特許第5965888号(P5965888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965888
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】有機光電池を製造するための処理添加剤
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20160728BHJP
   C08K 5/315 20060101ALI20160728BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20160728BHJP
   C08K 5/10 20060101ALI20160728BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20160728BHJP
   C08K 3/00 20060101ALI20160728BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20160728BHJP
   H01L 51/46 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   C08L101/00
   C08K5/315
   C08K5/09
   C08K5/10
   C08K3/04
   C08K3/00
   C08K5/00
   H01L31/04 164
【請求項の数】13
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-240568(P2013-240568)
(22)【出願日】2013年11月21日
(62)【分割の表示】特願2010-532192(P2010-532192)の分割
【原出願日】2008年10月29日
(65)【公開番号】特開2014-88559(P2014-88559A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2013年12月20日
(31)【優先権主張番号】60/984,229
(32)【優先日】2007年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/257,069
(32)【優先日】2008年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308014846
【氏名又は名称】メルク パテント ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】500210903
【氏名又は名称】ザ、リージェンツ、オブ、ザ、ユニバーシティ、オブ、カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バザン、ギレルモ
(72)【発明者】
【氏名】ブラベック、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ガウディアナ、ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ヒーガー、アラン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】コッペ、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェー クワン
(72)【発明者】
【氏名】マ、ワンリ
(72)【発明者】
【氏名】モラナ、マウロ
(72)【発明者】
【氏名】シャーベル、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ウォラー、デイビッド
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/058811(WO,A1)
【文献】 特表2010−512005(JP,A)
【文献】 特開2004−227920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/16
C08K 3/00− 13/08
H01L 51/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子供与体材料を含んでなるポリマーであって、前記電子供与体材料は、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール及びそれらのコポリマーから成る群から選択される、ポリマーと、
以下の式:
1−(CH2n−R2
(式中、nは6〜12であり;R1及びR2の各々は、独立してCN又はCOORである(Rは、H又はC1〜C10アルキルである))のものである化合物と
を含んでなる組成物。
【請求項2】
前記化合物はCN,又はCOOCHで置換されたアルカンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アルカンはオクタンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記化合物が、1,8−ジシアノオクタン又は1,8−ジ(メトキシカルボニル)オクタンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は少なくとも1容積%の前記化合物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は10容積%以下の前記化合物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
電子受容体材料を更に含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記電子受容体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコチック液晶、カーボンナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含有するポリマー、CF3基を
含有するポリマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでなる、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
前記電子受容体材料は置換フラーレンを含んでなる、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
前記電子受容体材料は(6,6)−フェニルC61−酪酸メチルエステル又は(6,6)−フェニルC71−酪酸メチルエステルを含んでなる、請求項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は溶媒を更に含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記溶媒はクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、トルエン、メシチレン、エチルベンゼン、イソブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、α−メチルナフタレン、テトラリン、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、又はアセトンを含んでなる、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
