【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
単一の軸に沿った加速度を測定するための単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造であって、該単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造は、
該単一の軸に実質的に垂直な平面を規定している上面を有する基板であって、該基板は、第1の端と第2の端とを有する、基板と、
該基板の上方に懸架された第1の非対称形状マスであって、該第1の非対称形状マスは、該第1の端と該第2の端との間に位置する第1の旋回軸まわりに旋回可能である、第1の非対称形状マスと、
該基板の上方に懸架された第2の非対称形状マスであって、該第2の非対称形状マスは、該第1の端と該第2の端との間に位置する第2の旋回軸まわりに旋回可能である、第2の非対称形状マスと、
該基板上および該第1の非対称形状マスの下方に配置された電極の第1の組と、
該基板上および該第2の非対称形状マスの下方に配置された電極の第2の組と
を含む、単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目2)
前記第1の非対称形状マスのための前記第1の旋回軸は、前記基板の前記第1の端と前記第2の端との間の中心に置かれ、該基板の前記平面に実質的に平行である、上記項目に記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目3)
前記第2の非対称形状マスのための前記第2の旋回軸は、前記基板の前記第1の端と前記第2の端との間の中心に置かれ、該基板の前記平面に実質的に平行である、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目4)
前記第1の非対称形状マスおよび前記基板に機械的に結合された第1のねじりばねをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目5)
前記第2の非対称形状マスおよび前記基板に機械的に結合された第2のねじりばねをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目6)
前記基板の前記第1の端および前記第2の端に対して中心に配置された第1のアンカーであって、該第1のアンカーは、前記第1の非対称形状マスに機械的に結合されている、第1のアンカーと、
該基板の該第1の端および該第2の端に対して中心に配置された第2のアンカーであって、該第2のアンカーは、前記第2の非対称形状マスに機械的に結合されている、第2のアンカーと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目7)
前記第1のマスは、1つのアンカーを使用して前記基板の上方に懸架されている、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目8)
前記第2のマスは、1つのアンカーを使用して前記基板の上方に懸架されている、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目9)
前記第1のマスおよび前記第2のマスは、各々、別個の傾斜モード加速度計を規定している、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目10)
前記電極の第1の組は、前記基板において前記第1の旋回軸から等しく配置された複数の電極を含む、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目11)
前記電極の第2の組は、前記基板において前記第2の旋回軸から等しく配置された複数の電極を含む、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目12)
前記第1の旋回軸および前記第2の旋回軸は、同等である、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目13)
前記電極の第1の組は、少なくとも2つの電極を含み、該少なくとも2つの電極は、各々、前記旋回軸に関して対向する側に等しく配置され、前記電極の第2の組は、少なくとも2つの電極を含み、該少なくとも2つの電極は、各々、該旋回軸に関して対向する側に等しく配置され、該電極の第1の組のうちの1つの電極は、該旋回軸に関して反対側における、該電極の第2の組のうちの1つの電極と交差結合されている、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目14)
前記電極の第1の組および前記電極の第2の組は、差動モードで電気的に結合されている、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目15)
第1の軸および第2の横軸を規定している上面を有する基板であって、該上面は、該第1の軸の方向に規定された長さと、該第2の軸の方向に規定された幅とを有する、基板と、
アンカーによって該基板に結合された非対称形状マスを有する第1の傾斜モードセンサーであって、該アンカーは、該基板の該長さの実質的に中心に置かれている、第1の傾斜モードセンサーと、
アンカーによって該基板に結合された非対称形状マスを有する第2の傾斜モードセンサーであって、該アンカーは、該基板の該長さの中心に置かれている、第2の傾斜モードセンサーと
を含む、単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目16)
前記第1の傾斜モードセンサーのプルーフマスは、前記第2の軸に沿った前記アンカーまわりに回転し、該プルーフマスは、該第2の軸について非対称である、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目17)
前記第1の傾斜モードセンサーの前記アンカーは、外部刺激に応答した前記第1の軸まわりの回転を低減するように配置されている、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目18)
電極の第1の組と、電極の第2の組と、前記第1のマスと、前記第2のマスとに電気的に結合された回路をさらに含み、
該回路は、該第1のマスと対応する前記電極の第1の組との間の静電容量の変化によって、Z軸加速度によってもたらされた該第1のマスの回転運動を感知することと、該第2のマスと対応する前記電極の第2の組との間の静電容量の変化によって、Z軸加速度によってもたらされた該第2のマスの回転運動を感知することとを行うように構成されている、上記項目のいずれかに記載の単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。
(項目19)
単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造を使用する方法であって、該方法は、
該微小電気機械加速度計構造を外部刺激にさらすことと、
該外部刺激が、該微小電気機械加速度計構造の基板に結合された、非対称形状マスを有する第1の傾斜モードセンサーを、中心に位置するアンカー点まわりに回転させることと、
