(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の移載装置では、カゴ台車の車輪を昇降フォークで受けて昇降させるため、昇降フォークの自重と、カゴ台車の自重と、物品の積載重量と、を加えた荷重が昇降フォークの駆動部に作用する。このため、移載装置が大型化し、カゴ台車をスタッカクレーンに移載するためのコストが高くなる。
本発明の課題は、カゴ台車を低コストでスタッカクレーンに移載できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明
の一見地に係るカゴ台車用移載装置は、カゴ台車をスタッカクレーンとの間で移載する移載装置である。カゴ台車用移載装置は、
一対の車輪受け部と、昇降装置と、
旋回装置と、制御装置とを備える。
一対の車輪受け部は、スタッカクレーンの走行方向に沿った第1方向に間隔を隔てて配置され、カゴ台車の車輪を受ける。昇降装置は、昇降台と、昇降駆動部と、を有する。昇降台は、
一対の車輪受け部の間に配置され、
一対の車輪受け部と実質的に同じ高さの上昇位置からスタッカクレーンのフォークの厚み以上下降可能である。昇降駆動部は、昇降台を昇降駆動する。
旋回装置は、一対の車輪受け部と昇降装置とを一体的に180度旋回させる。制御装置は、スタッカクレーンの走向経路を挟んで配置されたラックのうちどちら側のラックにカゴ台車を収納するか、又はどちら側のラックからカゴ台車を搬出するかを基準に、旋回装置を旋回させるか否かを判断する。
この移載装置では、カゴ台車をスタッカクレーンに移載する場合、カゴ台車を第1方向に間隔を隔てて配置された車輪受け部に配置する。この状態で昇降装置の昇降台を昇降駆動部により上昇位置からフォークの厚み以上下降させる。これにより、昇降台の上面と車輪受け部の下面との間にスタッカクレーンのフォークを配置可能な空間が形成される。この空間にフォークを進入させて、フォークを上昇させることにより、スタッカクレーンのフォークがカゴ台車の下面を支持してラックに搬送可能になる。
旋回装置により、移載装置への搬入時と移載装置からの搬出時とで、カゴ台車の走行方向の後部に自在車輪を配置できる。また、一対の車輪受け部と昇降装置とを一体で旋回できるので、車輪受け部と昇降装置の昇降台との隙間を小さくすることができる。
【0006】
ここでは、固定された車輪受け部でカゴ台車の車輪を受け、カゴ台車を下降させずに、車輪受け部の間に配置された昇降台を下降させるだけで、カゴ台車をスタッカクレーンに受け渡すことができる。このため、昇降装置では、物品が収納されたカゴ台車全体を昇降させる必要がなくなる。これにより、昇降装置の小型化を図れ、昇降装置のコストを下げることができる。このため、カゴ台車を低コストでスタッカクレーンに移載できるようになる。
【0007】
昇降台は、
一対の車輪受け部の間に配置されかつ第1方向に間隔を隔てて配置されるとともに、車輪が通過可能な第1通過面及び第2通過面と、第1通過面と第2通過面の間に配置され、車輪が通過しない非通過面とを有する平面視十字形状であってもよい。昇降駆動部は、少なくとも第1通過面及び第2通過面の下方に配置されてもよい。
ここでは、昇降台が平面視十字状に形成されるので、スタッカクレーンのフォークを平面視十字状に形成しても、カゴ台車の下面を支持した状態でフォークを上方に移動させることができる。このため、フォークにおいて、カゴ台車の下面の第1方向の支持長さが長くなり、スタッカクレーンの走行中にカゴ台車の下面をフォークが安定して支持できる。また、カゴ台車が第1通過面及び第2通過面を通過するとき、第1通過面及び第2通過面の下方で昇降駆動部が昇降台の荷重を受けるので、第1通過面及び第2通過面ががたつきにくくなる。
【0008】
昇降台の第1通過面、第2通過面、及び非通過面のそれぞれは別に設けられ、昇降駆動部は、第1通過面を昇降させる第1エアシリンダと、第2通過面を昇降させる第2エアシリンダと、非通過面を昇降させる第3エアシリンダと、を有してもよい。
