特許第5965861号(P5965861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965861
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】画像形成装置及び収容体
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20160728BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20160728BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20160728BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J2/175 175
   G03G15/08 322Z
   G03G15/08 330
   G03G21/00 388
   G03G21/00 386
【請求項の数】4
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-73634(P2013-73634)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-195984(P2014-195984A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2015年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(74)【代理人】
【識別番号】100143476
【弁理士】
【氏名又は名称】西森 則夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 友浩
【審査官】 名取 乾治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−120241(JP,A)
【文献】 特開2005−157138(JP,A)
【文献】 特開2007−304650(JP,A)
【文献】 特開2008−003259(JP,A)
【文献】 特開2009−063609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 2/01−2/215
G03G 15/08
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を行う印刷部と、
画像形成装置の個体を示す情報である第1情報記憶する記憶部と、
データを記憶するメモリーを含み、印刷により消費される色材を収容し、画像形成装置に着脱可能に取り付けられ、印刷での前記色材の消費にあわせて前記印刷部に前記色材を補給する収容体と、
前記メモリーと通信可能に設けられ、前記記憶部に記憶された前記第1情報前記メモリーに記憶させ、前記第1情報ごと印刷の累計に関する累計カウント値データを前記メモリーに記憶させ、画像形成装置で印刷が行われたとき、現在、前記収容体が取り付けられている画像形成装置の前記第1情報に対応する前記累計カウント値データに、前記印刷部により実行された印刷に関するカウント値を加算するように前記累計カウント値データを前記メモリーに更新させるデータ通信部と、
メッセージを出力する出力部を含み、
前記メモリーは、前記収容体が取り付け可能な画像形成装置の上限台数を示す第1上限データを記憶し、
前記データ通信部が前記第1上限データに定められた前記上限台数を超えて、前記第1情報を記憶させることになるとき、前記印刷部と前記出力部の何れか一方、又は、両方は警告メッセージを出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記出力部として、メッセージを表示する表示部とメッセージを外部のコンピューターに送信するI/F部を含み、
前記表示部は、前記上限台数を超えたとき、前記表示部の表示出力により警告するか、前記印刷部の印刷出力により警告するか、前記I/F部による送信により警告を行うか、印刷不可とするかを設定するための複数のキーを含む制限設定画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記データ通信部は、画像形成装置に初めて取り付けられた前記収容体を用いて印刷が行われた状況のとき初めて取り付けられた画像形成装置の前記第1情報を前記メモリーに記憶させ、前記第1情報ごとに前記累計カウント値データをメモリーに記憶させ、画像形成装置で印刷が行われたとき、印刷が実行された画像形成装置の前記第1情報と関連付けられた前記累計カウント値データに、前記印刷部により実行された印刷に関するカウント値を加算するように前記累計カウント値データを前記メモリーに更新させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
使用者の操作を受け付ける操作部を含み、
前記累計カウント値データを出力させる指示を前記操作部が受け付けたとき、
前記印刷部と前記出力部の何れか一方、又は、両方は、前記メモリーに記憶された前記前記第1情報ごとの前記累計カウント値データを出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーのような色材を補給しメモリーを備える収容体を含み、色材を用いて印刷を行い、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機、複写機、プリンター、FAX装置等の画像形成装置は、画像形成を行い、印刷を行う。例えば、トナーを用いて印刷を行う画像形成装置には、トナーを収容し、印刷により消費されたトナーの補給を行う収容体(トナーコンテナー、トナーカートリッジと称されることもある)が画像形成装置に交換可能に取り付けられる。又、インクジェットプリンターのようなインクを用いる画像形成装置では、色材としてのインクを収容する収容体(インクカートリッジと称されることもある)が設けられる。収容体が空になると、収容体は交換される。そして、適合する画像形成装置を示す情報(どの機種向けかを示す情報)を記憶するメモリーを収容体に設けることがある。
【0003】
このような、収容体にメモリーを設ける技術の一例が特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1には、装置本体に着脱可能な交換部品と、交換部品に装着され交換部品の固有情報を記憶する第1の記憶手段と、第1の記憶手段から固有情報を読み出す読み出し手段と、読み出された固有情報に基づき前記交換部品が適合か否かを判断する判断手段と、判断手段での判断結果が交換部品は適合と判断されない場合に交換部品の使用情報を格納する第2の記憶手段と、交換部品が適合と判断されない場合、交換部品の使用量に応じて報知する内容を変化させる報知手段を備えた画像形成装置が記載されている。この構成により、不適合のトナーカートリッジが継続的に使用された場合であっても、その使用状況をメーカー側の保守員などが容易に把握できるようにしようとする(特許文献1:請求項1、2、段落[0006]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−003259号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
収容体には、ROMやICタグのような各種情報を記憶するメモリーが設けられることがある。そして、収容体のメモリーに、収容体の製造番号や製造場所のような出所や特性を示す情報を記憶させることがある。
【0006】
又、収容体のメモリーに、収容体が取り付けられてからの印刷枚数などを記憶させることもある。言い換えると、収容体からの補給された(消費された)累計の色材量に関する値を記憶することがある。記憶された印刷枚数などの情報は、収容体内のトナーやインクのような色材の残量検知に用いられたり、収容体が空か否かの判断に用いられたりする。
【0007】
しかし、従来、収容体のメモリーに記憶されるのは、使用開始から現在までの累計の印刷枚数や累計の色材をのせたドット数など、一まとめの累計の情報である。例えば、どのような画像形成装置に取り付けられ、それぞれの画像形成装置でどの程度印刷が行われたかは、従来の収容体のメモリー内の情報を確認しても分からない。
【0008】
そのため、従来の収容体のメモリーの記憶内容から得られる情報は限られ、収容体がどのように利用されているか、使用されてきたかを示す詳細な情報は得られないという問題がある。そのため、実際にどのように収容体は用いられているかを知ることができない。又、実際の使用態様に沿っての商品の開発、設計が難しいという側面もある。
【0009】
