特許第5965897号(P5965897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5965897切頭円錐形の管状孔を含むセラミック物質
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965897
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】切頭円錐形の管状孔を含むセラミック物質
(51)【国際特許分類】
   C04B 38/00 20060101AFI20160728BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20160728BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20160728BHJP
   H01M 8/02 20160101ALI20160728BHJP
   C04B 38/04 20060101ALI20160728BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20160728BHJP
   C04B 35/10 20060101ALN20160728BHJP
   C04B 35/48 20060101ALN20160728BHJP
   C04B 35/565 20060101ALN20160728BHJP
【FI】
   C04B38/00 303Z
   B01J35/04 A
   H01M4/86 T
   H01M8/02 K
   C04B38/04 B
   H01M4/86 U
   !H01M8/12
   !C04B35/10 E
   !C04B35/48 C
   !C04B35/56 101Z
【請求項の数】20
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-502027(P2013-502027)
(86)(22)【出願日】2011年4月1日
(65)【公表番号】特表2013-528552(P2013-528552A)
(43)【公表日】2013年7月11日
(86)【国際出願番号】IB2011051406
(87)【国際公開番号】WO2011121572
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2014年3月11日
(31)【優先権主張番号】1052485
(32)【優先日】2010年4月1日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511104875
【氏名又は名称】サン−ゴバン サントル ド レシェルシュ エ デテュド ユーロペアン
(73)【特許権者】
【識別番号】500531141
【氏名又は名称】セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(72)【発明者】
【氏名】デヴィユ,シルバン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアッチィ,セリーヌ
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−046341(JP,A)
【文献】 特開2007−296750(JP,A)
【文献】 特開2007−163163(JP,A)
【文献】 特開2001−192280(JP,A)
【文献】 特開昭55−116657(JP,A)
【文献】 特開2006−124256(JP,A)
【文献】 特開2008−100892(JP,A)
【文献】 特開2002−316866(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/102801(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/115145(WO,A1)
【文献】 NISHIHARA H,ORDERED MACROPOROUS SILICA BY ICE TEMPLATING,CHEMICAL MATERIALS,2005年 1月 1日,V17 N3,P685
【文献】 DEVILLE Sylvain,Ice-Structuring Mechanism for Zirconium Acetate,Langmuir,2012年10月23日,Vol.28 No.42,P.14892-14898
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 38/00−38/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック物質から形成された生成物であって、孔を有し、かつ下記規準(a)、(b)および(c)を満たす、前記生成物、
(a)該孔の数の少なくとも70%が、長手方向に互いに実質的に平行に延びている切頭円錐形の管状孔である、
(b)少なくとも1の横断面において、該孔の横断面の平均サイズが0.15μm超かつ200μm未満である、
(c)少なくとも1の横断面において、孔の数の少なくとも50%が87%超の凸指数Icを有する、ここで孔の凸指数は、該孔の周囲によっておよび凸状エンベロープによってそれぞれ境界が定められる表面積SpおよびScの比Sp/Scに等しい、
ここで、該セラミック物質が、酸化ジルコニウム、部分的に安定化された酸化ジルコニウム、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、水和されたアルミナ、炭化ケイ素、およびそれらの混合物によって形成される群から選択され、かつ
該生成物の開放多孔率が、基準ISO15901−1に従って測定されるとき、60%未満である
【請求項2】
該平均サイズが2μm超である、請求項1記載の生成物。
【請求項3】
該平均サイズが5μm超かつ100μm未満である、請求項記載の生成物。
【請求項4】
該平均サイズが50μm未満である、請求項1〜のいずれか1項記載の生成物。
【請求項5】
該平均サイズが15μm未満である、請求項記載の生成物。
【請求項6】
該平均サイズが10μm未満である、請求項記載の生成物。
【請求項7】
孔の数の少なくとも70%が、貫通孔として知られる、孔の2つの端で開いていて該2つの端がそれぞれ広い開口および狭い開口を有する、切頭円錐形の管状孔であり、該貫通孔の狭い開口の平均等価直径と広い開口の平均等価直径との比が0.95未満である、請求項1〜のいずれか1項記載の生成物。
【請求項8】
孔の形状が、下記要件a)〜g):
a)孔の数の少なくとも60%が87%超の凸指数Icを有する、
b)孔の数の少なくとも40%が88%超の凸指数Icを有する、
c)孔の数の少なくとも30%が89%超の凸指数Icを有する、
d)孔の数の少なくとも24%が90%超の凸指数Icを有する、
e)孔の数の少なくとも20%が91%超の凸指数Icを有する、
f)孔の数の少なくとも16%が92%超の凸指数Icを有する、
g)孔の数の少なくとも4%が93%超の凸指数Icを有する、
の少なくとも1が満たされるところの形状である、請求項1〜のいずれか1項記載の生成物。
【請求項9】
該生成物の少なくとも一部が、1.5重量%超かつ40重量%未満のジルコニア含量を有する、請求項1〜のいずれか1項記載の生成物。
【請求項10】
焼結されている、請求項1〜のいずれか1項記載の生成物。
【請求項11】
下記の順次の工程:
a)水性液体相中に懸濁された4体積%超のセラミック粒子の粉末を含むスリップを製造すること、ここで上記液体相は、酢酸ジルコニウムを含む結晶成長活性剤を含む、
c)氷晶のアッセンブリを含むブロックを形成するように上記スリップを配向凍結すること、ここで各氷晶は、細長い切頭円錐形の管形状を有し、該配向凍結は、1以上の与えられた方向に沿って漸次に行われる凍結である、
e)多孔性のプリフォームが得られるように、上記スリップの凍結されたブロックから氷晶を除去すること、
を含む、多孔性生成物の製造法、ここで、該セラミック粒子が、酸化ジルコニウム、部分的に安定化された酸化ジルコニウム、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、水和されたアルミナ、炭化ケイ素、およびそれらの混合物によって形成される群から選択されるセラミック物質から成る
【請求項12】
工程a)と工程c)との間で行われる工程b)を含み、工程b)が、上記スリップを型に注入することおよび/または上記スリップに含まれる気泡を除去することから成る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程c)と工程e)との間で行われる工程d)を含み、工程d)が、上記ブロックを型から取り出すことから成る、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
工程e)の後に行われる工程f)を含み、工程f)が、工程e)の終わりに得られた多孔性のプリフォームからバインダーを除去することから成る、請求項1113のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程e)の後に行われる工程g)を含み、工程g)が、多孔性の焼結された生成物が得られるように、工程e)の終わりに得られた多孔性のプリフォームを焼結することから成る、請求項1113のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
工程f)の後に行われる工程g)を含み、工程g)が、多孔性の焼結された生成物が得られるように、工程f)の終わりに得られた多孔性のプリフォームを焼結することから成る、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
工程g)の後に行われる工程h)を含み、工程h)が、上記多孔性の焼結された生成物の機械加工および含浸を行うことから成る、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
工程a)において、
酢酸ジルコニウムが、該酢酸ジルコニウムによって与えられるジルコニウムの濃度が14〜170g/水性液体相1リットルであるような量でスリップに添加され、
酢酸ジルコニウムまたは酢酸ジルコニウム前駆体の導入後にセラミック粒子の粉末が該水性液体相に導入され、
スリップのpHが2.75〜5に調整され、および
スリップ中のセラミック粒子の粉末の量が、50体積%未満であり、
工程c)において、固体化最前部の速度が400μm/s未満である、請求項1117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
