特許第5965877号(P5965877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5965877LNG燃料供給システムおよびその駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965877
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】LNG燃料供給システムおよびその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 9/00 20060101AFI20160728BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   F17C9/00 A
   F02M21/02 L
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-194613(P2013-194613)
(22)【出願日】2013年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-194272(P2014-194272A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2013年9月19日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0033192
(32)【優先日】2013年3月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513235337
【氏名又は名称】ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ テ ソク
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−202550(JP,A)
【文献】 特開2005−308149(JP,A)
【文献】 特開2007−292182(JP,A)
【文献】 米国特許第05860798(US,A)
【文献】 国際公開第2011/078689(WO,A1)
【文献】 特表2011−520081(JP,A)
【文献】 特開2004−076825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 9/00
F02M 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料としてLNGまたはオイルが選択的に供給されるエンジンに適用されるLNG燃料供給システムであって、
LNG貯蔵タンクから前記エンジンまで連結された燃料供給ラインと、
前記燃料供給ライン上に具備され、前記LNG貯蔵タンクから排出されたLNGを加圧するブースティングポンプと、
前記ブースティングポンプから排出された前記LNGを高圧に加圧する高圧ポンプと、
前記LNG貯蔵タンクと前記高圧ポンプの出口側との間に連結され、前記LNGを上流側の前記LNG貯蔵タンクに回収する回収ラインと、を含み、
前記ブースティングポンプは、燃料を前記オイルから前記LNGに切り替えるためのスタンバイモード時には通常運転時より低い負荷で稼動され、
前記スタンバイモードにおいて前記高圧ポンプは動作待機状態とされ、
前記回収ラインは、前記スタンバイモード時において、前記高圧ポンプ側から前記LNGを前記LNG貯蔵タンクに回収することを特徴とするLNG燃料供給システム。
【請求項2】
前記回収ラインは、
前記高圧ポンプの内部と前記LNG貯蔵タンクとに連結されることを特徴とする請求項1に記載のLNG燃料供給システム。
【請求項3】
前記回収ラインは、
前記高圧ポンプと前記エンジンとの間の前記燃料供給ラインに設けられた流路切換え弁から分岐して前記LNG貯蔵タンクに連結されることを特徴とする請求項1に記載のLNG燃料供給システム。
【請求項4】
前記ブースティングポンプは、前記LNG貯蔵タンクから排出された前記LNGを1barないし25barに加圧し、
前記高圧ポンプは、前記LNGを200barないし400barに加圧することを特徴とする請求項1に記載のLNG燃料供給システム。
【請求項5】
燃料としてLNGまたはオイルが選択的に供給されるエンジンに適用されるLNG燃料供給システムの駆動方法であって、
LNG貯蔵タンクから前記エンジンまで連結された燃料供給ラインと、
前記燃料供給ライン上に具備され、前記LNG貯蔵タンクから排出された前記LNGを加圧するブースティングポンプと、
前記ブースティングポンプから排出された前記LNGを高圧に加圧する高圧ポンプと、
前記LNG貯蔵タンクと前記高圧ポンプの出口側との間に連結され、前記LNGを上流側の前記LNG貯蔵タンクに回収する回収ラインとを含み、
燃料を前記オイルから前記LNGに切り替えるためのスタンバイモード時において、
前記高圧ポンプの出口側で前記燃料供給ラインを遮断し、前記高圧ポンプを動作待機状態とする段階と、
前記LNG貯蔵タンクから前記ブースティングポンプと前記高圧ポンプに前記LNG移動させる段階と、
前記高圧ポンプ側から前記回収ラインを介して前記LNGを回収するために、前記ブースティングポンプを通常運転時より低い負荷で稼動させる段階と、
を含むことを特徴とするLNG燃料供給システムの駆動方法。
【請求項6】
前記高圧ポンプの出口側で前記燃料供給ラインを遮断する段階では、