ここで、特許文献1には、第2の記憶手段は前記交換部品が適合と判断されない場合に交換部品の使用情報を格納する点は記載されている。そして、不適合な場合に、取り付けられてからのドットカウントがカウントされる。しかし、第2の記憶手段は画像形成装置に不適合な収容体が取り付けられてからの累計のトナー消費量を記憶するにすぎず、収容体がどのような画像形成装置に取り付けられたかといった情報や、使用者に関する詳細な情報は得られない。しかも、第2の記憶手段は、画像形成装置側に設けられており(特許文献1:段落[0019]等参照)、回収された収容体のメモリーの内容を確認しても、収容体の使用の履歴などの情報を得ることができない。従って、特許文献1記載の技術では、上記の問題を解決することができない。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、収容体がどのように利用されているか、使用されてきたかを示す詳細な情報は得られるように、印刷した量に関する情報を収容体のメモリーに記憶させ、収容体の使用の履歴や使用実態を詳細に確認できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る画像形成装置は、印刷を行う印刷部と、画像形成装置の個体を示す情報である第1情報記憶する記憶部と、データを記憶するメモリーを含み、印刷により消費される色材を収容し、画像形成装置に着脱可能に取り付けられ、印刷での前記色材の消費にあわせて前記印刷部に前記色材を補給する収容体と、前記メモリーと通信可能に設けられ、前記記憶部に記憶された前記第1情報前記メモリーに記憶させ、前記第1情報ごと印刷の累計に関する累計カウント値データを前記メモリーに記憶させ、画像形成装置で印刷が行われたとき、現在、前記収容体が取り付けられている画像形成装置の前記第1情報に対応する前記累計カウント値データに、前記印刷部により実行された印刷に関するカウント値を加算するように前記累計カウント値データを前記メモリーに更新させるデータ通信部と、メッセージを出力する出力部を含み、前記メモリーは、前記収容体が取り付け可能な画像形成装置の上限台数を示す第1上限データを記憶し、前記データ通信部が前記第1上限データに定められた前記上限台数を超えて、前記第1情報を記憶させることになるとき、前記印刷部と前記出力部の何れか一方、又は、両方は警告メッセージを出力する
こととした。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、収容体がどのように利用されているか、使用されてきたかを示す詳細な情報は得られるように、印刷した量に関する情報を収容体のメモリーに記憶させることができる。従って、収容体の使用の履歴や使用実態を詳細に確認できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】画像形成装置の構造を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】画像形成装置でのトナー補給に関係する部分のハードウェア構成を示す図である。
図4】印刷に関するカウント値の記憶に関する部分を示す図である。
図5】使用者情報入力画面を示す図である。
図6】ログイン画面を示す図である。
図7】累計カウント値データの更新と警告表示の流れを示すフローチャートである。
図8】制限や警告に関する制限設定画面の一例を示す図である。
図9】警告表示画面の一例を示す図である。
図10】コンテナーメモリーの記憶内容を表示した使用状況確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図1図10を用いて、色材としてトナーを用いて印刷する画像形成装置100を例に挙げて説明する。本実施形態の画像形成装置100は、コピー機能、スキャン機能、送信機能などを含む複合機である。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0015】
(画像形成装置100の概要)
まず、図1を用いて、実施形態に係る画像形成装置100の概要を説明する。図1は、画像形成装置100の構造を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、側方に取り付けられた操作パネル1(操作部に相当)を有する。又、画像形成装置100は、上方に原稿搬送部2aと画像読取部2bを含む。又、画像形成装置100は、内部に印刷を行う印刷部10として給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3c、両面搬送部3d等を含む。
【0017】
まず、図1に示すように、操作パネル1は、画像形成装置100の上部右側に設けられたアーム11の先に設けられる。そして、操作パネル1は、画像形成装置100の状態や各種メッセージや設定用画面を表示する表示部12(出力部に相当)を備える。表示部12は、液晶表示パネルや、有機EL表示パネルのような表示を行うパネルである。又、操作パネル1には、テンキー部13のような入力用のハードキーなども設けられる。
【0018】
又、表示部12には、タッチパネル部14(操作部に相当)が設けられる。入力したい画像(メニューやキーやボタンを示す画像)の表示位置のタッチがタッチパネル部14により受け付けられ、使用者は、タッチパネル部14をタッチして画像形成装置100に関する入力を行うことができる。そして、表示部12は、入力に応じて表示を切り替える。
【0019】
画像読取装置のうち、原稿搬送部2aは、図1の紙面奥行き側に支点を有し、紙面上下方向に開閉可能である。原稿搬送部2aは、原稿をスキャンする時、原稿搬送部2aに載置された原稿を1枚ずつ読取位置(送り読取用コンタクトガラス21)に向けて搬送する。又、原稿搬送部2aは、載置読取用コンタクトガラス22に載置された原稿の読み取りの際、原稿を押さえるカバーとして機能する。
【0020】
画像読取部2bは、送り読取用コンタクトガラス21を通過する原稿や載置読取用コンタクトガラス22に載置される原稿に光を照射する。そして、画像読取部2bは、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。
【0021】
図1に示すように、画像形成装置100の内部下方には、給紙部3aが配される。給紙部3aは、複数のカセット31を有する(図1では、上方のものに31a、下方のものに31bと符号を付す)。各カセット31は、コピー用紙のような各種用紙を収容する。給紙ローラー32(図1では、上方のものに32a、下方のものに32bと符号を付す)は回転して、第1搬送部3bに用紙を送り出す。
【0022】
そして、第1搬送部3bは、画像形成装置100の本体右側面に沿って略垂直に設けられる。第1搬送部3bは、給紙部3aから供給された用紙を、画像形成部4aまで搬送する。第1搬送部3bは、搬送ローラー対33、34や及び搬送されてくる用紙を画像形成部4a(転写ローラー45)の手前で待機させ、トナー像の転写タイミングにあわせて用紙を転写ローラー45に送り出すレジストローラー対35等を含む。
【0023】
図1に示すように、画像形成装置100は、形成すべき画像の画像データに基づき、トナー像を形成する画像形成部4aを有する。画像形成部4aは、感光体ドラム41と、感光体ドラム41の周囲に配された帯電部42、露光部43、現像部44、転写ローラー45、クリーニング部46等を含む。
【0024】
感光体ドラム41は、所定のプロセススピードで回転駆動する。帯電部42は、感光体ドラム41を一定の電位で帯電させる。露光部43は、画像信号(画像データ)に基づきレーザビーム(一点鎖線で図示)を出力し、感光体ドラム41の走査露光を行って、感光体ドラム41の表面に静電潜像を形成する。
【0025】
現像部44は、現像に用いるトナーの薄層を担持する現像ローラー44aや、回転して現像部44内のトナーを攪拌する攪拌ローラー44bなどを含む。そして、現像部44は、感光体ドラム41にトナーを供給し、感光体ドラム41の周面上に形成された静電潜像を現像する。又、現像部44は、印刷を行うと、コンテナー5(収容体に相当)から色材としてのトナーの補給を受ける。
【0026】
クリーニング部46は、感光体ドラム41の清掃を行う。転写ローラー45は感光体ドラム41に圧接する。転写ローラー45には、所定の転写用の電圧が印加される。これにより、トナー像は用紙に転写される。
【0027】
定着部4bは、画像形成部4aよりも用紙搬送方向の下流側に配され、用紙に2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。そして、定着部4bは、発熱源を内蔵する定着ローラー47と、これに圧接される加圧ローラー48を含む。そして、トナー像の転写された用紙は、定着ローラー47と加圧ローラー48との間のニップを通過する際に加熱・加圧される。その結果、トナー像が用紙に定着する。尚、定着後の用紙は、定着部4bの上方に設けられた第2搬送部3cに向かう。
【0028】
