特許第5965982号(P5965982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965982
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】排ガス浄化用触媒及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 29/068 20060101AFI20160728BHJP
   B01J 23/63 20060101ALI20160728BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20160728BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20160728BHJP
   B01D 53/90 20060101ALI20160728BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   B01J29/068 AZAB
   B01J23/63 A
   B01J37/02 301L
   B01D53/86 222
   B01D53/86 245
   B01D53/86 280
   B01D53/90
   F01N3/10 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-262805(P2014-262805)
(22)【出願日】2014年12月25日
(62)【分割の表示】特願2010-520907(P2010-520907)の分割
【原出願日】2009年7月17日
(65)【公開番号】特開2015-110225(P2015-110225A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2015年1月9日
(31)【優先権主張番号】特願2008-186164(P2008-186164)
(32)【優先日】2008年7月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000104607
【氏名又は名称】株式会社キャタラー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】北村 一郎
(72)【発明者】
【氏名】平井 章雅
(72)【発明者】
【氏名】滝 健一
【審査官】 大城 公孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−167441(JP,A)
【文献】 特開2006−320863(JP,A)
【文献】 特表平09−500570(JP,A)
【文献】 米国特許第05013705(US,A)
【文献】 特開2004−009034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00−38/74
B01D 53/86−53/90
B01D 53/94−53/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材上に形成された触媒層とを具備し、
前記触媒層は、前記基材上に設けられ、貴金属としてパラジウムのみを含んだ第1触媒層と、前記第1触媒層上に設けられ、貴金属としてロジウムのみを含んだ第2触媒層とを備え、
前記第1及び第2触媒層の各々は、セリアとジルコニアと酸化プラセオジムとからなる複合酸化物及びアルミナとを更に含むか、又は、セリアとジルコニアとからなる複合酸化物と酸化プラセオジムとアルミナとを更に含み、
前記第1触媒層が含んでいる複合酸化物は、前記第2触媒層が含んでいる複合酸化物と比較してセリアの割合がより大きく、且つ、前記第2触媒層が含んでいる複合酸化物は、前記第1触媒層が含んでいる複合酸化物と比較してジルコニアの割合がより大きく、
前記触媒層のプラセオジム含量は、前記基材の単位容積当り、Pr611換算で0.2g/L乃至60g/Lである排ガス浄化用触媒。
【請求項2】
前記触媒層はバリウム及びランタンを更に含有している請求項に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項3】
前記基材と前記触媒層との間に設けられ且つゼオライトを含有した層を更に具備した請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項4】
パラジウム化合物の溶液と担体とを含んだ第1スラリーを基材にコートし、これを乾燥及び焼成に供し、次いで、ロジウム化合物の溶液と担体とを含んだ第2スラリーを、前記第1スラリーがコートされた前記基材にコートし、これを乾燥及び焼成に供することにより、前記基材上に設けられ、貴金属としてパラジウムのみを含んだ第1触媒層と、前記第1触媒層上に設けられ、貴金属としてロジウムのみを含んだ第2触媒層とを備えた触媒層を形成する工程を含み、
前記触媒層は、
前記第1及び第2触媒層の各々が、セリアとジルコニアと酸化プラセオジムとからなる複合酸化物及びアルミナとを更に含むか、又は、セリアとジルコニアとからなる複合酸化物と酸化プラセオジムとアルミナとを更に含み、
前記触媒層のプラセオジム含量が、前記基材の単位容積当り、Pr611換算で0.2g/L乃至60g/Lとなるように形成し、
前記第1触媒層に含める複合酸化物は、前記第2触媒層に含める複合酸化物と比較してセリアの割合がより大きく、且つ、前記第2触媒層に含める複合酸化物は、前記第1触媒層に含める複合酸化物と比較してジルコニアの割合がより大きい、