前記高圧ポンプの出口を遮断することを特徴とする請求項5に記載のLNG燃料供給システムの駆動方法 。
【請求項7】
前記高圧ポンプからの出口側で前記燃料供給ラインを遮断する段階では、
前記高圧ポンプの出口から下流において前記燃料供給ラインを遮断することを特徴とする請求項5に記載のLNG燃料供給システムの駆動方法。
【請求項8】
前記LNGの供給取り消されると、前記ブースティングポンプおよび前記高圧ポンプの稼動を中断する段階をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のLNG燃料供給システムの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG燃料供給システムおよびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶は大量の鉱物や石油、天然ガス、または数千個以上のコンテナを載せて海を航海する輸送手段であり、鋼から成り、浮力によって水線面に浮遊した状態でプロペラの回転により発生する推力によって移動する。
【0003】
これらの船舶は、エンジンを駆動することで推進力を発生させるが、この時、エンジンは、ガソリンやディーゼルを使用してピストンを動かし、ピストンの往復運動によりクランク軸が回転することで、クランク軸に連結されたシャフトが回転してプロペラが駆動されるようにするのが一般的であった。
【0004】
しかし、最近は、液化天然ガスLiquefied Natural GaSを運搬するLNG運搬船からLNGを燃料として使用してエンジンを駆動するLNG燃料供給方式が使用されており、このようにエンジンの燃料としてLNGを使用する方式は、LNG運搬船以外の船舶にも適用されている。
【0005】
一般に、LNGは清浄の燃料であり、埋蔵量も石油より豊富であると知られており、採光と輸送技術が発達するにつれて、その使用量が急激に増加している。これらのLNGは、主成分であるメタンを1気圧下で-162℃℃以下に温度を下げて液体状態で貯蔵するのが一般的であるが、液化されたメタンの体積は、標準状態である気体状態のメタン体積の600分の1程度であり、比重は0.42で原油割合の約2分の1となる。
【0006】
しかし、エンジンを駆動するために必要な温度および圧力などは、タンクに貯蔵されているLNGの状態とは異なる場合がある。したがって、最近は、液体状態で貯蔵されているLNGの温度や圧力などを制御してエンジンに供給するような技術について、継続的な研究開発が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決しようと創出されたものであり、その目的は、燃料をオイルからLNGに切り替えるためのスタンバイモードの終了後にLNGを供給してポンプを冷却する動作(クールダウンが別途に必要がなく、エンジンの安定的な動作を実現するLNG燃料供給システムおよびその駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一実施例によるLNG燃料供給システムによれば、燃料としてLNGまたはオイルが選択的に供給されるエンジンに適用されるLNG燃料供給システムであって、LNG貯蔵タンクから前記エンジンまで連結された燃料供給ラインと、前記燃料供給ライン上に具備され、前記LNG貯蔵タンクから排出されたLNGを加圧するブースティングポンプと、前記ブースティングポンプから排出された前記LNGを高圧に加圧する高圧ポンプと、前記LNG貯蔵タンクと前記高圧ポンプの出口側との間に連結され、前記LNGを上流側の前記LNG貯蔵タンクに回収する回収ラインと、を含み、前記ブースティングポンプは、燃料を前記オイルから前記LNGに切り替えるためのスタンバイモード時には通常運転時より低い負荷で稼動され、前記スタンバイモードにおいて前記高圧ポンプは動作待機状態とされ、前記回収ラインは、前記スタンバイモード時において、前記高圧ポンプ側から前記LNGを前記LNG貯蔵タンクに回収することを特徴とする。
【0010】
また、前記回収ラインは、前記高圧ポンプの内部と前記LNG貯蔵タンクとに連結されることを特徴とする。
【0011】
また、前記回収ラインは、前記高圧ポンプと前記エンジンとの間の前記燃料供給ラインに設けられた流路切換え弁から分岐して前記前記LNG貯蔵タンクに連結されることを特徴とする。
【0012】
また、前記ブースティングポンプは、前記LNG貯蔵タンクから排出された前記LNGを1barないし25bar加圧し、前記高圧ポンプは、前記LNGを200barないし400bar加圧することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の他の実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法は、燃料としてLNGまたはオイルが選択的に供給されるエンジンに適用されるLNG燃料供給システムの駆動方法であって、LNG貯蔵タンクから前記エンジンまで連結された燃料供給ラインと、前記燃料供給ライン上に具備され、前記LNG貯蔵タンクから排出された前記LNGを加圧するブースティングポンプと、前記ブースティングポンプから排出された前記LNGを高圧に加圧する高圧ポンプと、前記LNG貯蔵タンクと前記高圧ポンプの出口側との間に連結され、前記LNGを上流側の前記LNG貯蔵タンクに回収する回収ラインとを含み、燃料を前記オイルから前記LNGに切り替えるためのスタンバイモード時において、前記高圧ポンプの出口側で前記燃料供給ラインを遮断し、前記高圧ポンプを動作待機状態とする段階と、前記LNG貯蔵タンクから前記ブースティングポンプと前記高圧ポンプに前記LNGを移動させる段階と、前記高圧ポンプ側から前記回収ラインを介して前記LNGを回収するために、前記ブースティングポンプを通常運転時より低い負荷で稼動させる段階と、を含むことを特徴とする。
