特許第5965893号(P5965893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965893
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】豆腐下処理器
(51)【国際特許分類】
   A23L 11/00 20160101AFI20160728BHJP
【FI】
   A23L11/00 104Z
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-268709(P2013-268709)
(22)【出願日】2013年12月26日
(62)【分割の表示】特願2010-500893(P2010-500893)の分割
【原出願日】2007年12月5日
(65)【公開番号】特開2014-97061(P2014-97061A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2014年1月27日
(31)【優先権主張番号】11/726,548
(32)【優先日】2007年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/827,167
(32)【優先日】2007年7月11日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509264833
【氏名又は名称】クラフト、マリー・ビー
【氏名又は名称原語表記】KRAFT, Marie, B.
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】クラフト、マリー・ビー
【審査官】 森井 文緒
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−290679(JP,A)
【文献】 実開昭59−044286(JP,U)
【文献】 実開平05−037087(JP,U)
【文献】 実開昭55−108890(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 11/00
A23B
DWPI(Thomson Innovation)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
日経テレコン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置であって、
(a)少なくとも1つの豆腐のブロックを入れる上部開放容器部材であって、第一の所定の形状及び所定の内側表面積をもつ底壁を有する上部開放容器部材と、
(b)前記上部開放容器部材内に配置され、前記少なくとも1つの豆腐のブロックの上面と係合する底面を有する第一の実質的に平坦な板部材と、
(c)前記第一の実質的に平坦な板部材の上面と係合可能な第一の端部を有し、前記第一の実質的に平坦な板部材の上面に下向きの圧力を加える付勢手段と、
(d)前記上部開放容器部材の上端と係合可能な底面を有する第二の実質的に平坦な板部材あって、前記付勢手段の第二の端部が、前記第一の実質的に平坦な板部材の上面に対向する該第二の実質的に平坦な板部材の前記底面に隣接して該第二の実質的に平坦な板部材と係合可能であり、対角線上で対向し合う隅部に配置された一対のノッチが付いた両端部を有する第二の実質的に平坦な板部材と、
(e)前記上部開放容器部材の対向し合う側部に配置される一対のL字型アーム状突出部であって、前記一対のL字型アーム状突出部のそれぞれは、前記上部開放容器部材の前記上端よりも上方に延在し、互いから逆方向を向き、前記上部開放容器部材の前記対向し合う側部のそれぞれの上で前記上部開放容器部材の前記上端と前記L字型アーム状突出部の縁部との間に細長い開口が形成され、前記第二の実質的に平坦な板部材の前記ノッチが付いた前記両端部はそれぞれ1つの細長い開口の中に配置され、前記豆腐のブロックに対して前記第一の実質的に平坦な板部材を付勢している間、前記上部開放容器部材上で前記第二の実質的に平坦な板部材を保持する一対のL字型アーム状突出部と
を備える、装置。
【請求項2】
