(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のサンドイッチパネルの実施形態としてのサンドイッチパネル、及びその成形方法について説明する。
【0015】
(1)サンドイッチパネル
以下、
図1及び
図2を参照して、実施形態のサンドイッチパネル1について説明する。
図1に示すように、実施形態のサンドイッチパネル1は、一例として略直方体の外形形状を備えている。このサンドイッチパネル1は、おもて面側及び裏面側の双方に設けられる、熱可塑性樹脂の樹脂シートSA,SBによって、おもて面側及び裏面側の樹脂シート間に介在する芯材15(樹脂パネル)を挟み込むようにしたサンドイッチ構造となっている。樹脂シートSA,SBは、サンドイッチパネル1の薄肉の表皮材シートを構成し、押出装置により押し出される樹脂シート(溶融樹脂)が金型内で成形されることにより得られる。
【0016】
実施形態のサンドイッチパネル1において、芯材15は例えば熱可塑性樹脂を用いて成形される。その樹脂材料は限定しないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のアクリル誘導体のいずれか、又は2種類以上の混合物を含む。芯材15はサンドイッチパネル1の体積に占める割合が大きく、軽量化のために発泡剤を用いて発泡させた発泡樹脂であることが好ましい。芯材15となる発泡樹脂の発泡倍率は、例えば、1.5〜6倍の範囲である。ここでの発泡倍率とは、発泡前の混合樹脂の密度を、発泡後の発泡樹脂の見かけ密度で割った値である。
また、中空部を含む発泡成形体全体の見かけの発泡倍率は、例えば10〜60倍の範囲であり、代表的には30倍である。ここでの見かけの発泡倍率とは、発泡前の混合樹脂の密度を、中空部を含む発泡成形体全体の密度で割った値である。
【0017】
実施形態のサンドイッチパネル1において、樹脂シートSA,SBは、その樹脂材料を限定しないが、サンドイッチパネル1の剛性を確保するために非発泡樹脂から形成されることが好ましい。例えば、成形性を考慮して、樹脂シートSA,SBは、主材料であるポリプロピレン(PP)にポリスチレン(PS)とスチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体樹脂(SEBS)を混合させてもよい。
【0018】
樹脂シートSA,SB及び芯材15は、剛性及び強度を増加させる目的で、ガラスフィラーを混入した樹脂材料を用いて成形するようにしてもよい。
ガラスフィラーとしては、ガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ミルドガラスなどが挙げられる。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが挙げられる。
なお、ガラスフィラーに限らず、剛性を上げるためのタルク、炭酸カルシウム、珪灰石(Wollastonite)、マグネシウム系材料等の無機フィラー、カーボンファイバー等を混入させてもよい。
【0019】
芯材15の厚さは、サンドイッチパネル1としての目標厚さ、さらには、サンドイッチパネル1の目標の剛性を確保するための樹脂シートの厚さに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば10mm程度である。樹脂シートSA,SBの厚さは、0.1mm〜0.6mmの範囲であることが好ましく、代表的には0.5mmである。
【0020】
次に、
図2〜
図5を参照して、樹脂パネルとしての芯材15の構造について説明する。
図2は、実施形態のサンドイッチパネル1の芯材15の部分平面図である。
図3は、
図2のA−A断面を示す図である。
図4及び
図5はそれぞれ、実施形態の芯材15を接合面で切ったときの構造の例を示す図である。
図4において、(a)は平面図を示し、(b)は(a)のX−X断面及びY−Y断面を示す図である。
図5において、(a)は平面図を示し、(b)は(a)のZ−Z断面を示す図である。
【0021】
図3に示すように、芯材15は、第1の構造体15Aと第2の構造体15Bが接合面で接合され、それによって第1の構造体15Aと第2の構造体15Bが積層された構造となっている。第1の構造体15Aの基準面15Saは芯材15のおもて面を構成し、第2の構造体15Bの基準面15Sbは芯材15の裏面を構成している。
【0022】
