(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置による前記吸着用吸引口の内圧であるP1と、前記脱着用供給ダクトの内圧であるP3との制御は、前記吸着用吸引口の内圧であるP1の変動に応じて、前記脱着用供給ダクトの内圧であるP3の調整を行なう、請求項1に記載の溶剤処理装置。
【背景技術】
【0002】
溶剤吸着シートを用いて溶剤を処理する場合(シート式)には、たとえば、繊維状活性炭をペーパ化し、段加工して多数のガス通路を有するハニカム状に成形し、それを枠に支持させたブロック状の溶剤吸着体を用いて、その溶剤吸着体のガス通路内に沿って処理対象ガスを透過させることにより、繊維状活性炭が分散するガス通路周囲壁に接触させて溶剤を吸着させる場合(ハニカムロータ式)に比較して、次のような利点がある。
【0003】
ハニカムロータ式の場合には、ガス通路周囲壁に沿って処理対象ガスを流動させて吸着材に接触させることで吸着させるため、溶剤吸着体の大きさの割りには吸着材と溶剤との接触面積が小さく、その上加工数が多く、吸着材と溶剤との接触効率が悪く、溶剤吸着体の大きさの割りには処理能力が小さく、コストの高いものになる。
【0004】
さらに、溶剤吸着体を加熱して脱着する際、溶剤吸着体が大きく、加えて、支持用の枠に熱を取られることにより、多量の熱量が必要であり、かつ、脱着後に吸着可能状態に復帰させる上で冷却を必要とすることもあり、ランニングコストが高い。
【0005】
これに対して、特開平05−245336号公報(特許文献1)、特開平05−277328号公報(特許文献2)、特開平05−277331号公報(特許文献3)に開示されるような輪状の溶剤吸着シートを用いた場合には、溶剤吸着シートを、繊維状活性炭のフェルトから構成することなどにより、接触面積を大きくして接触効率を優れたものにできる。また、溶剤吸着シートの厚さを薄くすることもできる。
【0006】
その結果、溶剤吸着シートは加熱・冷却し易いもとなり、脱着のための加熱に要するランニングコストが安く済む。また、特別な装置類を要することなく、脱着後の吸着のための冷却を行なうことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記各特許文献に開示される溶剤処理装置において、処理対象ガスは、溶剤処理装置の外部に設けられた外部装置から、溶剤処理装置に送り込まれるため、処理対象ガスの流量に応じて溶剤処理装置の内部において内圧の変動が生じる。この場合に、たとえば、処理対象ガスが流れる吸着手段側の内圧が変動した場合には、処理対象ガスが脱着用排出ダクトへ流出したり、脱着用ガスが吸着用吸引口への流出や吸着用排出ダクトに流出するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、処理対象ガスの脱着用排出ダクトへの流出、脱着用ガスの吸着用吸引口への流出および吸着用排出ダクトへの流出を防止することのできる構成を備える溶剤処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に基づいた溶剤処理装置においては、活性炭のフェルトを主体とする輪状の溶剤吸着シートを循環経路に沿うように巻きかけて回転移動させる移動手段と、上記循環経路の第1設定箇所で上記溶剤吸着シート内に、上記溶剤吸着シートの厚さ方向に透過するように溶剤を含有する処理対象ガスを供給して、上記溶剤を溶剤吸着シートに吸着させる吸着手段と、上記第1設定箇所とは異なる別の第2設定箇所で上記溶剤吸着シート内に、上記溶剤吸着シートの厚さ方向に透過するように脱着用ガスを供給して、上記溶剤吸着シートから溶剤を脱着する脱着手段と、上記吸着手段の内圧と上記脱着手段の内圧との制御を行なう制御装置とを備える。
【0011】
上記吸着手段は、上記処理対象ガスを供給する吸着用吸引口と、上記溶剤吸着シートを挟んで上記吸着用吸引口に対向配置され、上記溶剤吸着シートを通過した処理ガスを吸引する吸着用排出ダクトとを含む。
