(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966198
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】シートベルト用ガイドプレート
(51)【国際特許分類】
B60R 22/24 20060101AFI20160728BHJP
B60R 22/00 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
B60R22/24
B60R22/00 201
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-15390(P2013-15390)
(22)【出願日】2013年1月30日
(65)【公開番号】特開2014-144734(P2014-144734A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2015年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】古謝 貴志
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 敬介
(72)【発明者】
【氏名】一色 憲和
【審査官】
三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−331910(JP,A)
【文献】
特開2010−047064(JP,A)
【文献】
特開2012−224253(JP,A)
【文献】
特開2011−121395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 22/00 − 22/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体内のルーフ部の下面に固定される固定部と、その固定部から延設され、ストラップを通すためのストラップ挿通孔を有するストラップ支持部とを備え、
このストラップ支持部は、固定部に対し、ルーフ部に対する取付状態においてルーフ部の下面から離間する方向に傾斜し、ストラップ支持部の周縁には摘みを突設したシートベルト用ガイドプレート。
【請求項2】
前記摘みは、前記固定部から離間するに従い前記ルーフ部の下面から離間するように、固定部に対し前記ストラップ支持部とともに傾斜している請求項1に記載のシートベルト用ガイドプレート。
【請求項3】
金属板よりなる本体によって前記固定部とストラップ支持部とを一体形成し、ストラップ支持部の外表面に合成樹脂よりなる表皮を設けた請求項1または請求項2に記載のシートベルト用ガイドプレート。
【請求項4】
前記摘みは前記表皮と一体の突部によって構成された請求項3に記載のシートベルト用ガイドプレート。
【請求項5】
前記摘みは前記本体と一体の突部によって構成された請求項3に記載のシートベルト用ガイドプレート。
【請求項6】
前記摘みは、前記本体と一体の突部と、この突部の外表面に設けられた被覆部とによって構成された請求項3に記載のシートベルト用ガイドプレート。
【請求項7】
前記摘みは前記ストラップ支持部の周縁に対し段差を介して連続している請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の車体のシートベルト用ガイドプレート。
【請求項8】
前記摘みは前記ストラップ支持部の周縁に対しくびれ部を介して連続している請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のシートベルト用ガイドプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車等において採用される3点式シ−トベルト装置において、例えば、リヤシートの中央席の上方のルーフ部に取り付けられるシートベルト用ガイドプレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1において開示されたガイドプレート(公報ではアンカープレート)には、シートベルトのストラップが挿通される開口部を有する基板部と、その基板部の両側の湾曲板部とが形成されている。その基板部及び両湾曲板部に対して折り曲げられた取付板部に取付孔が形成されている。そして、取付板部が、ルーフパネルのブラケットの下側に当てがわれて取付孔を通る取付ボルトにより取着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−331910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガイドプレートの組み付けに際しては、開口部にストラップが挿通された状態で、作業者がガイドプレートを片手で持ちながら、もう片方の手で取付ボルトを締め付ける作業が行なわれる。この場合、ストラップに作業者の指が触れると、ストラップが汚れるおそれがあった。そのため、ストラップに触れないように気を遣いながら取付け作業を行う必要があるため、作業効率が低下するおそれがあった。
【0005】
この発明は、車室内のルーフ部にシートベルト用ガイドプレートを取り付ける作業の効率を高めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明のシートベルト用ガイドプレートは、車体内のルーフ部の下面に固定される固定部と、その固定部から延設され、ストラップを通すためのストラップ挿通孔を有するストラップ支持部とを備え、このストラップ支持部は、固定部に対し、ルーフ部に対する取付状態においてルーフ部の下面から離間する方向に傾斜し、ストラップ支持部の周縁には摘みを突設したことを特徴としている。