第1の構造体15Aには、基準面15Saから内方に向かって突出する複数の突起150aが形成されている。
図2に示すように、複数の突起150aは、芯材15のおもて面を構成する基準面15Saの全面に亘って一定のパターンで整列するように設けられていることが好ましい。これによって、芯材15のおもて面に対する圧縮方向の剛性及び強度を高くすることができる。
図2はおもて面を示しているが裏面も同様の構造である。つまり、複数の突起150bが芯材15の裏面を構成する基準面15Sbの全面に亘って一定のパターンで整列するように設けられていることが好ましく、それによって芯材15の裏面に対する圧縮方向の剛性及び強度を高くすることができる。
【0023】
図3において第1の構造体15Aを参照すると、突起150aは、内方に向かうにつれて先細りするように形成されたテーパー面1501aと、頂部1502aとを有する。各突起150aのテーパー面1501aを内方に向かうにつれて先細りするようにすることで、芯材15のおもて面に対する大きな荷重に対して突起150aが座屈し難くなるため、芯材15のおもて面に対する圧縮方向の強度が増す。
図3において第2の構造体15Bを参照すると、突起150bは、内方に向かうにつれて先細りするように形成されたテーパー面1501bと、頂部1502bとを有する。各突起150bのテーパー面1501bを内方に向かうにつれて先細りするようにすることで、芯材15の裏面に対する大きな荷重に対して突起150bが座屈し難くなるため、芯材15の裏面に対する圧縮方向の強度が増す。
【0024】
図3に示すように、第1の構造体15Aの各突起150aと、第2の構造体15Bの各突起150bとは、それぞれ頂部1502a,1502bが当接した状態で接合されており、それによって第1の構造体15Aと第2の構造体15Bが接合した状態で積層されて芯材15が構成されている。
【0025】
本実施形態の芯材15を構成する第1の構造体15Aと第2の構造体15Bでは、隣接する突起間に直線状の隆起部(折れ肉)が形成されているが、この点について
図4及び
図5を参照して説明する。
図4及び
図5は、それぞれ、本実施形態の芯材15を構成する各構造体の具体例を示している。
図4及び
図5では第2の構造体15Bのみを示し、以下では第2の構造体15Bについてのみ言及しているが、第1の構造体15Aについても同様の構造である。
図4及び
図5において(a)は、芯材15を接合面で切断し、内方から見た(つまり、突起150bの頂部1502bの側から見た)平面図である。
図4及び
図5において(b)は、突起間に設けられている隆起部の方向に沿って第2の構造体15Bを切断したときの断面図である。
図4及び
図5において、隆起部は、芯材15の裏面を構成する基準面15Sbに沿って設けられている。
【0026】
先ず
図4に示す例では、(a)に示すように、各突起150bから隣接する他の突起150bとの間で4つの直線状の隆起部Rb1〜Rb4(総称して適宜「隆起部Rb」という。)が設けられている。この4つの隆起部Rb1〜Rb4のうち少なくとも2つの隆起部は、相対する2方向に延びていないように形成されている。例えば、隆起部Rb1と隆起部Rb2は相対する2方向に延びておらず、隆起部Rb1と隆起部Rb4は相対する2方向に延びていない。つまり、
図4に示す例では、平面視で少なくとも相対しない2方向で隣接する突起150b間で隆起部Rbが形成されるため、基準面15Sbに対する任意の方向の曲げモーメントに対しても隆起部Rbが補強リブとして機能し、裏面に作用する曲げモーメントに対して各突起150bが倒れ難い構造となっているため、曲げ剛性及び曲げ強度を高くすることができる。
図4(a)に示す例では、突起150b間を構成する隆起部Rbが全体として交差する2方向に形成され、
図4の縦方向及び横方向の直線のいずれを中心とする曲げモーメントに対しても強い構造となる。
【0027】
次に
図5に示す例では、(a)に示すように、各突起150bから隣接する他の突起150bとの間で2つの直線状の隆起部Rb1,Rb2が設けられている。この2つの直線状の隆起部Rb1,Rb2は、相対する2方向に延びている。つまり、
図5(a)では、突起150b間を構成する隆起部Rbが全体として、縦の1方向に延びる状態となっている。そのため、
図5の横方向のラインを中心として作用する曲げモーメントに対して隆起部Rb1,Rb2が補強リブとして機能し、その曲げモーメントに対しては極めて強い構造となる。その一方で、全体として隆起部Rbが延びる方向に沿った線を中心とする曲げモーメントに対しては比較的曲げ剛性が低い構造となる。従って、