【0012】
上記脱着手段は、上記脱着用ガスを供給する脱着用供給ダクトと、上記溶剤吸着シートを挟んで上記脱着用供給ダクトに対向配置され、上記溶剤吸着シートを通過した脱着後ガスを吸引する脱着用排出ダクトとを含む。
【0013】
上記制御装置は、上記吸着用吸引口の内圧をP1とし、上記吸着用排出ダクトの内圧をP2とし、上記脱着用供給ダクトの内圧をP3とし、上記脱着用排出ダクトの内圧をP4とした場合に、
P1≦P4、P1≧P3、および、P2≧P3となるように圧力の制御を行なうことで、上記処理対象ガスの上記脱着用排出ダクトへの流出を防止するとともに、上記脱着用ガスの上記吸着用吸引口への流出および上記吸着用排出ダクトへの流出を防止する。
【0014】
他の形態においては、上記制御装置による上記吸着用吸引口の内圧であるP1と、上記脱着用供給ダクトの内圧であるP3との制御は、上記吸着用吸引口の内圧であるP1の変動に応じて、上記脱着用供給ダクトの内圧であるP3の調整を行なう。
【0015】
他の形態においては、上記脱着用供給ダクトの内圧の調節は、上記脱着用供給ダクトに送り込まれる上記脱着用ガスの風量を調節することにより行なう。
【発明の効果】
【0016】
この発明に基づいた溶剤処理装置によれば、溶剤処理装置の内部において、脱着手段側を流れる脱着用ガスの吸着手段側への流れ込みを抑制することを可能とする、溶剤処理装置を提供することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施の形態における溶剤処理装置の概略構成を示す模式図である。
【
図2】本実施の形態における溶剤処理装置の斜視図である。
【
図3】
図2中のIII−III線矢視に沿った断面図である。
【
図4】
図2中のIV−IV線矢視に沿った断面図である。
【
図5】(イ)、(ロ)、および(ハ)は、本実施の形態における溶剤吸着シート要部の構造を示す断面図である。
【
図6】(イ)および(ロ)は、本実施の形態における溶剤吸着シートの接続部の平面図である。
【
図7】本実施の形態における溶剤吸着シートの接続部の断面図である。
【
図8】本実施の形態におけるコンベアネット要部の平面図である。
【
図9】本実施の形態におけるコンベアネットとガイド機構との関係を示す要部の横断正面図である。
【
図10】本実施の形態におけるコンベアネットとガイド機構との関係を示す要部の縦断正面図である。
【
図11】本実施の形態における溶剤処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図12】本実施の形態における溶剤処理装置の移動手段を示す図である。
【
図13】本実施の形態における溶剤処理装置の移動手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一または対応する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない場合がある。また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
【0019】
図1を参照して、本実施の形態における脱臭装置1000は、溶剤処理装置1100と触媒酸化装置1200とを有している。溶剤処理装置1100内には、処理対象ガスG1が外部設備から送り込まれる。溶剤処理装置1100内においては、循環経路の第1設定箇所で処理対象ガスG1に含有される溶剤が溶剤吸着シート3に吸着される。
【0020】
溶剤吸着シート3に吸着された溶剤は、第1設定箇所とは異なる別の第2設定箇所で脱着用ガスG2により溶剤吸着シート3から溶剤が脱着される。脱着用ガスG2から溶剤が脱着された処理ガスg1は、ファンF2により脱臭装置1000の外部に排出される。
【0021】
触媒酸化装置1200においては、脱着用ガスG2に溶剤が脱着された濃縮ガスg2が、ファンF4により、ヒーター121、触媒122および熱交換器123の経路に送り込まれ、脱着用ガスG2として再び用いられる。熱交換器123には、ファンF3により脱着用空気が送り込まれる。
