【文献】
I.Sefa,"Experimental study of interleaved MPPT converter for PV systems",35th Annual Conference of IEEE Industrial Electronics (2009),pp.456-461
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電力制御方法はさらに、少なくとも1つの前記電力変換回路の故障の検知に呼応して、対応するヒューズを切るために、前記故障した電力変換回路に前記光起電力モジュールの全電流を流すことを含む、
請求項1の電力制御方法。
前記現在の方向変数を判定することと、前記前の方向変数および前記現在の測定された出力電力と前記前の測定された出力との前記比較に基づき前記スイッチング周期を調節することとは、
前記前の方向変数がゼロよりも大きく、かつ前記現在の測定された出力電力が前記前の測定された出力電力よりも大きい場合、前記前の方向変数を前記現在の方向変数として維持し、かつ前記スイッチング周期を増加させることと;
前記前の方向変数がゼロよりも大きく、かつ前記現在の測定された出力電力が前記前の測定された出力電力よりも小さい場合、前記現在の方向変数を負の数に設定し、かつ前記スイッチング周期を減少させることと;
前記前の方向変数がゼロよりも小さく、かつ前記現在の測定された出力電力が前記前の測定された出力電力よりも大きい場合、前記前の方向変数を前記現在の方向変数として維持し、かつ前記スイッチング周期を減少させることと;および
前記前の方向変数がゼロよりも小さく、かつ前記現在の測定された出力電力が前記前の測定された出力電力よりも小さい場合、前記現在の方向変数を正の数に設定し、かつ前記スイッチング周期を増加させることと
を含む、請求項1記載の電力制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態は、概して複数の光起電力電池および伝導性のバックシートを有する照度の不均一に寛容(agnostic)な光起電力モジュールに関する。本明細書で使用するとき、用語「照度の不均一に寛容な」は、光起電力モジュールに適用される場合、不均一な照度条件に対して光起電力モジュールの感度が比較的に敏感ではないことを示す。いくつかの実施形態において、不均一な照度条件への光起電力モジュールの感度が比較的に敏感ではないことは、電流が光起電力電池を通って実質的に単一方向的に流れ、またバックシートが電流の帰還路を提供する光起電力電池の配置に起因する。
【0016】
<I.動作環境例>
本発明の実施形態例の種々の態様について説明するために、これから図面を参照する。
図面は、そのような実施形態例の概略的で模式的な表現であり、本発明を限定するものではなく、また必ずしも一定の縮尺で描かれているものではないことを理解されたい。
【0017】
まず
図1を見ると、本明細書で開示されたいくつかの実施形態を実施することができる動作環境例100が図示されている。動作環境例100は、複数の光起電力モジュール102を含み、この光起電力モジュール102は、電気的に互いに並列に接続され、光起電力モジュール102の負端子(図示せず)は、外部の負回線104に接続されており、光起電力モジュール102の正(あるいは負)端子(図示せず)は、外部の正(あるいは負)回線106に接続されている。さらに光起電力モジュール102は、アース107に接続される。この動作環境例100は、3台の光起電力モジュール102を含むが、別の実施形態において、動作環境例100は、1台の光起電力モジュール102で実装され、あるいは3台を超える光起電力モジュール102で実装される。
【0018】
場合によって、光起電力モジュール102は、損失を避け、また冗長性を提供するためにループ状の構成で、導体108および110を使用して、互いに並列に接続される。具体的には導体108は、光起電力モジュール102の負端子に接続され、外部の負回線104に導体108の2つの端部を接続する接続端子板112へループ状に折返す。同様に、導体110は、光起電力モジュール102の正端子に接続され、外部の正回線106に導体110の2つの端部を接続する接続端子板112へループ状に折返す。
【0019】
動作環境例100は、バッテリ116、インバータ118、ならびに1つまたは複数の遮断と過剰電流防御の装置120および122をさらに含む。バッテリ116は、任意であり、すべての実施形態で必要なわけではない。いくつかの実施形態において、インバータ118は、バッテリを使用し、かつかなりの貯蔵を提供するように構成されたハイブリッド型インバータであり、一方別の実施形態において、インバータ118は、低電圧インバータであり、リアルタイムの送電網給電用の十分な貯蔵で構成され、送電網が止まる場合に中止するようにさらに構成される。
【0020】
代替的にまたは付加的に、遮断と過剰電流防御の装置120は、約80アンペア(A)の定格の回路遮断器であり、また遮断と過剰電流防御の装置122は、約100Aの定格の回路遮断器である。
【0021】
図1は、送電網への接続をさらに示す。送電網への接続は任意であり、すべての実施形態で必要なわけではない。
いくつかの実施形態において、光起電力モジュール102は、約48ボルト(V)の直流(DC)電力を生成するように構成される。48VのDC電力は、バッテリ116を充電し、および/またはインバータ118によって送電網への出力のために120Vの交流(AC)電力に変換される。
【0022】
<II. 光起電力モジュール例>
図2A〜9Bへのさらなる参照によって、
図1の動作環境例100において実施することができる光起電力モジュール例102の態様がいくつかの実施形態によって開示される。
【0023】
[A. いくつかの光起電力モジュールの一般的な態様]
図2Aおよび
図2Bは、光起電力モジュール102の正面図および背面図を含む。
図2Aで最も良く見えるように、光起電力モジュール102は、複数の電池行126に配置された複数の個別の光起電力電池124を含む。電池行126は、第1行126Aおよび最終行126Bを含む。さらに電池行126は並んで配置され、光起電力電池124と電池行126は、動作中、電流が光起電力電池124を通り概して単一方向的に流れるように
電気的接続される。
図2Aの例において、たとえば電流は、任意に定義された正のx方向に対応して、概して左から右へ光起電力電池124のすべてを通り流れる。
【0024】
図2Bで最も良く見えるように、光起電力モジュール102は、端子130A、130B(概して単数形または複数形の「端子130」として言及される)を備えたエレクトロニクス組立品128を含む。図示する実施形態において、端子130およびエレクトロニクス組立品128は、光起電力モジュール102の第1縁132Aに、またはその132Aの近くに配置され、光起電力モジュール102は、第1縁132Aと共に光起電力モジュール102の周囲を形成する第2縁、第3縁、および第4縁132B〜132Dをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、端子130は、第2縁と第3縁132B、132Cとの間で、第1縁132Aに沿って等間隔に置かれる。具体的には端子130Aおよび端子130Bは、第1縁132Aに沿って、第2縁132Bから第3縁132Cまでの距離の約3分の1および約3分の2の所にそれぞれ位置する。
【0025】
端子130Aは、図示する実施例において負端子である。端子130Bは、光起電力モジュール102の構成に依存して、正端子または負端子でありうる。図示する実施形態において、端子130Bは、正端子である。
【0026】
場合によって、また
図2Aを参照して、エレクトロニクス組立品は、光起電力モジュール102の正面から見える発光ダイオード(LED)134を含む。LED134は、光起電力モジュール102に関する実績および/または診断のデータは、観察者、および/または光受信器を含む機器に光学的に通信されること可能にする。そのようなデータは、電子的に消去およびプログラム可能な読出専用のメモリ(EEPROM)、またはエレクトロニクス組立品128の別の適切な記憶メディアにおいて、通信される前に少なくとも当初は、保存されてもよい。実績データは、たとえば現在の電力、前もって定義した前の期間(たとえば24時間)との間の定期的な電力特性(たとえば分、時間などによる)、停止および/または起動時間、1日当たり生成された累積的なエネルギー、または温度などを含んでもよい。診断データは、たとえば範囲外電圧データ、接地事故(事象)検出データ、モジュール故障データ、不十分な照度データ、FW修正、現在の動作電力、システム電圧、PWM値、パネル電圧、高電流側(出力電流)と低電流側などを含んでもよい。
【0027】
代替的にまたは付加的に、実績データ、および/または診断データは、外部回線104および106によってインバータ118または別のヘッドエンド機器に通信される。これらおよび別の実施例において、データは、外部回線104および106上のデジタルパルスのシーケンスとしてインバータ118または別のヘッドエンド機器に通信される。場合によって、デジタルパルスは、それぞれ光起電力モジュール102によって、照度が光起電力モジュール102を完全に稼働させるのにはもはや十分ではない毎日の終わりにインバータ118または別のヘッドエンド機器に送られる。いくつかの実施例において、それぞれの光起電力モジュール102は、光起電力モジュール102によって生成されたデジタルパルスの対応するシーケンスの始めまたは終わりに、対応する光起電力モジュール102を同定する個々に一意的な通し番号などの識別子を含む。
【0028】
図2Aおよび
図2Bを合わせて参照して、光起電力モジュール102は、その周囲のすべてまたは一部分のまわりに延在するフレーム136をさらに含む。必須ではないが、
図2Aと
図2Bにおいて図示されるような光起電力モジュール102は、多数の光起電力モジュール102のアレイにおいて光起電力モジュール102の相互連結に使用するために、フレーム136の4つの角に配置されたフレーム拡張138を含む。フレーム拡張および光起電力モジュールアレイに関するさらなる詳細は、2010年2月23日出願の「HIGHLY EFFICIENT RENEWABLE ENERGY SYSTEM」と題する米国特許出願第12/711,040号明細書に開示されており、その出願の全
内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0029】
図3Aは、光起電力モジュール102の一部の横断面の側面図であり、電池行126に配置された光起電力電池124から構成された電池層140のほかに、以下によって詳細に述べるが、電気的に光起電力電池124を相互連結するための様々な導体も含む。
図3Bは、光起電力電池層140の一部の背面等角図である。
図3Aの視点において、電池行126は、ページ面に垂直の方向に向かっている。そのため、
図3Aにおいて、描かれた光起電力電池124のそれぞれは、直接に隣接した光起電力電池124とは異なる電池行126に属する。
【0030】
