【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は、重鎖可変領域を有する重鎖および軽鎖可変領域を有する軽鎖を含み、該重鎖可変領域は配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む、単離されたヒト抗体。
(項目2)
前記軽鎖可変領域が、配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む、項目1に記載の抗体。
(項目3)
前記軽鎖が、配列番号24に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有するヒト軽鎖CDR1を含む、項目1に記載の抗体。
(項目4)
前記軽鎖が、配列番号16に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有するヒト軽鎖CDR3を含む、項目1に記載の抗体。
(項目5)
前記重鎖が、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む、項目1に記載の抗体。
(項目6)
前記重鎖が、配列番号18に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有するヒト重鎖CDR2を含む、項目1に記載の抗体。
(項目7)
項目1に記載の抗体であって、
a.配列番号10に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
b.配列番号14に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
c.配列番号18に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;または
d.配列番号22に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
を含む抗体。
(項目8)
前記重鎖が、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有する重鎖可変領域を含み、そして前記軽鎖が、配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを有する軽鎖可変領域を含む、項目1に記載の抗体。
(項目9)
前記重鎖が可変領域および定常領域を含み、該可変領域が配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫原性フラグメントを含む、項目1に記載の抗体。
(項目10)
前記重鎖が、配列番号14、配列番号18、配列番号22のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫原性フラグメントを含む、項目9に記載の抗体。
(項目11)
前記軽鎖が可変領域および定常領域を含み、該可変領域が配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫原性フラグメントを含む、項目1に記載の抗体。
(項目12)
前記軽鎖が配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫原性フラグメントを含む、項目11に記載の抗体。
(項目13)
項目1に記載の抗体であって、該抗体は、
a.ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域、およびヒト重鎖CDR3領域;
b.ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域およびヒト軽鎖CDR3領域;
を含み、該ヒト重鎖CDR3領域は、配列番号14に示される重鎖CDR3領域であり、該ヒト軽鎖CDR3領域は、配列番号16に示される軽鎖CDR3領域である、抗体。
(項目14)
前記ヒト重鎖CDR2領域が配列番号18に示される重鎖CDR2領域であり、かつ前記ヒト軽鎖CDR2領域が配列番号20に示される軽鎖CDR2領域である、項目13に記載の単離されたヒト抗体。
(項目15)
前記ヒト重鎖CDR1領域が配列番号22に示されるNGFの重鎖CDR1領域であり、かつ前記ヒト軽鎖CDR1領域が配列番号24に示される軽鎖CDR1領域である、項目13に記載の単離されたヒト抗体。
(項目16)
前記抗体が約1×10
−9以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−8M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目13に記載の抗体。
(項目17)
前記抗体が約1×10
−10以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−9M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目16に記載の抗体。
(項目18)
前記抗体が約1×10
−11以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約0.2×10
−9M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目17に記載の抗体。
(項目19)
前記重鎖および軽鎖がフレキシブルなリンカーによって接続されて単鎖抗体を形成する、項目1に記載の抗体。
(項目20)
単鎖Fv抗体である、項目19に記載の抗体。
(項目21)
Fab抗体である、項目1に記載の抗体。
(項目22)
Fab’抗体である、項目1に記載の抗体。
(項目23)
(Fab’)
2抗体である、項目1に記載の抗体。
(項目24)
前記抗体が完全ヒト抗体である、項目1に記載の抗体。
(項目25)
前記抗体がNGFシグナル伝達を阻害する、項目1に記載の抗体。
(項目26)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目25に記載の抗体の薬学的に有効な量を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目27)
前記状態が、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、カウザルギー、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、項目26に記載の方法。
(項目28)
薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の項目25に記載の抗体を含む、薬学的組成物。
(項目29)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目28に記載の薬学的組成物を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目30)
生物学的サンプル中のNGFを検出するための方法であって、
a.該サンプルと項目1に記載の抗体とを、NGFへの該抗体の結合を可能にする条件下で接触させる工程と;
b.該サンプル中の結合した抗体のレベルを測定する工程と;
を包含する、方法。
(項目31)
神経成長因子に特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が配列番号10、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85もしくは配列番号87に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む、抗体。
(項目32)
前記重鎖が、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87もしくは配列番号79のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む、項目31に記載の抗体。
(項目33)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖が、配列番号12、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91もしくは配列番号131に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む、抗体。
(項目34)
前記軽鎖が、配列番号12、配列番号80、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号82、配列番号84、配列番号86もしくは配列番号131のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む、項目33に記載の単離された抗体。
(項目35)
項目33に記載の抗体であって、前記軽鎖が軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域が:
a.配列番号80に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも89%もしくは94%同一であるか;
b.配列番号88に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも91%もしくは94%同一であるか;
c.配列番号89に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%もしくは87%同一であるか;
d.配列番号90に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも87%、91%もしくは94%同一であるか;
e.配列番号91に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%、94%、96%もしくは99%同一であるか;
f.配列番号82に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも91%、95%、もしくは96%同一であるか;
g.配列番号84に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%、94%、95%、98%もしくは99%同一であるか;
h.配列番号86に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%、94%、95%、98%もしくは99%同一であるか;または
i.配列番号131に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも86%、89%、91%、もしくは96%同一である;
アミノ酸配列を含む、抗体。
(項目36)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が、配列番号14、配列番号18、配列番号22、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号116、配列番号117もしくは配列番号118に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む、抗体。
(項目37)