基板と、
請求項1に記載の組成物とを備え、前記組成物は前記基板により支持されている、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理添加剤、並びに関連の組成物、光電池、光起電モジュール及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光電池は、一般的に、光の形態のエネルギーを電気の形態のエネルギーに変換するために使用される。一般的な光電池は、2個の電極の間に配置された光活性材料を含む。一般に、光は、電極の一方又は両方を通過して、光活性材料と相互作用する。その結果、光(例えば光活性材料により吸収される1つ以上の波長の光)を伝導する電極の一方又は両方の性能により、光電池の総合効率が限定され得る。半導性材料が電気伝導性材料より低い導電率を有し得るにもかかわらず、半導性材料は、多くの電気伝導性材料よりも多くの光を伝導することができるので、多くの光電池において、半導性材料(例えばインジウムスズ酸化物)の膜が、光が通過する電極を形成するために使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/121252号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、処理添加剤、並びに関連の組成物、光電池、光起電モジュール及び方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本開示は、
ポリマーと、
ハロ、CN又はCOOR(Rは、H又はC1〜C10アルキルである)で置換されるアル
カン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるシクロペンタジチオフェン;任意選択
でC1〜C10アルキルで置換されるフルオレン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるチオフェン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるベンゾチアジアゾール;任意
選択でC1〜C10アルキルで置換されるナフタレン;及び任意選択でC1〜C10アルキルで置換される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン;から成る群から選択される化合物と、を含む組成物を特徴とする。
【0006】
別の一態様において、本開示は、ポリマーと、置換されたアルカンを含む化合物とを含む組成物を特徴とする。前記アルカン上の少なくとも1個の置換基は、SHではない。
別の一態様において、本開示は、基板と、上記の組成物のうちの1種とを含む物品を特徴とする。前記組成物は、前記基板により支持される。
【0007】
別の一態様において、本開示は、第1電極及び第2電極と、第1電極と第2電極との間の光活性層とを含む物品を特徴とする。前記光活性層は、分離相のうちの少なくとも1つが約20nm以上の平均粒径を有する少なくとも2つの分離相を含む。前記物品は、光電池として構成される。
【0008】
別の一態様において、本開示は、第1電極及び第2電極と、第1電極と第2電極との間の光活性層とを含む物品を特徴とする。光活性層は、第1電極又は第2電極の上に、化合物を含む溶液を塗布することにより形成される。前記化合物は、ハロ、CN又はCOOR
(Rは、H又はC1〜C10アルキルである)で置換されるアルカン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるシクロペンタジチオフェン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換
されるフルオレン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるチオフェン;任意選択で
1〜C10アルキルで置換されるベンゾチアジアゾール;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるナフタレン;及び任意選択でC1〜C10アルキルで置換される1,2,3,4
−テトラヒドロナフタレン;から成る群から選択される。前記物品は、光電池として構成される。 更に別の一態様において、本開示は、化合物を含む溶液を処理して光活性層を形成する工程を含む方法を特徴とする。前記化合物は、ハロ、CN又はCOOR(Rは、H又はC1〜C10アルキルである)で置換されるアルカン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるシクロペンタジチオフェン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるフ
ルオレン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるチオフェン;任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるベンゾチアジアゾール;任意選択でC1〜C10アルキルで置換され
るナフタレン;及び任意選択でC1〜C10アルキルで置換される1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタレン;から成る群から選択される。
【0009】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
幾つかの実施形態において、前記化合物は、Cl、Br、I、CN又はCOOCH3
置換されるアルカンである。
【0010】
幾つかの実施形態において、前記アルカンは、オクタン等のC6〜C12アルカンである

幾つかの実施形態において、前記化合物は、1,8−ジヨードオクタン、1,8−ジブロモオクタン、1,8−ジシアノオクタン又は1,8−ジ(メトキシカルボニル)オクタンである。
【0011】
幾つかの実施形態において、前記化合物は、以下の式:R1−(CH2n−R2(式中、nは1〜20であり、R1及びR2の各々は、独立して、ハロ、CN又はCOORである(Rは、H又はC1〜C10アルキルである))である。例えば、nは、6〜12(例えば8
)であり得る。幾つかの実施形態において、R1及びR2の各々は、独立して、Cl、Br、I、CN又はCOOCH3である。
【0012】
幾つかの実施形態において、前記組成物は、約1容積(体積)%以上及び/又は約10容積(体積)%以下の前記化合物を含む。
幾つかの実施形態において、前記ポリマーは、電子供与体材料を含む。前記電子供与体材料は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタレン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール及びそれらのコポリマーから成る群から選択され得る。ある実施形態において、前記電子供与体材料は、ポリチオフェン、ポリシクロペンタジチオフェン又はそれらのコポリマーを含むことができる。例えば、前記電子供与体材料は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)又はポリ(シクロペンタジチオフェン−コ−ベンゾチアジアゾール)を含むことができる。
【0013】