排ガス浄化用触媒の製造方法。
【請求項5】
前記触媒層を形成する工程の前に、ゼオライトを含有した層を前記基材上に形成する工程を更に含んだ請求項に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス浄化用触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等に対する排ガス規制が強化されてきている。これに対応するため、排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOX)等を効率的に浄化するための種々の排ガス浄化用触媒が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、アルミナ及びゼオライトを含んだ担体と、これに担持された貴金属とを備えた排ガス浄化用触媒が開示されている。
【0004】
しかしながら、排ガス浄化用触媒の排ガス浄化性能については、更なる改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−45701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、優れた排ガス浄化性能を有している排ガス浄化用触媒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、基材と、前記基材上に形成された触媒層とを具備し、前記触媒層は、前記基材上に設けられ、貴金属としてパラジウムのみを含んだ第1触媒層と、前記第1触媒層上に設けられ、貴金属としてロジウムのみを含んだ第2触媒層とを備え、前記第1及び第2触媒層の各々は、セリアとジルコニアと酸化プラセオジムとからなる複合酸化物及びアルミナとを更に含むか、又は、セリアとジルコニアとからなる複合酸化物と酸化プラセオジムとアルミナとを更に含み、前記第1触媒層が含んでいる複合酸化物は、前記第2触媒層が含んでいる複合酸化物と比較してセリアの割合がより大きく、且つ、前記第2触媒層が含んでいる複合酸化物は、前記第1触媒層が含んでいる複合酸化物と比較してジルコニアの割合がより大きく、前記触媒層のプラセオジム含量は、前記基材の単位容積当り、Pr611換算で0.2g/L乃至60g/Lである排ガス浄化用触媒が提供される。
本発明の他の側面によると、パラジウム化合物の溶液と担体とを含んだ第1スラリーを基材にコートし、これを乾燥及び焼成に供し、次いで、ロジウム化合物の溶液と担体とを含んだ第2スラリーを、前記第1スラリーがコートされた前記基材にコートし、これを乾燥及び焼成に供することにより、前記基材上に設けられ、貴金属としてパラジウムのみを含んだ第1触媒層と、前記第1触媒層上に設けられ、貴金属としてロジウムのみを含んだ第2触媒層とを備えた触媒層を形成する工程を含み、前記触媒層は、前記第1及び第2触媒層の各々が、セリアとジルコニアと酸化プラセオジムとからなる複合酸化物及びアルミナとを更に含むか、又は、セリアとジルコニアとからなる複合酸化物と酸化プラセオジムとアルミナとを更に含み、前記触媒層のプラセオジム含量が、前記基材の単位容積当り、Pr611換算で0.2g/L乃至60g/Lとなるように形成し、前記第1触媒層に含める複合酸化物は、前記第2触媒層に含める複合酸化物と比較してセリアの割合がより大きく、且つ、前記第2触媒層に含める複合酸化物は、前記第1触媒層に含める複合酸化物と比較してジルコニアの割合がより大きい、排ガス浄化用触媒の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一態様に係る排ガス浄化用触媒を概略的に示す断面図である。
図2図2は、一変形例に係る排ガス浄化用触媒を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面を通じて同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本発明の一態様に係る排ガス浄化用触媒を概略的に示す断面図である。
排ガス浄化用触媒1は、基材10と、基材10上に形成された触媒層20とを含んでいる。
【0011】
基材10としては、例えば、モノリスハニカム型の基材を使用することができる。典型的には、基材10は、コージェライトなどのセラミックス製である。
【0012】
触媒層20は、プラセオジムを含んだ担体と、これに担持された貴金属とを含んでいる。
【0013】
上述したように、排ガス浄化用触媒には、HC、CO及びNOX等の複数の因子を効率良く浄化することが求められている。しかしながら、これら因子の各々では、触媒を活性化するために必要な温度が異なっている。例えば、HCを浄化させるのに必要な温度は、COを浄化させるのに必要な温度と比較してより高い。それゆえ、エンジンを始動させた直後等の触媒の温度が比較的低い段階では、COはある程度浄化されるがHCは十分に浄化されないという事態が生じ得る。従って、上記の因子の全てを十分に浄化するためには、触媒の温度を早急に上昇させる必要がある。
【0014】
本発明者らは、担体にプラセオジムを含有させると、触媒層へのCOの吸着性能が向上することを見出した。更に検証したところ、本発明者らは、触媒層へのCOの吸着性能が向上すると、触媒層におけるCOの酸化反応が盛んになり、この酸化反応に起因した多量の反応熱が発生するという知見を得た。本発明は、この知見を踏まえて成されたものである。即ち、本発明は、上記の反応熱を利用して触媒の温度を早急に上昇させることにより、上記の複数の因子の浄化を早期に達成するという思想に基づいている。
【0015】