項目36に記載の単離されたヒト抗体であって、前記重鎖が、ヒト重鎖CDR2を含み、該重鎖CDR2が、配列番号99、配列番号106、配列番号117、配列番号111に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列である、抗体。
(項目38)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖が、配列番号16、配列番号20、配列番号24、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号113、配列番号114、配列番号115、もしくは配列番号119〜134のいずれか、に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む、抗体。
(項目39)
項目38に記載の単離されたヒト抗体であって、該抗体はヒト軽鎖CDR1を含み、該CDR1が、配列番号101、配列番号95、配列番号119、配列番号122、配列番号125、配列番号107、配列番号113に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列である、抗体。
(項目40)
項目38に記載の単離されたヒト抗体であって、該抗体はヒト軽鎖CDR3を含み、該CDR3が、配列番号103、配列番号97、配列番号121、配列番号127、配列番号130、配列番号109、配列番号115、配列番号134に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントに対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列である、抗体。
(項目41)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、CDR3を含む重鎖または重鎖のフラグメントを含み、該CDR3が、配列番号14、配列番号16、配列番号94、配列番号97、配列番号100、配列番号103、配列番号106、配列番号109、配列番号112、配列番号115、配列番号118、配列番号121、配列番号124、配列番号127、配列番号130、配列番号134からなる配列の群から選択されるアミノ酸配列、およびその改変体を含み、該改変体が、1つ以下のアミノ酸置換、挿入または欠失を含む、抗体。
(項目42)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20および配列番号22からなる配列の群から選択される配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、ならびにその改変体を含み、該改変体は、1つ以下のアミノ酸置換、挿入または欠失を含む、抗体。
(項目43)
項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体であって、前記重鎖および軽鎖がフレキシブルなリンカーによって接続されて単鎖抗体を形成する、抗体。
(項目44)
単鎖Fv抗体である、項目43に記載の抗体。
(項目45)
Fab抗体である、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目46)
Fab’抗体である、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目47)
(Fab’)
2抗体である、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目48)
前記抗体が完全ヒト抗体である、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目49)
前記抗体が、NGFシグナル伝達を阻害する、項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体。
(項目50)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目49に記載の抗体の薬学的に有効な量を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目51)
前記状態が急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、灼熱痛、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、項目50に記載の方法。
(項目52)
薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の項目49に記載の抗体を含む、薬学的組成物。
(項目53)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目52に記載の薬学的組成物を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目54)
生物学的サンプル中のNGFを検出するための方法であって、該方法は、
a.該サンプルと項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体とを、NGFへの該抗体の結合を可能にする条件下で接触させる工程と;
b.該サンプル中の結合した抗体のレベルを測定する工程と;
を包含する、方法。
(項目55)
項目31、33、36、38、41または42に記載の抗体をコードする、核酸分子。
(項目56)
項目55に記載の核酸を含む、宿主細胞。
(項目57)
項目31、33、36、38、41または42のいずれかに記載の抗体を産生する、単離された細胞株。
(項目58)
配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号79〜130のいずれか、から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含むNGF特異的結合因子であって、該結合因子はNGFに結合し得る、NGF特異的結合因子。
(項目59)
薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の項目58に記載の結合因子を含む、薬学的組成物。
(項目60)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目58に記載の薬学的組成物を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目61)
タンパク質である、項目58に記載の結合因子。
(項目62)
項目61に記載の結合因子をコードする、核酸分子。
(項目63)
項目62に記載の核酸を含む、宿主細胞。
(項目64)
項目63の結合因子を産生する、単離された細胞株。
(項目65)
患者においてNGFの発現の増大またはNGFに対する感度の増大によって引き起こされる状態を処置する方法であって、項目58に記載の結合因子の薬学的に有効な量を患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目66)
前記状態が、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、灼熱痛、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、項目65に記載の方法。
(項目67)
生物学的サンプル中のNGFを検出するための方法であって、該方法は、
a.該サンプルと項目58に記載の結合因子とを、NGFへの該結合因子の結合を可能にする条件下で接触させる工程と;
b.該サンプル中の結合した抗体のレベルを測定する工程と;
を包含する、方法。
(項目68)
単離された核酸分子であって、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44のいずれか、または配列番号79〜134のいずれか、に示されるアミノ酸をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
(項目69)
NGFに特異的に結合する、単離されたヒト抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントであって、該抗体またはフラグメントは、重鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域は、
a.式:
a
1a
2a
3a
4a
5
のアミノ酸配列であって、
a
1が極性親水性アミノ酸残基であり;
a
2が芳香族アミノ酸残基であり;
a
3が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基であり;
a
4が中性の疎水性アミノ酸残基または脂肪族アミノ酸残基であり;そして
a
5が脂肪族アミノ酸残基または極性親水性アミノ酸残基である;
アミノ酸配列を含むCDR1領域と;
b.式:
b
1b
2b
3b
4b
5b
6b
7b
8b
9b
10b
11b
12b
13b
14b
15b
16b
17
のアミノ酸配列であって、
b
1が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、または芳香族アミノ酸残基であり;
b
2が脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
b
3が極性親水性アミノ酸残基、または芳香族アミノ酸残基であり;
b
4が極性親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基であり;
b
5−b
9が独立して極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;
b
10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;
b
11が芳香族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;
b
12が脂肪族の疎水性アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基であり;
b
13が脂肪族アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基、または極性の親水性のアミノ酸残基であり;
b
14およびb
16が独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;
b
15が脂肪族アミノ酸残基または芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;そして
b
17が脂肪族酸性のアミノ酸残基である
アミノ酸配列を含むCDR2領域と;
c.式:
c
1c
2c
3c
4c
5c
6c
7c
8c
9c
10c
11c
12c
13c
14c
15c
16c
17
のアミノ酸配列であって、
c
1が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;
c
2が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
3およびc