幾つかの実施形態において、前記組成物は、電子受容体材料を更に含むことができる。前記電子受容体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコチック液晶、カーボンナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含有するポリマー、CF3基を含
有するポリマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含むことができる。ある実施形態において、前記電子受容体材料は、(6,6)−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C61−PCBM)や(6,6)−フェニルC71−酪酸メチルエステル(C71−PCBM)等の置換フラーレンを含むことができる。
【0014】
幾つかの実施形態において、前記組成物は、有機溶媒等の溶媒を更に含むことができる。適切な溶媒の例としては、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、トルエン、メシチレン、エチルベンゼン、イソブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、α−メチルナフタレン、テトラリン、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、またはアセトンが挙げられる。
【0015】
幾つかの実施形態において、平均粒径は、約50nm以上(例えば、約100nm以上)である。
幾つかの実施形態において、処理ステップは、前記溶液を表面上に塗布する工程を含む。また、前記処理ステップは、前記光活性層を形成するために、前記塗布ステップの後に前記溶液を乾燥させる工程も含むことができる。
【0016】
幾つかの実施形態において、前記方法は、光電池を形成するために第1電極と第2電極との間に前記光活性層を配置する工程を更に含むことができる。
実施形態は、以下の効果のうちの1つ以上を含むことができる。
【0017】
幾つかの実施形態において、前記処理添加剤は、選択的に前記電子受容体材料(例えばPCBM)を溶解するが、電子供与体材料(例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)等のポリチオフェン)を実質的には溶解しない。従って、かかる処理添加剤を含有する前記コーティング組成物を表面に塗布して光活性層を形成する場合、前記処理添加剤は、前記光活性層における前記電子受容体材料と前記電子供与体材料との間の相分離を容易にするので、このように形成された前記光電池の効率性を高める。
【0018】
幾つかの実施形態において、前記処理添加剤は、前記コーティング組成物において、溶媒より高い沸騰温度を有する。かかる実施形態において、光活性層を形成するための前記コーティング組成物の乾燥の間、前記電子受容体材料は、前記電子供与体材料より長く溶液中に残る傾向があり、それにより、これらの2種の光活性材料の間の相分離が容易になり、このように形成された前記光電池の効率性が高められると考えられる。
【0019】
他の特徴及び効果は、明細書、図面及び請求項から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】光電池の一実施形態の断面図。
図2】直列に電気的に接続された多数の光電池を含有する系の模式図。
図3】並列に電気的に接続された多数の光電池を含有する系の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
各種図面の同様の参照符号は、同様の要素を示す。
図1は、基板110、陰極120、正孔キャリア層130、光活性層140、正孔ブロッキング層150、陽極160及び基板170を含む光電池100の断面図を示す。陰極120及び陽極160は、外部負荷に電気的に接続される。
【0022】
光活性層140は、一般に、液体系コーティング処理により調製され得る。本明細書において言及される「液体系コーティング処理」という用語は、液体系コーティング組成物を使用する処理をいう。液体系コーティング組成物の例としては、溶液、分散液、懸濁液
が挙げられる。
【0023】
一般に、液体系コーティング組成物としては、処理添加剤、光活性材料(例えば電子受容体材料や電子供与体材料)、溶媒が挙げられる。
幾つかの実施形態において、処理添加剤は、少なくとも1個の置換基がチオール基(SH)でない置換アルカンである。本明細書において用いられる「アルカン」という用語には、分枝状アルカン化合物及び直鎖状アルカン化合物の両方が包含される。ある実施形態において、処理添加剤は、ハロ(例えば、Cl、Br、I)、CN又はCOOR(ここでRは、H又はC1〜C10アルキル(例えばCH3)である)で置換されるアルカンを含むことができる。幾つかの実施形態において、アルカンは、C6〜C12アルカン(例えばオク
タン)である。ある実施形態において、処理添加剤は、以下の式:
1−(CH2n−R2
のものである。この式において、nは1〜20の整数であり;R1及びR2の各々は、独立して、ハロ(例えば、Cl、Br、I)、CN又はCOOR(Rは、H又はC1〜C10
ルキルである)である。幾つかの実施形態において、nは、6〜12の整数(例えば8)である。処理添加剤の例としては、1,8−ジヨードオクタン、1,8−ジブロモオクタン、1,8−ジシアノオクタン又は1,8−ジ(メトキシカルボニル)オクタンが挙げられる。
【0024】
幾つかの実施形態において、処理添加剤は芳香族化合物である。処理添加剤として使用され得る適切な芳香族化合物の例としては、任意選択でC1〜C10アルキルで置換される
シクロペンタジチオフェン(例えば、
【0025】
【化1】
【0026】
);任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるフルオレン(例えば、
【0027】
【化2】
【0028】
);任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるチオフェン(例えば、チオフェン、2−
メチルチオフェン、3−メチルチオフェン);任意選択でC1〜C10アルキルで置換され
るベンゾチアジアゾール(例えば、ベンゾ(c)(1,2,5)チアジアゾール);任意選択でC1〜C10アルキルで置換されるナフタレン(例えば、1−メチルナフタレン);
任意選択でC1〜C10アルキルで置換される1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン;
が挙げられる。
【0029】
幾つかの実施形態において、コーティング組成物は、約1容積%以上(例えば、約2容積%以上、約3容積%以上、約4容積%以上又は約5容積%以上)、及び/又は、約10容積%以下(例えば、約9容積%以下、約8容積%以下、約7容積%以下、又は約6容積%以下)の処理添加剤を含む。ある実施形態において、コーティング組成物は、約2.0〜3.0容積%(例えば2.5〜3.0容積%)の処理添加剤を含む。
【0030】
理論に束縛されるものではないが、幾つかの実施形態において、処理添加剤は、電子受容体材料(例えばPCBM)を溶解するが、電子供与体材料(例えば、P3HT等のポリチオフェン)を実質的には溶解しないと考えられる。従って、かかる処理添加剤を含有するコーティング組成物を表面に塗布して光活性層140を形成する場合、処理添加剤は、光活性層140における電子受容体材料と電子供与体材料との間の相分離を容易にするので、このように形成された光電池の効率性を高める。
【0031】