図5に示す構造は、特定の方向の曲げ剛性、曲げ強度を高めたい場合に特に有用である。
【0028】
なお、第1の構造体15A及び第2の構造体15Bは、それぞれブロー成形において、それぞれ分割金型に溶融樹脂が押し付けられることで成形され、その分割金型には突起150a,150bに対応する突起が形成されているが、隆起部に対応した形状は分割金型に形成されていない。
図4及び
図5に示した各隆起部は、突起150a,150bに対応する分割金型の突起の配置や溶融樹脂の射出方向等によって形成されるものである。
例えば、
図4(a)及び
図5(a)において、t1>t2の場合には、
図4に示すように全体として交差状の隆起部が形成され、t1<t2の場合には、
図5に示すように全体として1方向の直線状の隆起部が形成されやすい。
図4及び
図5では、紙面上の上から下に向かう方向が溶融樹脂の射出方向に対応しているが、その場合、隆起部が
図4及び
図5に示すような形状で形成されるときの好ましい寸法例を挙げれば以下のとおりである。
すなわち、
図4の場合の隣接する突起150bの中心間の距離について、射出方向の距離t1は例えば11mmであり、射出方向と直交する方向の距離t2は例えば5.5mmである。突起の高さ(=構造体の幅)を12mmとした場合、形成される隆起部の高さRhは0.5〜3mmである。一方、
図5の場合には、例えば、t1=5.5mm、t2=11mmであり、突起の高さ(=構造体の幅)を12mmとした場合、形成される隆起部の高さRhは1〜5mmである。
【0029】
また、前述したように、
図4及び
図5では、紙面上の上から下に向かう方向が、後述する成形工程における溶融樹脂の射出方向に対応しているが、この溶融樹脂にフィラーを挿入することで、射出方向、つまり
図4及び
図5の水平方向のラインを中心とする曲げモーメントに対する曲げ剛性、曲げ強度をさらに高めることができる。挿入するフィラーとしては、前述した各種のガラスフィラーのほか、タルク、炭酸カルシウム、珪灰石(Wollastonite)、マグネシウム系材料等の無機フィラー、カーボンファイバー等を混入させてもよい。
【0030】
実施形態のサンドイッチパネル1において、芯材15に使用されうる発泡剤としては、公知の物理発泡剤、化学発泡剤及びその混合物が挙げられる。例えば、物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス等の無機系物理発泡剤、及びブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤を適用できる。また、化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン又はアゾビスイソブチロニトリルなどの有機発泡剤、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、ショウノウ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ酸などのポリカルボン酸と、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムアルミニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの無機炭酸化合物の混合物や、クエン酸ニ水素ナトリウム、シュウ酸カリウムなどのポリカルボン酸の塩が無機発泡剤として挙げられる。
【0031】
(2)芯材の成形方法
次に、芯材15の成形方法について説明する。
先ず、例えばポリオレフィン系樹脂を押出機(図示せず)に供給し、加熱溶融しつつ混練してから所定量の発泡剤を添加し、押出機内で更に混練して発泡性溶融樹脂とし、発泡性溶融樹脂を発泡に適した樹脂温度及び発泡性溶融樹脂が発泡を開始しない圧力下に維持しながらアキュムレータ(図示せず)に充填する。次いで、押出ヘッド40のダイ先端のゲートを開いた状態でアキュムレータのラム(図示せず)を押すことにより、発泡性溶融樹脂が低圧域に開放されて、発泡性の筒状パリソンPが形成される。なお、後工程の分割金型50A,50Bによる成形工程中において、発泡倍率はほぼ一定に保持される。
【0032】
次いで、
図6に示すように、既知の押出ヘッド40より溶融状態の筒状パリソンPをスリットダイを通じて鉛直下方に押出し、連続の溶融状態の筒状パリソンPを開位置にある2つの分割金型50A,50Bの間に供給する。
次いで、
図7に示すように、2つの分割金型50A,50Bを開位置から閉位置に移動し、2つの分割金型50A,50Bを型締する。これにより、密閉空間(キャビティ)が構成される。次いで、このキャビティを通じて、ブロー成形あるいは真空成形することにより、キャビティ内のパリソンPはキャビティ内の形成面52A,52Bに沿って賦形される。
【0033】
より詳細には、ブロー成形の場合、従来既知の方法と同様に、ブローピン(図示せず)を芯材15中に差し込んで内部に加圧流体を導入することにより、パリソンPを分割金型50A,50Bの形成面52A,52Bに向かって押し付け、真空成形の場合、従来既知の方法と同様に、キャビティに連通した流路(図示せず)を分割金型50A,50B中に設け、この流路を通じてキャビティを吸引することにより、パリソンPを分割金型50A,50Bの形成面52A,52Bに向かって吸引し、パリソンPが形成面52A,52Bに沿って密着される。これにより、溶融状態の連続的な筒状パリソンPにより、構造体15A,15Bが構成される。すなわち、分割金型50A,50Bの形成面52A,52B上に、構造体15A,15Bの複数の突起150a,150bに対応する複数の突起54A,54Bが設けられている。つまり、パリソンPが形成面52A,52Bに沿って密着されると、パリソンPが形成面52A,52B上の複数の突起54A,54Bに沿って密着され、それによって、構造体15A,15Bの複数の突起150a,150bが形成される。このとき、2つの分割金型50A,50Bにおいて、複数の突起54A,54Bの形成面52A,52B上での配置形態を共通とすることにより、一対の構造体15A,15Bそれぞれにおいて、対応する突起150a,150bの頂部1502a,1502b同士が当接して溶着される。さらに、分割金型50A,50Bの各々のピンチオフ部51A,51Bが当接することにより、連続筒状パリソンPは、その周縁部にパーティングラインPLが形成されると同時に、溶着される。
なお、前述したように、分割金型50A,50Bの複数の突起54A,54Bを、突起150a,150bに合わせて適切に配置することによって、成形後の一対の構造体15A,15Bの各々には、隣接する突起150a間、及び、隣接する突起150b間にリブ状の隆起部が形成されるようになる。
【0034】
次いで、
図8に示すように、金型駆動装置により2つの分割金型50A,50Bを閉位置から開位置に移動し、2つの分割金型50A,50Bを型開きする。これにより、成形された芯材15を2つの分割金型50A,50Bの間から取り出す。
以上で、発泡性の芯材15の成形が完了する。
【0035】
(3)サンドイッチパネルの成形方法
次に、
図9〜15を参照して、実施形態のサンドイッチパネル1を、金型を用いて成形する装置および方法について説明する。
【0036】
先ず、実施形態のサンドイッチパネル1の成形装置について説明する。
図9に示すように、実施形態の成形装置90は、押出装置60と、押出装置60の下方に配置された型締装置70とを有する。押出装置60から押出された溶融状態の樹脂シートPは、型締装置70に送られ、型締装置70において溶融状態の樹脂シートPが成形される。なお、
図9では、型締装置70及び溶融状態の樹脂シートPのみを断面図で示してある。
【0037】
押出装置60は、Tダイ61A,61B、アキュムレータ81A,81B、プランジャー82A,82B、押出機83A,83B、及び樹脂供給ホッパー84A,84Bを備える。押出装置60では、樹脂原料が押出機を用いて可塑化溶融させられ、この溶融樹脂がTダイ61A,61Bでダイ外へ押し出される。押出装置60において、押出機83A,83Bの押出能力は、サンドイッチパネル1の大きさにより適宜選択することができるが、サンドイッチパネル1の成形サイクルを短縮させる観点から、50kg/時以上であることが好ましい。
【0038】
押出装置60では、樹脂シートの押出速度は、Tダイ61A,61B及びアキュムレータ81A,81Bにより設定される。また、ドローダウンを防止する観点から、Tダイ61A,61Bにおける樹脂シートの押し出しは、40秒以内に完了することが好ましく、30秒以内に完了するのがさらに好ましい。このため、アキュムレータ81A,81Bに貯留された溶融樹脂材料は、Tダイ61A,61Bから1cm
