特許第5966142号(P5966142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5966142-コンクリート製品の連結構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966142
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】コンクリート製品の連結構造
(51)【国際特許分類】
   E02B 5/02 20060101AFI20160728BHJP
   E03F 1/00 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   E02B5/02 H
   E03F1/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-34006(P2012-34006)
(22)【出願日】2012年2月20日
(65)【公開番号】特開2013-170370(P2013-170370A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2015年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】308025923
【氏名又は名称】前田製品販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066094
【弁理士】
【氏名又は名称】米屋 武志
(74)【代理人】
【識別番号】100123146
【弁理士】
【氏名又は名称】米屋 崇
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆逸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−154583(JP,A)
【文献】 特開平07−317007(JP,A)
【文献】 特開平09−060099(JP,A)
【文献】 特開平09−088172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 5/02
E03F 1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に連結するコンクリート製品の連結部外壁面に固定した連結金具と、該連結金具の起立部に形成した貫通孔に端部を差し込んで前記一対の起立部で両端部が支持され、前記両コンクリート製品の連結部に架け渡された連結ボルトと、前記起立部の貫通孔から突出する前記連結ボルトの端部に螺合したナットと、前記起立部と前記ナットとの間の前記連結ボルトに嵌装したコイルスプリングとからなる弾性締結部と、前記両コンクリート製品の連結部端面間に設置した弾性樹脂とからなり、前記ナットを前記コイルスプリングの弾性に抗して締め付けることで前記両コンクリート製品を前記連結部端面間に設置した前記弾性樹脂を圧縮して締結する構成としたコンクリート製品の連結構造において、
前記連結金具の起立部にあって前記連結部と反対側の面に、前記連結ボルトに嵌装した前記コイルスプリングの一部を被覆する係止カラーをその一端側で固定し、該係止カラーの他端から前記連結ボルトの端部に螺合した前記ナットまでの間隔を、前記コイルスプリングの弾性に抗して締め付ける前記ナットの締め付け可動範囲とし、該可動範囲が前記コンクリート製品本体幅の1.5%から2.5%の範囲であると同時に、前記弾性樹脂の許容延び長の1/2以下であり、前記弾性締結部の連結ボルトの設計軸力が
n×ΣF≧ 0.25×W×1/N ・・・・(1)
但し、n:安全率(=1.0〜1.2)
F:連結ボルトの設計軸力
ΣF:弾性締結部1箇所当たりの連結ボルトの設計軸力の総和(KN)
W:製品自重
N:弾性締結部の設置箇所数
F=α×σy×Ae ・・・・(2)
但し、α:降伏点に対する比率(0.75〜0.85)
σy:ボルトの降伏耐力
Ae:ねじ部の有効断面積
であり、前記弾性締結部を前記連結部端面間の目地部に沿ってN(≧3)箇所配置することを特徴とするコンクリート製品の連結構造。
【請求項2】
前記弾性締結部のナットにゆるみ止めリングを装着したことを特徴とする請求項1記載のコンクリート製品の連結構造。
【請求項3】
前記弾性締結部がキャップ付きのカバーによって被覆されていることを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート製品の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンクリート製品の連結において、構造が簡単であり連結作業やメンテナンスも容易である一方、地震時の水平変位に対しても有効な緩衝機能を備えたコンクリート製品の連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート製品を連結して貯水槽や水路などを構築する場合、地震等により連結部が損なわれて漏水が生じるおそれがあることから、これを防止するため、例えば、下記の特許文献1〜4に記載されている多くの緩衝継手が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2692039号公報