図3Aから明らかなように、光起電力モジュール102は、電池層140および電池層140の後ろに配置されたバックシート144の前に配置された前面板142を含む。本明細書で使用するとき、光起電力モジュール102に適用される用語「前面」は、電池層140内の光起電力電池124によって受け取られる光線が通る光起電力モジュール102の側面を指す。光起電力モジュール102に適用されるとき、用語「背面」は、光起電力モジュール102の前面の反対側の側面を指す。本明細書で、用語「の前に」、「の後ろに」および同種のものなどは、光起電力モジュール102に適用される「前面」および「背面」の前述の定義に一致して使用される。
【0031】
場合によって、光起電力モジュール102は、前面板142とバックシート144との間の電池層140の密閉のための1つまたは複数の接着剤層146と148、および/またはバックシート144の背面を十分にカバーする保護膜150をさらに含む。概してバックシート144は、光起電力電池124のための電流の帰還路を形成する。いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の接着剤層146および148は、エチレン−酢酸ビニール(EVA)を含む。
【0032】
図3Aおよび
図3Bを合わせて参照して、それぞれ電池行126内の光起電力電池124は、伝導細片152によって互いに電気的に並列に接続され、電池行126当たり少なくとも1つの伝導細片152を含む。
図3Aと
図3Bの実施例において、光起電力モジュール102は、電池行126当たりの2つの伝導細片152の1対を含む。伝導細片152はそれぞれ、対応する電池行126内のすべての光起電力電池124の背面(裏面)側に接続される。いくつかの実施形態において、それぞれの伝導細片152は、約0.02〜0.2mmの厚さ、約0.05〜2センチメートル(cm)の幅、および対応する電池行126にほぼ同じ長さを有する。
【0033】
場合によって、それぞれの伝導細片152は、そこに形成された複数の穿孔154を含む。穿孔154が果たす目的は、光起電力モジュール102の製造工程実施例に関する以下の説明の後に明白になるであろう。いくつかの実施形態において、光起電力モジュール102は、前面板142、接着剤層146に対応する第1シート接着剤、電池層140、接着剤層148に対応する第2シート接着剤、およびバックシート144を積み重ね、さらにその積み重ねを積層することによって製造される。積層化中に、第1および第2シート接着剤の材料は、移動し、対応する隣接層間の空間に順応し(たとえば埋まる)、最終的に接着剤層146および148を形成する。積層化の後、光起電力モジュール102の層の間に充填されていないエアギャップが存在する場合、信頼性および/または熱的な問題が、光起電力モジュール102で生じることがある。
【0034】
たとえ接着剤材料が、積層化に先立って伝導細片152と光起電力電池124との間に置かれなくても、穿孔154は、充填されていないエアギャップが伝導細片152と光起電力電池124との間に生ずるのを実質的に防ぐ。具体的には穿孔154は、接着剤層148に対応する第2シート接着剤の材料が穿孔154を通って、積層工程中の伝導細片1
52と光起電力電池124との間のいかなるギャップにも移動し、それを充填することを可能にする。
【0035】
図3Aと
図3Bを続けて参照すると、光起電力モジュール102の電池行126は、直列相互接続156によって電気的に直列に互いに接続される。詳細には、直列相互接続156のそれぞれは、電気的に1つの電池行126の光起電力電池124の前面すなわち正の表面を、直接に隣接した電池行126の、直接に隣接した光起電力電池124の背面すなわち負の表面へ接続する。図示する実施形態において、また
図3Bで最も良く見えるように、光起電力モジュール102は、ペアの直接に隣接した光起電力電池124当たり2つの直列相互接続156を含むが、別の実施形態において、光起電力モジュール102は、1つのペア当たり2つを超えるかまたは2つ未満の直列相互接続156を含んでもよい。
【0036】
[B. バックシート]
バックシート144は、アルミニウム、アルミニウム合金、または別の適切な単数または複数の材料などの実質的に導電性の材料から作られる。いくつかの実施形態において、バックシート144は、等級1145−H19または1235−H19のアルミニウム合金である。これらおよび別の実施形態によれば、バックシート144の張力の耐力強度は、120〜200メガパスカル(MPa)範囲にある。より一般的に、バックシート144の張力の耐力強度は、少なくとも30MPaである。代替的にまたは付加的に、バックシート144は、0.02〜0.2ミリメートル(mm)間の厚みである。
【0037】
付加的に、バックシート144は、連続的な領域のバックシートである。以下にさらに詳細に説明するように、バックシート144は、第1電池行126Aと最終電池行126Bとの間の電流の帰還路を形成する。本明細書で使用するとき、バックシート144に適用される用語「連続的な領域」は、第1電池行126Aおよび最終電池行126Bとその相互接続間のバックシート144の領域が十分に連続的であることを意味する。
【0038】
いくつかの実施例において、バックシート144の、前面板142との積層された組合せは、すべての光起電力電池124にわたる最適な圧縮応力レベルを提供する。この圧縮応力は、いくつかの実施形態の光起電力電池124の生来の応力状態に重畳され、光起電力電池124内のマイクロクラック成長を、抑制するおよび/または実質的に除去するために作用する。代替的にまたは付加的に、バックシート144と前面板142の組合せは、強度の追加のために、光起電力モジュール102の前面で正反りを維持し、極端な温度で光起電力モジュール102は、弾性変形は可能である一方、塑性変形を受ける可能性を実質的に除去し、またEVAまたは別の適切な接着剤を使用して、光起電力モジュール102への非常に高い接着強度を有する。
【0039】
図示する実施形態において、バックシート144は、第1端部158および第2端部160を含む。バックシート144の第1端部158および第2端部160は、光起電力モジュール102の、第1電池行126Aと最終電池行126Bの近くにそれぞれ配置される。バックシート144の第1端部158は、エレクトロニクス組立品128を通って第1電池行126Aに接続され、またバックシートの第2端部160は、最終電池行126Bに接続される。そのため、既に上記に示したように、バックシート144は、光起電力モジュール102の光起電力電池124の電流の帰還路を形成する。具体的にはまた光起電力モジュール102の対向した端部の横断面の側面図の示す
図4で最も良く見えるように、バックシート144は、第1電池行126Aと最終電池行126Bとの間の電流の帰還路を形成する。
【0040】
図4と
図5を合わせて参照して、バックシート144は、孔パターン162およびバッ
クシート144の幅方向に沿った第2端部160で形成された第1折返し164A(
図4)を含む。
図4に図示された第1折返し164Aの形成に先立って、1つまたは複数の第1折返線164Bが、
図5に図示されるようにバックシート144に形成されてもよい。1つまたは複数の第1折返線164Bは、第1折返し164Aを形成するために、あらかじめ定められた方法でバックシート144が折返すのを確実にするために、1つまたは複数の第1折返線164Bに沿ってバックシート144の弱化を含んでもよい。
【0041】
バックシート144は、バックシート144の幅方向に実質的に沿った第1端部158に形成された第2折返し166A(
図4)をさらに含む。
図4に図示された第2折返し166Aの形成に先立って、1つまたは複数の第2折返線166Bは、
図5に図示されるようにバックシート144に形成されてもよい。場合によって、1つまたは複数の摘み168は、第1端部158の縁から1つまたは複数の第2折返線166Bの1つまでバックシート144を切り込むことによってバックシート144の2つの角に形成される。
【0042】
図4で最も良く見えるように、光起電力モジュール102は、バックシート144の第2端部160を最終電池行126Bに相互接続するために、第1相互接続部材170および1つまたは複数の半田細片172をさらに含む。第1相互接続部材170は、最終電池行126Bのおよその長さ分、延在し、第1側部170Aと第2側部170Bとを含む。第1相互接続部材170の第1側部170Aは、最終電池行126B内の光起電力電池124のそれぞれに電気的接続される。第1相互接続部材170の第2側部170Bは、バックシート144に形成された孔パターン162の前に配置される。
【0043】
半田細片172は、バックシート144の第2端部160に形成された孔パターン162のおよその長さ分、延在する。半田細片172は、孔パターン162を含むバックシート144の領域中のバックシート144の後部に配置される。たとえば半田細片172は、孔パターン162のすぐ後ろのバックシート144の後部に配置されてもよい。半田細片172は、孔パターン162の孔を通って第1相互接続部材170の第2側部170Bに半田付けされる。そのため、最終電池行126B内の光起電力電池124のそれぞれは、第1相互接続部材170および半田細片172を介しバックシート144の第2端部160に電気的接続される。
【0044】
図示する実施形態において、第1折返し164Aは、半田細片172をカバーし、シーラント174が半田細片172と第1折返し164Aとの間に配置される。シーラント174は、いくつかの実施形態において実質的に形状従順性がある。代替的にまたは付加的に、シーラントは、ブチルゴム、ソーラーエッジテープまたは別の形状従順性があるシーラントである。概してシーラント174は、バックシート144と最終セル行126Bとの間で形成された電気的および機械的な相互接続を通って光起電力モジュール102へ水分が浸透するのを防ぐように構成される。いくつかの実施形態によれば、シーラント174は、十分な封止を確実にするために積層化に先立って、半田細片172と第1折返し164Aとの間に配置され、積層工程の高い温度および圧力の間に、光起電力モジュール102の中に形成され、形作られる。代替的にまたは付加的に、孔パターン162は、積層工程中に、バックシート144と最終電池行126Bとの間の全相互接続のまわりで薄くて完全な封止を確実にするために、過剰なEVAなどの接着剤が光起電力モジュール102の内部から流出すること可能にする。
【0045】
図4に示さなかったが、光起電力モジュール102は、第1折返し164Aのすべてまたは部分を覆うことを含み、実質的にバックシート144を覆う保護膜150(
図3A)をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、保護膜150は、黒いポリエチレンテレフタラート(PET)、黒ポリメタクリル酸メチル(PMMA)または別の適切な材料である。代替的にまたは付加的に、保護膜150は、実質的に電気絶縁性であり、お
よび/または0.6を超える放射率を有する。これらおよび別の実施形態において、保護膜150の比較的高い放射率は、光起電力モジュール102の熱の処理のために、保護膜150が熱エネルギーを光起電力モジュール102から外へ放射することを可能にする。
【0046】