セラミック電気化学セル、燃料電池、液体状または気体状流体の濾過要素、貯蔵ミクロ構造、触媒担体、熱交換器、断熱材、流体分配器、空気処理プラントのための滴分離器または細流ブロック、バッテリー、スーパーキャパシター、水分吸着材および燃焼マイクロチャンバーから選択されるデバイスであって、請求項1〜10のいずれか1項記載の生成物を含む前記デバイス。
【請求項20】
請求項19記載のデバイスの使用方法であって、該生成物が孔を有し、該孔の数の少なくとも70%が、長手方向に互いに実質的に平行に延びている管状孔であり、少なくとも1の横断面において、該孔の横断面が下記平均サイズを有する、前記方法、
1〜10μmの平均サイズ、ここで、上記生成物は、マイクロ反応器および/または濾過のための用途に使用される、または
2〜5μmの平均サイズ、ここで、上記生成物は、請求項1、2および4〜10のいずれか1項に従い、かつSOFC型の固体酸化物形燃料電池の電極のための用途に使用される、または
10〜30μmの平均サイズ、ここで、上記生成物は、請求項1〜5および7〜10のいずれか1項に従い、かつSOFC型の固体酸化物形燃料電池の電解質のための用途に使用される、または
100μm200μm未満の平均サイズ、ここで、上記生成物は、請求項1、2および7〜10のいずれか1項に従い、かつ熱交換器のための用途に使用される、または
1〜100μmの平均サイズ、ここで、上記生成物は、請求項1〜10のいずれか1項に従い、単室型燃料電池のための用途に使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状孔を有するセラミック生成物および、そのような生成物を製造する方法、特に「氷晶テンプレーティング(ice templating)」の工程を含む方法に関する。この生成物は特に、燃料電池、特にSOFC型の燃料電池のためのセラミック電気化学セルの製造のために意図される。
【背景技術】
【0002】
セラミック電気化学セルは従来、固体電解質、負極および陽極を含む。上記セルは特に、一般に1000℃より低い温度で機能する電気化学デバイスにおいて、例えば、固体酸化物形燃料電池、特に「SOFC」および「IT−SOFC」(中温固体酸化物形燃料電池(Intermediate Temperature Solid Oxide Fuel Cell))、として知られる、イオン伝導性セラミック酸素電解質を含む燃料電池において、またはPCFC(プロトンセラミック燃料電池(Protonic CeramicFuel Cell))として知られる、プロトン伝導性セラミック電解質を含む燃料電池において使用される。また、上記セルは、酸素または水素ポンプとして使用され、または水素の生産のための蒸気電界槽において、合成ガスの生産のための電気触媒反応器において、およびより広くは触媒作用分野における一定数の反応の電気化学的促進のために使用される。
【0003】
論文「平行な孔チャンネルを有する新規な多孔性構造での密な薄膜固体電解質の製造(Preparation ofdense thin film solid electrolyte on novel porous structure with parallel porechannels)」(2002)は、例えば、「氷晶テンプレーティング」によって製造される多孔性層(LSCF−CGO)上に沈着された密な層(CGO)を含む構造を製造する方法を記載している。この構造は特に、SOFCセルのために意図されているが、膜のためにも意図されている。
【0004】
米国特許公開2007/0065701号公報は、2つの多孔性電極および電界質、好ましくは電極と同じ物質でできた電解質を含むSOFCセルを記載している。電極は、多孔性骨格を負極または陽極物質の懸濁物で含浸することにより製造される。多孔性骨格は、「凍結テープ鋳造(freeze tape casting)」として知られる、薄層を凍結する工程を含む方法を介して製造される。各孔は管状であり、かつ孔の一方の端から他方の端へ増加する等価直径を有する。第一および第二の端における上記等価直径はそれぞれ、0.5〜15μmおよび25〜125μmである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した用途では、多孔性生成物と、多孔性生成物中に浸透される、「含浸物質」として知られる物質との間の交換面積を増加することが追求される。
【0006】
本発明の1の目的は、上記用途に適し、かつこの交換面積と使用される含浸物質の量との比を最大にし得る多孔性生成物を提供することである。
【0007】
さらに、良好な機械的特性および特に良好な圧縮強度を有する多孔性生成物のための継続する要求がある。
【0008】
本発明の1の目的は、この要求をまた満たす多孔性生成物を、または焼結することにより、この要求を満たす生成物に導き得る多孔性生成物を提供することである。
【0009】
管状孔を有する微小孔物質はまた、触媒担体として使用される。この理由は、上記物質が、触媒の大きい表面が暴露されるのを可能にするからである。
【0010】
文献「氷晶テンプレーティングによる秩序あるマクロ多孔性シリカ(Ordered macroporous silica by ice templating)」、Nishiharaら、Chem. Mater., 2005, 17(3)、第683〜689頁は、例えば第678頁、図4bに、約5μmの中央サイズを有するなめらかな六角形アモルファスシリカ構造を記載している。
【0011】
暴露された表面を増大させるための継続する要求がある。さらに、特定の用途において、触媒担体は、分解をもたらし得る(例えば破壊によって)、または触媒性能の低下(収率および/または選択性の低下)すらをもたらし得る厳しい機械的応力を受ける。
【0012】
本発明の1の目的は、特に触媒担体として役立ち得るために、大きい表面を暴露し、かつ厳しい機械的応力に耐え得る多孔性生成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第一の主要な実施態様によれば、本発明は、セラミック物質から形成された生成物であって、好ましくは焼結された生成物に関し、上記生成物の少なくとも一部、好ましくは全部が孔を有し、かつ下記規準(a)および(b)を満たし、かつ下記規準(c)および(d)のうちの少なくとも1を満たす。
(a)上記孔の数の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、または実質的に100%すらが、互いに長手方向に実質的に平行に延びる切頭円錐形の管状孔(すなわち、円錐の上部が切られた形状を表わす)である、
(b)少なくとも1の横断面において、特に中央の横断面において、好ましくは任意の横断面において、(横断面中に見える孔の全てを考慮した)孔の横断面の平均サイズ(以降、「平均孔サイズ」と言う)が、0.15μmより大きくかつ200ミクロン未満である、
(c)少なくとも1の横断面において、特に中央の横断面において、好ましくは任意の横断面において、(横断面中に見える孔の全てを考慮した)孔の数の少なくとも50%が、87%より大きい凸指数(convexity index)Icを有する、ここで、1つの孔の凸指数は、表面積SpとScの比Sp/Scに等しく、SpおよびScはそれぞれ、上記孔の周囲によっておよび凸状エンベロープ(convex envelope)によって境界を定められる、
(d)少なくとも1の横断面において、特に中央の横断面において、好ましくは任意の横断面において、(横断面中に見える孔の全てを考慮した)孔の数の少なくとも50%が、87%より大きい固体性指数(solidity index)Isを有する、ここで1つの孔の固体性指数は、後述する方法に従って測定される。ここで、上記セラミック物質が、酸化ジルコニウム、部分的に安定化された酸化ジルコニウム、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、水和されたアルミナ、炭化ケイ素、およびそれらの混合物によって形成される群から選択され、かつ該生成物の開放多孔率が、基準ISO15901−1に従って測定されるとき、60%未満である
【0014】
本明細書の以降においてより詳細に示されるように、本発明者らは、孔の特定の形状が、多孔性生成物中に浸透することが可能である含浸物質の量を改善することを可能にすることを見出した。特に、本発明者らは、わずかに切頭された円錐形の管形状であること、低下された横断面であること、および(外面から見た)凹状の周囲が少ないことの組合せが、浸透することが可能である含浸物質の量を増加することを可能にすることを見出した。燃料電池の用途では、この結果が、電池の性能を増加することを可能にする。
【0015】
この理論に縛られることなく、本発明者らは、この結果を、孔の特定の形状が含浸物質の粒子の通過を容易にするという事実によって説明する。すなわち、これらの粒子は、孔中に非常に深く浸透できる。
【0016】
本発明の第一の主要な実施態様に従う多孔性生成物はまた、下記の任意的な特徴の1以上を含み得る。
−平均孔サイズが、0.5μmより大きい、好ましくは1μmより大きい、または2μmより大きい、または5μmより大きい、および/または200μm未満であり、または150μm未満であり、または100μm未満であり、または50μm未満であり、または15μm未満であり、または10μm未満である。
−平均孔サイズが、1〜10μmである。この特徴は、マイクロ反応器および/または濾過のための用途において特に有利である。
−平均孔サイズが2〜5μmである。この特徴は、SOFC電池の電極のための用途に特に有利である。
−平均孔サイズが、10〜30μmである。この特徴は、SOFC電池の電解質のための用途に特に有利である。
−平均孔サイズが、100〜270μmである。この特徴は、熱交換器のための用途において特に有利である。
−平均孔サイズが、1〜100μmである。この特徴は、単室型燃料電池のための用途において特に有利である。
−孔の形状が以下の通りである。
孔の数の少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%が、87%より大きい凸指数Icおよび/または固体性指数Isを有する、および/または
孔の数の少なくとも40%、好ましくは少なくとも44%、好ましくは少なくとも54%が、88%より大きい凸指数Icおよび/または固体性指数Isを有する、および/または
孔の数の少なくとも30%、好ましくは少なくとも36%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも44%、好ましくは少なくとも50%が、89%より大きい凸指数Icおよび/または固体性指数Isを有する、および/または
