(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966134
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】包装袋とその製作方法
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20160728BHJP
B31B 1/90 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B31B1/90 321
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-96669(P2011-96669)
(22)【出願日】2011年4月25日
(65)【公開番号】特開2012-229022(P2012-229022A)
(43)【公開日】2012年11月22日
【審査請求日】2014年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104466
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 信義
(74)【代理人】
【識別番号】100095278
【弁理士】
【氏名又は名称】犬飼 達彦
(72)【発明者】
【氏名】林 秀樹
【審査官】
家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3074935(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3158230(JP,U)
【文献】
特開2006−075987(JP,A)
【文献】
特開2002−273802(JP,A)
【文献】
特開平11−165744(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0044566(US,A1)
【文献】
特開平11−245967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00−33/38
B65D75/58−75/62
B31B 1/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋であって、前記開口部とチャックの間の表シートと裏シートの少なくともいずれか一方に尖塔体を備える折り目体と台座とで、前記包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を有することを特徴とする包装袋。
【請求項2】
ミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋の製作方法であって、
表シートと裏シートの少なくともいずれか一方から回転する尖塔体を備える折り目体と台座とで、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方に、前記包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を形成する包装袋の製作方法。
【請求項3】
ミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋の製作方法であって、
表シートと裏シートの少なくともいずれか一方から往復動する尖塔体を備える折り目体と台座とで、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方に、前記包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を形成する包装袋の製作方法。
【請求項4】
ミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋の製作方法であって、
表シートと裏シートの少なくともいずれか一方から回転、又は往復動する尖塔体を備える折り目体と台座で、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方に、前記包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を形成する包装袋の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂等のフィルムで製作の包装袋において、商品を取り出し易くするために、容易に開口できる包装袋とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の包装袋100は、
図5に示すように、合成樹脂フィルム、アルミ箔等で表シートと裏シートで製作の包装袋であり、例えば、三方シールの包装袋の上部にはチャック2が形成されており、その上に、側部に切欠き4を形成のミシン目5が設けてあり、このミシン目5を破断して開口部が形成される。また、包装袋の頂部には上縁シール部6が形成してある。この形態の包装袋として、例えば、特許文献1に開示してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−328647
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の包装袋100は、
図6に示すように、ミシン目5から切断して、その開口部を開口しながらチャック2を開放する。そして、その開口部から商品を取り出し、商品が残っていると、再度、チャック2を閉鎖しておく。
しかし、ミシン目5を破断した開口部は表裏のフィルムが密着していて、開口が容易に行えないことがある。
そこで、本願発明は、かかる不都合を解消する包装袋と、その包装袋の製作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1のミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋には、ミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋であって、前記開口部とチャックの間の表シートと裏シートの少なくともいずれか一方に尖塔体を備える折り目体と台座とで、前記包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を有する。
又、請求項2のミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋の製作方法は、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方から回転する尖塔体を備える折り目体と台座とで、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方に、前記包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を形成する。
又、請求項3のミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋の製作方法は、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方から往復動する尖塔体を備える折り目体と台座とで、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方に、前記包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を形成する。
又、請求項4のミシン目で開口する開口部の下にチャックを有する包装袋の製作方法は、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方片側から回転、又は往復動する尖塔体を備える折り目体と台座で、表シートと裏シートの少なくともいずれか一方に、前記包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を形成する。