前述のことを考慮して、バックシート144と最終電池行126Bとの間の電気的および機械的な配線は、いくつかの実施形態によると、以下の方法で形成される。最初に、孔パターン162および1つまたは複数の第1折返線164Bは、バックシート144の第2端部160に形成される。次に半田細片172は、孔パターン162を通して第1相互接続部材170の第2側部170Bに、半田付けされ、電気的および機械的な相互接続を形成する。シーラント174は、半田細片172上に置かれ、続けて、半田細片172および第1折返線164Bに沿ったシーラント174の上にバックシート144の第2端部160を折返し、第1折返し164Aを形成する。次に保護膜150(
図3A)がバックシート144の後ろに置かれる。前述のステップのうちのいくつかまたはすべては、
図4に図示された光起電力モジュール102の層を積み重ねることに先立って、および/またはの後に、実行されてもよい。最後に、
図4に図示された光起電力モジュール102の層を積み重ね、保護膜150をバックシート144の後ろに置いた後、積み重ねた材料を積層し、光起電力パネルを形成し、この光起電力パネルにフレーム136およびエレクトロニクス組立品128を取り付けて、光起電力モジュール102を形成する。
【0047】
図4を続けて参照し、第2折返し166Aをバックシート144の主表面に対して実質的に垂直に方向付けする。具体的にはバックシート144の大部分(以下「主表面」とする)は、任意に定義されたx−y面と平行な面を概して画定し、一方、第2折返し166Aは、任意に定義されたy−z面と平行な面を概して画定し、したがって、バックシート144の主表面に垂直に方向付けする。第2折返し166Aは、バックシート144を、エレクトロニクス組立品を介して第1電池行126Aに電気的接続する。この相互接続に関するさらなる詳細は、以下のC節で提供する。
【0048】
図4の実施例で、光起電力モジュール102の構成要素は、一定の縮尺で描かれておらず、また単純化されたブロックフォームで表わされているため、具体的な実施態様のいくつかの態様、たとえば光起電力モジュール102のフレーム136、および/または別の構成要素は、
図4から明らかにならない。しかしながら、
図6は、いくつかの実施形態によるフレーム136の具体的な実装を開示する。
【0049】
図6は、フレーム136の一部の断面図である。
図6に図示されたフレーム136の部分は、
図4の左側に描かれたフレーム136の部分に相当する。
図4の右側に描かれたフレーム136の部分などのフレーム136の別の部分、または
図2Aおよび
図2Bに描かれたフレーム136の部分は、いくつかの実施形態において同様に構成されるが、フレーム136が縁132A〜132D(
図2Aおよび
図2B)のいずれに配置されているかに応じて、そのような別の部分は、任意に定義されたx−y−z座標軸に関して異なる方向付けを有する。
【0050】
図2Aおよび
図2Bと
図6を合わせて参照して、フレーム136は、光起電力モジュール102の4つのすべての側部132A〜132Dに沿って延在する。図示する実施形態において、フレーム136は、任意の適切な単数または複数のプロセスによって形成された、押し出し成形されたアルミニウムまたは別の適切な単数または複数の材料である。
【0051】
図6の断面図で最も良く見えるように、フレーム136は、基部176、脚部178および溝部180を含む。基部176、脚部178および溝部180は、いくつかの実施形態によればフレーム136のそれぞれ部分の全長を延長する。
【0052】
基部176は、
図3Aおよび/または
図4において参照番号140、142、144、148、150によって明らかにされた層を含めて、光起電力モジュール102の周囲に沿った光起電力モジュール102の層を支持する。
【0053】
脚部178は、基部176から延在し、光起電力モジュール102およびフレーム136に曲げ強さを加える。代替的にまたは付加的に、脚部178は、少なくとも部分的にエレクトロニクス組立品128の後ろに延在し、エレクトロニクス組立品128に保護機能を提供する。
【0054】
溝部180は、基部176、および基部176から延在するアーム182によって画定される。一般に、溝部180は、光起電力モジュール102の周囲に沿って光起電力モジュール102の材料積み重ねを受け入れるように構成される。具体的には溝部180は、前面板142、接着剤層146、電池層140、接着剤層148、およびバックシート144を少なくとも含む材料積み重ねを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態において、保護膜150は、バックシート144の周囲に先立って終端となり、一方、別の実施形態において、保護膜150は、バックシート144の周囲に延在する。そのため、溝部180は、保護膜150を受け入れることもあり、受け入れないこともある。
【0055】
必須ではないが、
図6に図示する実施形態において、溝部180は、フレーム136がバックシート144の縁には接触しないことを確実にするように構成された、奥に引っ込められたスロット184を含む。たとえば
図4および
図6を合わせて参照し、溝部180は、そこに、少なくとも前面板142の左の端部およびバックシート144の第2端部160を収容するように構成され、バックシート144の第2端部160は、奥に引っ込められたスロット184に対して垂直方向に向きを調整される。バックシート144の第2端部160が奥に引っ込められたスロット184に対して垂直方向に向きを調整される結果、奥に引っ込められたスロット184の場所においてバックシート144の第2端部160とフレーム136との間の水平距離は、前面板142の左の端部と、溝部180の場所におけるフレーム136との間の水平距離よりも大きくなる。そのため、バックシート144の第2端部160は、奥に引っ込められたスロット184の場所において、バックシート144および光起電力モジュール102の別の積層された層がフレーム136に対して水平に移動しても、フレーム136には接触しない。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、光起電力モジュール102は、バックシート144の後部とフレーム136の基部176(
図6)との間に配置された絶縁細片186(
図4)を含む。絶縁細片は、バックシート144とフレーム136との間の電気接触を防ぐために電気的に十分に絶縁性である。
【0057】
場合によって、バックシート144は、水分侵入に対する障壁となるように前面板142と協働する。たとえばいくつかの光起電力モジュールで実装されるTedlarおよび/またはPETなどのプラスチックから作られたバックシートと比較すると、アルミニウムから作られた連続的な領域のバックシート144を介しての水の通過速度は、4−6桁低い。
【0058】
付加的に、いくつかの光起電力モジュールは、電気的な相互接続用の電気的導線を取り出すためにバックシートに切り込まれた孔を有する。そのような孔を密閉する試みがなされているが、そのような試みは通常100%有効とはならず、水分は、電気的導線用の切込孔を通って光起電力モジュールに入り得る。対照的に、光起電力モジュール102は、電気的導線用の孔が無い。というのは電気的な相互接続は、バックシート144の対向する端部158および160に沿って連続的に形成されており、さらにこの連続的な電気的な相互接続は、積層品積み重ね、および/またはエレクトロニクス組立品の内に保護され
るからである。したがって、バックシート144の露出した部分において、そこから水分が浸透することができる切り込まれた孔はなく、電気的導線の収容用に形成された孔を有するバックシートを備える光起電力モジュールと比較して、水分侵入をさらに防ぐことになる。
【0059】
[C. エレクトロニクス組立品]
図4を再び参照して、いくつかの実施形態によるエレクトロニクス組立品128の態様を開示する。一般に、エレクトロニクス組立品128は、光起電力電池124によって生成されたDC電力を、昇圧され伝送に適した電圧を備えるDC電力に変換するように構成された複数の電力変換回路(図示せず)を含む。
【0060】
より詳細には、エレクトロニクス組立品128は、ハウジング188、電気絶縁層190、第2相互連結部材192、プリント回路基板組立品(PCBA)194、ならびに除去可能なカバー200を含む。プリント回路基板組立品194は、プリント回路基板196と、電力変換回路などの複数のエレクトロニクス198とを含むプリント回路基板(PCB)の組立品である。
【0061】
図4の実施形態において、エレクトロニクス198に含まれた電力変換回路は、p型電界効果トランジスタ(FET)を組み込む。エレクトロニクス組立品128が付けられている(たとえば右側)モジュールの側部は、光起電力モジュール102の正の側であり、光起電力モジュール102の反対側部は、光起電力モジュール102のアース側であるようになっている。別の実施形態において、エレクトロニクス198に含まれた電力変換回路は、n型FETを組み込み、その場合には、エレクトロニクス組立品128が取り付けられているモジュール102の側部が、光起電力モジュール102の負の側になり、光起電力モジュール102の反対側部は、アース側になるであろう。
【0062】
バックシート144とエレクトロニクス組立品128との間の電気的なおよび/または機械的な相互接続は、ハウジング188、電気絶縁層190、バックシート144の第2折返し166A、および第2相互接続部材192によって、いくつかの実施形態において提供される。より詳細には、ハウジング188は、バックシート144の第1端部158の少なくとも一部に沿って長手方向に延在する第1側部188Aを含む。第1側部188Aは、バックシート144の第2折返し166Aに、近接しかつ実質的に平行に配置される。電気絶縁層190は、ハウジング188と、バックシート144の第2折返し166Aとの間に配置される。第2相互接続部材192は、バックシート144の第1端部158の少なくとも一部に沿って、長手方向に延在する。電気絶縁層190およびバックシート144の第2折返し166Aは、ハウジング188の第1側部188Aと、第2相互接続部材192との間に挟まれる。
【0063】
図4に示していないが、いくつかの実施形態において、1つまたは複数のスロットが、バックシート144の第2折返し166Aに形成される。1つまたは複数のスロットは、圧縮に基づいた締結具が第2折返し166Aの上に落ちることを可能にし、バックシート144の第2折返し166Aと第2相互接続部材192との間の相互接続を介して圧力を加える。
【0064】
電気絶縁層192は、いくつかの実施形態において、バックシート144の第2折返し166Aをハウジング188から電気的に絶縁する。代替的にまたは付加的に、電気絶縁層192は熱伝導性テープである。
【0065】
図4で見えるように、光起電力モジュール102は、バックシート144の第1端部158の少なくとも一部に沿って長手方向に、概して延在する第3相互接続部材202をさ