【0014】
ここで、前記高圧ポンプの出口側で前記燃料供給ラインを遮断する段階は、前記高圧ポンプの出口を遮断することを特徴とする。
【0015】
また、前記高圧ポンプの出口側で前記燃料供給ラインを遮断する段階は、前記高圧ポンプの出口から下流において前記燃料供給ラインを遮断することを特徴とする。
【0017】
また、前記ブースティングポンプを通常運転時より低い負荷で稼動させる段階以後、前記高圧ポンプを通常運転時より低い負荷で稼動させる段階をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
また、前記LNGの供給が取り消されると、前記ブースティングポンプおよび前記高圧ポンプの稼動を中断する段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によるLNG燃料供給システムおよびその駆動方法によれば、スタンバイモードでブースティングポンプを通常運転時より低い負荷で稼動してLNG貯蔵タンクにLNGを回収する過程でクールダウンが行われるので、スタンバイモードの終了後、LNGをエンジンに供給してスタンバイモード以後別途ポンプをクールダウンする時間を必要としないため、エンジンに燃料供給を迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0020】
また、ブースティングポンプおよび高圧ポンプのクールダウン動作が行われる場合、これらのポンプからのLNGをLNG貯蔵タンクに回収し、ポンプが正常負荷で稼動して状態変化が発生されたLNGを利用してエンジンを安定的に動作することができ、運行の効率を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のLNG燃料供給システムの概念図である。
図2】本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムの概念図である。
図3】本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムにおけるLNG貯蔵タンクの断面図である。
図4】本発明の第2実施例によるLNG燃料供給システムの概念図である。
図5】本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法のフローチャートである。
図6】本発明の第2実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。図1は、従来のLNG燃料供給システムの概念図である。
【0023】
図1に示したように、従来のLNG燃料供給システム1は、LNG貯蔵タンク10、エンジン20、ポンプ30、熱交換器50を含む。このとき、ポンプ30はブースティングポンプ(BooSting Pump)31と高圧ポンプ32(High PreSSere Pump)とを含むことができる。以下、本明細書では、LNGは、便宜上、液体状態であるNG(Natural GaS)のみならず、超臨界状態などであるNGをすべて包括する意味として使用されうる。
【0024】
従来のLNG燃料供給システム1は、ブースティングポンプ31がLNG貯蔵タンク10から燃料供給ライン21を介して排出されるLNGを数ないし数十barで加圧した後、高圧ポンプ32がエンジン20が要求する圧力(例えば、200barないし400bar)でLNGを加圧して熱交換器50に供給する。以後、熱交換器50は、ポンプ30から供給されたLNGの温度を上げた後、超臨界状態のLNGがエンジン20に供給されるようにすることができる。この時、エンジン20に供給されるLNGは、200barないし400barの圧力を持ち、30℃〜60℃の温度を持つ超臨界状態になりうる。
【0025】
一方、LNG燃料供給システム1の動作を停止させた後に再起動する場合のように、LNGの流れが止まった後、再度流れる場合、常温で継続的に接触して熱浸透されたLNGがエンジン20に流入すると、エンジン20が要求する適切な条件を満たしていないため安定した動作をすることができないので、運行の効率が低下する恐れがあり、これを改善する必要がある。
【0026】
図2は、本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムの概念図であり、図3は、本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムにおけるLNG貯蔵タンクの断面図である。
【0027】
図2に示したように、本発明の一実施例によるLNG燃料供給システム100は、LNG貯蔵タンク10、エンジン20、ブースティングポンプ131、高圧ポンプ132と熱交換機50を含む。本発明の一実施例では、LNG貯蔵タンク10、エンジン20、熱交換器50などは、従来のLNG燃料供給システム1での各構成と便宜上同じ符号を使用したが、必ずしも同じ構成を指すものではない。
【0028】