触媒層20が含んでいる担体は、貴金属の比表面積を増大させると共に、反応による発熱を消散させて貴金属のシンタリングを抑制する役割を担っている。担体は、プラセオジム化合物、典型的には、プラセオジム酸化物を含んでいる。プラセオジム酸化物としては、例えば、酸化プラセオジム(Pr611)を使用することができる。担体は、アルミナ、セリア、ジルコニア及びチタニアなどの他の酸化物を更に含んでいてもよい。或いは、担体は、これら酸化物とプラセオジム酸化物との複合酸化物を含んでいてもよい。
【0016】
触媒層20のプラセオジム含量は、基材10の単位容積当り、Pr611換算で、例えば0.2乃至60g/Lとし、典型的には1.0乃至20g/Lとする。触媒層20のプラセオジム含量を小さくすると、触媒層20のCO吸着性能及び着火性能等が低下し、優れた排ガス浄化性能を発揮し難くなる可能性がある。触媒層20のプラセオジム含量を大きくすると、触媒の酸素貯蔵能が低下し、優れた排ガス浄化性能を発揮し難くなる可能性がある。
【0017】
担体は、上述したように、プラセオジム酸化物とプラセオジム酸化物以外の酸化物との複合酸化物を含んでいてもよい。即ち、プラセオジムは、プラセオジム酸化物とプラセオジム酸化物以外の酸化物との複合酸化物の形態で触媒層20に含まれていてもよい。こうすると、プラセオジムが単純酸化物の形態で含まれている場合と比較して、熱劣化等によるプラセオジムの凝集が生じ難い。従って、こうすると、排ガス浄化用触媒の耐久後の浄化性能を向上させることが可能となる。
【0018】
この複合酸化物としては、例えば、セリアとジルコニアとプラセオジム酸化物との複合酸化物が挙げられる。セリアとジルコニアとプラセオジム酸化物との複合酸化物を用いる場合、この複合酸化物に占めるプラセオジム酸化物の質量比は、例えば、3質量%乃至30質量%の範囲内とする。この質量比を小さくすると、プラセオジムを含有させることによる上述の効果が小さくなる。この質量比を大きくすると、複合酸化物に占めるセリア及びジルコニアの質量比が小さくなる。それゆえ、複合酸化物に占めるプラセオジム酸化物の質量比を過度に大きくすると、排ガス中のHC、CO及びNOXをバランス良く浄化することが困難となる場合がある。
【0019】
貴金属は、排ガス浄化反応を触媒する役割を担っている。貴金属としては、例えば、白金、パラジウム及びロジウムからなる群より選択される少なくとも1つの元素を使用することができる。貴金属として、イリジウム及びルテニウムなどの他の元素を更に含んでいてもよい。
【0020】
触媒層20の貴金属含量は、例えば、基材10の単位容積当り0.5乃至20g/Lとする。触媒層20の貴金属含量を小さくすると、排ガス浄化用触媒1の排ガス浄化性能が不十分となる可能性がある。触媒層20の貴金属含量を大きくすると、排ガス浄化用触媒1の製造コストが増大する。
【0021】
排ガス浄化用触媒1は、アルカリ土類金属元素を更に含んでいてもよい。アルカリ土類金属元素は、排ガス浄化用触媒1のHC浄化性能を低下させることなく、そのNOX浄化性能を向上させる機能を有している。アルカリ土類金属元素としては、例えば、バリウム、ストロンチウム、カルシウム又はマグネシウムを使用することができる。典型的には、アルカリ土類金属元素として、バリウムを使用する。
【0022】
排ガス浄化用触媒1は、プラセオジム以外の希土類元素を更に含んでいてもよい。希土類元素は、排ガス浄化用触媒1のHC浄化性能を低下させることなく、そのNOX浄化性能を向上させる機能を有している。この希土類元素としては、例えば、ランタンなどのランタノイドを使用することができる。典型的には、この希土類元素として、ランタンを使用する。
【0023】
なお、触媒層20は、バインダを更に含んでいてもよい。バインダは、担体粒子同士の結合及び担体粒子と貴金属との結合をより強固にして排ガス浄化用触媒1の耐久性を向上させる役割を担っている。バインダとしては、例えば、アルミナゾル、チタニアゾル又はシリカゾルを使用することができる。
【0024】
図1に示す排ガス浄化用触媒1は、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0025】
まず、貴金属化合物の溶液とプラセオジムを含んだ担体とを所望の割合で混合し、スラリーを調製する。次に、このスラリーを、コージェライト等からなる基材にコートする。次いで、これを乾燥及び焼成に供する。
このようにして、図1に示す排ガス浄化用触媒1を得る。
【0026】
この排ガス浄化用触媒1には、様々な変形が可能である。
【0027】
図2は、一変形例に係る排ガス浄化用触媒を概略的に示す断面図である。
図2に示す排ガス浄化用触媒1は、触媒層20が、基材10上に形成された第1触媒層21と、その上に形成された第2触媒層22との2層からなること以外は、図1に示す排ガス浄化用触媒1と同様の構成を有している。
【0028】
第1触媒層21と第2触媒層22とは、担体の組成、プラセオジムの含量、担体を構成する材料の表面積、及び貴金属の種類又は含量などのうち少なくとも1つの性質が互いに異なっている。これら第1触媒層21及び第2触媒層22の各々の組成及びコート量などを調整することにより、排ガス浄化用触媒1の排ガス浄化性能を最適化しうる。
【0029】
例えば、第1触媒層21が貴金属としてパラジウムを含み、第2触媒層22が貴金属としてロジウムを含んだ構成を採用してもよい。これにより、酸化雰囲気においても還元雰囲気においても優れた排ガス浄化性能を示す触媒が得られる。
【0030】
或いは、触媒層20がセリアとジルコニアとを含んだ複合酸化物を含有している場合、第1触媒層21と第2触媒層22とで、複合酸化物に占めるセリアとジルコニアとの割合を異ならしめてもよい。例えば、第1触媒層はセリアをより多く含み、第2触媒層はジルコニアをより多く含んだ構成を採用してもよい。
