(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966002
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】排気ガスターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
F02B 37/18 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
F02B37/18 D
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-518641(P2014-518641)
(86)(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公表番号】特表2014-522937(P2014-522937A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】US2012043216
(87)【国際公開番号】WO2013003134
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】102011105856.0
(32)【優先日】2011年6月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィオ・コッホ
【審査官】
小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−092026(JP,A)
【文献】
実開昭59−169476(JP,U)
【文献】
特開平07−145735(JP,A)
【文献】
実開昭58−112774(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 17/00−21/20
F02B 33/00−41/10
F02C 1/00− 9/58
F02D 13/00−28/00、43/00−45/00
F23R 3/00− 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスターボチャージャ(1)であって、
コンプレッサ(2)を有し、
タービン(3)であって、
タービンケーシング(4)を有し、
ウェイストゲート開口部(5)の上の閉位置と開位置との間で移動されることができるフラッププレート(7)を有する給気圧力制御フラップ装置(6)を有するタービン(3)を有する排気ガスターボチャージャ(1)において、
前記フラッププレート(7)に案内レバー(8)が設けられ、前記案内レバーの第1の端部(9)が前記フラッププレート(7)の後側(10)に接続され、前記案内レバーの第2の自由端(11)が湾曲したトラック(12)で案内されることを特徴とする排気ガスターボチャージャ(1)。
【請求項2】
前記フラッププレート(7)が、前記制御フラップ装置(6)のアクチュエータの作動シャフト(14)に作動的に接続される曲がったピボットレバー(13)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項3】
前記案内レバー(8)が、前記作動シャフト(14)の長手方向軸線(L)と少なくともほぼ平行に、前記案内レバー(8)の自由端(11)から線形に延びるレバーセクション(8A)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項4】
前記第2の自由な端部(11)に摺動ブッシュ又はローラボディ(15)が設けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項5】
前記第1の端部(9)に玉継手又はピン継手(16)が設けられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項6】
前記湾曲したトラック(12)が前記タービンケーシング(4)内に一体化されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項7】
前記湾曲したトラック(12)が排気マニホールド(19)内に一体化されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【請求項8】
前記給気圧力制御フラップ装置(6)が、別個のインサート(18)として具体化されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の排気ガスターボチャージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の排気ガスターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような排気ガスターボチャージャは、独国特許出願公開第102008011416A1号明細書から公知である。この排気ガスターボチャージャは、給気圧力制御フラップ装置を有し、ここで、このような装置では、フラップ孔に必要な直径、得られる力/トルク、制御フラップ装置のアクチュエータの可能な調整、及びシステムの流れ抵抗の間に相反する目的がある。
【0003】
特に、力の分解(resolution of forces)と称されるものによって必要なアクチュエータ力を低減する上述の独国特許出願公開第102008011416A1号明細書から公知であるようなシステムでは、フラッププレートとフラップ座部との間の相対運動が著しく拡大される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊び、許容公差及び熱膨張の程度と共に、このことは、フラッププレートがフラップ孔に挟まって動かなくなり、摩耗の増大又はさらには故障をもたらす可能性がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上に説明した不都合を小さくするかあるいは完全に排除する、請求項1の前提部に示されたタイプの排気ガスターボチャージャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成する手段は請求項1の特徴によって提供される。
【0007】
その結果、フラップレバーにおける有効なレバーアームの短縮にもかかわらず、アクチュエータにおける必要な力消費(force expenditure)の劇的な低減が達成されることが確実にされ、この場合、湾曲したトラック又はカムトラックで案内される案内レバー又は追加の継手がフラッププレートに設けられるので、同時に一般型の従来技術の不都合が克服される。この湾曲したトラック又はカムトラック(したがってフラップ装置)は、排気ガスターボチャージャのタービンケーシングに又は排気マニホールドのいずれかに一体化することができる。さらに、湾曲したトラックを、タービンケーシング又は排気マニホールドに接続できる別個のインサートに配置することが可能である。
【0008】
別個のインサートの場合、フラップ座部(シール面)は、タービンケーシング又は排気マニホールドに一体化することも別個のインサートの一部とすることもできる。別個のインサートは、例えば、タービンケーシング又は排気マニホールドにねじ込んでもよい。
【0009】
これにより、次の利点が得られる。
・フラッププレートは、長い距離にわたってフラップ座部に対して平行に移動し、したがって、挟まって動かなくなることがなく、したがって、フラップ座部を損傷することもできない。
・特別な案内形状によって、フラッププレートを排気ガスの流れから完全に外らせて旋回させることが可能である。これにより、流動損失が著しく低減される。
・同時に、案内形状のため、短いアクチュエータ経路のみが必要となる。
・さらに、制御性の改良がもたらされ、完全な開放状態で、フラッププレートは、制御フラップ装置のレバーを支承することができ、もはや固体伝搬音はなく、したがって雑音がそれ以上ないという利点を提供する。
【0010】
従属請求項は、本発明の有利な発展形態を含む。
【0011】
本発明のさらなる詳細、特徴及び利点は、図面を参照した、例示的な実施形態の以下の説明から分かる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による給気圧力制御フラップ装置を使用できる排気ガスターボチャージャの断面斜視図である。
【
図2】本発明による制御フラップ装置の僅かに単純化した概略断面図である。
【
図3】
図2による制御フラップ装置の僅かに単純化した概略斜視図である。
【
図4-6】異なる開状態の
図2に対応する制御フラップ装置の図面である。
【
図7】制御フラップ装置の代替実施形態の僅かに単純化した概略斜視図である。
【
図8】別個のインサートとして具体化された制御フラップ装置の斜視図である。
【
図9-11】本発明による排気ガスターボチャージャの別の実施形態の断面斜視図である。
【
図12】本発明による排気ガスターボチャージャのタービンケーシング及びタービンケーシングに接続されかつ一体化された制御フラップ装置を有する排気マニホールドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明による給気圧力制御フラップ装置6を有する排気ガスターボチャージャ1の好ましい実施形態について、以下に説明する。
【0014】
図1に示したターボチャージャ1は、コンプレッサ2、タービンケーシング4を有するタービン3、及びアクチュエータAによって作動することができる給気圧力制御フラップ装置6を有する。
【0015】
給気圧力制御フラップ装置6は、
図2から明白であるように、ウェイストゲート開口部5の閉位置と開位置との間で移動されることができるフラッププレート7を有し、
図2は閉位置を示している。フラッププレート7には案内レバー8が設けられ、案内レバーの第1の端部9はフラッププレート7の後側10に接続される。フラッププレート7の第2の自由端11には摺動ブッシュ15が設けられるか、あるいはローラボディを設けることができ、フラッププレートは、タービンケーシングに又は排気マニホールドに形成される湾曲したトラック12で案内される。
【0016】
図2及び
図3の組み合わせから明白であるように、案内レバー8は、案内レバーの自由端11から、作動シャフト14の長手方向軸線Lに対して少なくともほぼ平行に直線的に延びるレバーセクション8Aを有する。案内レバー8のレバーセクション8Aは、ある角度で配置されかつ案内レバー8に対して本質的に垂直に延びるレバーセクション8Bによって接合される。この後、レバーセクション8Bに対して鈍角βに配置されたレバーセクション8Cは、案内レバー8の第1の端部9に至る。
【0017】
図2から同様に明白であるように、案内レバー8の第1の端部9もピボットレバー13に接続され、このピボットレバーは、給気圧力制御フラップ装置6のアクチュエータAの作動シャフト14に作動的に接続される。ピボットレバー13は、作動シャフト14に接続された第1のレバーアーム13Bと、フラッププレート7に接続される第2のレバーアーム13Aとを有する。第1及び第2のレバーアーム13A、13Bは、互いに対して直角αに好ましくは配置される。ピボットレバー13も曲がった構造であり、この場合、第1のレバーアーム13Bは、
図7の斜視図に詳細に示されているように第2のレバーアーム13Aの平面Eから外に立ち上がる。
【0018】
