(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966239
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】センタレス研削盤における核燃料ペレット等の円筒状部品の挿入、ガイド及び排出装置
(51)【国際特許分類】
B24B 5/18 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
B24B5/18 F
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-521096(P2013-521096)
(86)(22)【出願日】2011年7月25日
(65)【公表番号】特表2013-532586(P2013-532586A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】EP2011062748
(87)【国際公開番号】WO2012013634
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年7月10日
(31)【優先権主張番号】1056138
(32)【優先日】2010年7月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508313895
【氏名又は名称】アレヴァ・エヌセー
【氏名又は名称原語表記】AREVA NC
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】ファンティーニ セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】メディナ エルヴェ
【審査官】
大山 健
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−019756(JP,A)
【文献】
特開2010−155304(JP,A)
【文献】
特開2009−006438(JP,A)
【文献】
特開2003−053666(JP,A)
【文献】
特開2001−205563(JP,A)
【文献】
特開平03−117545(JP,A)
【文献】
実開平01−081261(JP,U)
【文献】
独国特許出願公開第3116140(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 5/18
B24B 5/307
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センタレス研削盤(10)における円筒状の部品の投入、ガイド及び排出のための装置(1)であって、
−該円筒状の部品をセンタレス研削盤の砥石車(8)及び調整車の全長に亘ってガイドを可能とするように構成される投入ガイドシュー(2)と、
−投入ガイドと呼ばれる、前記ガイドシューの長手方向の一端に配置され、前記センタレス研削盤の上流で円筒状の部品を運搬システムから前記ガイドシュー上に投入可能とするように構成される、第一のガイド(3、30、31)と、
−前記ガイドシューに対する前記投入ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための機械的手段(4、40、41)と、
−排出ガイドと呼ばれる、前記ガイドシューの長手方向の他端に配置され、前記センタレス研削盤の下流で部品を前記シューから運搬システムに移動可能とするように構成される、第二のガイド(5、50、51)と、
−前記ガイドシューに対する前記排出ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための機械的手段(6、60、61)と、
を含み、
前記投入ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための前記機械的手段(4、40、41)が、前記排出ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための前記手段と独立であり、
前記ガイド二つのうち少なくとも一つが少なくとも二つのストリップ(30、31;50、51)から成り、その一方が前記ガイドシュー(2)の長手方向のエッジ(200)に固定されるとともに平行である固定ストリップ(30;50)であり、他方が前記ガイドシュー(2)の長手方向のエッジ(200)に平行な旋回軸(310;510)回りに旋回可能である旋回ストリップ(31;51)であり、前記旋回ストリップ(31;51)と、対向する前記固定ストリップ(30;50)との間隔を調整可能とし、前記間隔が、前記旋回ストリップ(31;51)のアラインメントを調整する機械的手段の動作により設定される装置(1)。
【請求項2】
