(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも車両のアクセル開度を示す情報を含み、当該車両のエネルギー効率を示すエネルギー情報を、自車両の周囲を走行する他車両から取得するエネルギー情報取得手段と、
前記エネルギー情報取得手段により取得した前記他車両の前記エネルギー情報をサーバに送信する通信手段と、
前記エネルギー効率のよい車として、前記サーバにより特定された前記他車両の前記アクセル開度に基づき、前記自車両に設けられた駆動系を制御する駆動系制御手段とを備え、
前記駆動系は、
アクセル開度検出手段により検出された前記自車両の前記アクセル開度と、アクセルペダルの基本踏力より踏力を増加させるための踏力増加閾値とを比較し、アクセルペダルの踏力を設定する踏力設定手段を有し、
前記踏力設定手段は、
前記アクセル開度検出手段により検出された前記自車両の前記アクセル開度が前記踏力増加閾値より高い場合に、前記アクセルペダルの操作踏み込み量に対して前記アクセルペダルの踏力を前記基本踏力よりも増加させ、
前記アクセル開度検出手段により検出された前記自車両の前記アクセル開度が前記踏力増加閾値より低い場合に、前記アクセルペダルの操作踏み込み量に対して前記アクセルペダルの踏力を前記基本踏力に設定し、
前記サーバにより前記エネルギー効率のよい車両として特定された前記他車両の前記アクセル開度が前記踏力増加閾値より低い場合には、前記他車両の前記アクセル開度を前記踏力増加閾値に設定し、
前記サーバにより前記エネルギー効率のよい車両として特定された前記他車両の前記アクセル開度が前記踏力増加閾値より高い場合には、前記他車両の前記アクセル開度を前記踏力増加閾値に設定しない
ことを特徴とする車両制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
《第1実施形態》
本実施形態に係るハイブリッド車両1は、複数の動力源を車両の駆動に使用するパラレル方式の電気自動車である。このハイブリッド車両1は、
図1に示すように、内燃機関(以下、「エンジン」という)10、第1クラッチ15、モータジェネレータ(電動機・発電機)20、第2クラッチ25、バッテリ30、インバータ35、自動変速機40、プロペラシャフト51、ディファレンシャルギアユニット52、ドライブシャフト53、左右の駆動輪54、アクセルペダル装置200及びディスプレイ90を備えている。なお、以下、本発明をパラレル方式のハイブリッド車に適用した場合について説明するが、本発明は他の方式のハイブリッド車両にも適用可能である。また自動変速機40の代わりに、無段変速機(CVT)を用いてもよい。
【0011】
エンジン10は、ガソリン又は軽油を燃料として稼働する内燃機関であり、エンジンコントロールモジュール70からの制御信号に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度、燃料噴射量、点火時期等が制御される。このエンジン10には、エンジン回転数Neを検出するためのエンジン回転数センサ11が設けられている。
【0012】
第1クラッチ15は、エンジン10の出力軸とモータジェネレータ20の回転軸との間に介装されており、エンジン10とモータジェネレータ20との間の動力伝達を断接する。この第1クラッチ15の具体例としては、例えば比例ソレノイドで油流量及び油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチ等を例示することができる。この第1クラッチ15は、統合コントロールユニット60からの制御信号に基づいて油圧ユニット16の油圧が制御されることで、クラッチ板を締結(スリップ状態も含む。)/解放させる。
【0013】
モータジェネレータ20は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータである。このモータジェネレータ20には、ロータ回転数Nmを検出するためのモータ回転数センサ21が設けられている。このモータジェネレータ20は、電動機としても機能するし発電機としても機能する。インバータ35から三相交流電力が供給されている場合には、モータジェネレータ20は回転駆動する(力行)。一方、外力によってロータが回転している場合には、モータジェネレータ20は、ステータコイルの両端に起電力を生じさせることで交流電力を生成する(回生)。モータジェネレータ20によって発電された交流電力は、インバータ35によって直流電流に変換された後に、バッテリ30に充電される。
【0014】
バッテリ30の具体例としては、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等を例示することができる。このバッテリ30には電流・電圧センサ31が取り付けられており、これらの検出結果をモータコントロールユニット80に出力することが可能となっている。
【0015】
自動変速機40は、前進7速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機である。この自動変速機40は、統合コントロールユニット60からの制御信号に基づいて変速比を変化させる。自動変速機40の出力軸は、プロペラシャフト51、ディファレンシャルギアユニット52、及び左右のドライブシャフト53を介して、左右の駆動輪54に連結されている。なお、