孔の数の少なくとも24%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも36%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも44%、好ましくは少なくとも50%が、90%より大きい凸指数Icおよび/または固体性指数Isを有する、および/または
孔の数の少なくとも20%、好ましくは少なくとも24%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%が、91%より大きい凸指数Icおよび/または固体性指数Isを有する、および/または
孔の数の少なくとも16%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも24%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%が、92%より大きい凸指数Icおよび/または固体性指数Isを有する、および/または
孔の数の少なくとも4%、好ましくは少なくとも8%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%が、93%より大きい凸指数Icおよび/または固体性指数Isを有する。
【0017】
第二の主要な実施態様によれば、本発明は、セラミック物質から形成された生成物であって、好ましくは焼結された生成物に関し、上記生成物の少なくとも一部、好ましくは全部がアモルファスシリカから形成されておらず、孔を有し、かつ下記規準を満たす。
(a’)上記孔の数の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、または実質的に100%すらが、互いに長手方向に実質的に平行に延びる管状の孔であり、好ましくは切頭円錐形の孔である、
(b’)少なくとも1の横断面において、特に中央の横断面において、好ましくは任意の横断面において、孔の数の少なくとも30%が(外面から見て)凸六角形状の断面を有し(以降、これらの孔を「六角形の孔」と言う)、上記六角形の孔の数の少なくとも80%が0.7より大きい丸み指数(roundness index)を有し、ここで、上記丸み指数は、上記断面が内接するところの楕円の短軸および長軸の長さの比SA/LAに等しく、上記孔の横断面の平均サイズ(上記横断面中に見える全ての孔を考慮した「平均孔サイズ」)が0.15μmより大きくかつ25μm未満である。
【0018】
本明細書の以降においてより詳細に示されるように、本発明者らは、本発明の第二の主要な実施態様に従う生成物の孔の凸六角形状および大きさが、大きい暴露表面積および顕著な機械的強度を得ることを可能にすることを見出した。管状孔の特定の形状はまた、触媒による効率的な浸透を特に可能にする。
【0019】
本発明の第二の主要な実施態様に従う多孔性生成物はまた、下記の任意的な特徴の1以上を含み得る。
−好ましくは、上記横断面において、各六角形の孔が凸六角形HG(自明のこととして、その全ての辺が直線である)で外接されている、ここで上記凸六角形HGは正六角形であってもなくてもよく、最小面積AHGを有し、凸六角形HGの最も長い辺の長さと最も短い辺の長さとの比をRとするとき、
六角形の孔の数の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、または少なくとも80%すらが0.7より大きい比Rを有し、および/または
六角形の孔の数の少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、または少なくとも50%すら、または少なくとも60%すらが0.75より大きい比Rを有し、および/または
六角形の孔の数の少なくとも20%または少なくとも30%すらが0.8より大きい比Rを有する。
−好ましくは、上記横断面において、孔の数の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%が、凸六角形状の断面を有し、かつ0.75より大きい、好ましくは0.80より大きい丸み指数を有する。
−好ましくは、上記横断面において、孔の数の少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、または少なくとも90%すら、または95%すら、または実質的に100%すらが、凸六角形状の断面を有する。
−上記横断面において、平均孔サイズが、0.25μmより大きく、好ましくは0.5μmより大きく、好ましくは1μmより大きく、好ましくは2μmより大きく、および/または20μm未満、好ましくは18μm未満、好ましくは15μm未満、好ましくは10μm未満である。
−1実施態様において、本発明に従う生成物の壁(すなわち、孔同士の間の物質)が多孔性である(すなわち、壁の多孔度が典型的に10体積%より大きい、または10体積%に等しい)。別の実施態様では、本発明に従う生成物の壁が、密である(すなわち、壁の多孔度が典型的に10体積%未満である)。
−好ましくは、六角形の孔以外の孔が、そうでなければ六角形の孔であるところの孔の互いの浸透によって形成された孔である。
【0020】
主要な実施態様に関係なく、本発明に従う多孔性生成物はまた、下記の任意的な特徴の1以上を含み得る。
―孔の横断面の幾何学が、考慮される横断面に関係なく、実質的に一定である。例えば、孔は、考慮される横断面に関係なく、凸六角形の一般的な形状の横断面を有し、これは、孔が切頭円錐形状であるときには特に、この断面の面積が変わり得ることの可能性を排除しない。
−開放多孔率(open porosity)が、30%超であり、または40%超ですらあり、および/または90%未満であり、好ましくは80%未満であり、好ましくは70%未満であり、または60%未満ですらあり、または50%未満ですらある。有利には、機械的特性がそれによって改善される。
−孔の数の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%が、それぞれ大きい開口および狭い開口を有する2つの端を介して開放している切頭円錐形の管状孔である。これらの孔は、「貫通孔」として知られる。従って、それらを特に触媒で含浸することがより容易である。触媒担体として使用する場合には、触媒反応もそれによって改善される。
−上記孔の数の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、または実質的に100%すらが、切頭円錐形の管状貫通孔であり、狭い開口の平均等価直径(上記貫通孔の全ての平均)と大きい開口の平均等価直径(上記貫通孔の全ての平均)との比R’が0.99未満であり、好ましくは0.95未満であり、または0.90未満ですらあり、または0.85未満ですらあり、または0.80未満ですらあり、または0.75未満ですらあり、第二の主要な実施態様の場合には特に、0.90未満であり、または0.85未満ですらあり、または0.80未満ですらあり、または0.75未満ですらある。
−セラミック物質が、少なくとも1の酸化物を含み、または少なくとも1の酸化物から形成され、好ましくは、上記酸化物が、酸化ジルコニウムまたはジルコニア(ZrO)、部分的に安定化された酸化ジルコニウム、安定化された酸化ジルコニウム、酸化イットリウム(Y)、ドープされた酸化イットリウム、好ましくは酸化サマリウムでドープされた酸化イットリウム、酸化チタン(TiO)、アルミノシリケート、例えばムライト、菫青石(AlMgAlSi18)、酸化アルミニウムまたはアルミナ(Al)、水和されたアルミナ、特にベーマイト、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(MgSi10(OH))、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO、Fe、Fe)、酸化セリウム、ドープされた酸化セリウム、灰チタン石構造の酸化物、特にガレート、LaAlOまたはLaGaOまたはLa(1−x)SrMO(0≦x≦1であり、Mは、クロム、コバルト、マグネシウム、鉄、ガドリニウムおよびマンガン、ならびにそれらの混合物から形成される群から選択される元素である)型のランタン含有化合物、白金および/またはパラジウムおよび/またはロジウムおよび/または金および/または銀でドープされた灰チタン石構造の酸化物、例えばLa(1−x)Sr(1−y)M’(0≦x≦1であり、0≦y≦0.15であり、Mは、クロム、コバルト、マグネシウム、鉄、ガドリニウムおよびマンガン、ならびにそれらの混合物から形成される群から選択される元素であり、M’は白金、パラジウム、ロジウム、金および銀、ならびにそれらの混合物から形成される群から選択される元素である)、LaSrTi11Mn1−xGa38(0≦x≦1)およびLaSrTi12−nMn38(0≦n≦1)型のチタン含有化合物、BaTiO、BaZrO、Pb(Mg0.25Nb0.75)O、Ba(Zn0.25Nb0.75)O、Pb(Zn0.25Nb0.75)O、PbTiO、CaCuTi12の型の化合物、bimevox型構造の化合物、例えばBi1−xMe(0≦x≦1であり、zは電気的中性を確実にし、Meは、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マンガン、アンチモン、タンタル、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステンおよびウラニウム、ならびにそれらの混合物から形成される群から選択される元素である)、lamox型構造の化合物、例えばLaMo、アパタイト構造の化合物、例えばMe’10(XOY’(Me’はCa2+、Cd2+、Sr2+、Ba2+、Pb2+、NaおよびK、希土類金属カチオン、好ましくはLa3+およびNd3+、Al3+、U4+、Th4+によって形成される群から選択される金属カチオンであり、(XO)はPO3−、SiO4−、AsO3−、MnO、SO2−、CO2−、HPO2−、SiO4−およびGeO4−、ならびにそれらの混合物から選択されるアニオンであり、Y’はF、Cl、OH、Br、I、Co2−およびO2−、ならびにそれらの混合物から選択されるアニオンである)、SrCe1−x(0≦x≦1であり、Mは希土類金属であり、Mは好ましくはイッテルビウムである)型の化合物、BaCe1−x(0≦x≦1であり、Mは希土類金属である)型の化合物、例えば化合物BaCeO、LaSr1−xScO(0≦x≦1)ファミリーの化合物、例えばLa0.9Sr0.1ScO、Nax1Cax2Mgx3Bax4x5Alx6(Six7x8)・x9HO(x1〜x9は、x6>0、x7>0、x8>0、x9>0およびx1+x2+x3+x4+x5>0を満たす正の整数または0である)の構造のゼオライト、ならびにそれらの混合物によって形成されるA群から選択される。好ましくは、酸化ジルコニウムが、酸化イットリウムおよび/または酸化カルシウムおよび/または酸化マグネシウムおよび/または酸化セリウムおよび/または酸化スカンジウムおよび/または酸化サマリウムおよび/または酸化ストロンチウムおよび/または酸化チタンで、好ましくは酸化イットリウムで部分的に、好ましくは全体的に安定化されている。好ましくは、酸化セリウムが、酸化サマリウムおよび/または酸化ガドリニウムおよび/または酸化イットリウムおよび/または酸化鉄によって、好ましくは酸化ガドリニウムによってドープされている。