定着部4bから排出された用紙は、分岐部38から画像形成装置100の左側面に向かって略水平に延びる第2搬送部3cを通して搬送され、排出ローラー対36によって画像形成装置100の左側面上部外側に設けられた排出トレイ37に排出される。これにより画像形成処理が完了する。尚、両面印刷を行う場合、定着部4bから排出された用紙は、両面搬送部3dを通して下方に送られ、再度第1搬送部3bを経てレジストローラー対35に再度送られる。
【0029】
(画像形成装置100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成を説明する。図2は、画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置100は、内部に制御部6を有する。制御部6は、各種の演算処理を行うCPU61や、画像データに対し画像処理を行う画像処理部62や、データの通信を行うデータ通信部63を含む。制御部6は、CPU61や画像処理部62に各種処理を行わせ、画像形成装置100の各部を制御する。
【0031】
CPU61は、中央演算処理装置であり、記憶部7に格納される制御プログラム、制御データ、設定データ等に基づき画像形成装置100の各部の制御や演算を行う。記憶部7は、ROM、RAM、フラッシュROM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置の組み合わせで構成される。記憶部7は、画像形成装置100の制御プログラム、制御データ等を記憶する。
【0032】
制御部6は、操作パネル1等と接続され操作パネル1になされた設定を認識する。又、制御部6は、操作パネル1になされた入力に応じた表示を操作パネル1の表示部12に行わせる。操作パネル1又、制御部6は、原稿搬送部2aや画像読取部2bと接続され、スキャンを伴うジョブを実行するとき原稿搬送部2aや画像読取部2bを動作させ、原稿読み取りを行わせる。
【0033】
又、制御部6は、I/F部64と接続される。I/F部64は、コンピューター200200(パーソナルコンピューターやサーバーなど)やFAX装置300とネットワークやケーブルや公衆回線を介して通信を行うための通信インターフェイスである。I/F部64はコンピューター200やFAX装置300から、印刷を行う画像データや印刷における設定データを含む印刷用データを受信する。
【0034】
画像処理部62は、画像読取部2bで読み取られた原稿の画像データやコンピューター200やFAX装置300から受信した画像データに対し、設定に合わせ、拡大、縮小、濃度変換、データ形式変換等、各種画像処理を施す。そして、印刷を伴うジョブを実行するとき、画像処理部62は、露光部43に画像処理後の画像データを送る。露光部43はこの画像データを受けて走査、露光を行う(コピー、プリンター、FAX機能)。又、制御部6は、I/F部64(出力部に相当)から外部のコンピューター200やFAX装置300に向けて画像読取部2bで読み取られた原稿の画像データを送信させることができる(送信機能)。
【0035】
又、制御部6は、給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3cなどの印刷を行う部分(印刷部10)と通信可能に接続される。制御部6は印刷部10の動作を制御し、印刷を行わせる。尚、制御部6は、全体制御や画像処理や通信制御を行うメイン制御部と、印刷の時に各種回転体を回転させるモーター等のON/OFF等やトナー形成制御を行うエンジン制御部等、機能ごとに分割した形態で設けられてもよい。
【0036】
(現像部44へのトナー補給の概要)
次に、図1図3を用いて、本実施形態に係る現像部44へのトナー補給の概要を説明する。図3は、画像形成装置100でのトナー補給に関係する部分のハードウェア構成を示す図である。
【0037】
図1図3に示すように、画像形成装置100には、現像部44にトナーを補給するために、コンテナー5(収容体に相当)が設けられる。コンテナー5はトナーを収容する。図1に示すように、画像形成装置100の正面に、前カバー101が設けられる(図1に前カバー101を破線で図示)。前カバー101を開けて前方に向かって開放することにより現れる開口を通して、使用者は、コンテナー5の着脱を行うことができる。使用者は、コンテナー5が空になれば、新たなコンテナー5への交換を行う。
【0038】
(トナー補給の流れ)
次に、図1図3を用いて、本実施形態でのトナー補給に関係する部材と、トナー補給の基本的な流れを説明する。
【0039】
まず、コンテナー5から現像部44にトナーを投入するため、図3に示すように投入部50が設けられる。投入部50は、コンテナー5からのトナーを、現像部44方向に送り出す(投入する)コンテナースクリュー51や、コンテナースクリュー51を回転させるコンテナーモーター52や、コンテナースクリュー51と現像部44のトナー投入口を接続し、トナーが通る投入管53を含む(図1参照)。
【0040】
コンテナースクリュー51は、コンテナー5の下方に設けられる。コンテナースクリュー51は、コンテナー5内のトナーが送り出される送出開口部に面して設けられる。コンテナースクリュー51は、回転軸に螺旋状に羽根が設けられたものである。コンテナースクリュー51の回転により、投入管53を介して現像部44にトナーが投入される。
【0041】
制御部6は、現像部44にトナーを投入するとき、コンテナーモーター52を回転させて、コンテナースクリュー51を回転させる。尚、コンテナー5内には、コンテナースクリュー51とは別に、回転し、コンテナー5内のトナーを攪拌してほぐす攪拌部材(不図示)を設けてもよい。攪拌部材を設ける場合、コンテナーモーター52は、この攪拌部材も回転させる。
【0042】
そして、現像部44内には、現像部44に規定量のトナーが存在しているか(充填されているか)否かを検知するための現像センサー44s(残量検知用センサー)が設けられる。例えば、現像センサー44sは、現像部44の側面であって、現像部44内のトナーと接するように設けられる。現像センサー44sは、圧電センサーや光センサーなどであり、現像部44内のトナーが、規定量を超えているか、以下であるかにより出力が変化する。
【0043】
制御部6は、現像センサー44sの出力を受け、現像部44内のトナーが規定量以下であるか否かを認識する。制御部6は、現像センサー44sの出力に基づき、現像部44内のトナーが規定量よりも少なくなったと認識すると、投入部50(コンテナーモーター52)を動作させ、現像部44にトナーを投入させる。そして、制御部6は、現像センサー44sの出力に基づき、現像部44内のトナーが規定量まで満たされたと認識すると、投入部50(コンテナーモーター52)を停止させる。
【0044】
(印刷に関するカウント値の記憶)
次に、図4を用いて、印刷に関するカウント値(印刷量、コンテナー5から補給され、消費された色材の量)の記憶を説明する。図4は、印刷に関するカウント値の記憶に関する部分を示す図である。
【0045】
まず、コンテナー5には、コンテナーメモリー8(メモリーに相当)が設けられる。コンテナーメモリー8は、EEPROMのような不揮発性の記憶装置である。そして、コンテナーメモリー8は各種情報を不揮発的に記憶する。コンテナーメモリー8は、コンテナー5の製造番号や、コンテナー5の出所(製造場所)を示す情報や、コンテナー5の形式に関する情報や、コンテナー5に対応する画像形成装置100の機種を示す情報や、コンテナー5の満杯時のトナー収容量を示す情報を記憶できる。
【0046】
そして、制御部6には、コンテナー5と通信を行うためのデータ通信部63が設けられる。コンテナー5が画像形成装置100の内部に取り付けられると、コンテナーメモリー8の端子(不図示)がデータ通信部63からの通信線の端子(不図示)と接触する。コンテナー5が画像形成装置100に正確に取り付けられると、データ通信部63とコンテナーメモリー8は通信可能な状態となる。
【0047】
データ通信部63は、コンテナーメモリー8と通信を行うための回路である。CPU61にコンテナーメモリー8との通信を行うための回路を内蔵し、CPU61とコンテナーメモリー8を直接接続するようにしてもよい。
【0048】
尚、データ通信部63と、コンテナーメモリー8を有線で接続せずに、無線通信により通信可能としてもよい。この場合、画像形成装置100内には、コンテナーメモリー8と通信するためのリーダーライター(不図示)が設けられる。無線通信によりデータのやりとりを行う場合、コンテナーメモリー8には、不揮発性のメモリーやアンテナやマイクロコンピューターを含む無線通信用のICタグなどが用いられる。
【0049】
データ通信部63は、コンテナーメモリー8に記憶された情報の読み出しや、コンテナーメモリー8に記憶されたデータ(情報)の更新をコンテナーメモリー8に行わせる。具体的に、データ通信部63は、コンテナーメモリー8から読み出したデータを記憶部7に記憶させる。又、データ通信部63は、記憶部7に記憶されたデータをコンテナーメモリー8に送信し、送信したデータをコンテナーメモリー8に記憶させることができる。