4が独立して、存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
c
5が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族アミノ酸残基であり;
c
6が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
c
7が極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
c
8が極性の親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基もしくは芳香族のアミノ酸残基であり;
c
9が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
11−c
13が独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
14が脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
15が極性の親水性アミノ酸残基もしくは中性の疎水性アミノ酸残基であり;
c
16が存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基であり;そして
c
17が芳香族の疎水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基である
アミノ酸配列を含むCDR3領域と;
を含み、該抗体またはフラグメントは、約1×10
−9以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−8M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、
抗体またはフラグメント。
(項目70)
項目69に記載の抗体またはフラグメントであって:
a
1が極性親水性アミノ酸残基であり;
a
2が芳香族疎水性アミノ酸残基であり;
a
3が脂肪族疎水性アミノ酸残基であり;
a
4が中性の疎水性アミノ酸残基であり;
a
5が極性親水性アミノ酸残基であり;
b
1が脂肪族または芳香族アミノ酸残基であり;
b
2がIleであり;
b
3が極性親水性アミノ酸残基であり;
b
4が極性親水性アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基であり;
b
5−b
9が独立して極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;
b
10が脂肪族のアミノ酸残基であり;
b
11がTyrであり;
b
12が脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
b
13が脂肪族アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基であり;
b
14およびb
16が独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;そして
b
15が脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
b
17が脂肪族酸性のアミノ酸残基であり;
c
1が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;
c
2が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
3およびc
4が独立して、存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
c
5が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基であり;
c
6が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
c
7が極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;
c
8が極性の親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基もしくは芳香族のアミノ酸残基であり;
c
9が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
11−c
13が独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
14が脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
15が極性の親水性アミノ酸残基もしくは中性の疎水性アミノ酸残基であり;
c
16が存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基であり;そして
c
17が芳香族の疎水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基である、
抗体またはフラグメント。
(項目71)
項目69に記載の抗体またはフラグメントであって:
a
1がSer、AspまたはThrであり;a
2がTyrであり;a
3がAla、Ser、TrpまたはGlyであり;a
4がMetまたはIleであり;a
5がHis、GlyまたはAsnであり;b
1がTyr,Gly、IleまたはAspであり;b
2がIleであり;b
3がSer、Thr、TyrまたはAsnであり;b
4がTrp、ArgまたはProであり;b
5がSer、AsnまたはGlyであり;b
6がSer、Arg、AspまたはGlyであり、b
7がSer、HisまたはGlyであり;b
8がSer、Ile、AspまたはThrであり;b
9がLeu、IleまたはThrであり;b
10がGly、LysまたはPheであり;b
11がTyrであり;b
12がAlaまたはSerであり;b
13がAsp、GlyまたはProであり;b
14がSerであり;b
15がValまたはPheであり;b
16がLysまたはGlnであり;b
17がGlyであり;c
1が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;c
2が存在しないか、またはTyrであり;c
3およびc
4が独立して、存在しないか、Tyr、Asn、ValまたはGluであり;c
5が存在しないか、Ser、GlyまたはTrpであり;c
6が存在しないかまたはSer、Gly、GluもしくはLeuであり;c
7がGly、ArgまたはAspであり;c
8がTrp、Pro、SerまたはThrであり;c
9がHis、GlyまたはTyrであり;c
10がVal、TyrまたはArgであり;c
11−c
13が独立して、Ser、Phe、Tyr、AspまたはAsnであり;c
14がPhe、ValまたはGlyであり;c
15がMetまたはAspであり;c
16が存在しないかAspまたはAsnであり;そしてc
17がTyrまたはValである、
抗体またはフラグメント。
(項目72)
項目69に記載の抗体またはフラグメントであって:
a
1がSerまたはAspであり;a
2がTyrであり;a
3がAlaまたはSerであり;a
4がMetまたはIleであり;a
5がHisまたはAsnであり;b
1がTyrまたはGlyであり;b
2がIleであり;b
3がSer、Thr、TyrまたはAsnであり;b
4がTrp、ArgまたはProであり;b
5がSerまたはAsnであり;b
6がSerまたはArgであり、b
7がHisまたはGlyであり;b
8がIleまたはThrであり;b
9がLeu、IleまたはThrであり;b
10がGlyまたはPheであり;b
11がTyrであり;b
12がAlaまたはSerであり;b
13がAspまたはGlyであり;b
14がSerであり;b
15がValまたはPheであり;b
16がLysまたはGlnであり;b
17がGlyであり;c
1が存在しないか、またはGlyであり;c
2が存在しないか、またはTyrであり;c
3およびc
4が独立して、存在しないか、Tyr、GlyまたはValであり;c
5が存在しないかまたはSerであり;c
6がSerまたはGlyであり;c
7がGlyまたはArgであり;c
8がTrpまたはProであり;c
9がHis、GlyまたはTyrであり;c
10がValまたはTyrであり;c
11−c
13が独立して、Ser、Tyr、PheまたはAspであり;c
14がPheまたはValであり;c
15がMetまたはAspであり;c
16が存在しないかまたはAspであり;そしてc
17がTyrまたはValである、
抗体またはフラグメント。
(項目73)
項目69に記載の抗体であって:
a)前記重鎖CDR1が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号14に示されるアミノ酸配列を有するか;
b)前記重鎖CDR1が配列番号92に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号93に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号94に示されるアミノ酸配列を有するか;
c)前記重鎖CDR1が配列番号98に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号99に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号100に示されるアミノ酸配列を有するか;
d)前記重鎖CDR1が配列番号104に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号105に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号106に示されるアミノ酸配列を有するか;
e)前記重鎖CDR1が配列番号110に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号111に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号112に示されるアミノ酸配列を有するか;または
f)前記重鎖CDR1が配列番号116に示されるアミノ酸配列を有し、前記重鎖CDR2が配列番号117に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記重鎖CDR3が配列番号118に示されるアミノ酸配列を有する、
抗体。
(項目74)
NGFに特異的に結合する、単離されたヒト抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントであって、該抗体またはフラグメントが軽鎖可変領域を含み、該軽鎖可変領域は、
a.式:
a
1a
2a
3a
4a
5a
6a
7a
8a
9a
10a
11a
12
のアミノ酸配列であって、
a
1が極性親水性アミノ酸残基であり;
a
2、a
11およびa
12が独立して脂肪族アミノ酸残基または疎水性アミノ酸残基であり;
a
3、a
5、a
7およびa
8が独立して脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;