LNG貯蔵タンク10は、エンジン20に供給されるLNGを貯蔵する。 LNG貯蔵タンク10は、LNGを液体状態で保管しなければならが、このときLNG貯蔵タンク10は、圧力タンクの形態を持つことができる。
【0029】
図3に示したように、LNG貯蔵タンク10は、外槽タンク11、内槽タンク12、断熱部13を含む。外槽タンク11は、LNG貯蔵タンク10の外壁をなす構造であり、スチールで形成され、断面が多角形の形状を持つことができる。
【0030】
内槽タンク12は、外槽タンク11の内部に具備され、、サポート(Support)14によって外槽タンク11の内部に支持されて設置することができる。この時、サポート14は、内槽タンク12の下端に具備されることができ、もちろん、内槽タンク12の左右流動を抑制するために、内槽タンク12の側面にも具備することができる。
【0031】
内槽タンク12は、ステンレス材質で形成され、5barないし10bar(一例として6bar)の圧力に耐えるように設計することができる。内槽タンク12をこのように一定の圧力に耐えるように設計することは、内槽タンク12の内部に具備されたLNGが蒸発して蒸発ガスが生成されることによって内槽タンク12の内圧が上昇するからである。
【0032】
内槽タンク12の内部には、バッフル(Baffle)15が具備される。バッフル15は、格子形態のプレートを意味し、バッフル15が設置されることにより内槽タンク12内の圧力が均等に分布されて内槽タンク12が一部分に集中的に圧力を受けることを防止することができる。
【0033】
断熱部13は、内槽タンク12と外槽タンク11との間に具備され、外部の熱エネルギーが内槽タンク12に伝達されることを遮断することができる。このとき、断熱部13は、真空状態になることがある。断熱部13を真空で形成することにより、LNG貯蔵タンク10は、一般的なタンクに比べて高い圧力により効率的に耐えることができる。一例として、LNG貯蔵タンク10は、真空の断熱部13によって5barないし20barの圧力を十分に耐えることができる。
【0034】
このように本実施例では、真空タイプの断熱部13を外槽タンク11と内槽タンク12との間に具備する圧力タンク型LNG貯蔵タンク10を使用することにより、蒸発ガスの発生を最小限に抑えることができ、内圧が上昇してもLNG貯蔵タンク10が破損するなどの問題が起きることを未然に防止することができる。
【0035】
エンジン20は、LNG貯蔵タンク10から供給されるLNGによって駆動されて推力を発生させる。この時、エンジン20は、MEGIエンジン20、または二重燃料エンジン20である。
【0036】
エンジン20が二重燃料エンジン20の場合、LNGとオイルが混合されて供給されず、LNGまたはオイルが選択的に供給されることができる。これは、燃焼温度の異なる二つの物質が混合供給されることを遮断し、エンジン20の効率が落ちるのを防止するためである。
【0037】
エンジン20は、LNGの燃焼によりシリンダ(図示せず)内のピストン(図示せず)が往復運動することにより、ピストンに連結されたクランク軸(図示せず)が回転し、クランク軸に連結されるシャフト(図示せず)が回転されることができる。したがって、エンジン20駆動の時に最終的にシャフトに連結されたプロペラ(図示せず)が回転することにより、船体が前進または後進することになる。
【0038】
もちろん、本実施例では、エンジン20は、プロペラを駆動するためのエンジン20であるが、発電のためのエンジン20またはその他の動力を発生させるためのエンジン20である。すなわち、本実施例では、エンジン20の種類を特に限定しない。ただし、エンジン20は、LNGの燃焼によって駆動力を発生させる内燃機関である。
【0039】
LNG貯蔵タンク10とエンジン20との間には、LNGを伝送する燃料供給ライン21が具備され、燃料供給ライン21には、ブースティングポンプ131、高圧ポンプ132および熱交換器50などが具備されてLNGがエンジン20に供給されるようにすることができる。この時、燃料供給ライン21には、燃料供給バルブ(符号図示せず)が具備され、燃料供給バルブの開度調節によりLNGの供給量が調節されることができる。
【0040】
ブースティングポンプ131は、LNG貯蔵タンク10と高圧ポンプ132との間の燃料供給ライン21上に具備することができ、高圧ポンプ132に十分な量のLNGが供給されるようにして高圧ポンプ132の空洞現象(Cavitation)を防止する。また、ブースティングポンプ131は、LNG貯蔵タンク10からLNGを取り出してLNGを数ないし数十bar以内に加圧することができ、ブースティングポンプ51を経たLNGは、1barないし25barに加圧されることができる。
【0041】
LNG貯蔵タンク10に貯蔵されたLNGは液体状態である。この時、ブースティングポンプ131は、LNG貯蔵タンク10から排出されるLNGを加圧して圧力および温度を多少上げることができ、ブースティングポンプ131によって加圧されたLNGは、依然として液体状態である。一方、本実施例のLNG燃料供給システム100は、図面には図示されていないがオイル、一例として、ディーゼルを燃料として使用することができ、ディーゼルとLNGに、LNGからディーゼルに燃料転換をして利用することができる。ここで、ディーゼルからLNGに燃料転換したり、停止後再駆動時にはスタンバイモードで動作する必要がある。
【0042】