【0050】
データ通信部63は、実行した印刷ジョブでの印刷に関するカウント値(印刷量、消費されたトナーの量)を示すデータをコンテナーメモリー8に送信する。そして、データ通信部63は、累計の印刷量(消費したトナー量の累計量)を示す累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に記憶させる。
【0051】
データ通信部63(制御部6)は、コンテナーメモリー8から全ての累計カウント値データを取得する。そして、制御部6は、満杯時のトナー量から、複数の累計カウント値データを足しあわせて求めた消費トナー量を減ずる演算のようなトナー残量を求める演算を行う。そして、制御部6は、トナー残量を示す情報を表示部12に表示させることができる。
【0052】
(コンテナー5が取り付けられた画像形成装置100ごとのカウント値の記憶)
図4を用いて、本実施形態のコンテナーメモリー8でのコンテナー5が取り付けられた画像形成装置100ごとのカウント値の記憶を説明する。
【0053】
コンテナー5がどのように使用されているか、コンテナー5がどのように使用されたかの詳細な履歴が残るようにするため、データ通信部63(制御部6)は、コンテナー5が使用された状況ごとに、実行された印刷ジョブ(コピージョブやプリンタージョブ)の印刷の量に関するカウント値をコンテナーメモリー8に記憶させる。
【0054】
まず、データ通信部63(制御部6)は、印刷が行われたときのコンテナー5の取り付けられた状況が初めての状況のとき、コンテナー5が取り付けられている状況に関する状況情報をメモリーに記憶させる。具体的に、印刷ジョブが実行され、印刷量(トナー消費量)を示すカウント値をコンテナーメモリー8に記憶させるとき、データ通信部63は、取り付けられたコンテナー5が初めてのものであれば、画像形成装置100の個体を示す第1情報91をコンテナーメモリー8に記憶させる。言い換えると、コンテナーメモリー8に自機の第1情報91が記憶されていないとき、データ通信部63は、自機の第1情報91をコンテナーメモリー8に記憶させる。4台の画像形成装置にコンテナー5が取り付けられた場合には、4台分の第1情報91がコンテナーメモリー8に残される。
【0055】
図4に示すように、画像形成装置100の記憶部7は、画像形成装置100の各個体に特有に(ユニークに)割り振られた情報である第1情報91が不揮発的に記憶されている。第1情報91は、記憶部7のROMなどに記憶される。第1情報91は、製造番号(シリアル番号)である。第1情報91は、各画像形成装置に割り振られ、製造時などに記憶部7に記憶される。又、第1情報91は、製造番号や機種を組み合わせた情報でもよい。
【0056】
そして、データ通信部63は、画像形成装置100に初めて取り付けられたコンテナー5を用いて印刷が行われた状況のとき、状況情報として初めて取り付けられた画像形成装置(複合機やプリンター)の第1情報91をメモリーに記憶させる。尚、コンテナー5に記憶させる第1情報91は、記憶部7に記憶された第1情報91と全く同じ情報でも良いし、第1情報91の一部でも良いし、制御部6がコンテナーメモリー8から読み出したときに第1情報91を復号できるように改変した第1情報91でもよい。
【0057】
ここで、制御部6は、印刷ジョブでの印刷量に関するカウント値(データ)をカウントし、記憶部7に記憶させておく。本実施形態の画像形成装置100では、印刷量を示すカウント値は、印刷ジョブでの印刷枚数C1や、印刷ジョブでトナーをのせたドット数を示すドットカウント値C2である。
【0058】
データ通信部63(制御部6)は、第1情報91がコンテナーメモリー8に記憶されている画像形成装置100単位(コンテナー5が取り付けられた画像形成装置100単位)で、自機の第1情報91に対応する印刷枚数C1の累計(積算値)や、ドットカウント値C2の累計(積算値)を、累計カウント値データ9としてコンテナーメモリー8に記憶させる。
【0059】
具体的に、図4に示すように、コンテナーメモリー8には、コンテナー5が取り付けられた画像形成装置100の第1情報91ごとに、累計カウント値データ9を記憶する領域が設けられる。そして、データ通信部63(制御部6)は、印刷した量に関するカウント値を示すデータをコンテナーメモリー8に送信する。又、データ通信部63は、現在コンテナー5が取り付けられている画像形成装置100の第1情報91に対応する(一致する)記憶領域に記憶された累計カウント値データ9のうち、累計印刷枚数C3には実行された印刷ジョブでの印刷枚数C1を、累計ドットカウント値C4には実行された印刷ジョブでのドットカウント値C2を加算して、累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に更新させる。
【0060】
これにより、画像形成装置ごとに、なされた印刷の量(消費されたトナーの量)を示す情報が累計カウント値データ9として積算されつつ、記憶される。これにより、どのような画像形成装置にコンテナー5が取り付けられたか、各画像形成装置でどれほど印刷がなされたか、コンテナー5が取り付けられた画像形成装置は何台であるか、といったコンテナー5の使用の詳細な履歴がコンテナーメモリー8に記憶される。
【0061】
(使用者情報ごとのカウント値の記憶)
次に、図4図6を用いて、使用者情報(使用者に関する情報)ごとの印刷に関するカウント値の記憶を説明する。図5は、使用者情報入力画面S1を示す図である。図6は、ログイン画面S2を示す図である。
【0062】
まず、図4に示すように、記憶部7は、使用者情報が不揮発的に記憶されている。使用者情報は、記憶部7のROMなどに記憶されている。使用者情報は、使用者の操作パネル1(タッチパネル部14)への入力により入力される。
【0063】
具体的に、図5を用いて、使用者情報の画像形成装置100への入力・登録を説明する。図5に示すように、本実施形態の画像形成装置100では、使用者情報入力画面S1を呼び出し、画像形成装置100を使用する者の情報を登録することができる。例えば、使用者情報として登録できる項目は、ユーザ名、カナ、ログインユーザ名(ログインID)、ログインパスワード、アクセスレベル、所属部門、メールアドレス、ネットワークアドレスといった項目がある。
【0064】
制御部6は、タッチパネル部14などへの入力により使用者情報入力画面S1を呼び出す操作がなされたことを認識したとき、表示部12に使用者情報入力画面S1を表示部12に表示させる。そして、使用者情報入力画面S1で、各項目の右側に配された変更キーK1〜K8の表示位置がタッチされると、制御部6は、入力用のソフトウェアキーボード画面(不図示)を表示部12に表示させる。尚、ソフトウェアキーボードでは、アルファベットや記号の他、ひらがな、カタカナ、漢字のような日本語での入力も可能である。そして、制御部6は、タッチパネル部14の出力に基づき、ソフトウェアキーボードでの入力や、各項目の入力内容を認識する。
【0065】
操作パネル1で設定された使用者情報は、第1情報91と同様に記憶部7が記憶する。そして、本実施形態の画像形成装置100では、コピージョブを行う場合、使用前にログインを行うことが求められる。尚、画像形成装置100でのジョブ実行後、使用されないまま一定時間が経過すると、制御部6は、画像形成装置100を自動的にログアウト状態とし、図6に示すようなログイン画面S2を表示部12に表示させる。
【0066】
操作パネル1は、ログインされていない状態(ログアウト状態)では、ログイン画面S2を表示する。使用者は、画像形成装置100を用いるとき、操作パネル1に、予め登録されている使用者情報のうち、一部の情報の入力を行って認証を受け、ログインする。ログインするには、ログイン画面S2で、ユーザ名(ユーザIDでもよい)やログイン用のパスワード等の使用者を識別するための情報を入力する。
【0067】
制御部6は、操作パネル1(タッチパネル部14)に入力された情報と、記憶部7に記憶された使用者情報を比較する。そして、制御部6は、記憶部7に記憶された使用者情報のうち、予め登録された使用者名やパスワードと一致した使用者による使用と認識する。そして、制御部6は、ログインを認め、使用者の使用者名や部門などを認識し、画像形成装置100を使用できる状態とする。一方、制御部6は、ログイン画面S2で入力された情報が記憶部7に記憶された使用者情報と一致しなければ、ログアウト状態を保つ。
【0068】
尚、コンピューター200から印刷用データを送信して印刷を行うとき(プリンター機能を用いるとき)、制御部6は、I/F部64が認識した送信元のコンピューター200のアドレスと、記憶部7に記憶された使用者情報を比較し、印刷を行う使用者や、使用者の部門を認識する。
【0069】