ここでは、それぞれ別に設けられた第1通過面、第2通過面、及び非通過面が、第1エアシリンダ、第2エアシリンダ、及び第3エアシリンダにより別々に昇降される。このため、第1通過面、第2通過面、及び非通過面が一体で設けられる場合に必要になる、3種類のエアシリンダを同期して動作させる必要がなくなる。すなわち、各エアシリンダの同期を取ることなく第1通過面、第2通過面、及び非通過面を昇降させることができる。これにより、各エアシリンダにより昇降台の第1通過面、第2通過面及び非通過面を直接昇降でき、かつ3種類のエアシリンダの空圧制御が容易である。このため、昇降装置の構成及び制御を簡素化でき、昇降装置のコストを削減できる。
【0010】
カゴ台車用移載装置は、
一対の車輪受け部に設けられ、カゴ台車を第1方向でクランプするクランプ部をさらに備えてもよい。
これにより、旋回時にカゴ台車の移動が規制され、旋回時にカゴ台車ががたつきにくくなる。
【0011】
本発明の他の見地に係るカゴ台車用移載装置は、カゴ台車をスタッカクレーンとの間で移載する移載装置である。カゴ台車用移載装置は、一対の車輪受け部と、昇降装置と、を備える。一対の車輪受け部は、スタッカクレーンの走行方向に沿った第1方向に間隔を隔てて配置され、カゴ台車の車輪を受ける。昇降装置は、昇降台と、昇降駆動部と、を有する。昇降台は、一対の車輪受け部の間に配置され、一対の車輪受け部と実質的に同じ高さの上昇位置からスタッカクレーンのフォークの厚み以上下降可能である。昇降駆動部は、昇降台を昇降駆動する。
カゴ台車は、カゴ台車の進行方向後側に配置され、進行方向と交差する方向の側面から突出可能な自在車輪を有して
いる。カゴ台車用移載装置は、第1ガイド部材と、第2ガイド部材と、をさらに備えて
いる。第1ガイド部材は、
上方に延びると共に上部が下部よりカゴ台車から離反するように斜めに形成され、
カゴ台車を上方から一対の車輪受け部に下ろすときに自在車輪と同じ側に配置されており、カゴ台車を案内する
と共に前記自在車輪が側面から突出している場合に当接することで前記自在車輪を旋回させるパイプ製の部材である。第2ガイド部材は、第1ガイド部材
と第1方向に交差する第2方向に間隔を隔てて設けられ、上部が下部よりカゴ台車から離反するような斜面を有し、カゴ台車を案内する板材製の部材である。
これにより、スタッカクレーンのフォークにより車輪受け部にカゴ台車が移載されるとき、側面から突出可能な自在車輪が側面から突出しても自在車輪が第1ガイド部材に接触すると、軸回りに旋回可能である。このため、車輪受け部への荷下ろし時に自在車輪が損傷しなくなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、昇降駆動部の小型化を図れ、昇降装置のコストを下げることができる。このため、カゴ台車を低コストでスタッカクレーンに移載できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(1)移載装置
図1及び
図2に示すように、移載装置20は、スタッカクレーン10の走行経路12に隣接して配置される。スタッカクレーン10は、第1方向Xに沿って走行し、図示しないラックとの間でカゴ台車14の荷積み及び荷下ろしする。スタッカクレーン10は、カゴ台車14の下面を支持する平面視十字形状のフォーク10aを有する。スタッカクレーン10は、第1方向Xに沿って配置される走行経路12に沿って走行する。また、フォーク10aは、第1方向Xと直交する第2方向Yの両方向(
図1の上下方向)に伸縮する。
【0015】
カゴ台車14は、進行方向(例えば、
図1では、第1方向Xと交差する移載方向に沿った第2方向Yの一方向であり、
図1の下方向)の右側に開閉する扉14aを有する。また、カゴ台車14は、下面の進行方向後側に進行方向と交差する方向に間隔を隔てて配置された第1自在車輪14b及び第2自在車輪14cと、進行方向前側に進行方向と交差する方向に間隔を隔てて配置される第1固定車輪14d及び第2固定車輪14eと、を有する。第1自在車輪14b及び第2自在車輪14cは、二点鎖線の円弧で示すように、旋回中心C1回りに旋回する。このため、第1自在車輪14bは、扉14aと反対側の側面(交差方向の一方の側面)14fから突出可能である。第2自在車輪14cは、扉14a側の側面14gから突出不能である。カゴ台車14は、白抜き矢符で示す方向に作業者により搬送される。カゴ台車14は長さが異なる二種類のものがある。
図1及び
図2では、短いカゴ台車の進行方向後側の端部を二点鎖線で示している。
【0016】