幾つかの実施形態において、処理添加剤は、約100℃以上(例えば、約150℃以上、約200℃以上、約250℃以上、約300℃以上)の沸点を有する。
幾つかの実施形態において、処理添加剤は、コーティング組成物において、溶媒よりも約30℃以下(例えば、約50℃以下、約70℃以下、約100℃以下、約120℃以下、約150℃以下)高い沸点を有する。かかる実施形態において、光活性層140を形成するための前記コーティング組成物の乾燥の間、電子受容体材料は、電子供与体材料より長く溶液中に残る傾向があり、それにより、これらの2種の光活性材料の間の相分離が容易になり、このように形成された光電池の効率性が高められると考えられる。
【0032】
幾つかの実施形態において、上記の処理添加剤を使用することにより調製される光活性層140は、2つの相のうちの少なくとも1つが約20nm以上(例えば、約50nm以上、または約100nm以上)の平均粒径を有する少なくとも2つの分離相を有することができる。理論に束縛されるものではないが、光活性層の分離相がより大きいほど光電池の電力変換効率が高められ得ると考えられる。更に、幾つかの実施形態において、処理添加剤を使用することにより、光活性層140の後処理(例えば、温度アニーリングや溶媒アニーリング)の必要性が減少し得る。
【0033】
幾つかの実施形態において、上記の処理添加剤を使用することにより調製される光活性層を含有する光電池は、AM1.5照明条件下で約2%以上(例えば、約4%以上、約5%以上、約6%以上)の電力変換効率を有することができる。
【0034】
幾つかの実施形態において、溶媒は、有機溶媒、例えば、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、トルエン、メシチレン、エチルベンゼン、イソブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、α−メチルナフタレン、テトラリン、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、アセトンであり得る。幾つかの実施形態において、溶媒は、前述の例示的な溶媒の混合物であり得る。
【0035】
液体系コーティング組成物における光活性材料の濃度は、一般に所望の通り調整され得る。例えば、前記組成物は、約0.5重量%以上(例えば、約0.7重量%以上、約0.8重量%以上、約0.9重量%以上、約1.0重量%以上)の電子供与体材料を含むことができる。別の一例として、前記組成物は、少なくとも約0.5重量%以上(例えば、約1.0重量%以上、約1.5重量%以上、約2.0重量%以上、約2.5重量%以上、約3.0重量%以上、約3.5重量%以上)の電子受容体材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、濃度は、コーティング組成物の所望の粘性又はコーティングの所望
の厚みを達成するように調整され得る。
【0036】
幾つかの実施形態において、電子受容体材料及び電子供与体材料の間の重量比は、約0.5:1以上(例えば、約1:1以上、約1.5:1以上、約2:1以上、約2.5:1以上、約3:1以上、約3.5:1以上、約4:1以上、約4.5:1以上、5:1以上)であり得る。
【0037】
前述の液体系コーティング処理は、以下の処理のうちの少なくとも1つを用いることにより行うことができる:溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、スプレーコーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷又はスクリーン印刷。理論に束縛されるものではないが、液体系コーティング処理は、ロールツーロール処理等の連続製造処理において容易に用いることができ、それにより、光電池を調製するコストが著しく減少すると考えられる。ロールツーロール処理の例は、例えば同時係属米国出願公開第2005−0263179号に記載されており、その内容は参考として本明細書で援用される。
【0038】
幾つかの実施形態において、光活性層140が有機光活性材料を含む場合、液体系コーティング処理は、溶液又は分散液を形成するために有機光活性材料及び処理添加剤を溶媒(例えば有機溶媒)と混合し、基板上に溶液又は分散液をコーティングし、コーティングされた溶液又は分散液を乾燥させることにより行うことができる。例えば、有機光活性層は、溶液を形成するために適切な溶媒(例えばクロロベンゼン)において電子供与体材料(例えばP3HT)と、電子受容体材料(例えばPCBM)と、処理添加剤(例えば1,8−ジヨードオクタン)とを混合し、基板上に前記溶液をコーティングし、コーティングされた溶液を乾燥させることにより調製され得る。典型的には、処理添加剤は、コーティングされた溶液の乾燥の間に除去される。しかしながら、幾つかの実施形態において、処理添加剤の少なくとも一部は、乾燥が完了した後に光活性層中に残る。かかる実施形態において、処理添加剤は、光活性層140の約0.1重量%以上(例えば、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上)であり得る。
【0039】
幾つかの実施形態において、有機光活性材料を含有する層を調製するために用いられる液体系コーティング処理は、無機光活性材料を含有する層を調製するために用いられるものと同じであり得る。
【0040】
液体系コーティング処理は、高温(例えば、約50℃以上、約100℃以上、約200℃以上、約300℃以上)で行うことができる。前記温度は、各種の因子(例えば、コーティング処理や、使用するコーティング組成物)に応じて調整され得る。例えば、無機ナノ粒子を含有する層を調製する場合、前記ナノ粒子は、相互に結合したナノ粒子を形成するために高温(例えば、約300℃以上)で焼結させ得る。一方で、ポリマー連結剤(例えば、ポリ(n−ブチルチタネート))が無機ナノ粒子に添加される場合、焼結処理は、より低い温度(例えば、約300℃未満)で行うことが可能である。
【0041】
光電池100の他の成分については、基板110は、一般に透明材料から形成される。本明細書で参照されるように、透明材料は、光電池100で使用される厚みで、光電池の操作の間に用いられる波長又は波長の範囲の入射光の約60%以上(例えば、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上)を伝導する材料である。基板110が形成され得る例示的な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリマー炭化水素、セルロースポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエーテルケトンが挙げられる。ある実施形態において、前記ポリマーは、フッ素化ポリマーであり得る。幾つかの実施形態においては、ポリマー材料
の組み合わせが使用される。ある実施形態においては、基板110の異なる領域が異なる材料から形成され得る。
【0042】
一般に、基板110は、柔軟、半剛性又は剛性(例えばガラス)であり得る。幾つかの実施形態において、基板110は、約5,000メガパスカル未満(例えば、約1,000メガパスカル未満や約5,00メガパスカル未満)の曲げ弾性率を有する。ある実施形態において、基板110の異なる領域は、柔軟、半剛性又は非柔軟性であり得る(例えば、1つ以上の領域が柔軟で且つ1つ以上の異なる領域が半剛性、1つ以上の領域が柔軟で且つ1つ以上の異なる領域が非柔軟性)。