そして、コンテナー5がどのように使用されているか、コンテナー5がどのように使用されたかの詳細な履歴が残るようにするため、データ通信部63(制御部6)は、コンテナー5が使用された状況として、使用者情報の一部の項目を第2情報92として、コンテナーメモリー8に記憶させる。使用者情報のうち、どの項目を第2情報92として記憶させるかは、操作パネル1やタッチパネル部14への入力により選択することができる(図7参照、詳細は後述)。例えば、使用者情報のうち、部門名や使用者名などを第2情報92として記憶させることができる。
【0070】
そして、データ通信部63(制御部6)は、実行された印刷ジョブ(コピージョブやプリンタージョブ)の印刷した量に関するカウント値の累計をコンテナーメモリー8に記憶させる。
【0071】
ここで、データ通信部63(制御部6)は、初めての第2情報92を有する使用者より印刷が行われた状況のとき、コンテナー5が取り付けられている状況に関する状況情報をメモリーに記憶させる。言い換えると、データ通信部63は、記憶部7にコンテナー5の状況に関する状況情報として、印刷を行った使用者に対応する第2情報92が記憶されていないとき、印刷を行った使用者の第2情報92をコンテナーメモリー8に記憶させる。具体的に、データ通信部63は、印刷ジョブが実行され、印刷した量に関するカウント値(印刷量、トナー消費量)を示すデータをコンテナーメモリー8に記憶させるとき、コンテナー5にとって初めての使用者の第2情報92(部門や使用者名の情報)を、状況情報としてコンテナーメモリー8に記憶させる。
【0072】
例えば、データ通信部63は、コンテナー5にとって初めての部門の者により印刷が行われた状況のとき、状況情報として、印刷を行った使用者情報のうち、第2情報92として部門情報をメモリーに記憶させる。尚、コンテナー5に記憶させる第2情報92は、記憶部7に記憶された使用者情報に含まれる部門情報と全く同じ情報でも良いし、制御部6がコンテナーメモリー8から読み出したときに部門情報を複号化できるように改変した情報でもよい。
【0073】
ここで、制御部6は、画像形成装置100の個体ごとに累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に記憶させる場合と同様に、印刷ジョブでの印刷量を示すデータをカウントし、記憶部7に記憶させておく。
【0074】
制御部6は、コンテナーメモリー8に記憶されている第2情報92単位で、印刷枚数C1の累計(積算値)や、ドットカウント値C2の累計(積算値)を、累計カウント値データ9としてコンテナーメモリー8に記憶させる。
【0075】
具体的に、図4に示すように、コンテナーメモリー8には、印刷を行った者の第2情報92(部門や使用者名)ごとに、累計カウント値データ9を記憶する領域が設けられる。そして、データ通信部63(制御部6)は、印刷ジョブで行われた印刷に関するカウント値(印刷枚数C1やドットカウント値C2)を示すデータをコンテナーメモリー8に送信する。又、データ通信部63は、印刷を行った使用者の第2情報92に対応する(一致する)記憶領域に記憶された累計カウント値データ9のうち、累計印刷枚数C3に実行された印刷ジョブでの印刷枚数C1を、累計ドットカウント値C4に実行された印刷ジョブでのドットカウント値C2を加算し、特定の累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に更新させる。
【0076】
これにより、使用者に関する一定の項目ごとに、なされた印刷の量を示す情報(累計カウント値データ9)がカウントされ、記憶される。これにより、どのような部門や使用者によりコンテナー5が用いられたか、各部門や各使用者がどれほど印刷を行ったか、といったコンテナー5の使用の詳細な履歴がコンテナーメモリー8に記憶される。
【0077】
(累計カウント値データ9の更新と警告表示の流れ)
次に、図7図9を用いて、本実施形態のコンテナーメモリー8に記憶された累計カウント値データ9の更新と警告表示の流れを説明する。図7は、累計カウント値データ9の更新と警告表示の流れを示すフローチャートである。図8は、制限や警告に関する制限設定画面S3の一例を示す図である。図9は、警告表示画面S4の一例を示す図である。
【0078】
まず、図7のフローチャートは、印刷ジョブが開始された時点である。そして、制御部6は、印刷ジョブ中での印刷枚数C1と、印刷の際にトナーをのせたドットをカウントし、記憶部7に印刷の量を示す情報(印刷枚数C1とドットカウント値C2)を記憶させる(ステップ♯1)。尚、本説明では、印刷ジョブ単位で、コンテナーメモリー8のデータを更新する例を説明するが、印刷やトナー像形成を1ページ行うごとに、コンテナーメモリー8の累計カウント値データ9を更新してもよい。その場合、印刷やトナー像形成を1ページ行うごとに、図7のフローチャートを実行すればよい。
【0079】
続いて、データ通信部63(制御部6)は、コンテナーメモリー8から全ての第1情報91と第2情報92を読み出し、記憶部7に格納する(ステップ♯2)。
【0080】
次に、制御部6は、コンテナーメモリー8から得られた第1情報91のうち、コンテナー5が取り付けられている画像形成装置100の第1情報91(記憶部7に記憶されている第1情報91)と一致するものが有るか否かを確認する(ステップ♯3)。言い換えると、制御部6は、自機の第1情報91がコンテナーメモリー8に既に記憶されているか否か(そのコンテナー5に初めて自機のデータを記憶させるか否か)を確認する。
【0081】
もし、コンテナーメモリー8に、自機の第1情報91が既に記憶されていれば(ステップ♯3のYes)、データ通信部63(制御部6)は、一致する第1情報91に関連付けられた累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)に、実行されたジョブでの印刷量を示すカウント値(印刷枚数C1、ドットカウント値C2)を加算するように、累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に更新させる(ステップ♯4)。言い換えると、データ通信部63(制御部6)は、自機に関する累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に更新させる。
【0082】
続いて、データ通信部63(制御部6)は、コンテナーメモリー8から得られた第2情報92のうち、印刷ジョブを実行した使用者の第2情報92(部門や使用者名)と一致するものが有るか否かを確認する(ステップ♯5)。言い換えると、制御部6は、印刷ジョブを実行した者の第2情報92がコンテナーメモリー8に既に記憶されているか否か(そのコンテナー5に印刷ジョブを実行した者の第2情報92を初めて記憶させるか否か)を確認する。
【0083】
もし、コンテナーメモリー8に、印刷ジョブを実行した者の第2情報92が既に記憶されていれば(ステップ♯5のYes)、データ通信部63(制御部6)は、一致する第2情報92に関連付けられた累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)に、実行されたジョブでの印刷量を示すカウント値(印刷枚数C1、ドットカウント値C2)を加算するように、累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に更新させる(ステップ♯6)。言い換えると、制御部6は、印刷ジョブを実行した者に対応する累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に更新させる。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0084】
一方、コンテナーメモリー8に、自機の第1情報91がなければ(まだ記憶されていなければ)(ステップ♯3のNo)、制御部6は、予め定められた上限台数以上の第1情報91が既に記憶されており、上限台数を超えて、第1情報91を記憶させることになるか否かを確認する(ステップ♯7)。言い換えると、制御部6は、コンテナー5が取り付けられた画像形成装置100の台数が予め定められた上限台数に到達しているか否かを確認する。
【0085】
もし、既に上限台数以上の第1情報91が記憶されていれば(ステップ♯7のYes)、制御部6は、予め定められた第1実行処理データd1に基づく処理を実行する(ステップ♯8)。
【0086】
ここで、図8に基づき、上限台数の設定や、上限台数を超えたときに実行される第1実行処理データd1に基づく処理の設定を説明する。図8は、上限台数や上限台数を超えたときに実行される処理の内容を設定するための制限設定画面S3の一例を示す。
【0087】
制御部6は、制限設定画面S3を呼び出すための操作がなされたことを認識すると、表示部12に制限設定画面S3を表示させる。この場合、管理者が制限設定画面S3に入るように促すことが必要である。そこで、制御部6は、何らかの警告メッセージ画面の後に、「管理者に連絡して下さい」のようなメッセージを表示部12に表示させる。また、メンテナンスを行うサービスマンや、画像形成装置100の管理者などの権限を有する者だけが制限設定画面S3を呼び出せるように、パスワード入力のような権限を有する者だけが知る固有の操作を経なければ制限設定画面S3を呼び出すことができないようにしてもよい。