【特許文献2】特開2009−257470号公報
【特許文献3】特許3345404号公報
【特許文献4】特許4034449号公報
【0004】
特許文献1では、セグメントリングの合わせ両面に、所定間隔で多数のボルトボックスと継手プレートを設け、シール材または止水リングを介してプレート同士を皿バネとボルトナットで締め付けて連結し、止水性と耐震性に優れた継手を形成している。
【0005】
特許文献2では、相互に連結するコンクリート製品の使用時に、ナットを防護体から離間し、地震等でコンクリート製品間に引張力が作用した場合には、防護体に対して連結ボルトに螺合されたナットが皿バネを圧縮して連結ボルトとともに軸方向に変位し引張力を緩衝する構造とした緩衝継手が開示されている。
【0006】
その他、特許文献3や特許文献4でも、地震動による衝撃,衝動に対して弾性ワッシャーやスプリングによる緩衝継手が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしこれら従来の緩衝継手では、地震動による衝撃、衝動に対する緩衝部の具体的な圧縮・引張耐力と許容変位が明示されておらず、緩衝効果がどのように発揮されるのか不明である。
【0008】
また、凹部に収納された緩衝部の機能を保つためには、外的環境変化から遮断する手段を講ずる必要がある。しかし、緩衝部の収納凹部をモルタル等によって埋めてしまうと、供用後の衝撃や衝動などの履歴と経年変化等によって緩衝性能に障害が生じた場合、メンテナンスが困難となる。
【0009】
本発明は、従来の緩衝継手にみられる上記課題を克服するため、取り付けやセットが簡単であり、メンテナンスも容易なコンクリート製品の連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に記載のものは、相互に連結するコンクリート製品の連結部外壁面に固定した連結金具と、該連結金具の起立部に形成した貫通孔に端部を差し込んで前記一対の起立部で両端部が支持され、前記両コンクリート製品の連結部に架け渡された連結ボルトと、前記起立部の貫通孔から突出する前記連結ボルトの端部に螺合したナットと、前記起立部と前記ナットとの間の前記連結ボルトに嵌装したコイルスプリングとからなる弾性締結部と、前記両コンクリート製品の連結部端面間に設置した弾性樹脂とからなり、前記ナットを前記コイルスプリングの弾性に抗して締め付けることで前記両コンクリート製品を前記連結部端面間に設置した前記弾性樹脂を圧縮して締結する構成としたコンクリート製品の連結構造において、
前記連結金具の起立部にあって前記連結部と反対側の面に、前記連結ボルトに嵌装した前記コイルスプリングの一部を被覆する係止カラーをその一端側で固定し、該係止カラーの他端から前記連結ボルトの端部に螺合した前記ナットまでの間隔を、前記コイルスプリングの弾性に抗して締め付ける前記ナットの締め付け可動範囲とし、
該可動範囲が前記コンクリート製品本体幅の1.5%から2.5%の範囲であると同時に、前記弾性樹脂の許容延び長の1/2以下であり、前記弾性締結部の連結ボルトの設計軸力が、
n×ΣF ≧ 0.25×W×1/N ・・・(1)
但し、n:安全率(=1.0〜1.2)
F:連結ボルトの設計軸力
ΣF:弾性締結部1箇所当たりの連結ボルトの設計軸力の総和(KN)
W:製品自重
N:弾性締結部の設置箇所数
F=α×σy×Ae ・・・(2)
但し、α:降伏点に対する比率(0.75〜0.85)
σy:ボルトの降伏耐力
Ae:ねじ部の有効断面積
であり、前記弾性締結部を前記連結部端面間の目地部に沿ってN(≧3)箇所設置することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載のものは、前記弾性締結部のナットにゆるみ止め機能を装着したことを特徴としたものであり、さらに本発明の請求項3に記載のものは、前記弾性締結部がキャップ付きのカバーによって被覆されていることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本願の請求項1に記載の発明は、上記のように、相互に連結するコンクリート製品を連結するための弾性締結部はコンクリート製品の連結部外壁面から突出しているので、両コンクリート製品の連結作業,供用後のメンテナンスが容易である。また両コンクリート製品の連結部は、水平方向の移動に対してはコイルスプリングの伸縮によって自在に対応できる弾性締結部によって形成されているので、該弾性締結部の構成部材を種々選択することで大震度レベルでの必要な強度と永久ひずみに対して必要な性能を備えた連結部を構築できる。
【0013】
また、コイルスプリングのナットによる締め付け可動範囲を、連結金具の起立部に一端を固定した係止カラーの他端から連結ボルトの端部に螺合により取り付けたナット迄の距離によって設定するため、弾性締結部のナットによるコイルスプリングの締め付け範囲を容易に制御することができる。したがって、弾性締結部の取り付けが容易であるとゝもに、供用後のメンテナンスも容易である。