移載装置20は、カゴ台車14をスタッカクレーン10との間で移載するための装置である。移載装置20の受け入れ部には、カゴ台車14を移載装置20に案内する一対の案内部材16が設けられている。移載装置20は、固定された車輪受け部22と、車輪受け部22の間に配置される昇降装置24と、を備える。また、移載装置20は、車輪受け部22と、昇降装置24と、を一体的に旋回させる旋回装置26と、カゴ台車14をクランプするクランプ部28と、第1ガイド部材30と、第2ガイド部材32と、第3ガイド部材34と、をさらに備える。
【0017】
(2)車輪受け部
車輪受け部22は、
図3及び
図4に示すように、カゴ台車14の第1自在車輪14bと第1固定車輪14dとを受ける第1受け部22aと、第2自在車輪14cと第2固定車輪14eとを受ける第2受け部22bと、を有する。第1受け部22a及び第2受け部22bは、旋回装置26の後述する旋回テーブル54上に固定される第1受けフレーム40a及び第2受けフレーム40bと、第1受けフレーム40a及び第2受けフレーム40b上に各別に固定される第1受け板42a及び第2受け板42bと、を有する。第1受け板42a及び第2受け板42bは、左右対称の形状である。第1受け板42a及び第2受け板42bは、外側部がそれぞれ円弧状であり、内側部に昇降装置24の後述する昇降台46の外側部に沿って形成された第1凹部42c及び第2凹部42dが各別に形成される。第1受け板42a上に、クランプ部28の後述する第1クランプ部28aと、第1ガイド部材30と、第2ガイド部材32とが設けられる。第2受け板42b上に、クランプ部28の後述する第2クランプ部28bと第3ガイド部材34とが設けられる。また、第1受け板42a及び第2受け板42bには、カゴ台車14の第1固定車輪14dを第2方向に位置決めするための第1位置決めストッパ49aと、第2固定車輪14eを第2方向Yに位置決めするための第2位置決めストッパ49bが各別に設けられている。
図2に示すように、第1位置決めストッパ49a及び第2位置決めストッパ49bは、第1受け板42a及び第2受け板42bのそれぞれ外側に屈曲する傾斜部49cを有する。この傾斜部49cにより、スタッカクレーン10からカゴ台車14を車輪受け部22に下ろすときに、カゴ台車14の第2方向Yのずれを修正する。
【0018】
(3)昇降装置
昇降装置24は、昇降台46と、昇降台46を昇降駆動する昇降駆動部48と、を有する。昇降台46は、車輪受け部22の間に配置され、車輪受け部22と実質的に同じ高さの上昇位置からスタッカクレーン10のフォーク10aの厚み以上下降可能である。昇降台46は、第1通過面46aと、第2通過面46bと、非通過面46cと、を有し、フォーク10aと概ね同じ平面視十字形状である。したがって、昇降台46がフォーク10aの下方に下降すると、フォーク10aを昇降台46の上方に進入させることによりフォーク10aがカゴ台車14を支持して上方に移動可能になる。
【0019】
第1通過面46aは、第1自在車輪14b及び第1固定車輪14dが通過可能な面である。第1通過面46aは、第1受け板42aに形成された第1凹部42c内に配置される。第2通過面46bは、第2自在車輪14c及び第2固定車輪14e通過可能な面である。第2通過面46bは、第2受け板42bに形成された第2凹部42d内に配置される。非通過面46cは、第1受け板42aと第2受け板42bの間に配置される面である。また、非通過面46cは、第1通過面46aと第2通過面46bとの間にも配置される。したがって、非通過面46cは、第1通過面46a及び第2通過面46bよりも第2方向の長さが長い。これにより、昇降台46は、十字形状になる。
【0020】
昇降駆動部48は、旋回装置26の旋回テーブル54上に固定される第1エアシリンダ48aと、第2エアシリンダ48bと、2つの第3エアシリンダ48c,48dと、を有する。第1エアシリンダ48a〜第3エアシリンダ48c,48dは、同じ仕様のエアシリンダであり、昇降用のガイド軸が内蔵されたものである。第1エアシリンダ48aは、第1通過面46aの下方に配置され、第1通過面46aを昇降させる。第2エアシリンダ48bは、第2通過面46bの下方に配置され第2通過面46bを昇降させる。第3エアシリンダ48c,48dは、非通過面46cを昇降させる。第3エアシリンダ48c,48dは、非通過面46cの両端に配置される。