【0043】
典型的には、基板110は、約1ミクロン以上(例えば、約5ミクロン以上、約10ミクロン以上)厚、及び/又は、約1,000ミクロン以下(例えば、約500ミクロン以下、約300ミクロン以下、約200ミクロン以下、約100ミクロン以下、約50ミクロン以下)厚である。
【0044】
一般に、基板110は、着色されても、着色されなくてもよい。幾つかの実施形態において、基板110の1つ以上の部分が着色されるが、一方で基板110の1つ以上の異なる部分は着色されない。
【0045】
基板110は、1つの平坦面(例えば、光が当たる表面)又は2つの平坦面(例えば、光が当たる表面及び逆の面)を有してよいし、平坦面を有さなくてもよい。基板110の非平坦面は、例えば、曲面であるか、段差を有し得る。幾つかの実施形態において、基板110の非平坦面は、パターンが形成される(例えば、フレネルレンズ、レンチキュラレンズ又はレンチキュラプリズムを形成するためにパターンが形成された段差を有する)。
【0046】
陰極120は、一般に電気伝導性材料から形成される。例示的な電気伝導性材料としては、電気伝導性金属、電気伝導性合金、電気伝導性ポリマー、電気伝導性金属酸化物が挙げられる。例示的な電気伝導性金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金、チタンが挙げられる。例示的な電気伝導性合金としては、ステンレス鋼(例えば、332ステンレス鋼、316ステンレス鋼)、金合金、銀合金、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金、パラジウム合金、白金合金、およびチタン合金が挙げられる。例示的な電気伝導性ポリマーとしては、ポリチオフェン(例えばPEDOT)、ポリアニリン(例えば、ドープされたポリアニリン)、ポリピロール(例えば、ドープされたポリピロール)が挙げられる。例示的な電気伝導性金属酸化物としては、インジウムスズ酸化物、フッ化酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛が挙げられる。幾つかの実施形態においては、電気伝導性材料の組み合わせが使用される。
【0047】
幾つかの実施形態において、陰極120は、メッシュ電極を含むことができる。メッシュ電極の例は、同時係属米国出願公開第20040187911号及び第20060090791号に記載されており、それらの全体の内容は本明細書に援用する。
【0048】
正孔キャリア層130は、一般に、光電池100において使用される厚みで、正孔を陰極120に輸送し、且つ、陰極120への電子の輸送を実質的にブロックする材料から形成される。層130が形成され得る材料の例としては、ポリチオフェン(例えばPEDOT)、ポリアニリン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタレン及びそれらのコポリマーが挙げられる。幾つかの実施形態において、正孔キャリア層130は、正孔キャリア材料の組み合わせを含むことができる。
【0049】
一般に、正孔キャリア層130の厚さ(即ち、光活性層140と接触する正孔キャリア
層130の表面と、正孔キャリア層130と接触する陰極120の表面との間の距離)は、所望の通りに変更し得る。典型的には、正孔キャリア層130の厚さは、0.01ミクロン以下(例えば、約0.05ミクロン以下、約0.1ミクロン以下、約0.2ミクロン以下、約0.3ミクロン以下、約0.5ミクロン以下)、及び/又は、約5ミクロン以下(例えば約3ミクロン以下、約2ミクロン以下、約1ミクロン以下)である。幾つかの実施形態において、正孔キャリア層130の厚さは、約0.01ミクロン〜約0.5ミクロンである。
【0050】
幾つかの実施形態において、正孔キャリア層130は、上記の液体系コーティング処理により調製され得る。
幾つかの実施形態において、光活性層140は、電子受容体材料(例えば有機電子受容体材料)や電子供与体材料(例えば有機電子供与体材料)等の光活性材料を含有する。
【0051】
電子受容体材料の例としては、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコチック液晶、カーボンナノロッド、無機ナノロッド、電子を受容し得る又は安定なアニオンを形成し得る部分を含有するポリマー(例えば、CN基を含有するポリマー、CF3
基を含有するポリマー)、それらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態において、電子受容体材料は、置換フラーレン(例えば、C61−PCBMやC71−PCBM)である。幾つかの実施形態において、電子受容体材料の組み合わせは、光活性層140において使用され得る。
【0052】
電子供与体材料の例としては、共役ポリマー(例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタレン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリフルオレン、ポリテトラヒドロイソインドール、それらのコポリマー)が挙げられる。幾つかの実施形態において、電子供与体材料は、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン))、ポリシクロペンタジチオフェン、及びそれらのコポリマーであり得る。ある実施形態において、電子供与体材料の組み合わせは、光活性層140において使用され得る。
【0053】
幾つかの実施形態において、電子供与体材料又は電子受容体材料は、第1のコモノマー繰り返し単位を有するポリマーと、第1のコモノマー繰り返し単位とは異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを含むことができる。第1のコモノマー繰り返し単位は、シクロペンタジチオフェン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、シクロペンタジチアゾール部分、チアゾロチアゾール部分、チアゾール部分、ベンゾチアジアゾール部分、チオフェンオキシド部分、シクロペンタジチオフェンオキシド部分、ポリチアジアゾロキノキサリン部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分又はテトラヒドロイソインドール部分を含むことができる。
【0054】
幾つかの実施形態において、第1のコモノマー繰り返し単位は、シクロペンタジチオフェン部分を含む。幾つかの実施形態において、シクロペンタジチオフェン部分は、C1
20アルキル、C1〜C20アルコキシ、C3〜C20シクロアルキル、C1〜C20ヘテロシク
ロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR及びSO2Rから成る群から選択される少なくとも1個の置換基で置換され;Rは、H、
1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C3〜C20シク
ロアルキル又はC1〜C20ヘテロシクロアルキルである。例えば、シクロペンタジチオフ
ェン部分は、ヘキシル、2−エチルヘキシル又は3,7−ジメチルオクチルで置換され得る。ある実施形態において、シクロペンタジチオフェン部分は、4位で置換される。幾つかの実施形態において、第1のコモノマー繰り返し単位は、式(1):
【0055】
【化3】
【0056】
