特許第5966029号(P5966029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5966029-開閉装置およびグローブボックス 図000002
  • 特許5966029-開閉装置およびグローブボックス 図000003
  • 特許5966029-開閉装置およびグローブボックス 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5966029
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】開閉装置およびグローブボックス
(51)【国際特許分類】
   B25J 21/02 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
   B25J21/02
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-27761(P2015-27761)
(22)【出願日】2015年2月16日
【審査請求日】2015年12月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511014518
【氏名又は名称】株式会社UNICO
(74)【代理人】
【識別番号】100131657
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 律次
(72)【発明者】
【氏名】若生 直彦
【審査官】 木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−311675(JP,A)
【文献】 特開平08−130239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グローブボックス本体と、
前記グローブボックス本体と開口部を介して連結されたパスボックスと、
前記開口部をスライド移動によって開閉するための開閉プレートと、
前記開閉プレートと前記開口部の間を密閉するためのシールと、
前記開閉プレートを前記開口部に対して押圧及び離間させるための接離手段と、
を具備し、
前記接離手段は、
前記開閉プレートに対して回転自在に連結される雄ねじと、
当該雄ねじを回転させるための回転手段と、
前記雄ねじと螺合する雌ねじを有し、前記雄ねじの回転によって移動可能な係止バーと、
前記グローブボックス本体に設けられ、前記係止バーが前記開口部方向に対して一定間隔以上移動するのを制限する係止部と、
前記係止バーが回転するのを防止する回転防止手段と
を具備することを特徴とするグローブボックス。
【請求項2】
グローブボックス本体と、
前記グローブボックス本体と開口部を介して連結されたパスボックスと、
前記開口部をスライド移動によって開閉するための開閉プレートと、
前記開閉プレートと前記開口部の間を密閉するためのシールと、
前記開閉プレートを前記開口部に対して押圧及び離間させるための接離手段と、
を具備し、
前記接離手段は、
前記開閉プレートに対して回転自在に連結される雄ねじと、
当該雄ねじを回転させるための回転手段と、
前記雄ねじと螺合する雌ねじを有し、前記雄ねじの回転によって移動可能な係止バーと、
前記グローブボックス本体に設けられ、前記係止バーが前記開口部から一定距離以上離間するのを制限する係止部と、
前記開閉プレートを前記開口部から離間する方向へ力を付勢する離間手段と、
前記係止バーが回転するのを防止する回転防止手段と、
を具備することを特徴とするグローブボックス。
【請求項3】
前記離間手段は、前記開閉プレートを前記開口部から離間する方向へ弾性力を付勢する弾性体を有することを特徴とする請求項記載のグローブボックス。
【請求項4】
気密室間に配置される開閉装置であって、
前記気密室間に設けられた開口部をスライド移動によって開閉するための開閉プレートと、
前記開閉プレートと前記開口部の間を密閉するためのシールと、
前記開閉プレートを前記開口部に対して押圧及び離間させるための接離手段と、
を具備し、
前記接離手段は、
前記開閉プレートに対して回転自在に連結される雄ねじと、
当該雄ねじを回転させるための回転手段と、
前記雄ねじと螺合する雌ねじを有し、前記雄ねじの回転によって移動可能な係止バーと、
前記グローブボックス本体に設けられ、前記係止バーが前記開口部方向に対して一定間隔以上移動するのを制限する係止部と、
前記係止バーが回転するのを防止する回転防止手段と
を具備することを特徴とする開閉装置。
【請求項5】