−特に生成物が、酢酸ジルコニウムを使用する本発明に従う方法に従って製造されるとき、上記生成物が少なくとも微量のジルコニアを含む。好ましくは、ジルコニア含量が、1.5%超、2%超、または5%超ですらあり、および/または40%未満、好ましくは20%未満、好ましくは15%未満、好ましくは10%未満である。好ましくは、ジルコニアが、上記生成物内に均一に分散されている。
−1実施態様において、セラミック物質が、アモルファスシリカ(SiO)からまたはシリカから形成されておらず、またはアモルファスシリカをまたはシリカ(SiO)を99%より多く含まず、90%より多く含まず、80%より多く含まず、10%より多く含まず、またはそれらを含まない。有利には、蒸気の存在下で1000℃より上の温度でのエージングがそれによって改善される。
−セラミック物質が、少なくとも1の非酸化物を含み得、または少なくとも1の非酸化物から形成され得る。好ましくは、上記非酸化物が、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、二ケイ化モリブデン(MoSi)およびホウ化チタン(TiB)、ならびにそれらの混合物によって形成されるB群から選択される。
−生成物が、「氷晶プレーティング」法によって製造される。
−本発明に従う多孔性生成物の最も小さい寸法が、10μm超であり、好ましくは15μm超、または50μm超、または100μm超、または200μm超、または500μm超、または1mm超、または5mm超、または10mm超である。
【0021】
本発明はまた、下記の順次の工程を含む製造法に関する。
a)水性液体相中に懸濁された4体積%超のセラミック粒子の粉末を含むスリップ(slip)を製造すること、ここで上記液体相は、酢酸ジルコニウムを含む結晶成長活性剤を含む、
b)任意的に、上記スリップを型に注入することおよび/または上記スリップに含まれる気泡を除去すること、
c)氷晶のアッセンブリを含むブロックを形成するように上記スリップを配向凍結すること、ここで各氷晶は、細長く、そして好ましくは切頭円錐形の管形状を有し、該配向凍結は、1以上の与えられた方向に沿って漸次に行われる凍結である、
d)任意的に、上記凍結されたスリップのブロックを型から取り出すこと、
e)多孔性のプリフォームが得られるように、任意的に型から取り出された、上記スリップの凍結されたブロックから、好ましくは昇華によって、氷晶を除去すること、
f)任意的に、工程e)の終わりに得られた多孔性のプリフォームからバインダーを除去すること、
g)任意的に、多孔性の焼結された生成物が得られるように、工程e)またはf)の終わりに得られた多孔性のプリフォームを焼結すること、
h)任意的に、上記多孔性の焼結された生成物を機械加工することおよび/または含浸すること。ここで、該セラミック粒子が、酸化ジルコニウム、部分的に安定化された酸化ジルコニウム、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、水和されたアルミナ、炭化ケイ素、およびそれらの混合物によって形成される群から選択されるセラミック物質から成る
【0022】
1実施態様では、結晶成長活性剤が酢酸ジルコニウム(ZrA)を含み、または酢酸ジルコニウムから形成される。好ましくは、酢酸ジルコニウムが、酢酸ジルコニウムによって与えられるジルコニウムの濃度が、スリップの液体相1リットルにつき14g〜170gであるような量でスリップに添加される。
【0023】
好ましくはまた、および特に、結晶成長活性剤が酢酸ジルコニウムを含み、または酢酸ジルコニウムから形成されるとき、スリップのpHが2.75〜5に調整される。そのとき、氷晶の成長は有利に実質的に一方向である。
【0024】
好ましくはまた、および特に、結晶成長活性剤が酢酸ジルコニウムを含み、または酢酸ジルコニウムから形成されるとき、固体化最前部(solidification front)の速度が、400μm/s未満、好ましくは300μm/s未満である。
【0025】
結晶成長活性剤が酢酸ジルコニウムを含み、または酢酸ジルコニウムから形成されるとき、固体化最前部の速度は、第二の主要な実施態様に従う生成物を製造するためには、40μm/s超でなければならない。
【0026】
好ましくは、上記方法が、工程a)とb)の間、および/またはb)とc)の間、および/またはc)とd)の間、および/またはd)とe)の間、および/またはe)とf)の間、および/またはf)とg)の間、および/またはg)とh)の間に中間工程を含まない。好ましくは、工程a)の前、および/または工程h)の後に工程を含まない。
【0027】
好ましくは、工程a)において、
−酢酸ジルコニウムが、酢酸ジルコニウムによって与えられるジルコニウムの濃度が、スリップの液体相1リットルにつき14g〜170gであるような量でスリップに添加され、および
−セラミック粒子の粉末が、酢酸ジルコニウムまたは酢酸ジルコニウム前駆体の導入後に導入され、および
−スリップのpHが2.75〜5に調整され、および
−スリップ中のセラミック粒子の粉末の量が50体積%未満である。
【0028】
何らの理論に縛られることなく、本発明者らは、溶液中の酢酸ジルコニウムが、錯体、特にZr(OH)(CHCOO)、の形成をもたらし得、これが、いくつかの結晶面上での氷晶の成長を活性化することを可能にする特定の形状(configuration)を有すると考える。
【0029】
方法パラメータの機能として、円柱状の管状孔、すなわち一定の横断面を有する孔(横断面は必ずしも円形ではない)、または切頭円錐形の管状孔を得ることが可能である。
【0030】
切頭円錐形の孔を製造することを可能にする固体化最前部の速度を確立するための条件を以下に、特に実施例において、記載する。
【0031】
円柱状の孔を製造することを可能にする固体化最前部の速度を確立するための条件が、「新規な加工経路として両面冷却を使用するセラミックの凍結鋳造中のラメラ空間の制御(Control of lamellae spacing during freeze casting of ceramics using double-side cooling as a novel processing route)」、Waschkiesら、J. Am. Ceram. Soc.,92[S1]S79-S84(2009)に、特に図2の説明に記載されている。
【0032】
本発明はまた、上記工程a)〜e)を含む方法の後に得られるまたは得られているかもしれないプリフォームに関する。
【0033】
本発明はまた、本発明に従う方法によって得られる、または得られているかもしれない生成物に関する。
【0034】
本発明はまた、セラミック電気化学セル、燃料電池、特にSOFC電池、IT−SOFC電池、PCFC電池、単室型燃料電池、液体または気体流体のためのフィルター要素、孔中に物質を貯蔵するために使用される貯蔵ミクロ構造、触媒担体、熱交換器、断熱材、上記流体を運ぶための流体分配器、特に気体分配器、空気処理プラントのための滴分離器(drop separator)または細流ブロック(trickle block)、バッテリー、特にバッテリー電解質、スーパーキャパシター、水分吸着材、燃焼マイクロチャンバーから選択されるデバイスに関し、上記デバイスは、本発明に従う生成物または本発明に従う方法に従って製造された生成物を含む。この生成物は、上記電池に含浸された電解質として特に使用され得る。
【0035】
本発明は、下記から選択される含浸物質で含浸された、本発明に従う生成物を含む担体を含むデバイスに特に関する。
−上記A群および/またはB群の物質、
−金属、好ましくは鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、レニウム(Re)、およびそれらの混合物;酸化物、好ましくはスカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)およびレニウム(Re)の酸化物、灰チタン石構造の酸化物、フルオライト構造の酸化物、ゼオライト、ランタニドの酸化物、好ましくはCeO、およびそれらの混合物;カーバイド、式(カーバイド)1−x(0<x<1)のオキシカーバイド;およびそれらの混合物から選択される触媒物質を含む、または上記触媒物質から形成された触媒コーティング、
−ならびにそれらの混合物。
【0036】
本発明の目的のために、用語「触媒コーティング」は、化学反応を触媒することが知られている触媒物質を含むコーティングまたは上記触媒物質から形成されたコーティングを意味する。この触媒コーティングはまた、触媒物質の分散を確実にするように、周知のやり方で、触媒物質と混合された担体物質、一般的には高い比表面積の担体物質を含み得る。この担体物質は酸化物であり得る。
【0037】
特に、第一の主要な実施態様では、含浸物質が、上記A群および/またはB群から選択され得る。特に、第二の主要な実施態様では、含浸物質が、
−A群の物質、
−B群の物質、
−金属、好ましくは鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、レニウム(Re)、およびそれらの混合物;酸化物、好ましくはスカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)およびレニウム(Re)の酸化物、灰チタン石構造の酸化物、フルオライト構造の酸化物、ゼオライト、ランタニドの酸化物、好ましくはCeO、およびそれらの混合物;カーバイド、式(カーバイド)1−x(0<x<1)のオキシカーバイド;およびそれらの混合物から選択される触媒物質を含む、または上記触媒物質から形成された触媒コーティング
から選択され得る。
【0038】
含浸はまた、上記孔の表面での簡単なコーティングをもたらし得、または上記孔の部分的または全体的な充填をもたらし得る。
【0039】
好ましくは、含浸物質が、それが浸透されるところの本発明に従う生成物の物質と異なる。
【0040】
1実施態様では、含浸物質が、前駆体、例えばナイトレート、アセテート、スルフェート、クロライドまたは有機分子化合物、例えばジルコニウムアルコキシド、の形で導入される。
【0041】
1実施態様では、含浸物質が、切頭円錐形の管状孔の大きい開口の平均等価直径の0.1倍未満の、好ましくは上記孔の狭い開口の平均等価直径の0.1倍未満の中央サイズを有する粒子を含む。含浸物質の粒子の中央サイズは、典型的には0.01μm〜4μmであり得る。