第1エアシリンダ48aから第3エアシリンダ48c,48dは、3位置5ポートのダブルソレノイド弁により上昇及び下降制御される。ダブルソレノイド弁は、電源遮断時には5つのポート全てがクローズされる。昇降台46用のダブルソレノイド弁は、昇降台46が上昇位置に配置される場合は、第1エアシリンダ48a及び第2エアシリンダ48bが上昇位置に維持されるようにピストン側から圧縮空気を供給し続けるように制御される。これにより、第1通過面46a及び第2通過面46b上をカゴ台車14の第1自在車輪14b及び第2自在車輪14c又は第1固定車輪14d及び第2固定車輪14eが通過しても、第1エアシリンダ48a及び第2エアシリンダ48bが下降しにくくなる。2つの第3エアシリンダ48c,48dは、揃って昇降するように同期制御される。
【0021】
(4)旋回装置
旋回装置26は、
図1、
図2及び
図4に示すように、旋回テーブル54を有する旋回部50と、旋回部50を旋回駆動する旋回駆動部52と、を有する。旋回部50は、旋回テーブル54と、旋回テーブル54を支持する旋回フレーム56と、を有する。旋回テーブル54は、概ね円形板状の部材である。旋回テーブル54の下面の外周側には、旋回テーブル54を支持する複数(例えば3つ)のローラ57が周方向に間隔を隔てて配置されている。ローラ57の径方向外側には、旋回駆動用のチェーン64が案内されるチェーンガイド54aが環状に設けられている。旋回テーブル54の下面の中心部には、旋回フレーム56に設けられた旋回軸58が配置されている。旋回軸58は、旋回テーブル54を回転自在に支持する。旋回フレーム56の上面には、旋回テーブル54の周方向に位置決めするための旋回位置決めストッパ60が設けられている。旋回位置決めストッパ60は、旋回テーブル54の下面180度間隔で取り付けられた当接板54bに接触し、旋回テーブル54の旋回範囲を180度に規制する。
【0022】
旋回駆動部52は、
図1及び
図2に示すように、モータ駆動部62と、モータ駆動部62により駆動されるチェーン64と、チェーン64に噛み合う駆動スプロケット66aと、二つの従動スプロケット66bと、を有する。モータ駆動部62は減速機付きのモータであり、その出力軸62aに駆動スプロケット66aが固定される。二つの従動スプロケット66bは、チェーン64を旋回テーブル54の両側に案内する。チェーン64の両端
は、旋回テーブル54の側面に固定されている。
【0023】
(5)クランプ部
クランプ部28は、
図3及び
図4に示すように、車輪受け部22の第1受け部22aと第2受け部22bの第1自在車輪14b及び第2自在車輪14cに近い側に設けられる。クランプ部28は、カゴ台車を第1方向でクランプする。クランプ部28は、カゴ台車14の第1自在車輪14b側の側面14fに接触する第1クランプ部28aと、第2自在車輪14c側の側面14gに接触する第2クランプ部28bと、を有する。第2クランプ部28bは、第1クランプ部28aと第1方向Xに間隔を隔てて対向して配置される。第1クランプ部28aは、第1ガイド部材30と第2ガイド部材32との間に配置される。第2クランプ部28bは、第3ガイド部材34を貫通してカゴ台車14の側面14gに接触する。第1クランプ部28a及び第2クランプ部28bは、それぞれガイド付きのエアシリンダを有しており、エアシリンダの先端に装着された、例えば弾性体製の横長の矩形のヘッド28cにより、カゴ台車14の側面14f及び側面14gの下部を第1方向においてクランプする。ここでは、回動して移動しやすい自在車輪側をクランプすることにより、旋回時にカゴ台車14に慣性力が作用してもカゴ台車14ががたつきにくくなる。
【0024】
(6)第1ガイド部材〜第3ガイド部材
第1ガイド部材30、第2ガイド部材32、及び第3ガイド部材34は、スタッカクレーン10のフォーク10aの下降によりカゴ台車14を車輪受け部22に下ろすとき、カゴ台車14を第1受け部22a及び第2受け部22bの所定の位置に案内するために設けられる。第1ガイド部材30は、第1受け部22aの第1自在車輪14bが配置される側に設けられる。第1ガイド部材30は、カゴ台車14の側面14fを案内する概ねパイプ製の部材である。第1ガイド部材30は、