前記第一の実質的に平坦な板部材は、前記付勢手段の前記第一の端部と係合する隆起部分を上面にさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二の実質的に平坦な板部材は、中心に配置された開口を有し、前記両端部間の前記第二の実質的に平坦な板部材の長さは、前記上部開放容器部材の長手方向の長さよりも大きく、前記両端部間の方向に関して垂直な方向の前記第二の実質的に平坦な板部材の長さは、前記長手方向に関して垂直な方向の前記上部開放容器部材の長さよりも小さい、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第二の実質的に平坦な板部材はハンドル部材をさらに有し、前記ハンドル部材は、実質的に中空であり且つ前記第二の実質的に平坦な板部材の上面の実質的な中心部分に配置され、前記実質的に中空のハンドル部材は、前記第二の実質的に平坦な板部材に配置された前記開口と係合可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記付勢手段の前記第二の端部は、前記実質的に中空のハンドル部材の内側部分と係合可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記付勢手段は、前記第二の実質的に平坦な板部材を前記一対のL字型アーム状突出部と強制的に係合させるとき、圧縮される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置であって、
(a)少なくとも1つの豆腐のブロックを入れる上部開放容器部材であって、第一の所定の形状及び所定の内側表面積を有する上部開放容器部材と、
(b)前記上部開放容器部材の外面及び対向し合う側部に配置される一対のL字型アーム状突出部であって、該一対のL字型アーム状突出部のそれぞれが、前記上部開放容器部材の上端よりも上方に延在し、互いから逆方向に向き、細長い開口が、前記上部開放容器部材の前記対向し合う側部のそれぞれの上で前記上部開放容器部材の前記上端と前記L字型アーム状突出部の縁部との間に形成される、一対のL字型アーム状突出部と、
(c)所定の表面積を有する第一の実質的に平坦な板部材であって、前記所定の表面積が、前記豆腐の上面より上の面に水分が流れることを可能にするのに少なくとも十分である量だけ前記上部開放容器部材の前記所定の内側表面積よりも小さく、該第一の実質的に平坦な板部材が、前記上部開放容器部材内に配置されて前記少なくとも1つの豆腐のブロックの上に載せられ、上面に少なくとも1つの隆起部分を有する、第一の実質的に平坦な板部材と、
(d)対角線上で対向し合う隅部に配置された一対のノッチが付いた両端部であって、前記余分な水分を除去するように前記一対のL字型アーム状突出部の1つとそれぞれ係合する両端部を有する第二の実質的に平坦な板部材と、
(e)前記第二の実質的に平坦な板部材の上面に配置されるハンドル部材と、
(f)前記ハンドル部材の内面及び前記第一の実質的に平坦な板部材の前記上面の間に入れられ、前記少なくとも1つの豆腐のブロックから余分な水分を押し出す少なくとも1つの付勢手段と
を備え、
(g)前記豆腐のブロックから除去される余分な水分は、前記第一の実質的に平坦な板部材の上に集められる、装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの付勢手段は、前記第二の実質的に平坦な板部材を前記一対のL字型アーム状突出部と強制的に係合させて、前記係合と反対側の前記付勢手段の端部を前記少なくとも1つの隆起部分に配置し前記第一の実質的に平坦な部材の前記上面に係合させるとき、圧縮される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ハンドル部材は実質的に中空である、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する方法であって、
(a)容器部材を設けるステップであって、前記容器部材は、第一の所定の形状及び第一の所定の表面積を有し、前記容器部材の外面に且つ前記容器部材の対向し合う側部に配置された一対のL字型アーム状突出部を有し、前記一対のL字型アーム状突出部のそれぞれは、前記容器部材の上端よりも上方に延在する、ステップと、
(b)前記容器部材に豆腐のブロックを入れるステップと、
(c)前記容器部材内で前記豆腐のブロックの上に第一の実質的に平坦な板部材を載せるステップであって、前記第一の実質的に平坦な板部材は、第二の所定の表面積を有し、前記第二の所定の表面積は、前記豆腐の上面より上の面に水分が流れることを可能にするのに少なくとも十分である量だけ前記第一の所定の表面積よりも小さく、前記第一の実質的に平坦な板部材は、上面に少なくとも1つの隆起部分を有する、ステップと、
(d)回転させることによって、第二の実質的に平坦な板部材の対角線上で対向し合う隅部に配置された一対のノッチが付いた両端部を、前記一対のL字型アーム状突出部の縁部と前記容器部材の上端との間に形成された細長い開口内に係合させるステップであって、前記第二の実質的に平坦な板部材は、上面に形成されるハンドル部材及び前記ハンドル部材の内面に連結される付勢手段を有する、ステップと、