【0088】
ここで、コンテナーメモリー8は、第1情報91の個数の上限数(上限台数)を示す第1上限データD1を記憶する(図4参照)。本実施形態のコンテナーメモリー8では、第1上限データD1は固定値であり、変更することができない。言い換えると、第1上限データD1は、デフォルトの値で固定され、変更不可の保護がかけられる。これにより、コンテナー5を取り付ける画像形成装置100の台数に制限をかけることができる。なお、上限数は任意に定めることができる。例えば、上限数は、2〜6、より好ましくは、4台程度とすることが考えられる。
【0089】
ステップ♯7での確認を行うとき、データ通信部63(制御部6)は、コンテナーメモリー8から第1上限データD1を読み出す。そして、制御部6は、コンテナーメモリー8に記憶された第1情報91の個数と、第1上限データD1を比較し、既に上限台数分以上の個数の第1情報91が記憶されているか否かを確認する。
【0090】
ここで、コンテナー5が上限台数を超えて取り付けられると異常が生ずる場合がある。例えば、現像部44にトナーがほとんどない画像形成装置にコンテナー5が取り付けられると、現像部44に規定量のトナーを充填するため、印刷で消費される以上のトナーがコンテナー5から現像部44に補給される場合がある。反対に、印刷ジョブが実行されるとトナーが消費されるが、現像部44内のトナーの規定量を下回らないとコンテナー5からトナーが現像部44に補給されないので、印刷量が積算されてもコンテナー5内のトナーは減っていない場合もある。コンテナー5の取り外しと、他の画像形成装置への取り付けが頻繁に行われると、コンテナーメモリー8に記憶される累計のトナー消費量に関する累計カウント値データ9と、実際にコンテナー5から補給されたトナーの量の誤差が大きくなるという異常(例えば、まだトナーが残っているのに空になった、あるいは、空になっているのにトナーが残っていると残量表示される異常)が生じ得る。
【0091】
そこで、コンテナー5が上限台数を超えていることについて警告表示を行うとき、図9に示すように、制御部6は、上限台数を超えていて異常が生じ得る旨のメッセージを表示部12に表示させる。又、制御部6は、上限台数を超えていて異常が生じ得る旨のメッセージを印刷部10に印刷させて、警告を出力する。あるいは、I/F部64から上限台数を超えていて異常が生じ得る旨のメッセージを外部のコンピューター200に送信し、コンピューター200上にメッセージを表示させる。
【0092】
そして、制限設定画面S3には、コンテナーメモリー8に記憶させる第1情報91の個数が上限数(上限台数)を超えるときに実行される処理の内容を定めるためのキーが複数含まれる。表示警告キーK9の表示位置をタッチすることにより、表示出力による警告の設定を行うことができる。印刷警告キーK10の表示位置をタッチすることにより、印刷出力による警告の設定を行うことができる。送信警告キーK11の表示位置をタッチすることにより、メッセージをコンピューター200に送信する警告を行う設定を行うことができる。印刷不可キーK12の表示位置をタッチすることにより、画像形成装置100を印刷不可とする設定を行うことができる。
【0093】
これらのキーK9〜K12をタッチして、タッチしたキーに対応する処理を行う設定を行うことができる。表示部12は、タッチされたキーの表示色を変え、選択している旨を示す。表示色が変えられたキーを再度タッチすることで、選択を解除することができる。尚、これらのキーK9〜K12の何れもタッチしなければ、コンテナーメモリー8に記憶させる第1情報91の個数が上限数(上限台数)を超えても、警告出力を行わない設定として扱われる。又、表示警告キーK9、印刷警告キーK10、送信警告キーK11、印刷不可キーK12のうち、複数の表示位置をタッチして、表示出力による警告、印刷出力による警告、送信による警告出力、印刷不可とする処理のうち、複数を組み合わせて実行させることができる。
【0094】
制御部6は、制限設定画面S3への入力に基づき、コンテナーメモリー8に記憶させる第1情報91の個数が上限台数を超えるときに実行される処理の内容を認識する。そして、データ通信部63(制御部6)は、認識した内容をコンテナー5に第1実行処理データd1として記憶させる。コンテナーメモリー8に記憶させる第1情報91の個数が上限台数を超えるとき、制御部6は、コンテナーメモリー8から第1実行処理データd1を読み出し、読み出した第1実行処理データd1に基づき、表示部12や印刷部10を動作させる、又は、動作させない。
【0095】
予め定められた第1実行処理データd1に基づく処理が実行された後(ステップ♯8の後)、及び、まだ、上限台数分の第1情報91が記憶されていなければ(ステップ♯7のNo)、データ通信部63(制御部6)は、現在、コンテナー5が取り付けられている画像形成装置100の第1情報91をコンテナーメモリー8に記憶させる(ステップ♯9)。続いて、データ通信部63(制御部6)は、現在の画像形成装置100の第1情報91(初めての第1情報91)に関連付けて、実行されたジョブでのカウント値(印刷枚数C1、ドットカウント値C2)を、累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)としてコンテナーメモリー8に記憶させる(ステップ♯10)。そして、フローは、ステップ♯5に戻る。
【0096】
又、コンテナーメモリー8に、印刷ジョブを実行した者の第2情報92がまだ記憶されていなければ(ステップ♯5のNo)、制御部6は、既に予め定められた上限数分の第2情報92が記憶されており、上限数を超えて、第2情報92を記憶させることになるか否かを確認する(ステップ♯11)。言い換えると、制御部6は、第2情報92の個数(コンテナー5の使用者の数)が予め定められた上限数に既に到達しているか否かを確認する。
【0097】
もし、既に上限数分以上の個数の第2情報92が記憶されていれば(ステップ♯11のYes)、制御部6は、予め定められた第2実行処理データd2に基づく処理を実行する(ステップ♯12)。
【0098】
そして、制限設定画面S3では、コンテナーメモリー8に記憶させる第2情報92の個数の上限数(部門数や使用者数の上限数)を設定することができる。図8に示すように、制御部6は、タッチパネル部14やテンキー部13による第2情報92の上限数の設定入力を受け付ける。そして、データ通信部63(制御部6)は、設定された第2情報92の個数の上限数を示す第2上限データD2をコンテナーメモリー8に記憶させる(図4参照)。
【0099】
又、図8に示すように、制限設定画面S3には、使用者情報として記憶部7に記憶される項目のうち、第2情報92として記憶させる項目を選択するための人数キーK13と、部門キーK14が設けられる。人数キーK13の表示位置をタッチすることで、使用者情報のうち、使用者名の項目を第2情報92として記憶する(使用者個人の単位で累計カウント値データ9を記憶させる)設定を行うことができる。これにより、データ通信部63(制御部6)は、それぞれの使用者別に、累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に記憶される。
【0100】
又、部門キーK14の表示位置をタッチすることで、使用者情報のうち、部門名の項目を第2情報92として記憶する(部門の単位で累計カウント値データ9を記憶させる)設定を行うことができる。これにより、データ通信部63(制御部6)は、部門別に、累計カウント値データ9をコンテナーメモリー8に記憶させることになる。
【0101】
ステップ♯10での確認を行うとき、データ通信部63(制御部6)は、コンテナーメモリー8から第2上限データD2を読み出す。そして、制御部6は、コンテナーメモリー8に記憶された第2情報92の個数と、第2上限データD2を比較し、既に上限数分以上の個数の第2情報92が記憶されているか否かを確認する。
【0102】
ここで、使用者数や部門数が上限数を超えるほど多くの使用者にコンテナー5が使用されている場合、権限の無い者がコンテナー5を用いて印刷が行っている場合や、管理者の想定を超えてコンテナー5が使用されている可能性がある。例えば、他の部門の者が、コンテナー5を取り外し、自己の部門の画像形成装置100に取り付けて印刷を行っている場合がある。
【0103】
そこで、第2情報92の数が上限数を超えるとき、警告表示を行うとき、図9に示すように、制御部6は、第2情報92の数が上限数を超えていて、異常な使用状況である可能性がある旨のメッセージを表示部12に表示出力させる。又、制御部6は、異常な使用状況である可能性がある旨のメッセージを印刷部10に印刷させて、警告を出力する。I/F部64から異常な使用状況である可能性がある旨のメッセージを外部のコンピューター200に送信し、コンピューター200上にメッセージを表示させる。