a
4が極性の親水性アミノ酸残基であり;
a
6が脂肪族または疎水性のアミノ酸残基であり;
a
9が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基もしくは極性の親水性アミノ酸残基であり;そして
a
10が脂肪族アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基である;
アミノ酸配列を含むCDR1領域と;
b.式:
b
1b
2b
3b
4b
5b
6b
7
のアミノ酸配列であって、
b
1が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;
b
2が脂肪族アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;
b
3およびb
4が独立して極性親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;
b
5が極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;
b
6が極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;そして
b
7が極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR2領域と;
c.式:
c
1c
2c
3c
4c
5c
6c
7c
8c
9c
10c
11c
12c
13c
14c
15c
16c
17
のアミノ酸配列であって、
c
1およびc
2が独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;
c
3が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;
c
4、c
5およびc
6が独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性アミノ酸残基、もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;
c
7が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
c
8が極性の親水性アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;そして
c
9が極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR3領域と;
を含み、
該抗体またはフラグメントは約1×10
−9以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−8M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、
抗体またはフラグメント。
(項目75)
項目74に記載の抗体またはフラグメントであって:
a
1、a
3、a
4、a
7およびa
8が独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;
a
2、a
6、a
11およびa
12が独立して脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;
a
5が極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;
a
9が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基もしくは極性の親水性アミノ酸残基であり;
a
10が脂肪族アミノ酸残基または芳香族のアミノ酸残基であり;
b
1が脂肪族アミノ酸残基、極性の疎水性アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;
b
2が脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;
b
3、b
4、およびb
7が独立して、極性の親水性のアミノ酸残基であり;
b
5およびb
6が独立して極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;
c
1およびc
2が独立して極性の親水性のアミノ酸残基であり;
c
3が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;
c
4、c
5、およびc
6が独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性のアミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;
c
7が存在しないかまたは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;
c
8が疎水性のアミノ酸残基であり;そして
c
9が極性の親水性アミノ酸残基である、
抗体またはフラグメント。
(項目76)
項目75に記載の抗体またはフラグメントであって、
a
1、a
3、a
4およびa
7がそれぞれ、Arg、Ser、GlnおよびSerであり;
a
2がAlaであり;
a
5がGlyまたはSerであり;
a
8がSerまたはIleであり;
a
9が存在しないか、SerまたはGlyであり;
a
10がAla、Tyr、TrpまたはPheであり;
b
1がAsp、Gly、AlaまたはValであり;
b
2およびb
3がそれぞれAlaおよびSerであり;
b
4がSerまたはAsnであり;
b
5がLeuまたはArgであり;
b
6がGlu、AlaまたはGlnであり;
b
7がSerまたはThrであり;
c
1およびc
2がGlnであり;
c
3がPhe、Tyr、ArgまたはAlaであり;
c
4がAsn、GlyまたはSerであり;
c
5がSerまたはAsnであり;
c
6がThr、Ser、TrpまたはPheであり;
c
7が存在しないか、ProまたはHisであり;
c
8がLeu、Trp、TyrまたはArgであり;そして
c
9がThrである、
抗体またはフラグメント。
(項目77)
項目75に記載の抗体またはフラグメントであって、
a
1、a
3、a
4およびa
7がそれぞれ、Arg、Ala、Ser、GlnおよびSerであり;
a
5がGlyまたはSerであり;
a
8がSerまたはIleであり;
a
9が存在しないか、SerまたはGlyであり;
a
10がAlaまたはTyrであり;
b
1がAspまたはGlyであり;
b
2およびb
3がそれぞれAlaおよびSerであり;
b
4がSerまたはAsnであり;
b
5がLeuまたはArgであり;
b
6がGlu、AlaまたはGlnであり;
b
7がSerまたはThrであり;
c
1およびc
2がGlnであり;
c
3がPhe、Tyr、ArgまたはAlaであり;
c
4がAsn、GlyまたはSerであり;
c
5がSerまたはAsnであり;
c
6がTyr、Ser、TrpまたはPheであり;
c
7が存在しないか、ProまたはHisであり;
c
8がLeu、Trp、TyrまたはArgであり;そして
c
9がThrである、
抗体またはフラグメント。
(項目78)
項目74に記載の抗体であって、
a)前記軽鎖CDR1が配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号20に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号16に示されるアミノ酸配列を有するか;
b)前記軽鎖CDR1が配列番号95に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号96に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号97に示されるアミノ酸配列を有するか;
c)前記軽鎖CDR1が配列番号101に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号102に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号103に示されるアミノ酸配列を有するか;
d)前記軽鎖CDR1が配列番号107に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号108に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号109に示されるアミノ酸配列を有するか;
e)前記軽鎖CDR1が配列番号113に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号114に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号115に示されるアミノ酸配列を有するか;
f)前記軽鎖CDR1が配列番号119に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号120に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号121に示されるアミノ酸配列を有するか;
g)前記軽鎖CDR1が配列番号122に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号123に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号124に示されるアミノ酸配列を有するか;
h)前記軽鎖CDR1が配列番号125に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号126に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号127に示されるアミノ酸配列を有するか;
i)前記軽鎖CDR1が配列番号128に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号129に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号130に示されるアミノ酸配列を有するか;または
j)前記軽鎖CDR1が配列番号132に示されるアミノ酸配列を有し、前記軽鎖CDR2が配列番号133に示されるアミノ酸配列を有し、そして前記軽鎖CDR3が配列番号134に示されるアミノ酸配列を有する、
抗体。
(項目79)
項目69〜78のいずれかに記載の抗体またはフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド。
(項目80)
項目79に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
(項目81)
項目80に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
(項目82)
前記細胞が真核生物細胞である、項目81に記載の宿主細胞。
(項目83)
前記細胞がCHO細胞である、項目82に記載の宿主細胞。
(項目84)