(e)前記第二の実質的に平坦な板部材を前記一対のL字型アーム状突出部と係合させる際に、前記付勢手段を前記第一の実質的に平坦な板部材の前記上面及び前記ハンドル部材の内面の間に入れステップと、
(f)前記第一の実質的に平坦な板部材によって前記豆腐のブロックに圧力を加えるステップであって、前記第一の実質的に平坦な板部材は、前記付勢手段によって押し下げられる、ステップと、
(g)前記豆腐のブロックから余分な水を除去するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記第一の実質的に平坦な板部材の前記上面に配置された前記少なくとも1つの隆起部分と前記第二の実質的に平坦な板部材に配置された前記ハンドル部材の内面との間に、前記付勢手段を入れ、前記第二の実質的に平坦な板部材を前記一対のL字型アーム状突出部と強制的に係合させて、前記付勢手段を圧縮するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(a)前記豆腐から余分な水を除去している間、冷蔵装置内に装置を格納するステップと、
(b)前記豆腐から除去される水を前記第一の実質的に平坦な板部材の上に集めるステップと、
(c)前記第一の実質的に平坦な板部材の上に集められた前記水を捨てるステップと、
(d)余分な水が除去された豆腐が入っている前記容器部材を、使用の準備が整うまで冷蔵された領域に戻すステップと
を前記ステップ(g)の後にさらに含む請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置であって、
(a)第一の所定のサイズ及び第一の所定の形状を有する外側の容器部材と、
(b)前記外側の容器部材内に配置され且つ豆腐のブロックが入れられる内側の容器部材であって、第二の所定のサイズ及び第二の所定の形状を有し、底部分を貫いて形成された複数の開口を有する、内側の容器部材と、
(c)逆方向を向いており、前記内側の容器部材の外面に且つ前記内側の容器部材の対向し合う側部に配置される一対のL字型アーム状突出部であって、該一対のL字型アーム状突出部のそれぞれが、前記内側の容器部材の上端よりも上方に延在し、細長い開口が、前記内側の容器部材の前記対向し合う側部のそれぞれの上で前記内側の容器部材の前記上端と前記L字型アーム状突出部の縁部との間に形成される、一対のL字型アーム状突出部と、
(d)前記内側の容器部材内に配置され且つ前記豆腐のブロックの上に載せられる第一の実質的に平坦な板部材であって、上面に少なくとも1つの隆起部分を有する第一の実質的に平坦な板部材と、
(e)対角線上で対向し合う隅部に配置された一対のノッチが付いた両端部を有する第二の実質的に平坦な板部材であって、前記両端部が前記細長い開口それぞれの中に挿入され且つ前記一対のL字型アーム状突出部の1つと係合可能であり、前記両端部が、前記L字型アーム状突出部それぞれの外面を越えて延在する、第二の実質的に平坦な板部材と、
(f)前記第二の実質的に平坦な板部材の底面と係合可能な少なくとも1つの付勢手段であって、前記第一の実質的に平坦な板部材の前記上面の前記少なくとも1つの隆起部分及び前記第二の実質的に平坦な板部材の前記底面の間に入れられ、前記豆腐ブロックを押し、前記豆腐のブロックから余分な水分を押し出す、少なくとも1つの付勢手段と
を備える、装置。
【請求項14】
前記上部開放容器部材の底部分は穿孔を有する請求項1または2に記載の装置。
【請求項15】
蓋をさらに備える請求項1または2に記載の装置。
【請求項16】
前記上部開放容器部材はその底部分に脚部を有し、前記蓋は前記脚部にスナップ接続する請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には豆腐の使用に関し、より詳細には、本発明は、市販されているような標準的な豆腐のブロックからの余分な水を収容及び除去する装置及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年3月22日付けで出願された「TOFU PREP」と題する同時係属中の特許出願第11/726,548号、及び2007年7月11日付けで出願された「TOFU PREPPER」と題する同時係属中の特許出願第11/827,167号に密接に関連する。上記関連出願の教示は、参照することにより本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
多くの人が、単に食事から肉類を減らすか又は完全に排除することによって得ることができる健康及びウェルネス効果に気付いている。動物愛護を理由に食事から肉類を排除することを望む人もいる。
