(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主材料と前記副材料とを第1の管路に流入させる工程が、前記第1の管路の軸線方向に流動する前記主材料の内部に前記副材料を前記軸線方向に流入させて行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1および特許文献2の技術は、主材料と副材料との細かな混合に不向きであり、特に、主材料と副材料の物性(粘度等)が著しく異なる場合には適用が困難であった。例えば、主材料の粘度が低く、副材料の粘度が高い場合は、副材料が静止型混合器の壁面に偏って流れることが多くなり、主材料の中に副材料が偏って配置された食品になってしまうという問題があった。
この点、静止型混合器の混合性能を上げた場合には、圧力損失が大きくなるため主材料と副材料の搬送手段の能力をあげる必要が生じるが、その場合、製造装置全体が巨大化し、複雑化し、また設備コスト、作業性の面で不利になるという問題があった。
そこで本発明は、食品の材料の偏りを抑えて不規則模様を発現させることができ、設備コストを低減し、作業効率が良く、設備を比較的コンパクトとすることができ
る食品の製造装置及び製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の製造方法は、流動性を有する主材料と流動性を有する副材料とを第1の管路に流入させ、前記主材料と前記副材料とをこの第1の管路の軸線方向に沿って流動させ、前記第1の管路よりも断面積が大き
く、前記第1の管路の下流側の開口端部から前記第1の管路の軸線に対して側面視で75度以上90度以下で拡開し、前記開口端部に対して内径が220〜250%で拡径する第2の管路に前記主材料と前記副材料とを吐出させ、前記副材料を前記主材料内
に散りばめ、その後、前記第2の管路から注出して成形し食品とすることを特徴とする。
この構成によれば、前記第1の管路においてその軸線方向に流動させた前記主材料と前記副材料とを、これらの流動方向が側面視で前記軸線方向に対して
75度以上90度
以下で
拡開し、第1の管路の下流側の開口端部に対して内径が220〜250%で拡径するように、好ましくは第2の管路で放射状方向に吐出させ、流動する主材料及び副材料の断面積を急激に拡大させる。したがって、前記副材料が第2の管路内で押し拡げられたり、細かく引きちぎられたりしつつ、かつ、前記主材料内に融合してしまうことなく、主材料の全体に分散する。すなわち、本発明の方法によれば、主材料と副材料とを融合させて全体的に均質となるよう混合させることなく、主材料内の略全体に不規則な模様を形成した副材料を散りばめることができる。なお、この場合、第2の管路は第1の管路の下流側に連通するように配置すると好適である。また、前記第1の管路よりも断面積が大きい第2の管路に前記主材料と前記副材料とを吐出させる工程は、複数回行ってもよいが1回だけでもよく、1回であれば簡便であって好ましい。
【0007】
本発明は、前記主材料と前記副材料とを第1の管路の軸線方向に沿って流動させる工程が、前記主材料及び前記副材料に加圧しながら行われてもよい。この構成によれば、主材料と副材料とが第2の管路に吐出される際により勢いよく吐出するため、副材料が主材料内の全体により分散しやすく、不規則な模様を容易に形成することができる。このような加圧の具体的な方法としては、第1の管路の流路を縮径させることが簡便であり好ましい。
【0008】
本発明は、前記主材料と前記副材料とを第1の管路に流入させる工程が、前記第1の管路の軸線方向に流動する前記主材料の内部に前記副材料を前記軸線方向に流入させるものであることが好ましい。
この構成によれば、副材料を主材料の流れに沿って流入させるため、主材料と副材料の第1の配管内における流動時に、主材料内における副材料の流動位置(すなわち主材料の流動断面における副材料の流動位置)を一定にすることができる。したがって、主材料内の所定の位置、すなわち主材料の軸線方向中心寄りに副材料を流動させることにより、第2の管路への吐出時に主材料内に副材料を偏りなく分散させやすくすることができる。
【0009】
本発明は、前記主材料と前記副材料とを第1の管路に流入させる工程が、前記副材料を複数の管路から前記第1の管路に向けて注出するものであってもよい。
