【文献】
"ドラゴンポーカー",「電撃ゲームアプリ Vol.6 アスキードットPC 2012年12月号増刊」,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2012年10月16日,第15巻,第19号,p.12-13,(特に、p.12左下の「ポーカーの要領で仲間と役を作れ!」の項,p.13上方の「「強化」でよりモンスターを強く!」の項)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の課題要素には、前記属性との対応関係の判別に関して、前記分類毎の評価結果からいずれの分類に基づく評価結果が使用されるべきかの観点から差別化された複数の種類が設定され、前記進行制御手段は、前記対応関係の判別に使用する評価結果の選択を、前記課題要素の前記種類に応じて変化させつつ前記複数の課題要素のそれぞれと前記評価結果としての属性との対応関係の有無を判別する請求項1に記載のゲームシステム。
前記課題要素の種類の組み合わせが異なる複数の課題要素の組が用意され、前記第2のゲーム制御手段は、前記複数の課題要素の組から、前記第2のゲームで使用されるべき課題要素の組を選択し、選択された課題要素の組に含まれる課題要素と前記評価結果としての属性との対応関係の有無を判別する請求項2に記載のゲームシステム。
前記第2のゲーム制御手段は、前記複数の課題要素のそれぞれを含んだゲーム画像を、各課題要素と前記ゲーム要素の前記属性との対応関係、及び、各課題要素の達成状況がユーザにより識別可能な態様で表示装置上に表示させる請求項2又は3に記載のゲームシステム。
前記第2のゲーム制御手段は、前記複数の課題要素としての複数のマスを所定の配列で並べたゲーム画像を、各マスと前記ゲーム要素の前記属性との対応関係、及び、各マスの達成状況がユーザにより識別可能な態様で表示装置上に表示させ、
前記進行制御手段は、達成済の課題要素のマスが前記ゲーム画像上で所定の配列を形成したか否かに基づいて、前記所定の課題が達成されたか否かを判別する請求項2又は3に記載のゲームシステム。
前記第1のゲーム制御手段は、前記第1のゲームにおけるユーザの行動として、該ユーザに前記ゲーム要素を選択させ、該ユーザが選択したゲーム要素の属性に応じた影響を反映してゲームが進行するように前記第1のゲームを制御し、
前記評価手段は、前記ユーザが選択した前記ゲーム要素が前記第1のゲームにて前記所定の影響を与えた場合に当該ゲーム要素を評価対象として設定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
前記第1のゲーム制御手段は、前記第1のゲームにおけるユーザ及びその対戦相手の行動として、前記ゲーム要素をユーザ及び対戦相手のそれぞれに選択させ、前記ユーザ及び前記対戦相手がそれぞれ選択したゲーム要素の属性に応じた影響を反映してゲームを進行させ、所定の影響を与えるゲーム要素を選択した者がゲームの勝者となるように前記第1のゲームを制御し、
前記評価手段は、前記ユーザが勝利した場合に、該ユーザの選択によって前記所定の影響を与えたゲーム要素を評価対象として設定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
前記第2のゲーム制御手段は、前記第2のゲームにて前記所定の課題が達成された場合、前記第1のゲームにて使用可能な特典を発生させる特典制御手段をさらに備えている請求項1〜9のいずれか一項に記載のゲームシステム。
前記第2のゲーム制御手段は、ユーザ及びその対戦相手のそれぞれが前記複数の判定ラインに対応付けて攻撃要素を配置し、同一の判定ラインに対応して配置されたユーザ及び対戦相手のそれぞれの攻撃要素のうち、いずれか一方の攻撃要素が他方の攻撃要素を攻撃し、その攻撃の効果に基づいて前記第2のゲームが進行するように当該第2のゲームを制御し、
前記進行制御手段は、前記第1のゲームにて前記ユーザが選択した判定ライン上でいずれかの役が成立した場合、当該ユーザが選択した判定ラインに対応して配置されたユーザの攻撃要素が、対戦相手の攻撃要素を攻撃するように前記判定ラインの選択についての評価結果と前記攻撃要素の選択とが対応付けられ、かつ、前記攻撃の効果が前記判定ライン上で成立した役に応じて変化するように前記役の評価結果と前記攻撃の効果とが対応付けられるように、前記評価手段の評価結
果に基づいて前記第2のゲームの進行を制御する請求項11又は12に記載のゲームシステム。
ゲームシステムに設けられたコンピュータを、第1のゲームを実行する第1のゲーム制御手段、及び前記第1のゲームと関連付けて第2のゲームを実行する第2のゲーム制御手段として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラムであって、
前記第2のゲーム制御手段を、
前記第1のゲームにおける所定の事項を複数の評価要素毎に評価する評価手段、及び
前記評価手段による評価要素毎の評価結果を所定の条件に従って選択的に使い分けつつ、選択された評価結果に基づいて前記第2のゲームの進行を制御する進行制御手段としてさらに機能させ、
前記第1のゲーム制御手段は、粗密が異なる複数の分類に従って区分可能な属性を有する複数のゲーム要素からいずれかのゲーム要素が選択され、選択されたゲーム要素の属性がゲームの経過又は結果に与える影響が前記属性に応じて差別化されるように前記第1のゲームを制御し、
前記第2のゲーム制御手段は、前記複数のゲーム要素の属性と対応関係が設定された複数の課題要素のそれぞれの達成状況に基づいて、所定の課題の達成の可否が決定されるように前記第2のゲームを制御し、
前記第1のゲームにて所定の影響を与えたゲーム要素が前記評価手段による評価対象として設定され、
前記評価手段は、前記評価対象のゲーム要素の属性を前記分類毎に分けて判別した結果を、前記評価要素毎の評価として特定し、
前記進行制御手段は、前記評価手段が特定した分類毎の評価結果を前記所定の条件に従って選択的に使用して、前記複数の課題要素のそれぞれと前記評価結果としての属性との対応関係の有無を判別し、該対応関係の存否に基づいて前記課題要素の達成状況を制御するように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームシステムにおいて、第2のゲームは、第1のゲームを繰り返しプレイするモチベーションをユーザに付与するための付加的なゲーム、あるいは特別なゲームとして位置付けられている。そのため、第2のゲームでは、ビンゴゲームのようにルールや進行状態が比較的理解し易い抽選形式のゲームが採用されることが多い。両ゲームの関連付けとしては、例えば第1のゲームのプレイ結果として、番号等の属性が付された多数の遊技媒体(一例としてボール)から一つの遊技媒体を選択し、選択された遊技媒体の属性と対応するビンゴカードのマスを有効化するといった単純な関係が設定されている。しかし、ボールの番号といった単純な属性を媒介として両ゲームを関連付けるだけでは、難易度やゲームの進行の多様性といったゲームの興趣に関連に影響する事項の調整が困難である。
【0005】
そこで、本発明は、第1のゲームと第2のゲームとの関連付けの設定の自由度を高め、それにより、ゲームに多様性を与え、あるいは難易度といったゲーム上の設定を比較的容易に調整することが可能なゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、第1のゲーム(例えばトランプゲーム)を実行する第1のゲーム制御手段(21;51)と、前記第1のゲームと関連付けて第2のゲーム(例えばビンゴゲーム、カードバトルゲーム)を実行する第2のゲーム制御手段(22;52)と、を具備し、前記第2のゲーム制御手段は、前記第1のゲームにおける所定の事項(例えばトランプゲームの上がりカード100S、役判定の対象となるカード201の群)を複数の評価要素(例えばマーク及び番号、カード201の配置及び成立した役)毎に評価する評価手段(24、25;54、55)と、前記評価手段による評価要素毎の評価結果を所定の条件に従って選択的に使い分けつつ、選択された評価結果に基づいて前記第2のゲームの進行を制御する進行制御手段(26;56)と、を備えたものである。
【0007】
また、本発明のゲームの制御方法は、第1のゲーム(例えばトランプゲーム)を実行する第1のゲーム工程と、前記第1のゲームと関連付けて第2のゲーム(例えばビンゴゲーム、カードバトルゲーム)を実行する第2のゲーム工程と、を具備するゲームの制御方法であって、前記第2のゲーム工程は、前記第1のゲームにおける所定の事項(例えばトランプゲームの上がりカード100S、役判定の対象となるカード201の群)を複数の評価要素(例えばマーク及び番号、カード201の配置及び成立した役)毎に評価する評価工程(S4、S5;S43、S45)と、前記評価手段による評価要素毎の評価結果を所定の条件に従って選択的に使い分けつつ、選択された評価結果に基づいて前記第2のゲームの進行を制御する進行制御工程(S6;S44、S46〜S53)と、を備えたものである。
【0008】
さらに、本発明のゲーム装置は、第1のゲーム(例えばトランプゲーム)を実行する第1のゲーム制御手段(21;51)と、前記第1のゲームと関連付けて第2のゲーム(例えばビンゴゲーム、カードバトルゲーム)を実行する第2のゲーム制御手段(22;52)と、を具備し、前記第2のゲーム制御手段は、前記第1のゲームにおける所定の事項(例えばトランプゲームの上がりカード100S、役判定の対象となるカード201の群)を複数の評価要素(例えばマーク及び番号、カード201の配置及び成立した役)毎に評価する評価手段(24、25;54、55)と、前記評価手段による評価要素毎の評価結果を所定の条件に従って選択的に使い分けつつ、選択された評価結果に基づいて前記第2のゲームの進行を制御する進行制御手段(26;56)と、を備えたものである。
【0009】
また、本発明のコンピュータプログラムは、ゲームシステム(1)に設けられたコンピュータ(10)を、第1のゲーム(例えばトランプゲーム)を実行する第1のゲーム制御手段(21;51)、及び前記第1のゲームと関連付けて第2のゲーム(例えばビンゴゲーム、カードバトルゲーム)を実行する第2のゲーム制御手段(22;52)として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム(31;61)であって、前記第2のゲーム制御手段を、前記第1のゲームにおける所定の事項(例えばトランプゲームの上がりカード100S、役判定の対象となるカード201の群)を複数の評価要素(例えばマーク及び番号、カード201の配置及び成立した役)毎に評価する評価手段(24、25;54、55)、及び前記評価手段による評価要素毎の評価結果を所定の条件に従って選択的に使い分けつつ、選択された評価結果に基づいて前記第2のゲームの進行を制御する進行制御手段(26;56)としてさらに機能させるように構成されたものである。なお、本発明のコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気記憶媒体、光学的記憶媒体等の各種の記憶媒体に記録されて提供されてよい。
【0010】
本発明によれば、第1のゲームにおける所定の事項が複数の評価要素毎に分けて評価され、それらの評価結果を条件に応じて使い分けながら、選択された評価結果に基づいて第2のゲームの進行が制御される。したがって、第2のゲームにおける一の局面では特定の評価要素の評価結果を選択し、その評価結果と関連付けてゲームの進行を制御し、他の局面では特定の評価要素の評価結果に代えて、又は加えて、他の評価結果を選択し、その評価結果に関連付けてゲームの進行を制御するといったように、第1のゲームにて評価されるべき事項と、第2のゲームの進行との関連性を、柔軟に、あるいは多様に変化させることができる。それにより、第1のゲームと第2のゲームとの関連性の設定の自由度を高め、ゲームに多様性を与え、あるいは難易度といったゲーム上の設定を比較的容易に調整することができる。
【0011】
本発明において、第1のゲームとしては適宜のゲームを実行することができる。ユーザの操作を主体として進行するゲームを第1のゲームとして実行してもよいし、ユーザの操作を補助的に参照し、あるいは参照することなく進行するゲームを第1のゲームとして実行してもよい。第1のゲームにおける「所定の事項」は、評価手段又は評価工程にて評価の対象となるべき事項であって、ゲームの結果として現れる事項、ゲームの途中に現れる事項、ゲームにおけるユーザやコンピュータの選択行動に起因して現れる事項等、種々の事項をその範疇に含む。また、「所定の事項」は、複数の評価要素に分けて評価することができるものである。評価要素は種々の観点から設定することができる。例えば、トランプゲームの上がりカードを「所定の事項」とした場合、トランプのカードをマーク及び番号に着目して分類し、それらの分類を評価要素と対応付けることにより、上がりカードを、マーク、及び番号に分けて評価することができる。麻雀における上がり牌(当り牌)の絵柄及び数字に着目しても同様である。トランプ、麻雀、スロットマシンゲームのような役作りの要素をもったゲームを第1のゲームとして実行する場合には、ユーザが上がった役に含まれる図柄や組み合わせ、役のランクといった観点から、第1のゲームにおける「所定の事項」としての上がり役を複数の評価要素に分けて評価することができる。第1のゲームが対戦型のゲームであれば、対戦の結果(勝敗の別や順位)に関する評価、対戦結果を決定付けたゲーム上の行動(例えば決め技)に関する評価といった観点から複数の評価要素毎の評価を得ることができる。ゲームの途中経過を考慮する場合には、例えばプレイ時間の長短、有効な行動を選択した回数といった観点から、ゲーム上の事項を複数の評価要素に分けて評価することができる。野球、サッカーといった団体スポーツをモチーフにしたゲームを第1のゲームとして実行する場合には、勝利したチーム、勝利に貢献した選手といった観点からゲーム上の所定の事項を複数の評価要素に分けて評価することができる。クイズゲームであれば、問題のジャンル、正答数といった観点で複数の評価要素に分けて評価することができる。競馬ゲームのようなレースゲームでは、育成した馬の出走回数、レース成績、獲得賞金額といった観点で複数の評価要素に分けて評価することができる。さらに、ゲームのプレイ中のユーザの操作の優劣を所定の基準に従って評価することも可能である。例えば音楽ゲームを第1のゲームとして実行する場合には、ユーザがプレイしたゲームの難易度、ユーザがクリアしたステージ、楽曲の数といった複数の観点から第1のゲームにおける所定の事項を複数の評価要素に分けて評価すればよい。
【0012】
本発明において、「評価」の用語は、評価対象とされた「所定の事項」を、第2のゲームにおける進行制御との関係において特定できる処理であれば足りる。その限りにおいて、分析、解析、採点、判別、特定、同定といった種々の用語で表現される処理が「評価」の語義の範疇に含まれる。評価要素毎の評価結果を使い分けるための「所定の条件」については適宜の設定が可能である。例えば、第2のゲームが進行している過程で各評価結果が選択的に使い分けられるように条件が設定されてもよいし、第2のゲームが終了する毎に、使用されるべき評価結果が切り替えられるように条件が設定されてもよい。評価要素毎の評価結果は、単独で使用されてもよいし、適宜に組み合わせて使用されてもよい。第1のゲームは、第2のゲームが進行する間に繰り返し実行されてもよいし、第1のゲームが進行する間にその途中で適宜評価が実行されて第2のゲームが繰り返されてもよい。もちろん、第1のゲームが一回実行されると第2のゲームも一回実行されるといった関係でもよい。第1のゲームにおける所定の事項に対する評価は、第1のゲームにて特定の状況が生じた場合(例えば、ユーザが第1のゲームで勝利した場合)に限って実行されてもよいし、第1のゲームが実行される場合には必ず評価が行われるものとしてもよい。
【0013】
本発明の一形態において、前記第1のゲーム制御手段は、粗密が異なる複数の分類(例えば、マークによる分類と番号による分類)に従って区分可能な属性を有する複数のゲーム要素(例えばトランプのカード100)からいずれかのゲーム要素が選択され、選択されたゲーム要素の属性(例えばマーク及び番号)がゲームの経過又は結果に与える影響が前記属性に応じて差別化されるように前記第1のゲームを制御し、前記第2のゲーム制御手段は、前記複数のゲーム要素の属性と対応関係が設定された複数の課題要素(例えばビンゴカード110のマス111)のそれぞれの達成状況(例えば有効無効の別)に基づいて、所定の課題(例えば所定本数のラインの完成)の達成の可否が決定されるように前記第2のゲームを制御し、前記第1のゲームにて所定の影響を与えたゲーム要素(例えば、トランプゲームにて「所定の影響」として上がりの結果をもたらしたカード100S)が前記評価手段による評価対象として設定され、前記評価手段は、前記評価対象のゲーム要素の属性を前記分類毎に分けて判別した結果を、前記評価要素毎の評価として特定し、前記進行制御手段は、前記評価手段が特定した分類毎の評価結果を前記所定の条件に従って選択的に使用して、前記複数の課題要素のそれぞれと前記評価結果としての属性との対応関係の有無を判別し、該対応関係の存否に基づいて前記課題要素の達成状況を制御するものとしてもよい。
【0014】
上記の形態においては、第1のゲームにおけるゲーム要素の属性が複数の分類によって区分可能であり、しかも分類には粗密が存在する。そのため、一の分類に従ってゲーム要素の属性を区分した場合と、他の分類に従ってゲーム要素の属性を区分した場合とでは、区分毎のゲーム要素の集合の数に相違が生じる。例えば、トランプのカード(ただし、ジョーカーを除く52枚)をマークの属性によって分類すれば4つの集合が生じ、番号の属性で分類すれば13個の集合が生じるごとくである。したがって、ゲーム要素の属性を分類毎に判別し、属性と第2のゲームの課題要素との間の対応関係の存否を判別した場合、その対応関係が存在する確率は、分類の粗密に応じて変化する。つまり、粗い分類に従って属性を評価した場合には、対応関係が存在する確率が相対的に高くなり、細かい分類に従って属性を評価した場合には、対応関係が存在する確率が相対的に低くなる。このように、どの評価要素に従ってゲーム要素の属性を評価したかによって、第1のゲームにおける特定のゲーム要素の属性と、第2のゲームにおける課題要素との間に対応関係が存在する確率が相違するため、評価結果を使い分けながら対応関係の有無を判別すれば、対応関係が存在する確率に応じて各課題要素が達成される確率も変化する。そのような確率の相違を利用すれば、第2のゲームの進行に緩急を与えることができる。それにより、第2のゲームの難易度を調整することができる。したがって、ゲームの難易度を変化させ、あるいは、第1のゲームと第2のゲームとの関連性を変化させるといったゲーム上の設定を、条件に応じて評価要素を使い分けるという比較的容易な操作、調整によって実現することができる。
【0015】
前記複数の課題要素には、前記属性との対応関係の判別に関して、前記分類毎の評価結果からいずれの分類に基づく評価結果が使用されるべきかの観点から差別化された複数の種類(例えば
図2のタイプA〜C)が設定され、前記進行制御手段は、前記対応関係の判別に使用する評価結果の選択を、前記課題要素の前記種類に応じて変化させつつ前記複数の課題要素のそれぞれと前記評価結果としての属性との対応関係の有無を判別してもよい。これによれば、課題要素の種類に応じて、対応関係が存在する確率が変化する。そのため、課題要素の種類に応じて評価要結果を選択するという比較的簡素な処理により、上述した作用効果を得ることができる。
【0016】
また、前記課題要素の種類の組み合わせが異なる複数の課題要素の組(例えば、
図3のステージ1〜5の複数のビンゴカード110)が用意され、前記第2のゲーム制御手段は、前記複数の課題要素の組から、前記第2のゲームで使用されるべき課題要素の組を選択し、選択された課題要素の組に含まれる課題要素と前記評価結果としての属性との対応関係の有無を判別してもよい。対応関係の判別においては、課題要素の種類に応じて対応関係が存在する確率が変化するため、課題要素の種類の組み合わせを変更すれば、その課題要素の組の全体が課題として達成される確率も、種類の組み合わせに応じて変化する。したがって、組み合わせが異なる複数の課題要素の組を用意して、いずれかの組を第2のゲームで選択すれば、その選択状況に応じて第2のゲームの難易度を変化させることができる。
【0017】
さらに、前記第2のゲーム制御手段は、前記複数の課題要素のそれぞれを含んだゲーム画像(例えばビンゴカード110の画像)を、各課題要素と前記ゲーム要素の前記属性との対応関係(例えばマーク及び番号の少なくともいずれか一方の属性との対応関係)、及び、各課題要素の達成状況(例えばビンゴカード110上の各マス111の有効無効の別)がユーザにより識別可能な態様で表示装置(13)上に表示させてもよい。これにより、第2のゲームの進行状況をユーザに容易かつ確実に把握させることが可能である。
【0018】
また、前記第2のゲーム制御手段は、前記複数の課題要素としての複数のマス(1119を所定の配列で並べたゲーム画像(例えばビンゴカード110の画像)を、各マスと前記ゲーム要素の前記属性との対応関係(例えばマーク及び番号の少なくともいずれか一方との対応関係)、及び、各マスの達成状況(例えばビンゴカード上の各マスの有効無効の別)がユーザにより識別可能な態様で表示装置(13)上に表示させ、前記進行制御手段は、達成済の課題要素のマスが前記ゲームオブジェクト上で所定の配列を形成したか否かに基づいて、前記所定の課題が達成されたか否かを判別してもよい。これによれば、ビンゴゲームのように、複数のマスのそれぞれを課題要素として、それらの課題要素を順次達成しつつ所定の配列の完成を最終的な課題として進行するゲームを第2のゲームとしてユーザに提供することができる。その第2のゲームの難易度等の設定を本発明に従って適宜に調整することにより、判り易くかつ多様性があって興趣に富むゲームをユーザに提供することができる。
【0019】
本発明の一形態において、前記第1のゲーム制御手段は、前記第1のゲームにおける前記ユーザの行動として、該ユーザに前記ゲーム要素を選択させ、該ユーザが選択したゲーム要素の属性に応じた影響(例えば、トランプゲームにおいてユーザが選択したカード100のマークや番号が与える影響)を反映してゲームが進行するように前記第1のゲームを制御し、前記評価手段は、前記ユーザが選択した前記ゲーム要素が前記第1のゲームにて前記所定の影響(例えば、トランプゲームにおける上がり)を与えた場合に当該ゲーム要素を評価対象として設定するものとしてもよい。これによれば、ユーザの第1のゲームにおける行動が当該第1のゲームに与えた影響に基づいて評価対象のゲーム要素が特定される。したがって、ユーザが第2のゲームの進行をも意識して第1のゲームの行動を選択するようになり、比較的簡単なゲームを第1及び第2のゲームとして採用した場合でも、両ゲームの相乗効果によりゲーム全体の興趣を高め、ゲームのプレイに対するユーザのモチベーションを向上させることができる。
【0020】
また、前記第1のゲーム制御手段は、前記第1のゲームにおける前記ユーザ及びその対戦相手の行動として、前記ゲーム要素をユーザ及び対戦相手のそれぞれに選択させ、前記ユーザ及び前記対戦相手がそれぞれ選択したゲーム要素の属性に応じた影響(例えば、トランプゲームにおいてユーザ及び対戦相手がそれぞれ選択したカードのマークや番号が与える影響)を反映してゲームを進行させ、所定の影響を与えるゲーム要素を選択した者がゲームの勝者となるように前記第1のゲームを制御し、前記評価手段は、前記ユーザが勝利した場合に、該ユーザの選択によって前記所定の影響を与えたゲーム要素を評価対象として設定するものとしてもよい。これによれば、ユーザが第1のゲームにおいて対戦相手に勝利することが、第2のゲームを進行させる要件となる。しかも、第1のゲームにおける勝利を決定付けたゲーム要素が第2のゲームを進行させるための評価対象となる。それにより、ユーザが第2のゲームの進行をも意識して第1のゲームの行動を戦略的に選択する必要が生じる。したがって、比較的簡単なゲームを第1及び第2のゲームとして設定しても両ゲームの相乗効果によりゲーム全体の興趣を高め、ゲームのプレイに対するユーザのモチベーションを向上させることができる。
【0021】
上記の形態においては、前記ユーザによる前記ゲーム要素の選択が、前記ユーザが所持する複数のゲーム要素から選択されてもよい。例えば、ユーザが所持するデッキ、持ち駒、キャラクタといったゲーム要素からユーザがゲームで使用するゲーム要素を選択するといったごとくである。さらに、前記第2のゲームにて前記所定の課題が達成されるまで前記第1のゲームの実行が繰り返し可能とされてもよい。これによれば、第2のゲームの課題が達成されるまで第1のゲームを繰り返しプレイするモチベーションをユーザに付与することができる。前記第2のゲーム制御手段は、前記第2のゲームにて前記所定の課題が達成された場合、前記第1のゲームにて使用可能な特典を発生させる特典制御手段(27、S9)をさらに備えてもよい。これによれば、第2のゲームにて付与された特典を第1のゲームで使用できるので、両ゲームの関連性をより強化して両ゲームの相乗効果を高めることが可能である。
【0022】
また、本発明の一形態において、前記第1のゲーム制御手段は、ユーザの選択に応じて前記第1のゲームを実行し、前記評価手段は、前記所定の事項として、前記ユーザの選択内容を前記複数の評価要素毎に評価するものとしてもよい。これによれば、第1のゲームにおけるユーザの選択内容を複数の観点から評価要素に分類して評価し、それらの評価結果を使い分けながら第2のゲームを進行させることにより、第1のゲームにて評価されるべき事項と第2のゲームの進行との関連性を、柔軟に、あるいは多様に変化させることができる。
【0023】
上記の形態において、前記第1のゲーム制御手段は、複数のゲーム要素に関するユーザの選択に応じて前記第1のゲームを実行し、前記評価手段は、前記第1のゲームの結果に影響を与えるユーザの前記ゲーム要素に関する選択を前記複数の評価要素毎に評価するものとしてもよい。これによれば、第1のゲームにおけるユーザの選択が当該第1のゲームの結果に影響を与えるのみならず、その選択に関する評価要素毎の評価の結果が第2のゲームの進行にも影響するようになる。
【0024】
さらに、前記評価手段による前記複数の評価要素には、ユーザが前記ゲーム要素をどのように選択したかに関する評価要素、及び前記ゲーム要素の選択が前記第1のゲームの結果にどのような影響を与えたかに関する評価要素の少なくともいずれか一方が含まれるものとしてもよい。これにより、ユーザが第1のゲームにてゲーム要素をどのように選択したか、あるいは、ゲーム要素の選択がどのような影響を第1のゲームに与えたか、を評価してその評価結果を第2のゲームの進行に反映させることができる。
【0025】
あるいは、前記第1のゲームでは、前記複数のゲーム要素として複数のカード(201)が用意され、前記評価手段は、ユーザが前記カードをどのように選択したかに関する評価要素、及び前記ユーザによる前記ゲーム要素の選択が前記第1のゲームの結果にどのような影響を与えたかに関する評価要素をそれぞれ評価するものとしてもよい。これによれば、ユーザが第1のゲームにてカードをどのように選択したか、及びそのカードの選択がどのような影響を第1のゲームに与えたか、を評価してそれらの評価結果を第2のゲームの進行に反映させることができる。
【0026】
ゲーム要素としてカードが用意された形態において、前記第1のゲーム制御手段は、複数の判定ラインが生じるように配置されたカード群から、ユーザにいずれかの判定ラインを選択させて当該判定ラインにさらにカードを配置させ、ユーザが選択した判定ライン上にて、前記ユーザが配置したカードを含む複数のカードにより、複数の役(例えばポーカーの役)のいずれかが成立したか否かが判定されるように前記第1のゲームを実行し、前記評価手段は、前記ユーザがいずれの判定ラインを選択してカードを配置したかを、前記カードをどのように選択したかに関する評価要素として評価するとともに、ユーザが選択した判定ライン上における役を、前記第1のゲームの結果にどのような影響を与えたかに関する評価要素として評価するものとしてもよい。これによれば、第1のゲームでユーザが判定ラインを選択してカードを配置したことによって役が成立した場合、カードがいずれの判定ラインに対して配置されたか、及びユーザのカードの配置によってどのような役が成立したか、がそれぞれ評価され、それらの評価結果に基づいて第2のゲームの進行が制御される。
【0027】
さらに、前記第2のゲーム制御手段は、ユーザ及びその対戦相手のそれぞれが前記複数の判定ラインに対応付けて攻撃要素(202)を配置し、同一の判定ラインに対応して配置されたユーザ及び対戦相手のそれぞれの攻撃要素のうち、いずれか一方の攻撃要素が他方の攻撃要素を攻撃し、その攻撃の効果に基づいて前記第2のゲームが進行するように当該第2のゲームを制御し、前記進行制御手段は、前記第1のゲームにて前記ユーザが選択した判定ライン上でいずれかの役が成立した場合、当該ユーザが選択した判定ラインに対応して配置されたユーザの攻撃要素が、対戦相手の攻撃要素を攻撃するように前記判定ラインの選択についての評価結果と前記攻撃要素の選択とが対応付けられ、かつ、前記攻撃の効果が前記判定ライン上で成立した役に応じて変化するように前記役の評価結果と前記攻撃の効果とが対応付けられるように、前記評価手段の評価結果に基づいて前記第2のゲームの進行を制御するものとしてもよい。これによれば、第1のゲームでユーザが判定ラインを選択してカードを配置したことによって役が成立した場合、カードがいずれの判定ラインに対して配置されたか、及びユーザのカードの配置によってどのような役が成立したか、がそれぞれ評価され、カードが配置された判定ラインに対応するユーザの攻撃要素が同一判定ライン上にある対戦相手の攻撃要素を攻撃し、かつ、成立した役に応じて攻撃の効果が変化するように第2のゲームの進行が制御される。
【0028】
なお、上述した各形態においては、前記第2のゲームにて前記所定の結果が得られるまで前記第1のゲームの実行が繰り返し可能とされてもよい。
【0029】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために、下記に説明する実施の形態の対応事項又は添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が下記の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0030】
以上に説明したように、本発明によれば、第1のゲームにおける所定の事項が複数の評価要素に分けて評価事項毎に評価され、それらの評価結果を条件に応じて使い分けながら、選択された評価結果に基づいて第2のゲームの進行が制御されるものとしたので、第1のゲームにて評価されるべき事項と、第2のゲームの進行制御との関連性を柔軟に、あるいは多様に変化させることができる。それにより、第1のゲームと第2のゲームとの関連付けの設定自由度を高め、ゲームに多様性を与え、あるいは難易度といったゲーム上の設定を比較的容易に調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1の形態)
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示している。本形態のゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、そのセンターサーバ2に対してネットワーク4を介して接続可能なクライアント装置としてのゲーム装置3とを含んだサーバ−クライアント型のゲームシステムとして構成されている。センターサーバ2は、複数のサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0033】
一方、ゲーム装置3は、ユーザにゲームをプレイさせる機能を備えたネットワーク端末装置の一種である。
図1では、ゲーム装置3の一例として、携帯電話(スマートフォンを含む。)が図示されている。パーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のネットワーク端末装置がゲーム装置3として利用されてよい。ネットワーク4は、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネットとLANとしてのイントラネットとを組み合わせてネットワーク4が構成される。
図1の例において、ゲーム装置3は、ネットワーク4の一部としてのアクセスポイント4aを介してネットワーク4に接続され、センターサーバ2はルータ4bを介してネットワークに接続されている。
【0034】
周知のゲームシステムと同様に、センターサーバ2は、ゲーム装置3に対してゲーム用のアプリケーションソフトウエアの配信、ユーザの登録あるいは認証、ゲームで使用するアイテム、背景画像、音楽といったコンテンツの無償又は有償の配信、ユーザ間の情報交換の媒介といった各種のサービスを提供する。この種のゲームシステムでは、ゲームの実行に必要なソフトウエアをクライアント装置上に実装し、ソフトウエアの更新や追加、あるいはオンライン対戦といったサーバの処理が必要な最小限の場合にのみクライアント装置がサーバにアクセスする方式、ゲームの実行時にクライアント装置をサーバに接続させ、ゲームを進行させるための演算処理をサーバ側にて実行し、クライアント装置には、ユーザの操作情報の入力やゲーム画面、楽音の出力といったインタフェース部分のみを担当させる方式等、サーバの利用形態に様々な方式が存在する。以下では、ゲーム用のソフトウエアがゲーム装置3に実装済であり、かつ、ゲーム装置3がセンターサーバ2に依存することなく単独でゲームを実行する場合を例に挙げて説明を続ける。
【0035】
次に、ゲーム装置3上で実行されるゲームの概要を
図2及び
図3により説明する。
図2に示したように、ゲーム装置3では、第1のゲームとしてのトランプゲームと、第2のゲームとしてのビンゴゲームとが実行される。トランプゲームでは、ユーザと、ゲーム装置3のコンピュータによって制御される仮想的な対戦相手としてのキャラクタとがプレイヤとなり、それらのプレイヤの間で所定のルールに基づいて対戦が行われる。その対戦では、ユーザ及びキャラクタに均等に所定枚数のカード100が配られる。カード100は本発明における第1のゲームのゲーム要素に相当し、そのカード100には属性としてマーク及び番号が設定され、その属性は、マークによる分類、番号による分類の2種類の分類によって区分可能である。
【0036】
カード100には、番号に応じた強弱が設定されている。一例として、最も弱いカードが「3」、次に弱いカードが「4」、以下同様に番号が増すほどカードが強くなり、「K」の次は「1」に戻って、「2」のカードが最も強い。簡単のため、ジョーカーは含まれないものとする。カード100が配られた後は、いずれかのプレイヤが親となり、その親が最初のカード100を場101に出す。次のプレイヤは、場101に出されたカード100よりも強いカード100を出し、その次のプレイヤは、直前に場に出されたカード100よりもさらに強いカード100を出す。強いカード100が手札に存在しないプレイヤは自己のターンをパスする。一方のプレイヤがカード100を出した後、他方のプレイヤがパスして元のプレイヤにターンが戻った場合、場101に出されたカード100が流され、そのプレイヤが手札から好きなカード100を出す。このようにしてゲームが進行し、手札が先になくなったプレイヤが勝ちとなる。このようなゲームは、「大富豪」又は「大貧民」といった名称で広く行われているトランプゲームの一種である。この種のゲームには様々なローカルルールが存在するが、基本的なルールが上記の通りであれば、ルールの細部は適宜に設定されてよい。
【0037】
ゲーム装置3のユーザがトランプゲームで勝利した場合、ユーザが最後に場に出したカード100が上がりカード100Sとなる。ビンゴゲームは、そのトランプゲームの上がりカード100Sの属性と関連付けて制御される。ビンゴゲームでは、ユーザに一枚のビンゴカード110が割り当てられる。ビンゴカード110は、一例として縦に4個、横に4個の合計16個のマス111を有している。各マス111には、トランプカード100に設定される属性としてのマーク(スペード、ハート、クラブ、ダイヤの4種類である。
)及び番号(1〜K)のいずれか一方、又は両者が割り当てられる。それにより、各マス111は本発明の第2のゲームにおける課題要素として機能する。各マス111には、トランプカード100の属性と対応関係が設定されている。ただし、その対応関係は、トランプカード100の属性の分類と関連付けて3種類に区別される。すなわち、マス111には、マークの属性のみと対応付けられるタイプA、番号の属性のみと対応付けられるタイプB、マーク及び番号の両者の属性と対応付けられるタイプCの3種類に区分される。
さらに、各マス111には、トランプカード100の属性との対応関係に従ってマーク又は番号、又はそれらの両者が設定される。一枚のビンゴカード110は、これらのタイプA〜Cからいずれか一つのタイプ、又は複数のタイプを適宜に配列して構成される。
図2に示したカード例1は、タイプA及びタイプBのマス111を適宜組み合わせて構成され、カード例2は、タイプCのマス111のみで構成されている。
【0038】
一般的なビンゴゲームでは、ビンゴのマスに割り当てられるべき番号の群からいずれか一つの番号が無作為に抽選され、当選した番号と同一のマスが有効化される。そして、ビンゴカードの縦、横又は対角線方向に配置された全てのマスが有効化されると、ビンゴ(ライン完成)となり、ビンゴゲームの上がりとなる。本形態では、その番号の抽選に代えて、トランプゲームがビンゴゲームにおける抽選として位置付けられ、ユーザがトランプゲームで勝利した場合に、その上がりカードを抽選結果として取得してビンゴカードの各マスの有効無効が判定される。その判定手順は次の通りである。まず、上がりカード100Sを、マーク及び番号の2種類の属性(評価要素)に分けて評価する。
図2の例では、ユーザの上がりカード100Sの属性がクラブの9であるため、マークの評価結果として「クラブ」が、番号の評価結果として「9」がそれぞれ得られる。次に、トランプカード100の属性とビンゴカード110の各マス111のタイプとの対応関係に従って、各マス111の有効無効を判定する。タイプAのマス111については、そのマークが上がりカード100Sのマークと一致していれば有効化され、タイプBのマス111については、その番号が上がりカード100Sの番号と一致していれば有効化される。タイプCのマス111については、マーク及び番号が、上がりカード100Sのマーク及び番号とそれぞれ一致している場合に限って有効化される。マス111の有効化により、第2のゲームにおける課題要素が達成される。
【0039】
上がりカード100Sに対する各マス111の有効無効の判定が終わると、次に有効化されたマス111によりラインが完成されたか否かが判定される。ラインが完成していなければ、同一のビンゴカード110がユーザに割り当てられたまま、次にユーザが勝利するまで再びトランプゲームが繰り返される。ユーザがトランプゲームで勝利すると、再び上がりカード100Sのマーク及び番号が評価され、その評価に基づいてビンゴカード110の各マス111の有効無効が判定される。以上のようにトランプゲームとビンゴゲームとが繰り返された結果として、ビンゴカード110上で所定本数のラインが完成すると、ユーザは特典を獲得することができる。特典としては、トランプゲームにおいてユーザが利用できるアイテムが用意されている。例えば、トランプゲームにて対戦相手として設定されるキャラクタの画像データ、ヴォイスデータ等が特典のアイテムとしてユーザに与えられる。ライン完成後は、さらなるラインの完成を目指して同一のビンゴカード110を利用したビンゴゲームが続行され、あるいは、別のビンゴカード110を利用してビンゴゲームが開始される。
【0040】
以上のように、トランプゲームの上がりカード100Sの属性、「マーク」及び「番号」の2つの分類毎に区別して評価し、分類毎の評価結果を単独で、又は組み合わせてビンゴゲームにおけるマス111の有効無効の判定に利用した場合、各マス111が有効化される確率は、タイプA〜C間で差別化される。すなわち、一枚の上がりカード100Sの評価結果に対して、タイプAのマス111が有効化される確率は1/4、タイプBのマス111のそれは1/13、タイプCのマス111のそれは1/52である。したがって、ビンゴゲームにてラインが完成する確率は、マス111のタイプの組み合わせに応じて適宜に変化する。タイプAのマス111が多いほどラインが完成する確率が高くなり、タイプCのマス111が多いほどラインが完成する確率が低下する。
図2において、カード例1にはタイプA又はタイプBのマス111しか存在せず、カード例2にはタイプCのマス111しか存在しない。したがって、カード例1ではライン完成の確率が相対的に高く、カード例2ではライン完成の確率が比較的低い。このような性質を利用してビンゴゲームの難易度を操作することができる。その一例を
図3に示す。
【0041】
図3では、ビンゴゲームにステージ1からステージ5までの難易度が用意されている。
ステージ1で使用されるビンゴカード110にはタイプAのマスのみが配置され、ステージ2で使用されるビンゴカードにはタイプA及びタイプBのマスが混ぜて配置され、ステージ3で使用されるビンゴカードにはタイプBのマスのみが配置され、ステージ4で使用されるビンゴカード110にはタイプB及びタイプCのマスが混ぜて配置され、ステージ5で使用されるビンゴカード110にはタイプCのマスのみが配置される。したがって、ラインが完成する確率は、高いものから並べれば、ステージ1、2、3、4、5の順となる。難易度で言えば、ステージ1が最も低く、以下ステージ番号に応じて難易度が順次上昇してステージ5で難易が最も高くなる。なお、ステージ1〜5のそれぞれには一枚のビンゴカードのみが用意される。ただし、ビンゴカード110におけるマスのタイプA〜Cの設定がステージに応じて上記の通り差別化されている限り、各ステージに複数枚のビンゴカード110が用意され、ユーザに対しては各ステージで一枚のビンゴカード110がランダムに、又はユーザの選択に応じて割り当てられてもよい。
【0042】
また、各ステージには、同一のビンゴカード110を対象としてミッション1〜ミッション3までの三つのミッションが用意される。ミッション1は、一本のラインを完成されることにより達成され、ミッション2は3本のラインを完成させることにより達成され、ミッション3は全てのラインを完成させることにより達成される。上述した特典は、ミッションが達成される毎にユーザに付与される。同一のビンゴカード110であっても、完成させるべきラインの本数が増えるほど、達成の難易度が上昇する。つまり、ビンゴゲームでは、難易度を変化させる手段として、ビンゴカード110の構成に応じた難易度の変化と、完成させるべきライン本数に応じた難易度の変化との2つの手段が併用されている。なお、
図3では、ミッション1及び2において完成したラインの位置をミッション間で同一位置に描いているが、これはあくまで便宜のためであり、ラインの本数が満たされる限りラインの位置はどこでもよい。
【0043】
ゲームを新規に開始する際にはステージ1のミッション1が課される。それが達成されると、ユーザの意思によりステージ1のミッション2へ進むか、又はステージ2のミッション1に進むかが選択可能である。ステージ1でミッション2までプレイしてステージ2のミッション1に進むことも、ステージ1のミッション3までプレイしてステージ2のミッション1へ進むこともできる。ステージ2と3の関係等も同様である。一つのステージで未達成のミッションを残したまま次のステージへと進んだ場合、その未達成のミッションを後に選択してプレイすることも可能である。なお、ステージとミッションとの関係は上記の例に限らず、同一ステージの全てのミッションが達成されると次のステージが許可されるものとしてもよい。また、一つのステージに一つのミッションのみが課されるなど、ステージ構成は適宜の変更が可能である。要するに、本形態の特徴は、ビンゴカードを構成するマスのタイプA〜Cの組み合わせを適宜に変更して難易度を変化させることにあり、ライン本数を利用した難易度変化は本発明における任意的な事項である。
【0044】
次に、
図4及び
図5を参照して、上述したトランプゲーム及びビンゴゲームを実現するためのゲーム装置3の具体的構成及び処理を説明する。
図4はゲーム装置3の制御系における機能ブロック図である。ゲーム装置3には、制御ユニット10と、記憶装置11とが設けられている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。記憶装置11は、例えば不揮発性半導体メモリや磁気記憶装置のように、電源を供給しなくとも記憶保持が可能な記憶装置であり、制御ユニット10に対する外部記憶装置として機能する。制御ユニット10には、ユーザの操作に対応した信号を出力する入力装置32、ゲーム画面等を表示出力する表示装置13、及びゲームの音楽等を再生出力する音声出力装置34が接続されている。
【0045】
記憶装置11には、上述したゲームをゲーム装置3上で実行するためのゲームプログラム31が記録される。制御ユニット10のコンピュータハードウエアとゲームプログラム31との組み合わせによって実現される論理的装置として、制御ユニット10には、トランプゲーム制御部21とビンゴゲーム制御部22とが設けられる。トランプゲーム制御部21はトランプゲームを制御し、ビンゴゲーム制御部22はビンゴゲームを制御する。ビンゴゲーム制御部22には、さらに、カード選択部23、マーク判別部24、番号判別部25、ゲーム判定部26及び特典管理部27が設けられる。カード選択部23は、ビンゴゲームで使用されるユーザのビンゴカード110を選択する。マーク判別部24は上がりカード100Sのマークを判別し、番号判別部25は上がりカード100Sの番号を判別する。ゲーム判定部26は、カード選択部23にて選択されたビンゴカード110の各マス111の有効無効をマーク判別部24及び番号判別部25の判別結果(評価結果に相当する。)に基づいて判定し、かつその判定結果を踏まえてミッション達成の有無を判別する。特典管理部27は、ミッション達成に応答して、ユーザに付与すべき特典を決定する。
【0046】
また、記憶装置11には、ゲームデータ32と、ユーザデータ35とが記録される。ゲームデータ32は、ゲームを実行するために必要なデータであり、例えばゲーム画面の背景やキャラクタ、トランプカード、ビンゴカード等の描画に必要な各種の画像データ、ゲームのBGM等の再生に必要なヴォイスデータ、キャラクタのセリフ等を表示するために必要なテキストデータといった各種のデータを含む。ビンゴゲームの特典として付与されるアイテムのデータもゲームデータ32に含まれる。さらに、ビンゴゲームの各ステージで使用されるべきビンゴカード110を特定するために必要なビンゴカードデータ33もゲームデータ32に含まれる。ビンゴカードデータ33は、ビンゴカード110の各マス111に配置されるべきマーク又は番号、あるいはその両者を指定するデータである。ビンゴカードデータ33はビンゴカード110毎に作成され、所定の管理情報(一例としてカード毎にユニークなビンゴカードID及び対応するステージを示す情報)を付してゲームデータ32に記録される。なお、ビンゴカード110は、1つのステージにつき最低1枚が用意されていればよい。
【0047】
一方、ユーザデータ35は、ユーザに前回の続きからゲームを再開させるために作成され、保存されるデータである。ユーザデータ35には、過去のトランプゲーム及びビンゴゲームのゲーム結果を記録したゲーム履歴データ36と、ユーザがビンゴゲームで獲得したアイテムを特定する情報を記録した獲得履歴データ37とが含まれる。ゲーム履歴データ36には、ユーザが過去に選択した全てのビンゴカード110の各マス111の有効無効を判別するデータが含まれる。例えば、ビンゴカードデータ33にビンゴカードIDが付されている場合には、ビンゴカードIDと、そのIDに対応するビンゴカード110上で有効化されているマス111の位置を示す情報とを対応付けて記録したデータがゲーム履歴データ36に格納される。カード選択部23は、ゲーム履歴データ36を参照することにより、過去にプレイされたビンゴカード110毎に各マス111の有効無効を区別することができる。ビンゴカードデータ33に記述された各ビンゴカード110のマス111の内容(マーク又は番号、あるいはそれらの両者)と、ゲーム履歴データ36に記録された各マス111の有効無効の区別とを参照することにより、ゲーム途中(つまり、各ステージのミッション1が開始された後)のビンゴカード110上の各マス111の状態を特定し、ゲーム途中のビンゴカード110の画像を、各マス111に付されたマーク、番号、又はマーク及び番号と、各マス111の有効無効とがユーザにより識別可能な態様で表示装置13に表示させることができる。ゲーム判定部26は、ビンゴカード110の有効無効、及びミッションの達成状況を判定すると、それらの判定結果が反映されるようにゲーム履歴データ36のビンゴゲームに関する情報を更新する。
【0048】
獲得履歴データ37には、特典として用意されているアイテム毎に、ユーザが獲得済か否かを判別する情報が記録される。例えば、ゲームデータ32にて利用可能なアイテムがアイテム毎にユニークなアイテムIDを付して管理されている場合、アイテムIDと、そのIDに対応するアイテムが獲得済か否かを判別する情報とが対応付けて獲得履歴データ37に記録される。特典管理部27は、ゲーム判定部26からミッション達成が伝えられると、獲得履歴データ37を参照してユーザが未だ獲得していないアイテムを判別し、それらのアイテム群から特典として付与すべきアイテムを所定の規則に従って付与し、その付与されたアイテムが獲得済として認識されるように獲得履歴データ37を更新する。
【0049】
トランプゲーム制御部21は、獲得履歴データ37を参照してユーザが獲得済のアイテムを判別し、トランプゲームにおいて獲得済のアイテム群、すなわち、キャラクタの画像やヴォイスの群から、トランプゲームにて使用されるべきアイテムを選択しトランプゲームにおけるキャラクタの画像やヴォイスに反映させる。なお、アイテムの獲得に関する規則は、一例として、ユーザが達成したミッションの難易度が高いほど、より高い価値を有するアイテム(価値の高低は希少性の大小等で評価してよい。)が付与されるように設定することができる。これにより、価値の高いアイテムほど獲得が困難となり、アイテムの獲得を、ゲーム継続のモチベーションの維持、向上に結び付けることができる。
【0050】
次に、ゲーム装置3の制御ユニット10がビンゴゲームを制御する手順を説明する。なお、トランプゲームはユーザが適宜に開始することができ、その進行は、乱数を利用してカードを分配し、ユーザとキャラクタとの間でターンを交代しつつ、ユーザのターンでは、ルールに反しない限りにおいて、ユーザの行動(カードを場に出すか、又はパス)をユーザに選択させ、キャラクタのターンでは所定の思考アルゴリズムに従ってキャラクタの行動を選択する、といった手順で制御すればよく、詳細な制御手順の説明は省略する。要するに、トランプゲームでは、現実のトランプゲームと同様にしてゲームを進行させればよい。
【0051】
トランプゲームにてユーザが勝利するとビンゴゲームが開始され、制御ユニット10のビンゴゲーム制御部22は、
図5の手順に従ってビンゴゲームを制御する。ビンゴゲームの制御が開始されると、まずカード選択部23がユーザに一枚のビンゴカード110を選択させる。すなわち、カード選択部23は、ゲーム履歴データ36を参照して各ステージのミッション達成状況を判別し、その判別結果に基づいてユーザがプレイ可能なステージを判別する。例えばステージ1のミッション1、2、ステージ2のミッション1が達成済で、他のミッションが未達成の場合、プレイ可能なステージはステージ1〜3である。さらに、カード選択部23は、プレイ可能なステージに対応するビンゴカード110の各マス111の内容をビンゴカードデータ33に基づいて判別するとともに、それらのビンゴカード110の各マス111の有効無効の状況をゲーム履歴データ36に基づいて判別し、それらの判別結果に従ってユーザが選択可能な各ビンゴカード110を全てのマス111の内容及び各マス111の有効無効を識別可能な態様で表示装置13に表示させ、ユーザの指示に従って一枚のビンゴカード110を選択する。ここで選択されたビンゴカード110を以下ではプレイ対象のビンゴカードと呼ぶことがある。次に、ビンゴゲーム制御部22は、ユーザが選択したビンゴカード110の画像を表示装置13上に表示させる(ステップS2)。その画像は、
図2に例示したビンゴカード110の形態を基本とし、有効化されているマス111と無効なマス111とを区別可能な態様で表示される。
【0052】
ビンゴカード110の表示後、マーク判別部24及び番号判別部25がトランプゲーム制御部21から上がりカード100Sの情報を取り込み(ステップS3)、続いてマーク判別部24が上がりカードのマークを、番号判別部25が上がりカードの番号をそれぞれ判別する(ステップS4及びS5)。カード選択部23にて選択されたプレイ対象のビンゴカードの情報及びマーク判定部24及び番号判別部25が判別した上がりカード100Sのマーク及び番号はゲーム判定部26に提供される。ゲーム判定部26は、取り込んだ情報に基づいて、プレイ対象のビンゴカード上の各無効マスが、今回の上がりカードのマーク及び番号の少なくともいずれか一方によって有効化されるべきか否かを検査し、条件が満たされたマスを有効化する(ステップS6)。次に、ゲーム判定部26は、マーク及び番号の判別結果を表示装置13のビンゴカード110上に表示させる(ステップS7)。例えば、ゲーム判定部26は、マス111が有効化される様子を示すアニメーションを表示装置13に表示させる。ステップS6にて、条件を満たすマス111が存在しない場合、有効化は行われず、ステップS7では今回のゲームに外れた旨が表示される。
【0053】
続いて、ゲーム判定部26は、プレイ対象のビンゴカード110上でミッションが達成されたか否かを判別する(ステップS8)。現在、ミッション1がプレイされている場合には、1本目のラインが今回の処理で完成したか否か、ミッション2がプレイされている場合には、3本目のラインが今回の処理で完成したか否か、ミッション3がプレイされている場合には、全てのラインが今回の処理で完成したか否かが判別される。
【0054】
ステップS8でミッション達成と判断された場合には、その達成が特典管理部27に通知され、特典管理部27が獲得履歴データ37を参照してユーザに付与すべき特典を選択する(ステップS9)。次に、特典管理部27は、ユーザに対してミッションが達成された旨を、表示装置13に表示させる(ステップS10)。このとき、特典管理部27は、ユーザが獲得した特典についても表示装置13に表示させる。続いて、ビンゴゲーム制御部22は、今回のビンゴゲームのプレイ結果をユーザデータ35に記録する(ステップS11)。この場合、プレイ対象のビンゴカードにおける各マスの有効無効を区別する情報がゲーム履歴データ36に記録され、ユーザに付与された特典としてのアイテムに関して獲得済を示す情報が獲得履歴データ37に記録される。なお、ステップS8でミッションが達成されなかったと判断された場合には、ステップS9及びS10の処理がスキップされてステップS11の処理が行われる。この場合には、プレイ対象のビンゴカードにおける各マスの有効無効を区別する情報がゲーム履歴データ36に記録される。ステップS11にてプレイ結果が記録された後、ビンゴゲーム制御部22は、今回の
図5の処理を終える。
【0055】
以上の形態においては、トランプゲーム制御部21が第1のゲーム制御部、ビンゴゲーム制御部22が第2のゲーム制御部にそれぞれ相当し、マーク判別部24及び番号判別部25の組み合わせが第2のゲーム制御手段における評価手段に相当し、ゲーム判定部26が第2のゲーム制御手段における進行制御手段に相当する。また、トランプゲームを実行する工程が第1のゲーム工程に、ビンゴゲームを実行する工程が第2のゲーム工程にそれぞれ相当し、
図5のステップS4及びS5が第2のゲーム工程における評価工程に、ステップS6が第2のゲーム工程における進行制御工程にそれぞれ相当する。
【0056】
(第2の形態)
次に、本発明の第2の形態を説明する。本形態は、第1のゲーム及び第2のゲームの内容を変更したものであって、システムのハードウエア構成は第1の形態と共通である。したがって、以下では、第1の形態との相違点を中心に説明し、第1の形態と共通する部分は
図1又は
図4と同一の参照符号を使用してそれらの説明を適宜省略する。
【0057】
図6は、第2の形態においてゲーム装置3上で実行されるゲームの概要を示している。本形態において、ゲーム装置3では、第1のゲームとしてのトランプゲームと、第2のゲームとしてのカードバトルゲームとが実行される。トランプゲームでは、ゲーム装置3のユーザと、その対戦相手とがプレイヤとなり、それらのプレイヤの間でポーカーを応用した所定のルールに基づいてターン制でゲームが進められる。また、カードバトルゲームでは、トランプゲームで対戦している各プレイヤが、自己のバトル用カード(攻撃要素に相当する。)から所定枚数、一例として4枚、のバトル用カードをデッキとして出し合い、ターン制で各プレイヤの攻撃主体のカードが相手側の攻撃対象のカードを攻撃するといった手順でゲームが進められる。バトル用カードは、トランプカードとは異なるカードであって、例えばゲームに登場するキャラクタを図示するカードとして構成される。バトル用カードには、攻撃力、防御力、ヒットポイント(HP)といった各種の能力値が設定されている。なお、対戦相手は、実在するユーザ、つまりネットワーク5を介して接続された他のゲーム装置3のユーザでもよいし、ゲーム装置3のコンピュータによって制御される仮想的なキャラクタであってもよい。仮想的なキャラクタを対戦相手とする場合、そのパラメータ等は、実在する他のユーザに対応付けられたキャラクタデータ、つまり他のユーザのゲームのプレイ状況等に応じて更新されたユーザ固有のキャラクタデータに基づくものであってもよい。以下では、他のゲーム装置3の実在するユーザが対戦相手として選択されるものとして説明を続ける。
【0058】
トランプゲームにおける対戦では、ゲーム画面に場200が表示される。場200は、5行4列のマトリクス状に配置されたセル200aを含む。以下では、左右方向に並ぶセル200aをセル行、上下方向に並ぶセル200aをセル列と呼ぶことがある。中央のセル行及びその上下のセル行の各セル200aには、ゲーム装置3のコンピュータがランダムに選択したトランプカード201が配置される。また、最下段のセル行のさらに下には、ゲーム装置3のユーザに配られたカード(手札)として、4枚のカード201が表示される。一方、最上段のセル行のさらに上には、対戦相手に配られたカードとして、4枚のカード201が表示される。なお、
図6では、ユーザに対して表示されるゲーム画面内にて、対戦相手に配られた4枚のカード201の全ての内容が表示されているが、対戦相手のカード201の一部又は全部がユーザに対して隠されてもよい。また、
図6ではセル200aを破線にて示しているが、それらの破線はゲーム画面に表示されてもよいし、表示されなくてもよい。要するに、セル200aは場200に論理的に存在していれば足り、セル200aをユーザに把握可能な態様で表示するか否かは適宜に設定されてよい。
【0059】
ユーザのターンにおいて、ユーザは場200の中から1つのセル列を選択し、選んだセル列の上端及び下端のセル200aに、自己のカード201から2枚のカード201を選んで配置する。カード201が配置されると、ユーザが選択したセル列にある5枚のカード201、つまり、ユーザが配置した2枚のカード201と、セル列上に配置されている3枚のカード201とによって、ポーカーのいずれかの役が成立しているか否かが判別される。つまり、第2の形態におけるトランプゲームでは、判定ラインとしての4本のセル列のそれぞれに3枚ずつカード201が配置され、ユーザにいずれかの判定ラインを選択させてその判定ライン上に2枚のカード201をデッキから配置させ、ユーザが配置したカード201を含む5枚のカード201の中でポーカーの役が成立しているか否かが判別される。役が成立していなければ、対戦相手のターンとなり、対戦相手が同様にしてセル列を選んでその上下端のセル200aにカード201を配置する。ユーザ又はその対戦相手のいずれかのターンにて役が成立すると、場200に新たにカード201が配置されるとともに、ユーザ及び対戦相手に新たな手札のカード201が配られる。このようにしてトランプゲームは、ユーザと対戦相手とがターンを交代しながら、ポーカーの役の成立を目指してゲームが進められる。なお、トランプゲームでは、一回のターンにて、いずれか一つのセル列でポーカーのいずれかの役を必ず成立させることを条件としてゲームが進められてもよいしが、一回目のターンで一つのセル列を選んでカード201を配置し、次のターンで異なるセル列を選んでカード201を配置して2列分のカード201で役を成立させるといったように、複数回のターンを総合して役を成立させることができるようにトランプゲームの進行が制御されてもよい。
【0060】
一方、カードバトルゲームでは、上述した場200において、トランプゲームのカード201に代えて、ゲーム装置3のユーザが選択した4枚のバトル用カード202が場200の左右方向に並んだ状態でユーザ側に配置され、対戦相手が選択した4枚のバトル用カード202が同じく左右方向に並んだ状態で対戦相手の側に配置される。場200におけるカード202の配置は、トランプゲームにおける判定ライン(つまりセル列)にそれぞれ対応付けられる。つまり、左端のカード202は左端の判定ラインに対応し、以下同様にカード202の左右方向における位置が各判定ラインの位置と対応関係にある。なお、
図6では判定ラインを想像線にて示すが、判定ラインはゲーム画面に表示されてもよいし、表示されなくてもよい。各カード202をどのような順序でセル200aに配置するかはユーザ及び対戦相手が適宜に選択可能とされてもよいし、ユーザ及び対戦相手がそれぞれ所持するカード202から、自動的に配置されてもよい。判定ラインの設定、及び判定ラインと攻撃主体、攻撃対象のカード202との対応関係は一例であり、他にも種々の設定が可能であるが、この点は後述する。
【0061】
カードバトルゲームにおけるゲーム画面の上下端には、ユーザ及びその対戦相手のそれぞれのHPを示すHP表示部203が表示される。HPには、カード202ごとに設定された個別HPと、セル行に配置された4枚のカード202の個別HPを合算した合計HPとが存在する。各カード202の個別HPは、相手側のカード202から攻撃を受けると所定量削減され、その削減に伴って合計HPも減少する。HP表示部203には、カードバトルゲームを開始した時点における4枚のカード202の合計HP(初期値)と、削減された後の合計HP(現在値)との比率が、数値及びゲージにて表示される。図示例では、ゲーム装置3のユーザに関して、合計HPの初期値が498、現在値が293であるため、数値比として“293/498”が表示されるとともに、ゲージ量が初期値498に対する現在値293の比率がゲージ長さに置き換えられて表示されている。対戦相手に関しては合計HPの初期値が525、現在値が121である。
【0062】
カードバトルゲームにおける攻撃は、ターン制で行われる。ユーザのターンにおいては、ユーザが配置した4枚のカード202のうち、一枚のカード202が攻撃主体として選択される。その攻撃主体と左右方向の同一位置(つまり、上下方向に対向する位置)に配置された対戦相手のカード202が攻撃対象として選択される。攻撃が行われると、攻撃対象のカード202の個別HPが一定の計算式に従って削減され、それに伴って合計HPの現在値も減少する。ユーザ又は対戦相手のいずれか一方の合計HPの現在値が0以下まで減少すると、その時点でカードバトルゲームが終了し、合計HPの現在値が0以下となった側が敗者となる。なお、ユーザが使用可能なカード202は、カードバトルゲームのプレイ履歴に応じて増減されてもよいし、有償又は無償の抽選処理を通じてユーザが新たにカード202を獲得し、あるいは新たなカード202を使用する権利を獲得するといった処理が行われてもよい。
【0063】
上記のカードバトルゲームの進行は、トランプゲームにおける各ターンの評価結果に基づいて制御される。図示の例では、カードバトルゲームにおける攻撃主体及び攻撃対象の決定と、攻撃の効果(HP削減量の演算)とが、トランプゲームの各ターンにおけるユーザ又は対戦相手のカード201の選択と関連付けて制御される。具体的には、トランプゲームにてカード201が配置されたセル列と、それらのカード201が配置された結果(役の内容)とに関連付けてカードバトルゲームの進行が制御される。その関連付けを具体例に基づいて説明する。
【0064】
いま、トランプゲームにおいて、ゲーム装置3のユーザがカード201を左端のセル列に配置し、その結果として当該セル列上の5枚のカード201内でツーペアの役が成立したものとする。この場合、トランプゲームの結果に影響を与えるユーザのカード201に関する選択、すなわち、ユーザが一つのセル列に2枚のカード201を配置したことによって選択された5枚のカード201を「所定の事項」として、当該事項が、カード201が配置されたセル列の左右方向における位置(セル列の配置)、及びそのセル列における役の内容、の2つの評価要素毎に評価される。そして、ポーカーの役が成立していた場合、そのターンにおける選択に対する評価結果に基づいてカードバトルゲームの攻撃主体、攻撃対象及びHP削減量が決定される。図示の例では、左端から1列目の判定ライン(セル列)にカード201が配置されたため、「左端から1列目」として評価される。その評価結果に対応して、カードバトルゲームにおいては、左端から1列目の判定ラインに対応する位置、つまり左端に配置されたカード202が攻撃主体及び攻撃対象としてそれぞれ決定される。
【0065】
一方、役に関する評価結果は、攻撃の効果であるHP削減量の演算に利用される。図中にも示したように、一回の攻撃におけるHPの削減量は、攻撃主体のカード202に設定された攻撃力から、攻撃対象のカード202に設定された防御力を差し引いた値に、成立した役に応じた係数を乗じることにより求められる。係数は、ポーカーの役の強さに応じて設定される。つまり、役が強いほど、係数も大きく設定される。したがって、強い役が成立すればHP削減量が大きくなり、弱い役が成立すればHP削減量が小さくなる。以上のように、本形態のゲームシステム1では、トランプゲームの各ターンの選択内容、より詳しくはカード201に関するユーザの選択(つまり、いずれかのセル列にいずれかのカード201を配置して5枚のカード201の組み合わせを選択すること)が「所定の事項」として設定され、カード201をどのように選択したか(カード201がどのように配置されたか)、及びその選択がトランプゲームにどのような影響を与えたか(どのような役が成立したか)という2つの評価要素毎に評価される。そして、カード201の配置を攻撃主体及び攻撃対象に対応付ける一方で、役の内容(強さ)を攻撃の効果であるHP削減量の演算における係数に対応付けるという条件に従って評価結果を使い分けつつ、それらの評価結果に基づいてカードバトルゲームの進行が制御される。なお、上記では、ポーカーの役が強いほど係数が増加して攻撃の効果(HP削減量)も増大するものとしたが、役と攻撃の効果との対応関係は上記の例に限らない。例えば、役と攻撃の効果との間にランダムな要素が含まれてもよい。この場合、攻撃の効果を抽選で決定する処理を追加するとともに、その抽選処理にて相対的に大きな効果が引き当てられる確率を役の強さに応じて変化させるといった関係を設定することにより、役に応じて攻撃の効果を制御することができる。他にも、役と効果の関係については適宜の変形が可能であるが、この点は後述する。
【0066】
次に、
図7〜
図9を参照して、上述したトランプゲーム及びカードバトルゲームを実現するためのゲーム装置3の具体的構成及び処理を説明する。
図7はゲーム装置3の制御系における機能ブロック図である。本形態におけるゲーム装置3の制御系は、
図4に示した第1の形態における構成と比較して以下の点が相違する。まず、第1のゲーム制御手段として、上述した内容のトランプゲームを実行するためのトランプゲーム制御部51が設けられる。また、第2のゲーム制御手段として、
図4のビンゴカード制御部22に代えて、上述した内容のカードバトルゲームを実行するためのカードバトルゲーム制御部52が設けられる。カードバトルゲーム制御部52には、ユーザからの指示に従って場200におけるカード202の配置を選択するデッキ選択部53と、トランプゲームの各ターンにおけるカード201の配置を判別する配置判別部54と、トランプゲームの各ターンにおける役の内容(成立しない場合も含む。)を判別する役判別部55と、デッキ選択部53、配置判別部54、及び役判別部55から取得した情報に基づいてカードバトルゲームの進行を制御するゲーム進行制御部56とが設けられる。
【0067】
また、記憶装置11には、上述したトランプゲーム及びカードバトルゲームを実行するためのゲームプログラム61及びゲームデータ62が記録されるとともに、ユーザに前回の続きからカードバトルゲームを再開させるためのユーザデータ63が記録される。ユーザデータ63には、例えばユーザが獲得し、あるいはユーザが使用可能なカード202の種類、及びそれらのカード202に設定された攻撃力、防御力、HP等の各種の能力値が記録される。カード202の能力値は、ゲームの進度等に応じて変更されてもよいし、一定値に固定されてもよい。
【0068】
図8は、トランプゲーム制御部51がトランプゲームを制御するために実行するトランプゲーム制御処理の手順を示し、
図9は、そのトランプゲームの制御と関連付けてカードバトル制御部52が実行するカードバトルゲーム制御処理の手順を示している。ユーザがゲーム装置3に対してゲームの開始を指示すると、トランプゲーム制御部51は
図8の処理を開始する。なお、当該処理に関連して、実在のユーザを対戦相手として設定する場合には、センターサーバ2によるマッチングが行われるが、その手順は周知のマッチング手法と同様でよく、説明を省略する。また、実在のユーザ同士が対戦する場合、いずれか一方のユーザのゲーム装置3がマスター機となってゲームの進行を制御し、他方のゲーム装置3はユーザの操作を取得してマスター機のゲーム装置3に提供し、そのゲーム装置3からゲームの演算制御の結果を取得してゲーム画面等を表示するスレーブ機として機能する。
図8及び
図9の処理はマスター機のゲーム装置3における処理を示すものである。ただし、センターサーバ2を介して対戦が進行するものとしてもよく、その場合、センターサーバ2がゲームの進行に関連する演算処理を行ってもよい。
【0069】
図8のトランプゲーム制御処理を開始すると、トランプゲーム制御部51はまずユーザ及び対戦相手の先攻、後攻を決定し(ステップS21)、続いて、場200に12枚のカード201を配置する(ステップS22)。その後、トランプゲーム制御部51は、ユーザ及びその対戦相手にカード201を配置し(ステップS23)、続いて自機のユーザのターンか否かを判別する(ステップS24)。ユーザのターンであればトランプゲーム制御部51はステップS25に進み、ユーザの指示に従ってカード201が配置されるべきセル列及びそのセル列の上下端のセル200aに配置されるべきカード201を決定する。その後、トランプゲーム制御部51は、カード201が配置されたセル列を判定ラインとして、その判定ライン上の5枚のカード201内におけるポーカーの役を判別し(ステップS26)、その判定結果をカードバトルゲーム制御部52に提供して
図9の処理に利用させる(ステップS27)。その後、トランプゲーム制御部51は、カードバトルゲーム制御部52からカードバトルゲームの終了が通知されたか否かを判別する(ステップS28)。終了が通知されていれば、
図8の処理は終了する。
【0070】
一方、ステップS28で終了が通知されていない場合、トランプゲーム制御部51は、ユーザ及びその対戦相手の間でターンが一巡したか否かを判別し(ステップS29)、一巡していればステップS22に、一巡していなければステップS24へと戻る。ステップS24にて、自機のユーザのターンではないと判断された場合、トランプゲーム制御部51はステップS30に進み、対戦相手のゲーム装置3から、その対戦相手が指定したカード201の配置(セル列)及びそのセル列の上下端のセル200aに配置されたカード201を取得し、その後、ステップS26へと進む。なお、ステップS29の処理により、ターンが一巡する毎に場200に配置されるカード201、並びに、ユーザ及びその対戦相手に配置されるカード201が更新されるものとしたが、それらの更新は何らかの役が成立する毎に行われてもよい。なお、上記では、ユーザ及びその対戦相手に対して同時にデッキのカード201が配置されるものとしたが、ユーザのターンではユーザにのみカード201が配置され、対戦相手のターンでは対戦相手にのみカード201が配置されるものとしてもよい。
【0071】
図8のトランプゲーム制御処理が開始されると、カードバトルゲーム制御部52は並行して
図9のカードバトルゲーム制御を開始する。なお、
図9の処理は、ステップS43及びステップS45を除いてゲーム進行制御部56が実行する。カードバトルゲーム制御処理において、カードバトルゲーム制御部52は、まず、場200にデッキとして配置すべきカード202をユーザ及び対戦相手に選択させる(ステップS41)。この処理は、例えばトランプゲームの開始に先立ってカードバトルゲームの画面を表示させ、ユーザ及びその対戦相手の指示を取得することにより実行される。ただし、上述したように、デッキの選択はユーザ及びその対戦相手の指示を考慮せず、自動的に実行されてもよい。カード202が配置されると、カードバトルゲームの画面からトランプゲーム画面へと表示が切り替えられる。デッキ配置の決定後、カードバトル制御部52は、トランプゲーム制御部51にてポーカーの役が成立したか否かを判別し(ステップS42)、成立していなければその判断を繰り返す。ポーカーの役が成立すると、カードバトルゲーム制御部52は、カードバトルゲームの画面を表示させてステップS43以下の処理に進む。
【0072】
ステップS43に進むと、カードバトルゲーム制御部52は、カード201が配置されたセル列を配置判別部54によって判別し、その判別結果に従って攻撃主体のカード202及び攻撃対象のカード202を決定する(ステップS44)。この場合、ユーザのターンであれば、ステップS43で判別したセル列に対応する位置に配置されたユーザのカード202が攻撃主体となり、その攻撃対象のカード202と上下方向に向かい合うように配置された対戦相手のカード202が攻撃対象となる。ユーザのターンではない場合にはその逆である。ただし、攻撃主体及び攻撃対象のカード202の決定がこのような手法に限らないことは上述した通りである。続いて、カードバトルゲーム制御部52は、カード201が配置されたセル列上で成立した役を役判別部55によって判別し(ステップS45)、その判別結果に従ってHP削減量を演算する(ステップS46)。HP削減量の演算は
図6で説明した通りである。
【0073】
HP削減量の演算後、カードバトルゲーム制御部52は、ステップS47に進み、トランプゲームにおいて、現在、ユーザのターンか否かを判別する(ステップS47)。ユーザのターンであった場合、カードバトルゲーム制御部52は、対戦相手の合計HPの現在値からステップS46で演算したHP削減量を削減し(ステップS48)、削減後の対戦相手の合計HPの現在値が0以下か否かを判別する(ステップS49)。一方、ステップS47にて対戦相手のターンであった場合、カードバトルゲーム制御部52は、自機のユーザの合計HPの現在値からステップS46で演算したHP削減量を削減し(ステップS50)、削減後のユーザの合計HPの現在値が0以下か否かを判別する(ステップS51)。ステップS49又はS51が否定判断された場合、カードバトルゲーム制御部52は、ゲーム画面を再びトランプゲーム画面へと切り替えてステップS42に戻る。
【0074】
ステップS49にて肯定判断がなされた場合、カードバトルゲーム制御部52はステップS52に進み、自機のユーザがカードバトルゲームに勝利したものとして、カードゲームバトルを終了させるための所定の処理を実行する。一方、ステップS51にて肯定判断がなされた場合、カードバトルゲーム制御部52はステップS53に進み、自機のユーザがカードバトルゲームに敗北したものとして、カードゲームバトルを終了させるための所定の処理を実行する。なお、ステップS52又はS53の処理内容は適宜に設定してよい。一例として、勝者に対して、一定の特典を発生させ、あるいは、敗者に対して一定のペナルティを課すといった処理を行うことができる。特典は、カード202の能力値を増加させ、あるいは新たなカード202を獲得させるといった内容に設定することができる。一方、ペナルティとしては、カード202の能力値を減少させ、あるいはカード202を没収するいった内容に設定することができる。ステップS52又はS53の処理が完了すると、カードバトルゲーム制御部52はトランプゲーム制御部51にゲーム終了を通知し(ステップS54)、その後、カードバトルゲーム処理を終える。ステップS54の通知は
図8のステップS28に反映される。つまり、第2のゲームであるカードバトルゲームにて、所定の結果としての勝敗が決するまで、第1のゲームであるトランプゲームが繰り返されることになる。
【0075】
なお、上記の処理では、ユーザ又はその対戦相手の合計HPが0以下になるまでゲームが繰り返されるものとしたが、ターンの回数又はゲームの経過時間に制限を設定し、その制限に達した時点で合計HPの現在値を大小比較して、大きい側が勝者、小さい側が敗者となるようにゲーム制御が変更されてもよい。
【0076】
以上の形態では、トランプゲーム制御部51が第1のゲーム制御手段、カードバトルゲーム制御部52が第2のゲーム制御手段にそれぞれ相当し、配置判別部54及び役判別部55の組み合わせが第2のゲーム制御手段における評価手段に相当し、ゲーム進行制御部56が進行制御手段に相当する。また、トランプゲームを実行する工程が第1のゲーム工程に、カードバトルゲームを実行する工程が第2のゲーム工程にそれぞれ相当し、
図9のステップS43及びS45が第2のゲーム工程における評価工程に、ステップS44、S46〜S53が第2のゲーム工程における進行制御工程にそれぞれ相当する。
【0077】
本発明は上述した形態に限ることなく、適宜に変更された形態にて実施することが可能である。例えば、上記の形態では、サーバ−クライアント型のゲームシステムにおいて、第1のゲーム及び第2のゲームを実現するための演算制御が、クライアント装置としてのゲーム装置にて実行されるものとしたが、第1のゲームの演算制御をクライアント装置にて実行し、第2のゲームの演算制御をサーバ装置が実行するゲームシステム、第1のゲーム及び第2のゲームの両者の演算制御をサーバ装置が実行するゲームシステムにも本発明は適用できる。あるいは、第1のゲーム又は第2のゲームの少なくともいずれか一方のゲームの演算制御を、サーバ装置とクライアント装置とが協働して実行するゲームシステムにも本発明は適用可能である。すなわち、本発明の第1のゲーム制御手段及び第2のゲーム制御手段は、サーバ−クライアント型のゲームシステムに含まれる適宜のコンピュータにより実現することができる。さらに、本発明は、サーバ−クライアント型のゲームシステムに限定されることなく、ネットワークに接続されないいわゆるスタンドアローン型のゲーム装置にも適用できる。この場合、ゲーム装置それ自身が単独で本発明のゲームシステムとして機能する。
【0078】
本発明において、第1のゲームとしては、上述した例に限らず、ポーカー、ブラックジャックといった各種のトランプカードゲーム、将棋、チェス等のボードゲーム、アクションゲーム、格闘ゲーム、レースゲーム、パズルゲーム、アドベンチャーゲーム、スポーツゲーム、音楽ゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、その他の各種のゲームを第1のゲームとして採用することができる。第1のゲームにおいて評価されるべき対象は、上述したトランプゲームの上がりカード、あるいはトランプゲームにおけるユーザの選択内容に限定されず、第1のゲームにて現れる各種の事項を評価対象として設定し、その評価対象を複数の評価要素に分けて評価してよい。第1のゲームは、ユーザにゲーム上の行動を選択させる例に限らず、例えばスロットマシンの絵柄合せのゲーム、ビンゴのボールを抽選するゲーム、ルーレットゲームのように、所定の抽選処理を繰り返し実行するものでもよい。その場合でも、抽選された役や媒体の属性を複数の評価要素に分けて評価して第2のゲームの進行制御に関連付けることができる。評価要素は第1のゲームにて生じ得る種々の観点で選択することができ、ゲームの結果を複数の評価要素に分けて評価する例に限らない。
【0079】
また、第1のゲームにおけるユーザの選択内容を所定の事項として設定して評価要素毎に評価する場合、第1のゲームにてユーザに選択肢として与えられる種々の事項を複数の評価要素毎に評価することができる。第2の形態では、ユーザがポーカーの役を成立させた場合、ユーザが配置したカード201を含む5枚のカード201を所定の事項として設定し、その選択を、いずれのセル列にカード201を配置して5枚のカード201をどのように選択したかの観点と、その選択が与えた影響としてどのような役が成立したか、の観点から評価しているが、ユーザの選択を複数の評価要素毎に評価する場合には、様々な設定が可能である。例えば、ユーザが第1のゲームとしてのトランプカードにてゲームに上がる、勝利するといった所定の状態に達したときのユーザの選択に限らず、その状態に達するまで(あるいは達するよりも前の段階でもよい)、つまり、所定の状態が得られまでにユーザが選択した複数のカードの少なくとも一部又は全部を所定の事項としてもよい。例えば、トランプゲームとして、第1の形態における「大富豪」又は「大貧民」を実行する場合には、ユーザが勝利し、又は敗北するまでにユーザが選択した全てのカード又は一部のカードを所定の事項として設定してそれらを評価するものとしてもよい。ユーザがカードを用いることに対する選択肢、例えば、カードの使用に関する時期的な選択肢、カードの使用に関する場所的な選択肢(上述したカード201の配置の選択肢もその一例である。)、カードを使用する相手に関する選択肢、に応じてユーザの選択を適宜の評価要素に分けて評価してよい。さらに、上記の形態では、第1のゲームにおけるユーザの選択のみならず、対戦相手(これもユーザの一例である。)の第1のゲームにおける選択をも所定の事項の一部に取り込んで評価し、その評価結果を第2のゲームの進行制御に反映させてもよい。
【0080】
第2のゲームに関してもビンゴゲーム、あるいはカードバトルゲームに限らず、第1のゲームにおける評価要素毎の評価結果を使い分けながら進行を制御できる限りにおいて、種々のゲームを採用することができる。第1のゲームにおける評価対象の事項、その評価要素、及び評価結果と第2のゲームにおける進行制御とのそれぞれの関連付けも様々に設定することができる。例えば、第1の形態では、第1のゲームのゲーム要素としてのトランプカードに付された属性であるマーク及び番号をそのまま評価要素として採用し、かつ、それらの属性と第2のゲームにおける課題要素としてのビンゴカードのマスにもそれらの属性と同一のマーク及び番号を付しているが、それらの相関関係は一例に過ぎない。例えば、トランプカードを第1のゲームのゲーム要素として想定した場合でも、マーク、番号、マークの色、上がり役の種類といった様々な評価要素が存在し、それらを適宜に使い分けながら、第2のゲームにおける進行が制御されるように両ゲームを関連付けることができる。第1のゲームが、ゲーム要素としてのキャラクタを操作するゲームであれば、第2のゲームの課題要素をキャラクタの属性と対応付け、第1のゲームにおけるキャラクタの所定の行動や状態を複数の評価要素に分けて評価し、それらの評価結果を使い分けながら第2のゲームの特定の課題要素(つまり、評価対象のキャラクタと対応関係を有する課題要素)の達成状況を変化させるといった対応付けも可能である。
【0081】
第2の形態では、第1のゲームにおける判定ラインを上下方向のセル列として設定し、ユーザが選択した判定ラインとしてのセル列と、第2のゲームにおける攻撃要素(攻撃主体及び攻撃対象)としてのカード202と、場200における左右方向の位置の一致によって対応付けている。しかしながら、判定ラインは、一直線に設定される例に限らない。スロットゲームの入賞判定ラインのように、折れ線状その他の適宜の判定ラインが設定されてよく、第2のゲームにおける攻撃要素の配置も、第1のゲームにおける判定ラインとの対応関係が把握できる限りにおいて適宜に設定することができる。すなわち、第2の形態におけるトランプゲームにてユーザが選択したセル列(判定ライン)と、カードバトルゲームにおける攻撃主体及び攻撃対象のカード202の決定とは何らかの対応関係にあればよい。例えば、ユーザが左端のセル列を選択してポーカーの役を成立させた場合、ユーザのデッキにおける左端のカード202を攻撃主体として設定する一方、対戦相手のデッキの右端のカード202が攻撃対象として設定されるといった対応関係が設定されてもよい。あるいは、ユーザが選択したセル列に対応する位置に配置されたユーザのカード202を攻撃主体として設定し、攻撃対象となる対戦相手のカード202はコンピュータがランダムに、又は所定の条件に従って決定するといった処理が行われてもよい。要は、トランプゲームにおけるユーザのセル列の選択と関連付けて、ユーザのカード202から攻撃主体のカード202が決定されるように対応関係が設定されていればよい。また、攻撃主体と攻撃対象とは1対1の関係に限らず、第1のゲームの所定の事項における評価結果等に応じて、多対1、1対1、多対多の状態で選択されるものとされてもよい。
【0082】
さらに、第2の形態において、ユーザが選択した判定ラインとしてのセル列と攻撃主体及び攻撃対象との対応関係は、さらなる要素を加味して制御されてもよい。例えば、ユーザ及びその対戦相手のそれぞれのユーザデータ63の少なくともいずれか一方を考慮して対応関係が設定されてもよい。この場合、ユーザのユーザデータ63に記録されたユーザのレベルが絶対的に低い場合、又はユーザのユーザデータ63に記録されたレベルが対戦相手のユーザデータ63に記録されたレベルよりも相対的に低い場合、対戦相手の2枚以上のカード202が攻撃対象として設定されるといったように、攻撃相手の決定にユーザデータ63が考慮されてもよい。トランプゲーム及びカードバトルゲームの少なくともいずれか一方の難易度を考慮し、難易度が高いほど攻撃対象のカード202の枚数が増加するといった制御が行われてもよい。さらに、ユーザのカード202が対戦相手のカード202を攻撃する条件として、上記の形態ではユーザがトランプゲームにて一つのセル列でポーカーのいずれかの役を成立させたことを条件として設定した。しかしながら、攻撃が行われる条件(つまり、第1のゲームの選択に対する評価結果に基づいて第2のゲームで何らかの進行制御が行われる条件)は、これに限らない。2以上のセル列でポーカーの役を成立させたことを条件として攻撃が行われるといった変更が可能である。トランプゲームにおいて、所定の強さ以上の役が成立した場合に限って攻撃が行われるものとしてもよい。
【0083】
また、第2の形態におけるトランプゲームの役とカードバトルゲームにおける攻撃の効果との対応関係についても、役の強さ(言い換えれば、役が成立する確率)以外のさらなる要素を加味して制御されてもよい。例えば、ユーザ及びその対戦相手のそれぞれのユーザデータ63の少なくともいずれか一方を考慮して対応関係が設定されてもよい。この場合、ユーザのユーザデータ63に記録されたユーザのレベルが絶対的に低い場合、又はユーザのユーザデータ63に記録されたレベルが対戦相手のユーザデータ63に記録されたレベルよりも相対的に低い場合には、強い役に対応付けられる係数がより大きく設定される、あるいは弱い役に対応付けられる係数が増加するといったように、ユーザデータ63を考慮して係数の増減が制御されてもよい。トランプゲーム及びカードバトルゲームの少なくともいずれか一方の難易度を考慮し、難易度が高いほど強い役に対応付けられる係数がより大きく設定される、あるいは弱い役に対応付けられる係数が増加するといった制御が行われてもよい。このようにユーザレベルや難易度に応じて、第1のゲームと第2のゲームとの関連性(判定ラインと攻撃要素との対応関係や攻撃要素の選択等)が変更されることにより、従来のカードゲームではそろえるべき役が限定されることがあったのに対して、対戦相手のレベル等によってそろえるべき役等が対戦毎に変更される。つまり、任意の条件やユーザの選択等によって、対戦相手のユーザレベルや難易度が変更されるようにすることで、ゲームの多様性をユーザが享受することができる。なお、対戦相手の他のユーザ、又は当該他のユーザのパラメータ(レベル等)を選択し、あるいは、対戦の難易度をユーザが選択することができる構成がさらに追加されてもよい。
【0084】
上記の形態では、第1のゲームを繰り返しプレイすることにより、第2のゲームの課題を達成させ、あるいは第2のゲームにて所定の結果が得られるまで第1のゲームが繰り返しプレイされるように第1のゲームと第2のゲームとが関連付けられているが、本発明はそのような例に限らず、第1のゲームの一回のプレイ結果に対応付けて第2のゲームの課題が達成されたか否かを制御する、あるいは第1のゲームの一回のプレイ結果に対応付けて第2のゲームの結果を決定するといった変形が可能である。