前記第一のガイド(3)が、前記固定ストリップ(30)及び前記旋回ストリップ(31)からなり、前記第二のガイド(5)が、前記固定ストリップ(50)及び前記旋回ストリップ(51)からなる、
請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記二つのガイドの旋回ストリップ(31;51)が、ポリマー製のベアリングが備えられた旋回軸(310;510)周りに旋回するように取り付けられる、
請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
−前記投入ガイド及び/または前記排出ガイドの前記旋回ストリップの前記旋回軸(310;510)が支持部(32;52)に取り付けられ、
−前記ガイドシューに対する前記投入ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための前記機械的手段(4、40、41)及び/または前記排出ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための前記機械的手段(6、60、61)が、前記旋回軸の前記支持部にねじ込まれる第一のネジ(40;60)と、前記第一のネジと入れ子状態で、第一のネジより小さいピッチを備え、前記旋回ストリップの一部を支持するように構成される、第二のネジ(41;61)とを含み、前記第一のネジの前記支持部へのねじ込みが、二つの前記ネジを移動させ、前記第二のネジの前記第一のネジへのねじ込みと、前記旋回ストリップの一部に対する支持とが、前記旋回ストリップを旋回させる、
請求項2または3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記第二のネジ(41;61)の前記ピッチが、前記第一のネジ(40;60)のピッチより小さいながらも、前記旋回ストリップのマイクロメータ調整を可能とするのに十分近い、
請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記第二のネジ(41;61)と前記旋回ストリップ(31;51)との間に、それらの間の継続的な支持を保証するスプリング(42;62)を含む、
請求項4または5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記旋回軸(310;510)及び前記ネジの前記支持部(32;52)それぞれが、前記ガイドシュー(2)に対して固定されている、
請求項5または6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記ネジの前記支持部(32;52)それぞれが、ターレットの形状を有し、前記二つのネジが互いに入れ子状態であるとともに前記ターレットの上部に配置される、
請求項5から7のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記排出ガイド(5)の幾何学的形状と長さとが、研削盤の排出口に蓄積する被研削円筒状部品の数を制限するように構成される、
請求項1から8のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項10】
円筒状の部品の投入、ガイド及び排出のための前記装置の、センタレス研削盤(10)への円筒状の部品の投入及びセンタレス研削盤からの円筒状の部品の排出が可能となるように構成されたハンドル(70;71)が固定された、統合アセンブリを形成する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の装置を含む、
センタレス研削盤(10)。
【請求項12】
核燃料ペレット(P)を研削するように構成された、
請求項11に記載のセンタレス研削盤。
【請求項13】
請求項11または12に記載のセンタレス研削盤が配置された、
グローブボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センタレス研削盤における核燃料ペレット等の円筒状部品の挿入、ガイド及び排出装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、センタレス研削の信頼性の向上を目指している。
【0003】
主なアプリケーションは、品質が厳格であり、ペレットに関する問題の発生を回避するために幾つかの要件を課す、核燃料ペレットの研削である。
【背景技術】
【0004】
センタレス研削盤は、円筒状の部品、特に核燃料ペレットを研削するのに有利な研削プロセスであることが知られている。
【0005】
センタレス研削盤は、通常、二つの車輪を含み、その一方は、ペレットをその上で回転させ、核燃料ペレットの場合ガイドシューと呼ばれるガイドレール上を前進させる調整車であり、他方は、研磨によりペレットの直径を研削する機能を備える砥石車である。
【0006】