この構成によれば、副材料を第1の管路において予め複数に分流させているため、第2の管路への吐出時に、副材料をより容易に主材料内の全体に分散させることができる。
【0010】
本発明は、前記主材料が圧縮性流体であり、前記副材料が非圧縮性流体であってもよい。
一般に、冷菓やホイップクリーム、メレンゲ等、気泡を含む食品は、圧力が掛かると体積が小さくなる圧縮性流体である。主材料が圧縮性流体であり副材料が非圧縮性流体である場合は、例えば静止型混合器等により機械的な攪拌装置を用いて副材料を主材料内で攪拌させようとしても、副材料が主材料の中で偏って配置されやすく、副材料を全体的に略均等に分散させて不規則模様を発現させることは困難であるという問題がある。
しかし、本発明の方法によると、主材料と副材料との流動断面積を第2の管路で大きくし、主材料と副材料とを好ましくは放射状に拡開させつつ吐出することによって副材料を主材料内に分散させる。したがって、主材料が圧縮性流体であっても、副材料の偏りを抑制してちりばめることができる。
【0011】
本発明の製造装置は、流動性を有する主材料と流動性を有する副材料とを合流させる第1の配管と、この第1の配管の下流側の開口端部に接続され、この開口端部よりも大径に形成された第2の配管と、この第2の配管の下流に設けられた前記主材料及び前記副材料の充填装置とを備え、前記第2の配管の管路
は、前記第1の配管の
前記開口端部から前記第1の配管の軸線に対して側面視で
75度以上
90度以下で拡開し
、前記開口端部に対して内径が220〜250%で拡径していることを特徴とする。
この構成によれば、前記第2の配管の管路が、前記第1の配管の開口端部から前記第1の配管の軸線に対して
75度以上
90以下で拡開している、すなわち第1の配管の開口端部から第2の配管の管路が急拡大している。したがって、主材料及び副材料が第2の配管の管路に吐出された際に、その流動断面積が急激に拡大し、前記副材料が前記主材料内に融合してしまうことなく、第2の管路内で好ましくは放射状に押し拡げられたり、細かく引きちぎられたりして主材料の全体に分散する。すなわち、本発明の装置によれば、主材料と副材料とを融合させて全体として均質となるよう混合させることなく、主材料内の略全体に不規則な模様を形成した副材料を散りばめることができる。
【0012】
本発明は、前記第1の配管の管路に、下流に向かって漸次縮径する縮径部が形成されていてもよい。
この構成によれば、縮径部において主材料と副材料とに加圧することができる。したがって、第2の管路への吐出時に主材料と副材料とをより勢いよく吐出することができるため、副材料が主材料内の全体により分散しやすく、不規則な模様を容易に形成することができる。
【0013】
本発明は、前記主材料を連続的に供給可能な主材料供給管が、前記第1の配管に接続され、前記副材料を連続的に供給可能な副材料供給管の先端部が、前記主材料が前記第1の配管の軸線に沿って流動する位置に挿入されるとともに、前記副材料供給管の軸線を前記第1の配管の軸線と平行に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、副材料を主材料の流れに沿って流入させることができる。したがって、主材料と副材料の第1の配管内における流動時に、主材料内における副材料の流動位置(すなわち主材料の流動断面における副材料の流動位置)を維持させることができる。よって、主材料内の所定の位置、すなわち主材料の軸線方向中心寄りに副材料を流動させることにより、第2の管路への吐出時に主材料内に副材料を偏りなく分散させやすくすることができる。
【0014】
本発明は、前記副材料供給管は、少なくともその先端部において複数に分岐していてもよい。
この構成によれば、副材料を第1の配管内で複数に分けて流入及び流動させることができる。したがって、第2の配管への吐出時に、副材料をより容易に主材料内の全体に分散させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明
の食品の製造方法及び製造装置によれば、第1の管路においてその軸線方向に流動させた主材料と副材料とを、これらの流動方向が好ましくは側面視で前記軸線方向に対して
75度以上90度