【0022】
図2から
図4に示すように、溶剤処理装置1100は、通気性を有する輪状(無端帯状)の溶剤吸着シート3を循環経路に巻き掛け設置し、その溶剤吸着シート3を循環経路に沿って回転移動させる移動手段を有する。
【0023】
溶剤処理装置1100は、循環経路の第1設定箇所でその溶剤吸着シート3内を、その厚さ方向に透過するように処理対象ガスG1を供給して溶剤を溶剤吸着シート3に吸着させる吸着手段と、第1設定箇所とは異なる別の第2設定箇所で溶剤吸着シート3を厚さ方向に透過するように脱着用ガスG2を供給して溶剤吸着シート3から溶剤を脱着する脱着手段とを含む。
【0024】
図3および
図4に示すように、循環経路は、上昇経路部と、それの上端に連なる水平の上側経路部と、その終端に連なる下降経路部と、その下降経路部から上昇経路部への水平な下側経路部とを含む。
【0025】
(溶剤吸着シート3)
図5から
図7に示すように、溶剤吸着シート3は、活性炭を吸着材として、常温で処理対象ガスG1中の溶剤を吸着し、加熱(100〜130度)により脱着するものである。
【0026】
図5に示すように、溶剤吸着シート3は、その表面保護のためにその表裏に不織布等からなる保護層3aが重ねられた繊維状活性炭のフェルト3Aと、そのフェルト3Aのうち移動方向にそった側端縁に固定した補強体3Bと、フェルト3Aの長手方向(前後方向)の両端に固定した第2の補強体3Cと、両端の第2の補強体3C同士を接続して全体を輪状にするための接続構造とを有する。
【0027】
フェルト3Aの実数値例を挙げると、活性炭繊維の径は10μm〜20μm、厚さは10mmから20mm、目付け量は600g/m
2程度である。なお、図では判りやすくする上で保護層3aを厚く示してあるが、保護層3aの実際の厚さは非常に薄いものである。補強体3Bおよび第2の補強体3Cは、ともに、耐熱性、耐溶剤性、可撓性(柔軟性)を有するとともに、フェルト3Aよりも大きい抗張力を有する。
【0028】
図5に示すように、保護層3a、補強体3Bおよび第2の補強体3Cは、表面端部と端面と裏面端部とを一連に覆うものであり、フェルト3Aへの固定手段は縫合である。固定構造としては、
図5(イ)に示すように、フェルト3Aの端部を圧密した状態で縫合した構造や、
図5(ロ)に示すように、フェルト3Aの端部を圧密しない状態で縫合した構造、
図5(ハ)に示すように、フェルト3Aの端部を耐熱性のパッキン3bを介して圧密した状態で縫合した構造を挙げることができる。
【0029】
図6、
図7に示すように、フェルト3Aの接続構造は、フェルト3Aの両端を幅方向で位置決めした状態で接続する構造である。スライダ4のスライドにより係脱自在な務歯5の一方を第2の補強体3Cのうちの一方に装着し、かつ、他方の務歯5を他方の第2の補強体3Cに装着したファスナー6と、スライダ4を除去した状態のそのファスナー6の務歯5同士の離脱を阻止する連結材7とを含む。
【0030】
図6(イ)に示すように、ファスナー6は、フェルト3Aの幅よりも長いものとしてフェルト3Aに装着され、
図6(ロ)に示すように、接合後にフェルト3Aの幅に一致するように両端部を切断除去され、連結材7は、切断除去後のファスナー6の両端において務歯5同士が離脱しないように固定する。
【0031】
ファスナー6には、第2の補強体3C同士にわたって位置することでその第2の補強体3C間をシールする遮蔽シート8が設けられている。遮蔽シート8は、第2の補強体3Cに固定されている。
【0032】
この遮蔽シート8、第2の補強体3C、およびファスナー6は、一回の縫合で一括的にフェルト3Aに固定してもよく、また、別々に固定してもよい。加えて、各種の固定に接着剤を併用してもよい。接着剤としては、耐熱性のものが好ましい。
【0033】
(ネットコンベア9)
移動手段は、溶剤吸着シート3の内周面を重ねた状態でその溶剤吸着シート3を循環経路に沿って移送するネットコンベア9である。このネットコンベア9は、コンベアネット9Aと、それを移動案内するガイド機構と、駆動ローラー2Aとを含む。