2当たり50kg/時以上、好ましくは60kg/時以上で押し出されることになる。このとき、Tダイ61A,61Bのダイ先端のスリットを樹脂シートの押出速度に応じて変化させることでドローダウンの影響をさらに抑制することができる。すなわち、Tダイ61A,61Bのスリットの間隔を押出開始から徐々に広げ、押出終了時に最大とすることで、樹脂シートの自重による肉厚変化を抑制し、上下方向の広い範囲に亘り樹脂シートを均一な厚さとすることができる。これにより、後述する一対の分割金型を開位置から閉位置へ移動させる時点において、樹脂シートの厚みを均一にすることができる。
【0039】
図9を再度参照すると、型締装置70は、溶融状態の樹脂シートPの供給方向に対して略直交する方向に、開位置と閉位置との間で移動させられる一対の分割金型71A,71Bを有する。一対の分割金型71A,71Bは、各々に対応する形成面72A,72Bを対向させた状態で配置される。形成面72A,72Bの表面には、サンドイッチパネル1の略外形に応じて凹凸部が設けられてもよい。
【0040】
一対の分割金型71A,71Bの各々において、各々に対応する形成面72A,72Bの上下端近傍には、ピンチオフ部74A,74Bが形成されている。このピンチオフ部74A,74Bはそれぞれ、形成面72A,72Bのまわりに環状に形成され、対向する分割金型71B,71Aに向かって突出する。これにより、一対の分割金型71A,71Bを型締する際、それぞれのピンチオフ部74A,74Bの先端部が当接し、溶融状態の樹脂シートPの周縁にパーティングラインPLが形成されるようになっている。
【0041】
一対の分割金型71A,71Bには、形成面72A,72Bの周囲において、形成面72A,72Bから突出可能に摺動部75A,75Bが設けられている。摺動部75A,75Bは、形成面72A,72Bから突出した状態において、その端面が樹脂シートPに接触し、それにより、樹脂シートPと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間に密閉空間(キャビティ)が形成されるようにして、設けられている。
【0042】
一対の分割金型71A,71Bには、真空チャンバ73A,73Bが内蔵されている。真空チャンバ73A,73Bは、真空ポンプおよび真空タンク(いずれも図示せず)と接続されている。真空チャンバ73A,73Bと形成面72A,72Bの間には、キャビティの真空吸引のために連通する連通路(図示せず)が設けられている。
【0043】
一対の分割金型71A,71Bは、金型駆動装置(図示せず)によって、開位置と閉位置の間を移動可能となるように駆動される。開位置では、一対の分割金型71A,71Bの間に、2枚の溶融状態の連続した樹脂シートPが、互いに間隔を隔てて配置可能となっている。2枚の樹脂シートPは、成形後に、サンドイッチパネル1における樹脂シートSA,SBとなる。閉位置では、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bが当接することにより、一対の金型71A,71Bの各々は、開位置から閉位置への移動の際、2枚の溶融状態の樹脂分割金型71A,71B内にキャビティが形成されるようにしている。なお、一対の分割シートPの中心線の位置に向かって移動するように駆動される。
【0044】
次に、サンドイッチパネル1の成形方法について説明する。
先ず、
図9に示したように、押出装置60から溶融状態の樹脂シートPが各ダイスリットから鉛直下方に押し出される。この押し出された樹脂シートPはそれぞれ、ローラ65A,65Bを通して、一対の分割金型71A,71Bの間に供給される。この時点で、一対の分割金型71A,71Bは開位置にある。
【0045】
なお、サンドイッチパネル1の表面に装飾シート(例えば布製の装飾シート)を付加する場合には、垂下する樹脂シートPと装飾シートを、ローラ65A,65Bにより互いに圧着させることができる。このとき、装飾シートは、その内面が布状であることが、樹脂シートPとの溶着を強くするうえで好適である。ローラ65A,65Bは、表面にフッ素の薄膜でコーティングを施し、また70〜100℃程度に加熱することが樹脂の付着防止および溶着強度の向上のうえで好ましい。
また、あらかじめ、装飾シートを分割金型の形成面に設置しておき、樹脂シートPの成形と同時に、樹脂シートPを装飾シートに溶着させてもよい。
尚、布製の装飾シートとしては、不織布が好ましい。特に、かえしのある針を突き刺して機械的に繊維を結合させてなるニードルパンチ不織布を用いることが、溶着強度向上のうえで好ましい。