以下で拡がるように、好ましくは第2の管路で放射状に吐出させ、流動する主材料及び副材料の断面積を急激に拡大させる。したがって、副材料が前記主材料内に融合してしまうことなく、第2の管路内で好ましくは放射状に押し拡げられたり、細かく引きちぎられたりしつつ、主材料の全体に分散する。すなわち、本発明の方法によれば、主材料と副材料とが互いに融合して全体として均質となってしまうよう混合させることなく、主材料内の略全体に副材料が不均質に存在し、不規則な模様が発現されるように同副材料を散りばめることができる。したがって、本発明によれば、主材料の中に味覚的にも視覚的にも副材料の存在感を程よく知覚させることができるとともに、美観性の高い食品を提供することができるという効果を奏する。また、本発明の方法及び装置によれば、製造プロセス及び装置の構成をシンプルにすることができるため、装置を小型にすることができ、設備コストを抑制し得るとともに、作業性を好適にすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の不規則模様をした食品の製造装置(以下、「食品製造装置」という)及び製造方法の実施の形態について図を参照して説明する。なお、本発明の製造方法により製造可能な食品としては、例えば、別々のフレーバーや色素を使用して調製した多種類の冷菓を混練して不規則模様を生じさせた冷菓商品や、冷菓を主材料として、これに氷、ソース、ジャム等の副材料を混練して不規則模様を生じさせた冷菓や、バターやチーズ等の固形乳製品を主材料とし、これにジャムやソース等の副材料を混練して不規則模様を生じさせた食品等、主材料及び副材料が原料時に流動体にされるものが挙げられる。
【0018】
図1に示すように、本発明の食品製造装置1Aは、食品の主材料Pと副材料Qとを合流させる第1の配管2Aと、第1の配管2Aの下流側の開口端部2aに接続され、開口端部2aの内径m1よりも管路3kの内径m2が大径に形成され(断面積が大きく形成され)た第2の配管3と、第2の配管3の下流に設けられた充填装置4とを備えている。
【0019】
第1の配管2Aは、円筒状の直管であり、食品の主材料Pと副材料Qとを合流させ第2の配管3に向けて主材料Pと副材料Qを軸線L方向(本実施形態では鉛直下方)に流動させる配管である。
この第1の配管2Aには、
図2に示すように、主材料Pを供給する主材料供給管5及び副材料Qを供給する副材料供給管6が接続されている。
主材料供給管5及び副材料供給管6は、T字管7の継手を介して第1の配管2Aに接続されている。
【0020】
主材料供給管5は、主材料Pを連続的に流す管である。
本発明において「連続的に」とは、回転ポンプ等を使用して途切れなく主材料Pを流す態様のほかに、往復動ポンプ、開閉弁等を使用してワンショットずつ断続的に主材料Pを流す態様も含まれる。
【0021】
主材料供給管5の上流側端部には、主材料の原料を貯留するタンク8aを備えたフリーザー等の主材料製造装置8が接続されている。主材料Pは、主材料製造装置8により製造された後、直ちに主材料供給管5に供給される。また、主材料供給管5には主材料Pを流すための送液手段(ポンプ等)を別途備えていてもよい。主材料供給管5の下流側端部は、第1の配管2Aとの間に接続されたT字管7の分岐管9に接続されている。
なお、主材料供給管5は、製造された主材料Pを貯留するホッパー若しくはタンクに接続されていてもよい。
【0022】
副材料供給管6は、副材料Qを連続的に流す管である。
副材料供給管6の上流側端部には、副材料Qを貯留するホッパー若しくはタンク10が直接接続されている。また、副材料供給管6には副材料Qを流すための送液手段(ポンプ等)11を別途備えている。この副材料供給管6は、その先端部6aを第1の配管2Aとの間に接続されたT字管7を構成する本管12内に挿入させた状態で本管12の上端12aに接続されている。
【0023】
副材料供給管6は、第1の配管2Aの軸線Lに平行に(本実施形態では軸線Lを共通の軸線として)配置されており、副材料供給管6の先端部6aは、主材料Pが供給された後、この主材料Pが第1の配管2Aの軸線Lに沿って流動する位置に達するようT字管7の下端12bの近傍又は第1の配管2A内(本実施形態においてはT字管7の下端12b近傍)に挿入配置されている。
なお、副材料供給管6は、副材料Qの製造装置(不図示)に直接接続されていてもよい。
【0024】
なお、主材料Pとしては、様々な食品を選択することができるが、管路にて送液できるものが望ましく、流動性を有する食品であることが必要である。かかる食品としては、各種の冷菓のほか、バター、軟質チーズなどの乳製品が好ましく、その他、チョコレート、ヨーグルトや、プリン、ゼリーなどのデザート等も例示できる。