【0034】
図8および
図9に示すように、コンベアネット9Aは、平帯状のネット材を編織して構成されている。ネット材のうち、移動方向に沿う姿勢のネット材9aは、抗張力が大きいアラミド樹脂製である。幅方向に沿う姿勢のネット材9bは、テフロン(登録商標)樹脂製である。
【0035】
コンベアネット9Aの厚さ(t)は、良好な可撓性を得る上でt=0.5mm〜1mm程度としてあり、目の大きさは5mm×5mm程度、ネット材の幅は1mm程度である。コンベアネット9Aの移動方向にそった端縁には、補強ベルト9cが固定されている。
【0036】
再び、
図2および
図3を参照して、ガイド機構は、循環経路のコーナ部(4角部)に配置したガイドローラー2および駆動ローラー2Aと、上昇経路部、下降経路部、上側経路部のそれぞれに配置したガイドレール9Dとを含む。
【0037】
図9および
図10に示すように、ガイドレール9Dは、コンベアネット9Aの補強ベルト9cに固定したピン10に係合することにより、コンベアネット9Aの幅方向の位置ずれを規制するガイド溝9dと、コンベアネット9Aの内周面に摺動してそのコンベアネット9Aの厚さ方向での振れを防止するガイド面9eとを備える。ガイド面9eのうち移動上手側の端部分9fは、ガイドレール9Dの端面にピン10が引っ掛からないようにするため、傾斜姿勢に形成されている。
【0038】
図11および
図12を参照して、駆動ローラー2Aは、外部に設けられた駆動装置70(
図2参照)によりプーリ2Pを介してベルト駆動されている。駆動ローラー2Aは、その対向する位置にコンベアネット9Aのみを、コンベアネット9Aの厚さ方向に挟み込んでコンベアネット9Aを回転移動させる従動ローラー50Aが設けられている。従動ローラー50Aには、従動ローラー50Aを駆動ローラー2A側に押圧(図中矢印F方向)するための押圧バネ60が設けられている。
【0039】
駆動ローラー2Aは、芯金部材2aおよび芯金部材2aを取り囲む軟質材料からなる表層部材2bを有し、表層部材2bがコンベアネット9Aの目に入り込んで係合する。従動ローラー50Aは、芯金部材50aおよび芯金部材50aを取り囲む軟質材料からなる表層部材50bを有し、表層部材50bがコンベアネット9Aの目に入り込んで係合する。
【0040】
本実施の形態では、コンベアネット9Aの、駆動ローラー2Aと従動ローラー50Aとにより駆動した後のコンベアネット9Aには、テンションが加えられないことから、
図2および
図3に示されるように、コンベアネット9Aは下方に弛ませた状態となる。溶剤吸着シート3は、循環経路のうち下側経路部において、コンベアネット9Aから下方に分離して溶剤吸着シート3が自由状態となる。
【0041】
このように、本実施の形態においては、コンベアネット9Aには、テンションが加えられていないことから、コンベアネットの使用による延びの発生を抑制することが可能となる。
【0042】
なお、
図2および
図3に示すように、コンベアネット9Aが下方に弛んだ領域においては、コンベアネット9Aの蛇行を抑制する器具としてプレート部材80を設けるとよい。
【0043】
(吸着手段/脱着手段)
図3から
図5および
図13に示すように、吸着手段は、循環経路のうち上昇経路部と下降経路部とで溶剤吸着シート3にその溶剤吸着シート3を厚さ方向に透過するように処理対象ガスG1を供給して溶剤をその溶剤吸着シート3に吸着させる手段である。
【0044】
装置の全体を収容する外装ケース13と、上昇経路部と下降経路部とにおいて外側から処理対象ガスG1を供給するように外装ケース13に形成の供給口を介して外装ケース13内に処理対象ガスG1を供給する吸着用吸引口14と、溶剤吸着シート3の内側に、溶剤吸着シート3を挟んで吸着用吸引口14に対向配置され、溶剤吸着シート3を通過した処理ガスg1を吸引する吸着用排出ダクト15とを含む。
【0045】