【0042】
本発明はまた、本発明に従うデバイスの使用に関し、上記生成物が孔を含み、上記孔の数の少なくとも70%が、互いに長手方向に実質的に平行に延びる管状孔であり、上記孔の横断面が、少なくとも1の横断面、特に中央の横断面、好ましくは任意の横断面において、
−1〜10μmの平均サイズを有する、ここで、上記生成物は、マイクロ反応器および/または濾過のための用途に使用される、
−2〜5μmの平均サイズを有する、ここで、上記生成物は、SOFC型の固体酸化物形燃料電池の電極のための用途に使用される、
−10〜30μmの平均サイズを有する、ここで、上記生成物は、SOFC型の固体酸化物形燃料電池の電解質のための用途に使用される、
−100〜270μmの平均サイズを有する、ここで、上記生成物は、熱交換器のための用途に使用される、または
−1〜100μmの平均サイズを有する、ここで、上記生成物は、単室型燃料電池のための用途に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例1の多孔性生成物の画像である。
図2図2は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例2の多孔性生成物の画像である。
図3図3は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例3の多孔性生成物の画像である。
図4図4は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例4の多孔性生成物の画像である。
図5図5は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例5の多孔性生成物の画像である。
図6図6は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例6の多孔性生成物の画像である。
図7図7は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例7の多孔性生成物の画像である。
図8図8は、氷晶を模式的に示す。
図9図9は、規準(c)を評価する方法を示す。
図10図10は、規準(c)を評価する方法を示す。
図11図11は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、本発明の第一の主要な実施態様に従う多孔性生成物の画像である。
図12a図12aは、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、本発明の第一の主要な実施態様に従う多孔性生成物の画像である。
図12b図12bは、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、本発明の第一の主要な実施態様に従う多孔性生成物の画像である。
図13図13は、「凸六角形」の形状の定義を示す。
図14図14は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例8の画像である。
図15図15は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例9の画像である。
図16図16は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた、実施例10の画像である。
図17図17は、酢酸ジルコニウムを含まない生成物の、凍結中に得られたX線回折図である。
図18図18は、酢酸ジルコニウムを含む生成物の、凍結中に得られたX線回折図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
定義
用語「セラミック物質」は、任意の非金属かつ非有機の物質を意味する。
【0045】
用語「昇華」は、一般には減圧下で、氷を融解することなく蒸発させることからなる操作を意味する。
【0046】
用語「融解」は、氷を融解することからなる操作を意味する。
【0047】
用語「酢酸ジルコニウム」は、CAS番号7585−20−8の化学式Zr(CHCOO)の化合物を意味する。
【0048】
孔の開口または断面の「等価直径」は、上記開口または上記断面と同じ表面積の円盤の直径を意味する。
【0049】
横断面において測定される平均孔直径は、この横断面において測定される孔の等価直径の算術平均に等しい。
【0050】
用語「管状孔」は、孔の2つの端の一方を介する(「非貫通孔(blind pore)」または孔の2つの端を介する(「貫通孔(through-pore)」)管の開口の一般的な形状を有する孔を意味する。本発明に従う生成物では、孔の大部分が、互いに実質的に平行に延びる管状孔であり、これらの孔の軸が、「長手方向」として知られかつ固体化最前部の進行の方向によって決定される共通の方向に配向している。上記長手方向は、実質的に直線(rectilinear)である。用語「横断面」は、上記長手方向を直角に切断する断面を意味する。中央横断面は、孔の長さの中央で長手方向を切断する横断面であり、上記長さの中央は、全ての孔の平均として定義される。孔の「横断面」は、横断面におけるこの孔の断面を意味する。管状孔の長さは、孔の軸に沿って測定される、孔の2つの先端の間の寸法である。
【0051】
「凸六角形の」断面は、6つの辺を有する凸多角形であり、各辺がまっすぐな線分の一般的形状を有する。上記断面が、全ての辺がまっすぐな線分であるところの第一の凸六角形と第二の凸六角形の間に配置され得るときに「各辺がまっすぐな線分の一般的形状を有する」と考えられる。ここで、第一の六角形HGは、上記断面を外接して囲む最小面積AHGの六角形であり、第二の六角形HPは、上記断面に内接する最大面積AHPの六角形であり、比AHG/AHPが1.2未満である。言うまでもなく、2つの六角形はしたがって、必ずしも相似形でなくてよい。図13は、横断面における孔の周囲10および2つの六角形HGおよびHPを示す。
【0052】
横断面において測定される孔の丸み指数は、また図13に示されるように、上記断面が内接されるところの楕円Eの短軸および長軸の長さの比SA/LAに等しい。
【0053】
結晶成長活性剤は、スリップ中のその存在が、凍結中に、他を犠牲にしていくつかの面上での氷晶の成長を促進する添加物である。ここで、上記面は、凍結後に、上記氷晶の結晶構造の軸c(図8で定義されている)が、固体化の方向に実質的に垂直であるような面である。1の特定の実施態様では、結晶成長活性剤が、スリップ中のその存在が、凍結中に、氷晶の基面(図8の軸aおよびbによって定義される)においてまたはこの面に垂直な面(軸cによって定義される)において結晶の成長の活性化をもたらすところの添加物である。
【0054】
粒子の「サイズ」は、慣用的に、粒度分布解析によって与えられる。例えば、レーザー粒度分布計は、5mm以下のサイズを測定することを可能にする。特に粉末の含浸物質内の、粒子のアッセンブリの「中央サイズ」は、パーセンタイルD50を意味する。すなわち、粒子を同量の第一集団および第二集団に分けるところのサイズであり、これら第一および第二集団はそれぞれ、上記中央サイズより大きいサイズを有する粒子のみおよび上記中央サイズより小さいサイズを有する粒子のみを含む。
【0055】
用語「一時的な」は「焼結中に生成物から除去される」ことを意味する。
【0056】
用語「配向された」凍結は、1以上の与えられた方向に沿って漸次に行われる凍結を意味する。
【0057】
用語「全体的に安定化された酸化ジルコニウム」は、単斜晶系の酸化ジルコニウムを1質量%未満の量で有し、残りが、安定なおよび/または準安定な正方晶系および/または立方晶系の酸化ジルコニウムで形成された酸化ジルコニウムを意味する。
【0058】
アモルファスシリカは、その重量の10%未満が結晶形であるシリカである。
【0059】
マイクロ反応器は、化学反応を行うために使用される小規模の反応器である。
【0060】
特に断らない限り、全ての%および特に本発明に従う生成物の組成に関する%は、質量%である。例外は、本発明に従うスリップの組成に関する%に関し、これは、特に断らない限り、スリップの体積に対する体積%である。
【0061】
本発明に従う生成物の種々の特徴は、下記実施例のために使用される解析法によって決定され得る。
【0062】
本発明の他の特徴および利点はまた、非制限的説明として示される図面を見ることにより現れるであろう。図面において、同一の参照記号は同一または同様の対象物を示すために使用される。
【0063】
本発明に従う生成物は、上記工程a)〜h)を含む方法に従って製造され得る。
スリップの製造の工程a)では、セラミック粒子の粉末の水性懸濁物が製造される。セラミック粒子の物質は、上記A群および/またはB群から選択され得る。懸濁物中の粉末の量は、好ましくは、スリップの体積%として、好ましくは10%超および/または40%未満、好ましくは30%未満である。結晶成長活性剤が酢酸ジルコニウムであるとき、懸濁物中の粉末の量は、スリップに基づく体積%として、50%未満でなければならない。
【0064】
粉末の中央サイズは、好ましくは0.02μm超、好ましくは0.1μm超、好ましくは0.3μm超、および/または20μm未満、好ましくは10μm未満、好ましくは5μm未満、好ましくは1μm未満である。
【0065】
液体相の量または水の量は、スリップの体積%として、好ましくは50%超、好ましくは60%超、好ましくは70%超、好ましくは80%超、好ましくは90%超である。
【0066】
液体相は好ましくは、液体相に基づく体積%として、50%超の水、好ましくは60%超の、好ましくは70%超の、好ましくは80%超の、好ましくは90%超の水を含む。液体相は、水から形成され得る。
【0067】
本発明によれば、結晶成長活性剤が添加される。
【0068】
スリップ中の結晶成長活性剤の濃度は好ましくは、スリップの液体相1リットルにつき200g未満、または150g未満、または100g未満、または75g未満、および/またはスリップの液体相1リットルにつき0.1g超、または1g超、または10g超、または20g超、または30g超、または50g超である。
【0069】
好ましくは、結晶成長活性剤が酢酸ジルコニウムである。有利には、それによって本発明方法の実行が簡単化される。酢酸ジルコニウムは好ましくはスリップに添加される。有利には、上記方法の実行がそれによって促進される。酢酸ジルコニウム前駆体、例えば炭酸ジルコニウムおよび/または酢酸、が単独でまたは酢酸ジルコニウムと一緒に添加され得、それらの量は、酢酸ジルコニウムの所望の量が得られるように調整される。酢酸ジルコニウム前駆体が使用されるとき、スリップは好ましくは加熱され、好ましくは約80℃の温度に1時間加熱され、pHが2.8〜3の値に調整される。