【0025】
本発明の効果を最も享受できる食品は、圧縮性流体の性質を有する食品である。圧縮性流体とは、周囲の圧力の大小によって体積が増減する流体のことであり、典型的な例として含気泡食品を例示することができる。アイスクリーム等の冷菓や、ホイップクリーム、ホイップバター、メレンゲ等の各種のホイップ食品等が例示できる。この中では冷菓が最も好ましい。
【0026】
本発明において冷菓は、例えば「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」等で定義されるものであり、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス等のアイスクリーム類や氷菓を例示することができる。
【0027】
また、副材料Qとしては、食品であればどのようなものでもよいが、主材料Pと同様に流動性を有することが必要である。
副材料Qは圧縮性流体であってもかまわないが、とくに圧縮性流体に限定されるわけではない。むしろ、本発明の有利な効果が最大限に享受される副材料Qは、圧縮性流体ではない非圧縮性流体である。
【0028】
すなわち、一般に圧縮性流体と非圧縮性流体とを混合したとしても両者は混ざりにくい。このため、これらをマーブル状の模様を呈するように加工したとしても圧縮性流体の中で非圧縮性流体が偏りやすく、非圧縮性流体が固まって偏在する模様となってしまい、良好な食品を得ることが難しい。しかし、食品製造装置1Aでは、圧縮性流体に非圧縮性流体の不規則模様を形成することができるので、食品製造装置1Aを用いた場合の優位性が一層顕著となる。
【0029】
副材料Qは、主材料Pと異なる色のものが好ましく、色が異なればより美しい模様を描くことができる。また副材料Qは1種類に限られず、2種類以上を使用してもよい。
食品製造装置1Aは、主材料Pの物性と副材料Qの物性とが異なる場合に好適である。
【0030】
図1に示すように、第2の配管3は、第1の配管2Aの下流側の開口端部2aに接続され、開口端部2aの内径m1よりも管路3kの内径m2が大径に形成された円筒状の管である。
第2の配管3の上端は、第1の配管2Aの開口端部2aを接続させる開口部15を除いて軸線Lに直交する平板16で閉塞され、第1の配管2Aの軸線L方向に対して90度すなわち水平方向に拡径された直管となっている。
【0031】
拡径の比率としては、第2の配管3の管路3kの内径m2が、第1の配管2Aの開口端部2aの内径m1の180〜250%、好ましくは200〜250%、特に好ましくは220〜250%に設定されているのが望ましい。
【0032】
また、拡径の角度θ1としては、第1の配管2Aの軸線L方向に対して、45度以上120度以下で拡がっていればよく、好ましくは60度以上100度以下で、更に好ましくは75度以上90度以下で拡がっているのが望ましい。
【0033】
第2の配管3の上端の平板16の軸線L方向に対する角度が45度以下である場合、主材料Pと副材料Qとが緩やかに拡がるだけで攪拌が不十分となると考えられる。
また、第2の配管3の上端の平板16の軸線L方向に対する角度が120度以上である場合は、軸線L方向に流下してきた主材料Pと副材料Qとは、軸線L方向に対して90度以上流動方向を変更し得ないと考えられるが、攪拌による乱流で第2の配管3の管路3kの上方に主材料P及び副材料Qが滞留してしまう可能性があると考えられる。
第2の配管3の下流側端部には、主材料P及び副材料Qを含んだ食品の製品成形装置20が備えられている。
【0034】
製品成形装置20は、不規則模様の食品の原料を製造した後に、食品の最終製品の形態に成形するための装置であり、原料の充填装置4と、商品の搬入搬出手段21と、これらの動きを制御する制御手段(不図示)とを備えている。
【0035】
原料の充填装置4は、各部品の詳細は図示しないが、容器1個分の食品を計量するための計量手段、これを送る送液手段、またはこれらの両機能を併せもつピストンポンプ等の手段と、その下流に設けられ、副材料Qを含んだ主材料P注出する充填ノズル22及び充填ノズル22の開閉弁を具備し、第2の配管3の下流側端部に取り付けられている。
原料の充填装置4の下方には、例えばベルトコンベア等の搬入搬出手段21が設置されており、食品の容器25や成形金型等(本実施形態では容器25)が搬送ないし回送されるようになっている。
