示を行う。これにより、現在の時刻が離れた場所からも目視確認ができ、現在時刻の情報を知りたい使用者にとって使い勝手よいリモコン装置6となる。また、浴槽給湯関連機能機能やタンクの沸き上げ機能などが動作する場合においては、
図4の標準画面と同様に
図8に示すように下部分に表示させ、時刻の表示はそのままとすることができる。また、給湯設定温度を変更する場合や、浴槽給湯関連機能を設定する場合や、浴槽給湯関連機能の動作の開始時又は終了時においては、それに関連する画面を所定の時間(例えば2秒間)表示し、所定の時間経過によって再度時刻表示画面に戻す。これにより必要時には、関連画面を表示でき、それ以外の場合においては使用者が一番必要としている情報を常時表示することが可能となる。また、画面中央の行に表示する内容は、
図9に示す日時表示画面のように、現在時刻と現在日付を組み合わせた表示としても良い。
【0030】
次に、使用者が標準画面
図4〜6とは異なる画面を待機画面として設定した場合の動作について、待機画面が時刻表示画面である場合を例に説明する。まず、通常時は、
図7のように時刻を表示している。
【0031】
この状態から使用者がリモコン装置6を用いて給湯設定温度を変更すべくボタンを押した場合には、
図4に示す標準画面の表示に切り換え、使用者がボタンを押し終わってから所定の時間(例えば2秒間)経過すると、
図7に示す時刻表示画面に表示を再度切り換える。これは、使用者が指令する給湯機能に基づく動作が給湯設定温度の変更という短時間で完了するものであるため、その間標準画面を表示することで使用者の利便性向上に寄与するからである。
【0032】
一方、待機画面として
図7に示す時刻表示画面が設定されている状態で使用者が「ふろ自動」等の浴槽給湯関連機能の指令を入力すべくボタンを押した場合には、浴槽給湯関連機能の動作が開始されるとともに、
図8に示すように、待機画面である時刻表示画面の中に給湯機能に関連する表示要素である「湯はり」の旨を含む状態として、この時刻表示画面を前記給湯機能の動作中に表示する。これは、使用者が指令する給湯機能に基づく動作(即ち、「ふろ自動」に基づく湯はり動作)がその動作の完了までに長時間を要するものであるため、動作中に時刻表示画面を表示する方が動作中に時刻表示画面以外の画面を表示するよりも使用者の利便性向上に寄与するからである。しかも、使用者が必要としている情報を常時表示し、さらに不必要な情報は表示させなくし、さらに浴槽給湯関連機能が動作していた場合に、画面を変更せずその情報を画面下のいわばステータスバーに表示させることにより、使用者の快適性や有用性を向上させることができる。
【0033】
なお、給湯機能の動作中に常時時刻表示画面を表示することが必須ではなく、例えば使用者が浴槽給湯関連機能の指令を入力すべくボタンを押した場合、所定の時間(例えば2秒間)「ふろ自動が設定されました」等の表示を行うようにしてもよい。また、使用者の指令に基づく動作の完了までに長時間を要する機能としては、浴槽給湯関連機能以外にも、タンクの沸き上げ機能などが挙げられる。
【0034】
なお、待機画面としては、上記以外にも、例えば
図10に示すような外気温度画面でもよい。
【0035】
外気温度画面では、画面中央の行に拡大した外気温度の表示を行う。これにより、現在の外気温度を外に出ることなく知ることができる。この際の外気温度データは本体側制御基板10よりデータ通信を行い、リモコン装置6へ送信する。このときの温度センサについては、リモコン側に取り付けてデータ取得した場合でも良い。また、画面下の部分においては、上記待機画面の説明と同様にすることができる。
【0036】
また、待機画面としては、
図11に示す待機画面のように、画面中央の行に外気温度と湿度を組み合わせて表示するものでも良い。この際の湿度データにおいては、台所リモコンの基板上に取り付けた湿度センサによりデータを取得する。これにより、使用者は室内の湿度も知ることができる。また、湿度センサは、台所リモコンに限らず、浴槽リモコン側、またはタンクユニット16、またはヒートポンプユニット13に取り付けても良い。
【0037】
さらに、待機画面としては、
図12に示す待機画面のように、日時、外気温度、湿度を組み合わせた表示としても良い。
【0038】
次に、待機画面の選択方法を説明する。まず、リモコン装置6の操作部5よりキー押しにて
図13の画面を表示させる。この画面表示時にキー操作にて待機画面のいくつかの項目を選択することが可能となる。また、この選択内容においては、台所リモコン、浴槽リモコンにてそれぞれ独立して選択可能であり、これにより、使用者はそれぞれの箇所で用途にあった選択内容を表示することができる。
【0039】
なお、本発明に係る給湯機は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。例えば、給湯機としては、電機給湯機に限定されるものではなく、ガス給湯機、石油給湯機等であってもよい。