本実施例のブースティングポンプ131は、前述したようなスタンバイモード時にクールダウンされうる。ブースティングポンプ131のクールダウン動作は、ブースティングポンプ131が正常稼動される負荷(一例として60%以上)以下に動作されて行うことができる。ここで、低温のLNGがブースティングポンプ131を経由すると、LNGの持つ低温の温度がブースティングポンプ131の内部と接触してブースティングポンプ131内部の自体温度を下げることで、クールダウンの動作が行われる。
【0043】
ブースティングポンプ131が、クールダウン動作が行われる過程で、ブースティングポンプ131から排出されるLNGは、エンジン20が要求する温度と圧力条件を持っていないため、エンジン20に流れないようにして、正常稼動するブースティングポンプ131から排出されるLNGを使用するようにし、エンジン20の正常稼動を誘導する必要がある。これは、以下で説明する。
【0044】
高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131から排出されたLNGを高圧で加圧し、エンジン20にLMGが供給されるようにする。LNGはLNG貯蔵タンク10から約10bar程度の圧力で排出された後、ブースティングポンプ131によって一次加圧されるが、高圧ポンプ132はブースティングポンプ131によって加圧された液体状態のLNGを二次に加圧して後述する熱交換器50に供給する。このとき、高圧ポンプ132は、LNGをエンジンが要求する圧力、たとえば200barないし400barまで加圧してエンジンに供給することで、エンジン20がLNGによって推力を生産できるようにする。高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131から排出される液体状態のLNGを高圧で加圧するが、LNGが超臨界点(Critical Point)よりも高い温度および高い圧力を持つ超臨界状態になるように相変化させることができる。このとき、超臨界状態であるLNGの温度は、臨界温度よりも相対的に高い−20℃以下である。
【0045】
高圧ポンプ132は、液体状態のLNGを高圧で加圧して過冷却液体状態に変化させることができる。ここで、過冷却液体状態のLNGとは、LNGの圧力が臨界圧力よりも高く、温度が臨界温度よりも低い状態である。
【0046】
具体的に高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131から排出される液体状態のLNGを200barないし400barまで高圧で加圧するが、LNGの温度が臨界温度よりも低い温度になるようにし、LNGを過冷却液体状態に相変化させることができる。ここで、過冷却液体状態であるLNGの温度は、臨界温度よりも相対的に低い−140℃ないし−60℃になりうる。
【0047】
本実施例の高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131のクールダウンが完了した後、ブースティングポンプ131から排出され、高圧ポンプ132に流入されるLNGによってクールダウンが行われることができる。本実施例の高圧ポンプ132がクールダウンされる場合には、高圧ポンプ132の動作が行われない場合がある。
【0048】
本実施例の回収ライン135は、LNG貯蔵タンク10と高圧ポンプ132との間に連結されてLNGを上流のLNG貯蔵タンク10に回収する。ここで、回収ライン135は、ブースティングポンプ131がクールダウン動作する場合、高圧ポンプ132からLNGをLNG貯蔵タンク10に回収する。
【0049】
また、本実施例の回収ライン135は、高圧ポンプ132の内部に連結されてブースティングポンプ131のクールダウン稼動が動作して通常の負荷以下に稼動される場合と、高圧ポンプ132をクールダウンされて稼動されない場合のLNGが高圧ポンプ132の出口に排出されないように防止してエンジン20に流入されないようにすることができる。
【0050】
バルブ136は、回収ライン135上に設けられる一般的なバルブまたは三方バルブからなることができ、ブースティングポンプ131と高圧ポンプ132がクールダウン動作する場合、回収ライン135を開放させ、高圧ポンプ132内のLNGがLNG貯蔵タンク10に流入されることができる。ここで、図面には図示していないが、ブースティングポンプ131がクールダウンされる場合、高圧ポンプ132の出口は遮断されることができる。
【0051】
熱交換器50は、高圧ポンプ132とエンジン20との間の燃料供給ライン21上に具備され、高圧ポンプ132から排出されたLNGを加熱することができる。熱交換器50に高圧ポンプ132によってLNGが供給されることができ、熱交換器50は、過冷却液体状態または超臨界状態のLNGを高圧ポンプ132から排出される圧力である200barないし400barを維持しながら加熱させて、30℃〜60℃の超臨界状態のLNGに変換した後、エンジン20に供給することができる。
【0052】
熱交換器50は、ボイラー(図示せず)によって供給される蒸気やグリコールヒーター(図示せず)から供給されるグリコールウォーターを利用し、LNGを加熱したり、電気エネルギーを利用してLNGを加熱したりすることができ、または船舶に具備されている発電機やその他の設備などから発生する廃熱を利用してLNGを加熱することができる。
【0053】