のシクロペンタジチオフェン部分を含むことができる。式(1)において、R1、R2、R3又はRの各々は、独立して、H、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ、C3〜C20シクロアルキル、C1〜C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ
、CN、OR、C(O)R、C(O)OR又はSO2Rであり;Rは、H、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C3〜C20シクロアルキル又はC1〜C20ヘテロシクロアルキルである。例えば、R1及びR2の各々は、独立して、ヘキ
シル、2−エチルヘキシル又は3,7−ジメチルオクチルであり得る。
【0057】
アルキルは、飽和又は不飽和であり得、且つ、分枝状又は直鎖状であり得る。C1〜C20アルキルは、1〜20個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、
10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個の炭素原子)を含有する。アルキル部分の例としては、−CH3、−CH2−、−CH2=CH2−、−CH2−CH=CH2及び分枝状−C3が挙げられる。アルコキシは、分枝状又は直鎖状で
あり得、且つ、飽和又は不飽和であり得る。C1〜C20アルコキシは、酸素ラジカル及び
1〜20個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個の炭素原子)を含有する。アルコキシ部分の例としては、−OCH3や−OCH=CH−CH3が挙げられる。シクロアルキルは、飽和又は不飽和のいずれかであり得る。C3〜C20シクロアルキルは、3〜20
個の炭素原子(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個の炭素原子)を含有する。シクロアルキル部分の例としては、シクロヘキシルやシクロヘキセン−3−イルが挙げられる。また、ヘテロシクロアルキルは、飽和又は不飽和のいずれかであり得る。C3〜C20ヘテロシクロアルキ
ルは、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S)と、3〜20個の炭素原子(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個の炭素原子)とを含有する。ヘテロシクロアルキル部分の例としては、4−テトラヒドロピラニルや4−ピラニルが挙げられる。アリールは、1個以上の芳香環を含有することができる。アリール部分の例としては、フェニル、フェニレン、ナフチル、ナフチレン、ピレニル、アントリル、フェナントリルが挙げられる。ヘテロアリールは、1個以上の芳香環を含有することができ、そのうちの少なくとも1個は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S)を含有する。ヘテロアリール部分の例としては、フリル、フリレン、フルオレニル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、キナゾリニル、キノリル、イソキノリル及びインドリルが挙げられる。
【0058】
特に明記しない限り、本明細書において言及されるアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、置換部分及び非置換部分の両方を含む。シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール上の置換基の例としては、C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C1〜C20アル
コキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アミノ、C1〜C10アルキルアミノ、C1〜C20ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、チオ、C1〜C10アルキルチオ、アリールチオ、C1〜C10アルキルスルホニル、アリールスルホニル、シアノ、ニトロ、アシル、アシロキシ、カルボキシル、カルボン酸エステルが挙げられる。アルキル上の置換基の例としては、C1
〜C20アルキル以外の前述の置換基の全てが挙げられる。また、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールは、融合基も含む。
【0059】
第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チアジアゾロキノキサリン部分、シクロペンタジチオフェンオキシド部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チオフェンオキシド部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分、テトラヒドロイソインドール部分、フルオレン部分、シロール部分、シクロペンタジチオフェン部分、フルオレノン部分、チアゾール部分、セレノフェン部分、チアゾロチアゾール部分、シクロペンタジチアゾール部分、ナフトチアジアゾール部分、チエノピラジン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、オキサゾール部分、イミダゾール部分、ピリミジン部分、ベンゾキサゾール部分又はベンズイミダゾール部分を含むことができる。幾つかの実施形態において、第2のコモノマー繰り返し単位は、3,4−ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール部分である。
【0060】
幾つかの実施形態において、第2のコモノマー繰り返し単位は、式(2)のベンゾチアジアゾール部分、式(3)のチアジアゾロキノキサリン部分、式(4)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(5)のシクロペンタジチオフェンモノオキシド部分、式(6)のベンゾイソチアゾール部分、式(7)のベンゾチアゾール部分、式(8)のチオフェンジオキシド部分、式(9)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(10)のシクロペンタジチオフェンテトラオキシド部分、式(11)のチエノチオフェン部分、式(12)のチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(13)のジチエノチオフェン部分、式(14)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(15)のジチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(16)のテトラヒドロイソインドール部分、式(17)のチエノチオフェンジオキシド部分、式(18)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(19)のフルオレン部分、式(20)のシロール部分、式(21)のシクロペンタジチオフェン部分、式(22)のフルオレノン部分、式(23)のチアゾール部分、式(24)のセレノフェン部分、式(25)のチアゾロチアゾール部分、式(26)のシクロペンタジチアゾール部分、式(27)のナフトチアジアゾール部分、式(28)のチエノピラジン部分、式(29)のシラシクロペンタジチオフェン部分、式(30)のオキサゾール部分、式(31)のイミダゾール部分、式(32)のピリミジン部分、式(33)のベンゾキサゾール部分、又は式(34)のベンズイミダゾール部分を含むことができる。