【0031】
図2に示す排ガス浄化用触媒1は、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0032】
まず、パラジウム化合物などの貴金属化合物の溶液と担体とを所望の割合で混合し、第1触媒層21を形成するための第1スラリーを調製する。次に、この第1スラリーを、コージェライト等からなる基材にコートする。次いで、これを乾燥及び焼成に供する。
【0033】
続いて、ロジウム化合物などの貴金属化合物の溶液と担体とを所望の割合で混合し、第2触媒層22を形成するための第2スラリーを調製する。ここで、第2スラリーと第1スラリーとでは、例えば、貴金属の種類及び含量などが互いに異なるようにする。次に、上記第1スラリーがコートされた基材に、この第2スラリーをコートする。次いで、これを乾燥及び焼成に供する。
【0034】
以上のようにして、図2に示す排ガス浄化用触媒1を得る。
【0035】
なお、排ガス浄化用触媒1は、触媒層20以外に、貴金属を含有していない層を更に備えていてもよい。また、触媒層20は、3以上の異なる性質の層により構成されていてもよい。これらの場合においても、各層の組成等を調整することにより、排ガス浄化用触媒1の排ガス浄化性能を最適化しうる。
【0036】
また、排ガス浄化用触媒1は、ゼオライトを更に含んでいてもよい。ゼオライトは、触媒層20の一成分として含まれていてもよく、基材10と触媒層20との間に設けられた別の層に含まれていてもよい。ゼオライトは、高い比表面積を有し、排ガス中のHCを吸着する性能に優れている。したがって、ゼオライトを含有させることにより、排ガス浄化用触媒1のHC浄化性能を更に向上させることができる。
【0037】
排ガス浄化用触媒1は、排ガスが供給される上流部と、上流部を通過した排ガスが供給される下流部とからなる構成を有していてもよい。この場合、上流部と下流部とで、例えば、プラセオジム含量、担体の組成、又は貴金属の種類若しくは含量を異ならしめることにより、排ガス浄化用触媒1の排ガス浄化性能を最適化することができる。
【実施例】
【0038】
<例1:触媒C1の製造>
まず、50質量%のセリアと30質量%のジルコニアと20質量%の酸化プラセオジム(Pr611)とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「CZP材A」と呼ぶ。
【0039】
次に、3.3gのCZP材Aと116.7gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを得た。以下、このスラリーを「スラリーS1」と呼ぶ。
【0040】
次いで、このスラリーS1を、コージェライトからなり、全長が100mmであり、容積が1.0Lであり、セル数が900/in2であるモノリスハニカム基材にコートした。続いて、これを250℃で1時間に亘って乾燥させ、その後、500℃で1時間に亘って焼成した。
【0041】
また、60質量%のジルコニアと20質量%のセリアと20質量%のPr611とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「ZCP材B」と呼ぶ。
【0042】
次に、1.7gのZCP材Bと、58.3gのアルミナと、0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを得た。以下、このスラリーを「スラリーS2」と呼ぶ。
【0043】
次いで、このスラリーS2を、上記のスラリーS1をコートしたモノリスハニカム基材にコートした。続いて、これを250℃で1時間に亘って乾燥させ、その後、500℃で1時間に亘って焼成した。
【0044】
以上のようにして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C1」と呼ぶ。
【0045】
なお、この触媒C1のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で1.0g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0046】
<例2:触媒C2の製造>
66.7gのCZP材Aと53.3gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS3」と呼ぶ。
【0047】
33.3gのZCP材Bと26.7gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS4」と呼ぶ。
【0048】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS3を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS4を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C2」と呼ぶ。
【0049】
なお、この触媒C2のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で20g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0050】
<例3:触媒C3の製造>
0.7gのCZP材Aと119.3gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS5」と呼ぶ。
【0051】