図1において55は左右の操舵前輪である。
【0016】
テレマティクスコントロールユニット50は、外部との送受信を行うための通信機を備えており、サーバとの間で情報の送受信を行う通信器と、自車両の周囲を走行する複数の他車両との間で情報の送受信を行う通信器とを備えている。サーバとの通信用の通信機は、遠距離の通信に適した通信方式で信号の送受信を行う。一方、他車両との通信用の通信器には、サーバ用の通信器と比較して、短距離の通信に適した通信方式で信号の送受信を行う。また、テレマティクスコントロールユニット50は統合コントロールユニット60と、CAN通信により接続されている。
【0017】
ディスプレイ90は、統合コントロールユニット60に含まれるナビゲーションシステムで管理された情報等を表示して、情報を乗員に報知するための表示装置である。
【0018】
アクセルペダル装置200は、アクセルペダルの踏力(操作反力)を可変的に駆動するものである。アクセルペダル装置200の具体的構成を
図2に示す。
図2は、アクセルペダル装置のブロック図である。なお、アクセルペダル装置200の構成は、
図2に示す構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0019】
アクセルペダル装置200は、アクセルペダル201と、リターンスプリング202と、アクセル開度センサ203と、可変フリクションプレート204とを備えている。アクセルペダル201は、運転者の踏力を受けるペダルであり、回転軸205上に設けられて、回転軸205を支点とし揺動可能に取り付けられている。リターンスプリング202は、一端を車体206に固定され、他端を回転軸205に固定され、アクセルペダル201の閉方向へ反力を与える弾性体である。
【0020】
回転軸205の一端は、軸受207を介して回転自在で、車体206に支持されている。回転軸205の他端の付近には、アクセルペダル201の開度を検出するアクセル開度センサ203が設けられている。アクセル開度センサ203は、アクセルペダル201の開度(アクセル開度:APO)を、統合コントロールユニット60に送信する。
【0021】
可変フリクションプレート204は、回転軸3の回転に摩擦力を与えるプレートであって、一対の摩擦部材204a、204bを有している。摩擦部材204aは回転軸205の他端に固定されている。摩擦部材204bはスプライン等を介して、固定軸208に支持されている。摩擦部材204bは、回転軸205(または固定軸208)の軸方向には移動可能であるが、回転方向には回転不可能である。
【0022】
アクチュエータ209は、アクセルペダル制御部67の制御に基づいて摩擦部材204aを回転軸205の軸方向に駆動させ、車体206に固定されている。アクチュエータ210により、摩擦部材204bが移動し、摩擦部材204aと摩擦部材204bとの間の摩擦力を可変させることで、アクセルペダル201の踏み込み時の踏力(操作反力)を設定することができる。
【0023】
すなわち、摩擦部材204aと摩擦部材204bとの間が接触しておらず、摩擦力が発生していない場合を、アクセルペダル201の基準踏力とすると、アクチュエータ209を駆動させ、摩擦部材204aと摩擦部材204bとの間に摩擦力を発生させた場合の、アクセルペダル201の踏力は、当該基準踏力より高くなる。このように、可変フリクションプレート204がアクチュエータ209により作動すると、アクセルペダル201の踏力が増加するよう制御され、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)が抑制される。
【0024】
摩擦部材204aと摩擦部材204bとの間に摩擦力を調整することで、踏力の増加量を調整することできる。また、摩擦部材204aと摩擦部材204bとを接触させるアクセル開度の閾値を変更することで、アクセルペダルの操作踏み込み量に対して、踏力を増加させる操作踏み込み量も変更することができる。例えば、アクセル開度が小さい時に、摩擦部材204aと摩擦部材204bとを接触させるよう閾値を設定すれば、アクセルペダル201の操作踏み込み量が小さい段階で、運転者は踏力増加による反力を受け、アクセルペダル201の踏み込み量が抑制される。
【0025】
図1に戻り、本実施形態におけるハイブリッド車両1は、第1及び第2クラッチ15,25の締結/解放状態に応じて3つの走行モードに切り替えることが可能となっている。
【0026】
第1走行モードは、第1クラッチ15を解放させると共に第2クラッチ25を締結させて、モータジェネレータ20の動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モード(以下、「EV走行モード」と称する。)である。
【0027】
第2走行モードは、第1クラッチ15及び第2クラッチ25のいずれも締結させて、モータジェネレータ20に加えてエンジン10を動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」と称する。)である。