【0061】
【化4】
【0062】
【0063】
上記式において、X及びYの各々は、独立して、CH2、O又はSであり;R5及びR6
各々は、独立して、H、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ、C3〜C20シクロア
ルキル、C1〜C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、O
R、C(O)R、C(O)OR又はSO2Rであり、ここでRは、H、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C3〜C20シクロアルキル又はC1
〜C20ヘテロシクロアルキルであり;R及びRの各々は、独立して、H、C1〜C20
アルキル、C1〜C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C3〜C20シクロアルキル又はC3〜C20ヘテロシクロアルキルである。幾つかの実施形態において、第2のコモノ
マー繰り返し単位は、式(2)のベンゾチアジアゾール部分を含み、ここでR5及びR6の各々はHである。
【0064】
第2のコモノマー繰り返し単位は、少なくとも3個のチオフェン部分を含むことができる。幾つかの実施形態において、前記チオフェン部分のうちの少なくとも1個は、C1
20アルキル、C1〜C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C3〜C20シクロアルキル及びC3〜C20ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される少なくとも1つの置
換基で置換される。ある実施形態において、第2のコモノマー繰り返し単位は、5個のチオフェン部分を含む。
【0065】
前記ポリマーは、更に、チオフェン部分又はフルオレン部分を含有する第3のコモノマー繰り返し単位を含むことができる。幾つかの実施形態において、チオフェン部分又はフルオレン部分は、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C3〜C20シクロアルキル及びC3〜C20ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される少なくとも1つの置換基で置換される。
【0066】
幾つかの実施形態において、前記ポリマーは、第1、第2及び第3のコモノマー繰り返し単位の任意の組み合わせにより形成され得る。ある実施形態において、前記ポリマーは、第1、第2及び第3のコモノマー繰り返し単位のいずれかを含有するホモポリマーであり得る。
【0067】
幾つかの実施形態において、前記ポリマーは、
【0068】
【化5】
【0069】
(式中、nは、1より大きい整数であり得る)であり得る。
本明細書において言及されるポリマーを調製するためのモノマーは、非芳香族二重結合と1つ以上の不斉中心とを含有することができる。従って、モノマーは、ラセミ化合物、ラセミ混合物、単一の鏡像異性体、個々のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、並びにシス又はトランス異性体形態として生じ得る。全てのかかる異性体形態が検討される。
【0070】
上記のポリマーは、その内容が参考として本明細書で援用される、一般に認められた同時係属米国出願第11/601,374号に記載されているもの等、当該技術分野で周知の方法により調製され得る。例えば、コポリマーは、遷移金属触媒の存在下における、2個のアルキルスタニル基を含有する1つ以上のコモノマーと2個のハロ基を含有する1つ以上のコモノマーとの間の交差カップリング反応により調製され得る。別の一例として、コポリマーは、遷移金属触媒の存在下における、2個のボレート基を含有する1つ以上のコモノマーと2個のハロ基を含有する1つ以上のコモノマーとの間の交差カップリング反応により調製され得る。その内容が参考として本明細書で援用される、米国特許出願第11/486,536号、Coppo et al.,Macromolecules2003,36,2705−2711、及びKurt et al.,J.Heterocycl.Chem.1970,6,629に記載されるもの等、当該技術分野において周知の方法により、前記コモノマーは調製され得る。
【0071】
理論に束縛されるものではないが、上記のポリマーの効果は、それらの吸収波長が、他のほとんどの従来のポリマーが到達できない赤及び近IR領域(例えば650〜800nm)の電磁スペクトルの方へ移動することにあると考えられる。かかるポリマーが従来のポリマーと共に光電池に組み込まれる場合、電池が、前記スペクトルのこの領域内の光を吸収することが可能になり、これにより、前記電池の電流及び効率性が増加する。
【0072】
一般に、光活性層140は、対応する電子及び正孔を形成するためにその上に当たる光子の吸収に相対的に効率的であるように十分に厚く、正孔及び電子の輸送に相対的に効率的であるように十分に薄い。ある実施形態において、光活性層140は、少なくとも0.05ミクロン(例えば、少なくとも約0.1ミクロン、少なくとも約0.2ミクロン、少なくとも約0.3ミクロン)厚、及び/又は、多くても約1ミクロン(例えば、多くても約0.5ミクロン、多くても約0.4ミクロン)厚である。幾つかの実施形態において、光活性層140は、約0.1ミクロン〜約0.2ミクロン厚である。
【0073】
任意選択で、光電池100は、正孔ブロッキング層150を含むことができる。正孔ブロッキング層は、一般に、光電池100において用いられる厚みで、電子を陽極160へ輸送し、且つ、陽極160への正孔の輸送を実質的にブロックする材料から形成される。正孔ブロッキング層が形成され得る材料の例としては、LiF、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン)及びアミン(例えば、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン)が挙げられる。正孔ブロッキング層における使用に適したアミンの例は、例えば、同時係属米国仮出願第60/926,459号に記載されており、その開示内容全体は本明細書に援用する。
【0074】
理論に束縛されるものではないが、光電池100が、アミンから作製される正孔ブロッキング層を含む場合、光活性層140と陽極160との間のオーム接触の形成を容易にすることができ、それにより、かかる曝露から生じる光電池100に対する損傷が低減される。
【0075】
典型的には、正孔ブロッキング層150は、少なくとも0.02ミクロン(例えば、少なくとも約0.03ミクロン、少なくとも約0.04ミクロン、少なくとも約0.05ミ
クロン)厚、及び/又は、多くても約0.5ミクロン(例えば、多くても約0.4ミクロン、多くても約0.3ミクロン、多くても約0.2ミクロン、多くても約0.1ミクロン)厚である。
【0076】
幾つかの実施形態において、正孔ブロッキング層150は、上記の液体系コーティング処理により調製され得る。
陽極160は、一般に、上記の電気伝導性材料のうちの1種以上等の電気伝導性材料から形成される。幾つかの実施形態において、陽極160は、電気伝導性材料の組み合わせから形成される。ある実施形態において、陽極160は、メッシュ電極から形成され得る。