らに含む。第3相互接続部材202は、第1側部202Aと第2側部202Bを有する。第3相互接続部材202の第1側部202Aは、第1電池行126A内の光起電力電池124のそれぞれへ電気的接続される。第3相互接続部材202の第2側部202Bは、歪み緩和折返し202Cを含み、電気的および機械的にプリント回路基板組立品194に接続される。歪み緩和折返し202Cは、第3相互接続部材202とプリント回路基板組立品194との間の相互接続での歪みを最小限にするために構成され、この歪みは、たとえば膨張、収縮、および/または変動する温度条件の下での、積層品積み重ねの面外ゆがみから生ずるものである。
【0066】
図4は、バックシート144の主表面とハウジング188の第2側部188Bとの間に配置された接着剤204をさらに示す。
図4の実施例で、ハウジング188の第2側部188Bは、ハウジング188の第1側部188Aに付けられ、またバックシート144の主表面と、近接し、実質的に平行に配置される。接着剤204は、ハウジング188の第2側部188Bをバックシート144の主表面へ固定し、それによってハウジング188をバックシート144へ固定するように構成される。接着剤204は、アクリルフォームテープまたは別の適切な接着剤である。
【0067】
場合によって、バックシート144の第1端部158は、バックシート144の主表面と第2折返し166Aとの間に形成された歪み緩和折返し206を含む。歪み緩和折返し202Cと類似して、歪み緩和折返し206は、第2折返し166Aと第2相互接続部材192との間の相互接続での歪みを最小限にするために構成され、この歪みは、たとえば膨張、収縮、および/または変動する温度条件の下での、積層品積み重ねの面外ゆがみから生ずるものである。
【0068】
必須ではないが、いくつかの実施形態において、バックシート144の第2折返し166Aの、第2相互接続部材192に面する面は、故意に粗い質感に作られる。第2相互接続部材192に面する第2折返し166Aの面の粗い質感は、第2折返し166Aと第2相互接続部材192との間の、十分な電気的接触を確実にし、一方、第2折返し166Aを、比較的非導電性であり得る保護グリースで塗布することを可能にする。保護グリースは、第2折返し166Aを酸化から保護する。これらおよび別の実施例において、第2相互接続部材192に面する第2折返し166Aの面の粗い質感は、グリースを貫通し、第2相互接続部材192に対して十分な電気的接触を確立する。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、第2相互接続部材192は、プリント回路基板組立品194のためのヒートシンクとして機能する。たとえば
図4の実施例で、第2相互接続部材192は、プリント回路基板組立品194のエレクトロニクス198のうちのいくらかとの近い接触まで延在する。さらに第2相互接続部材192は、金属などの十分に熱伝導性のある材料から作られてもよい。第2相互接続部材192のプリント回路基板組立品194への近接および第2相互接続部材192の熱的物性のため、いくつかの実施例で、エレクトロニクス198によって生成された熱エネルギーのうちの少なくともいくらかは、第2相互接続部材192に移動する。代替的にまたは付加的に、第2相互接続部材192に移動した熱エネルギーのうちのいくらかは、バックシート144の第2折返し166Aおよび電気絶縁層190を通って、ハウジング188および/またはバックシート144に移動し、次いで光起電力モジュール102から発散される。場合によって、熱伝導率を増強するために、熱伝導性グリースおよび/または熱伝導性パッドは、エレクトロニクス198と第2相互接続部材192との間のギャップに置かれる。
【0070】
代替的にまたは付加的に、
図4と
図7B(
図7A)を合わせて参照し、第2相互接続部材192は、バックシート144とエレクトロニクス198との間で母線として機能する。これらおよび別の実施例において、第1電池行126Aは、第3相互接続部材202を
通ってプリント回路基板組立品194に電気的接続され、次いで第2相互接続部材192およびバックシート144への第2折返し166Aを通ってアースされる。いくつかの実施形態において、ネジ、ボルトおよび/またはナットなどの締結具208は、プリント回路基板組立品194を第2相互接続部材192に機械的に固定し、プリント回路基板組立品194を第2相互接続部材192に、したがって、バックシート144に電気的接続する。
【0071】
図7A〜
図7Cは、エレクトロニクス組立品128のさらなる態様を開示する。たとえば
図7Aおよび
図7Bで最も良く見えるように、エレクトロニクス組立品128は、エンドキャップ210A(
図7A)およびエンドキャップ210B(
図7B)をさらに含み、本明細書では「エンドキャップ210」と総称される。除去可能なカバー200およびエンドキャップ210Aは、
図7Bから省略されている。除去可能なカバー200、エンドキャップ210、ハウジング188、および前面板142の一部は、協同して、電力変換回路を含むエレクトロニクス198が内部に配置される筐体を形成する。
【0072】
いくつかの実施形態において、エンドキャップ210には、迅速な圧力変化中に、空気がエレクトロニクス組立品128を出入りすることを可能にするために通気孔がつけられる。これらおよび別の実施形態において、それぞれのエンドキャップ210は、通気を可能にするために、エンドキャップ210に形成された直径1mm以下の、1つまたは複数の孔を含んでもよい。
【0073】
図7Cをさらに参照して、プリント回路基板196の上のエレクトロニクス198の態様を開示する。具体的には
図7Cは、いくつかの実施形態によるプリント回路基板196に含まれるエレクトロニクス198のいくらかを開示する回路図である。エレクトロニクス198は、複数の電力変換回路212、1つまたは複数の制御モジュール214、複数の電力継電器216A〜216B(電力リレー。「電力継電器216」と総称される)および別の継電器218A〜218B(「継電器218」と総称される)、ならびに1つまたは複数の揮発性または不揮発性の記憶装置媒体220を含む。代替的にまたは付加的に、エレクトロニクス198は、少なくとも1つのADコンバータ(アナログデジタル変換器。ADC)222、複数のドライバ224、レギュレータ226、電圧計228A〜228C(「電圧計228」と総称される)、および電流計230A〜230B(「電流計230」と総称される)をさらに含む。
【0074】
簡潔に言えば、電力変換回路212は、光起電力モジュール102によって生成されたDC出力の電圧変換を提供する。制御モジュール214は、光起電力モジュール102の動作を制御するコントローラ、マイクロコントローラ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、または別の適切な制御モジュールである。ADコンバータ222は、制御モジュール214によって使用されるよう、アナログ入力をデジタル化する。レギュレータ226は、エレクトロニクス198内のデジタル装置に供給された電圧を制御する。いくつかの実施形態において、レギュレータ226は、デジタル装置に供給される電圧を、光起電力電池124によって総体として生成される電圧がどれだけ変わるかに無関係に3.3ボルト近くに維持する。ドライバ224は、電力変換回路212を制御する。たとえばいくつかの実施例で、ドライバ224は、電力変換回路212に組み込まれたFETのオンオフサイクルを制御する。記憶メディア220は、光起電力モジュール102の動作のためにファームウエアを格納し、および/または制御モジュール214によって使用され、光起電力モジュール102のための実績データおよび/または別のデータを格納することができる。いくつかの実施形態において、記憶メディア220は、電気的に消去および書込可能な読取専用メモリー(EEPROM)であり、または別の適切なメモリまたは記憶メディアである。
【0075】
電力継電器216は、光起電力モジュール102を、光起電力モジュール102が停止している場合、外部の負回線104および外部の正回線106(外部回線104および106」と総称される)から絶縁する。具体的には光起電力モジュール102が停止している場合、電力継電器216Bは、内部の負回線232を外部の負回線104から絶縁するように構成され、電力継電器216Aは、内部の正回線234を外部の正回線106から絶縁するように構成される。本明細書で、内部の負回線232および正回線234は、「内部の回線232および234」と総称される。
【0076】
本明細書で使用するとき、「内部の負回線」、「内部の正回線」という用語は、光起電力モジュール102内の、エレクトロニクス組立品128のエレクトロニクス198と光起電力モジュール102のそれぞれの負端子130Aまたは正端子130Bとの間で接続される導体および/または別の回路素子を概して指す。同様に、「外部の負回線」、「外部の正回線」という用語は、光起電力モジュール102の外の外部負荷と、光起電力モジュール102のそれぞれの負端子130Aまたは正端子130Bとの間で接続される導体および/または別の回路素子を概して指す。
【0077】
継電器217は、電力継電器216が開いているとき、光起電力モジュール102がインバータを含みバッテリが無い負荷に細流電流を供給することを可能にし、電力継電器216を閉じて光起電力モジュール102の通常動作を始める前に、外部回線104、106と内部回線232、234との間の電位を等しくする。電圧計228および電流計230は、光起電力モジュール102の様々な場所の電圧および電流を感知するために使用される。
【0078】
場合によって、エレクトロニクス198は、高速の過電圧回路(図示せず)および/または
図7Cで「GFDI」と識別された内部接地事故遮断システムをさらに含む。高速の過電圧回路は、安全性のために、および光起電力モジュール102の内部回路の保護のために開路条件に急速に応答するように構成される。これらおよび別の実施形態において、高速の過電圧回路の応答時間は、たとえば0.1ミリ秒未満である。
【0079】
内部接地事故遮断システムは、接地事故を検知し回路を遮断するように概して構成され、光起電力モジュール102を損傷すること、および/または安全障害を生み出すことを防ぐ。代替的にまたは付加的に、内部接地事故遮断システムは、外部出力線232上の電圧の、アーク故障の存在を示す特有の周波数を検知し、光起電力モジュール102による電力生産を停止するように構成される。いくつかの実施形態において、アーク故障の存在を示し、内部接地事故遮断システムによって検知できる特有の周波数は、約1ヘルツ(H)未満である。
【0080】
[1. 電力変換回路]
既に上記に言及されたように、電力変換回路212は、長距離送電に適した昇圧された電圧と、逓減(漸減)された電流とを有するように調節された電力供給を出力するために、光起電力モジュール102によって生成されたDC電力の電圧変換を提供する。実施例として、光起電力電池124は、正常運転条件の下で総体として、約8ボルトおよび30アンペアで、240ワットのDC電力を生成してもよい。この240ワットのDC電力の長距離送電には恐らく法外な費用がかかるであろう。というのは30アンペアの電流の処理するには、比較的大きな、したがって、高価な導体を必要とするであろうからである。
【0081】