NGFの発現増大またはNGFに対する感度の増大と関連する疼痛性の障害または状態を処置するための医薬であって、該医薬は、薬学的に有効な量のモノクローナル抗体もしくはその免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメント、または該モノクローナル抗体もしくは該フラグメントの薬学的に受容可能な塩、および薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含み、該モノクローナル抗体は、項目1に記載のモノクローナル抗体のうちの少なくとも1つである、医薬。
(項目85)
項目84に記載の医薬であって、前記モノクローナル抗体が、
a)配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
b)配列番号14に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
c)配列番号18に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;あるいは
d)配列番号20に示されるアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
を含む医薬。
(項目86)
NGFの発現増大またはNGFに対する感度の増大に関連する疼痛性の障害または状態を治療するための医薬であって、該医薬は、薬学的に有効な量のモノクローナル抗体もしくはその免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメント、ならびに薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含み、該抗体もしくは該フラグメントは、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、医薬。
(項目87)
前記モノクローナル抗体が約1×10
−9以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−8M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目86に記載の医薬。
(項目88)
前記抗体が約1×10
−10以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−9M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目86に記載の医薬。
(項目89)
前記抗体が約1×10
−11以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約0.2×10
−9M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目86に記載の医薬。
(項目90)
NGFの発現増大またはNGFに対する感度の増大に関連する疼痛性の障害または状態を処置するために適切な医薬の製造のための、薬学的に有効な量の項目1に記載の抗体の使用。
(項目91)
前記モノクローナル抗体が約1×10
−9以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−8M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目90に記載の使用。
(項目92)
前記抗体が約1×10
−10以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−9M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目90に記載の使用。
(項目93)
前記抗体が約1×10
−11以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約0.2×10
−9M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する、項目90に記載の使用。
(項目94)
前記疼痛性障害または状態が、急性疼痛、歯痛、外傷による疼痛、外科的疼痛、切断もしくは膿瘍から生じる疼痛、カウザルギー、脱髄疾患、三叉神経痛、癌、慢性アルコール中毒症、脳卒中、視床痛症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素、化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、混合脈管性症候群または非脈管性症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、狼瘡、変形性関節症、線維筋痛症、炎症性腸障害、過敏性腸症候群、炎症性眼障害、炎症性膀胱障害もしくは不安定膀胱障害、乾癬、炎症性成分による皮膚愁訴、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、膠原血管病、慢性炎症性状態、炎症性疼痛および関連の痛覚過敏および異痛症、神経因性疼痛および関連の痛覚過敏もしくは異痛症、糖尿病性神経障害性疼痛、カウザルギー、交感神経的に維持される疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは上皮組織機能障害、単純疱疹、呼吸系領域、尿生殖器領域、胃腸系領域もしくは血管領域の内蔵運動障害、創傷、熱傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般的胃腸障害、大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、血管運動神経性鼻炎もしくはアレルギー性鼻炎、または気管支障害、月経困難症、消化不良、胃食道逆流、膵炎、または臓器痛である、状態からなる群より選択される、項目93に記載の使用。
(項目95)
NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体は、
(a)配列番号79に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号80に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
(b)配列番号81に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号82に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
(c)配列番号83に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号84に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;あるいは(d)配列番号86に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号87に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
を含む、抗体。
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、疼痛を管理するために治療上有用である新規なヒトモノクローナル抗体を提供する。詳細には、本発明は、神経成長因子(NGF)に結合するモノクローナル抗体を提供する。好ましくはこのモノクローナル抗体は、ヒトモノクローナル抗体であり、NGFの生物学的活性を中和して、NGF媒介性疼痛応答の影響を緩和するのに有用である。また本発明によって、本発明のモノクローナル抗体を産生する細胞、最も好ましくは本発明のモノクローナル抗体を細胞培養培地中に分泌する細胞も提供される。疼痛を処置および管理するためのその使用に加えて、本発明の抗体は、神経障害性のおよび炎症性の疼痛関連応答を処置するために有用である。
【0012】
本発明はさらに、ある抗体のFc領域の配列ならびに配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22および配列番号79〜130として特定される1つ以上の配列を含む融合タンパク質を提供する。このような分子は、例えば、参照として援用される、国際特許出願公開番号WO00/24782に記載されるような方法を用いて調製され得る。このような分子は、例えば、哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞)において、または細菌細胞(例えば、E.coli細胞)において発現され得る。
【0013】
特定の態様では、本発明は、重鎖および軽鎖を含む、抗体、好ましくはモノクローナル抗体、最も好ましくはヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を提供し、この重鎖は、配列番号2、配列番号4もしくは配列番号6に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そして重鎖の可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。好ましくは、この重鎖は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む。
【0014】
特定の態様では、本発明は、重鎖および軽鎖を含む、抗体、好ましくはヒト抗体、そしてさらに好ましくはモノクローナル抗体、最も好ましくはヒトモノクローナル抗体を提供し、この重鎖は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgAおよびIgE重鎖定常領域からなる群より選択される重鎖定常領域、またはその任意の対立遺伝子改変体を含み(参照によって本明細書に援用される、Kabatら,1991、Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242に考察されるとおり)、そしてこの重鎖の可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。好ましくは、本発明の抗体は、配列番号4に示されるIgG2重鎖定常領域のアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0015】
特定の態様では、本発明は、重鎖および軽鎖を含む、抗体、好ましくはヒト抗体、そしてさらに好ましくはモノクローナル抗体、最も好ましくはヒトモノクローナル抗体を提供し、この軽鎖は、配列番号8に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてこの軽鎖の可変領域は、配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0016】
特定の態様では、本発明の抗体は重鎖および軽鎖を含み、この重鎖の可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。他の態様では、この軽鎖可変領域は、配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。さらなる態様では、上記重鎖は、配列番号14、配列番号18または配列番号20のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。なおさらなる態様では、上記軽鎖は、配列番号16、20、24のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0017】