【0070】
好ましくは、スリップ中の酢酸ジルコニウムの量が、下記のように測定される、スリップの液体相1リットルにつき、14g超、16g超、20g超、50g超、および170g未満、150g未満、140g未満、130g未満、100g未満の、酢酸ジルコニウムによって与えられるジルコニウムの濃度に相当する。これは、1.5%超かつ40%未満の、焼結された生成物中のジルコニアの質量をもたらす。上記生成物中に均一に分布されたこのジルコニアは、結晶成長活性剤として酢酸ジルコニウムを使用した本発明に従う方法の使用の特徴(signature)を構成し得る。
【0071】
好ましくは、スリップ中の酢酸ジルコニウムの量が、下記のように測定される、20g/リットル未満の、酢酸ジルコニウムによって与えられるジルコニウムの濃度に相当し、pHが4より大きい。
【0072】
1実施態様では、結晶成長活性剤がタンパク質でない。有利には、上記方法の実行がそれによって容易にされる。
【0073】
スリップは好ましくは、少なくとも1のバインダーを含み、それは好ましくは一時的である。好ましくは、バインダー含量が、セラミック粒子の粉末の量に基づいて0.5質量%〜5質量%である。有利には、焼結前の機械的強度がそれによって改善される。焼結された生成物の製造のために慣用的に使用される一時的なバインダー、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)またはセルロース、が使用され得る。
【0074】
スリップはまた、均一な懸濁物の製造を容易にする分散剤を含み得る。好ましくは、分散剤の含量が、セラミック粒子の粉末の量に基づいて、0.1質量%〜10質量%である。スリップを鋳造することにより焼結された生成物を製造するために慣用的に使用される分散剤、例えばポリメタクリル酸アンモニウム、例えばVanderbilt社製のDarvan C、が使用され得る。
【0075】
スリップはまた、消泡剤を含み得る。好ましくは、消泡剤の含量が、セラミック粒子の粉末の量に基づいて0.1質量%〜10質量%である。スリップを鋳造することにより焼結された生成物を製造するために慣用的に使用される消泡剤、例えばZschimmer-Schwarz社によって販売されるContraspum Conc.、が使用され得る。
【0076】
本発明者らはまた、スリップのpHが、凍結工程において形成される氷晶のモルホロジーを改変し得ることを見出した。特に、結晶成長活性剤が酢酸ジルコニウムであるとき、スリップのpHは2.75〜5、好ましくは3〜4.5、好ましくは3.5〜4.5、または3.9〜4.3でなければならない。酢酸ジルコニウムの添加は、スリップのpHをこれらの範囲内で安定化するのに十分であり得る。そうでない場合には、有機および/または無機の酸または塩基を添加することによりpHが調整され得る。
【0077】
pHを調整することはまた、有利に、セラミック粉末の粒子の凝集を解きそして分散させることを可能にする。このために、1以上の立体障害のおよび/または静電立体障害の分散剤がまたスリップに添加され得る。
【0078】
1実施態様では、セラミック粉末、水、任意的なバインダー、任意的な分散剤、任意的な消泡剤および結晶成長活性剤が合わせて、スリップの質量の80%超、90%超、95%超、99%超、または実質的に100%を占める。
【0079】
好ましくは、スリップの種々の構成成分が攪拌を伴って添加される。
【0080】
スリップの種々の構成成分の導入順序は好ましくは以下の通りである。
−結晶成長活性剤、特に酢酸ジルコニウム、が懸濁物中に入れられる、
−任意的なバインダーおよび/または分散剤が次いで、好ましくは水に溶解された後に、添加される、
−セラミック粉末が最後に添加される。
【0081】
スリップ中の酢酸ジルコニウムの量が、スリップの液体相1リットルにつき40g未満のジルコニウム濃度に相当するならば、セラミック粉末は、酢酸ジルコニウムおよび/または酢酸ジルコニウム前駆体を液体相に導入した後に導入されなければならない。
【0082】
スリップの種々の構成成分の混合は、当業者に公知の任意の方法に従って、例えばミキサー中で、ビーズ、好ましくは懸濁物中のセラミック粉末と同じ性質のビーズを伴うボールミル(jar mill)中で、行われ得る。
【0083】
ボールミルが使用されるならば、混合時間が好ましくは6時間超かつ20時間未満である。好ましくは、ボールミルが使用される。
【0084】
好ましくは、最後の構成成分の導入の30分〜1時間後にpHが測定され、必要ならば調整される。
【0085】
工程b)では、スリップが好ましくは、下記工程の配向された凍結のために適する型に注入される。
【0086】
好ましくは、本発明に従う方法がまた、好ましくはスリップを型に注入する前に、気泡を除去するための操作を含む。気泡の除去は好ましくは、減圧下での脱ガスによってまたは超音波処理によって行われる。
【0087】
工程c)では、スリップが、水を凍結しそして氷晶を形成するように冷却される。結晶成長活性剤の存在は、「成長方向」として知られる1以上の好ましい方向に沿って氷晶の成長を促進する。種々の結晶の成長の方向が実質的に平行であるべく、水が凍結される上流領域と水が液体である下流領域との間の急激な熱移動のゾーンをスリップ中に作り、次いで移動させることにより、スリップが漸次に凍結される。スリップ中のその通過が、水の固体化をもたらす。これが、慣用的に「固体化最前部」と言うことの理由である。
【0088】
スリップの配向された凍結のために必要である、固体化最前部を作りそして移動させることは、「氷晶テンプレーティング」の分野において一般に使用される技術である。この技術は、「凍結鋳造」の一般的方法の特定の態様である。好ましくは、固体化最前部を作るために、液体、特に液体窒素が使用される。
【0089】
好ましくは、固体化最前部の速度が、1μm/s超、好ましくは5μm/s超、好ましくは10μm/s超、および/または400μm/s未満、好ましくは300μm/s未満、好ましくは200μm/s未満、好ましくは100μm/s未満、または50μm/s未満、または30μm/s未満である。固体化最前部の通過中に新しい氷晶が配向されるようになり、ついで、熱勾配によって課せられた固体化の方向に実質的に成長する。
【0090】
氷晶のサイズは、固体化最前部の移動の速度およびこの固体化最前部と関連する熱勾配に主に依存する。固体化の速度が大きいほど、氷晶のサイズは小さい。
【0091】
氷晶のサイズはまた、スリップの組成によって、特にバインダーの任意的な存在および/またはセラミック粉末の粒子のサイズによって、変えられ得る。
【0092】
固体化最前部は、氷晶の横断面の漸次かつ限られた低下に導くために決定される。下記実施例は、そのような氷晶を得るために使用され得る値を示す。そこから、共押出によって形成される孔と違って、わずかに切頭円錐形の孔が得られる。
【0093】
本発明に従う生成物が、浸透物質で浸透されることが意図されるとき、管状孔の切頭円錐形状が浸透を改善する。
【0094】
「氷晶テンプレーティグ」によって製造された孔は、固体化最前部の速度が一定でないのでなければ、慣用的に切頭円錐形状である。固体化最前部の一定の速度を維持するための1つの方法が、「新規な加工経路として両面冷却を使用するセラミックの凍結鋳造中のラメラ空間の制御(Control of lamellae spacing during freeze casting of ceramics using double-side cooling as a novel processing route)」、Waschkiesら、J. Am. Ceram. Soc.,92[S1]S79-S84(2009)に記載されている。
【0095】
固体化最前部の形状は制限されない。特に、固体化最前部は、製造されたブロックの規模で平らであり得る。
【0096】
固体化最前部の移動の方向は好ましくはまっすぐであり、固体化の方向に実質的に直線的な結晶をもたらす。有利には、それがしたがって、互いに実質的に平行な長い氷晶を作ることを可能にする。水の凍結は、氷晶間の空間におけるセラミック粒子の集中をもたらす。
【0097】
同じまたは異なる熱勾配および/または形状を有するいくつかの固体化最前部は、同じまたは異なる方向に、同じまたは異なる速度で、逐次にまたは同時に作られそして移動され得る。特に、スリップが型に注入されているとき、いくつかの固体化最前部は、型の種々の面から、例えば型の面の各々から出発し得る。次いで、氷晶は、外側から、凍結されたスリップのブロックのコアの方に配向される。
【0098】
好ましくは、固体化最前部の移動の方向は、それが開始する表面に対して実質的に垂直である。
【0099】
孔の横断面の形状は、固体化最前部の速度に主に依存する。
【0100】
第二の主要な実施態様に従う生成物を製造するために、成長活性剤が酢酸ジルコニウムを含むまたは酢酸ジルコニウムによって形成されているとき、固体化最前部の速度が、40μm/s超、好ましくは50μm/s超、好ましくは60μm/s超、好ましくは80μm/s超、好ましくは90μm/s超でなければならない。
【0101】
好ましくは、スリップの全部が工程c)中に凍結される。
【0102】
工程d)では、凍結されたスリップのブロックが、型から除去される。好ましくは、温度条件が、氷晶の融解を回避するために適合される。
【0103】
工程e)では、凍結されたスリップのブロックが、氷晶の除去をもたらす圧力および温度条件下に置かれる。
【0104】
好ましくは、除去が氷晶の昇華によって生じる。そのとき、水が、固体状態から気体状態に直接変化する。有利には、氷晶の昇華が、これらの氷晶間に配置されたセラミック粒子を実質的に移動させることなく水の除去を可能にする。例えば、氷晶は、それを非常に低圧で、典型的には0.5ミリバールより下で加熱することにより昇華され得る。
【0105】
氷晶はまた、融解され得、得られた液体の水が追い出される。
【0106】
氷晶の消失は、主にセラミック粒子によって形成された壁によって境界を定められた孔を残す。この孔の形状は、実質的に、除去された氷晶の形状に相当する。すなわち、互いに実質的に平行である細長い氷晶の生成は、管状孔の生成をもたらし、上記孔も互いに平行である。
【0107】
こうして、多孔性プリフォームが得られる。
【0108】
バインダーの存在は、多孔性プリフォームの機械的強度の増加を可能にする。
【0109】
工程e)は、好ましくは、氷晶の全てが除去されるまで続く。
【0110】
工程f)では、多孔性プリフォームが、加熱され得るように配置される。任意的なバインダーが次いで除去される。バインダー除去処理の安定した段階の時間、温度および雰囲気は、使用されるバインダーの性質の関数として決定される。
【0111】