図4は、本発明の第2実施例によるLNG燃料供給システムの概念図である。前述の実施例と同一または対応する構成要素は同一の図面番号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0054】
図4を参照してLNG燃料供給システム200を説明する。本実施例は、第1実施例と高圧ポンプ232のクールダウン動作および高圧ポンプ232の下流遮断のみ異なるように構成される(第1実施例では出口を遮断する)。本実施例では、ブースティングポンプ231のクールダウンが完了した後、高圧ポンプ232のクールダウン動作が開始されることができ、本実施例でのクールダウン動作はブースティングポンプ131と同一または類似に正常負荷(一例として60%以上)よりも低い負荷で動作されて行うことができる。
【0055】
本実施例の高圧ポンプ232のクールダウン動作が進行される過程で、高圧ポンプ232から排出されるLNGは、エンジン20が要求する温度と圧力条件を持っていないので、エンジン20に流動されないようにして正常稼動されるブースティングポンプ231と高圧ポンプ232から排出されるLNGを利用するようにし、エンジン20の正常稼動を誘導する必要がある。この時、本実施例の回収ライン235を介して高圧ポンプ232から排出されたLNGが、LNG貯蔵タンク10に回収されるようにすることができる。
【0056】
本実施例では、高圧ポンプ232が正常負荷以下に稼動されてクールダウンし、高圧ポンプ232の出口から排出されたLNGがLNG貯蔵タンク10に回収されることができる。これにより、本実施例での回収ライン235は、高圧ポンプ232の出口に連結されることができ、回収ライン235は、燃料供給ライン21から分岐されてLNG貯蔵タンク10と連結されることがてきる。
【0057】
さらに、本実施例の回収ライン235と燃料供給ライン21との間にはバルブ236が具備されることができ、バルブ236は、一般的なバルブまたは三方バルブで構成することができる。第2実施例のバルブ236は、高圧ポンプ232がクールダウン動作する場合、燃料供給ライン21の下流を閉鎖し、回収ライン235は開放して高圧ポンプ232の出口から排出されるLNGはLNG貯蔵タンク10に流入されるようにする。
【0058】
以下では、前述したようなLNG燃料供給システム100、200によってLNG燃料供給システムを駆動する方法について説明する。前述した実施例の構成に応じた同じ機能と作用の重複説明は省略する。
【0059】
まず、図2をともに参照してLNG燃料供給システム100によってLNG燃料供給システムを駆動する方法について説明する。
【0060】
図5は、本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法のフローチャートである。図5に示したように(図2参照)、本発明の第1実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法は、高圧ポンプからLNGが排出されることを遮断するように、高圧ポンプの出口を遮断する段階(S110)、LNG貯蔵タンクからブースティングポンプと高圧ポンプにLNGが移動する段階(S120)、高圧ポンプに流入されたLNGを回収する段階(S130)、ブースティングポンプをクールダウンする段階(S140)、ブースティングポンプを一定の負荷で稼動する段階(S150)、LNGの供給の取り消しを判定する段階(S155)、当該判定時にブースティングポンプおよび高圧ポンプのクールダウン動作を中止する段階(S160)、高圧ポンプのクールダウン動作を完了する段階(S170)、ブースティングポンプと高圧ポンプを正常稼動する段階(S180)を含む。
【0061】
段階S110では、高圧ポンプ132からのLNGが排出されることを遮断するように、高圧ポンプ132の出口を遮断する。例えば、LNG燃料供給システム100がディーゼルからLNGへの燃料転換シグナルを受けたり、停止後再起動される場合、LNG燃料供給システム100は、スタンバイモードで動作する必要がある。この時、ブースティングポンプ131は、正常負荷以下に稼動され、高圧ポンプ132は動作待機状態となり、LNGは、エンジン20が要求する温度と圧力に達していない状態である。これにより、エンジン20にLNGが流入されないように高圧ポンプ132の出口を遮断する。
【0062】
段階S120では、LNG貯蔵タンク10からブースティングポンプ131と高圧ポンプ132にLNGが移動する。ブースティングポンプ131と高圧ポンプ132のクールダウン動作が開始できるように低温のLNGがLNG貯蔵タンク10から排出されるようにする。この時、図面には図示されていないがLNG貯蔵タンク10の出口にバルブが設置されてバルブの開度によりLNGの流量が調節されることができる。
【0063】
段階S130では、高圧ポンプ132に流入されたLNGを回収する。LNG燃料供給システム100は、停止状態においても燃料供給ライン21の内部がLNGで満たされているので、LNG貯蔵タンク10から排出されたLNGは、排出された量だけスタンバイモードが開始される前のLNGをブースティングポンプ131と高圧ポンプ132から排出するようにし、これをLNG貯蔵タンク10に回収する。
【0064】
段階S140では、ブースティングポンプ131をクールダウンする。段階S130で、LNG貯蔵タンク10から排出されたLNGは、ブースティングポンプ131よりも低温の状態でブースティングポンプ131を経由しながらブースティングポンプ131内部の温度を下げることができる。段階S140では、ブースティングポンプ131が稼動する前にLNG貯蔵タンク10から排出されたLNGと接触して温度が低くなることがありえる。