気密室間に配置される開閉装置であって、
前記気密室間に設けられた開口部をスライド移動によって開閉するための開閉プレートと、
前記開閉プレートと前記開口部の間を密閉するためのシールと、
前記開閉プレートを前記開口部に対して押圧及び離間させるための接離手段と、
を具備し、
前記接離手段は、
前記開閉プレートに対して回転自在に連結される雄ねじと、
当該雄ねじを回転させるための回転手段と、
前記雄ねじと螺合する雌ねじを有し、前記雄ねじの回転によって移動可能な係止バーと、
前記グローブボックス本体に設けられ、前記係止バーが前記開口部から一定距離以上離間するのを制限する係止部と、
前記開閉プレートを前記開口部から離間する方向へ力を付勢する離間手段と、
前記係止バーが回転するのを防止する回転防止手段と
を具備することを特徴とする開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気密室間に配置される開閉装置および当該開閉装置を用いたグローブボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大気中で不安定な物質等を扱うために、グローブボックスが用いられている。グローブボックスは、真空ポンプ等により内部の気体を排気して減圧したり、内部の気体を不活性ガス等に置換したりして使用する気密室を有し、外部側からゴム製のグローブを介して気密室内の作業を行えるようにしたものである。このようなグローブボックスは、気密室の外部と内部との間で物品等の搬入や搬出をする際に、気密室内の環境を管理し易くするため、気密な隔離室を有するパスボックスが設けられている。そして、気密室と隔離室の間には、開口部を開閉するための開閉装置が必要になる。
【0003】
従来の開閉装置としては、例えば、パスボックスの開閉プレートと、開閉プレートの後方に位置するベースから開閉プレートの前方へパスボックスの上下面に添うように延びる爪を持つクランプと、そのベースの中央部に軸受を介して回転自在に支持される円筒軸と、円筒軸の一端に連結されるハンドルと、円筒軸の他端に開口する筒穴の内周に形成される雌ネジ部と、雌ネジ部と進退可能な螺合手段として開閉プレートの後面に突設される雄ネジ部と、パスボックスの開口端に装着されるシールと、雌ネジ部に対する雄ネジ部の進入方向へクランプの爪を係止する手段としてパスボックスの開口辺に形成されるストッパと、クランプの爪とストッパとの係止方向に対する直交方向へ開閉プレートを移動可能に支持するスライダ機構と、を備えたものがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−311675
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、開閉装置は、閉鎖時に開閉プレートを開口端に装着されたシールに強く押圧させる。そのため、従来の開閉装置では、解放時にクランプの爪と開閉プレートとの距離を広げても、開閉プレートはシールに密着しており、開閉プレートのスライド移動を困難にするという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、解放時に開閉プレートとシールの密着を確実に解消する開閉装置およびこれを用いたグローブボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のグローブボックスは、グローブボックス本体と、前記グローブボックス本体と開口部を介して連結されたパスボックスと、前記開口部をスライド移動によって開閉するための開閉プレートと、前記開閉プレートと前記開口部の間を密閉するためのシールと、前記開閉プレートを前記開口部に対して押圧及び離間させるための接離手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
この場合、前記接離手段は、前記開閉プレートに対して回転自在に連結される雄ねじと、当該雄ねじを回転させるための回転手段と、前記雄ねじと螺合する雌ねじを有し、前記雄ねじの回転によって移動可能な係止バーと、前記グローブボックス本体に設けられ、前記係止バーが前記開口部方向に対して一定間隔以上移動するのを制限する係止部と、で構成すれば良い。
【0009】
また、別の接離手段としては、前記開閉プレートに対して回転自在に連結される雄ねじと、当該雄ねじを回転させるための回転手段と、前記雄ねじと螺合する雌ねじを有し、前記雄ねじの回転によって移動可能な係止バーと、前記グローブボックス本体に設けられ、前記係止バーが前記開口部から一定距離以上離間するのを制限する係止部と、前記開閉プレートを前記開口部から離間する方向へ力を付勢する離間手段と、で構成すれば良い。この場合、前記離間手段は、前記開閉プレートを前記開口部から離間する方向へ弾性力を付勢する弾性体を用いることができる。