【0104】
そして、制限設定画面S3には、コンテナーメモリー8に記憶させる第2情報92の個数が上限数を超えるときに実行される処理の内容を定めるためのキーが複数含まれる。表示警告キーK15の表示位置をタッチすることにより、表示出力による警告の設定を行うことができる。印刷警告キーK16の表示位置をタッチすることにより、印刷出力による警告の設定を行うことができる。送信警告キーK17の表示位置をタッチすることにより、メッセージをコンピューター200に送信する警告を行う設定を行うことができる。印刷不可キーK18の表示位置をタッチすることにより、印刷不可とする設定を行うことができる。
【0105】
これらのキーK15〜18をタッチして、タッチしたキーに対応する処理を行う設定を行うことができる。表示部12は、タッチされたキーの表示色を変え、選択している旨を示す。表示色が変えられたキーを再度タッチすることで、選択を解除することができる。尚、これらのキーK15〜18の何れもタッチしなければ、コンテナーメモリー8に記憶させる第2情報92の個数が上限数を超えても、警告出力を行わない設定として扱われる。尚、表示警告キーK15、印刷警告キーK16、印刷不可キーK18のうち、複数の表示位置をタッチして、コンテナーメモリー8に記憶させる第1情報91の個数が上限数を超えるとき、表示出力による警告、印刷出力による警告、印刷不可とする処理のうち、複数を組み合わせて実行させることができる。
【0106】
制御部6は、制限設定画面S3への入力に基づき、コンテナーメモリー8に記憶させる第2情報92の個数が上限数を超えるときに実行される処理の内容を認識する。そして、データ通信部63(制御部6)は、認識した内容をコンテナー5に第2実行処理データd2として記憶させる。コンテナーメモリー8に記憶させる第2情報92の個数が上限数を超えるとき、制御部6は、コンテナーメモリー8から第2実行処理データd2を読み出し、読み出した第2実行処理データd2に基づき、表示部12や印刷部10を動作させる、又は、動作させない。
【0107】
予め定められた第2実行処理データd2に基づく処理が実行された後(ステップ♯12の後)、及び、まだ、上限数分の第2情報92が記憶されていなければ(ステップ♯11のNo)、データ通信部63(制御部6)は、印刷ジョブを実行した使用者の第2情報92をコンテナーメモリー8に記憶させる(ステップ♯13)。続いて、データ通信部63(制御部6)は、新たに記憶された第2情報92(初めての第2情報92)に関連付けて、実行されたジョブでのカウント値(印刷枚数C1、ドットカウント値C2)を、累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)としてコンテナーメモリー8に記憶させる(ステップ♯14)。そして、フローは、終了する。
【0108】
(コンテナーメモリー8に記憶された内容の出力)
次に、コンテナーメモリー8に記憶された内容の出力について説明する。図10は、コンテナーメモリー8の記憶内容を表示した使用状況確認画面S5を示す図である。
【0109】
本実施形態のコンテナーメモリー8は、第1情報91ごとに累計印刷枚数C3や、累計ドットカウント値C4を記憶する。又、コンテナーメモリー8は、第2情報92ごとに累計印刷枚数C3や、累計ドットカウント値C4を記憶する。言い換えると、コンテナーメモリー8は、画像形成装置100の個体単位、あるいは、予め定められた使用者情報に関する項目単位で、印刷量(トナー消費量)に関するカウント値の積算値を記憶する。
【0110】
第1情報91や第2情報92単位で、累計の印刷量(トナー消費量)がカウントされるので、コンテナーメモリー8の内容を確認することにより、コンテナー5の使い回しや、コンテナー5を用いてよく印刷を行っている部門や使用者を確認することができる。言い換えると、コンテナーメモリー8の内容を確認することで、コンテナー5の使用状況を詳細に確認することができる。
【0111】
本実施形態の画像形成装置100では、コンテナーメモリー8の記憶内容を出力させることができる。出力の態様としては、表示と印刷と送信がある。図10は、コンテナーメモリー8に記憶された内容を表示出力する例を示している。又、印刷部10は、図10に示す内容を印刷出力してもよい。あるいは、コンテナーメモリー8の記憶内容をI/F部64から外部のコンピューター200に出力して、コンピューター200でコンテナーメモリー8の内容を閲覧できるようにしてもよい。
【0112】
具体的に、制御部6は、第1情報91と当該第1情報91に対応する累計印刷枚数C3や累計ドットカウント値C4を表示部12に表示させたり、印刷部10に印刷させたり、I/F部64から通信出力させたりする。例えば、図10の使用状況確認画面S5では、制御部6は、画像形成装置100の個体ごと(第1情報91ごと)に、累計印刷枚数C3や累計ドットカウント値C4を表示部12に表示させる。
【0113】
又、制御部6は、第2情報92と当該第2情報92に対応する累計印刷枚数C3や累計ドットカウント値C4を表示部12に表示させたり、印刷部10に印刷させたり、I/F部64からコンピューター200に通信出力させたりする。例えば、図10の使用状況確認画面S5では、制御部6は、画像形成装置100を使用する使用者の項目ごと(第2情報92ごと)に、累計印刷枚数C3や累計ドットカウント値C4を表示部12に表示させる。
【0114】
収容体は、使用が開始されてから色材が空になるまで、常に同じ画像形成装置で用いられるとは限らない。又、収容体にトナーやインクを再充填することにより、再利用される場合もある。しかし、従来の収容体のメモリーの記憶内容を確認しても、どのような画像形成装置で今まで利用されてきたか、どの画像形成装置でよく用いられているか、1つの収容体が回収されるまでに統計的、平均的に何台くらいの画像形成装置に取り付けられるか、どのような使用者が印刷したか、というような、コンテナー5が用いられた状況の詳細な履歴を得ることができない。
【0115】
そこで、本実施形態の画像形成装置100は、印刷を行う印刷部10(給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3c、両面搬送部3d)と、画像形成装置の個体を示す情報である第1情報91と、一部が第2情報92として用いられる使用者情報の何れか一方、又は、両方を記憶する記憶部7と、データを記憶するメモリー(コンテナーメモリー8)を含み印刷により消費される色材を収容し、画像形成装置100に着脱可能に取り付けられ、印刷での色材の消費にあわせて印刷部10に色材を補給する収容体(コンテナー5)と、メモリーと通信可能に設けられ、記憶部7に記憶された第1情報91と第2情報92の何れか一方、又は、両方に基づいた収容体の状況に関する状況情報をメモリーに記憶させ、状況情報ごとに当該状況での印刷の累計に関する累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)をメモリーに記憶させ、画像形成装置100で印刷が行われたとき、印刷実行時での収容体の状況に対応する状況情報に関連付けられた累計カウント値データ9に、印刷部10により実行された印刷に関するカウント値(印刷枚数情報C1、ドットカウント値C2)を加算するように累計カウント値データ9をメモリーに更新させるデータ通信部63を含む。
【0116】
これにより、収容体(コンテナー5)が使用された状況にあわせて、メモリー(コンテナーメモリー8)は、各使用状況での累計の印刷に関する(累計の色材の消費量に関する)カウント値(印刷枚数情報C1、ドットカウント値C2)を記憶する。言い換えると、メモリーは、各状況で、どれほど印刷がなされたかを示す情報を記憶する。従って、メモリーには、収容体がどのように利用されているか、収容体がどのように使用されてきたか、累計の色材の消費量が収容体に収容可能な色材の量を明らか超えていることによる再充填の有無、再充填された可能性がある画像形成装置のような、詳細な情報が得られるように印刷した量に関する情報を収容体のメモリーに記憶できる。そして、メモリーに記憶された内容を確認することで、収容体の使用の履歴や使用実態を詳細に確認できる。
【0117】
又、多数の画像形成装置間での頻繁な収容体(コンテナー5)の取り付けや取り外しのような通常とはかけ離れた使用状況によって画像形成装置に異常が生ずる場合がある。ここで、本願の技術によれば、メモリー(コンテナーメモリー8)は、収容体の使用実態を詳細に示す情報を記憶し、その内容が確認できるので、画像形成装置の異常の原因の特定にメモリーの記憶内容を役立てることができる。又、回収した収容体のメモリーの内容を確認し、収容体の詳細な使用の状況、実態に関する情報を得ることで、実際の使用状況に沿うような収容体の開発や設計に役立つ情報を得ることができる。
【0118】