しかしながら、本実施例で、光起電力電池124の240ワットの総体の出力は、電力変換回路212との間で分割される。たとえば240ワットの出力は、8ボルトおよび2.5アンペアの約20ワットの出力を12個の電力変換回路212のそれぞれが受け取るように12個の電力変換回路212に分割されてもよい。次いで電力変換回路212は、
それぞれの20ワットの出力の電圧を昇圧し、電流を逓減する。たとえばこの実施例におけるそれぞれの電力変換回路212は、それぞれ約54ボルトおよび約0.74アンペアまで20ワットの出力の電圧を昇圧し、電流を逓減する。電力変換回路212の54ボルトおよび0.74アンペアの出力は、内部の正回線234上で合同し、54ボルトおよび4.4アンペアの240ワットの出力を生成する。よって、8ボルトおよび30アンペアの240ワットのDC電力に必要とされるであろうものよりも比較的小さく、より安価な導体を介して、240ワットの出力が長距離伝送されることを可能にする。
【0082】
前述の実施例において提供される具体的な数字は、説明としてのみ提供され、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。より一般的に、光起電力電池124の総体のDC電力出力の電圧およびピーク電流は、いくつかの実施形態において、それぞれ約3〜12ボルトおよび0〜60アンペアである。代替的にまたは付加的に、内部の正回線234上の電力変換回路212による総体のDC電力出力の電圧および電流は、いくつかの実施形態においてそれぞれ約12〜60ボルトおよび0〜20のアンペアである。
【0083】
それぞれの電力変換回路126は、その入力直流電圧よりも大きい出力直流電圧を有する昇圧DC−DCコンバータである。いくつかの実施形態によれば組み込むことができる昇圧DC−DCコンバータの実施例として、ブーストコンバータ、バックブーストコンバータ、SEPICコンバータ、およびCukコンバータが挙げられる。
【0084】
それぞれの電力変換回路212は、インダクタ、1つまたは複数のコンデンサ、およびスイッチを特に含む。スイッチは、いくつかの実施例においてp型またはn型のFETとして組み込まれる。代替的に、スイッチは、金属酸化膜半導体FET(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、または別の適切なデバイスである。
【0085】
概して電圧利得は、それぞれの電力変換回路212によって電力変換回路212のスイッチで、制御モジュール214によって提供されるパルス幅変調(PWM)制御信号を使用してオンとオフを繰り返すことによって生成される。電圧利得の大きさは、それぞれ電力変換回路212のデューティサイクルおよびPWM制御信号によって制御されるインダクタチャージ時間に特に依存する。
【0086】
場合によって、制御モジュール214は、光起電力モジュール102の最大ピーク電力トラッキング(MPPT)を実現するために、アクティブな電力変換回路212の数、デューティサイクル、および/または誘導子チャージ時間を制御する。最大ピーク電力トラッキング方法の実施例のさらなる態様は、
図11A〜
図12に関して以下に開示する。
【0087】
いくつかの実施形態において、エレクトロニクス198は、12個のペアになった電力変換回路を含む。それぞれペア内の2つの電力変換回路212は、場合によって、互いに180度位相が異なって動作する。いくつかの実施形態によれば、それぞれペア内の電力変換回路212の位相の異なる動作は、実質的にエレクトロニクス組立品128(
図4)の入出力において電流リップルを減少させる。代替的にまたは付加的に、任意の所与の時刻に動作する電力変換回路212の数は、動的に、たとえば光起電力モジュール102の電力レベルに基づき制御モジュール214によって選択されてもよい。
【0088】
必須ではないが、いくつかの実施形態において、光起電力モジュール102は、自己メンテナンスのためにそれ自体を非直結にするように構成される。たとえば電力変換回路212のうちの1つが短絡した場合、光起電力モジュール102がそれ自体を非直結にし、短絡した電力変換回路212を通して全電流を流し、対応する電力変換回路ヒューズを切れさせ、それによって、短絡した電力変換回路212を絶縁させるように構成される。ヒ
ューズを切れさせた後、光起電力モジュール102は、通常動作に復帰する。
【0089】
いくつかの実施形態によれば実現することができる電力変換回路のさらなる態様は、2009年1月21日出願の、米国特許出願第12/357,260号明細書「REDUNDANT ELECTRICAL ARCHITECTURE FOR PHOTOVOLTAIC MODULES」に開示され、その出願は全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0090】
[2. 継電器](リレー器)
電力継電器216、他の継電器218、および電圧計228B、228Cは、光起電力モジュール102の二重用途の動作を可能にする。この二重用途は、バッテリ負荷と、バッテリ無しのインバータ負荷とのいずれかに対しての動作を含む。朝または任意の別の時間において動作を始める前に、光起電力モジュール102は、十分な照度に当初は露出され、光起電力モジュール102は、バッテリまたはバッテリ無しの負荷のいずれかとしてその負荷を認定するために、電力継電器216、他の継電器218および電圧計228B、228Cによって容易にされた安全スタートのアルゴリズムを実施し、その結果として、動作を適宜始める。安全スタート方法の実施例の態様を、
図10A〜
図10Bに関して以下に開示する。
【0091】
電力継電器216Aは、内部の正回線234と外部の正回線106との間で結合される。同様に、電力継電器216Bは、内部の負回線232と外部の負回線104との間で結合される。更に、図示する実施形態において、電力継電器216は、動力が供給されなかった時、デフォルトで開く。従って、光起電力モジュール102が切られる場合、たとえば電力継電器216に電力を供給するのに十分な電力を生成していない場合、電力継電器216が開き、光起電力モジュール102は、外部回線104および106から電気的に絶縁される。いくつかの実施形態において、それぞれの電力継電器216は、機械バネ装填の継電器、FETまたは適切な絶縁を提供するのに十分な電圧定格を有するIGBT、または別の適切な継電器である。
【0092】
いくつかの実施形態において、継電器218は、両方とも高度に絶縁された継電器である。電圧計228Cは、継電器218に直列に接続されるが、電圧計228Cは、高度に絶縁されている感知回線である。本明細書で使用するとき、継電器は、いかなる電流もこの継電器を介して直接転送されることを許容することなく回路の素子間で電子信号を転送するように設計される場合、高度に絶縁されているとする。そのため、いくつかの実施形態によれば、それぞれの継電器218は、固体光学リレーまたは別の適切な高度に絶縁されている継電器である。いくつかの実施形態によれば、光学リレーは、光アイソレータ、光結合デバイス、オプトカプラなどとしても一般に知られている。継電器218は、光起電力モジュール102の通常動作の間は開いている。
【0093】
継電器218Aは、外部の正回線106と外部の負回線104との間で結合され、一方、継電器218Bは、内部の正回線234と外部の正回線106との間で、電力継電器216Aと並列に連結される。光起電力モジュール102が通常動作を始める前に、また下記に述べる安全スタート方法の一部として、初期化している場合、継電器218Aは、電圧計228Cが外部回線104および106の間の回線電位を測定することを可能にするために閉じている。
【0094】
測定された回線電位が外部回線104、106上の任意の負荷の欠如を示す場合、手順(手段)は中断し、光起電力モジュール102は、十分に照明される次回に再開することを試みる。
【0095】
測定された回線電位が所定範囲内にあり、バッテリ(インバータの有無に関わらず)の存在、または外部回線104、106に接続された動作中のバッテリ無しインバータの存在を示す場合、光起電力モジュール102は、外部電圧に一致させるためその内部静電容量を充電し、電力継電器216は閉じられ、光起電力モジュール102は、バッテリが完全に充電されるまで最大ピーク電力モードで動作する。その後、光起電力モジュール102は、バッテリを充電しておくために定電圧モードに切り替わる。
【0096】
測定された回線電位が所定範囲未満で、バッテリの欠如を示し、また回路の測定されたRCレスポンスに基づき、回路が連続的であり、外部回線104、106に接続されたインバータの存在を示す場合、光起電力モジュール102は、継電器218Bを閉じ、外部の正回線106上へ電流を細流で流す。電圧計228Cは、外部回線104および106の間の回線電位を測定し続け、回線電位が増加する場合、継電器218Bは、測定された回線電位が光起電力モジュール102の電圧(内部電圧)に一致するまで外部の正出力線232Aの上に細流電流を継続する。光起電力モジュール102の回線電位および電圧が一致する場合、電力継電器216は閉じられ、光起電力モジュール102は、インバータが動作を始めるまで定電圧モードで動作する。その後に、光起電力モジュール102は、最大ピーク電力モードに変わる。
【0097】
電圧計228Aおよび/または228Bは、下記に述べる最大ピーク電力トラッキング方法の実施態様において光起電力モジュール102によって使用される。
[D. 端子]
図7A〜
図7Bに図示する実施形態において、端子130のそれぞれは、バックシート144の主表面に実質的に垂直の方角に延在し、
図4の実施例でさらに見られる通りである。いくつかの実施例において、端子130のそれぞれは、大きな接触面部の端子である。これらおよび別の実施形態において、端子130のそれぞれは、少なくとも6平方ミリメートルの接触面部を有する。代替的にまたは付加的に、それぞれの端子130は、直径が少なくとも6ミリメートルであるワイヤの連続区間へ接続するように構成される。
【0098】
図8は、端子130の1つの分解組立図である。
図7A〜
図8から明らかなように、端子130はボルト236、ワッシャ238、およびナット240を含む。一般に、ボルト236、ワッシャ238、およびナット240は、下記に述べるボルト236のU字形の溝部236A内の連続的なワイヤの一部を係合するよう協働する。
【0099】
いくつかの実施形態によれば、ボルト236の直径は、少なくとも10mmである。ボルト236は、締結具242(
図7B)によってエレクトロニクス組立品128に電気的および機械的に接続されるように構成された第1端部236B(
図8)を有する。ボルト236は、ネジ切りされた第2端部236C(
図8)を有する。第2端部236Cは、連続的出力回線、たとえば連続的なワイヤを受け入れるように構成されたU字形の溝部236A(
図8)を画定する。このように、単一の連続的なワイヤは、多数の光起電力モジュール102を相互に接続するために使用することができる。