図7に示すように、第1固定部30aと、第1連結部30bと、第1ガイド部30cと、を有する。第1固定部30aは、第1受け部22aにカゴ台車14から離反した位置に固定されて上方に延びる。第1連結部30bは、第1固定部30aより小径のパイプ製であり、第1固定部30aからカゴ台車14に向けて延びた後に屈曲して上方に延びる。第1ガイド部30cは、第1連結部30bから上部が下部よりカゴ台車14から離反するように斜めに形成される。この第1ガイド部30cによって、カゴ台車14の側面14fが第1受け部22aに案内される。
これにより、車輪受け部22にカゴ台車14を下ろすとき、第1自在車輪14bが側面14fから突出して第1ガイド部材30の第1ガイド部30cに接触すると、第1自在車輪14bが旋回軸C1回りに旋回する。このため、カゴ台車14を車輪受け部22へ下ろすときに第1自在車輪14bが損傷しなくなる。
【0025】
第2ガイド部材32は、第1ガイド部材30と第2方向Yに間隔を隔てて第1固定車輪14d側に所定長さで配置される板材製の部材である。第2ガイド部材32は、
図8に示すように、第1受け部22aに固定される第2固定部32aと、第2連結部32bと、第2ガイド部32cと、を有する。第2連結部32bは、第2固定部32aから上方に延びる。第2ガイド部32cは、上部が下部よりカゴ台車14から離反するような斜面32dを有する。
【0026】
第3ガイド部材34は、
図3及び
図4に示すように、第2ガイド部材32と線対称の板材製の部材である。第3ガイド部材34は、第3固定部34aと、第3連結部34bと、第3ガイド部34cと、を有する。第3ガイド部材34の第2方向Yの長さは第2ガイド部材32よりも長い。第3ガイド部材34の第3ガイド部34cは、上部が下部よりカゴ台車から離反する斜面34dを有する。第3連結部34bには、第2クランプ部28bのヘッド28cが通過可能な矩形の貫通孔が形成される。
【0027】
(7)移載動作
上記のような構成の移載装置20では、カゴ台車14をスタッカクレーン10に移載する場合、作業者はカゴ台車14を車輪受け部22に搬入する。具体的には、第1位置決めストッパ49a及び第2位置決めストッパ49bに第1固定車輪14d及び第2固定車輪14eが接触するまで作業者はカゴ台車14を搬送する。この搬入途中で、前側の第1固定車輪14d及び第2固定車輪14eは、第1通過面46a及び第2通過面46bを通過する。しかし、第1通過面46a及び第2通過面46bの下方に第1エアシリンダ48a及び第2エアシリンダ48bが配置されている。このため、カゴ台車14の荷重が第1通過面46a及び第2通過面46bに作用しても、第1通過面46a及び第2通過面46bががたつきにくい。作業者が移載装置20から退去して例えばシャッタを閉じて所定のスイッチを操作すると、制御装置による制御が開始され、移載装置20が動作を開始する。
【0028】
スタッカクレーン10がカゴ台車14を搬送する図示しないラックは、走行経路12を挟んで配置される。ラックでは、カゴ台車14は、例えば固定車輪が走行経路12側に配置されるようにカゴ台車14を収納する。このため、動作を開始すると、旋回装置26による旋回動作が必要か否かを制御装置が判断する。旋回動作が必要であると判断すると、クランプ部28がクランプ動作を行いカゴ台車14の下部をクランプする。そして、旋回装置26が
図3に示す第1位置から180度反転した
図6に示す第2位置に旋回する。このとき、車輪受け部22及び昇降装置24が一体で旋回する。この旋回中に昇降装置24では、昇降台46を車輪受け部22の同じ高さ位置からフォーク10aが配置可能な位置まで下降する。旋回が終了すると、スタッカクレーン10のフォーク10aが昇降台46と車輪受け部22との間に第2方向Yに延びて進入する。そして、クランプ部28のクランプ動作が解除され、フォーク10aがカゴ台車14の下面に支持して上昇する。この状態を
図5に示す。このとき、昇降台46が矩形ではなく平面視十字形状であるので、フォーク10aも同じ形状にすることができ、フォーク10aの第1方向Xの長さが長くなる。このため、スタッカクレーン10による搬送時にフォーク10aに下面を支持されたカゴ台車14が安定する。
【0029】