又、本実施形態の画像形成装置100は、画像形成装置100の個体を示す情報である第1情報91を記憶する記憶部7を含み、データ通信部63は、画像形成装置100に初めて取り付けられた収容体(コンテナー5)を用いて印刷が行われた状況のとき、状況情報として初めて取り付けられた画像形成装置100の第1情報91をメモリー(コンテナーメモリー8)に記憶させ、第1情報91ごとに累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)をメモリーに記憶させ、画像形成装置100で印刷が行われたとき、印刷が実行された画像形成装置100の第1情報91と関連付けられた累計カウント値データ9に、印刷部10(給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3c、両面搬送部3d)により実行された印刷に関するカウント値(印刷枚数情報C1、ドットカウント値C2)を加算するように累計カウント値データ9をメモリーに更新させる。
【0119】
これにより、メモリーには、取り付けられた画像形成装置100を示す情報と、取り付けられた画像形成装置100ごとに、実行された印刷の量を示す情報がメモリーに記憶される。従って、取り付けられた画像形成装置の総台数、収容体がどのような画像形成装置で使用されたか、画像形成装置1台あたりどれほど使用されたか、色材の再充填の回数などを示す収容体の使用状況の履歴を示す情報を、メモリーに記憶させておくことができる。そして、メモリーに記憶された情報を確認することで、収容体の使用の実態を詳細に確認することができる。
【0120】
従来、どのような使用者が、よく使用しているか、どのような使用者によく用いられていたか、1つの収容体(コンテナー5)が回収されるまでに統計的、平均的にどれくらいの使用者に用いられるか、といった履歴や情報を、色材を補給する従来のカートリッドなどに取り付けられたメモリー(コンテナーメモリー8)では、得ることができない。そこで、本実施形態に係る画像形成装置100は、一部が第2情報92として用いられる使用者情報を記憶する記憶部7と、を含み、データ通信部63は、第2情報92がメモリー(コンテナーメモリー8)に記憶されていない使用者により印刷が行われた状況のとき、メモリーに記憶されていない使用者の第2情報92を状況情報として、メモリーに記憶させ、第2情報92ごとに累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)をメモリーに記憶させ、画像形成装置100で印刷が行われたとき、印刷を実行した使用者に対応する第2情報92と関連付けられた累計カウント値データ9に、印刷部10(給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3c、両面搬送部3d)により実行された印刷に関するカウント値(印刷枚数情報C1、ドットカウント値C2)を加算するように累計カウント値データ9をメモリーに更新させる。
【0121】
これにより、どれくらいの使用者に使用されたか、使用者ごとの収容体の頻度、色材の再充填をしていそうな使用者を示す情報を、メモリーに記憶させておくことができる。そして、メモリーに記憶された情報を確認することで、収容体の使用の実態を詳細に確認することができる。
【0122】
実際にコンテナー5に残っている色材の量と累計カウント値(印刷枚数情報C1、ドットカウント値C2)に基づき計算されるコンテナー5内の色材の残量との差が大きくなり得ることや、コンテナー5の一部の破損、欠けなど、収容体(コンテナー5)をあまり次々に新たな画像形成装置に取り付けることが好ましくない場合がある。そこで、本実施形態の画像形成装置100は、メッセージを出力する出力部(表示部12、I/F部64)を含み、メモリー(コンテナーメモリー8)は、収容体(コンテナー5)が取り付け可能な画像形成装置100の上限台数を示す第1上限データD1を記憶し、データ通信部63が第1上限データD1に定められた上限台数を超えて、第1情報91を記憶させることになるとき、印刷部10(給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3c、両面搬送部3d)と出力部の何れか一方、又は、両方は警告メッセージを出力する。これにより、複数の画像形成装置に対し、制限台数を超えて、頻繁に収容体が着脱されるような異常な使用状況と認められるとき、警告を発し、使用者に好ましくない使用状況であることを報知することができる。
【0123】
又、本実施形態の画像形成装置100は、メッセージを出力する出力部(表示部12、I/F部64)を含み、メモリー(コンテナーメモリー8)と記憶部7の一方、又は、両方は、記憶できる第2情報92の数の上限数を示す第2上限データD2を記憶し、データ通信部63が第2上限データD2での上限数を超えて、第2情報92を記憶させることになるとき、印刷部10(給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3c、両面搬送部3d)と出力部の何れか一方、又は、両方は、警告メッセージを出力する。これにより、画像形成装置100の使用者が多く、異常な使用がなされている可能性を報知することができる。
【0124】
又、本実施形態の画像形成装置100は、使用者の操作を受け付ける操作部(操作パネル1、タッチパネル部14)を含み、メモリー(コンテナーメモリー8)に記憶された状況情報(第1情報91、第2情報92)ごとの累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)を出力させる指示を操作部が受け付けたとき、印刷部10(給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3c、両面搬送部3d)と出力部(表示部12、I/F部64)の何れか一方、又は、両方は、メモリーに記憶された状況情報ごとの累計カウント値データ9を出力する。これにより、自由に、メモリーに格納された収容体(コンテナー5)の使用の履歴や使用実態を詳細に確認できる情報を出力し、情報の内容を確認することができる。
【0125】
又、本実施形態に係る収容体(コンテナー5)は、本実施形態に係る画像形成装置100に用いられる収容体であって、収容体は、使用されてからの累計の印刷に関する累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)を記憶するメモリー(コンテナーメモリー8)を含み、印刷により消費される色材を収容し、画像形成装置100に着脱可能に取り付けられ、印刷での色材の消費にあわせて印刷部10(給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4a、定着部4b、第2搬送部3c、両面搬送部3d)に色材を補給し、メモリーは、印刷が行われたときの収容体の状況が初めての状況のとき、収容体の初めての状況に関する状況情報(第1情報91、第2情報92)を記憶し、状況情報ごとに、累計カウント値データ9(累計印刷枚数C3、累計ドットカウント値C4)を記憶し、画像形成装置100で印刷が行われたとき、印刷実行時での収容体の状況に対応する状況情報に関連付けられた累計カウント値データ9に印刷部10により実行された印刷に関するカウント値(印刷枚数情報C1、ドットカウント値C2)を加算するように、累計カウント値データ9を更新する。従って、メモリーに記憶された内容に基づき(内容を確認することで)、収容体の使用の履歴や使用実態を詳細に確認できる収容体を提供することができる。
【0126】
次に、他の実施形態について説明する。上記の実施形態では、コンテナーメモリー8に第1情報91と第2情報92の何れも記憶させる例を説明したが、第1情報91と第2情報92の何れか一方だけをコンテナーメモリー8に記憶させるようにしてもよい。
【0127】
又、第1の実施形態では、色材としてトナーを用いる例を説明した。しかし、色材としてインクが用いられてもよい。
【0128】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明はメモリーを含むコンテナー5や、コンテナー5を備えた画像形成装置100に利用可能である。
【符号の説明】
【0130】
100 画像形成装置 10 印刷部
1 操作パネル(操作部) 12 表示部(出力部)
14 タッチパネル部(操作部) 3a 給紙部(印刷部)
3b 第1搬送部(印刷部) 3c 第2搬送部(印刷部)
3d 両面搬送部(印刷部) 4a 画像形成部(印刷部)
4b 定着部(印刷部) 5 コンテナー(収容体)
6 制御部 7 記憶部
63 データ通信部 64 I/F部(出力部)
8 コンテナーメモリー(メモリー) 9 累計カウント値データ
C1 印刷枚数(カウント値) C2 ドットカウント値(カウント値)
C3 累計印刷枚数(累計カウント値データ)
C4 累計ドットカウント値(累計カウント値データ)
D1 第1上限データ D2 第2上限データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10