図1における構成のように、いくつかの実施形態において、それぞれ光起電力モジュール端子間のワイヤに個別の部分を使用し、光起電力モジュール102を相互に接続する別の構成と比較したとき、光起電力モジュール102を相互に接続するために連続的なワイヤを実施することによって、コネクタとコネクタ間の損失は減少させられ、および/または実質的に除去される。
【0100】
ワッシャ238は、T字形で、幹238Aおよび上端238Bを含む。ワッシャ238の厚さは、ワッシャ238がU字形の溝部236Aの内に部分的に配置することができるように、U字形の溝部236Aの幅よりも小さい。幹238Aの幅は、ナット240の内径よりも小さい。
【0101】
端子130の構成は、連続的なワイヤの一部がU字形の溝部236Aの内に配置されることを可能にする。ワッシャ238もU字形の溝部236Aの内に配置され、ワッシャ238の上端238Bは、U字形の溝部236Aに配置された連続的なワイヤの部分の方に面する。最後にナット240は、ワッシャ238の幹238Aの上で、ボルト236の第2端部236Cにネジ止めされる。ナット240は、ボルト236の第2端部236Cにネジ止めされるとき、ナット240は、ワッシャ238の上端238Bに係合し、ワッシャ238の上端238Bを、U字形の溝部236Aに配置された連続的なワイヤの部分に対して追い込む。
【0102】
図9Aおよび
図9Bは、いくつかの実施形態によれば端子130を囲み、そしてそれによって端子130との偶然の接触、および/またはエレクトロニクス組立品128の中への水分浸透を実質的に防ぐために使用される端子ハウジング244および端子カバー246(
図9B)を図示する。第1空洞248(
図9A)は、端子ハウジング244に形成され、少なくとも部分的に端子ハウジング244を通って長手方向に延在する。第1空洞248は、ボルト236の第1端部236Bを受け入れるように構成される。第2空洞250も端子ハウジング244に形成される。第2空洞250は、第1空洞248に対して垂直に、少なくとも部分的に端子ハウジング244を通り延在し、また第1空洞248に接続する。第2空洞250は、電気的および機械的にボルト236をエレクトロニクス組立品128に接続するために使用される締結具242の一部を受け入れるように構成される。
【0103】
場合によって、Oリングガスケット(図示せず)は、エレクトロニクス組立品128のハウジング188(
図4)に対して端子ハウジング244を密閉するために第2空洞250の開口部のまわりに含まれる。
【0104】
端子ハウジング244は、レセプタクル252(
図9A)をさらに含む。端子130と組み立てられた時、端子130のボルト236の第2端部236Aは、レセプタクル252へ延在する。レセプタクル252は、ナット240がボルト236の第2端部236Aの上にネジ止めされるとき、ナット240を収容するようにも構成される。トラフ254(
図9A)は、レセプタクル252の対向する側面に形成され、端子ハウジング244および端子カバー246によって囲まれた端子130に接続されたワイヤ256(
図9B)の進入および退出を可能にする。
【0105】
場合によって、クリップ258がレセプタクル252の外側の対向した側面に含まれる。いくつかの実施形態において、端子カバー246は、端子カバー246を端子レセプタクル244に固定するためにクリップ258に係合する突部(図示)を含む。この実施例および別の実施例において、端子カバー246は、端子ハウジング244上の配設位置にはめ込まれる。
【0106】
端子カバー246は、端子ハウジング244と協働し、端子130を囲む。この点に関して、また本実施例において、端子カバー246は、ワイヤ256の進入および退出を可能にするように端子ハウジング244のトラフ254と位置合わせしたトラフ259を含む。
【0107】
上記に既に示すように、端子カバー246は、端子ハウジング244のクリップ258に係合する突部(図示)を含んでもよい。突部またはクリップ258は、壊れるかその他に故障する場合には、端子カバー246は、端子カバー246を付けるために別の機構を場合によって含む。たとえば
図9Bに図示する実施例において、摘み部(nub。ナブ。小さな塊り)260は、端子カバー246のトラフ259のそれぞれの外側に含まれている。この実施例および別の実施例において、ケーブルタイまたは別の適切な締結具でワイ
ヤ256が包まれ、端子カバー246をワイヤ256に固定するように摘み部260に係合する。ワイヤ256が端子ハウジング244内の端子130に接続されるので、これは、端子カバー246を端子ハウジング244に有効に固定する。
【0108】
<III. 方法実施例>
図10A〜
図12をさらに参照して、光起電力モジュール102によって実施することができる様々な方法を開示する。当業者は、これら、および本明細書で開示された別のプロセスおよび方法に関して、そのプロセスおよび方法で実行される機能は、異なる順において実施されてもよいことを理解するであろう。更に、概説されたステップおよび操作は、単に実施例として提供されており、また開示された実施形態の本質を損なうことなく、ステップと操作のうちのいくつかは任意であったり、より少数のステップおよび操作へ組合せられたり、あるいは、さらなるステップおよび操作へと拡張されたりしてもよい。
【0109】
[A. バッテリあり安全スタート、またはバッテリ無し安全スタート]
最初に
図10Aおよび
図10Bを参照して、光起電力モジュール102によって実施することができる安全スタート方法(safe−start method。安全開始方法)の実施例262(
図10A)をいくつかの実施形態によって開示する。具体的には
図10Aは、安全スタート方法実施例262を説明するフローチャートである。
図10Bは、いくつかの点で
図1に似ており、光起電力モジュール102の1つと動作環境実施例100との間の電気的接続を示す回路図である。
図10Bの構成要素はすべて以前に、たとえば
図1と
図7Cに関して、説明された。
図10Bは、とりわけ、
図1と
図7Cの構成要素が互いにどのように関係しているかを説明し、また
図10Aの方法262の論考のための情況を提供するために提供される。付加的に、
図10Bは、いくつかの実施形態によるバックシート144および光起電力モジュール102の電池層140を通る電流の方向を示す矢印264および266を含む。
【0110】
したがって、
図10A〜
図10Bを合わせて参照し、二重用途の光起電力モジュール102において、安全スタートまたはその他に操作開始のための方法実施例262を開示する。方法262は、ステップS268において始まり、光起電力モジュール102が動作していない時、電池層140の光起電力電池124(
図10Bに標記せず)および電力変換回路212を含むエレクトロニクス198(
図10Bに標記せず)を、外部回線104および106ならびに、場合によって、バッテリ116および/またはインバータ118を含む外部回路から電気的に絶縁するステップによって始まる。いくつかの実施形態において、電気的に光起電力電池124および/またはエレクトロニクス198を外部回路から絶縁するステップS268は、電力継電器216を開くことを含む。
【0111】
ステップS270で、外部回線104および106を横切る回線電位が、外部回路の負荷(もしあれば)を認定するために測定される。いくつかの実施形態において、外部回線104と106間の回線電位の測定するステップS270は、継電器218Aを閉じること、および電圧計228Cを使用して回線電位を測定することを含む。さらに外部回線104と106間の回線電位を測定するステップS270は、光起電力モジュールが少なくとも継電器218Aを閉じて電圧計228Cを動かすのに十分な電力を生成するのに十分な照度を受け取った後、概して朝または別の時刻において生じる。代替的にまたは付加的に、この生成された電力は、
図10Aの方法262の実行中に、光起電力モジュール102の動作を制御するまたは促進する制御モジュール214(
図7C)および/または他のエレクトロニクス198を操作するために十分である。
【0112】
ステップS272において、測定された回線電位は、最小のシステム電圧限界および最大のシステム電圧限界を含む1つまたは複数の所定のシステム電圧限界と比較される。場合によって、最小および最大のシステム電圧限界は、記憶メディア220(
図7C)にお
いて格納されたファームウエアにおいて規定される。最小および最大のシステム電圧限界は、外部回線104および106に接続される1つまたは複数のバッテリを示す許容できる電圧範囲を規定する。
【0113】
図10Aに示さなかったが、測定された回線電位が最大のシステム電圧限界よりも上にある場合、方法262は、測定された回線電位が許容範囲内になるまでステップS268、270および272を繰り返す。
【0114】
測定された回線電位が最小および最大のシステム電圧限界の間にあり、1つまたは複数のバッテリ116(または動作中のバッテリ無しインバータ)が外部回線104、106に接続されていることを示す場合、方法262は、ステップS274で、光起電力モジュール102の内部静電容量の充電によって、測定された回線電位を一致させることを継続する。光起電力モジュール102の内部静電容量を充電するステップS274は、とりわけ、光起電力モジュール102内のコンデンサの電圧を増加させることによって電圧を上げるために、光起電力電池124(
図10Aに標記せず)および電力変換回路212を使用することを概して含む。
【0115】
光起電力モジュール102の内部静電容量が測定された回線電位を満たすように充電された後、ステップS276で電力継電器216は閉じられ、光起電力モジュール102は、外部回路に電力を出力する。いくつかの実施形態において、外部回路に電力を出力することは、バッテリ116が充電されるまで最大ピーク電力モードにおいて作動すること、次いでバッテリ116を充電しておくために定電圧モードで動作するようにステップS278で切り替えることを含む。
【0116】
代替的にまたは付加的に、光起電力モジュール102は、外部回路の1つまたは複数のバッテリ116の定格電圧に一致させるために定電圧モードにおけるその出力電力の電圧を調節するように構成される。たとえば外部回路の1つまたは複数のバッテリ116が12ボルト、24ボルト、または48ボルトの定格である場合、いくつかの実施形態中の光起電力モジュール102は、その出力電力の電圧を約12ボルト、24ボルト、または48ボルトにそれぞれ調節する。
【0117】
ステップS272での決定に戻り、測定された回線電位が最小のシステム電圧限界未満で、外部回路からのいかなるバッテリも欠如していることを示す場合、方法262は、外部回路が連続的で、また電荷を維持する能力を有するか否か、たとえば外部回路が容量性か否かを判定することによってステップS280で継続する。外部回路が連続的で、また電荷を維持する能力を有するか否か判定するステップS280は、たとえば継電器218Bを使用し、外部の正回線106上に少量の電流を細流で流すこと、および/または電圧計228Cを使用し、外部回線104および106を含む外部回路の抵抗−コンデンサ(RC)レスポンスを測定することを含んでもよい。さらにいくつかの実施形態において、測定されたRCレスポンスは、外部回路中にバッテリがなく、インバータの存在を示す。
【0118】