図2に示されているように、湾曲したトラック12は、線形構造である2つのトラックセクション12Aと12Bと、これらの2つのセクションの間に配置され、曲がった構造であるトラックセクション12Cとを有する。湾曲したトラック12全体の成形は、この場合、閉位置から始まって、フラッププレート7が、タービンケーシング4の上のフラッププレート7の座部に対して略平行にトラックセクション12Aへ最初に案内されるように選択される。
図4は、フラッププレート7が僅かに開いている給気圧力制御フラップ装置6を示している。
【0019】
図5に示したさらなる開運動の経過において、フラッププレート7は、曲がった湾曲したトラック12Cで案内される案内レバー8の自由端11によって封止座部から離れて旋回される。フラッププレート7が完全に開いた位置にあるとき、自由端11は、
図6に示されているように、線形の経路セクション12Bに位置決めされ、フラッププレート7がピボットレバー13の第2のレバーアーム13Aを支承する。
【0020】
図7は、案内レバー8の第1の端部9に、第2のレバーアーム13Aのフォーク受容部17に収容される玉継手16がさらに設けられる給気圧力制御フラップ装置6の代替実施形態を示している。この継手は、ボール/コーン構造である。しかし、ボール/ボール接続を使用することもピンによって2つの部分を接続することも可能である。これにより、フラッププレート7とタービンケーシング4の上のフラッププレート7の座部との間に許容公差の違い又は熱変形がある場合にも、フラッププレート7の操作的に確実な作動が保証される。
【0021】
本発明による給気圧力制御フラップ装置6によって、従来技術と較べて相当短縮されるピボットレバー13のレバーアームにより、フラッププレート7の相対運動の最小化及び力の必要性の著しい低減ならびにアクチュエータAにおける比較的小さな作動行程を達成することが可能である。さらに、フラッププレート7が操作中に挟まって動かなくなることを有効に防止することができ、このことは、摩耗の著しい及び操作上の信頼性の著しい向上に寄与する。
【0022】
図8は、本実施形態では別個のインサートとして又は別個の取付け部18として構成される制御フラップ装置を示している。このインサート18は基部19を有し、その構造及び寸法は、それぞれの使用目的に、すなわち、排気マニホールド又は排気ガスターボチャージャのタービンケーシングへの取付け部としての使用目的に適合される。基部19は、制御フラップ装置が案内される湾曲したトラック12を有し、制御フラップ装置は上に説明した図に対応し、その結果、すべての対応する部分には同一の参照符号が付与される。したがって、この点に関して、構造及び操作方法に関する上記の説明を参照することが可能である。
【0023】
図9〜
図11は、本発明による排気ガスターボチャージャ1の別の実施形態の斜視断面図を示しており、この図では、上記の実施形態に対応するすべての部分が同一の参照番号によって特徴づけられている。
【0024】
図9〜
図11は、排気マニホールド19の案内トラック12の配置を明確にしており、ここで、この案内トラック12は、カバー又は取付け部22の一部である。カバー22は、このために、プレート状の構造でありかつ案内トラック12が配置されるインサート23を有する。この配置は、
図10及び
図11の描写から特に明白である。
【0025】
したがって、制御フラップ装置6は、タービンケーシング4に接続される排気マニホールド19の領域に配置され、ウェイストゲート開口部5は排気マニホールド19の一部である。
【0026】
案内トラック12を配置するために、取付け部及び/又はカバー22は排気マニホールド19にねじ留めされ、ここで、カバー22のインサート分23は、カバー22が排気マニホールド19に固定された後、案内トラック12が排気マニホールド19の適切な位置に配置されるように寸法決めされ、これにより、この点に関し明示的に参照される
図9〜
図11の形象的な図から特に明白であるように、自由端11を案内トラック12に挿入することが可能になる。
【0027】
図9は、さらに、作動シャフト14に接続されるアクチュエータロッド21を有するアクチュエータ20を示しており、この場合、アクチュエータ20は、例えば制御アクチュエータのような慣習的な作動装置として具体化することができる。
【0028】
図12は、本発明による排気ガスターボチャージャ又は本発明による制御フラップ装置6のさらに考慮可能な実施形態を示している。この場合、
図12は、制御フラップ装置6全体が、ウェイストゲート開口部5、フラッププレート7及び案内トラック12ならびに案内レバー8及びピボットレバー13と共に、排気マニホールド19内に一体化されることを明らかにしている。次に、一体化された制御フラップ装置6を有する排気マニホールド19は、
図12の形象的な図から明白であるように、タービンケーシング4に接続され、特にねじ留めされる。他の点では、
図12の実施形態による制御フラップ装置6の構造に関して上記の説明を参照することができる。
【0029】
本発明の開示を補足するために、
図1〜
図11の本発明の形象的な図が本明細書において明示的に参照される。
【符号の説明】
【0030】
1 排気ガスターボチャージャ
2 コンプレッサ
3 タービン
4 タービンケーシング
5 ウェイストゲート開口部
6 給気圧力制御フラップ装置
7 フラッププレート
8 案内レバー
8A、8B、8C レバーセクション
9 第1の端部
10 後側
11 第2の自由端
12 湾曲したトラック
12A、12B、12C トラックセクション
13 ピボットレバー
13A、13B 第1、第2のレバーアーム
14 作動シャフト
15 摺動ブッシュ
16 玉継手
17 フォーク受容部
18 インサート/取付け部
19 排気マニホールド
20 アクチュエータ
21 作動ロッド
22 カバー/取付け部
23 インサート部
α、β 角度
E 平面
L 長手方向軸線
H 結果として得られるレバーアーム