【0036】
次に、食品製造装置1Aの使用方法をもって不規則模様をした食品の製造方法を説明するとともに、食品製造装置1A及び製造方法の機能及び作用について説明する。
まず、
図2に示すように、主材料Pの主材料製造装置8及び副材料Qのポンプ11を作動させ、主材料Pを製造した後、主材料P及び副材料Qをそれぞれ主材料製造装置8及びタンク10から順次主材料供給管5及び副材料供給管6のそれぞれに送出する。そして、主材料供給管5及び副材料供給管6からT字管7内に主材料P及び副材料Qを供給する。
【0037】
この際、主材料Pは、分岐管9の先端に接続されているため、分岐管9から進入し、進行方向を本管12の軸線L方向に変えて順次流下する。副材料Qは、副材料供給管6の先端が本管12の上端12aから下端12b近傍に至るよう挿入されているため、主材料Pの流動方向が本管12の軸線L方向に定まったところで主材料Pと同方向の軸線L方向に供給される。したがって、副材料Qは、
図1に示すように、第1の配管2Aにおける副材料供給管6の設置位置のとおりに主材料P内に供給され、そのまま第2の配管3に向かって流下していく。このように、副材料供給管6の先端は、主材料の流動方向の下流側に向けて開口していることが好ましい。
【0038】
そして、順次供給される主材料P及び副材料Qに押し出されて副材料Qを含んだ主材料Pが第2の配管3に吐出されると、第2の配管3の管路3kの内径m2が第1の配管2Aの下端側開口部2aの内径m1の180%〜250%に拡径されており、上端の平板16が第1の配管2Aの軸線Lに対して90度拡開する(すなわち、管路3kが軸線Lに対して90度拡開する)よう、水平方向に急拡大しているので、主材料Pと副材料Qが第2の配管3の管路3kにおいて上端の平板16に沿って好ましくは放射状に拡がる。
【0039】
そして、副材料Qが、主材料P内で第1の配管2Aの管路2kの下流側端縁から軸線L方向に対して流動方向を好ましくは0度〜90度未満の範囲で変更することで、全体として好ましくは放射状に押し広げられたり引きちぎられたりしながら、主材料Pに溶け込んで融合し切ってしまうことなく、視覚的にも味覚的にも副材料Qの存在が知覚できるように主材料Pの略全体に散りばめられる。
【0040】
第2の配管3に吐出されて主材料P中に副材料Qが散りばめられた模様を形成した食品の材料は、そのまま第2の配管3の管路3kを流下し、充填装置4の先端から容器25内に注出され、適宜冷凍等されて固化され、
図4,
図5に示すような冷凍製菓が得られる。
【0041】
以上のように、本発明の食品製造装置1A及び製造方法によれば、主材料Pと副材料Qとが互いに融合して全体的に均質となってしまうよう混合させることなく、主材料P内の略全体に不規則な模様が形成されるように副材料Qを散りばめることができる。
したがって、本発明によれば、主材料Pの中に味覚的にも視覚的にも副材料Qの存在感を程よく知覚させることができるとともに、味わいが豊かで美観性の高い食品を提供することができるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明の食品製造装置1A及び製造方法によれば、一定の径の管路2kが形成された第1の配管2Aと、第1の配管2Aの内径m1を急拡大させて管路3kの内径m2が大径に形成された第2の配管3とに主材料Pと副材料Qとを流動させるだけのシンプルな製造プロセス及び装置の構成で、不規則模様をした食品を製造することができる。したがって、食品製造装置1Aを小型にすることができ、設備コスト,ランニングコストを抑制し得るとともに、作業性,メンテナンス性及び取り扱いを好適にすることができるという効果が得られる。
【0043】
また、副材料供給管6の先端部6aがT字管7の本管12に沿って、かつ、下端12b近傍に配置されているため、副材料Qを主材料Pの所定の配置で主材料Pの流れに沿って流入させることができる。したがって、主材料Pと副材料Qの第1の配管2A内における流動時に、主材料P内における副材料Qの流動位置(すなわち主材料Pの流動断面における副材料Qの流動位置)を維持させることができる。よって、主材料P内の所定の位置、すなわち主材料Pの軸線L方向中心寄りに副材料Qを流動させることにより、第2の配管3の管路3kへの吐出時に主材料P内に副材料Qを偏りなく分散させやすくすることができるという効果が得られる。