0.3gのZCP材Bと59.7gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS6」と呼ぶ。
【0052】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS5を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS6を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C3」と呼ぶ。
【0053】
なお、この触媒C3のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で0.2g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0054】
<例4:触媒C4の製造>
30質量%のセリアと20質量%のジルコニアと50質量%のPr611とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「CZP材C」と呼ぶ。
【0055】
次に、80gのCZP材Cと40gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS7」と呼ぶ。
【0056】
また、30質量%のジルコニアと20質量%のセリアと50質量%のPr611とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「ZCP材D」と呼ぶ。
【0057】
次に、40gのZCP材Dと20gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS8」と呼ぶ。
【0058】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS7を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS8を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C4」と呼ぶ。
【0059】
なお、この触媒C4のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で60g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0060】
<例5:触媒C5の製造>
100gのゼオライトを含んだスラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS9」と呼ぶ。
【0061】
このスラリーS9を、例1について述べたのと同様のモノリスハニカム基材にコートした。続いて、これを250℃で1時間に亘って乾燥させ、その後、500℃で1時間に亘って焼成した。
【0062】
次いで、スラリーS1を、上記スラリーS9をコートしたモノリスハニカム基材にコートした。続いて、これを250℃で1時間に亘って乾燥させ、その後、500℃で1時間に亘って焼成した。
【0063】
続いて、スラリーS2を、上記スラリーS9及びS1をコートしたモノリスハニカム基材にコートした。続いて、これを250℃で1時間に亘って乾燥させ、その後、500℃で1時間に亘って焼成した。
【0064】
以上のようにして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この排ガス浄化用触媒を「触媒C5」と呼ぶ。
【0065】
なお、この触媒C5のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で1.0g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0066】
<例6:触媒C6の製造>
3.3gのCZP材Aと116.7gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液と12gの硫酸バリウムと6gの炭酸ランタンとを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS10」と呼ぶ。
【0067】
1.7gのZCP材Bと58.3gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液と6gの硫酸バリウムと3gの炭酸ランタンとを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS11」と呼ぶ。
【0068】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS10を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS11を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C6」と呼ぶ。
【0069】
なお、この触媒C6のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で1.0g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0070】
<例7:触媒C7の製造>
セリアとジルコニアとを5:4の質量比で含んだ複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「CZ材E」と呼ぶ。
【0071】