【0014】
更に、前記ナットの締め付け可動範囲が、前記コンクリート製品本体幅の1.5%から2.5%の範囲であると同時に前記弾性樹脂の許容延び長の1/2以下であり、前記弾性締結部の連結ボルトの設計軸力が前記(1),(2)の式を充足するすることを特徴としたので、大震度レベルでの必要な強度と永久ひずみに対して具体的な性能を明示した連結部を提供することが出来る。
【0015】
本願の請求項2の発明は、上記のように、前記弾性締結部のナットにゆるみ止め機能が装着されているから、上記請求項1に記載の発明が奏する効果に加え、前記弾性締結部におけるナットの可動範囲の調節が容易で、かつ信頼性の高いものとなる。さらに本発明の請求項3に記載のものは、前記弾性締結部がキャップ付きのカバーによって被覆されているため、外的環境条件の変化に左右されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るコンクリート製品の連結構造を用いて構築した貯水槽の連結部の縦断面図である。
図2】同上貯水槽の連結部の正面拡大部分図である。
図3図2の拡大部分図である。
図4】本発明に係るコンクリート製品の連結構造を用いて構築した貯水槽の連結部の平面拡大部分図である。
図5】本発明に係るコンクリート製品の連結構造を用いて構築した貯水槽の連結部の一部を省略した拡大部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を図1乃至図5に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図において、1は相互に連結して貯水槽や水路などを構築する際に使用するコンクリート製品で、擁壁部2と底版部3からなる縦断面が逆T字形のものであり、該コンクリート製品1,1の底版部3,3を貯水槽などを構築するために準備した基礎Aの上に並べて載置し、隣り合うコンクリート製品1,1の連結部Bを弾性締結部で連結することで、連続する擁壁2と底壁3の一部を形成する。
【0018】
4は前記コンクリート製品1の連結部外壁面1Aに固定した連結金具で、前記連結部外壁面1Aに固定するための取付部5と、前記連結部外壁面1Aから突出せしめる起立部6とからなる縦断面がL字形のものであり、前記取付部5を前記コンクリート製品1の連結部外壁面1Aに面接せしめこれを固定ボルト7で固定することで、前記連結金具4の起立部6を前記コンクリート製品1の連結部外壁面1Aから直角に突出せしめている。なお、図中6Aは前記起立部6に形成した後述する連結ボルト8の端部8Aを挿通するための貫通孔である。
【0019】
8は前記基礎Aの上に並べて敷設した両コンクリート製品1,1を連結するための連結ボルトで、その両端部8A,8Aには後述するナット9が螺合する雄ねじ8Bが形成されており、連結する両コンクリート製品1,1をその連結部端面1C,1Cを突き合わせて配設することで、前記連結金具4,4の両起立部6,6は前記両コンクリート製品1,1の連結部外壁面1A,1Aから直角に突出して左右に対峙する構成となる。
【0020】
10,10は前記連結ボルト8の両端部8A,8Aにそれぞれ嵌装したコイルスプリングで、連結部B側の内端側10A,10Aは前記起立部6の連結部Bと反対側の外面6Bに装着したアンカープレート6Cと当接しており、前記コイルスプリング10の他方の外端側10B,10Bは、前記連結ボルト8の両端部8A,8Aの雄ねじ8B,8Bに螺合したナット9,9により座金11,11を介して抑えられている。なお、図中12は前記ナット9,9の緩み止めリングである。
【0021】
13は円筒状の係止カラーで、連結部端面1C側の内端13Aは前記起立部6の外面6Bに装着したアンカープレート6Cに溶接等により装着されており、前記起立部6の貫通孔6Aから突出した連結ボルト8の端部8Aの一部と、該連結ボルト8の端部8A外周に嵌装したコイルスプリング10の内端側10Aの一部が前記係止カラー13の内部に収容されている。
【0022】
14は前記係止カラー13の外端13Bと、前記連結ボルト8の端部8Aに螺合により取り付けた前記ナット9までの距離であり、この距離14が、固定金具4の前記起立部6と前記ナット9との間に配設した前記コイルスプリング10をその弾性に抗して前記ナット9によって締め付ける際の前記ナット9の締め付け可動範囲となるように設定されている。
【0023】
15,15はパッキン材で、前記コンクリート製品1,1の対面する連結部端面1C,1C間にあって、連結部外壁面1A,1A側の外目地部と連結部内壁面1B,1B側の内目地部にそれぞれ設置したものであり、16は前記内外のパッキン材15,15によって囲まれた前記連結部端面1C,1C間に充填した弾性樹脂である。
【0024】
17は円筒状のカバーで、前記起立部6の貫通孔6Aから突出した連結ボルト8の端部8A,該連結ボルト8の端部8Aに嵌装したコイルスプリング10,該コイルスプリング10の外端側10Bを抑えているナット9等の弾性締結部を全長にわたって覆っており、この円筒状のカバー17の内端側17Aは前記起立部6の外面6Bに装着したアンカープレートの環状段部に嵌合によって固定されている。なお、図中18は前記カバー17の外端側17Bの開口部に設置した着脱可能なキャップである。