【0004】
豆腐は、食事で正しい栄養バランスを生み出すために多くの人が求める植物性タンパク源である。それ故、豆腐は、肉類を食べることで一般的に得られるタンパク質の代わりに広く用いられている。しかしながら、多くの料理法では、料理人が豆腐のブロックを調理するためにそこから余分な水分を搾り出す必要があるため、豆腐の調理は不便且つ面倒となる場合がある。通常の豆腐の販売方法は、ブロック状である。豆腐の下処理(prep)が不適切だと、人によっては豆腐を肉の代用品とすることを完全にあきらめてしまいかねないような、食べられたものではない食事ができる可能性がある。豆腐のブロックから水分を除去する現在の方法は、概して不十分で扱い難いペーパータオル及び他の重い調理器具で豆腐を圧搾ろ過することを含み、ほとんどが、必ずしも冷蔵庫内での豆腐の保存を可能にするとは限らないものである。それ故、豆腐のブロックから余分な水分を容易に除去するために用いられその下処理された豆腐を保存する手段を備えることができる単純な装置を、食事から肉を排除することを望む人に提供する利用可能な手段あれば、好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置を提供することが、本発明の主な目的のうちの1つである。
【0006】
本発明の別の目的は、豆腐のブロックから余分な水分を除去し、使用しやすい装置を提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、豆腐のブロックから余分な水分を除去するプラスチック製の装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらにまた別の目的は、豆腐のブロックに圧力を加えて上記豆腐のブロックから余分な水分を押し出す付勢手段を用いる、上記豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一の態様では、本発明は、食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置を提供する。この装置は、少なくとも1つの豆腐のブロックを入れる上部開放容器部材を備える。上部開放容器部材は、第一の所定の形状及び所定の内側表面積をもつ底壁を有する。第一の手段が、上部開放容器内に配置され、上記少なくとも1つの豆腐のブロックの上面と係合する底面を有する。付勢手段が、第一の手段の上面と係合可能な第一の端部を有し、第一の手段の上面に下向きの圧力を加える。第二の手段が、上部開放容器の開口端に隣接して上部開放容器と係合可能であり、上記付勢手段の第二の端部が、上記第一の手段の上面に対向する第二の手段の表面に隣接して、第二の手段と係合可能である。第三の手段が、上記第二の手段の対向する外端に隣接して配置され、上記豆腐のブロックに対して上記第一の手段を付勢している間、上部開放容器上で上記第二の手段を保持する。
【0010】
第二の態様では、本発明は、食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置を提供する。この装置は、第一の所定の形状及び第一の所定の表面積を有する容器部材を備える。容器部材は、少なくとも1つの豆腐のブロックが入れられる。一対のアーム状突出部が、容器部材の上面及び対向し合う側部に配置される。第二の所定の表面積を有する第一の実質的に平坦な板部材が、容器部材内に配置されて上記少なくとも1つの豆腐のブロックの上に載せられる。第二の所定の表面積は、上記豆腐の上面より上の面に水分が流れることを可能にするのに少なくとも十分である量だけ第一の所定の表面積よりも小さい。上記第一の実質的に平坦な板部材は、上面に少なくとも1つの隆起部分を有する。第二の実質的に平坦な板部材が、一対のアーム状突出部と係合する。ハンドル部材が、第二の実質的に平坦な板部材の上面に配置され、付勢手段が、ハンドル部材の内面と第一の実質的に平坦な板部材の上記上面との間に入れられ、上記少なくとも1つの豆腐のブロックから余分な水分を押し出す。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する方法が提供される。この方法は、容器部材を設けるステップを含む。上記第一の容器部材は、第一の所定の形状及び第一の所定の表面積を有し、上記容器部材の上面及び対向し合う側部に配置された一対のアーム状突出部を有している。これに続くのは、容器部材に少なくとも1つの豆腐のブロックを入れるステップである。次のステップは、容器部材内で上記少なくとも1つの豆腐のブロックの上に第一の実質的に平坦な板部材を載せるステップである。