本発明はまた、NGFに特異的に結合する抗体を提供するが、この重鎖は、配列番号10に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む可変領域を含み、そしてこの軽鎖は、配列番号12に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む可変領域を含む。
【0018】
本発明はさらに、NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体を提供するが、この抗体は:
(a)配列番号79に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号80に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖か;
(b)配列番号81に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号82に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖か;
(c)配列番号83に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号84に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖か;あるいは
(d)配列番号86に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号87に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
を含む。
【0019】
特定の態様では、本発明はまた、重鎖と軽鎖とを含む抗体を提供するが、ここで、この重鎖は重鎖可変領域を含み、この重鎖可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%そして最も好ましくは約99%同一である配列を含み、そしてこの軽鎖は、軽鎖可変領域を含み、この軽鎖可変領域は、配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%そして最も好ましくは約99%同一である配列を含み、そしてこの抗体は、NGFに特異的に結合する。
【0020】
本発明はまた、NGFに特異的に結合する抗体を提供するが、ここで、この重鎖は、配列番号14に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてこの軽鎖は、配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0021】
特定の態様では、本発明は、重鎖と軽鎖とを含む抗体を提供するが、ここで、この重鎖は重鎖可変領域を含み、この重鎖可変領域は、配列番号14、配列番号18または配列番号22のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%そして最も好ましくは約99%同一である配列を含み、そしてこの軽鎖は、軽鎖可変領域を含み、この軽鎖可変領域は、配列番号16に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%そして最も好ましくは約99%同一であるアミノ酸配列を含み、そしてこの抗体は、NGFに特異的に結合する。
【0022】
本発明はまた、単鎖抗体、単鎖Fv抗体、F(ab)抗体、F(ab)’抗体および(Fab’)
2抗体を提供する。
【0023】
特定の態様では、本発明は、配列番号16に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖を提供する。
【0024】
さらに、本発明は、配列番号14、配列番号18もしくは配列番号22のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖を提供する。
【0025】
本発明はまた、NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体に関するが、ここでこの抗体は、(a)ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域およびヒト重鎖CDR3領域;ならびに(b)ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域およびヒト軽鎖CDR3領域を含む。特定の態様では、このヒト重鎖CDR1領域は、配列番号22に示されるような4D4と命名されるモノクローナル抗体(mAb)の重鎖CDR1領域であってもよく、そしてこのヒト軽鎖CDR1領域は、配列番号24に示されるようなmAb 4D4の軽鎖CDR1領域であってもよい。他の態様では、このヒト重鎖CDR2領域は、配列番号18に示されるようなmAb 4D4の重鎖CDR2領域であってもよく、そしてこのヒト軽鎖CDR2領域は、配列番号20に示されるようなmAb 4D4の軽鎖CDR2領域であってもよい。さらに他の態様では、このヒト重鎖CDR3領域は、配列番号14に示されるようなmAb 4D4の重鎖CDR3領域であり、そしてこのヒト軽鎖CDR3領域は、配列番号16に示されるようなmAb 4D4の軽鎖CDR3領域である。
【0026】
本発明はまた、重鎖と軽鎖とを含む、神経成長因子に特異的に結合する単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこの重鎖は、配列番号10、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85または配列番号87に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む。
【0027】
本発明はさらに、重鎖と軽鎖とを含む、NGFに特異的に結合する単離されたヒト抗体を提供するが、ここでこの軽鎖は、配列番号12、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91もしくは配列番号131に示されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む。
【0028】
本発明の抗体は、NGFポリペプチドに関連する少なくとも1つのインビトロおよび/またはインビボの活性をアンタゴナイズする能力によって特徴付けられる。好ましくは、本発明は、NGFポリペプチドに対して高親和性の結合を有する単離された抗ヒトNGFヒト抗体を提供するが、ここでこの抗体は、ヒトNGFポリペプチドに結合して、KinExAを用いて決定される場合、約50×10
−12M以下の解離定数(K
D)でヒトNGFポリペプチドから解離するか、またはインビトロ中和アッセイにおいて、約1×10
−8M以下のIC
50でNGF誘導性生存を阻害する。
【0029】
好ましい実施形態では、本発明は、以下の特徴を有する単離された抗ヒトNGFヒト抗体を提供する:
a)インビトロ中和アッセイにおいて約1×10
−9M以下のIC
50でNGF誘導性生存を阻害する;
b)配列番号14のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有する;そして
c)配列番号16のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する。
【0030】
本発明はまた、高い親和性でNGFに特異的に結合する、単離されたヒト抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを提供するが、ここでこの抗体またはフラグメントは、約1×10
−9以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−8M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和し、そしてこの抗体またはフラグメントは、以下を含む重鎖可変領域を含む:
a)式:
a
1a
2a
3a
4a
5
のアミノ酸配列であって、
a
1が極性親水性アミノ酸残基であり;a
2が芳香族アミノ酸残基であり;a
3が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基であり;a
4が中性の疎水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;そしてa
5が脂肪族アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR1領域と;
b)式:
b
1b
2b
3b
4b
5b
6b
7b
8b
9b
10b
11b
12b
13b
14b
15b
16b
17
のアミノ酸配列であって、
b
1が脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、または芳香族アミノ酸残基であり;b
2が脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;b
3が極性の親水性アミノ酸残基、または芳香族アミノ酸残基であり;b
4が極性親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基であり;b
5−b
9が独立して、極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;b
10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;b
11が芳香族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;b
12が脂肪族の疎水性アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基であり;b
13が脂肪族アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基、または極性の親水性のアミノ酸残基であり;b
14およびb
16が独立して、極性の親水性アミノ酸残基であり;b
15が脂肪族アミノ酸残基または芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;そしてb
17が脂肪族の酸性アミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR2領域と;
c)式:
c
1c
2c
3c
4c
5c
6c
7c
8c
9c
10c
11c
12c
13c
14c
15c
16c
17
のアミノ酸配列であって、
c
1が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;c
2が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c
3およびc