「外部回路が連続的ではない」とステップS280で判定される場合、方法262はステップS282で中断する。
たとえば外部回路のRCレスポンスに基づき、外部回路が連続的であり、また電荷を維持する能力を有するとステップS280で判定される場合、方法262は、たとえば継電器218Bを使用し、外部の正回線106上に連続的に少量の電流を細流で流すことによって、ステップS284で継続する。
【0119】
ステップS286で、外部の正回線106上に連続的に少量の電流を細流で流している間(ステップS284)、回線電位が光起電力モジュール102の電圧にいつ達するか確
認するために、外部回線104および106上の回線電位が監視される。
【0120】
回線電位が光起電力モジュール102の電圧に一致した後に、ステップS288で、電力継電器216は閉じられ、また光起電力モジュール102は、外部回路に電力を出力する。いくつかの実施形態において、外部回路に電力を出力することは、光起電力モジュール102の電圧を57ボルトなどの規定された動作電圧へ逓増させること、外部回路中のインバータが動作し始めるまで、規定された動作電圧での定電圧モードでステップS290を動かすこと、およびインバータが動作し始めた後、ステップS292を最大ピーク電力モードの動作に切り替えることを含む。いくつかの実施形態において、最大ピーク電力モードでの動作中の、外部回線104および106上の規定された動作電圧、および/または回線電位は、最小および最大のシステム電圧限界の間にある。付加的に、ステップS288で電力継電器216が閉じられる場合、継電器218Bは開かれ、電流を細流で流すステップS284は中止される。
【0121】
図1および
図10A〜
図10Bを合わせて参照して、方法262は、第1光起電力モジュール102によって、十分な照度を受け取った後に朝また別の時刻において「目覚める」ように概して実行される。第1光起電力モジュール102が目覚めるのは、或る日と翌日で同じかもしれないし、同じではないかもしれないし、またたとえば動作環境実施例100およびその日々および季節変動における照度、および/または日陰の状態、それぞれ光起電力モジュール102のそれぞれの制御モジュール214、継電器218A、および/または電圧計228Cを動作するのに必要な電力の量、および/または別の要因に依存するかもしれない。
【0122】
いくつかの場合において、2つ以上の動作環境実施例100内の光起電力モジュール102がほぼ同じ時に起きてもよい。これらの場合において、多数の光起電力モジュール102は、方法262を実質的に同時に実行してもよい。したがって、多数の光起電力モジュール102は、ほぼ同時にステップS272で、回線電位が最大および最小の電圧の間にある(外部回路中のバッテリ116の存在を示している)と判定する場合、多数の光起電力モジュール102は同時に、またはほぼ同時に、ステップS274でそれぞれの内部静電容量を充電し、方法262の他のステップS276とS278を実行してもよい。代替的に、多数の光起電力モジュール102は、ほぼ同じ時にステップS280で外部回路は連続的であると判定することによって続き、ほぼ同じ時にステップS272で回線電位が最小の電圧未満であると判定する場合、多数の光起電力モジュール102は、同時にまたはほぼ同じ時に、外部回路の外部の正回線106上にステップS284で電流を細流で流し、方法262の他のステップS286、S288、S290、およびS292を実行してもよい。
【0123】
第1光起電力モジュール102が方法262を実行し、動作を始めた後、第1光起電力モジュール102は、続いて目覚める動作環境実施例100内の他の光起電力モジュール102にはバッテリのように見えることになる。したがっていくつかの実施形態によれば、実際のバッテリ116が外部回路の中に存在してもしなくても、続いて目覚める他の光起電力モジュール102は、動作を始めるために少なくともステップS268、S270、S272、S274、およびS276を概して実行してもよい。
【0124】
代替的にまたは付加的に、インバータが活動中になった後、外部回路においてバッテリを含んでいても除外していても、光起電力モジュール102のそれぞれのターゲット電圧は、最大ピーク電力トラッキングモードにおける動作が維持されることを確実にするために、インバータのターゲット電圧よりも高く設定される。
【0125】
[B. 最大ピーク電力トラッキング]
次に
図11A〜11Cを参照して、光起電力モジュール102によって実施することができる最大ピーク電力トラッキング方法実施例294(
図11A)をいくつかの実施形態によって開示する。より詳細には、
図11Aは、最大ピーク電力トラッキング方法実施例294を説明するフローチャートである。
図11Bは、パネル電圧(たとえば光起電力電池124によって総体として生成された、エレクトロニクス組立品128の入力の電圧)の関数として、光起電力モジュール102の光起電力電池124によって総体として生成された電流および電力に対応する電流曲線296および電力曲線298をグラフ式に図示する。また
図11Cは、電力変換回路212のスイッチング周期の関数として、総体として電力変換回路212によって生成され、光起電力モジュール102によって出力された電力に対応する電力曲線300をグラフ式に図示する。スイッチング周期は、電力変換回路212のスイッチング周波数の逆数である。
【0126】
図11Bおよび
図11Cの電流曲線296、電力曲線298、および電力曲線300は、以下では「パネル電流曲線296」、「パネル出力電力曲線298」、および「モジュール出力電力曲線300」としてそれぞれ参照される。パネル電流曲線296、パネル出力電力曲線298、およびモジュール出力電力曲線300に対応する電流、電力、および電力は、以下、パネル電流、パネル出力電力、およびモジュール出力電力としてそれぞれ参照される。
【0127】
いくつかの実施形態によれば、6対の電力変換回路212がそれぞれ光起電力モジュール102によって使用される。上述のように、それぞれペアの2つの電力変換回路212は、互いに180度位相が異なって動作させてもよい。いくつかの実施形態によれば、概して電力変換回路212は、固定デューティサイクルを有して不連続のモードで動作する。固定デューティサイクルは約50%であってもよい。それぞれ電力変換回路212のインダクタンス値は固定されており、それぞれ電力変換回路212内に含まれるインダクタによって決定される。固定デューティサイクルおよび固定インダクタンス値のために、それぞれインダクタ中の電流は、パネル電圧および電力変換回路212のスイッチング周波数に正比例する。
【0128】
したがって、およびいくつかの実施形態において、モジュール出力電力は、光起電力モジュール102を最大のパネル出力電力で動作させることによって最大限にされる。最大のパネル出力電力は、
図11Bのパネル出力電力曲線298から容易に求めることができる。さらにいくつかの実施形態において、パネル出力電力は、
図11Cのモジュール出力電力曲線300に関連したモジュール出力電力の感知によって追跡される。モジュール出力電力を追跡し最大限にするプロセスは、
図11Aの最大ピーク電力トラッキング方法294によって具体化される。
【0129】
概して
図11Aの方法294は、ディザープロセスを含めた山登り法(hill climbing approach)を実施する。方法294の山登り法は、光起電力モジュール102がモジュール出力電力曲線300の全体的なピーク302の右か左のどちらで動作しているか判定することと、次いでモジュール出力電力を全体的なピーク(最大値)302の方へ移動させるように電力変換回路212のスイッチング周期の比較的小さな調節を行うこととを概して含んでいる。次いで実際のモジュール出力電力は測定され、山登り法を繰り返す。
【0130】
図11Cから明らかなように、モジュール出力電力曲線300は多数の脈動、言いかえれば局所的な最大304を含むので、方法294は、付加的にディザープロセスを実行する。方法294のディザープロセスは、光起電力モジュール102が局所的な最大304のうちの1つの上で動作していて立ち往生することがないことを確実にするために、電力変換回路212のスイッチング周期よりも大幅な調節を行い、次いでモジュール出力電力
を測定することによって、モジュール出力電力曲線300上で右(または左)に周期的に「跳躍する」ことを、概して含んでいる。測定されたモジュール出力電力が以前に測定されたモジュール出力電力よりも大きい場合、より低いモジュール出力電力に遭遇するまで、ディザープロセスは右(または左)に跳躍し続け、次いで測定された最も高いモジュール出力電力に対応するスイッチング周期に戻る。第1跳躍の後、測定されたモジュール出力電力が以前に測定されたモジュール出力電力よりも小さい場合、ディザープロセスは、以前に測定されたモジュール出力電力に対応するスイッチング周期に戻り、次いで全体的なピーク302は、光起電力モジュール102が動作している所の左側(または右)に位置しないことを確実にするために左(または右)に跳躍する。ディザープロセスは、所定間隔でおよび/または1つまたは複数の特別の事象に呼応して起動されてもよい。
【0131】
より詳細には、また
図11Aに関して、方法294はエレクトロニクス組立品128によっていくつかの実施形態において実行される。図示する実施形態において、方法294は、光起電力モジュール102のモジュール出力電力の測定によって、ステップS306で始まる。場合によって、光起電力モジュール102のモジュール出力電力の測定は、電圧計228Bおよび
図7Cの電流計230A、230Bの1つまたは両方を使用することによって遂行される。
【0132】
ステップS308で、方法294は、現在の測定されたモジュール出力電力を前の測定されたモジュール出力電力と比較することによって続行される。いくつかの実施形態において、現在の測定されたモジュール出力電力を前の測定されたモジュール出力電力と比較するステップS308は、
図7Cの制御モジュール214によって実行される。
【0133】
ステップS310で、光起電力モジュール102が現在動作している全体的なピーク302の側を示す現在の方向変数は、(1)光起電力モジュール102が以前に動作していた、全体的なピーク302の側を示す前の方向変数と、(2)現在の測定された出力電力と前の測定された出力電力のステップS308での比較とに基づき決定される。代替的にまたは付加的に、ゼロよりも大きい方向変数(たとえば正の方向変数)は、全体的なピーク302の右側を示し、代替的にまたは付加的に、ゼロよりも小さい方向変数(たとえば負の方向変数)は、全体的なピーク302の左側を示す。
【0134】
ステップS312で、電力変換回路212のスイッチング周期に対応するそれぞれ電力変換回路212内のインダクタの充電時間は、(1)前の方向変数と、(2)現在の測定された出力電力の前の測定された出力電力とのステップS308での比較とに基づき調節される。
【0135】
いくつかの実施形態において、ステップS310およびS312は以下を含む。
− 前の方向変数がゼロよりも大きく、現在の測定されたモジュール出力電力が前の測定されたモジュール出力電力よりも大きい場合、前の方向変数を現在の方向変数として維持し、スイッチング周期を増加させること。