研削される核燃料ペレットの品質は、センタレス研削盤の有効性に依存するが、センタレス研削盤のペレットのすぐ上流と、すぐ下流でのペレットの移送にも依存し、言い換えれば、砥石車と調整車との間をガイドするガイドシューへのペレットの投入と、研削後の調整車からの排出とに依存するのは明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の概略目的は、センタレス研削盤におけるすぐ上流側とすぐ下流側での、核燃料ペレット等の円筒状の部品の移送品質のさらなる向上のための解決策の提案にある。
【0008】
グローブボックス環境で使いやすい解決策の提案を、特段の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これを達成するため、本発明の目的は、センタレス研削盤における核燃料ペレット等の円筒状の部品の投入、ガイド及び排出のための装置であって、
−該円筒状の部品をセンタレス研削盤の砥石車及び調整車の全長に亘ってガイドを可能とするように構成される投入ガイドシューと、
−投入ガイドと呼ばれる、前記ガイドシューの長手方向の一端に配置され、前記センタレス研削盤の上流で円筒状の部品を運搬システムから前記ガイドシュー上に投入可能とするように構成される、第一のガイドと、
−前記ガイドシューに対する前記投入ガイドのアラインメントの調整のための機械的手段と、
−排出ガイドと呼ばれる、前記ガイドシューの長手方向の他端に配置され、前記センタレス研削盤の下流で部品を前記シューから運搬システムに移動可能とするように構成される、第二のガイドと、
−前記ガイドシューに対する前記排出ガイドのアラインメントの調整のための機械的手段と、を含む装置にある。
【0010】
本発明によれば、前記投入ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための前記機械的手段は、前記排出ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための前記手段と独立である。
【0011】
言い換えれば、本発明によれば、ガイド及び砥石車と調整車との間の空間の、非常に精密なマイクロメータ精度でのアラインメントを可能とする、投入ガイド及び排出ガイドのアラインメントの調整手段が提供される。二つの調整手段を独立にすることで、より精密な調整が可能となる。このことは、砥石車間にある核燃料ペレット等の被研削部品の位置ずれを防止する。
【0012】
従って、部品(燃料ペレット)は、部品と装置との間の機械的干渉なしに、センタレス研削盤の投入口で投入される。
【0013】
同様に、研削盤の排出口において、被研削部品と調整車との接触線の連続性がある。このことは、従来技術において見られる接触の断続に関連する研削の欠点を防止する。
【0014】
ガイドシューは、鋼から成る一体成型部品であり、その表面と中心部に、焼き入れと焼きなましが施されることが好ましい。これらの処理は、より高い摩擦係数やより強い耐摩耗性等の特性を増すために、部品(ガイドシュー)が完成した後に表面処理によって行われることが好ましい。この鋼は、XC38鋼であることが好ましい。
【0015】
核燃料ペレット用にセンタレス研削盤を適用する従来技術によるガイドシューは、ペレットのガイドレール自体、言い換えれば、被研削ペレットに直接接する部位を形成する、炭化タングステンが付加された鋼基盤から成る。炭化タングステン板の利点は、良好な耐摩耗性を有することにある。主な欠点は、衝撃に因る脆弱性と、鋼基盤の内部応力である。従って、従来技術によるガイドシューの欠点は、炭化タングステンと同等の耐摩耗性と、耐衝撃性と、シューにおける内部応力の緩和とを提供する熱処理が中心部と表面とに施された、一体成型の鋼製シューを作ることにより、回避される。
【0016】
有利な一実施形態によれば、前記ガイド二つのうち少なくとも一つが少なくとも二つのストリップから成り、その一方が砥石車側に配置される前記シューの長手方向のエッジに固定されるとともに平行であり、他方が旋回軸に取り付けられて対向する固定された固定ガイドからの間隔を調整可能とし、旋回する旋回ガイドからの前記間隔が、前記旋回ガイドのアラインメントを調整する機械的手段の動作により設定される。前記投入ガイド及び前記排出ガイドがそれぞれ二つのストリップから成り、一方が前記シューの長手方向エッジに固定されて平行であり、他方が対向する前記固定ガイドからの前記旋回ガイドの間隔を調整するために旋回自在であることが好ましい。
【0017】
また、調整可能なガイドの旋回軸には、ポリマー製のベアリングが備えられることが好ましい。これにより、回転軸と、研削時にペレットから生じる粉塵や破片との共生が可能となり、摩耗の危険性を防ぐ。
【0018】
有利な一実施形態のバリエーションによれば、
−前記投入ガイド及び/または前記排出ガイドの前記旋回ストリップの前記旋回軸が支持部に取り付けられ、
−前記ガイドシューに対する前記投入ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための前記機械的手段及び/または前記排出ガイドのアラインメントのマイクロメータ調整のための前記機械的手段が、前記旋回軸の前記支持部にねじ込まれる第一のネジと、前記第一のネジと入れ子状態で、第一のネジより小さいピッチを備え、前記旋回ストリップの一部を支持するように構成される第二のネジとを含み、前記第一のネジの前記支持部へのねじ込みが、二つの前記ネジを移動させ、前記第二のネジの前記第一のネジへのねじ込みと、前記旋回ストリップの一部に対する支持とが、前記旋回ストリップを旋回させる。
【0019】
最大限可能な精度を得るために、前記第二のネジの前記ピッチは、前記第一のネジのピッチより小さいながらも、前記旋回ストリップのマイクロメータ調整を可能とするのに十分近い。本装置は、第二のネジと旋回軸との間の継続的な支持を保証することにより本装置の作動クリアランスを是正するように構成されるスプリングを含むことが有利である。
【0020】
アセンブリの単純化のために、前記旋回軸及び前記ネジの前記支持部それぞれが、前記ガイドシューに固定される。
【0021】
前記旋回軸及び前記ネジの前記支持部それぞれが、ターレットに形成され、前記二つのネジが互いに入れ子状態であるとともに前記ターレットの上部に配置される。ターレット構造のおかげで、アラインメントの調整は、上方からネジを廻すことにより、手動で行うことができる。これは、センタレス研削盤が配置されたグローブボックスの環境に完全に適している。
【0022】
前記排出ガイドの幾何学的形状と長さとが、研削盤の排出口に蓄積する被研削円筒状部品の数を制限するように構成されることが好ましい。言い換えれば、このことは、車間に留まり、要求される公称誤差を超えて加工されるペレットの集積を回避する。排出ガイドの傾斜と傾斜する長さとは、下流での運搬機への排出の際に、ペレットが運搬機上で水平姿勢となるように、運動エネルギーを制限しつつ、ペレットを排出する。ペレットの運動エネルギーが制限されない場合、ペレットが運搬機上で転倒し、最終品質を損なう可能性がある。
【0023】
本装置は、グローブボックスにおいて、センタレス研削盤への投入及びセンタレス研削盤からの排出が可能となるように構成されたハンドルが固定された統合アセンブリを形成することが好ましい。装置を手動で容易に移動可能とすることは、センタレス研削盤のメンテナンス作業を促進する。
【0024】
また、本発明は、上述した装置を含むセンタレス研削盤に関する。そのようなセンタレス研削盤は、核燃料ペレットの研削に適応される。
【0025】
また、本発明は、上述したようなセンタレス研削盤が配置されるグローブボックスに関する。
【0026】
他の利点及び特徴は、以下の図面を参照して以降の詳細な記述を読むことで、明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】非組み込み形態での本発明による装置の投入ガイド側の斜視図である。
【
図2】非組み込み形態での本発明による装置の排出ガイド側の斜視図である。
【
図3】核燃料ペレット用のセンタレス研削盤に組み込まれた形態での本発明による装置の側面図である。
【
図3A】
図3による装置の線A−Aにおける断面図である。
【
図3B】
図3による装置の線B−Bにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
“下部”、“上部”、“下方”、“上方”、“上流”及び“下流”という表現は、本発明による装置1の組み込み形態において、言い換えれば、
図3に示すようなセンタレス研削盤の砥石車と調整車との間で水平なガイドシューで論じられる。
【0029】
本発明による装置1は、まず、
図3に示すセンタレス研削盤10の砥石車8と調整車(不図示)の全長に亘ってペレットをガイドするために適応される、ガイドシュー2を含む。
【0030】
ガイドシュー2は、XC38鋼から成る一体成型部品であり、その表面と中心部に、焼き入れと焼きなましが施されている。ガイドシューに、炭化タングステンと同等の耐摩耗性と良好な耐衝撃性とを与えるために、熱処理が行われ、シュー2には内部応力がない。このシュー2は、上側部位20を含み、その機能は、核燃料ペレットPのガイドにある。
図3A及び
図3Bでより良好に確認できるように、ガイド部位20は傾斜し、二つの長手方向エッジ200、201により区画されている。
【0031】
ガイドシュー2の一長手方向端部には、投入ガイド3が配置されている。この投入ガイドは、センタレス研削盤10の上流の不図示の運搬システムから、ペレットPが、シュー2の上をスライド可能となるように構成される。この投入ガイド3は、シュー2の長手方向エッジ200に略位置合わせされた固定ストリップ30と、シュー2の他の長手方向エッジ201に対する傾斜を変えるために旋回自在の他のストリップ31とを含む。