【0007】
このシートベルト用ガイドプレートは、ストラップ支持部から離れた摘みを把持してガイドプレートを取り付けることができるので、ストラップやストラップ支持部に作業者の指が触れるおそれは少なくなる。また、摘みとルーフ部の下面との間に指入れ間隙を生じるため、作業者は摘みを適切に把持してガイドプレートの組付け作業を実行できる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、車室内のルーフ部にシートベルト用ガイドプレートを取り付ける作業の効率を高めることができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】車体内のリヤシートに採用した3点式シ−トベルト装置において、リヤシートの中央席の上方でルーフ部に、第1〜3実施形態にかかるシートベルト用ガイドプレートを有するガイドユニットを取り付けた状態を示す概略的使用状態図。
【
図4】(a)は第1実施形態にかかるシートベルト用ガイドプレートを示す部分断面図、(b)は同じく斜視図、(c)は(a)のA−A線部分断面図。
【
図5】(a)は第2実施形態にかかるシートベルト用ガイドプレートを示す部分断面図、(b)は同じく斜視図、(c)は(a)のB−B線部分断面図。
【
図6】(a)は第3実施形態にかかるシートベルト用ガイドプレートを示す部分断面図、(b)は同じく斜視図、(c)は(a)のC−C線部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、本発明の第1実施形態にかかるシートベルト用ガイドプレートについて
図1〜
図4を参照して説明する。
図1に示すように、車両の車室内のリヤシート1に採用した3点式シ−トベルト装置においては、リヤシート1の中央席1aの上方のルーフ部2に、
図4(b)に示すシートベルト用ガイドプレート4を有するガイドユニット3が設けられている。図示しないリトラクタから引き出された帯状のストラップ5は、ガイドユニット3を通して中央席1aに引き出すことができる。ストラップ5の先端部には第1タング6が取着され、その第1タング6の付近において第2タング7がストラップ5に対し長手方向へ移動可能に支持されている。中央席1aに着座した搭乗者は、ガイドユニット3から引き出したストラップ5を左肩から腰の右側にわたり斜めに掛けた後、座席の右側で第2タング7をシート側の第2バックルに係留するとともに、座席の左側で第1タング6を第1バックルに係留する。
【0011】
図2及び
図3に示すように、ルーフ部2において、インナルーフパネル21とアウタルーフパネル22との間にはルーフフレーム23が設けられ、ルーフフレーム23とアウタルーフパネル22との間には補強板24及びステー25が固定されている。インナルーフパネル21には開口21aが形成され、その開口21aにはガイドユニット3のベゼル26が嵌め込まれている。そして、ストラップ5の不使用状態では、ベゼル26に設けられた挿着部27にストラップ5の第1タング6が保持されるとともに、ベゼル26内の収容部26aにストラップ5の第2タング7が保持される。
【0012】
図3に示すように、ガイドプレート4は、ベゼル26の内側において、ルーフ部2のルーフフレーム23の下面に設けられ、
図4(a)(b)(c)に示すように、取付孔8a及び突起部8bを有する固定部8と、その固定部8から延設されたストラップ支持部9とを備えている。ストラップ支持部9は金属板よりなる本体10の外表面に表皮11が被覆されて一体形成されている。固定部8は本体10の一部として表皮11から突出している。表皮11は合成樹脂により成形されている。ストラップ支持部9にはストラップ挿通孔12が貫設されている。ストラップ挿通孔12の内側は表皮11によって被覆されている。
【0013】
ストラップ支持部9の表皮11のうちストラップ挿通孔12を囲む外周縁において、ストラップ挿通孔12に対し離れた前側で、かつ固定部8に近接する側には、段差11aを介して摘み13が突設されている。摘み13の付け根部であって、固定部8の反対側にはくびれ部13aが形成されている。
【0014】
ガイドプレート4のストラップ支持部9は、固定部8から離間するに従いルーフフレーム23の下面から離間するように下方に傾斜している。このため、ルーフフレーム23とストラップ支持部9との間には指入れ間隙Gが形成されている。シートベルトのストラップ5は
図3の右方に位置する図示しないロールから引き出されてストラップ支持部9のストラップ挿通孔12に挿通される。
【0015】
ガイドプレート4は、その固定部8がルーフフレーム23の下面に当てがわれた状態で、ルーフフレーム23、補強板24及びステー25に設けられた位置決め孔28に固定部8の突起部8bが挿通されて位置決めされるとともに、固定部8の取付孔8aを通るボルト15によってステー25上のナット29に固定されている。
【0016】
次に、ガイドユニット3の作用及びガイドプレート4の組付け手順を説明する。
ガイドプレート4の組み付けに際しては、
図3に示すように、ストラップ支持部9のストラップ挿通孔12にストラップ5を挿通した状態で、作業者は、ガイドプレート4の摘み13を片手で把持して固定部8をルーフフレーム23の下面に当てがい、突起部8bを位置決め孔28に挿着して位置決めする。そして、もう片方の手で取付孔8aにボルト15を通して、ボルト15をナット29に固定する。このようにすれば、摘み13を把持してガイドプレート4をルーフ部2に容易に組み付けることができる。つまり、ストラップ支持部9のストラップ挿通孔12から離れた摘み13を把持してガイドプレート4を取り付けることができるので、ストラップ支持部9の表皮11及びストラップ挿通孔12に作業者の指が触れるおそれは少なくなる。また、