4が独立して、存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性のアミノ酸残基、もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;c
5が存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族アミノ酸残基であり;c
6が存在しないか、または極性の親水性もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;c
7が極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;c
8が極性の親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基もしくは芳香族のアミノ酸残基であり;c
9が極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c
10が極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;c
11−c
13が独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c
14が脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c
15が極性の親水性アミノ酸残基もしくは中性の疎水性アミノ酸残基であり;c
16が存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基であり;そしてc
17が芳香族の疎水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR3領域。
【0031】
1態様では、a
1は極性の親水性アミノ酸残基であり;a
2は芳香族疎水性のアミノ酸残基であり;a
3は脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;a
4は中性の疎水性アミノ酸残基であり;a
5は極性親水性のアミノ酸残基であり;b
1は脂肪族アミノ酸残基または芳香族のアミノ酸残基であり;b
2はIleであり;b
3は極性の親水性アミノ酸残基であり;b
4は極性の親水性アミノ酸残基アミノ酸残基または芳香族アミノ酸残基であり;b
5−b
9が独立して、極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;b
10は脂肪族のアミノ酸残基であり;b
11はTyrであり;b
12は脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;b
13は脂肪族アミノ酸残基または極性の親水性のアミノ酸残基であり;b
14およびb
16は独立して、極性の親水性アミノ酸残基であり;そしてb
15は脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;b
17が脂肪族の酸性のアミノ酸残基であり;c
1は存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;c
2は存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c
3およびc
4は独立して、存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基、芳香族疎水性のアミノ酸残基、もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;c
5は存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基であり;c
6は存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;c
7は極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族のアミノ酸残基であり;c
8は極性の親水性アミノ酸残基、疎水性アミノ酸残基もしくは芳香族のアミノ酸残基であり;c
9は極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c
10は極性の親水性アミノ酸残基、芳香族の疎水性アミノ酸残基、もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;c
11−c
13は独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c
14は脂肪族アミノ酸残基もしくは芳香族の疎水性アミノ酸残基であり;c
15は極性の親水性もしくは中性の疎水性アミノ酸残基であり;c
16は存在しないかまたは極性の親水性アミノ酸残基であり;そしてc
17は芳香族の疎水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基である。
【0032】
特定の態様では、a
1はSer、AspまたはThrであり;a
2はTyrであり;a
3はAla、Ser、TrpまたはGlyであり;a
4はMetまたはIleであり;a
5はHis、GlyまたはAsnであり;b
1はTyr、Gly、IleまたはAspであり;b
2はIleであり;b
3はSer、Thr、TyrまたはAsnであり;b
4はTrp、ArgまたはProであり;b
5はSer、AsnまたはGlyであり;b
6はSer、Arg、AspまたはGlyであり、b
7はSer、HisまたはGlyであり;b
8はSer、Ile、AspまたはThrであり;b
9はLeu、IleまたはThrであり;b
10はGly、LysまたはPheであり;b
11はTyrであり;b
12はAlaまたはSerであり;b
13はAsp、GlyまたはProであり;b
14はSerであり;b
15はValまたはPheであり;b
16はLysまたはGlnであり;b
17はGlyであり;c
1は存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基であり;c
2は存在しないか、またはTyrであり;c
3およびc
4は独立して、存在しないか、Tyr、Asn、ValまたはGluであり;c
5は存在しないか、Ser、Gly、またはTrpであり;c
6は存在しないか、Ser、Gly、GluまたはLeuであり;c
7はGly、ArgまたはAspであり;c
8はTrp、Pro、SerまたはThrであり;c
9はHis、GlyまたはTyrであり、c
10はVal、TyrまたはArgであり;c
11−c
13は独立して、Ser、Phe、Tyr、AspまたはAsnであり;c
14はPhe、ValまたはGlyであり;c
15はMetまたはAspであり;c
16は存在しないか、AspであるかまたはAsnであり;そしてc
17はTyrまたはValである。
【0033】
別の特定の態様では、a
1はSerまたはAspであり;a
2はTyrであり;a
3はAlaまたはSerであり;a
4はMetまたはIleであり;a
5はHisまたはAsnであり;b
1はTyrまたはGlyであり;b
2はIleであり;b
3はSer、Thr、TyrまたはAsnであり;b
4はTrp、ArgまたはProであり;b
5はSerまたはAsnであり;b
6はSerまたはArgであり;b
7はHisまたはGlyであり;b
8はIleまたはThrであり;b
9はLeu、IleまたはThrであり;b
10はGlyまたはPheであり;b
11はTyrであり;b
12はAlaまたはSerであり;b
13はAspまたはGlyであり;b
14はSerであり;b
15はValまたはPheであり;b
16はLysまたはGlnであり;b
17はGlyであり;c
1は存在しないか、またはGlyであり;c
2は存在しないか、またはTyrであり;c
3およびc
4は独立して、存在しないか、Tyr、GlyまたはValであり;c
5は存在しないかまたはSerであり;c
6はSerまたはGlyであり;c
7はGlyまたはArgであり;c
8はTrpまたはProであり;c
9はHis、GlyまたはTyrであり;c
10はValまたはTyrであり;c
11−c
13は独立して、Ser、Tyr、PheまたはAspであり;c
14はPheまたはValであり;c
15はMetまたはAspであり;c
16は存在しないかまたはAspであり;そしてc
17はTyrまたはValである。
【0034】
他の特定の態様では:
a)上記重鎖CDR1は配列番号22に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号18に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号14に示されるアミノ酸配列を有し;
b)上記重鎖CDR1は配列番号92に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号93に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号94に示されるアミノ酸配列を有し;
c)上記重鎖CDR1は配列番号98に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号99に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号100に示されるアミノ酸配列を有し;
d)上記重鎖CDR1は配列番号104に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号105に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号106に示されるアミノ酸配列を有し;
e)上記重鎖CDR1は配列番号110に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号111に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号112に示されるアミノ酸配列を有し;そして
f)上記重鎖CDR1は配列番号116に示されるアミノ酸配列を有し、重鎖CDR2は配列番号117に示されるアミノ酸配列を有し、そして重鎖CDR3は配列番号118に示されるアミノ酸配列を有する。
【0035】
本発明はまた、NGFに特異的に結合する、単離されたヒト抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを提供するが、ここでこの抗体またはフラグメントは、軽鎖可変領域を含み、この軽鎖可変領域は、以下:
a)式:
a
1a
2a
3a
4a
5a
6a
7a
8a
9a
10a
11a
12
のアミノ酸配列であって、
a
1が極性親水性アミノ酸残基であり;a
2、a
11およびa
12が独立して、脂肪族アミノ酸残基または疎水性アミノ酸残基であり;a
3、a
5、a
7およびa
8が独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;a
4が極性の親水性アミノ酸残基であり;a
6が脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;a