【0010】
また、前記接離手段は、前記係止バーが回転するのを防止する回転防止手段を備えていても良い。
【0011】
また、本発明の開閉装置は、気密室間に配置されるものであって、前記気密室間に設けられた開口部をスライド移動によって開閉するための開閉プレートと、前記開閉プレートと前記開口部の間を密閉するためのシールと、前記開閉プレートを前記開口部に対して押圧及び離間させるための接離手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の開閉装置および当該開閉装置を用いたグローブボックスは、接離手段が開閉プレートを開口部に対して押圧方向だけでなく離間させる方向へも移動可能であるため、開閉プレートとシールの密着を確実に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のグローブボックスを示す概略正面図である。
図2】本発明の開閉装置(開放状態)を示す概略正面図である。
図3】本発明の開閉装置(開放状態)を示す概略平面図である。
図4】本発明の開閉装置(閉鎖状態)を示す概略正面図である。
図5】本発明の開閉装置(閉鎖状態)を示す概略平面図である。
図6】本発明の開閉装置(閉鎖状態)を示す概略断面図である。
図7】本発明の開閉装置(開放状態)を示す概略断面図である。
図8】本発明の別の開閉装置(開放状態)を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 グローブボックス
2 開閉プレート
3 シール
4 接離手段
10 開口部
11 グローブボックス本体
12 パスボックス
13 気密室
14 隔離室
41 雄ねじ
42 回転手段
43 雌ねじ
44 係止バー
45 係止部
50 離間手段
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のグローブボックス1は、グローブボックス本体11と、当該グローブボックス本体11と開口部10を介して連結されたパスボックス12と、グローブボックス本体11とパスボックス12との間に配置され、開口部10を開閉するための開閉装置とで主に構成される。なお、気密室内の気体を排気して減圧する排気手段等、一般的なグローブボックスが備えているものは、勿論適宜備えていて良い。
【0016】
グローブボックス本体11は、内部に作業用の気密室13を形成するもので観察窓15を有する箱状に形成される。また、グローブボックス本体11には、一般的なグローブボックスと同様に、手を気密室13内に入れるための二つの手袋取付口16が更に形成され、各手袋取付口16には、気密室13が気密となるようにゴム手袋が配置される。また、グローブボックス本体11の材質は、気密室13を減圧した際に大気圧に対する耐久性を有していればどのようなものでも良く、例えばステンレス鋼等の金属で形成される。
【0017】
パスボックス12は、グローブボックス本体11の気密室13と外部や別の気密室との間で物品等の搬入や搬出をする際に、一時的に外部又は気密室と隔離する隔離室14を形成するものである。パスボックス12には、隔離室14と外部の間を開閉するパスボックス12用の開閉装置17が設けられている。また、グローブボックス本体11側との間には、気密室13と隔離室14との間で物品等の搬入や搬出をするための開口部10が設けられており、当該開口部10には、当該開口部10を開閉するために、本発明の開閉装置が備えられている。
【0018】
開閉装置は気密室間に配置されるものであって、気密室間に設けられた開口部10をスライド移動によって開閉するための開閉プレート2と、開閉プレート2と開口部10の間を密閉するためのシール3と、開閉プレート2を開口部10に対して押圧及び離間させるための接離手段4と、で主に構成される。以下の説明では、開閉装置は、図2図8に示すように、グローブボックス本体11の気密室13とパスボックス12の隔離室14との間に配置される場合について説明する。
【0019】
開閉プレート2は、開口部10より大きい方形状の板からなり、開閉プレート2を開口部10に当てることにより、開口部10を閉鎖することができる(図4図5参照)。開閉プレート2は、気密室13や隔離室14を減圧した際に当該圧力に耐えられる材料であれば良く、例えば、ステンレス鋼等の金属を用いることができる。
【0020】