図4(a)に示すように、ストラップ支持部9及び摘み13とルーフフレーム23との間に指入れ間隙Gが形成されるため、摘み13をルーフフレーム23に邪魔されることなく容易に摘むことができる。
【0017】
図1に示すように中央席1aに着座した搭乗者がシートベルトを使用するに際しては、ストラップ5を引き出し、座席の右側で第2タング7を第2バックルに係留するとともに座席の左側で第1タング6を第1バックルに係留する。その際、ストラップ挿通孔12においてストラップ5が合成樹脂製の表皮11上を滑るため、ストラップ5を円滑に引き出すことができる。
【0018】
第1実施形態は下記の効果を有する。
(1) ストラップ支持部9の外周縁においてストラップ挿通孔12に対し離れた前側に摘み13を突設したので、ストラップ挿通孔12から離れた摘み13をルーフフレーム23に邪魔されることなく把持してガイドプレート4を取り付けることができる。そのため、ストラップ挿通孔12に挿通されたストラップ5や、ストラップ5と接触するおそれのある部分の表皮11に作業者の指が触れるおそれは少なくなって、ストラップ5の汚れを防止することができる。従って、ストラップ5の汚れを気にすることなく、ガイドプレート4の取付け作業をスムーズに素速く行なうことができる。また、固定部8から離れるに従ってルーフフレーム23から離間するストラップ支持部9に摘み13が形成されているため、ルーフフレーム23に固定部8を当てがって取り付ける際に、摘み13とルーフフレーム23との間に指入れ間隙Gが生じ、作業者の指がルーフフレーム23によって邪魔されるおそれは少なくなる。以上のように、ガイドプレート4を取り付ける際に、ガイドプレート4の把持位置が摘み13により明確になってストラップ5の汚れに気にする必要がなくなり、作業効率を高めることができる。
【0019】
(2) 摘み13は固定部8から離間するに従いルーフフレーム23から離間するようにストラップ支持部9とともに傾斜しているので、ルーフフレーム23と摘み13との間に十分な指入れ間隙Gを生じさせ易くなって、ルーフフレーム23が邪魔になることはなく、作業効率を高めることができる。
【0020】
(3) ストラップ挿通孔12を含むストラップ支持部9の表皮11を合成樹脂により被覆したので、ストラップ5を円滑に引き出すことができる。また、ストラップ支持部9の本体10及びその固定部8を金属により成形したので、ガイドプレート4の強度を維持することができる。
【0021】
(4) 摘み13がストラップ支持部9の表皮11から一体に形成されているので、部品点数を増やすことなく摘み13を簡単に構成することができる。また、摘み13は表皮11の成形と同時に成形でき、金属よりなる本体10には加工を加える必要がない。従って、ガイドプレート4の加工程が複雑になることを回避できる。
【0022】
(5) 摘み13はストラップ支持部9の外周縁の表皮11に対し段差11aを介して連続しているので、その段差11aにより摘み13としてストラップ支持部9と区別させ易くなるばかりでなく、その段差11aに指が当って、摘み13を把持し易くなり、作業効率を高めることができる。
【0023】
(6) 摘み13はストラップ支持部9の外周縁の表皮11に対しくびれ部13aを介して連続しているので、そのくびれ部13aにより摘み13としてストラップ支持部9と区別させ易くなり、作業効率を高めることができる。
【0024】
次に、本発明の第2実施形態にかかるシートベルト用ガイドプレートついて
図5を参照して第1実施形態との相違点を中心に説明する。
前記摘み13は、ストラップ挿通孔12から離れた外周縁の前側で、ストラップ支持部9の本体10から一体に形成された突部によって構成されており、合成樹脂の被覆は施されていない点が第1実施形態と相違する。従って、この第2実施形態では第1実施形態の効果と同様な効果を奏する。
【0025】
次に、本発明の第3実施形態にかかるシートベルト用ガイドプレートついて
図6を参照して第1実施形態との相違点を中心に説明する。
前記摘み13は、ストラップ支持部9の本体10から一体に形成された突部18と、ストラップ支持部9の表皮11から一体に突設されてこの突部18の外側に被覆された被覆部19とによって構成されている。この実施形態においても第1実施形態の効果と同様な効果を奏する。
【0026】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ ストラップ支持部9の表皮11の上下両面に対する段差11aを省略して、摘み13を表皮11の上下両面に対し面一に形成することができる。
【0027】
・
図4(c)、
図5(c)及び
図6(c)に二点鎖線で示すように、摘み13をストラップ支持部9側から先端側が下方に位置するように傾斜させてルーフフレーム23に対する摘み13の指入れ間隙Gを大きくすることにより、摘み13をより一層把持し易くすることができる。
【0028】
・ ストラップ支持部9においてストラップ挿通孔12を挟む外周縁の前後両側のうち、第1〜3実施形態のように外周縁の前側にのみ摘み13を設けたり、外周縁の後側にのみ摘み13を設けたり、外周縁の前後両側にそれぞれ摘み13を設けたりすることができる。
【符号の説明】
【0029】
2…ルーフ部、4…シートベルト用ガイドプレート、5…ストラップ、8…固定部、9…ストラップ支持部、10…ストラップ支持部の本体、11…ストラップ支持部の表皮、11a…段差、12…ストラップ挿通孔、13…摘み、13a…くびれ部、18…摘みの突部、19…摘みの被覆部。