− 前の方向変数がゼロよりも大きく、現在の測定された出力電力が前の測定された出力電力よりも小さい場合、現在の方向変数を負数に設定し、スイッチング周期を減少させること。
− 前の方向変数がゼロよりも小さく、現在の測定されたモジュール出力電力が前の測定されたモジュール出力電力よりも大きい場合、前の方向変数を現在の方向変数として維持し、スイッチング周期を減少させること。あるいは、
− 前の方向変数がゼロよりも小さく、現在の測定された出力電力が前の測定された出力電力よりも小さい場合、現在の方向変数を正数に設定し、スイッチング周期を増加させること。
【0136】
場合によって、
図11Aの方法294は、スイッチング周期への調節および光起電力モジュール102の動作中に方法294を繰り返すことに呼応して、電力変換回路212内のコンデンサが電荷を変更することを可能にすることをさらに含む。
【0137】
代替的にまたは付加的に、および
図11Aにおいて図示するように、方法294は、光起電力モジュール102がモジュール出力電力曲線300の局所的な最大304のうちの1つの上で動作していて立ち往生することがないことを確実にするために、ステップS314でディザープロセスを実行することをさらに含む。この点では、個々の局所的な最大304から、等価な出力電力を生成し対応する次のスイッチング周期までのスイッチング周期の差が実際的には一定であることは、
図11Cから明白である。この実際的には一定の差は、
図11Cにおいてギリシャ文字Δ(大文字のデルタ)によって確認される。
【0138】
図11Cは、特定のモジュール出力電力に対応するモジュール出力電力曲線300をグラフ式に示すことが分かる。モジュール出力電力曲線300は、異なるモジュール出力電力曲線群に対応するモジュール出力電力曲線の見本である。したがって異なるモジュール出力電力のモジュール出力電力曲線は、
図11Cのモジュール出力電力曲線300に概して似ているかもしれないが、そのようなモジュール出力電力曲線は、モジュール出力電力300とのいくらかの差を含んでもよい。たとえば1つのモジュールの出力電力における差Δの大きさは、別のモジュール出力電力における差Δの大きさとは異なってもよい。しかしながら、概していくつかの実施形態中のディザープロセスは、対応する局所的な最小が消去されるのを確実にするために、スイッチング周期を、Δ(任意のモジュール出力電力の)よりも大きな量で右(または左)に跳躍することを含んでいる。
【0139】
前述のように、ディザープロセス314は、周期的に起動される。代替的にまたは付加的に、ディザープロセス314は1つまたは複数の事象に呼応して実行される。たとえばディザープロセス314は、光起電力モジュール102の照度状態の変化、および/または任意の時刻において動作しているペアになった電源切換回路212の数の変化に呼応して起動されてもよい。照度状態の変化に関して、そのような変化は、パネル電圧またはモジュール出力電力における著しい変化(たとえば所定のしきい値よりも大きな変化)の検知によって検知されてもよい。
【0140】
動作しているペアになった電力変換回路(スイッチング回路)212の数に関して、制御モジュール214は、動作しているペアになった電力変換回路(スイッチング回路)212の数を追跡してもよく、その数は、パネル電圧およびパネル出力電力に基づき、モジュール出力電力を最適化するために周期的に変更されてもよい。
図11Cのモジュール出力電力曲線300などのような、モジュール出力電力曲線中の脈動の存在のために、動作しているペアになった電力変換回路212の異なる数に対応する最適のスイッチング周期の比率は非線形である。したがって、動作しているペアになった電力変換回路212の数の変更は、いくつかの実施形態において、ディザープロセス314を引き起こす。
【0141】
さらに
図12を参照して、ディザープロセス実施例314の態様を開示する。
図12に図示する実施形態において、ディザープロセス314は、ディザープロセス314を呼応によって起動させた事象を検知することによって、ステップS316で始まる場合もある。その事象は、照度状態の変化、動作しているペアになった電力変換回路(スイッチング回路)212の数の変化などであり得る。
【0142】
ディザープロセス314は、スイッチング周期を、前のスイッチング周期の右に、現在のスイッチング周期へのΔよりも大きな所定量で、調節することによってステップS318に進む。代替的にまたは付加的に、ディザープロセス314は、最初に事象を検知することがなくても、周期的にステップS318で始まる。
【0143】
ステップS320で、現在のスイッチング周期に対応するモジュール出力電力が測定される。
ステップS322で、現在の測定されたモジュール出力電力は、前のスイッチング周期に対応する前の測定されたモジュール出力電力と比較される。
【0144】
現在の測定されたモジュール出力電力がステップS322の前の測定されたモジュール出力電力よりも大きい場合、ディザープロセス314は、ステップS324に進み、現在の測定されたモジュール出力電力は、直前の測定されたモジュール出力電力よりも小さくなるまでスイッチング周期を右に所定量Δで繰返し調整する。
【0145】
ステップS324で、現在の測定されたモジュール出力電力が、直前の測定されたモジュール出力電力よりも小さいと判定した後、ステップS326で、ディザープロセス314は、スイッチング周期を、直前の測定されたモジュール出力電力(たとえば最大の測定されたモジュール出力電力)に対応する直前のスイッチング周期に調整し、それから
図11Aの方法294のステップS306に戻る。
【0146】
代替的に、ステップS322で、現在の測定されたモジュール出力電力が、直前の測定されたモジュール出力電力よりも小さいと判定した場合に、ディザープロセス314はステップS328に進み、そこでスイッチング周期が前のスイッチング周期の左側に、現在のスイッチング周期へのΔよりも大きな所定量で調節される。
【0147】
ステップS330で、現在のスイッチング周期に対応するモジュール出力電力が測定される。
ステップS332で、現在の測定されたモジュール出力電力は、前のスイッチング周期に対応する前の測定されたモジュール出力電力と比較される。
【0148】
ステップS332において、現在の測定されたモジュール出力電力が、前の測定されたモジュール出力電力よりも大きい場合、ディザープロセス314は、ステップS324に進み、現在の測定されたモジュール出力電力が、直前の測定されたモジュール出力電力よりも小さくなるまで、スイッチング周期を左に所定量Δで繰り返し調整する。
【0149】
ステップS334において、現在の測定されたモジュール出力電力が、直前の測定されたモジュール出力電力よりも小さくなると判定した後、ステップS336で、ディザープロセス314は、スイッチング周期を、直前の測定されたモジュール出力電力(たとえば最大の測定されたモジュール出力電力)に対応する直前のスイッチング周期に調整し、それから
図11Aの方法294のステップS306に戻る。
【0150】
代替的に、ステップS332において、現在の測定されたモジュール出力電力が、前の測定されたモジュール出力電力よりも小さいと判定された場合、ディザープロセス314は、スイッチング周期を、前の測定されたモジュール出力電力に対応するスイッチング周期に調節し、それから
図11Aの方法294のステップS306に戻る。
【0151】
本明細書で説明された実施形態は、より詳しく以下に説明するように、様々なコンピューターハードウェアまたはソフトウェアモジュールを含む、専用または汎用のコンピュータの使用を含んでもよい。
【0152】
本発明の範囲内の実施形態は、その上に格納されたコンピュータ実行命令またはデータ構造を伴うか有するコンピュータ可読媒体も含む。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用か専用計算機によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であり得る。
限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体はRAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは別の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは別の磁気記憶装置デバイス、または所望のプログラムコード手段をコンピュータ実行命令もしくはデータ構造の形で伴うか格納するために使用することができ、また汎用もしくは専用のコンピュータによってアクセスすることができる他のいかなる媒体も含むことができる。情報がネットワークまたは別の通信接続(ハードワイヤード、ワイヤレス、またはハードワイヤードかワイヤレスの組合せのいずれか)によってコンピュータに、転送されるか提供される場合、コンピュータは、この接続をコンピュータ可読媒体として見るのは適切である。したがって、いかなるそのような接続もコンピュータ可読媒体と呼ばれるのは適切である。上記のものの組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0153】
コンピュータ実行命令はたとえば汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは特別目的制御演算装置に、ある機能または機能群を実行させる指示とデータを含む。本主題は、構造的特徴および/または方法論的な行為に特定的な言葉によって記述されてきたが、添付された特許請求の範囲に規定した主題は、上記に説明された特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことを理解されるべきである。もっと正確に言えば、上記に説明された特定の特徴または行為は請求項を実行する実施例形態として開示される。
【0154】
本明細書で使用するとき、用語「モジュール」または「構成要素」は、コンピューティングシステム上で実行するソフトウェアオブジェクトまたはルーチンを指すことができる。本明細書で説明された異なる構成要素、モジュール、エンジン、およびサービスは、コンピューティングシステム上で実行する(たとえば独立した処理として)オブジェクトまたはプロセスとして実装されてもよい。本明細書で説明されたシステムと手段は、ソフトウェアにおいて好ましくは実装されている一方、ハードウェア内、またはソフトウェアとハードウェアの組合せ内での実装も可能であり、意図される。本記述において、「計算する実体」は、先に本明細書で規定したようないかなるコンピューティングシステム、またはコンピューティングシステム上で動作するいかなるモジュールもしくはモジュールの組合せであってもよい。
【0155】
本発明は、その精神または本質的特質から外れることなく、別の特定の形態で具体化されてもよい。説明された実施形態は、すべての点において、例示的であって限定的ではないものと考慮されたい。したがって、本発明の範囲は前述の記述によってではなく添付された特許請求の範囲によって示される。本請求特許請求の範囲と均等の意味および範囲内に生じる変更はすべて、本発明の範囲内に包含されるべきものである。