(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
米粒と水とを含む被調理物を内部に収容する内鍋と、該内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱出力及び加熱時間を制御することにより前記被調理物をリゾットに料理するリゾット炊飯工程を実行する制御手段と、を備えた電気炊飯器であって、
前記リゾット炊飯工程は、
前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第一の所定温度に達してから第一の所定時間が経過するまで、前記被調理物を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって第一の出力で加熱することにより、前記リゾット炊飯工程中になくならない量の水の沸騰を維持して米粒を攪拌させる、炊き上げ工程と、
前記炊き上げ工程の終了後、第二の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱を休止することにより、水の沸騰を終了して米粒を静止させる、休止工程と、
前記休止工程の終了後、第三の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段で前記内鍋を前記第一の出力よりも小さい第二の出力で断続的に加熱する、蒸らし工程と、を備える、
ことを特徴とする電気炊飯器。
米粒と水とを含む被調理物を内部に収容する内鍋と、該内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱出力及び加熱時間を制御することにより前記被調理物の調理を行う炊飯工程を実行する制御手段と、を備えた電気炊飯器であって、
前記炊飯工程は、
前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第一の所定温度に達してから第一の所定時間が経過するまで、前記被調理物を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって第一の出力で加熱する、炊き上げ工程と、
前記炊き上げ工程の終了後、第二の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱を休止する、休止工程と、
前記休止工程の終了後、第三の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段で前記内鍋を前記第一の出力よりも小さい第二の出力で断続的に加熱する、蒸らし工程と、を備え、
前記炊飯工程は、
前記蒸らし工程の終了後、前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第二の所定温度に達するまで、前記被調理物と、前記蒸らし工程の終了後に前記内鍋に投入された追加被調理物と、を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって加熱する、再加熱工程を備える、
ことを特徴とする電気炊飯器。
米粒と水とを含む被調理物を内部に収容する内鍋と、該内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱出力及び加熱時間を制御することにより前記被調理物の調理を行う制御手段と、を備えた電気炊飯器で行う炊飯方法であって、
前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第一の所定温度に達してから第一の所定時間が経過するまで、前記被調理物を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって第一の出力で加熱する、炊き上げ工程と、
前記炊き上げ工程の終了後、第二の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱を休止する、休止工程と、
前記休止工程の終了後、第三の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段で前記内鍋を前記第一の出力よりも小さい第二の出力で断続的に加熱する、蒸らし工程と、を備え、
前記蒸らし工程の終了後、前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第二の所定温度に達するまで、前記被調理物と、前記蒸らし工程の終了後に前記内鍋に投入された追加被調理物と、を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって加熱する、再加熱工程を備える、
ことを特徴とする炊飯方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