上記第一の実質的に平坦な板部材は、第二の所定の表面積を有し、第二の所定の表面積は、上記豆腐の上面より上の面に水分が流れることを可能にするのに少なくとも十分である量だけ上記第一の所定の表面積よりも小さい。上記第一の実質的に平坦な板部材は、上面に少なくとも1つの隆起部分を有する。これに続くステップは、第二の実質的に平坦な板部材を、容器部材の上面及び対向し合う側部に配置された一対のアーム状突出部と係合させるステップである。第二の実質的に平坦な板部材は、上面に配置されるハンドル部材及び上記ハンドル部材の内面に連結される付勢手段を有する。付勢手段を第一の実質的に平坦な板部材の上面の上記少なくとも1つの隆起部分と上記ハンドル部材の内面との間に入れ、第二の実質的に平坦な板部材を一対のアーム状突出部と係合させるステップがある。さらに、第一の実質的に平坦な板部材によって豆腐のブロックに圧力を加えるステップがある。そして、上記第一の実質的に平坦な板部材は、付勢手段によって押し下げられる。次のステップは、付勢手段が作用した結果、第一の実質的に平坦な板部材により加えられる圧力によって豆腐のブロックから水を除去するステップである。豆腐のブロックから除去された余分な水を上記第一の実質的に平坦な板部材の上に集めること、そして、余分な水が除去された豆腐を、容器部材に入れて使用の準備が整うまで冷蔵された領域に格納するステップがある。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置が提供される。この装置は、第一の所定のサイズ及び第一の所定の形状を有する外側の容器部材を備える。内側の容器部材が、外側の容器部材内に配置され、内側の容器部材は、豆腐のブロックが入れられる。内側の容器部材は、第二の所定のサイズ及び第二の所定の形状を有し、底部分を貫いて形成された複数の開口を有する。逆方向を向く一対のアーム状突起が、内側の容器部材の上面及び対向し合う側部に配置される。第一の実質的に平坦な板部材が、内側の容器部材内に配置されて上記豆腐のブロックの上に載せられる。第一の実質的に平坦な板部材は、上面に少なくとも1つの隆起部分を有する。第二の実質的に平坦な板部材が、一対のアーム状突出部と係合する。第二の実質的に平坦な板部材の底面に連結される少なくとも1つの付勢手段がある。少なくとも1つの付勢手段は、第一の実質的に平坦な板部材の上面の少なくとも1つの隆起部分と第二の実質的に平坦な板部材の底面との間に入れられ、上記豆腐のブロックを押し、上記豆腐のブロックから余分な水分を押し出す。
【0013】
本発明のこれらの目的及び利点、並びに様々な他の目的及び利点は、以下の詳細な説明を全て読んだ後に、特に後述の添付図面及び添付の特許請求の範囲と併せて読めば、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による豆腐のブロックから余分な水を除去するのに用いる装置の斜視図である。
図2図1に示す実施形態で用いられる、ハンドル部材が形成されて付勢手段が取り付けられた第二の板部材の斜視図である。
図3】容器部材の上面の上の突出部と係合している第二の板部材と、上部開放容器内に入っている豆腐のブロックとを示す、異なる角度からの装置の斜視図である。
図4】所定位置に蓋部材がある、図1に示す容器部材の斜視図である。
図5】第二の板部材と係合可能である枢軸回転可能なヒンジを有する本発明の代替的な実施形態を示す、装置の斜視図である。
図6】容器部材の側面図であり、容器部材に形成され且つ図5に示す枢軸回転可能なヒンジと係合するノッチを示す図である。
図7】本発明の代替的な実施形態による、底部に穿孔が配置されている上部開放容器の斜視図である。
図8】本発明の代替的な実施形態による豆腐のブロックから余分な水を除去する装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のより詳細な説明を続ける前に、明確にすることを目的として、同一の機能を有する同一の構成要素が、図面に示すいくつかの図を通して同一の参照符号で示されていることに留意すべきである。
【0016】
第一の態様では、本発明は、食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置を提供し、この装置は全体的には10で示される。装置10は、少なくとも1つの豆腐のブロックを入れることができる上部開放容器部材2を備え、上記の容器部材2は、この上部開放容器2の底壁が第一の所定の形状及び所定の内側表面積を有する。上部開放容器2内には、上記少なくとも1つの豆腐のブロック15の上面と係合する下面を有する第一の手段が配置される。付勢手段12が、第一の手段の上面に係合してこの上面に下向きの圧力をかけることができる第一の端部を有する。第二の手段が、上部開放容器2の開口端に隣接して上部開放容器2と係合可能であり、上記付勢手段の第二の端部が、上記第一の手段の上面に対向する第二の手段の表面に隣接して、第二の手段と係合可能であり、第三の手段が上記第二の手段の対向する外端に隣接して配置され、第三の手段は、上記第一の手段を上記豆腐のブロック15に対して付勢している間、上部開放容器上で上記第二の手段を保持する。