【発明の効果】
【0006】
本願発明の包装袋は、開口部に沿って、尖塔体を備える折り目体と台座で、断面がく字状に形成される折り目によって容易に開口部を開口することができるし、回転又は往復動する尖塔体を備える折り目体と台座で、容易に包装袋の開口部に沿って、断面がく字状の折り目を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】(A)は包装袋の断面姿態を示し、(B)はミシン目で破断した包装袋の斜視図を示す図である。
【
図4】(A)は包装袋の両側に設置の回転する折り目体の断面図、(B)は包装袋の両側に設置の往復動する折り目体の断面図である。
【
図6】(A)は従来の包装袋の断面姿態を示す図、(B)はミシン目で破断した従来の包装袋の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明の包装袋および、包装袋の製作方法について説明する。
図1は、合成樹脂フィルム、アルミ箔等で表シートと裏シートで製作の包装袋の姿態であり、三方シール(二方シールであってもよい)の包装袋内に商品を収納後、上縁シール部6が形成してある。
また、その上縁シール部6の下には、包装袋1を開口しやすいように、側部に切欠き4が形成してある。尚、この切欠き4の包装袋の横方向の延長線に切断部5があり、この切断部5を破断して、開口部が形成される。
尚、この切断部5に、ミシン目が設けてあると更に切断しやすいが、材質により、或いは、ハサミ等で切断する場合には、ミシン目がなくてもよいし、前記切欠き4がなくても良い。
【0009】
また、前記切断部5が開口部となり、その開口部の下には、後記で詳述する包装袋の横方向に折り目3が形成されている。なお、この折り目3は、包装袋1の横幅全体に形成するのではなく一部に形成しても良いし、連続して形成する他、不連続に形成してもよい。また、その折り目5の下には、開口後、閉鎖するチャック2が形成されている。
以上のように、本願の包装袋1は、商品を取り出すために、切断部で破断すると、その切断部5が開口部となる。そして、その開口部(切断部5)の下に、折り目3が形成されていると、開口部の表シートと裏シートは離反していて、開口しやすい。
なお、本願の包装袋は、チャック2、切欠き4、ミシン目の切断部5は必ずしも必要ではなく、切断部5で切断したとき、その開口部の下に折り目3が形成されていれば、その開口部は開いた状態となる。
【0010】
次に、包装袋1には前記上縁シール部6、切欠き4、切断部5、折り目3及びチャック2が形成されていて、この包装袋1の作用について、包装袋の断面姿態を示す
図2(A)、包装袋の斜視図を示す
図2(B)を参照して説明する。
包装袋1内に商品10が収納された状態で、開封をするために、前記切欠き4から切断部5で破断して、その上部の上縁シール部6を廃棄する。すると、包装袋1は折り目3によって、開口部(上縁)が開くので、チャック2を開いたとき、容易に開口状態になる。
この折り目3がないときには、表シートと裏シートは密着状態であるが、折り目3があると、表シート裏シートが離反して、開口部は開いた状態になるため、チャック2を開いて、商品を容易に取り出すことができる。
【0011】
次に、包装袋を製作する機器を示す
図3を参照して説明する。
回転可能なロール50に巻かれた1枚のフィルム51は、縦型の一対の挟着ロール53で、前記フィルム51の中心を2つ折りで搬送されて、包装袋1の表シートと裏シートとなる。
次の工程では、前記2枚重ねのフィルム51に対して、前後に凹凸を形成のチャック用シーラー55a、55bが配置してあり、チャック2が形成され、さらに搬送されて、前記形成されたチャック2を前後に配置してあるクーラー56a、56bで冷却される。
【0012】
次に、折り目を形成する工程であり、この折り目は
図4を参照して説明する。
図4(A)は、包装袋の両側(表シート1aと裏シート1b)の断面図であり、包装袋1の両側に回転する折り目体60a、60bが設置してあると共に、前記表シート1aと裏シート1bの間に台座70が設けてある。この台座70には、前記折り目体60a、60bの先端状に合致するク字状の尖塔体70a、70bが形成されている。そして、搬送される包装袋1(表シート1aと裏シート1b)に対して、前記折り目体60a、60bと台座70で挟着しながら回転(搬送)されると、表シート1aと裏シート1bは互いに内側に織り込まれて、折り目が形成される。
尚、
図3には、前記一対の折り目体60a、60bが、直列に2台設置してあるが、包装袋の材質等によっては1台であっても良い。また、前記折り目体60a、60bの先端部は尖塔状であり、その尖塔形状を形成する鋭角及び先端部の幅は、包装袋の材質、厚み等を考慮して選定する。また、この折り目体60a、60bの回転速度は、包装袋搬送速度を考慮して選定する。
【0013】
次に、
図4(B)は、包装袋の両側(表シートと裏シート)の断面図であり、折り目3を形成する他の方式であり、包装袋の両側から往復動する折り目体61a、61bが設置してあると共に、前記表シート1aと裏シート1bの間に台座70が設けてある。この台座70には、前記折り目体61a、61bの先端状に合致するク字状の尖塔体70a、70bが形成されている。そして、搬送される包装袋1(表シート1aと裏シート1b)に対して、前記折り目体61a、61bを台座70に対して往復動して挟着すると、表シート1aと裏シート1bは互いに内側に織り込まれて、折り目が形成される。
尚、前記折り目体61a、61bの先端部は尖塔形状であり、その尖塔形状を形成する鋭角及び先端部の幅は、包装袋の材質、厚み等を考慮して選定する。また、折り目体61a、61bの往復動する速度、折り目体61a、61bの幅は、包装袋の搬送速度、折り目の長さ等を考慮して選定する。
【0014】
尚、前記折り目3を形成する折り目体は、回転する折り目体60a、60bと往復動する折り目体61a、61bの双方で形成しても良いし、いずれか一方で形成してもよい。また、双方を採用する場合には、回転する折り目体60a、60bと往復動する折り目体61a、61bのいずれを先に構成してもよい。
即ち、回転する折り目体60a、60bと往復動する折り目体61a、61bをどのように選定するかは、包装袋の材質、厚み、及び包装袋の搬送速度等によって選定する。
【0015】
また、回転する折り目体60a、60bと往復動する折り目体61a、61bは、横方向(幅)に連続する折り目3を形成する他、包装袋の材質、厚み等によって、不連続に、或いは、一部に折り目3を形成してもよい。
さらに、前記実施例では、包装袋1の両側(表シート1aと裏シート1b)に折り目3を形成しているが、片側に回転する折り目体60a、60b、往復動する折り目体61a、61bと台座70を設置して、片側だけに折り目3を形成してもよい。
【0016】
前記折り目3を形成された包装袋は、次に、ボトムシーラ65によって3方シールの1つである上縁シール6を形成し、次に搬送された包装袋はボトムクーラー66によって、前記上縁シール6を冷却する。
次に、包装袋の右縦シールを右縦シーラー68a、68bで行い、その後、左縦シーラー69a、69bで左縦シールを実施した後に、冷却器70a、70bで前記左縦シールと右縦シールを冷却する。そして、次の工程では切欠き器71によって、切欠き4を形成する。
尚、その後、前記包装袋1に商品を収納した後に、下縁部をシールして、商品入りの包装袋1として完成する。
【0017】
尚、
図3に示す包装機は、包装袋を製作した後、商品を収納して、商品入りの包装袋を完成させるものであるが、
図3に示す容量で包装袋を完成させた後、その完成された包装袋を1枚毎、取り上げて、商品を収納する包装機にも適用できる。
【符号の説明】
【0018】
1 包装袋
2 チャック
3 折り目
5 ミシン目
6 上縁シール
60a、60b 回転折り目体
61a、61b 往復動折り目体