一方、スタッカクレーン10からカゴ台車14を車輪受け部22に下ろすときは、上記と逆の動作を行う。このスタッカクレーン10が下降するとき、第1自在車輪14bがカゴ台車14の側面14fから飛び出していても、第1ガイド部材30が板材製ではなくパイプ製であるため、第1自在車輪14bが旋回することができる。このため、スタッカクレーン10の下降中に第1自在車輪14bが変形しにくくなる。この下降中は、第1ガイド部材30,第2ガイド部材32及び第3ガイド部材34によりカゴ台車14が車輪受け部22に案内される。なお、カゴ台車の搬出時には、自在車輪が後方に配置されるように旋回装置26が使用される。スタッカクレーン10からの移載時にすでに自在車輪が後方に配置される場合は、旋回動作は不要である。
【0030】
(8)実施形態の作用効果
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
(A)移載装置20(カゴ台車用移載装置の一例)は、カゴ台車14(カゴ台車の一例))をスタッカクレーン10(スタッカクレーンの一例)との間で移載する。移載装置20は、車輪受け部22(車輪受け部の一例)と、昇降装置24(昇降装置の一例)と、を備える。車輪受け部22は、スタッカクレーンの走行方向に沿った第1方向Xに間隔を隔てて配置され、カゴ台車13の第1自在車輪14b、第2自在車輪14c、第1固定車輪14d及び第2固定車輪14e(車輪の一例)を受ける。昇降装置24は、昇降台46(昇降台の一例)と、昇降駆動部48(昇降駆動部の一例)と、を有する。昇降台46は、車輪受け部22の間に配置され、車輪受け部22と実質的に同じ高さの上昇位置からスタッカクレーン10のフォーク10aの厚み以上下降可能である。昇降駆動部48は、昇降台46を昇降駆動する。
この移載装置20では、カゴ台車14をスタッカクレーン10に移載する場合、カゴ台車14を第1方向Xに間隔を隔てて配置された車輪受け部22に配置する。この状態で昇降装置24の昇降台46を昇降駆動部48により上昇位置からフォークの厚み以上下降させる。これにより、昇降台46の上面と車輪受け部22の下面との間にスタッカクレーン10のフォーク10aを配置可能な空間が形成される。この空間にフォーク10aを進入させて、フォーク10aを上昇させることにより、スタッカクレーン10のフォーク10aがカゴ台車14の下面を支持してラックに搬送可能になる。
ここでは、固定された車輪受け部22でカゴ台車14の第1自在車輪14b、第2自在車輪14c、第1固定車輪14d及び第2固定車輪14eを受ける。そして、カゴ台車14を下降させずに、車輪受け部22の間に配置された昇降台46を下降させるだけで、カゴ台車14をスタッカクレーン10に受け渡すことができる。このため、昇降装置24では、物品が収納されたカゴ台車14全体を昇降させる必要がなくなる。これにより、昇降装置24の小型化を図れ、昇降装置24のコストを下げることができる。このため、カゴ台車14を低コストでスタッカクレーン10に移載できるようになる。
【0031】
(B)昇降台46は、車輪受け部22の間に配置されかつ第1方向Xに間隔を隔てて配置され第1通過面46a、第2通過面46b及び非通過面46cを有する平面視十字形状である。第1通過面46aは、第1自在車輪14b又は第1固定車輪14dが通過可能な面である。第2通過面46bは、第2自在車輪14c又は第2固定車輪14eが通過可能な面である。非通過面46cは、第1通過面46aと第2通過面46bの間に配置され、第1自在車輪14b、第2自在車輪14c、第1固定車輪14d及び第2固定車輪14eが通過しない面である。昇降駆動部48は、少なくとも第1通過面46a及び第2通過面46bの下方に配置される。
ここでは、昇降台46が平面視十字状に形成されるので、スタッカクレーン10のフォーク10aを平面視十字状に形成しても、カゴ台車14の下面を支持した状態でフォーク10aを上方に移動させることができる。このため、フォーク10aにおいて、カゴ台車14の下面の第1方向Xの支持長さが長くなり、スタッカクレーン10の走行中にカゴ台車14の下面をフォーク10aが安定して支持できる。また、カゴ台車14が第1通過面46a及び第2通過面46bを通過するとき、第1通過面46a及び第2通過面46bの下方で昇降駆動部48が昇降台46の荷重を受けるので、第1通過面46a及び第2通過面46bががたつきにくくなる。
【0032】