【0017】
上記第一の手段は、第一の実質的に平坦な板部材4を有し、付勢手段12の第一の端部と係合する隆起部分8を上面にさらに有する。
【0018】
上記第二の手段は、第二の実質的に平坦な板部材6を有し、上記第二の実質的に平坦な板部材6は中心に配置された開口を有している。上記第二の手段は、ハンドル部材14をさらに有する。上記ハンドル部材14は、実質的に中空であり、第二の実質的に平坦な板部材6の上面の実質的な中心部分に配置され、実質的に中空のハンドル部材14は、上記第二の実質的に平坦な板部材6に配置された開口と係合可能である。
【0019】
付勢手段12の第二の端部は、上記実質的に中空のハンドル部材14の内側部分と係合可能である。
【0020】
第三の手段は、上部開放容器部材2の上面及びその対向し合う側部に配置された一対のアーム状突出部16を有し、一対のアーム状突出部16は、第二の実質的に平坦な板部材6と係合する。
【0021】
第二の実質的に平坦な板部材6を一対のアーム状突出部16と強制的に係合させ、上記付勢手段12の第一の端部を第一の実質的に平坦な板部材4の隆起部分8と係合させると、上記付勢手段12が圧縮されることに留意すべきである。
【0022】
代替的な実施形態では、上記第二の実質的に平坦な板部材6は、一対の枢軸回転可能なラッチ部材18をさらに有している。ラッチ部材18は、第二の実質的に平坦な板部材6の対向し合う端部に配置され、上部開放容器部材2の上端に近接して上部開放容器部材2における半径方向に対向する外壁に配置されたノッチ19と係合する。この態様では、第二の実質的に平坦な板部材6に配置されている上記一対の枢軸回転可能なラッチ部材18を上部開放容器2における半径方向に対向する外壁のノッチ19と係合させ、付勢手段12の第一の端部を第一の実質的に平坦な板部材4の隆起部分8と係合させると、付勢手段12が圧縮される。
【0023】
さらに別の代替的な実施形態では、上記上部開放容器(内側容器)2は、内側容器2の底部分に穿孔22を有する。この実施形態では、上記容器をシンクに入れて豆腐のブロックから除去される余分な水をそのままシンク内に流し出すことができるか、又は上記上部開放容器(内側容器)2を別の容器(外側容器)24に入れて余分な水を外側容器部材24内に集めることができる。これは、図8で見られる。水が抜かれた豆腐が入っている内側容器2が取り出され、外側容器24内の水が注ぎ出される。この実施形態では、外側容器24を用いて、使用に先立って豆腐15を漬け込みつつ、蓋部材34を外側容器24の上に載せて豆腐15を冷蔵庫内に保存することができる。
【0024】
第二の態様では、本発明は、食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する装置を提供し、この装置は全体的には10で示される。装置10は、第一の所定の形状及び第一の所定の表面積を有する上部開放容器部材2を備える。容器部材2は、少なくとも1つの豆腐のブロック15が入れられる。一対のアーム状突出部16が、容器部材2における上面及び対向し合う側部に配置される。第一の実質的に平坦な板部材4が、第二の所定の表面積を有し、第二の所定の表面積は、上記豆腐3の上面より上の面に水分を流すことを可能にするのに少なくとも十分である量だけ第一の所定の表面積よりも小さく、第一の実質的に平坦な板部材4は、容器部材2の内側に配置され、上記少なくとも1つの豆腐のブロック15の上に載せられる。上記第一の実質的に平坦な板部材4は、その上面に配置された少なくとも1つの隆起部分8を有している。第二の実質的に平坦な板部材6が、一対のアーム状突出部16に係合する。ハンドル部材14が、第二の実質的に平坦な板部材6の上面に配置され、付勢手段12が、上記少なくとも1つの豆腐のブロック15から余分な水分を圧縮して出すために、ハンドル部材14の内面と第一の実質的に平坦な板部材4の上記上面との間に入れられる。
【0025】
上記付勢手段12がばね12であることが好ましいことに留意すべきである。第二の平坦なプラットフォーム部材(the second flat platform member)6を一対のアーム状突出部16と強制的に係合させ、付勢手段12の反対側の端部を隆起部分8に配置して第一の実質的に平坦な部材4の上面に係合させると、ばね12が圧縮される。