【0025】
上記構成からなるコンクリート製品1,1を組み立てるに際しては、先ず、砕石層,均しコンクート層等からなる基礎Aの上に互に連結する両コンクリート製品1,1の底版部3,3を載せ、コンクリート製品1,1の連結部端面1C,1Cの間が所定の間隔(目地部の間隔に相当)をおいて対面するよう並べて配設する。この場合、例えば貯水槽を構築する場合にあっては、擁壁部2の下端に連接した底版部3にあって、外方向へ大きく突出している面積の大きい方の突出部分3Aがその上に盛土Cを打設する側、すなわち貯水槽の外側となるように配設する。
【0026】
これにより、相互に連結する両コンクリート製品1,1の連結部外壁面1A,1Aにそれぞれ固定された前記連結金具4の起立部6,6は連結部Bを挟んで左右に対峙する。そこで、前記起立部6,6に形成した左右の貫通孔6A,6A内に連結ボルト8の雄ねじ8Bが形成され両端部8A,8Aをそれぞれ挿通し、両起立部6,6にあってその貫通孔6A,6Aの孔周縁でそれぞれ支持された前記連結ボルト8を前記両コンクリート製品1,1の連結部B間に架け渡して横架する。
【0027】
つぎに、両起立部6,6の前記貫通孔6A,6Aから突出せしめた連結ボルト8の両端部8A,8Aにコイルスプリング10,10をそれぞれ嵌装し、起立部6の外面6Bに装着したアンカープレート6Cと内端側10Aで当接する前記コイルスプリング10,10の外端側10Bを、前記連結ボルト8の両端部8A,8Aに螺合せしめたナット9,9により座金11,11を介して抑えることで弾性締結部を組み立てる。
【0028】
つぎに、基礎Aの上に上記のようにして組み立てた両コンクリート製品1,1を連結固定するに際しては、前記コンクリート製品1,1の対面する連結部端面1C,1C間にあって、連結部外壁面1A,1A側の目地部と、連結部内壁面1B,1B側の目地部にそれぞれパッキン材15,15を配設する。
【0029】
そこで、このパッキン材15,15で囲まれた前記連結部端面1C,1C間の内部空間に弾性樹脂16を両コンクリート製品1,1の連結部全体に、すなわち、擁壁部2および底版部3の全体に充填する。或いは、前記連結部端面1C,1C間の内部空間に弾性樹脂16を充填した後に、連結部外壁面1A,1A間の目地部と連結部内壁面1B,1B間の目地部にそれぞれパッキン材15,15を配設する。
【0030】
つぎに、前記前記連結ボルト8の両端部8A,8Aの雄ねじ8B,8Bに螺合せしめたナット9,9をコイルスプリング10の弾性に抗して、後述する所定の距離14(D)だけ連結部B方向へそれぞれ螺進せしめて締め付けることで、前記両コンクリート製品1,1をそれぞれ連結部B方向へ引き寄せ、連結部端面1C,1C間に設置した前記弾性樹脂16を介して前記両コンクリート製品1,1を締結する。
【0031】
すなわち、前記所定の距離14(D)は前記係止カラー13の外端側13Bから、前記連結ボルト8の端部8Aに螺合により取り付けた前記ナット9までの距離であり、この距離14(D)が前記起立部6の外面6Bと前記ナット9との間に配設した前記コイルスプリング10をその弾性に抗して締め付ける際の前記ナット9の締め付け可動範囲となるように形成している。これにより前記弾性締結部におけるナットの調節が容易となり、かつ信頼性の高いものとなる。
【0032】
このように、前記コイルスプリング10,10をその弾性に抗して前記ナット9,9を可動範囲の距離14(D)だけ締め付けることにより、両コンクリート製品1,1はその連結部端面1C,1C間に設置した前記弾性樹脂16の圧偏変形と、両コンクリート製品1,1を連結部B方向へ弾性的に引き寄せ可能とした弾性締結部との2ヶ所の弾性部材を介して連結される。
【0033】
つぎに、連結ボルト8の前記起立部6から外方向へ突出した端部8A,連結ボルト8の端部外周に巻き回したコイルスプリング10,連結ボルト8の端部8Aの雄ねじ8Bに螺合せしめたナット9および前記コイルスプリング10の一部を覆っている前記係止カラー13の外側を、内端側17Aを前記起立部6の外面6Bに装着したアンカープレート6Cの環状段部に嵌合によって固定した円筒状のカバー17で覆い、該カバー17の外端側17Bの開口部をキャップ18で閉じる。これにより、前記弾性締結部はキャップ18付きのカバー17によって被覆され、外的環境条件の変化に左右されることがない。
【符号の説明】
【0034】
1 コンクリート製品
1A 連結部外壁面
1B 連結部内壁面
1C 連結部端面
2 擁壁部
3 底版部
4 連結金具
5 取付部
6 起立部
6A 貫通孔
6B 外面
7 固定ボルト
8 連結ボルト
8A 端部
8B 雄ねじ
9 ナット
10 コイルスプリング
10A 内端側
10B 外端側
11 座金
12 イダリング
13 係止カラー
13A 内端
13B 外端
14 締め付け可動範囲
15 パッキング
16 弾性樹脂
17 カバー
17A 内端側
17B 外端側
18 キャップ
A 基礎
B 連結部
C 盛土
図1
図2
図3
図4
図5