【0077】
基板170は、基板110と同じであり得、或いは、異なり得る。幾つかの実施形態において、基板170は、1種以上の適切なポリマー(例えば上記のもの)から形成され得る。
【0078】
一般に、使用の間、光は、基板110の表面上に当たる可能性があり、基板110、陰極120及び正孔キャリア層130を通過する可能性がある。次いで、光は、光活性層140と相互作用し、これにより、電子は、電子供与体材料(例えばP3HT)から電子受容体材料(例えばPCBM)に伝送される。次いで、電子受容体材料は、電子を、中間層150を介して陽極160に伝導し、電子供与体材料は、正孔を、正孔キャリア層130を介して陰極120に伝送する。陽極160及び陰極120は、外部負荷を介して、電子が陽極160から前記負荷を介して陰極120に通過するように電気的に接続される。
【0079】
ある実施形態が開示されたが、他の実施形態も可能である。
幾つかの実施形態において、図1では、光電池100が、下部電極として陰極を、上部電極として陽極を含むことが示されているが、光電池100は、下部電極として陽極を、上部電極としての陰極を含んでもよい。
【0080】
幾つかの実施形態において、光電池100は、逆順序で、図1に示される層を含むことができる。換言すれば、光電池100は、以下の順序で下部から上部までこれらの層を含むことができる:基板170、陽極160、正孔ブロッキング層150、光活性層140、正孔キャリア層130、陰極120及び基板110。
【0081】
光電池が上に記載されたが、幾つかの実施形態において、本明細書で記載される組成物及び方法は、タンデム型光電池において使用され得る。タンデム型光電池の例は、例えば同時係属米国出願公開第2007−0181179号及び米国出願第11/734,093号に記載されており、その開示内容全体は、参考として本明細書で援用される。
【0082】
幾つかの実施形態においては、多数の光電池が、光起電性系を形成するために電気的に接続され得る。一例として、図2は、光電池220を含有するモジュール210を有する光起電性系200の模式図である。電池220は、直列に電気的に接続され、系200は、負荷230に電気的に接続される。別の例として、図3は、光電池320を含有するモジュール310を有する光起電性系300の模式図である。電池320は、平行に電気的に接続され、系300は、負荷330に電気的に接続される。幾つかの実施形態において、光起電性系の光電池の一部(例えば全て)は、1つ以上の共通基板を有することができる。ある実施形態において、光起電性系における幾つかの光電池は、直列に電気的に接続され、光起電性系における光電池の一部は、並列に電気的に接続される。
【0083】
光電池が上に記載されたが、幾つかの実施形態において、本明細書において記載される処理添加剤は、他の電子デバイス及び系を調製するために使用され得る。例えば、処理添
加剤は、電界効果トランジスタ、光検出器(例えばIR検出器)、光起電力検出器、撮像デバイス(例えば、カメラ又は医療用イメージング系のためのRGB撮像デバイス)、発光ダイオード(LED)(例えば、有機LEDやIR又は近IR LED)、レーザーデバイス、転化層(例えば、可視発光をIR発光に転化する層)、電気通信のための増幅器及びエミッタ(例えば、繊維のためのドーパント)、記憶要素(例えばホログラフィック記憶要素)、エレクトロクロミックデバイス(例えばエレクトロクロミックディスプレー)等の適切な有機半導性デバイスに使用され得る。
【0084】
以下の実施例は、例証を示すものであって、限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0085】
実施例1:光活性層の調製
ポリ(2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ(2,1−b;3,4−b’)−ジチオフェン)−alt−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール))(PCPDTBT)及びC71−PCBMを、Konarka Technologies,Inc.から入手した。
【0086】
光活性層を、以下の手法に従って調製した:インジウムスズ酸化物(ITO)コーティングガラス基板を、まず洗剤で洗浄し、アセトン及びイソプロピルアルコールにおいて超音波破砕し、オーブン中で終夜乾燥した。ポリ(3,4−エチレン−ジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)PEDOT:PSS(BAYTRON P)を、続いて水溶液からITOコーティングガラス基板上にスピンキャストし、約40nmの厚さのPEDOT層を形成した。次いで、このように形成された基板を、空気中で140℃で10分間乾燥し、グローブボックスに移した。次いで、2.5容積%の処理添加剤を有する又は有さないクロロベンゼンにおけるPCPDTBT/C71−PCBM(1:3.6)の混合物を含有する溶液を、PEDOT層の上にスピンキャストし、光活性層を形成した。C71−PCBMを除去するために光活性層を1,8−ジチオールオクタンで5秒間水洗することにより、PCPDTBTネットワーク膜を調製した。
【0087】
以下の6種の処理添加剤:(1)1,8−オクタンジチオール、(2)1,8−ジクロロオクタン、(3)1,8−ジブロモオクタン、(4)1,8−ジヨードオクタン、(5)1,8−ジシアノオクタン及び(6)1,8−ジ(メトキシカルボニル)オクタン、を使用することにより調製された光活性層について、Dimension 3100原子間力顕微鏡でAFM像を得た。結果は、1,8−オクタンジチオール、1,8−ジブロモオクタン及び1,8−ジヨードオクタンを使用することにより調製された光活性層が、1,8−ジクロロオクタン、1,8−ジシアノオクタン及び1,8−オクタンジアセテートを使用することにより調製されたものよりも微細なドメインサイズを示したことを示した。結果はまた、1,8−ジヨードオクタンを使用することにより調製された光活性層が、1,8−オクタンジチオール及び1,8−ジブロモオクタンを使用することにより調製されたものよりも長いドメインを示したことを示した。
【0088】
基板から脱イオン水の表面上に光活性層を分離し、銅グリッドでそれを取り上げることにより、TEM試料を調製した。3つの光活性層:(1)いかなる処理添加剤も使用することなく調製された光活性層、(2)処理添加剤として1,8−オクタンジチオールを使用して調製された光活性層及び(3)処理添加剤として1,8−ジヨードオクタンを使用して調製された光活性層、について、適切な焦点ずれの条件下で200kVで操作したFEI T20透過型電子顕微鏡でTEM像を得た。結果は、光活性層(2)及び(3)が、光活性層(1)よりも大規模な相分離を示し、光活性層(3)が、光活性層(2)よりも長い原繊維様ドメインを有したことを示した。
【0089】
実施例2:光電池の製造
光活性層上に金属電極を配置したこと以外は実施例1に記載されたものと同様の方法で光電池を製造した。電池の性能を、シミュレートされた100mW/cm2 AM1.5
G照明下で決定し、下記の表1にまとめた。National Renewable Energy LaboratoryからのKG5フィルターガラスから製造された事前対応型窓を有する較正された標準シリコン太陽電池を使用して、光の強度を測定した。各光電池の活性領域は、4.5mm2だった。
【0090】
【表1】
【0091】
他の実施形態も請求項の範囲内にある。
図1
図2
図3