【0026】
圧縮されたばね12は、その非圧縮位置に戻ろうとするため、第一の平坦な板部材4に圧力が加えられ、続いて、第一の平坦な板部材4が豆腐のブロック15に圧力を加えることで、豆腐のブロックから余分な水を押し出させる。前述のように、第一の板部材4の第二の所定の表面積は、上記豆腐15の上面より上の面に水分を流すことを可能にするのに少なくとも十分である量だけ第一の所定の表面積よりも小さいため、余分な水は、第一の平坦な板部材6の上に集められる。第一の板部材4の上に集められた水は、容器部材2からそのまま注ぎ出される。
【0027】
第二の実質的に平坦な部材6は、対角線上で対向し合う隅部に配置された一対のノッチ26を有し、これにより第二の実質的に平坦な部材6をアーム状突出部16に係合させやすくなる。上記容器部材2は、各隅部に脚部28が設けられていることに留意すべきである。
【0028】
上記容器部材2がプラスチックで形成されていることが現在のところ好ましい。上記第一の平坦な板部材4及び上記第二の平坦な板部材6がプラスチック製であることも好ましい。上記一対のアーム状突出部16が容器部材2の一部として一体に形成されていることも好ましい。
【0029】
上記ハンドル部材14が実質的に中空であること、そして、実質的に中空のハンドル部材14が、全体として30で示されるが、ばね12の上端に係合する手段をさらに有することが好ましい。上記手段30は、一対のピン32を有し、一対のピン32は、ハンドル部材14の半径方向に対向し合う側部において内側に向かって配置される。上記実質的に中空のハンドル部材14が、第二の実質的に平坦な板部材6の上面に形成されることも現在のところ好ましい。
【0030】
上記容器部材2の上面及び対向し合う側部に配置される上記アーム状突出部16は、同じ方向を向いていても逆方向を向いていてもよい。しかしながら、上記アーム状突出部16が逆方向を向いていることが現在のところ好ましい。
【0031】
こうして、豆腐のブロック15が容器部材2に入れられ、第一の平坦な板部材4が豆腐15の上に載せられる。付勢手段が取り付けられている第二の平坦な板部材6は、アーム状突出部16に係合し、付勢手段12は、隆起部分8に配置されて第一の平坦な板部材4の上面に係合する。付勢手段12(ばね)が、第一の平坦な板部材4に圧力を加えることで、豆腐のブロック15を搾って余分な水を除去させる。余分な水を豆腐15から搾り出すには或る程度の時間を要し得るため、豆腐15から余分な水を除去している間、豆腐のブロックを中に入れたまま装置10を冷蔵庫内に保存することができる。余分な水が除去された後、続いて余分な水を廃棄して、容器部材2内の下処理済みの豆腐のブロック15を冷蔵庫内に再び保存することができる。豆腐15の上に漬け汁を注ぎ、容器2の上に蓋を載せて冷蔵庫内に保存してもよい。豆腐を適切な漬け汁と共に漬け込んだ後には、豆腐にはさらなる使用のための準備が整う。
【0032】
本発明の別の実施形態が図4に見られ、ここでは、蓋部材34が容器部材2の脚部28にスナップ接続する(snap)。これは、蓋部材34を蓋34として用いていないときに格納し、それにより部品を紛失しないように便宜上全てを一箇所にまとめておく手段である。
【0033】
本発明のさらに別の態様では、食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロックから余分な水分を除去する方法が提供される。この方法は、容器部材2を設けるステップを含む。上記容器部材2は、第一の所定の形状及び第一の所定の表面積を有し、容器部材2の上面及び対向し合う側部に配置された一対のアーム状突出部16を有している。これに続くのは、容器部材2に少なくとも1つの豆腐のブロック15を入れるステップである。次のステップは、容器部材内で上記少なくとも1つの豆腐のブロック15の上に第一の実質的に平坦な板部材4を載せるステップであり、上記第一の実質的に平坦な板部材4は、第二の所定の表面積を有し、第二の所定の表面積は、上記豆腐15の上面より上の面に水分が流れることを可能にするのに少なくとも十分である量だけ上記第一の所定の表面積よりも小さい。上記第一の実質的に平坦な板部材4は、その上面に、少なくとも1つの隆起部分8を有している。これに続くのは、第二の実質的に平坦な板部材6を、容器部材2の上面及び対向し合う側部に配置されている一対のアーム状突出部16と係合させるステップであり、ハンドル部材14を第二の実質的に平坦な板部材6の上面に配置して付勢手段12を上記ハンドル部材14の内面に連結させている。付勢手段12を第一の実質的に平坦な板部材4の上記上面と上記ハンドル部材14の内面との間に入れ、第二の実質的に平坦な板部材6を一対のアーム状突出部16と係合させるステップがあり、付勢手段12の1つの端部は、第一の板部材4の上面における上記隆起部分8に配置される。第一の実質的に平坦な板部材4によって豆腐のブロック15に圧力を加えるステップがある。上記第一の実質的に平坦な板部材6は、付勢手段20によって押し下げられる。