次に、2.6gのCZ材Eと0.7gのPr611と116.7gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS12」と呼ぶ。
【0072】
ジルコニアとセリアとを7:2の質量比で含んだ複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「ZC材F」と呼ぶ。
【0073】
次に、1.4gのZC材Fと0.3gのPr611と58.3gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS13」と呼ぶ。
【0074】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS12を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS13を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C7」と呼ぶ。
【0075】
なお、この触媒C7のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で1.0g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0076】
<例8:触媒C8の製造>
0.3gのCZP材Aと119.7gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS14」と呼ぶ。
【0077】
0.2gのZCP材Bと59.8gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS15」と呼ぶ。
【0078】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS14を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS15を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C8」と呼ぶ。
【0079】
なお、この触媒C8のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で0.1g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0080】
<例9:触媒C9の製造>
81.2gのCZP材Cと38.8gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS16」と呼ぶ。
【0081】
40.8gのZCP材Dと19.2gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS17」と呼ぶ。
【0082】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS16を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS17を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C9」と呼ぶ。
【0083】
なお、この触媒C9のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で61.0g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0084】
<例10:触媒C10の製造>
60gのCZ材Eと60gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS18」と呼ぶ。
【0085】
30gのZC材Fと30gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS19」と呼ぶ。
【0086】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS18を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS19を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C10」と呼ぶ。
【0087】
なお、この触媒C10はプラセオジムを含有しておらず、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0088】
<例11:触媒C11の製造>
50質量%のセリアと30質量%のジルコニアと20質量%のNd23とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「CZN材G」と呼ぶ。
【0089】
3.3gのCZN材Gと116.7gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS20」と呼ぶ。
【0090】
60質量%のジルコニアと20質量%のセリアと20質量%のNd23とからなる複合
酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「ZCN材H」と呼ぶ。
【0091】
1.7gのZCN材Hと58.3gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS21」と呼ぶ。
【0092】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS20を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS21を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C11」と呼ぶ。