【0065】
段階S150では、ブースティングポンプ131を一定の負荷で稼動する。段階S150は、段階S140とは違って、ブースティングポンプ131が稼動することで、正常稼動(一例として60%以上)よりも低い負荷で稼動されてLNGの流れを加速することができる。この時、ブースティングポンプ131の稼動によってLNGはブースティングポンプ131の内部を移動しながら排出され、ブースティングポンプ131内部の自体温度が低くなることがありえる。
【0066】
段階S155でLNGの供給の取り消しが判定されると、段階S160でブースティングポンプ131および高圧ポンプ132のクールダウン動作を中断する。本実施例のLNG燃料供給システム100は、前述のように、ディーゼルとLNGを使用することができるので、ディーゼルからLNGへの燃料転換を取り消したり、LNGからディーゼルに燃料転換をしたり、システムを停止するようにブースティングポンプ131および高圧ポンプ132の動作を取り消すとき、スタンバイ動作を停止することができる。この時、ブースティングポンプ131および高圧ポンプ132のクールダウン動作は中断される。
【0067】
段階S155でLNGの供給の取り消しが判定されなかった場合、段階S170では、高圧ポンプ132のクールダウン動作を完了する。段階S160が実行されず、LNG燃料供給システム100のスタンバイ動作が連続される場合、ブースティングポンプ131のクールダウン動作が完了した後、高圧ポンプ132のクールダウン動作が発生しえる。本実施例の高圧ポンプ132は、ブースティングポンプ131から排出されたLNGの持つ低温の温度が高圧ポンプ132の内部と接触して相対的に高い温度の高圧ポンプ132自体の温度が低くなることがありえる。
【0068】
段階S180では、ブースティングポンプ131と高圧ポンプ132を正常稼動する。前に実行した段階によってブースティングポンプ131と高圧ポンプ132のクールダウンが完了すると、LNGは外部熱による熱浸透現象が低減されることができる。これにより、ブースティングポンプ131と高圧ポンプ132を正常稼動してエンジン20が要求するLNGの温度および圧力条件に合わせることができるようにブースティングポンプ131と高圧ポンプ132とを正常負荷(一例として60%)以上に駆動する。
【0069】
以下、図4を同時に参照して第2実施例によるLNG燃料供給システム200を駆動する方法について説明する。図6は、本発明の第2実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法のフローチャートである。
【0070】
図6に示したように(図4参照)、本発明の第2実施例によるLNG燃料供給システムを駆動する方法は、高圧ポンプからのLNGが排出されることを遮断するように、高圧ポンプの下流を遮断する段階(S210)、LNG貯蔵タンクからブースティングポンプと高圧ポンプにLNGが移動する段階(S220)、高圧ポンプに流入されたLNGを高圧ポンプの下流で回収する段階(S230)、ブースティングポンプをクールダウンする段階(S240)、ブースティングポンプを一定の負荷で稼動する段階(S250)、高圧ポンプを一定の負荷で稼動してクールダウンする段階(S260)、LNGの供給取り消しを判定する段階(S265)、当該判定時にブースティングポンプと高圧ポンプのクールダウン動作を中断する段階(S270)、高圧ポンプのクールダウン動作を完了する段階(S280)、ブースティングポンプと高圧ポンプを正常稼動する段階(S290)を含む。
【0071】
本実施例は、前述の第1実施例と高圧ポンプ232のクールダウン動作および高圧ポンプ232の下流遮断のみ異なるように構成される(第1実施例では、出口を遮断する)。
【0072】
段階S210では、高圧ポンプ232からLNGがエンジン20に流入されることを遮断するように、高圧ポンプ232の下流を遮断する。例えば、LNG燃料供給システム200がディーゼルからLNGへ燃料転換シグナルを受けたり、停止後再起動される場合、LNG燃料供給システム200は、スタンバイモードで動作する必要がある。この時、ブースティングポンプ231は、正常負荷以下に稼動され、高圧ポンプ232は動作待機状態となり、LNGは、エンジン20が要求する温度と圧力に達していない状態である。これにより、エンジン20にLNGが流入されないように高圧ポンプ232の下流を遮断する。
【0073】
第1実施例では、高圧ポンプ232をクールダウン時にも正常負荷以下に稼動されず、ブースティングポンプ231を通じたLNGの流れだけでクールダウンしたが、本実施例では、高圧ポンプ232もまたクールダウン時正常以下に稼動され、クールダウンされて高圧ポンプ232の下流を通じてLNGが排出されないように先に遮断する。
【0074】
段階S220では、LNG貯蔵タンク10からブースティングポンプ231と高圧ポンプ232にLNGが移動する。ブースティングポンプ231と高圧ポンプ232のクールダウン動作が開始できるように低温のLNGがLNG貯蔵タンク10から排出されるようにする。この時、図面には図示されていないがLNG貯蔵タンク10の出口にはバルブが設置されてバルブの開度によりLNGの流量が調節されることができる。
【0075】