【0032】
ストリップ31は、ターレットとして構成された支持部32に取り付けられた、ポリマーベアリングが備えられた軸310上を、旋回自在に取り付けられている。
【0033】
旋回ストリップ31のアラインメントは、機械的手段4により、シューのエッジ201に対して調整される。この手段は、二つのネジ40、41から成り、ターレット32の上部において、互いに入れ子になっている(
図3A)。第一のネジ40は、支持部32にねじ込まれている。第二のネジ41は、ネジ40のピッチより小さいながらも近いピッチを有し、ネジ41は回転が防止されている。ネジ40の回転は、その軸に沿った、固定された支持部32に対する移動をもたらす(ネジ−ナット結合)。同時に、ネジ
40のこの回転は、その軸に沿った、第二のネジ41に対する第二の移動をもたらす。ピッチの差異が、ガイド31に接するネジ41の支持点の僅かな移動をもたらし、ガイドを回転させる。このような調整手段4、40、41は、旋回ストライプ31のアラインメントの、マイクロメータと同様の非常に精密な調整を可能とする。
【0034】
スプリング42は、本装置の作動クリアランスを是正し、旋回位置でのネジ41とストリップ31との間の継続的な支持を可能とする。
【0035】
投入ガイド
3の形状及び寸法と、上述した旋回ストリップのアラインメント調整とに因り、核燃料ペレットPは、ペレットと本装置との間に機械的干渉なく投入され得る。
【0036】
ガイドシュー2の他の長手方向端部には、排出ガイド5が配置されている。この排出ガイドは、センタレス研削盤10の下流において、シュー2から不図示の運搬システムへペレットPを移動可能とするように構成される。
【0037】
旋回ストリップ31のアラインメントの調整手段を備える投入ガイド
3のアセンブリと配置とが、同様の方法で排出ガイド5に成され、排出ガイド5の旋回ストリップ51の調整手段6、60、61は、投入ガイド3の旋回ストリップ31の調整手段4、40、41とは独立している。
【0038】
従って、この排出ガイド5は、シュー2の長手方向エッジ200に略位置合わせされた固定ストリップ50と、シュー2の他の長手方向エッジ201に対する傾斜を変えるために旋回自在の他のストリップ51とを含む。
【0039】
ストリップ51は、ターレットとして構成された支持部52に取り付けられた、ポリマーベアリングが備えられた軸510上を、旋回自在に取り付けられている。
【0040】
機械的手段6は、シューのエッジ201に対する旋回ストリップ51のアラインメントを調整するために設けられている。この手段は、二つのネジ60、61から成り、ターレット52の上部において、互いに入れ子になっている(
図3B)。第一のネジ60は、支持部52にねじ込まれている。第二のネジ61は、ネジ60のピッチより小さいながらも近いピッチを有し、ネジ61は回転が防止されている。ネジ60の回転は、その軸に沿った、固定された支持部52に対する移動をもたらす(ネジ−ナット結合)。同時に、ネジ60のこの回転は、その軸に沿った、第二のネジ61に対する第二の移動をもたらす。ピッチの差異が、ガイド51に接するネジ61の支持点の僅かな移動をもたらし、ガイドを回転させる。このような調整手段6、60、61は、旋回ストリップ51のアラインメントの、マイクロメータと同様の非常に精密な調整を可能とする。
【0041】
装置の作動クリアランスを是正するためのスプリング62が、旋回ストリップ51と支持部52との間に取り付けられている。従って、スプリングは、旋回位置でのネジ61とストリップ51との間の継続的な支持を可能とする。
【0042】
図示するように、排出ガイド5の幾何学的形状及び長さは、一時的に集積される被研削ペレットの数と、その速度とを制限するように構成される。このことは、センタレス研削盤の下流の運搬システム上でのペレットPの転倒を防止する。
【0043】
図1及び
図2に示すように、本発明による装置1は、旋回ハンドル70、71が固定された、一体型のアセンブリを形成し、センタレス研削盤10への投入及びセンタレス研削盤からの排出を可能とするように構成される。これは、グローブボックス環境では拘束されるメンテナンス作業の促進を可能とする。
【0044】
アセンブリ1は一体型であるが、これは、
・旋回ストリップ31、51が調整手段4、6を備える、ターレット32、52と、
・固定ストリップ30、50が取り付けられたハンドル70、71の支持部72と、
が、ネジにより、一体成型のガイドシューに固定されていることによる。
【0045】
装置の機能が、センタレス研削盤での核燃料ペレットの投入、ガイド及び排出であるセンタレス研削盤でのアプリケーションを参照して説明を行ったが、円筒状の部品の高精度な投入、ガイド及び排出を要する、部品の横滑りを防止するための任意のアプリケーションが想定可能である。