【0093】
なお、この触媒C11のNd23の含量は、基材の単位容積当り1.0g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0094】
<例12:触媒C12の製造>
50質量%のセリアと30質量%のジルコニアと20質量%のY23とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「CZY材I」と呼ぶ。
【0095】
3.3gのCZY材Iと116.7gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS22」と呼ぶ。
【0096】
60質量%のジルコニアと20質量%のセリアと20質量%のY23とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「ZCY材J」と呼ぶ。
【0097】
1.7gのZCY材Jと58.3gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS23」と呼ぶ。
【0098】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS22を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS23を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C12」と呼ぶ。
【0099】
なお、この触媒C12のY23の含量は、基材の単位容積当り1.0g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0100】
<例13:触媒C13の製造>
50質量%のセリアと30質量%のジルコニアと20質量%のLa23とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「CZL材K」と呼ぶ。
【0101】
3.3gのCZL材Kと116.7gのアルミナと1.5gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS24」と呼ぶ。
【0102】
60質量%のジルコニアと20質量%のセリアと20質量%のLa23とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「ZCL材L」と呼ぶ。
【0103】
1.7gのZCL材Lと58.3gのアルミナと0.5gのロジウムを含んだ硝酸ロジウム溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS25」と呼ぶ。
【0104】
次いで、スラリーS1の代わりにスラリーS24を使用し、スラリーS2の代わりにスラリーS25を使用したこと以外は、触媒C1について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C13」と呼ぶ。
【0105】
なお、この触媒C13のLa23の含量は、基材の単位容積当り1.0g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0106】
<例14:触媒C14の製造>
45質量%のセリアと25質量%のジルコニアと30質量%のPr611とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「CZP材M」と呼ぶ。
【0107】
CZP材Aの代わりにCZP材Mを使用したこと以外は、スラリーS3について述べたのと同様にして、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS26」と呼ぶ。
【0108】
55質量%のジルコニアと15質量%のセリアと30質量%のPr611とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「ZCP材N」と呼ぶ。
【0109】
ZCP材Bの代わりにZCP材Nを使用したこと以外は、スラリーS4について述べたのと同様にして、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS27」と呼ぶ。
【0110】
スラリーS3の代わりにスラリーS26を使用し、スラリーS4の代わりにスラリーS27を使用したこと以外は、触媒C2について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C14」と呼ぶ。
【0111】
なお、この触媒C14のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で30g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0112】
<例15:触媒C15の製造>
55質量%のセリアと42質量%のジルコニアと3質量%のPr611とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「CZP材O」と呼ぶ。
【0113】
CZP材Aの代わりにCZP材Oを使用したこと以外は、スラリーS3について述べたのと同様にして、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS28」と呼ぶ。
【0114】