理想的なリゾットを作るためには、家庭などにおける一般的な米飯の調理方法とは異なり、米粒の中心部にわずかに芯が残る、いわゆる「アルデンテ」の状態に炊き上げることが必要とされている。また、リゾットを作る場合は一般的な炊飯方法に比べて水の割合を多くする必要がある。前記特許文献1及び特許文献2には、米粒による中心部への吸水を抑制することにより、リゾットにおける米粒をアルデンテの状態にする技術が記載されている。
【0005】
特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、強出力で米粒を炊き上げる工程の直後に弱出力で米粒を蒸らす工程に移行する構成としている。強出力の工程では電気炊飯器の内部で水が沸騰しているため、電気炊飯器の内部においては米粒が攪拌される。弱出力の工程では電気炊飯器の内部で水を沸騰させないため、電気炊飯器の内部において米粒は静止するが、強出力の工程から弱出力の工程に移行してからしばらくは、電気炊飯器の内部における水の沸騰とそれに伴う米粒の攪拌は継続することになる。このため、米粒を静止させるべき弱出力の工程において米粒の攪拌が継続すると、米粒の表面が柔らかくなって吸水が促進されることにより、米粒の芯がなくなってアルデンテ感が失われる原因となっていた。
【0006】
また、電気炊飯器の内部で水が沸騰している場合は、うまみの成分であるおねばが水分の蒸発によって乾燥し、失われてしまう。前記従来技術の如く強出力の工程から弱出力の工程に移行してからしばらく電気炊飯器の内部における水の沸騰が継続すると、これによっておねばが内鍋の内部の米粒に戻らずに乾燥してしまい、米粒のうまみが失われる原因となっていた。
【0007】
本発明は、上記のような状況を鑑み、リゾットを調理する際に、うまみを失うことなく米粒の中心部にわずかに芯を残したアルデンテの状態に炊き上げることができる、電気炊飯器、及び、炊飯方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、米粒と水とを含む被調理物を内部に収容する内鍋と、該内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱出力及び加熱時間を制御することにより前記被調理物を
リゾットに料理するリゾット炊飯工程を実行する制御手段と、を備えた電気炊飯器であって、前記
リゾット炊飯工程は、前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第一の所定温度に達してから第一の所定時間が経過するまで、前記被調理物を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって第一の出力で加熱する
ことにより、前記リゾット炊飯工程中になくならない量の水の沸騰を維持して米粒を攪拌させる、炊き上げ工程と、前記炊き上げ工程の終了後、第二の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱を休止する
ことにより、水の沸騰を終了して米粒を静止させる、休止工程と、前記休止工程の終了後、第三の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段で前記内鍋を前記第一の出力よりも小さい第二の出力で断続的に加熱する、蒸らし工程と、を備えるものである。
【0010】
請求項2においては、米粒と水とを含む被調理物を内部に収容する内鍋と、該内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱出力及び加熱時間を制御することにより前記被調理物の調理を行う炊飯工程を実行する制御手段と、を備えた電気炊飯器であって、前記炊飯工程は、前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第一の所定温度に達してから第一の所定時間が経過するまで、前記被調理物を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって第一の出力で加熱する、炊き上げ工程と、前記炊き上げ工程の終了後、第二の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱を休止する、休止工程と、前記休止工程の終了後、第三の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段で前記内鍋を前記第一の出力よりも小さい第二の出力で断続的に加熱する、蒸らし工程と、を備え
、前記炊飯工程は、前記蒸らし工程の終了後、前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第二の所定温度に達するまで、前記被調理物と、前記蒸らし工程の終了後に前記内鍋に投入された追加被調理物と、を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって加熱する、再加熱工程を備えるものである。
【0011】
請求項3においては、前記内鍋加熱手段は電熱ヒータであって、前記炊き上げ工程において前記内鍋と前記内鍋加熱手段との間に異物が存在することを検知した場合には、前記再加熱工程における第二の所定温度を、該第二の所定温度よりも高い第三の所定温度に変更するものである。
【0012】
請求項4においては、米粒と水とを含む被調理物を内部に収容する内鍋と、該内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱出力及び加熱時間を制御することにより前記被調理物の調理を行う制御手段と、を備えた電気炊飯器で行う炊飯方法であって、前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第一の所定温度に達してから第一の所定時間が経過するまで、前記被調理物を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって第一の出力で加熱する、炊き上げ工程と、前記炊き上げ工程の終了後、第二の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段による前記内鍋の加熱を休止する、休止工程と、前記休止工程の終了後、第三の所定時間が経過するまで、前記内鍋加熱手段で前記内鍋を前記第一の出力よりも小さい第二の出力で断続的に加熱する、蒸らし工程と、を備え
、前記蒸らし工程の終了後、前記内鍋温度検出手段が検出する前記内鍋の温度が第二の所定温度に達するまで、前記被調理物と、前記蒸らし工程の終了後に前記内鍋に投入された追加被調理物と、を収容した前記内鍋を前記内鍋加熱手段によって加熱する、再加熱工程を備えるものである。
【0013】
請求項5においては、前記内鍋加熱手段は電熱ヒータであって、前記炊き上げ工程において前記内鍋と前記内鍋加熱手段との間に異物が存在することを検知した場合には、前記再加熱工程における第二の所定温度を、該第二の所定温度よりも高い第三の所定温度に変更するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
本発明に係る電気炊飯器、及び、炊飯方法においては、リゾットを調理する際にうまみを失うことなく米粒の中心部にわずかに芯を残したアルデンテの状態に炊き上げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[炊飯器1]
まず、本発明に係る電気炊飯器の第一実施形態である炊飯器1の全体的な構成について説明する。
なお、以下の説明では、
図1における左側を炊飯器1の前側とし、
図1における右側を炊飯器1の後側として前後方向を規定する。また、
図1における手前側を炊飯器1の左側とし、
図1における奥側を炊飯器1の右側として左右方向を規定する。
【0018】
炊飯器1は、米粒と水とを含む被調理物を、電気を用いて調理する調理器具である。
図1及び
図2に示すように、炊飯器1は、主として、内鍋10と、炊飯器本体20と、蓋体30と、マイコン制御装置40と、により構成される。
【0019】
内鍋10は、その内部に炊飯器1の被調理物である米粒と水とを収容する部材である。内鍋10は、磁性体金属又は磁性体金属を含有する金属製で、上側面が開口された有底筒状に形成される。なお、内鍋10は、土鍋等セラミック製であってもよい。
【0020】
炊飯器本体20は、炊飯器1の主たる構造体を成す部材である。炊飯器本体20は、主として、外ケース21と、肩部材22と、底部材23と、内ケース24と、により構成される。
【0021】
炊飯器本体20の外ケース21は、炊飯器本体20の外周面の外装(外壁)を成す部材である。外ケース21は、ステンレス等の金属製で、上下側面が開口された筒状に形成される。
【0022】
炊飯器本体20の肩部材22は、炊飯器本体20の上端部(肩部)を成す部材である。肩部材22は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製で、上下側面が開口された概ね筒状に形成される。肩部材22は、外ケース21の上方に配置されて、下端部が外ケース21の上端部に固定される。肩部材22の後端部には、把持部51やヒンジ部52等が配設される。また、肩部材22の前端部には、操作パネル部53等が配設される。
【0023】
操作パネル部53は、炊飯や、保温や、メニュー選択等の炊飯器1の機能に関する各種のスイッチ55が配設される。ユーザーは、各種のスイッチ55の操作によって、炊飯器1の機能を適宜に実行させることができる。
また、操作パネル部53には、液晶表示部61が配設される。液晶表示部61には、ユーザーによって選択された炊飯器1の機能等が表示される。操作パネル部53の下方(外ケース21の内側)には、操作基板62が配設される。
【0024】
炊飯器本体20の底部材23は、炊飯器本体20の底部(下側面)を成す部材である。底部材23は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製で、板面を上下方向へ向けた概ね平板状に形成される。底部材23は、外ケース21の下端部に固定され、外ケース21の下側の開口部を被覆している。
【0025】
炊飯器本体20の内ケース24は、炊飯器本体20の内周面(内壁)を成し、その内部に内鍋10を収容する部材である。内ケース24は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂製で、上側面が開口された有底筒状に形成される。
なお、内ケース24と外ケース21及び底部材23との間、即ち炊飯器本体20の内部には、炊飯器1を構成する各部材が配設される。例えば、炊飯器本体20の内部には、内ケース24の前方に後述する制御基板63が配設される。さらに、炊飯器本体20の内部には、内鍋加熱手段であるワークコイル64や、保温ヒータ65や、内鍋温度検出手段であるセンタセンサ66等が配設される。
【0026】
ワークコイル64は、内ケース24の内部に収容された内鍋10を加熱する内鍋加熱手段である。ワークコイル64は、それぞれ環状に形成された底部コイル67と、コーナーコイル68と、より構成される。底部コイル67は、側面視で内ケース24の略中央の下方に配置される。コーナーコイル68は、側面視で内ケース24の外側端部の下方に配置される。底部コイル67及びコーナーコイル68は、渦電流を発生可能に構成され、内ケース24の内部に収容された内鍋10が、底部コイル67及びコーナーコイル68の渦電流と内鍋10の電気抵抗とによって発熱(加熱)するように構成される。
【0027】
なお、本実施形態においては、炊飯器1における内鍋加熱手段をIH(Induction Heating:誘導加熱)式であるものとして構成しているが、内鍋10の加熱方法はIH式に限定されるものではない。即ち、内鍋加熱手段を電熱ヒータ等として内鍋10を加熱する構成としても差し支えない。
【0028】
保温ヒータ65は、内鍋10の内部で調理された被調理物を主に保温(加熱)する部材である。保温ヒータ65は、リング状に形成され、内ケース24の上下中途部の外方に巻装される。
【0029】
センタセンサ66は、内鍋10の温度を検出する内鍋温度検出手段である。センタセンサ66は、内ケース24の下側面の略中央に開口された開口部54から、上方へ向けて突出される。センタセンサ66の上端部は、内ケース24の内部に収容された内鍋10の下側面に当接する。
【0030】
蓋体30は、炊飯器1の天部(上側面)を成す部材である。蓋体30は、肩部材22の上側の開口部を被覆するとともに、前記ヒンジ部52を介して当該肩部材22(ひいては炊飯器本体20)に対して開閉可能に支持される。蓋体30は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製であり、主として、円盤状に形成されて蓋体30の上面を成す上板31と、環状に形成されて蓋体30の下面を成す下板32と、により構成される。環状に形成された下板32の側面視で中央には、金属製の放熱板34が配設される。放熱板34には、蓋ヒータ35が配設される。また、下板32の下方には、内カバー33が配設される。
【0031】
蓋体30の内カバー33は、内鍋10からのふきこぼれ等を防止する部材である。内カバー33は、金属製で、円盤状に形成される。内カバー33は、下板32に着脱可能に取り付けられる。内カバー33は、蓋体30が炊飯器本体20に対して閉塞した状態で、内鍋10の上側縁部を略密閉するように構成される。
【0032】
蓋体30の蓋ヒータ35は、放熱板34を加熱して、その熱伝導によって内カバー33を加熱する部材である。蓋ヒータ35は、リング状に形成され、放熱板34の上面側に載置される。
【0033】
次に、マイコン制御装置40の構成について、
図2を用いて説明する。
【0034】
マイコン制御装置40は、炊飯、保温、メニュー選択等の炊飯器1の機能や、液晶表示部61の表示等を制御するとともに、内鍋加熱手段であるワークコイル64による内鍋10の加熱出力及び加熱時間を制御することにより、被調理物の調理を行う炊飯工程を実行する制御手段である。マイコン制御装置40には、炊飯器1の機能を実行するための炊飯制御プログラムや時間と温度との関係マップ等が予め記憶されている。マイコン制御装置40は、主として、前記操作基板62及び前記制御基板63に搭載されたマイクロプロセッサ(以下では、「MPU41」と称する。)等により構成される。
【0035】
MPU41には、マイコン制御装置40の外部にて出力された各種の信号が入力される。より詳細には、センタセンサ66によって検出された検出結果、即ち内鍋10の温度が温度検出回路73を介してMPU41に入力される。また、操作パネル部53の各種のスイッチ55の操作による操作信号が、MPU41に入力される。
【0036】
また、MPU41からは、炊飯器1の機能や液晶表示部61の表示等を制御するための各種の信号(コマンド)が、マイコン制御装置40の外部へ出力される。より詳細には、MPU41から出力され、ワークコイル駆動回路71を介して入力された信号によってワークコイル64が駆動される。ワークコイル駆動回路71は、IGBTのようなスイッチング素子や、ダイオードや、共振用コンデンサ等を用いて構成され、ワークコイル64に所定の高周波電流を供給するように構成される。また、MPU41から出力され、ヒータ駆動回路72を介して入力された信号によって、保温ヒータ65及び蓋ヒータ35が駆動される。また、MPU41から出力された信号によって、操作パネル部53の液晶表示部61の表示内容が設定される。
【0037】
[炊飯工程]
マイコン制御装置40によって実行される炊飯工程は、
図3及び
図4に示すように、炊き上げ工程(ステップS01)と、休止工程(ステップS02)と、蒸らし工程(ステップS03)と、を備える。具体的には、使用者によって操作パネル部53におけるスイッチ55が操作されて「リゾットコース」がメニュー選択され、炊飯開始操作が行われると、その操作信号がMPU41に入力される。そして、マイコン制御装置40がワークコイル64による内鍋10の加熱出力及び加熱時間を制御することにより、以下のリゾット炊飯に係る炊飯工程を実行するのである。
【0038】
リゾット炊飯に係る炊飯工程では、まず、炊き上げ工程(ステップS01)において、マイコン制御装置40によってワークコイル64が駆動され、第一の出力である高出力で内鍋10が加熱される(加熱が開始される)。
具体的には、ワークコイル64はマイコン制御装置40によって100%の出力で駆動され、内鍋10を加熱するワークコイル64の加熱量が最大となるように設定される。一方、保温ヒータ65及び蓋ヒータ35は、駆動されない(加熱しない)。ワークコイル64による内鍋10の加熱により、
図4中の実線に示す如く内鍋10におけるセンタセンサ66による検知温度が上昇する。また、
図4中の一点鎖線に示す如く内鍋10の内部に収容された被調理物の温度も上昇する。
【0039】
なお、前記「100%の出力」とは、ワークコイル64の出力の一実施形態であり、これに限定するものではない。即ち、ワークコイル64は、その加熱量が通常の加熱量よりも大きくなるような出力で駆動されればよい。なお、ここでの「通常の加熱量」とは、白米を炊飯する際における加熱量を指すものである。
【0040】
また、リゾット炊飯に係る炊飯工程では一般的な米飯の調理方法とは異なり、米粒の中心部にわずかに芯が残るアルデンテの状態に炊き上げることが必要となる。これにより、米粒による中心部への吸水を抑制するために、本実施形態においては炊き上げ工程の前に吸水工程を設ける必要はない。即ち、使用者によるメニュー選択操作が行われたうえで炊飯開始操作が行われると、即座にマイコン制御装置40による炊飯工程の実行が開始される。
【0041】
図4に示す如く、炊き上げ工程においてセンタセンサ66によって検出された内鍋10の温度が第一の所定温度t1に到達すると、マイコン制御装置40が内蔵するタイマによるカウントが開始される。そして、センタセンサ66によって検出された内鍋10の温度が第一の所定温度t1に達してから第一の所定時間T1が経過するまで、被調理物を収容した内鍋10をワークコイル64によって第一の出力である高出力で加熱するのである。ここで、第一の所定温度t1としては、内鍋10の内部において水の沸騰が開始する100度に近い温度(例えば90℃程度)が設定される。また、第一の所定時間T1としては、米粒が炊き上がるために必要な時間(例えば十数分程度)が設定される。
【0042】
本実施形態はリゾット炊飯に係る炊飯工程であるため、水の割合を一般的な炊飯方法に比べて多くし、炊飯工程中に水分がなくならないように調節している。これにより、炊き上げ工程が継続すると内鍋10の内部で水が沸騰し、
図4中の内鍋10におけるセンタセンサ66による検知温度及び被調理物の温度の上昇が100度近傍で停止する。この際、内鍋10に収容された米粒は水の沸騰により攪拌されている。
【0043】
内鍋10の温度が第一の所定温度t1に達してから第一の所定時間T1が経過すると、休止工程(ステップS02)に移行する。
具体的には、マイコン制御装置40によるワークコイル64の駆動が休止され、内鍋10を加熱するワークコイル64の加熱量がゼロとなるように設定される。保温ヒータ65及び蓋ヒータ35も駆動されない(加熱しない)。即ち、
図4に示す如く、休止工程に移行してから第二の所定時間T2が経過するまで、ワークコイル64の駆動による内鍋10を加熱が休止されるのである。本実施形態において第二の所定時間T2は、内鍋10の内部において米粒が静止するまでの時間と、炊き上げ工程で米粒から発生したおねばが内鍋の内部の米粒に戻るまでの時間との合計時間(具体的には数十秒から数分程度)としている。
【0044】
ワークコイル64による内鍋10の加熱を休止することにより、
図4中の実線に示す如く内鍋10におけるセンタセンサ66による検知温度が急に下降する。これにより、内鍋10の内部における水の沸騰が炊き上げ工程の終了とほぼ同時に終了し、内鍋10に収容された米粒が直ちに静止する。
【0045】
休止工程に移行してから第二の所定時間T2が経過すると、蒸らし工程(ステップS03)に移行する。
具体的には、マイコン制御装置40によってワークコイル64が再び駆動され、第二の出力である低出力で内鍋10が断続的に加熱される。即ち、ワークコイル64はマイコン制御装置40によって70%程度の出力で駆動され、内鍋10を加熱するワークコイル64の加熱量が最大よりもやや小さくなるように設定される。また、マイコン制御装置40によって保温ヒータ65及び蓋ヒータ35が、所定出力にて駆動される。
【0046】
なお、前記「70%の出力」とは、ワークコイル64の出力の一実施形態であり、これに限定するものではない。即ち、ワークコイル64は、その加熱量が最大よりもやや小さくなるような出力で駆動されればよい。
【0047】
即ち、
図4に示す如く、蒸らし工程に移行してから第三の所定時間T3が経過するまで、被調理物を収容した内鍋10をワークコイル64によって第二の出力である低出力で断続的に加熱するのである。ワークコイル64による内鍋10の断続的な加熱により、
図4中の実線及び一点鎖線に示す如く内鍋10におけるセンタセンサ66による検知温度及び内鍋10の内部に収容された被調理物の温度は100℃近傍で維持される。そして、第三の所定時間T3が経過すると蒸らし工程は終了し、リゾットの炊飯工程が完了することとなる。第三の所定時間T3としては、米粒を蒸らすのに必要な時間(例えば数分程度)が設定される。なお、炊飯工程を経た後に、炊き上がったリゾットの保温工程等へ移行する構成とすることも可能である。
【0048】
上記の如く、本実施形態に係る炊飯器1が実行するリゾット炊飯に係る炊飯工程は、センタセンサ66が検出する内鍋10の温度が第一の所定温度t1に達してから第一の所定時間T1が経過するまで、被調理物を収容した内鍋10をワークコイル64によって第一の出力で加熱する炊き上げ工程と、炊き上げ工程の終了後、第二の所定時間T2が経過するまで、ワークコイル64による内鍋10の加熱を休止する休止工程と、休止工程の終了後、第三の所定時間T3が経過するまで、ワークコイル64で内鍋10を第一の出力よりも小さい第二の出力で断続的に加熱する蒸らし工程と、を備える。
【0049】
本実施形態においては上記の如く、炊き上げ工程の後における休止工程でワークコイル64による内鍋10の加熱を休止させて、内鍋10におけるセンタセンサ66による検知温度を急に下降させる構成としている。これにより、内鍋10の内部における水の沸騰を炊き上げ工程の終了とほぼ同時に終了させることができるため、内鍋10に収容された米粒を直ちに静止させることが可能となるのである。即ち、米粒の攪拌で表面が柔らかくなることによる吸水を抑制することにより、リゾットにおける米粒の中心部にわずかに芯が残る、いわゆる「アルデンテ」の状態に炊き上げることが可能となるのである。
【0050】
また、本実施形態に係る炊飯器1が実行するリゾット炊飯に係る炊飯工程は、上記の如く休止工程における第二の所定時間T2を、内鍋10の内部において米粒が静止するまでの時間と、炊き上げ工程で米粒から発生したおねばが内鍋の内部の米粒に戻るまでの時間との合計時間としている。
【0051】
上記の如く、炊飯器1における内鍋10の内部で水の沸騰を停止させる構成としているため、うまみの成分であるおねばが水分の蒸発によって乾燥し、失われてしまうことを防止できる。さらに、おねばが内鍋の内部の米粒に戻るまでの時間を確保することにより、米粒のうまみが失われることがないため、うまみとアルデンテ感とを兼ね備える理想的なリゾットを作ることが可能となるのである。
【0052】
[第二実施形態]
次に、本発明に係る電気炊飯器の第二実施形態である炊飯器で実行される炊飯工程について、
図5及び
図6を用いて説明する。なお、本実施形態に係る炊飯器は前記第一実施形態に係る炊飯器1と構成を同じくしているため、その構成の説明は省略する。また、本実施形態における炊飯工程は、前記第一実施形態に係る炊飯器1で実行する炊飯工程における蒸らし工程までは共通するため、蒸らし工程以降の工程を中心に説明する。
【0053】
本実施形態に係る炊飯器で実行されるリゾットの炊飯工程は、
図5及び
図6に示す如く、炊き上げ工程(ステップS01)と、休止工程(ステップS02)と、蒸らし工程(ステップS03)と、に加えて、再加熱工程(ステップS04)と、再加熱蒸らし工程(ステップS05)と、を備える。
【0054】
リゾットを調理する際には、トマトソースやホワイトソースのように粘性のあるソースを加える場合がある。炊飯工程の最初からこれらのソースを加えて炊飯を開始した場合、内鍋10の底にソースが溜まって加熱されるため、内鍋10の底の温度が上がりすぎて通常の炊飯工程の制御が行われないことがある。このため、本実施形態においては、前記第一実施形態における蒸らし工程が終了した後に、使用者によって前記のソースが追加被調理物として炊飯器1に加えられる。そして、使用者によって操作パネル部53におけるスイッチ55が操作されて、「再加熱コース」がメニュー選択されたうえで炊飯開始操作がなされると、以下の再加熱工程に移行して再度内鍋10をワークコイル64によって加熱する(再加熱する)構成としている。
【0055】
なお、通常の炊飯工程と再加熱工程とのスイッチ55を共通として、この共通のスイッチ55が操作された時にセンタセンサ66が検出する内鍋10の温度が所定温度以上(例えば、約50度以上)であれば再加熱工程を開始し、前記所定温度未満であれば通常の炊飯工程を開始する構成とすることも可能である。
【0056】
上記の如く、本実施形態に係るリゾットの炊飯工程は、蒸らし工程の終了後、
図6中の実線(通常時)に示す如く、センタセンサ66が検出する内鍋10の温度が第二の所定温度t2に達するまで、被調理物と、蒸らし工程の終了後に内鍋10に投入された追加被調理物であるソースと、を収容した内鍋10をワークコイル64によって加熱する、再加熱工程(ステップS04)を備えるのである。
【0057】
具体的には、マイコン制御装置40によってワークコイル64が駆動され、内鍋10が高出力で加熱される。また、マイコン制御装置40によって保温ヒータ65及び蓋ヒータ35が、所定出力にて駆動される。ワークコイル64などによる内鍋10の加熱により、
図6中の実線に示す如く内鍋10におけるセンタセンサ66による検知温度が上昇する。
【0058】
図6に示す如く、再加熱工程においてセンタセンサ66によって検出された内鍋10の温度が第二の所定温度t2に到達すると、再加熱蒸らし工程(ステップS05)に移行する。第二の所定温度t2としては、ソースを加えたリゾットが十分温められる温度(例えば100度程度)が設定される。
具体的には、マイコン制御装置40によってワークコイル64が再び駆動され、低出力で内鍋10が断続的に加熱される。また、マイコン制御装置40によって保温ヒータ65及び蓋ヒータ35が、所定出力にて駆動される。ワークコイル64による内鍋10の断続的な加熱により、
図6中の実線に示す如く内鍋10におけるセンタセンサ66による検知温度は所定の温度に維持され、被調理物とソースとが食べごろの温度となるのである。
【0059】
本実施形態においては上記の如く構成することにより、トマトソースやホワイトソースのように粘性のあるソースを追加被調理物として被調理物に加えてリゾットを調理する場合でもリゾットの炊飯工程の制御を実行することが可能となる。つまり、上記のような場合でも、リゾットを調理する際にうまみを失うことなく米粒の中心部にわずかに芯を残したアルデンテの状態に炊き上げ、その後にソースを追加したリゾットを適温に調理することができるのである。
【0060】
また、本実施形態において内鍋加熱手段として電熱ヒータを用いた場合に、内鍋10と電熱ヒータとの間に異物が存在して、内鍋10と電熱ヒータとの接触が不十分となる接触不良時には、電熱ヒータの熱が内鍋10に対して十分に伝わらない。この場合、炊き上げ工程において電熱ヒータに熱が留まり、電熱ヒータや周辺のセンタセンサ66が通常よりも高い温度に上昇することとなる。このように、炊き上げ工程においてセンタセンサ66による内鍋10の検知温度の上昇に異常がある場合は、内鍋10と電熱ヒータとの間に異物が存在すると判断して、再加熱工程における第二の所定温度t2を、
図6中の一点鎖線に示す如く第二の所定温度t2よりも高い第三の所定温度t3に変更している。第三の所定温度t3としては、電熱ヒータの熱が内鍋10に対して十分に伝わらない場合でも、ソースを加えたリゾットが第二の所定温度t2の程度に十分温められる温度(例えば180度程度)が設定される。
【0061】
上記の如く構成することにより、内鍋10と電熱ヒータとの間に異物が存在する接触不良が発生し、電熱ヒータの熱が内鍋10に対して十分に伝わらない場合であっても、再加熱工程でセンタセンサ66が検出する内鍋10の温度が第二の所定温度t2よりも高い第三の所定温度t3に達するまで内鍋10を電熱ヒータによって加熱することにより、被調理物とソースとに対して十分な熱を加えることが可能となる。
【0062】
即ち、内鍋10と電熱ヒータとの間の異物により熱が十分に伝わらない場合であっても、リゾットの炊飯工程の制御を実行することが可能となる。つまり、上記のような場合でも、リゾットを調理する際にうまみを失うことなく米粒の中心部にわずかに芯を残したアルデンテの状態に炊き上げ、その後にソースを追加したリゾットを適温に調理することができるのである。