(C)昇降台46の第1通過面46a、第2通過面46b、及び非通過面のそれぞれは別に設けられ、昇降駆動部48は、第1通過面46aを昇降させる第1エアシリンダ48a(第1エアシリンダの一例)と、第2通過面46bを昇降させる第2エアシリンダ48b(第2エアシリンダの一例)と、非通過面を昇降させる第3エアシリンダ48c(第3エアシリンダの一例)と、を有している。
ここでは、それぞれ別に設けられた第1通過面46a、第2通過面46b、及び非通過面46cが第1エアシリンダ48a、第2エアシリンダ48b、及び第3エアシリンダ48cにより別々に昇降される。このため、第1通過面及び第2通過面、及び非通過面が一体で設けられる場合に必要になる、3種類のエアシリンダを同期して動作させる必要がなくなる。すなわち、各エアシリンダの同期を取ることなく第1通過面46a、第2通過面46b、及び非通過面46cを昇降させることができる。これにより、各エアシリンダにより昇降台46の第1通過面46a、第2通過面46b及び非通過面46cを直接昇降でき、かつ3種類のエアシリンダの空圧制御が容易である。このため、昇降装置24の構成及び制御を簡素化でき、昇降装置24のコストを削減できる。
【0033】
(D)移載装置20は、車輪受け部22と、昇降装置24と、を一体的に180度旋回させる旋回装置26(旋回装置の一例)をさらに備える。
これにより、移載装置20への搬入時と移載装置20からの搬出時とでカゴ台車14の走行方向の後部に第1自在車輪14b及び第2自在車輪14cを配置できる。また、車輪受け部22と昇降装置24とを一体で旋回できるので、車輪受け部22と昇降装置24の昇降台46との隙間を小さくすることができる。
【0034】
(E)移載装置20は、車輪受け部22に設けられ、カゴ台車14を第1方向Xでクランプするクランプ部28(クランプ部の一例)をさらに備える。
これにより、旋回時にカゴ台車14の移動が規制され、旋回時にカゴ台車14ががたつきにくくなる。
【0035】
(F)カゴ台車14は、カゴ台車の進行方向後側に配置され、進行方向と交差する方向の側面14fから突出可能な第1自在車輪14b(自在車輪の一例)を有する。移載装置20は、第1ガイド部材30と、第2ガイド部材32と、をさらに備える。第1ガイド部材30は、上部が下部よりカゴ台車14から離反するように斜めに形成され、カゴ台車14を案内するパイプ製の部材である。第2ガイド部材32は、第1ガイド部材30より第2方向Yに間隔を隔てて設けられ、上部が下部よりカゴ台車14から離反するような斜面32dを有し、カゴ台車14を案内する板材製の部材である。
これにより、スタッカクレーン10のフォーク10aにより車輪受け部22にカゴ台車が移載されるとき、側面14fから突出可能な第1自在車輪14bが側面14fから突出しても第1自在車輪14bが第1ガイド部材30に接触すると、軸回りに旋回可能である。このため、車輪受け部22への荷下ろし時に第1自在車輪14bが損傷しなくなる。
【0036】
(9)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(a)前記実施形態では、カゴ台車を安定させるために昇降台46にカゴ台車14の車輪が通過する通過面を設け、昇降台を十字形状にしたが、通過面を設けずに昇降台を矩形に形成してもよい。
【0037】
(b)前記実施形態では、ラックへの荷積み及びカゴ台車の搬出時のカゴ台車の向きを変更するために旋回装置を設けたが、カゴ台車の向きを変更する必要がない場合には、旋回装置は設けなくてもよい。
【0038】
(c)前記実施形態では、扉14aを有するカゴ台車を例に本発明を説明したが、扉を有さないカゴ台車にも本発明の適用できる。この場合、自在車輪がカゴ台車の側面が突出する場合、第3ガイド部材を第1ガイド部材及び第2ガイド部材と同じ構成にしてもよい。
【0039】
(d)前記実施形態では、昇降駆動部をエアシリンダにより構成したが、本発明はこれに限定されない。例えばモータ及びネジ軸等を用いて昇降台を昇降駆動してもよい。
【0040】
(e)実施形態では、昇降台46の非通過面46cを昇降する第3エアシリンダ48c,48dを2つ設けたが、第3エアシリンダの数は1つでも3つ以上でもよい。第3エアシリンダが1つの場合は、第3エアシリンダの同期制御が不要になる。第3エアシリンダが複数の場合は、非通過面が傾かないようにするために複数の第3エアシリンダの同期制御が必要である。