【0034】
次のステップは、付勢手段12の作用の結果として第一の実質的に平坦な板部材4により加えられる圧力によって豆腐のブロック15から水を除去することである。余分な水が豆腐15から除去され始めると、冷蔵庫内に装置10を入れるステップがある。余分な水の除去には或る程度の時間を要し得るため、これは豆腐15が必要以上に室温に曝されないようにすることを確実にするために行われる。このステップは省いてもよいが、余分な水の除去にかなりの時間がかかる場合、衛生上又は健康上の理由からこのステップが重要になる。
【0035】
上記第一の実質的に平坦な板部材4の上に豆腐のブロック15から除去された余分な水を集めるステップと、豆腐のブロック15から除去された余分な水を注ぎ出すステップとがある。次に、容器部材2内に余分な水が除去された豆腐15が入っている装置10を、使用の準備が整うまで冷蔵された領域に戻すステップがある。容器部材を冷蔵庫に戻す前に、蓋部材34を容器部材の上に載せるステップが行われる。
【0036】
余分な水が除去された豆腐のブロックに漬け汁を加えて、容器部材2に入れて冷蔵された領域に保存する付加的なステップがあってもよい。
【0037】
図7及び図8に見られるように、本発明のさらに別の実施形態では、食料品店及び健康食品店で一般的に販売されているような豆腐のブロック15から余分な水分を除去する装置10が提供される。装置10は、第一の所定のサイズ及び第一の所定の形状を有する外側の容器部材24を備える。豆腐のブロック15を入れるための内側の容器部材2が、外側の容器部材24内に配置され、上記内側の容器部材2は、第二の所定のサイズ及び第二の所定の形状を有し、内側の容器部材2の底部分には、複数の開口又は穿孔22が貫通形成されている。逆方向を向いている一対のアーム状突起16が、内側の容器部材2の上面及び対向し合う側部に配置されている。第一の実質的に平坦な板部材4が、内側の容器部材2内に配置されて上記豆腐のブロック15の上に載せられる。上記第一の実質的に平坦な板部材4は、その上面に少なくとも1つの隆起部分8を有しており、少なくとも1つの隆起部分8は、第一の実質的に平坦な板部材4の中心に配置されている。第二の実質的に平坦な板部材6が、上記内側の容器部材2の上面と係合可能であり、一対のアーム状突出部16にさらに係合する。少なくとも1つの付勢手段12が、第二の実質的に平坦な板部材6の底面に連結されている。少なくとも1つの付勢手段12は、上記豆腐のブロック15を押して上記豆腐のブロック15から余分な水分を押し出すために、第一の実質的に平坦な板部材4の上面の少なくとも1つの隆起部分8と第二の実質的に平坦な板部材6の底面との間に入れられる。前述のように、付勢手段12は、上記ハンドル部材14の内面と第一の実質的に平坦な板部材4の上面における少なくとも1つの隆起部分8との間に入れられてもよいことを理解されたい。
【0038】
このように、本発明は、豆腐のブロックから余分な水分を容易に除去する装置及び方法を提供する。本装置は、丈夫なプラスチック材料から構成することができ、現在大抵の市販の豆腐は実質的に箱形又は矩形の形状で販売されているため、概してこの形状を有している。しかしながら、豆腐の市販供給業者がその形状を変えることがあれば上記形状が円形又は別の形状になり得ることは、本発明の範囲内にある。それは、市販の豆腐のブロックとほぼ同じサイズとなるように設計される。豆腐を入れる容器ユニットの基部は、隅部の4つの足を特徴とする。容器内に配置されて豆腐の上に載る第一の平坦な板部材と、ばねが取り付けられている第二の平坦な板部材とがある。第二の平坦な板部材は、容器の上面及び対向し合う側部に配置されている一対のアーム状突出部に係合する。ばねは、豆腐上に載る第一の平坦な板部材に係合し、それにより、ばねが、豆腐上に載っている第一の平坦な板部材に圧力を加えると、豆腐から余分な水が除去される。
【0039】
本発明の現在のところ好ましい実施形態及び代替的な実施形態を詳細に上述したが、本発明の様々な他の適合及び/又は変更は、本発明の精神及び添付の特許請求の範囲から逸脱せずに当業者によって加えられ得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8