段階S230では、高圧ポンプ232に流入されたLNGを高圧ポンプ232の下流で回収する。LNG燃料供給システム200は、停止状態においても燃料供給ライン21の内部がLNGで満たされているので、LNG貯蔵タンク10から排出されたLNGは、排出された量だけスタンバイモードが開始される前のLNGをブースティングポンプ231と高圧ポンプ232から排出するようにし、これをLNG貯蔵タンク10に回収する。
【0076】
特に、本実施例では、高圧ポンプ232が正常負荷以下に稼動されてクールダウンされるので、クールダウン動作時の排出量は、高圧ポンプ232の出口を介して行うことができる。これにより、高圧ポンプ232に流入されたLNGは、高圧ポンプ232の出口の下流で回収することができる。
【0077】
段階S240では、ブースティングポンプ231をクールダウンする。段階S230で、LNG貯蔵タンク10から排出されたLNGは、ブースティングポンプ231よりも低温の状態でブースティングポンプ231を経由しながらブースティングポンプ231内部の温度を下げることができる。段階S240では、ブースティングポンプ231が稼動する前に、LNG貯蔵タンク10から排出されたLNGと接触して温度が低くなることがありえる。
【0078】
段階S250では、ブースティングポンプ231を一定の負荷で稼動する。段階S250は、段階S240とは違ってブースティングポンプ231が稼動されることで、正常稼動(一例として60%以上)よりも低い負荷で稼動されてLNGの流れを加速することができる。この時、ブースティングポンプ231の稼動によってLNGはブースティングポンプ231の内部を移動して排出され、ブースティングポンプ231内部の自体温度が低くなることがありえる。
【0079】
段階S260では、高圧ポンプ232を一定の負荷で稼動してクールダウンする。本実施例では、ブースティングポンプ231と同一または類似に正常負荷より低い負荷で高圧ポンプ232を稼動してLNGの流れを加速し、クールダウンすることができる。
【0080】
段階S265でLNGの供給の取り消しが判定されると、ブースティングポンプ231および高圧ポンプ232のクールダウン動作を中断する。本実施例のLNG燃料供給システム200は、前述のように、ディーゼルとLNGを使用することができるので、ディーゼルからLNGへの燃料転換を取り消したり、LNGからディーゼルに燃料転換をしたり、システムを停止するようにブースティングポンプ231および高圧ポンプ232の稼動取り消すとき、スタンバイ動作を停止することができる。この時、ブースティングポンプ231および高圧ポンプ232のクールダウン動作は中断される。
【0081】
段階S265でLNGの供給の取り消しが判定されなかった場合、段階S280では、高圧ポンプ232のクールダウン動作を完了する。段階S270が実行されず、LNG燃料供給システム200のスタンバイ動作が連続される場合、ブースティングポンプ231のクールダウン動作が完了した後、高圧ポンプ232のクールダウン動作が発生しえる。本実施例の高圧ポンプ232は、ブースティングポンプ231から排出されたLNGの持つ低温の温度が高圧ポンプ232の内部と接触して相対的に高い温度の高圧ポンプ232自体の温度が低くなることがありえる。
【0082】
段階S290では、ブースティングポンプ231と高圧ポンプ232を正常稼動する。前に実行されて段階により、ブースティングポンプ231と高圧ポンプ232のクールダウンが完了すると、LNGは、外部熱による熱浸透現象が減少されることができる。これにより、ブースティングポンプ231と高圧ポンプ232を正常稼動してエンジン20が要求するLNGの温度および圧力条件に合わせることができるようにブースティングポンプ231と高圧ポンプ232を正常負荷(一例として60%)以上に駆動する。
【0083】
このように本実施例では、スタンバイモードではLNGを回収し、スタンバイモード終了後にLNGをエンジン20に供給してスタンバイモード以後に別途にポンプ131、132、231、232をクールダウンする時間を必要としないので、エンジン20へ燃料供給が迅速に行われる。
【0084】
また、ブースティングポンプ131、231および高圧ポンプ132、232のクールダウン動作が行われる場合、これらのポンプ131、132、231、232からLNGをLNG貯蔵タンク10に回収し、ポンプ131、132、231、232は、正常負荷で稼動されて状態の変化が発生したLNGを利用してエンジン20を安定的に稼動することができ、運行の効率を向上させることができる。
【0085】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、前記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能なのはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0086】
1、100、200 LNG燃料供給システム、
10 LNG貯蔵タンク、
11 外槽タンク、
12 内槽タンク、
13 断熱部、
14 サポート、
15 バッフル、
20 エンジン、
21 燃料供給ライン、
30 ポンプ
31、131、231 ブースティングポンプ、
32、132、232 高圧ポンプ、
50 熱交換器、
136、236 バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6