【0046】
次に、
図10に示すように、形成面72A,72Bの周囲にある摺動部75A,75Bを突出させて、その端面を樹脂シートPに接触させる。これにより、樹脂シートPと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間にキャビティが形成される。そして、真空チャンバ73A,73Bと形成面72A,72Bの間に設けられた連通路(図示せず)によって、キャビティ内の空気を吸引する。この吸引により、2枚の樹脂シートPがそれぞれ、一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させられ、
図11に示すように、形成面72A,72Bに沿った形状、すなわち、サンドイッチパネル1の略外形に形成される。
尚、形成面72A,72Bの周囲にある摺動部75A,75Bの先端から樹脂シートP側の空気を吸引できるように構成することで、樹脂シートPを摺動部75A,75Bに接触させた状態で、確実に保持することができる。また、キャビティを吸引して樹脂シートPを形成面72A,72Bに沿った形状にするときに、皺が発生することを抑制できる。
【0047】
次に、マニピュレータ(図示せず)を用いて一対の分割金型71A,71Bの間で芯材15を位置決めし、
図12に示すように、側方より一方の分割金型(
図12では、分割金型71B)に押し付けるようにして挿入する。これにより、芯材15が樹脂シートPに溶着する。なお、樹脂材料にもよるが、樹脂シートPは成形後の冷却により1%前後収縮する。分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bは、その収縮を見込んで形状が設定されている。すなわち、形成面72A,72Bは、樹脂シートの成形後の目標寸法よりも僅かに大きく設定されている。そのため、常温状態の芯材15を余裕を持って分割金型内に挿入することができる。
【0048】
次に、
図13に示すように、一対の分割金型71A,71Bを開位置から閉位置まで移動させて、型締する。これにより、一方の樹脂シートP(図面右側)に対して溶着されていた芯材15は、他方の樹脂シートP(図面左側)に対しても溶着される。さらに、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bにおいて、一対の樹脂シートPの周縁が溶着させられ、パーティングラインPLが形成される。なお、型締の際、予め成形された常温状態の芯材15を溶融状態の樹脂シートPに対して溶着させるため、芯材15自体は、型締により変形を受けないように予め位置決めされている。
【0049】
最後に、一対の分割金型71A,71Bを再び開位置に移動させ、成形したサンドイッチパネル1を形成面72A,72Bから離間させ、パーティングラインPLまわりに形成されたバリを、カッター等で切断して除去する。尚、型締めと同時に、ピンチオフ部74A,74Bでバリが切断されるように構成してもよい。以上で、樹脂シートSA、芯材15、樹脂シートSBが積層されたサンドイッチパネル1が完成する。
【0050】
なお、前述したように、剛性及び強度を増加させる目的で、樹脂シートPにはガラスフィラー、無機フィラーやカーボンフィラーを混入するようにしてもよい。
【0051】
上述したように、押し出された溶融状態の樹脂シートが固化する前に、分割金型で挟み込んで、芯材に溶着させる方法によれば、成形コストを低減できる。なぜなら、例えば、固化した樹脂シートを再度加熱して溶融させ、芯材に溶着させる方法に比べて、再加熱工程が不要になり、成形コストを低減できるからである。
また、鉛直下方に溶融状態の樹脂シートを押し出す構成とすることで製造装置の占有面積を減らすことができる。なぜなら、例えば、水平方向に押し出して成形する場合は、水平方向に樹脂シートを移動させるための搬送装置が別途必要になるとともに、当該搬送装置や金型を押出装置と水平方向に並べて設置することが必要になるからである。
なお、上述した実施形態のサンドイッチパネルの成形方法は、適宜変形するようにしてもよい。以下、実施形態のサンドイッチパネルの成形方法の変形例について説明する。
【0052】
(変形例1)
上述したサンドイッチパネルの成形方法では、一対のTダイが溶融状態の樹脂シートを押し出す場合について説明したが、円筒状のパリソンを切断しつつ押し出すことで樹脂シートを得るようにしてもよい。
【0053】
(変形例2)