また、開閉プレート2の上端側と下端側には、当該開閉プレート2を保持するための溝を有するレール21が適切な長さで設けられており、開閉プレート2を左右にスライド移動することができる。また溝は、接離手段4によって開閉プレート2を開口部10に対して接離方向に移動できるだけの幅を有する。このように構成することにより、開閉プレート2を開口部10の正面からスライド移動すれば、開口部10を開放することができる(図2図3参照)。なお、レール21には、開閉プレート2のスライド移動を容易にするためにローラー等を配置しても良い。
【0021】
シール3は、開閉プレート2で開口部10を閉鎖し、気密室13や隔離室14を減圧した際に、開閉プレート2と開口部10との間を密閉することができるものであれば良い。例えば、開閉プレート2と開口部10との間に配置され、開閉プレート2を開口部10側に押圧した際に圧縮されて開閉プレート2と開口部10の間を密閉するものを用いることができる。なお、シール3は開閉プレート2側に配置しても、開口部10側に配置しても良い。シール3としてはゴムパッキン等を用いることができ、材質としては、クロロプレンゴム等の有機材料からなるものを用いれば良い。
【0022】
接離手段4は、開閉プレート2を開口部10に対して押圧及び離間させるためのものである。接離手段4の第一の実施例としては、開閉プレート2に対して回転自在に連結される雄ねじ41と、当該雄ねじ41を回転させるための回転手段42と、雄ねじ41と螺合する雌ねじ43を有し雄ねじ41の回転によって移動可能な係止バー44と、グローブボックス本体11に設けられ係止バー44が開口部10方向に対して一定間隔以上移動するのを制限する係止部45と、で構成すれば良い。
【0023】
開閉プレート2と雄ねじ41の連結は、雄ねじ41が開閉プレート2に対して自由に回転できるものであればどのようなものでも良いが、例えば、図6図7に示すように、雄ねじ41の長手方向の一端側を回転可能に内包する連結具46を開閉プレート2に固定する。そして、雄ねじ41の連結具46で内包される部分であって、側面の回転方向に連結溝47を形成し、連結具46の側面から当該連結溝47挿入されたボルト48で雄ねじ41を固定する。これにより、雄ねじ41が開閉プレート2に対して自由に回転できる。
【0024】
回転手段42は、雄ねじ41を回転させることができるものであればどのようなものでも良く、例えば、雄ねじ41の長手方向の開閉プレート2側ではない一端側に、雄ねじ41を手動で回転させることができるハンドル42を設ければ良い。また、スイッチでモータ等を利用して雄ねじ41を回転させることができる電動式のものでも勿論構わない。
【0025】
係止バー44は、真っ直ぐに伸びる板状又は棒状の係止片49と、当該係止片49の一部、例えば中央部に形成され上述した雄ねじ41と螺合可能な雌ねじ43とで形成することができる。そして、係止片49が回転しないように係止した状態で雄ねじ41を雌ねじ43に螺合させて回転させると、雄ねじ41と雌ねじ43を相対的に雄ねじ41の軸方向(以下、進退方向という)へ移動させることができる。
【0026】
係止部45は、グローブボックス本体11に設けられ、係止バー44の進退方向の移動を一定間隔内に制限するものである。例えば、係止バー44の係止片49の開閉プレート2側(進行側)に開放用ストッパ45a、逆側(後退側)に閉鎖用ストッパ45bをグローブボックス11に固定されたストッパ支持部45cで支持すれば良い。
【0027】
また、開閉装置は、雌ねじ43に対して雄ねじ41回転させた際に係止バー44が回転するのを防止する回転防止手段を設ける方が好ましい。回転防止手段はどのようなものでも良いが、例えば、係止部45の開放用ストッパ45aや閉鎖用ストッパ45bを支持するストッパ支持部45cを回転防止手段に兼用することができる。
【0028】
次に開閉装置の動作について説明する。まず、図4に示すように、開閉プレート2をレール21上でスライド移動させ、開口部10の正面に配置する。この状態でハンドル42を右に回し、雄ねじ41を雌ねじ43に対して回転させると、係止バー44が雄ねじ41に対して相対的に後退側に移動する。しかし、係止バー44が閉鎖用ストッパ45bに当接すると係止バー44は閉鎖用ストッパ45bの位置で固定される。すると、雄ねじ41は、閉鎖用ストッパ45bに対して進行側に移動することになり、連結されている開閉プレート2を開口部10側に押圧する。これにより、図6に示すように、シール3は開閉プレート2によって圧縮されてグローブボックス本体11とパスボックス12の間が密閉される。
【0029】