また更に、不規則模様をした食品を食品製造装置1Aで連続的に製造することができるため、工業的に大量生産をすることができるという効果が得られる。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態について
図3を参照して説明する。本実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、主として第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0045】
本実施形態の不規則模様をした食品製造装置1Bは、第1の配管2Bが先端に向かって漸次縮径し、その管路2kが縮径部30とされている。そして、この第1の配管2Bの下流側の開口端部30bに、第2の配管3が接続されている。
【0046】
縮径部30は、その入口開口部30aに対して出口開口部30bが180〜250%、好ましくは200〜250%、とくに好ましくは220〜250%程度縮径することが望ましく、軸線L方向と縮径部30の内壁面30tの傾斜角度が5〜45°、好ましくは5〜30°、とくに好ましくは5〜15°であれば好適である。
【0047】
この不規則模様をした食品製造装置1Bによれば、第1の配管2Bの縮径部30に主材料P及び副材料Qを供給して漸次下流側に進行させると、主材料P及び副材料Qが加圧されていく。そして、第2の配管3に吐出された際に、圧から開放されて、主材料Pと副材料Qとが勢いよく第2の配管3内で好ましくは放射状に噴出するため軸線L方向に対して流動角度θ2がより大きくなり、攪乱の効果がより大きくなる。その結果、主材料P内に副材料Qをより細かく分散させることができ、視覚的に繊細で美しい不規則模様を呈することができると共に、味覚的にも、副材料Qの存在を知覚することのできる繊細な味わいとすることができるという効果が得られる。
【0048】
以上、第1の実施形態及び第2の実施形態によって本発明の食品製造装置1A,1B及び不規則模様をした食品の製造方法について説明したが、本発明の食品製造装置1A、1B及び製造方法は、上記の実施形態で示した態様のものに限定されるものではない。すなわち、本発明は、第1の配管2A,2Bからこの下流側端部の内径m1よりも管路3kの内径m2が大径に形成された第2の配管3に主材料Pと副材料Qとを吐出することによって、これら主材料Pと副材料Qとの流動方向を好ましくは第1の配管2Aの軸線L方向に対して40度以上90度未満で変更させて吐出させ得る装置又は方法であれば、適宜各構成を変形させて適用することができる。
【0049】
具体的には、上記第1及び第2の実施形態では、一の副材料供給管6がT字管7に挿入された構成とされているが、副材料供給管6は、
図6に示すように、T字管7又は第1の配管2Aの管路2kの軸線L寄りに複数均等配置させたものであってもよい。このように副材料供給管6を複数に分けて挿入することにより、副材料Qを偏りなく主材料Pに合流させることができる。また、本変形例によれば、例えば粘性の高いジャム等の材料であってもより容易に分散させることができるという効果が得られる。このように副材料供給管6を複数に分岐させてT字管7内に挿入する方法は、第2の実施形態の食品製造装置1Bにおいても有効である。
なお、この態様は、副材料Qが果肉入りソースのように固液混合状の流体である場合よりも、液状、半液状の流体である場合に好適である。
【0050】
また、複数の副材料供給管6全てをT字管7又は第1の配管2Aに配置する態様であってもよいが、複数の副材料供給管6の一部を事前に合体させてからさらにT字管7又は第1の配管2Aに配置する態様であってもよい。このようにすれば、合体した副材料供給管6には複数種類の副材料を流すことができるため、より複雑な不規則模様を呈することが可能になる。
【0051】
また、第1の配管2Aは、T字管7と一体に形成とされたものであってもよい。
前記第2の配管3の上端の平板16は、軸線Lに対して90度拡開させた構成となっているが、
図1に示す平板16と軸線Lのなす角度θ1が、第1の配管2A,2Bの開口端部2aから第1の配管2A(2B)の軸線Lに対して45度以上120度以下で拡開していれば、例えば
図7に示すようなテーパ形状とされていてもよい。
また、第2の配管3の管路3kはその角部35が