電極において、該第1の傾斜モードセンサーの該非対称形状マスと該電極との間の静電容量の変化を表す第1の電気信号を受信することと、
該外部刺激が、該微小電気機械加速度計構造の該基板に結合された、非対称形状マスを有する第2の傾斜モードセンサーを、中心に位置するアンカー点まわりに回転させることと、
第2の電極において、該第2の傾斜モードセンサーの該非対称形状マスと該第2の電極との間の静電容量の変化を表す第2の電気信号を受信することと、
該第1の電気信号と第2の電気信号とを組み合わせることにより、加速度信号を生成することと
を含む、方法。
(項目20)
前記加速度信号は、差動信号である、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0007】
(摘要)
単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造。その構造は、第1の端と第2の端とによって規定された上面を有する基板を含む。基板の上方に懸架された第1の非対称形状マスが基板に結合され、その第1の非対称形状マスは、第1の端と第2の端との間の基板に対する第1の旋回点まわりに旋回可能であり、基板の上方に懸架された第2の非対称形状マスが基板に結合され、その第2の非対称形状マスは、第1の端と第2の端との間の基板に対する第2の旋回点まわりに旋回可能である。その構造はまた、基板上および第1の非対称形状マスの下方に配置された電極の第1の組と、基板上および第2の非対称形状マスの下方に配置された電極の第2の組とを含む。
【0008】
(本発明の種々の実施形態の概要)
単一の軸についての加速度を測定するための単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造および使用方法が開示される。一実施形態において、加速度計構造は、その単一の軸に実質的に垂直な平面を規定する上面を有する基板を含み、基板は、第1の端と第2の端とを有する。加速度計構造は、基板の上方に懸架された複数の非対称形状マスを含む。第1の非対称形状マスは、第1の端と第2の端との間に位置する第1の旋回軸まわりに旋回可能であり、第2の非対称形状マスは、第1の端と第2の端との間に位置する第2の旋回軸まわりに旋回可能である。各非対称形状マスは、電極の組を含む。電極の第1の組は、基板上および第1の非対称形状マスの下方に配置される。電極の第2の組は、基板上および第2の非対称形状マスの下方に配置される。
【0009】
本発明の特定の実施形態において、第1の非対称形状マスのための第1の旋回軸は、基板の第1の端と第2の端との間の中心に置かれ、基板の平面に実質的に平行である。第2の非対称形状マスのための第2の旋回軸は、基板の第1の端と第2の端との間の中心に置かれ、基板の平面に実質的に平行であり得る。
【0010】
加速度計構造は、第1の非対称形状マスおよび基板に機械的に結合された第1のねじりばねを含み得、加速度構造はまた、第2の非対称形状マスおよび基板に機械的に結合された第2のねじりばねを含み得る。加速度計構造はまた、1つまたは複数のアンカーを有し得る。例えば、第1のアンカーは、基板の第1の端および第2の端に対して中心に配置され、第1の非対称形状マスに機械的に結合され得る。同様に、第2のアンカーは、基板の第1の端および第2の端に対して中心に配置され、第2の非対称形状マスに機械的に結合され得る。
【0011】
加速度計構造の実施形態は、単一のアンカーによって懸架された各マスを有し得る。各マスが、自身のシーソー式加速度計を形成し得ること、および加速度計の各々が、独立して、または単一の加速度計として同時に動作し得ることが、認識されるはずである。
【0012】
特定の実施形態において、電極の第1の組は、基板において第1の旋回軸から等しく配置された複数の電極を含む。他の実施形態において、電極の第2の組は、基板において第2の旋回軸から等しく配置された複数の電極を含む。他の実施形態において、第1の旋回軸および第2の旋回軸は、同等である。
【0013】
加速度計構造の実施形態は、少なくとも2つの電極を有する電極の第1の組であって、少なくとも2つの電極は、各々、旋回軸に関して対向する側に等しく配置される、電極の第1の組と、少なくとも2つの電極を有する電極の第2の組であって、少なくとも2つの電極は、各々、旋回軸に関して対向する側に等しく配置される、電極の第2の組とを含み得、電極の第1の組からの1つの電極は、旋回軸に関して反対側における電極の第2の組からの1つの電極と交差結合される。電極の結合は、差動モードであり得る。
【0014】
別の実施形態において、単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造が開示される。加速度計構造は、第1の軸および第2の横軸を規定している上面を有する基板を含み、上面は、第1の軸の方向に規定された長さと、第2の軸の方向に規定された幅とを有する。そのうえ、加速度計構造は、アンカーによって基板に結合された非対称形状プルーフマスを有する第1の傾斜モードセンサーを含み、アンカーは、基板の長さの実質的に中心に置かれる。最後に、加速度計構造は、アンカーによって基板に結合された非対称形状プルーフマスを有する第2の傾斜モードセンサーを含み、アンカーは、基板の長さの中心に置かれる。
【0015】
第1の傾斜モード加速度計のプルーフマスは、第2の軸に沿ったアンカーまわりに回転し得、第1の傾斜モード加速度計のプルーフマスは、第2の軸について非対称である。第1の傾斜モードセンサーのアンカーは、外部刺激に応答した第1の軸まわりの回転を低減するように配置され得る。加速度計構造は、電極の第1の組と、電極の第2の組と、第1のマスと、第2のマスとに電気的に結合された回路をさらに含み得、回路は、第1のマスと対応する電極の第1の組との間の静電容量の変化によって、Z軸加速度によってもたらされた第1のマスの回転運動を感知することと、第2のマスと対応する電極の第2の組との間の静電容量の変化によって、Z軸加速度によってもたらされた第2のマスの回転運動を感知することとを行うように構成される。
【0016】
本開示は、単軸傾斜モード微小電気機械加速度計構造を使用する方法も開示する。微小電気機械加速度計構造は外部刺激にさらされる。外部刺激は、微小電気機械加速度計構造の基板に結合された、非対称マスを有する第1の傾斜モードセンサーを、中心に位置するアンカー点まわりに回転させる。第1の傾斜モードセンサーのプルーフマスと電極との間の静電容量の変化を表す第1の電気信号が、電極において受信される。外部刺激は、微小電気機械加速度計構造の基板に結合された、非対称マスを有する第2の傾斜モードセンサーを、中心に位置するアンカー点まわりに回転させる。第2の電極において、第2の傾斜モードセンサーのマスと第2の電極との間の静電容量の変化を表す第2の電気信号が、受信される。第1の電気信号および第2の電気信号は、組み合わせられることにより、加速度信号を生成する。生成される加速度信号は、差動信号であり得る。
【0017】
本発明の上述の特徴は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解される。