65質量%のジルコニアと32質量%のセリアと3質量%のPr611とからなる複合酸化物を準備した。以下、この複合酸化物を「ZCP材P」と呼ぶ。
【0115】
ZCP材Bの代わりにZCP材Pを使用したこと以外は、スラリーS4について述べたのと同様にして、スラリーを調製した。以下、このスラリーを「スラリーS29」と呼ぶ。
【0116】
スラリーS3の代わりにスラリーS28を使用し、スラリーS4の代わりにスラリーS29を使用したこと以外は、触媒C2について述べたのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、この触媒を「触媒C15」と呼ぶ。
【0117】
なお、この触媒C15のプラセオジム含量は、基材の単位容積当り、Pr611換算で3g/Lであり、パラジウム含量は、基材の単位容積当り1.5g/Lであり、ロジウム含量は、基材の単位容積当り0.5g/Lであった。
【0118】
<排ガス浄化性能の評価>
触媒C1乃至C15について、排ガス浄化性能の評価を行った。
【0119】
まず、触媒C1乃至C15の各々について、6万kmの走行に相当する耐久試験を行った。次に、これらを0.7Lの排気量を有するエンジンを備えた実機車両に搭載した。続いて、この実機車両をJC08Cモード(コールドスタートによるJC08モード)及びJC08Hモード(ホットスタートによるJC08モード)で走行させ、各モードにおける非メタン炭化水素(NMHC)、CO及びNOXの排出量を測定した。そして、各モードで得られた排出量を次式に代入し、JC08モードによるNMHC、CO及びNOX排出量のコンバイン値を求めた。
【数1】
【0120】
ここで、EはJC08モードによる各排ガスの排出量のコンバイン値であり、ECはJC08Cモードによる各排ガスの排出量の測定値であり、EHはJC08Hモードによる各排ガスの排出量の測定値である。このようにして得られた各排ガスの排出量のコンバイン値を、下記表に纏める。
【表1】
【0121】
上記表に示す結果から、以下のことが明らかとなった。
【0122】
触媒C1乃至C9、C14及びC15は、触媒C10乃至C13と比較してより優れた排ガス浄化性能を示すことが分かった。
【0123】
触媒C1乃至C7と触媒C8乃至C10との比較により、触媒層のプラセオジム含量を、基材の単位容積当り、Pr611換算で0.2g/L乃至60g/Lとすることが好ましく、1.0g/L乃至20g/Lとすることが更に好ましいことが分かった。
【0124】
触媒C1乃至C3、C14及びC15と触媒C4との比較により、以下のことが分かった。即ち、担体がセリアとジルコニアとプラセオジム酸化物との複合酸化物を含んでいる場合、この複合酸化物に占めるプラセオジム酸化物の質量比を3質量%乃至30質量%の範囲内とすることにより、触媒の排ガス浄化性能を向上させ得ることが分かった。
【0125】
触媒C1と触媒C5との比較により、基材と触媒層との間にゼオライトからなる層を設けることによって、HC浄化性能を向上させられることが分かった。これは、ゼオライトが優れたHC吸着性能を有しているためであると考えられる。
【0126】
触媒C1と触媒C6との比較により、バリウム及びランタンを添加することによって、同等のHC浄化性能を維持しつつ、NOX浄化性能を向上させられることが分かった。
【0127】
触媒C1と触媒C7との比較により、セリア及びジルコニアと酸化プラセオジムとを複合化することによって、同等のNOX浄化性能を維持しつつ、HC浄化性能を向上させられることが分かった。
【0128】
また、触媒C1と触媒C11乃至C13との比較により、プラセオジム酸化物は、ネオジム酸化物、イットリウム酸化物及びランタン酸化物と比較して、排ガス浄化性能をより顕著に向上させられることが分かった。すなわち、排ガス浄化用触媒の排ガス浄化性能を向上させるための希土類酸化物として、プラセオジム酸化物が特に優れた性質を有していることが分かった。
【0129】
更なる利益及び変形は、当業者には容易である。それゆえ、本発明は、そのより広い側面において、ここに記載された特定の記載や代表的な態様に限定されるべきではない。従って、添付の請求の範囲及びその等価物によって規定される本発明の包括的概念の真意又は範囲から逸脱しない範囲内で、様々な変形が可能である。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
基材と、前記基材上に形成され、貴金属とプラセオジムとを含有している触媒層とを具備した排ガス浄化用触媒。
[2]
前記プラセオジムの含量は、前記基材の単位容積当り、Pr611換算で0.2g/L乃至60g/Lである項1に記載の排ガス浄化用触媒。
[3]
前記プラセオジムの含量は、前記基材の単位容積当り、Pr611換算で1.0g/L乃至20g/Lである項1に記載の排ガス浄化用触媒。
[4]
前記基材と前記触媒層との間に設けられ且つゼオライトを含有した層を更に具備した項2又は3に記載の排ガス浄化用触媒。
[5]
前記触媒層はバリウム及びランタンを更に含有している項2乃至4の何れか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
[6]
前記触媒層は、プラセオジム酸化物と前記プラセオジム酸化物以外の酸化物との複合酸化物を含んでいる項2乃至5の何れか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
[7]
前記複合酸化物はセリアとジルコニアとプラセオジム酸化物との複合酸化物であり、前記複合酸化物に占める前記プラセオジム酸化物の質量比は3質量%乃至30質量%の範囲内である項6に記載の排ガス浄化用触媒。
図1
図2