好ましくは、方法が、焼結の工程g)を含む。この工程は、機械的強度の増加をもたらす。そこから得られる多孔性の焼結された生成物は、バインダーの除去後ですら、有利に、良好な機械的強度を有する。焼結のための安定した段階の時間、温度および雰囲気は、製造されるべき生成物の性質および特徴の関数として決定される。これらのパラメータは、当業者に周知である。
【0112】
1の好ましい実施態様では、バインダーの除去および焼結が、同じ熱処理中に行われ、工程f)およびg)が一緒にされる。
【0113】
焼結はまた、例えば本発明に従う生成物が高温で作動する反応器において触媒担体として使用されるならば、多孔性プリフォームをその作業位置に置いた後に行われ得る。
【0114】
工程g)では、焼結が好ましくは、中性の(neutral)、還元性のまたは酸化性の雰囲気下で、1000℃より上、または1100℃より上、または1200℃より上、または1300℃より上、または1400℃より上で行われる。焼結は、空気中で行われ得る。
【0115】
工程h)では、多孔性生成物が、当業者に公知の任意の技術によって機械加工され得る。好ましくは、固体化最前部の開始および安定な固体化中の状態(solidification regime)の確立に相当する遷移ゾーンを除去するように多孔性生成物が機械加工される。上記固体化中の状態は、氷晶の成長の優先的な方向が、固体化最前部の移動の方向と実質的に同じであるときに「安定である」と言われる。
【0116】
含浸は、当業者に公知の任意の技術によって行われ得る。好ましくは、含浸が、液体媒体を使用する含浸である。
【0117】
本発明に従う方法は、セラミック物質で作られた多孔性生成物の製造を可能にし、それはしたがって特に、高温および熱衝撃に耐えることができる。
【0118】
孔は、好ましくは、両端が開いている。すなわち、孔を含浸物質で充填することがより容易である。しかし、孔は貫通していなくてもよい。
【0119】
孔が切頭円錐形の貫通孔であるとき(すなわち、孔の両端が開いているとき)、孔は各々、大きい開口および狭い開口を介して通じている。
【0120】
好ましくは、貫通孔の狭い開口の平均等価直径と大きい開口の平均等価直径との比が、好ましくは0.99未満、好ましくは0.95未満、または0.90未満、または0.85未満、または0.80未満、または0.75未満である。有利には、孔の大きい開口が全て、孔の同じ側にあり得、または実質的に同じ平面にあり得る。
【0121】
孔の横断面は、円形であってもなくてもよい。特に、多角形、特に凸六角形、であり得る。
【0122】
管状孔の特定の形状は、含浸物質、特に上記A群および/またはB群から選択される含浸物質で非常に効率的に浸透されて、特に複合物質を作ることを可能にする。この効力は、含浸物質の粒子(一般に懸濁物中)が、切頭円錐形の管状孔の大きい開口の平均等価直径の0.1倍未満であり、好ましくは上記孔の狭い開口の平均等価直径の0.1倍未満である中央サイズを有するときに顕著である。含浸物質の粒子の中央サイズは、典型的に0.01μm〜4μmである。
【0123】
好ましくは、本発明に従う生成物が含浸物質で含浸されるとき、含浸物質の浸透が、最大の孔を介して生じる。
【0124】
論文「ミクロ設計された多成分セラミックの構成(Fabrication of Microconfigured Multicomponent Ceramics)」、Crummら、J. Am. Ceram. Soc., 81[4], p1053-57(1998)、「共押出法によるマクロチャンネル化ヒドロキシアパタイトバイオセラミックの構成(Fabrication of macrochannelled hydroxyhapatite bioceramic by coextrusion process)」、Young-Hag Kohら、J. Am. Ceram. Soc.,Vol.85[10], p2578-2580(2002)、「共押出によるセラミックのミクロ構成(Microfabrication of ceramics by coextrusion)」、Van Hoyら、J. Am. Ceram. Soc., Vol.81[1], p152-158(1998)および「異方性TiO誘電性複合体の構成および特性(Fabrication and properties of an anisotropic TiO2 dielectric composite)」、Wingら、J.Am. Ceram. Soc., 89[9], p2812-2815(2006)は、共押出により製造された生成物を記載している。すなわち、これらの生成物の管状孔の形状は、本発明に従う生成物のものと異なる。
【0125】
さらに、上記論文「ミクロ設計された多成分セラミックの構成」に記載された生成物は金属を含み、それは、高温に耐えることを不可能にする。また、上記論文「共押出によるセラミックのミクロ構成」および「異方性TiO誘電性複合体の構成および特性」に記載された生成物は、凸の孔を有しない。
【0126】
論文「テンプレートとして氷棒ナノアレイを使用する、まっすぐなナノチャネルを有するシリカベースの多孔性モノリスの合成(Synthesis of silica-based porous monoliths with straight nanochannels using an ice-rod nanoarray as a template)」、Nishiharaら、J.Mater. Chem., 2008, 18, 3662-2670は、氷晶テンプレーティングによって得られた、アモルファスシリカで作られた多孔性生成物を記載している。
【0127】
本発明に従う生成物は、上述した用途において使用され得る。特に、空気処理プラントのための滴分離器または細流ブロックにおいて使用されて、この空気によって運ばれた水を分離することができ、したがって、レジオネラ症の危険を制限することができる。
【実施例】
【0128】
実施例の生成物が、上記工程a)〜f)を含む方法に従って製造された。
下記出発物質が使用された。
8モル%のYを含むジルコニア粉末(TOSOH社販売のTZ8Y)、
Krahn Chemie GmbH社販売のアルミナ粉末TM−DAR Taimicron、
Saint-Gobain社販売の炭化ケイ素粉末Hexoloy(商品名)SA「すぐプレスできる(ready to press)」(その脱凝集を容易にするために500℃で1時間焼成された)、
Saint-Gobain社販売の酢酸ジルコニウム、
Aldrich社販売の酢酸ジルコニウム、
Air Products & Chemicals, Inc.社販売のポリビニルアルコール(PVA)AIRVOL 205、
Wackker社販売のポリビニルアルコール(PVA)Polyviol(商品名)SolutionLL6036、
Merck社販売のポリエチレングリコールPEG6M、
Zschimmer & Schwarz社販売のバインダーOPTAPIX PAF35
【0129】
各実施例に関して、スリップがボールミル中で12時間混合された。
【0130】
各実施例に関して、スリップが型に注入された。上記型の底部は、液体窒素で冷却された銅のシリンダーと接触しており、他の壁は環境媒体と接触している。銅シリンダーの冷却速度は、スリップ内での固体化最前部の移動速度(v)を調整することを可能にする。
【0131】
各実施例に関して、型からスリップの凍結されたブロックを取り出し、次いでそれを凍結乾燥器に0.42ミリバールの圧力で48時間置くことにより昇華が行われた。
【0132】
実施例1の生成物は、600℃/hの速度で500℃までの温度上昇、500℃で1時間の安定な段階、室温への温度低下のサイクルで行われたバインダー除去工程f)を受けた。
【0133】
実施例2、4、6および7の生成物は、180℃/hの速度で500℃までの温度上昇、500℃で1時間の安定な段階、室温への温度低下のサイクルで行われたバインダー除去工程f)を受けた。
【0134】
実施例3および5の生成物はバインダー除去を受けなかった。
【0135】
実施例1の生成物は、600℃/hの速度で1350℃までの温度上昇、1350℃で3時間の安定な段階、600℃/hの速度で室温への温度低下のサイクルで行われた焼結工程g)を受けた。
【0136】
実施例2、4、6および7の生成物は、300℃/hの速度で1350℃までの温度上昇、1350℃で3時間の安定な段階、300℃/hの速度で室温への温度低下のサイクルで行われた焼結工程g)を受けた。
【0137】
実施例3の生成物は焼結を受けなかった。
【0138】
実施例5の生成物は、600℃/hの速度で1400℃への温度上昇、1400℃で3時間の安定な段階、600℃/hの速度で室温への温度低下のサイクルで行われた焼結工程g)を受けた。
【0139】
実施例8、9および10の生成物は、300℃/hの速度で1350℃への温度上昇、1350℃で3時間の安定な段階、300℃/hの速度で室温への温度低下のサイクルで行われた焼結工程g)を受けた。
【0140】
下記の解析方法が使用された。
「酢酸ジルコニウムによって与えられるジルコニウムの濃度」は、酢酸ジルコニウムを導入する化合物を110℃で16時間の加熱および次いで1000℃で2時間の空気中での焼成(強熱減量)に付した後に得られたジルコニアの質量を測定することにより評価される。ジルコニウムの質量は、ジルコニアの秤量された質量にそれらのモル質量の比、すなわち約91/123、を乗じることにより得られる。酢酸ジルコニウムによって与えられるジルコニウムの濃度は、このジルコニウムの質量(グラム)をスリップの液体相の体積(リットル)で割ることにより得られる。
【0141】
添加物が成長活性剤であるかどうかを決定するために、凍結されたスリップのサンプルが、工程a)〜d)に従って製造される。凍結は、指向性のやり方(directional manner)で行われる。サンプルの表面が凍結されると、温度が一定に保たれ、X線回折による分析が行われる。X線回折パターンは、X線と氷晶とのおよびセラミック粒子の粉末との相互作用により生じた回折ピークを示す。特に氷に関して、上記パターンは、図17および18に示されるように、面(002)および面(100)によって生じたピークを示す。
【0142】
面(002)が主として目立つようになり、他の面が非常に減少する、または消失すらするような氷晶の配向は、添加物が成長活性剤であることを示す。特に、軸cが凍結方向と実質的に垂直であるような氷晶の優先的配向は、比U(=(002)以外の最も強い強度のピークの強度/ピーク(002)の強度)の低下をもたらす。
【0143】
例えば、図17は、酢酸ジルコニウムを含まないジルコニア粉末の懸濁物を凍結することにより得られたX線回折パターンを示す。三角を付けたピークが氷晶に相当する。x軸は2θの角度であり、y軸は、カウント数としての強度である。比Uは実質的に32%に等しい。
【0144】