9が存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基もしくは極性の親水性アミノ酸残基であり;そしてa
10が脂肪族アミノ酸残基、芳香族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR1領域と;
b)式:
b
1b
2b
3b
4b
5b
6b
7
のアミノ酸配列であって、
b
1は脂肪族アミノ酸残基、極性疎水性アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;b
2は脂肪族アミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;b
3およびb
4は独立して、極性親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;b
5は極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;b
6は極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;そしてb
7は極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR2領域と;
c)式: c
1c
2c
3c
4c
5c
6c
7c
8c
9c
10c
11c
12c
13c
14c
15c
16c
17
のアミノ酸配列であって、
c
1およびc
2は独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;c
3は極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;c
4、c
5およびc
6は独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性アミノ酸残基、もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;c
7は存在しないか、または極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;c
8は極性の親水性アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;そしてc
9は極性の親水性のアミノ酸残基である、
アミノ酸配列を含むCDR3領域と;
を含み、
この抗体またはフラグメントは約1×10
−9以下のK
DでヒトNGFポリペプチドから解離して、標準的なインビトロアッセイにおいて、約1×10
−8M以下のIC
50でヒトNGF生物活性を中和する。
【0036】
1態様では、a
1、a
3、a
4、a
7およびa
8は独立して極性の親水性アミノ酸残基であり;a
2、a
6、a
11およびa
12は独立して脂肪族の疎水性アミノ酸残基であり;a
5は極性の親水性アミノ酸残基または脂肪族のアミノ酸残基であり;a
9は存在しないか、または脂肪族アミノ酸残基もしくは極性の親水性アミノ酸残基であり;a
10は脂肪族アミノ酸残基または芳香族のアミノ酸残基であり;b
1は脂肪族アミノ酸残基、極性の疎水性アミノ酸残基もしくは疎水性のアミノ酸残基であり;b
2は脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;b
3、b
4、およびb
7は独立して、極性の親水性のアミノ酸残基であり;b
5およびb
6は独立して、極性の親水性アミノ酸残基もしくは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;c
1およびc
2は独立して極性の親水性のアミノ酸残基であり;c
3は極性の親水性アミノ酸残基、脂肪族アミノ酸残基または疎水性のアミノ酸残基であり;c
4、c
5、およびc
6は独立して、脂肪族アミノ酸残基、極性の親水性のアミノ酸残基、または疎水性のアミノ酸残基であり;c
7は存在しないかまたは脂肪族の疎水性のアミノ酸残基であり;c
8は疎水性のアミノ酸残基であり;c
9は極性の親水性アミノ酸残基である。
【0037】
特定の態様では、a
1、a
3、a
4およびa
7はそれぞれ、Arg、Ser、GlnおよびSerであり;a
2はAlaであり;a
5はGlyまたはSerであり;a
8はSerまたはIleであり;a
9は存在しないか、SerまたはGlyであり;a
10はAla、Tyr、TrpまたはPheであり;b
1はAsp、Gly、AlaまたはValであり;b
2およびb
3はそれぞれAlaおよびSerであり;b
4はSerまたはAsnであり;b
5はLeuまたはArgであり;b
6はGlu、AlaまたはGlnであり;b
7はSerまたはThrであり;c
1およびc
2はGlnであり;c
3はPhe、Tyr、ArgまたはAlaであり;c
4はAsn、GlyまたはSerであり;c
5はSerまたはAsnであり;c
6はTyr、Ser、TrpまたはPheであり;c
7は存在しないか、ProまたはHisであり;c
8はLeu、Trp、TyrまたはArgであり;そしてc
9はThrである。
【0038】
別の特定の態様では、a
1、a
2、a
3、a
4およびa
7はそれぞれ、Arg、Ala、Ser、GlnおよびSerであり;a
5はGlyまたはSerであり;a
8はSerまたはIleであり;a
9は存在しないか、SerまたはGlyであり;a
10はAlaまたはTyrであり;b
1はAspまたはGlyであり;b
2およびb
3はそれぞれAlaおよびSerであり;b
4はSerまたはAsnであり;b
5はLeuまたはArgであり;b
6はGlu、AlaまたはGlnであり;b
7はSerまたはThrであり;c
1およびc
2はGlnであり;c
3はPhe、Tyr、ArgまたはAlaであり;c
4はAsn、GlyまたはSerであり;c
5はSerまたはAsnであり;c
6はTyr、Ser、TrpまたはPheであり;c
7は存在しないか、ProまたはHisであり;c
8はLeu、Trp、TyrまたはArgであり;そしてc
9はThrである。
【0039】
別の特定の態様では:
a)上記軽鎖CDR1は配列番号24に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号20に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号16に示されるアミノ酸配列を有し;
b)上記軽鎖CDR1は配列番号95に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号96に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号97に示されるアミノ酸配列を有し;
c)上記軽鎖CDR1は配列番号101に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号102に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号103に示されるアミノ酸配列を有し;
d)上記軽鎖CDR1は配列番号107に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号108に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号109に示されるアミノ酸配列を有し;
e)上記軽鎖CDR1は配列番号113に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号114に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号115に示されるアミノ酸配列を有し;
f)上記軽鎖CDR1は配列番号119に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号120に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号121に示されるアミノ酸配列を有し;
g)上記軽鎖CDR1は配列番号122に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号123に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号124に示されるアミノ酸配列を有し;
h)上記軽鎖CDR1は配列番号125に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号126に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号127に示されるアミノ酸配列を有し;
i)上記軽鎖CDR1は配列番号128に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号129に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号130に示されるアミノ酸配列を有し;そして
j)上記軽鎖CDR1は配列番号132に示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖CDR2は配列番号133に示されるアミノ酸配列を有し、そして軽鎖CDR3は配列番号134に示されるアミノ酸配列を有する。
【0040】
また本発明の一部は、新規な抗ヒトNGFヒト抗体をコードするポリヌクレオチド配列、抗ヒトNGFヒト抗体をコードするポリヌクレオチド配列を含むベクター、抗ヒトNGFヒト抗体をコードするポリヌクレオチドを組み込むベクターで形質転換された宿主細胞、抗ヒトNGFヒト抗体を含む処方物、ならびにこれらを作製および用いる方法である。
【0041】
本発明はまた、生物学的サンプル中のNGFのレベルを検出するための方法であって、このサンプルと本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントとを接触させる工程を包含する方法を提供する。本発明の抗NGF抗体は、NGFの検出および定量について、任意の公知のアッセイ方法、例えば、競合結合アッセイ、直接および間接的なサンドイッチアッセイ、免疫沈降アッセイおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)において使用され得る(Sola,1987,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,147〜158頁、CRC Press,Inc.を参照のこと)。この抗体は、使用されているアッセイ方法に適切である親和性でNGFに結合し得る。
【0042】
さらに、本発明は、NGFの産生増大またはNGFに対する感度の増大を伴う疾患を処置するための方法を提供するが、ここでこの方法は、本発明の少なくとも1つの抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む薬学的組成物の薬学的に有効な量を、そのような処置を必要としている個体に投与する工程を包含する。
【0043】
本発明の特定の好ましい実施形態は、以下の特定の好ましい実施形態のさらに詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになる。