(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965998
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】シートの局部的相互接続及び方法、並びにその実施のための装置
(51)【国際特許分類】
B65D 5/42 20060101AFI20160728BHJP
B65B 7/16 20060101ALI20160728BHJP
B31B 47/00 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
B65D5/42 E
B65B7/16 A
B31B47/00 301
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-514081(P2014-514081)
(86)(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公表番号】特表2014-518823(P2014-518823A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】EP2012060843
(87)【国際公開番号】WO2012168394
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2015年4月21日
(31)【優先権主張番号】BE2011/0353
(32)【優先日】2011年6月9日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】513309258
【氏名又は名称】クレアックス・プロジェクツ・ナムローゼ・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】CREAX PROJECTS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】イェフ・ファンデンベルヘ
(72)【発明者】
【氏名】ディーデリック・シウン
(72)【発明者】
【氏名】シモン・デウルフ
【審査官】
山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−190950(JP,A)
【文献】
特開昭62−106113(JP,A)
【文献】
実開昭56−123775(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42
B31B 47/00
B65B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部シート(1)と下部シート(2)の接触面(11)における少なくとも1つの区画された接続ゾーン(3)での局部的な相互接続であって、
前記ゾーン(3)は、多角形であり、
前記上部及び下部シート(1,2)には、前記ゾーン(3)の周辺部において、互いに対向するように配置され、それらのシートの厚みを斜めに通過する切断面である第1の側面(5,6)を備える接続リップ(12)が形成され、
前記上部及び下部シート(1,2)の第1の側面(5,6)と、それらに隣接する斜めに配向された前記ゾーン(3)の第2の側面(8,9)とは、相補的に傾斜しており、
互いに隣接する前記第2の側面(8,9)の近傍には、前記第1の側面(5,6)の上部外側エッジ(13)の位置で、前記下部シート(2)の底面(7)が、前記接続リップ(12)の上面(4)を通って内側へ向かうように突出する、局部的な相互接続。
【請求項2】
前記多角形の接続ゾーン(3)の上面(4)は、略八角形であり、前記第1の側面(5,6)の2つの対向する外側エッジ(13)を有し、2つの対向する折り目エッジ(15)を横切り、且つ、シートの表面(10)に対して垂直な切断面である表面(17)に属する4つの接続エッジ(16)の間に位置する、請求項1に記載の局部的な相互接続。
【請求項3】
前記接続ゾーン(3)の上面は、長方形であり、前記第1の側面(5,6)の2つの対向する外側エッジ(13)を有し、2つの対向する折り目エッジ(15)に対して略垂直であり、且つ、シートの表面(10)に対して垂直な切断面である表面(17)に属する4つの接続エッジ(16)の間に位置し、
前記接続エッジ(16)は、前記外側エッジ(13)に沿って伸びる部分(19)を有する、請求項1に記載の局部的な相互接続。
【請求項4】
前記接続ゾーン(3)の上面(4)は、多角形であり、前記第1の側面(5,6)の2つの対向する外側エッジ(13)を有し、2つの対向する折り目エッジ(15)に対して略垂直であり、且つ、シートの表面(10)に対して垂直な切断面である表面(17)に属する複数の接続エッジ(16)の間に位置し、
前記接続エッジ(16)は、前記外側エッジ(13)に沿って伸びる部分(18)を有する、請求項1に記載の局部的な相互接続。
【請求項5】
前記シート(1,2)の表面上に均一に又は他の態様で分散された複数の接続ゾーンを備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載の局部的な相互接続。
【請求項6】
共通軸(28)に沿って互いに一直線上に位置する一連の接続ゾーン(29)のシリーズを有する、請求項5に記載の局部的な相互接続。
【請求項7】
前記シリーズは、一連の接続セグメント(29)を形成し、各セグメントは、2つの類似の接続ゾーン(3a,3b)を備える、請求項6に記載の局部的な相互接続。
【請求項8】
前記局部的な接続は、少なくとも2つの隣接する区画された接続ゾーン(3c,3d)に存在し、
前記接続ゾーンは、多角形であり、
前記上部及び下部シート(1,2)には、前記各ゾーン(3c,3d)の周辺部において、前記シート(1,2)の厚みを斜めに通過する切断面である第1の側面(22,23)を備える接続リップ(20,21)が形成され、前記第1の側面(1,2)は、前記各ゾーン(3c,3d)において、それらに相補的で隣接する斜めに配向された第2の側面の近くに位置し、
前記第2の側面の近傍には、前記第1の側面(22,23)の上部外側エッジ(13)の位置で、前記下部シート(2)の底面(7)が、前記接続リップ(20,21)の上面(4)を通じて突出する、請求項1に記載の局部的な相互接続。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の局部的な相互接続を実施する方法であって、
互いに横たわっている接続されるべき前記シート(1,2)は、前記接続ゾーン(3)に近接する接触ゾーンに一時的に固定され、
次いで、前記シート(1,2)は、前記接続リップ(12)を形成するために、前記第1及び第2の側面(5,6,8,9)の近傍の前記接続ゾーン(3)において局部的に、切断器具(36)を用いて斜め方向に切断され、
前記切断器具の除去後、前記上面(4)が前記下部シート(2)の底面(7)の下方に少なくとも部分的に伸びるまで、前記接続リップ(12)が下方に押圧され、当該押圧動作と前記固定動作とが停止される、請求項1〜8のいずれか1つに記載の局部的な相互接続を実施する方法。
【請求項10】
前記固定動作は、前記上部及び下部シートを通る垂直な切開口(17)を形成することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記垂直な切開口(17)の側端部(24)は、前記接続リップ(12)を形成するために、後で形成される第1及び第2の側部エッジに隣接する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1つに記載の方法を実施するための装置(30)であって、
接続されるべき前記シート(1,2)上に配置されるフレームワーク(31)と、
前記接続リップ(12)を形成するために、形成すべき前記接続ゾーン(3)の側面(8,9)に対して上下に移動可能な斜めに配向された切断器具を移動させる第1のガイドシステム(33)と、
を備え、
前記ワークフレームには、更に、第2のガイドシステム(38)が、前記第1及び第2の側面(5,6,8,9)の近傍の前記接続ゾーンの上面(4)が前記下部シート(2)の底面(7)より下方に少なくとも部分的に突出するまで、前記接続ゾーン(3)の接続リップ(12)を押すように、上下に加圧パンチ(39)を移動させるように取り付けられている、装置。
【請求項13】
さらに、斜めに配向された切断器具を備える、請求項12に記載の装置(30)。
【請求項14】
さらに、略垂直に配向された切断器具を備える、請求項12又は13のいずれか1つに記載の装置(30)。
【請求項15】
さらに、固定及びガイド手段のための駆動手段、切断器具、及び加圧パンチを備える、請求項12〜14のいずれか1つに記載の装置(30)。
【請求項16】
さらに、前記固定動作の駆動及び調整、前記切断器具及び加圧パンチの移動のための制御機器を備えている、請求項12〜15のいずれか1つに記載の装置(30)。
【請求項17】
さらに、前記第1及び第2のシートの一時的な相互固定のために一時的な固定手段(45)を備える、請求項12〜16のいずれか1つに記載の装置。
【請求項18】
前記一時的な固定手段は、前記接続ゾーン(3)の複数の周辺エッジ(16〜19)を形成するために、シートの表面に対して垂直な切断部を形成するブレード(45)を備える、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの局部的相互接続及び方法、並びにその実施のための装置に関する。特に、本発明は、上部及び下部シートの、それらの共通の接触面における少なくとも1つの区画された接続ゾーンでの相互接続に適用される。ここで、シートとは、例えば、ボール紙、プラスチック、又は積層板(laminate)に基づくシート(板)などの、(多少の弾性)柔軟性があるが一定の剛性を有する材料の比較的薄いピースを意味する。
【背景技術】
【0002】
現在、シートなどの相互接続は、一般に、当該シートを互いに接続ゾーンにおいて、接着やホチキス止め(stapling)すること、それらにリベットを取り付けること、それらに結束ワイヤを接続すること(例えば、縫い付けること)、融着することなどによって行われている。この目的を達成するために、通常、シート自身の原料とは異なる組成を有する異質な材料が使用される。使い古しのシートや、容器などのそれらから製造された物をリサイクルするとき、この異質な材料は、しばしば環境保護の困難性を構成する。実際、異質な材料は、リサイクルラインの次の工程(シュレッダーや粉砕)に関して、あるいは、地上原料(ground raw material)の再利用に対して、前記シートを許容できないほど汚染し得る。
【0003】
ボール紙の梱包箱が、異質な材料の付加なしに、互いの上に置かれたカバーフラップを互いに局所的に接続することによって閉じられることが、EP0169499号から知られている。この目的を達成するために、まず、適当な開口部が下部カバーフラップに作成される。この発明では、下部シートからいくつかの廃棄片が必ず生産される。次いで、適当にプレカットされた接続リップ(connecting lips)が、開口に隣接する下部カバーフラップの2つのリップの下の開口を横方向に通って上部カバーフラップに押される。しかしながら、この構成によれば、前記開口は、接続動作の後でも存在する。さらに、上部及び下部シートの事前の分離切断動作が、別の押圧装置を用いる次の実質的な接続動作とは完全に分離して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP0169499号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、2つのシートの材料間の接続ゾーンにおける異質な材料の使用を避けることにある。本発明の実施形態の利点は、接続の実現のための余分な材料コストが避けられることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、驚くべきことに、本発明の第1の態様の実施形態により達成され、当該実施形態は、上部及び下部シートの接触面における少なくとも1つの区画された接続ゾーンでの局部的な相互接続を提供し、前記ゾーンは多角形であり、前記上部及び下部シートには、前記ゾーンの周辺部において、互いに対向するように配置され、それらのシートの厚みを斜めに通過するように切断された第1の側面を備える接続リップが形成されている。また、前記上部及び下部シートの第1の側面と、それらに隣接する斜めに配向された前記ゾーンの第2の側面とは、内側下方に伸び
る壁の形になるように相補的に傾斜しており、互いに隣接する前記第2の側面の近傍には、前記第1の側面の上部外側エッジの位置で、前記下部シートの底面が、前記接続リップの上面を通って内側へ向かうように突出している。
【0007】
さらに、本発明の実施形態の利点は、2つのシートの材料間の局部的な接続が、接続ゾーンで発生するシートの材料の浪費なしで実現される点である。結局のところ、そのような浪費の除去は、接続工程を複雑にし得る。
【0008】
また、本発明の実施形態は、実現されるべき寸法的に安定した接続を可能にする。このことは、接続されたシートの接触面が、互いに対して僅かにしか動かないか、全く動かないことを意味している。
【0009】
さらに、本発明の実施形態は、接続ゾーンにおいて、1つ又は両方のシートを横方向に通る不要な開口を発生させない又は残さない。このことは、上部シートの上方の空気中の塵埃粒子が、例えば、接続されたシートの上面から底面へ、或いは逆に底面から上面へ、前記開口を通り抜けることを避けるのに特に有用である。
【0010】
また、生産性の重要な増加を得るために、本発明の実施形態に係る局部的な接続動作の全てのステップは、1つの同一のコンパクトな装置で行われてもよい。すなわち、接続ゾーンを作成するために互いに横たわっているシートの準備動作と、前記ゾーンの実際の接続の実現のための準備動作とは、同じ方向に行われてもよい。
【0011】
具体的な実施形態において、多角形の接続ゾーンの上面は、略八角形であり、斜めの第2の側面の2つの対向する外側エッジと、それらに対して交差するように配向された2つの対向する折り目エッジとを備えている。シートの表面に対して垂直に切断された表面に属する4つの接続エッジの間に位置する。他の有利な多角形の接続ゾーンとそれらの利益が記載され、請求項に記載されている。
【0012】
本発明の実施形態の利点は、非常に堅固な完全な接続を保証するために、至る所で順次工業用機械によって、相互接続すべきシートを円滑に接続できる点にある。さらに、本発明の実施形態において、前記接続は、後で容易に取り外すことを実現し得る。また、本発明の実施形態は、前記接続のシールの、あるいは、接続又はシールの望ましくない破損(不正開封)の信頼できる表示(reliable indication)又は効果を生じさせる。実際、一旦壊れた接続は、通常、前の破損の名残を残さないで、元の状態に戻すことはできない。
【0013】
実際には、前記接続は、軸に沿って互いに一直線上に位置する一連の接続ゾーンのシリーズを有する。例えば、このことは、後述するように、取り外し可能なジッパー接続の一種を実現することを可能にする。このシリーズは、例えば、一連の同等な接続セグメントを形成し、各セグメントは、2つの類似の接続ゾーンを備えてもよい。
【0014】
具体的な実施形態において、本発明は、上部又は下部シートの接触面における少なくとも2つの互いに隣接する区画された接続ゾーン(第1及び第2の接続ゾーン)での非常に有利な局部的な相互接続を含む。これらのゾーンは、長方形であることが好ましい。上部及び下部シートには、各ゾーンの周辺部において、シートの厚みを通じて斜めに切断された第1の側面を備える接続リップが形成され、第1の側面は、前記各ゾーンにおいて、それらに相補的で隣接する斜めに切断された第2の側面の近くに位置する。隣接する第2の側面の近傍には、第1の側面の上部外側エッジの位置で、下部シートの底面が、接続リップの上面を通って突出するように構成されている。
【0015】
第2の態様において、本発明は、本発明の第1の態様の実施形態に係る前述した局部的な接続を実施する方法を提供する。前記方法は、複数の一連のステップを含む。まず、互いに横たわっている接続されるべきシートが、接続ゾーンに近接する接触ゾーンに一時的に固定される。次いで、前記シートが、接続リップを形成するために、第1及び第2の側面の近傍の接続ゾーンにおいて局部的に、適当な切断器具を用いて斜め方向に切断される。前記切断器具の除去後、接続リップの上面が下部シートの底面よりも下方に少なくとも部分的に伸びるまで、接続リップが下方に押圧され、当該押圧動作と前記固定動作とが停止される。この押圧動作は、適当な加圧パンチを備える機械によって行われる。
【0016】
この方法の非常に有利な態様によれば、前記固定動作は、両方のシートに適当な(点状又は線状の)略垂直な切開口を形成することを含む。また、実際の接続リップを形成するために、横方向に配向された前記垂直な切開口の端部が、後で形成される斜めの第1及び第2の側部エッジに隣接する。
【0017】
最後に、第3の態様において、本発明は、前記第2の態様に係る方法の実施形態を実施するための実際の装置に関する。この装置は、接続されるべきシート上に配置されるワークフレームを含み、当該ワークフレームには、一時的な固定手段と、第1のガイド手段(例えば、装置の適当な溝又はスロットの形態)とが、接続リップを形成するために、形成すべき接続ゾーンの斜め側面に向けて上下にスライドし得る斜めに配向された切断器具を移動させるように設けられている。
【0018】
前記ワークフレームには、斜めの前記第1及び第2の側面の近傍の接続リップの上面が下部シートの底面よりも下方に伸びるまで、接続ゾーンにおいて接続リップを少なくとも部分的に押すために、上下に加圧パンチを移動させる第2のガイド手段が更に設けられている。また、前記装置は、固定及びガイド手段のための必須の駆動手段、切断器具及び加圧パンチ、並びに、固定動作の駆動(drive)及び調整、切断器具及び加圧パンチの移動のための制御機器を備えている。
【0019】
前記装置の具体的な実施形態によれば、前記固定手段は、シートの表面に対して垂直な切断部を形成するブレードを備えている。これらの切断部は、接続ゾーンの周辺部の一部と、接続リップのエッジを形成する。
【0020】
本発明の具体的で好ましい態様は、添付の独立及び従属請求項に表されている。従属請求項の特徴は、請求の範囲に明確に表されているものだけでなく、必要に応じて独立請求項の特徴及び他の従属請求項の特徴と組み合わせられてもよい。
【0021】
要約の目的のため、本発明及び従来技術を超えて達成される利点(本発明の特定の対象物及び利点)が、ここの上に述べられている。勿論、全てのオブジェクト又は利点が、必ずしも、本発明のいくつかの具体的な実施形態によって達成されないことは、理解されるべきである。従って、例えば、当業者は、ここに教示される1つの利点又は一群の利点を達成又は最大限利用するように本発明が具現化又は実行されればよく、必ずしもここに教示又は示唆されている他のオブジェクト又は利点を達成する必要性がないことを認識するだろう。
【0022】
本発明の前記又は他の態様は、後述の実施形態を参照して明らかにされ且つ解明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
この全ては、添付の図面に図示された複数の実施形態に基づいて説明される。本発明は、これらの実施形態に限定されないことは言うまでもなく、全ての種類の明らかな変形も含む。
【
図1】
図1は、本発明の第1の態様の第1実施形態に係るシートの八角形の局部的な接続部の概略斜視図であって、部分的に断面(図の左下)で示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る八角形の接続ゾーンを形成するための斜め及び垂直な切断部の構造を概略的に示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る六角形の接続ゾーンを模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る接続ゾーンの長方形の実施例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る他の多角形の変形例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る互いに一直線上にある少なくとも2つの連続的な接続ゾーンを含む接続部を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る少なくとも2つの隣接する長方形の接続ゾーンの局部的な接続を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2の態様の実施形態に係る局部的な接続を形成するための装置であって、当該装置が接続工程の開始位置に位置するときの概略斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る接続ゾーンの周辺部に沿って斜めの面を形成するために、斜めに配向された切断器具を使用するときの
図9の装置の位置を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る接続ゾーンを形成するための、
図10の切断器具の離脱、及び、接続リップを通る加圧パンチによる同時的な加圧を示す図である。
【
図12】
図12は、装置の上昇位置であってシートの局部的な相互接続が実現された接続サイクルの終了位置を示す図である。
【
図13】
図13は、厚さ0.8mmの平坦なボール紙の具体例に関し、切断部とそれらの寸法の具体例を示す図である。
【
図14】
図14は、厚さ3.0mmの段ボールの具体例に関し、切断部とそれらの寸法の具体例を示す図である。 前記図面は、概略図であって、限定されるものではない。図面において、いくつかの構成要素のサイズは、図示の目的で、誇張され、正しいスケールで示されていない。前記寸法とその関連寸法とは、必ずしも本発明の実際の具体化に対応していない。 請求の範囲の参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。 異なる図において、同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
特定の実施形態に関して特定の図面を参照しながら本発明を説明するが、本発明は、請求の範囲にのみ限定されるものではない。
【0025】
ここに提供される説明において、多数の特定の詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施し得ることを理解されたい。他の例では、周知の方法、構造、及び技術は、この説明の理解を不明瞭にしないようにするため、詳細には示されていない。
【0026】
本発明において、用語「下部シート」と「上部シート」とが用いられている。
【0027】
上部シートは、上部シートと下部シートの両方を通じて形成された空間を通るようにリップを押し、当該リップが下部シートの表面の一部の後方に固定されるようにするために、空間を介した実際の位置とは関係なく、加圧作用が(例えば、加圧パンチを用いて)加えられるように考えられている。
【0028】
例えば、加圧作用は、(上部シートと呼ばれるシートが物理的に下部シートの下方に配置された場合)上向きであり、(上部シートと呼ばれるシートが物理的に下部シートの上部に配置された場合)下向きであり、或いは、(上部シートと呼ばれるシートが物理的に下部シートの側方に配置された場合)横向きである。
【0029】
本発明において、上部シートの底面とは、下部シートに向けられた上部シートの表面である。同様に、下部シートの上面とは、上部シートに向けられた下部シートの表面である。
【0030】
本発明において、「垂直切断」とは、シートの平坦面に対して概ね垂直方向(例えば、垂直方向)に切断することを意味している。「斜め切断」とは、シートの平坦面に対して垂直な方向から実質的に外れる方向、例えば少なくとも10°、例えば10°と80°との間、例えば少なくとも20°、例えば約45°の方向に切断することを意味している。斜め切断が行われる角度の最適値が、切断される材料の種類及び/又は厚さに強く依存することは、当業者には明らかであるだろう。
【0031】
図1に図示されている本発明の実施形態に係る上部シート1と下部シート2との局所的に形成された接続部は、接続ゾーン3の中央部の八角形の接続リップ12を示している。ゾーン3の周辺部は、2つの対向する折り目エッジ(folding edges)15を有している。これらの折り目エッジの端部は、垂直切断面17を形成するように、上部シート1の上面であるシートの表面10に対して垂直に切断された4つの中間的な接続エッジ16に隣接している。これらの接続エッジ16の他方の端部の近傍には、(本実施形態において互いに対向するように図示された)第2の斜め切断面8,9が、上部外側エッジ14の各々に接続されている。これらの斜め側面8,9の近傍には、接続リップ12の相補的な第1の斜め側面5,6が隣接している。
【0032】
形成された接続部において、第1の側面5,6の上部外側エッジ13の位置で、下部シート2の底面7が、内側に突出(すなわち、接続リップ12の上面4を通って接続ゾーン3の中央部の方向に突出)していることを、
図1及び
図2に見ることができる。第2の側面8,9は、漏斗状の空間の壁であったように形成する。接続するとき、接続リップ12は、平坦な位置からかなり複雑に湾曲した位置まで変形する。その上面4は、折り目エッジ15から上部シートの上面10のレベルより下方で、4つの接続エッジ16の近傍の垂直切断部17のレベルまで部分的に下降する。この構造の結果として、接続リップ12は、接続ゾーン3とその周辺におけるシート1,2の相互移動を適切にブロックする。例えば、接着剤やホチキスなどの異質な材料が接続に使用されず、無駄がなく、不要な開口が形成されない。さらに、接続ゾーン3の全体において、2つのシートが互いに完全に重なり合う。それゆえ、それらの一致する湾曲位置が追加のブロック効果に貢献する。
【0033】
図3は、
図1の八角形の接続ゾーン3を概略的に示している。垂直切断の接続エッジ16と斜め切断の第2の側面8,9とに細分される。
図3の点線は、折り目エッジである。この図式モデルは、
図4〜8の他の実施形態の議論のための比較の目的で含まれている。これらの図面は、見ての通りである。要するに、ゾーン3は、垂直切断部16と第2の斜め側面8,9との合計によって境界される。なお、特定の実施形態において、垂直切断部16の横方向に伸びる端部24は、隣接する第2の斜め側面8,9よりも接続ゾーン3の両側により深く内側に伸びていることに留意すべきである。このことは、下部シート2の底面7よりも下方へ斜め側面5,6を通じて押せるようにするのに有用である。
【0034】
図5に係る接続部において、接続ゾーン3の上面4は、第1の側面5,6の2つの対向する外側エッジ13を有する長方形であり、これは実質的に2つの対向する折り目エッジ15に対して垂直である。表面17に属する4つの接続エッジ16は、上部シートの表面10に対して垂直に切断され、接続エッジ16は斜めの切開部の外側エッジ13に沿って伸びる部分を含む。
【0035】
図6に係る接続部において、接続ゾーン3の上面4には、第1の側面5,6の2つの対向する外側エッジ13を有する別の多角形があり、これは実質的に2つの対向する折り目エッジ15に対して垂直である。表面17に属する4つの接続エッジ16は、上部シートの表面10に対して垂直に切断されている。接続エッジ16は、前記外側エッジ13に対して平行に伸びる部分18と、前記外側エッジ13に対して斜めに伸びる部分48とを含む。
【0036】
図7に係る接続部は、共通軸28に沿って互いに一直線上にある一連の六角形の接続ゾーン3のシリーズ29の2つのゾーン3a,3bを示している。前記シリーズにおける一連のゾーン3は、異なる形状を有してもよい。また、前記シリーズにおける一連のゾーン3は、同じ形状を有してもよい。シリーズ29の一連のゾーンは、共通軸28と同様に(例えば、それらの長手方向軸と同じ方向)に配向されてもよいし、例えば、
図7のゾーン3a,3bのように互いに直交するように配向されてもよい。このことは、局部的な接続として、一種の帯状の接続構造を、この軸に沿って実現させることを可能にする。この構造は、例えば、一種のジッパー接続部として手で開口部を引っ張ることができるように構成され得る。シリーズ29は、一連の接続ゾーン3a,3bの繰り返しパターンを有してもよい。また、複数の接続ゾーン3は、接続されたシートの表面上に均一に又は他の態様で分散されるように配置されてもよい。接続されたシートの表面上の接続ゾーン3のマトリクス状の形での均等な分布は、利点で有り得る。
【0037】
図8の図式モデルは、上部及び下部シート1,2の接触面における局部的な相互接続を示し、前記接触面は、軸28に沿って2つに分かれて隣接する長方形の接続ゾーン3c,3dにおける、
図3の六角形の接続部の境界の一種である。各ゾーン3c,3dの周辺部には、それぞれ接続リップ20,21が形成されている。それらは、各々、それらの相補的で隣接する斜めに切断された第2の側面の近くに、2倍のシート厚さで斜めに切断されたシート1,2の第1の側面22,23を有し、下部シート2の底面7は、この隣接する第2の側面の近傍において、接続リップ20,21の上面4を通って突出する。この構造において、折り目エッジ25は、通常、斜め側面22,23に対して多少湾曲されている。
【0038】
本発明の第2の態様に係る装置30の構成及び動作について、
図9〜12の一連の動作位置に示された実施形態に基づいて説明する。前記装置は、作成すべき接続ゾーン3の近傍において、相互接続すべきシート1,2上を適切に上下動(矢印42,43)することができるワークフレーム31を備えている。このワークフレームにおいては、第1のガイドシステムが、例えば、(第1のガイドシステムの構成要素として)ガイド溝33などの4つの適当な斜めガイド手段を備え、ヒンジ可能なバー連結部34,35を用いた、斜めに配向された切断器具の正しい前後の動作のために、中心軸32に対して対称に取り付けられている。
【0039】
このバー連結部は、第2のガイドシステム(の構成要素)としてガイド溝38などの第2の縦型のガイド手段を介して加圧パンチ39に連結され、上及び下(
図11の矢印44)に次々に移動され得る。この加圧パンチは、シート接続部を形成するように接続リップ12の第1の側面5,6を通じて適切に押圧するために使用される。それゆえ、このパンチ39は、
図10のトップ位置と
図11のボトム位置との間で上下動し得る。また、バー34は、更なるガイドシステムを備え、当該ガイドシステムは、例えば、切断器具36のために、連結ピン40がベアリングブロック41を引き付けるようにする溝37を備える。
【0040】
シート1,2は、局部的な接続の実現の間、接続ゾーン3で一時的に固定されることが好ましい。実際、シートは、互いに対して僅かにしか動かない、又は、全く動かない、或いは、この動作中又はその後に接触面11において互いから引き離されなくてもよい。この目的を達成するために、垂直に配置されたブレード45の適当なセットがワークフレーム31の底面に設けられてもよい。装置が接続動作の開始時(
図9)において下降するとき、これらのブレード45が、接続ゾーン3の輪郭(垂直な接続エッジ)16〜19の一部を形成するようにシート1,2を垂直に切断する。それゆえ、これらのブレード45は、接続動作中にそれらの適切な位置でのシート1,2の安定した固定を保証する。本発明の実施形態の利点は、この固定動作を、実質的な接続動作と一緒に同じ装置30で行うことができ、且つ、別々に固定するステップのために要する付加的な時間無しで行うことができる点にある。装置30が上昇するとき(
図12)、ブレード45がゾーン3から自動的に除去される。
【0041】
前記接続動作は、次のように進行する。接続すべき2つのシート1,2(例えば、満杯のボール紙の箱の一対のオーバーラッピングカバーの形態)が、装置30の下に箱と一体的に(例えば、コンベヤベルト上に)もたらされる。装置30は、フレームワーク31の底面がカバーフラップに形成されるべき接続リップ12の上面に接触するまで(
図9)、作成すべき接続ゾーン3上を下降される(矢印42)。同時に、垂直に配置されたブレード45のセットが、一対のカバーフラップ1,2を切断し、それらを適切な位置に固定するとともに、形成すべき接続リップ12の垂直な周辺部又は接続エッジ16を形成する。ブレード45を備えるワークフレーム31は、接続動作が完了するまで、この位置で止まる。
【0042】
このとき、第1及び第2の斜め側面5,6,8,9が、
図10にスケッチされたように作成される。駆動及び適切に制御されたオペレーティング機構(driven and suitably controlled operating mechanism:図示せず)が、フレームワークの加圧パンチ39を持ち上げる(矢印43)と同時に、第1のガイドシステムを作動させる(例えば、4つのヒンジで連結されたバー連結部34,35が移動し、連結ピン40が溝37の下方へ移動する。)。この作動(例えば、移動)は、斜めに配向された切断器具36のベアリング41の下方への斜めの移動をもたらす。それゆえ、これらの器具36が、(その間、固定される)シート1,2を介して正確な斜め切断を行い、接続リップ12の斜め側面5,6,8,9が形成される。
【0043】
図11に図示された次のステップにおいて、切断された接続リップ12が、加圧パンチ39を利用して、第1の斜め側面5,6の近傍を適切に加圧される。それゆえ、このパンチは、
図10において当該パンチを持ち上げた同一又は別の制御されたオペレーティングシステムにより、第2のガイドシステム、例えば、縦型のガイド溝38に沿って下方(矢印44)へ押される。特に、このオペレーティング機構の制御は、固定動作の適切な調整、切断器具及びパンチの移動を保証すべきである。一方、それと同時に、斜めに配向された切断器具36が、第2のガイドシステム(例えば、溝37内のピン40を介したバー連結部34,35)の適切な連結動作によって、それらの切断位置から引き出される(上昇される)。結局のところ、切断器具36は、接続ゾーン3の加圧パンチ39の下降を妨害してはいけない。最も外側のパンチのエッジは、最も深い位置において、下部シート2の底面7のレベルよりも下方に伸びることができなければならない。
【0044】
図12は、接続サイクルの終了位置を示しており、フレーム31とパンチ39とは、接続の実現後に再び持ち上げられている(矢印42)。目に見える接続リップ12の第2の斜め側面8,9により局所的に相互接続されたシート1,2(例えば、箱のカバーフラップ)が用意され、前記サイクルが再開されると、当該シート1,2が(前記箱と共に)さらに搬送される。
【0045】
当業者が、この実施形態の多くの明らかな変更を適用できることは言うまでもない。
【0046】
(実施例)
図13は、厚さ0.8mmの平坦なボール紙の具体例に関し、切断部及び寸法の具体例を示している。接続リップの形状は、2つのカラー50を備える六角形である。六角形の部分は、長さ10mm、幅15mmの長方形と、当該長方形の長さ方向の両側にある台形とを含み、当該台形は、長方形の幅と等しい底辺(すなわち、図示された例では15mm)と、4mmの高さを有する。台形の小さい辺は、カラーの幅に等しく、7mmである。カラーは、3mmの高さを有する。
【0047】
図14は、厚さ3.0mmの平坦な段ボールの具体的に関し、切断部及び寸法の具体例を示している。接続リップの形状は、2つのカラー50を備える六角形である。六角形の部分は、長さ30mm、幅40mmの長方形と、当該長方形の長さ方向の両側にある台形とを含み、当該台形は、長方形の幅と等しい底辺(すなわち、図示された例では40mm)と、8mmの高さを有する。台形の小さい辺は、カラーの幅に等しく、24mmである。カラーは、15mmの高さを有する。
【符号の説明】
【0048】
1 上部シート
2 下部シート
3,3a,3b,3c,3d 接続ゾーン
4 上面
5,6 第1の側面
7 底面
8,9 第2の側面
10 シートの表面
11 接触面
12,20,21 接続リップ
13 外側エッジ
14 上部外側エッジ
15,25 折り目エッジ
16 接続エッジ
17 表面(垂直切断部)
22,23 側面
24 端部
28 軸
29 シリーズ
30 装置
31 ワークフレーム
32 中心軸
33 ガイド溝
34,35 バー連結部
36 切断器具
37 溝
38 ガイド溝
39 加圧パンチ
40 ピン
41 ビアリングブロック
45 ブレード
50 カラー