逆に、ハンドル42を左に回し、雄ねじ41を雌ねじ43に対して回転させると、係止バー44が雄ねじ41に対して相対的に進行側に移動する。ただし、開閉プレート2はシール3に密着しているため、開閉プレート2及びこれに固定されている雄ねじ41の位置は変化しない。その後、係止バー44が開放用ストッパ45aに当接すると係止バー44は開放用ストッパ45aの位置で固定される。すると、雄ねじ41は、開放用ストッパ45aに対して後退側に移動することになり、連結されている開閉プレート2を開口部10側から離間する方向に引っ張る。これにより、図7に示すように、開閉プレート2は、シール3との密着から引き剥がされる。その後、図2図3に示すように、開閉プレート2をレール21上でスライド移動することにより、開口部10が開放される。
【0030】
また、接離手段4の第二の実施例としては、開閉プレート2に対して回転自在に連結される雄ねじ41と、当該雄ねじ41を回転させるための回転手段42と、雄ねじ41と螺合する雌ねじ43を有し雄ねじ41の回転によって移動可能な係止バー44と、開閉プレート2とシール3を離間させるための離間手段50と、グローブボックス本体11に設けられ、係止バー44が開口部10から一定距離以上離間するのを制限する係止部45と、で構成しても良い。
【0031】
ここで、開閉プレート2、回転手段42および係止バー44については、上述した第一の実施例と同一であるので、同一部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0032】
離間手段50は、開閉プレート2が開口部10から離間する方向へ力を付勢するものである。例えば、開閉プレート2の開口部10側に当接する当接部と、開閉プレート2が開口部10から離間する方向へ当接部に弾性力を付勢する弾性体とで構成する。弾性体としては、開閉プレート2とシール3との密着力を解除するのに必要な弾性力を当接部に付勢できるものであればどのようなものでも良いが、例えば、ばねやゴムを用いることができる。なお、開閉プレート2が開口部10から離間する方向へ力を付勢するものとしては、弾性体以外のものでも良く、例えばピストンのような空圧や油圧を用いるものでも構わない。
【0033】
係止部45は、グローブボックス本体に設けられ、係止バー44が開口部10から一定距離以上離間しないように係止するものである。例えば、係止バー44の係止片49の開閉プレート2とは逆側(後退側)に閉鎖用ストッパ45bを設ける。この状態でハンドル42を右に回し、雄ねじ41を雌ねじ43に対して回転させると、係止バー44が雄ねじ41に対して相対的に後退側に移動する。しかし、係止バー44が閉鎖用ストッパ45bに当接すると係止バー44は閉鎖用ストッパ45bの位置で固定される。すると、雄ねじ41は、閉鎖用ストッパ45bに対して進行側に移動することになり、連結されている開閉プレート2を開口部10側に押圧する。この際、開閉プレート2は、離間手段50の当接部に当接し、弾性体による弾性力が付勢される。その後、開閉プレート2によりシール3は圧縮され、グローブボックス本体11とパスボックス12の間が密閉される。逆に、ハンドル42を左に回し、雄ねじ41を雌ねじ43に対して回転させると、係止バー44が雄ねじ41に対して相対的に進行側に移動する。この際、開閉プレート2とシール3の間には密着力が生じているが、当該密着力よりも離間手段による弾性力の方が大きいため、開口プレートは開口部10に対して後退側に移動しシール3との密着から引き剥がされる。その後、開閉プレート2を横にスライド移動することにより、開口部10が開放される。
【要約】
【課題】 解放時に開閉プレートとシールの密着を確実に解消する開閉装置およびこれを用いたグローブボックスを提供すること
【解決手段】 グローブボックスは、グローブボックス本体とパスボックスとの間に配置され、開口部を開閉するための開閉装置を有する。開閉装置は、気密室間に設けられた開口部をスライド移動によって開閉するための開閉プレート2と、開閉プレート2と開口部の間を密閉するためのシール3と、開閉プレート2を開口部10に対して押圧及び離間させるための接離手段と、で構成する。接離手段は、開閉プレート2に対して回転自在に連結される雄ねじ41と、当該雄ねじ41を回転させるための回転手段42と、雄ねじ41と螺合する雌ねじ43を有し雄ねじ41の回転によって移動可能な係止バー44と、グローブボックス本体11に設けられ係止バー44が開口部10方向に対して一定間隔以上移動するのを制限する係止部45と、で構成する。
【選択図】 図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8