上述したサンドイッチパネルの成形方法では、一対の分割金型71A,71Bを閉位置に移動させる前に、樹脂シートPと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間にキャビティを形成する場合について説明したが、これに限られない。一対の分割金型71A,71Bを閉位置に移動させることでキャビティを形成するようにしてもよい。
【0054】
(変形例3)
上述したサンドイッチパネルの成形方法では、樹脂シートPを一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させるために、キャビティ内部の空気を吸引するようにした場合について説明したが、これに限られない。樹脂シートPに空気等の流体を吹き付けることによって樹脂シートPを一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させるようにしてもよい(ブロー成形)。
【0055】
(変形例4)
上述したサンドイッチパネルの成形方法では、溶融状態の樹脂シートの外層を分割金型の形成面に押圧させる工程は、キャビティからの吸引による方法、又はブロー成形による方法を用いたが、これらの方法に限られない。キャビティを形成することなく、芯材15を用いて溶融状態の樹脂シートを分割金型のキャビティに押し付ける方法を適用してもよい。この方法について、
図14及び
図15を参照して説明する。
図14は、溶融状態の樹脂シートに対して芯材15を押し付ける前の状態を示す図である。
図15は、溶融状態の樹脂シートに対して芯材15を分割金型の形成面に達するまで押し付けた後の状態を示す図である。
【0056】
本変形例の方法では先ず、
図14に示すように、押出装置60から溶融状態の樹脂シートPが鉛直下方に押し出された状態(
図9と同じ状態)で、マニピュレータ120によって保持された芯材15が、樹脂シートPを挟んで分割金型71Bと対向する位置に位置決めされる。芯材15が位置決めされると、芯材15を保持するマニピュレータ120は、分割金型71Bの形成面72Bに向けて移動させられる。すると、芯材15が溶融状態の樹脂シートPに接触し、芯材15と樹脂シートPが溶着する。芯材15との接触時において、溶融状態の樹脂シートPは、熱伝導率の高い分割金型71Bと接触していないため比較的高温に保たれている。よって、芯材15と樹脂シートPは良好に溶着する。
マニピュレータ120がさらに移動させられ、樹脂シートPの外層が分割金型71Bの形成面72Bに達すると、
図15に示す状態となる。このとき、マニピュレータ120によって樹脂シートPの外層が芯材15を介して形成面72Bに押し付けられる。その後、芯材15からマニピュレータ120が取り外される。
【0057】
以降の工程は、前述したとおりである。
すなわち、
図13に示したように、一対の分割金型71A,71Bを開位置から閉位置まで移動させて、型締する。これにより、一方の樹脂シートP(図面右側)に対して溶着されていた芯材15が他方の樹脂シートP(図面左側)に対しても溶着される。そして、一対の樹脂シートが分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させられ、
図11に示すように、形成面72A,72Bに沿った形状、すなわち、サンドイッチパネル1の略外形に形成される。さらに、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bにおいて、一対の樹脂シートPの周縁が溶着させられ、パーティングラインPLが形成される。最後に、一対の分割金型71A,71Bを再び開位置に移動させ、成形したサンドイッチパネル1を形成面72A,72Bから離間させ、パーティングラインPLまわりに形成されたバリを、カッター等で切断して除去する。以上で、樹脂シートSA、芯材15、樹脂シートSBが積層されたサンドイッチパネル1が完成する。
【0058】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の樹脂パネル、及びサンドイッチパネルは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。例えば、本実施形態では、本発明の樹脂パネルの一例として、サンドイッチパネル内の芯材に使用される場合について説明したが、樹脂パネルの用途はこれに限られない。表皮材シートが不要となる用途においては、樹脂パネルのみで使用される。