図18は、酢酸ジルコニウムを含むジルコニア粉末の同じ懸濁物を同様に凍結することにより得られたX線回折パターンを示す。三角を付けたピークが氷晶に相当する。x軸は2θの角度であり、y軸は、カウント数としての強度である。ここでの比Uは実質的に0%に等しい。
【0145】
すなわち、本発明に従う成長活性剤は、低い比Uを誘発する。好ましくは、本発明に従う成長活性剤が、10未満の比U、好ましくは5未満、好ましくは2未満、好ましくは1未満、好ましくは0.5未満、好ましくは実質的に0に等しい比Uを誘発する。
【0146】
孔の平均サイズの大きさは、下記方法によって決定される。
分析すべきサンプルが樹脂、例えばエポキシ樹脂で浸透される。分析すべきスライスが、固体化の方向と垂直にカットされ、良好な表面状態が得られるように磨かれる。上記磨きは、少なくとも1200粒度の紙で、好ましくはダイアモンドペーストで行われる。画像は走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られ、好ましくは、セラミック相と樹脂との間に非常に良好なコントラストが得られるように、反射電子を使用するやり方(BSEモード)で得られる。各画像は、スケールバーなしで最小1280x960ピクセルを有する。使用される倍率は、画像の幅が平均孔サイズの50倍〜100倍であるようなものである。最初の画像は、平均孔サイズの視覚的判断によって作られ得る。
【0147】
平均孔サイズは、「断層X線写真法の3D画像処理による多孔性セラミックのモルホロジーの解析(Characterization of the morphology of cellular ceramics by 3D image processing of X-ray tomography)」、Maireら、J. Eur. Ceram. Soc., 27[4] 1973-1981(2007)に記載された腐食/膨張法に従ってこれらの画像を分析することにより決定される。
【0148】
孔の横断面の凸指数Icは、比Sp/Scである。ここで、Spは孔の周囲によって境界を定められた孔の横断面の面積を示し、Scはこの横断面の凸状表面、すなわちこの横断面の凸状エンベロープの表面を示す。
【0149】
慣用的に、用語「凸状エンベロープ」は、最小の長さで上記孔の周囲を含む、外面的に凸状に閉じた形状の線を意味し、上記周囲は慣用的に、上記孔の横断面を閉じる輪郭線を意味する。すなわち、凸状エンベロープは、上記周囲の凸状または直線の部分上で重なり、そして各場合において(外側から見て)凹状の部分によって分離された2つの凸状または直線の部分をつなぐ弦に従う。凸状エンベロープは、上記周囲に排他的にぴんと張ったゴムをあてることにより境界を定められる領域にたとえられ得る。
【0150】
例えば、図9に、孔の横断面の周囲10が示され、この孔の凸状エンベロープ12が示される。周囲10によって境界を定められる孔の表面をSpとし、凸状エンベロープ12によって境界を定められる表面に相当する上記孔の凸状表面をScとするならば、凸指数IcはSp/Scに等しい。すなわち、凸指数Icは円、楕円または長円の場合に100%に等しいが、三角形、平行四辺形、六角形または五角形の場合にもそうである。その周囲が、外側から見て1以上のくぼみを有するところの孔の場合には100%未満である。
【0151】
図10は、その周囲が凹状部分161−4および凸状部分141−4を有する孔を示す。この図では、凸状エンベロープ12が、2つの凸状部分14をおよび14を連結する。凸状部分(141−2)は無視される。
【0152】
凸指数Icは、下記の非制限的方法によって評価され得る。
【0153】
分析すべきサンプルが、樹脂、例えばエポキシ樹脂で浸透される。分析すべきスライスが、固体化の方向に垂直に切断され、次いで、良好な表面状態が得られるように磨かれる。上記磨きは、少なくとも1200粒度の紙で、好ましくはダイアモンドペーストで行われる。画像は走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得られ、好ましくは、セラミック相と樹脂との間に非常に良好なコントラストが得られるように、反射電子を使用するやり方(BSEモード)で得られる。各画像は、スケールバーなしで最小1280x960ピクセルを有する。使用される倍率は、画像の幅が平均孔サイズの50倍〜100倍であるようなものである。最初の画像は、平均孔サイズの視覚的判断によって作られ得る。
【0154】
画像は次いで、ウェブサイトhttp://rsbweb.nih.gov/ij/から入手できるimageJソフトウェアを使用して下記方法に従って分析される。
画像をimageJで開く、
画像をクロップして(「クロップ(Crop)」機能)、スケールバーまたは画像上の任意の他の追加情報を除去する、
明るさを「Image>Adjust>Brightness/contrast」機能によって調整し、次いで「Auto」をクリックする、
マルチ閾値化(Multithresholder)機能(「Plugin/Filter/Multithresholder」)により画像を2値化し、次いで「Isodata」モードを選択して、分析すべき物質を浸透された樹脂と区別するための閾値を設定する、
分析すべき孔が画像上に黒色で現れるのを確実にし(白については値255、黒については0)、そうでない場合には、「Edit/Invert」機能を使用して画像を逆にする、
「Analyse/Analyse particles」機能を使用して孔を分析する、ここで、孔分析のためのパラメータは以下であり得る:「サイズ最小」が0.2x(先に測定された平均孔サイズ)であり、「サイズ最大」がなしであり、画像のへりによって途中で切られた孔を分析しないように「exclude on edges」とし、選択肢「include holes」にチェックをしない、
少なくとも50の孔が分析されていることを確かめ、そうでない場合には、分析された孔の合計数が50以上であるように他の画像を分析する、
結果の表において、各孔について固体性指数(「solidity」)を記録する、
増加する固体性指数の順に孔を分類する、
数累積画分を固体性指数Isの関数としてプロットする。
【0155】
累積曲線は、規準(d)が満たされているかどうかを確認することを可能にする。
【0156】
このようにして測定された固体性指数は、凸指数Icの非常に良好な近似値を与え、したがって、規準(c)が満たされているかどうかを見積もるためにも使用され得る。
【0157】
孔の「管状」性は、孔の写真、特に透視図(図11参照)または縦断面、の観察によって決定される。開いた多孔性は、基準ISO15901−1にしたがって測定される。pHは、スリップを30分から1時間放置した後に測定される。
【0158】
多孔性物質の機械的圧縮強度は、基準EN1094−5に従って測定される。丸み指数は、凸指数を測定するために使用されるのと同じ方法の、少なくとも50の孔が分析されていることを確かめ、そうでない場合には、分析された孔の合計数が50以上であるように他の画像を分析する工程までにしたがって決定される。使用される倍率は、画像の幅が平均孔サイズの10〜20倍であるようなものであり、次いで、
少なくとも100の孔が分析されていることを確認し、必要ならば、分析された孔の合計数が100以上であるように、いくつかの異なる画像について分析を行い、
結果の表において、各孔について、丸み指数(「丸み」)を記録し、
増加する丸み指数の順に孔を分類し、
数累積画分を丸み指数の関数としてプロットする。
【0159】
累積曲線は、規準(b’)が満たされているかどうかを確認することを可能にする。
【0160】
孔の横断面を考慮して、比Rは、上記横断面の外側で最小面積の凸六角形HGの最も長い辺の長さCgdと最も短い辺の長さCptとの比である。この比は、凸指数を測定するために使用されたものと同じ方法の、少なくとも50の孔が分析されていることを確かめ、そうでない場合には、分析された孔の合計数が50以上であるように他の画像を分析する工程までにしたがって決定される。次いで、凸六角形断面の各孔について、最も小さい六角形エンベロープ(凸六角形HG)がプロットされ、最も長い辺Cgdおよび最も短い辺Cptが測定され、R=Cgd/Cptが計算される。
【0161】
比R’は、貫通孔の狭い開口の平均等価直径と大きい開口の平均等価直径との比である。
【0162】
得られた結果を下記表1にまとめる。
【0163】
【表1】
【0164】
他の測定値は、下記特徴を決定することを可能にする。
実施例5に従う生成物において、孔の39%未満が凸指数Ic>88%を有し、孔の32%未満が凸指数Ic>90%を有し、孔の24%未満が凸指数Ic>91%を有し、孔の16%未満が凸指数Ic>92%を有し、孔の10%未満が凸指数Ic>93%を有する。
実施例6に従う生成物において、孔の8%未満が凸指数Ic>88%を有し、孔の5%未満が凸指数Ic>89%を有し、孔の2%未満が凸指数Ic>92%を有する。
実施例7に従う生成物において、孔の36%未満が凸指数Ic>89%を有し、孔の30%未満が凸指数Ic>90%を有し、孔の23%未満が凸指数Ic>92%を有する。
【0165】
実施例1〜4は、本発明に従う方法によって本発明に従う多孔性生成物を得ることが可能であることを示す。
【0166】
実施例2、6および7の比較は、5g/リットル未満(実施例6)またはゼロ(実施例7)の、酢酸ジルコニウムによって与えられるジルコニウムの濃度は、酢酸ジルコニウムによって、本発明に従う多孔生成物を製造することを可能にしないことを示す。
【0167】
図12aおよび12bは、実施例2に従う生成物の、10mmだけ離れた2つの向かい合う面の、走査電子顕微鏡によって得られた同じスケールでの画像である。図12aに示される面は、孔の大きい開口を示し、図12bに示される面は、これらの孔の狭い開口を示す。
【0168】
下記実施例8〜10は、本発明の第二の主要な実施態様をより具体的に例示するために与えられる。上記実施例3も、第二の主要な実施態様に従う。
【0169】
【表2】
【0170】
実施例8および9の比較は、孔が凸六角形状である実施例9の生成物が、孔が任意の形状である実施例8の生成物よりもはるかに良好な機械的強度を有することを示す。
【0171】
言うまでもなく、本発明は、実施例として示した実施態様に限定されない。特に、幾つかの異なるセラミック粉末が工程a)におけるスリップ中に混合され得る。
図1
図2
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図9
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図12a
図12b
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