吸着用吸引口14と溶剤吸着シート3との間、吸着用排出ダクト15と溶剤吸着シート3との間には、2mm〜3mm程度の隙間が設けられている。
【0046】
図3、
図4および
図11に示すように、脱着手段は、循環経路のうち上側経路部で溶剤吸着シート3にその溶剤吸着シート3を厚さ方向に透過するように高温の脱着用ガスG2を供給して溶剤吸着シート3から溶剤を脱着する手段である。上側経路部において外側から脱着用ガスG2を供給する脱着用供給ダクト16と、溶剤吸着シート3の内側に、溶剤吸着シート3を挟んで脱着用供給ダクト16に対向配置され、溶剤吸着シート3を通過した濃縮ガスg2を吸引する脱着用排出ダクト17とを含む。脱着用排出ダクト17によって吸引された濃縮ガスg2は、触媒酸化装置1200側に送り出される。
【0047】
脱着用供給ダクト16と溶剤吸着シート3との間、脱着用排出ダクト17と溶剤吸着シート3との間には、2mm〜3mm程度の隙間が設けられている。
【0048】
(溶剤処理装置1100の内圧の制御)
通常、処理対象ガスG1の処理時には、
図13に示すように、吸着用吸引口14の内圧をP1とし、吸着用排出ダクト15の内圧をP2とし、脱着用供給ダクト16の内圧をP3とし、脱着用排出ダクト17の内圧をP4とした場合に、たとえば、P1≦P4、P1≧P3、およびP2≧P3の関係を具備するように、溶剤処理装置1100の吸着手段の内圧および脱着手段の内圧の制御が制御装置300によって行なわれる。
【0049】
このように各領域の内圧関係を維持するように制御することで、吸着用吸引口14から吸引された処理対象ガスG1は、溶剤吸着シート3を通過したのち処理ガスg1として吸着用排出ダクト15から排出されるとともに、脱着用ガスG2は、溶剤吸着シート3を通過したのち濃縮ガスg2として脱着用排出ダクト17から排出され、処理対象ガスG1が脱着用排出ダクト17への流出することはなく、また脱着用ガスG2の吸着用吸引口14側への流出および吸着用排出ダクト15へ流出することもない。
【0050】
なお、溶剤処理装置1100の内圧は、外部設備から送り込まれる処理対象ガスG1の送風量に応じて変化する。したがって、制御装置300においては、吸着用吸引口14の内圧であるP1を常にモニタリングし、P1の変動において、P1≦P4、P1≧P3、およびP2≧P3の関係を具備するように、脱着用供給ダクト16の内圧であるP3の調整を行なう。
【0051】
溶剤処理装置1100の内圧の調整は、処理ガスg1の風量を調節するファンF2、脱着用ガスG2の風量を調節するファンF3、および、濃縮ガスg2の風量を調節するファンF4を用いて行なわれる。各ガスの風量は、各ファンの回転数をインバータ制御により行なう。なお、各ファンの送風量は一定にし、各ガスが通過する管路内に管路の通路断面積を変更するダンパを設け、このダンパの開閉動作を制御することで、各ガスの風量を調節してもよい。
【0052】
このように本実施の形態における溶剤処理装置1100の内圧の調整においては、上記したように、吸着用吸引口14の内圧をP1とし、吸着用排出ダクト15の内圧をP2とし、脱着用供給ダクト16の内圧をP3とし、脱着用排出ダクト17の内圧をP4とした場合に、P1≦P4、P1≧P3、およびP2≧P3の関係を具備するように、吸着手段の内圧および脱着手段の内圧の制御を行なうことで、処理対象ガスG1の脱着用排出ダクト17への流出を防止するとともに、脱着用ガスG2の吸着用吸引口14への流出および吸着用排出ダクト15への流出を防止する。
【0053】
なお、上述した吸着手段の内圧および脱着手段の内圧のP1からP4の圧力の制御は一例である。吸着手段の内圧および脱着手段の内圧のP1からP4の圧力の制御は、処理対象ガスG1の脱着用排出ダクト17への流出を防止するとともに、脱着用ガスG2の吸着用吸引口14への流出および吸着用排出ダクト15への流出を防止することができるように、P1からP4の圧力の制御を行なう。
【0054】
今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。