図7に示すようにR形状となっていてもよい。
【0052】
また、第1の配管2A及び第2の配管3をこれらの軸線Lを鉛直下方に向けて主材料Pと副材料Qとを流下させ、これら主材料Pと副材料Qとが滞留し難くなっている限り、
図8に示すように、第2の配管3の平板16は、軸線Lに対する角度θ1が90度以上とされ、主材料Pと副材料Qとが一部流動方向と逆方向に攪拌できるようになっていてもよい。
【0053】
また、主材料供給管5及び副材料供給管6は、それぞれT字管7に接続されているが、第1及び第2の実施形態で示したように主材料Pと副材料Qとを供給できる限り、継手はY字管(不図示)であっても或いは
図2,
図3にそれぞれ示す第1の配管2A,2Bに開口部を形成して直接接続されていてもどのような接続がされていてもよい。
【0054】
以下、実施例を用いて
図3に示す不規則模様をした食品製造装置1Bと同一の装置を用いて本発明を具体的に説明する。
【実施例】
【0055】
[実施例1]
フリーザーの上流側にミックスタンクを接続し、フリーザーの出口に主材料供給管(1.5インチ。IDF/ISO規格。以下同じ。)の先端を接続する。これとは別にソースタンクの出口に副材料供給管の先端を接続する。なお、ソースタンクの出口には図示しないモーノポンプが設けられている。なお、モーノポンプの他には、ロータリーポンプ、ピストンポンプ等も使用できる。
【0056】
主材料供給管の末端をT字管の主管に接続する。T字管は、本管の口径および内径は1.5インチ、分岐管の口径および内径は1.5インチである。
副材料供給管は途中で分岐して多管状のノズルを形成し、この多管状のノズルをT字管の一方の分岐管の開口部に挿入して隙間を溶接して閉塞する。多管状のノズルの一本あたりの外径は5mm、内径は4mmで、本数は3本とする。なお、T字管の他方の分岐管の開口部は主材料と副材料とが合流して排出される。
【0057】
T字管の他方の側管には、縮径管を配置し、この縮径管の出口に急拡大管を設けた。
縮径部の入口の口径は1.5インチ(37mm)、出口の口径は15mm、長さは80mmである。
第2の配管の末端開口部には充填装置の充填バルブの先端を接続した。
上記の装置を用いて不規則模様をした食品の製造を行った。表1および表2の配合でアイスクリームミックスおよびソースを各々調製した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
[アイスクリームミックスの調製]
表1の原料のうち溶解水を85℃に加温してスーパーミキサーに貯留し、撹拌しながらその他の原料を順次投入して溶解した。溶解後、プレート式殺菌機にて95℃15秒の殺菌をほどこし、10℃に冷却して無菌タンクに貯留し、アイスクリームミックス100kgを得た。
【0061】
このアイスクリームミックスの粘度は、粘度計(東機産業社製、RB80型)を使用してNo.2ローターで60rpmの条件で測定したところ、250cpであった。
【0062】
[ソースの調製]
表2の原料のうち溶解水を85℃に加温してスーパーミキサーに貯留し、撹拌しながらその他の原料を順次投入して溶解した。溶解後はバスケットフィルター(40〜60メッシュ)を通過させて一旦タンクに貯留し、プレート式殺菌機にて95℃3分の殺菌をほどこし、10℃に冷却して無菌タンクに貯留し、ソース30kgを得た。
このソースの粘度は、粘度計(東機産業社製、RB80型)を使用してNo.4ローターで60rpm、15℃の条件で測定したところ、7300cpであった。
【0063】
[マーブル状冷菓の製造]
アイスクリームフリーザーにアイスクリームミックスを通液するとともにフリーザーを稼動し、アイスクリームミックスに空気を吹き込みながら撹拌冷却することにより、オーバーラン30〜50%、温度−5.0℃のアイスクリームを連続的に排出した。
次いでソースタンクの出口にあるモーノポンプ(図示せず)を稼動し、ソースをT字管に流した。
【0064】
ソースは多管状のノズルを介してアイスクリームに偏りなく合流させた。合流したソース入りアイスクリームに急拡大管を通過させて、充填バルブより容器に1個ずつ充填した。
【0065】
[評価結果]
容器に95gずつ充填した。この結果、
図5で示した写真のように、非常に美しいマーブル状の模様を呈するソース入りアイスクリームを20個得ることができた。ソースの部分には偏りはなく、全体的に均等にマーブル状の模様を呈していた。