【0028】
第3走行モードは、第2クラッチ25をスリップ状態として、エンジン10又はモータジェネレータ20の少なくとも一方を動力源に含みながら走行するスリップ走行モード(以下、「WSC走行モード」と称する。)である。このWSC走行モードは、特にバッテリ30のSOC(充電量:State of Charge)が低下している場合やエンジン10の冷却水の温度が低い場合等にクリープ走行を達成するモードである。
【0029】
なお、EV走行モードからHEV走行モードに移行する際には、解放していた第1クラッチ15を締結し、モータジェネレータ20のトルクを利用してエンジン10を始動させる。
【0030】
さらに、上記の「HEV走行モード」には、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを含む。
【0031】
「エンジン走行モード」は、エンジン10のみを動力源として駆動輪54を動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジン10とモータジェネレータ20の2つを動力源として駆動輪54を動かす。「走行発電モード」は、エンジン10を動力源として駆動輪54を動かすと同時に、モータジェネレータ20を発電機として機能させる。
【0032】
なお、以上に説明したモードの他に、停車時において、エンジン10の動力を利用してモータジェネレータ20を発電機として機能させ、バッテリ30を充電したり電装品へ電力を供給する発電モードを備えてもよい。
【0033】
本実施形態におけるハイブリッド車両1の制御系は、
図1に示すように、統合コントロールユニット60、エンジンコントロールモジュール70、及びモータコントロールユニット80を備えている。これらの各コントロールユニット60,70,80は、例えばCAN通信を介して相互に接続されている。
【0034】
エンジンコントロールモジュール70は、エンジン回転数センサ11からの情報を入力し、統合コントロールユニット60からの目標エンジントルクtTe等の指令に応じ、エンジン動作点(エンジン回転数Ne、エンジントルクTe)を制御する指令を、エンジン10に備えられたスロットルバルブアクチュエータ、インジェクタ、点火プラグ等に出力する。なお、エンジン回転数Ne、エンジントルクTeの情報は、CAN通信を介して統合コントロールユニット60に供給される。また、エンジンコントロールユニット70は、燃料噴射量を計測し、燃料消費量を管理している。
【0035】
モータコントロールユニット80は、モータジェネレータ20に設けられたモータ回転数センサ21からの情報を入力し、統合コントロールユニット60からの目標モータジェネレータトルクtTm(目標モータジェネレータ回転数tNmでもよい)等の指令に応じて、モータジェネレータ20の動作点(モータ回転数Nm、モータトルクTm)を制御する指令をインバータ35に出力する。
【0036】
また、モータコントロールユニット80は、電流・電圧センサ31により検出された電流値及び電圧値に基づいてバッテリ30のSOCを演算及び管理する。このバッテリSOC情報は、モータジェネレータ20の制御情報に用いられると共に、CAN通信を介して統合コントロールユニット60に送出される。モータコントロールユニット80は電流・電圧センサ31の検出値からバッテリ30の消費電力量を管理している。
【0037】
統合コントロールユニット60は、エンジン10、モータジェネレータ20、自動変速機40、第1クラッチ15、及び第2クラッチ25からなるパワートレインの動作点を統合的に制御することで、ハイブリッド車両1を効率的に走行させるための機能を担うものである。
【0038】
この統合コントロールユニット60は、CAN通信を介して取得される各センサからの情報に基づいてパワートレインの動作点を演算し、エンジンコントロールモジュール70への制御指令によるエンジンの動作制御、モータコントロールユニット80への制御指令によるモータジェネレータ20の動作制御、自動変速機40への制御指令による自動変速機40の動作制御、第1クラッチ15の油圧ユニット16への制御指令による第1クラッチ15の締結・解放制御、及び、第2クラッチ25の油圧ユニット26への制御指令による第2クラッチ25の締結・解放制御を実行する。
【0039】
次いで、統合コントロールユニット60により実行される制御のうち、エンジン10及びモータジェネレータ20の駆動制御について説明する。
図3は統合コントロールユニット60の制御ブロック図である。
【0040】
図3に示すように、統合コントロールユニット60は、目標駆動力演算部61、モード選択部62、目標充放電演算部63、動作点指令部64、及び変速制御部65、アクセルペダル制御部67を備えている。
【0041】
目標駆動力演算部61は、予め定められた目標駆動力マップを用いて、アクセル開度センサ69により検出されたアクセル開度APOと、自動変速機40の出力回転センサ42により検出された変速機出力回転数No(=車速VSP)とに基づいて、目標駆動力tFo0を演算する。
図4に目標駆動力マップの一例を示す。
【0042】
モード選択部62は、モードマップを参照し、目標モードを選択する。
図5にモードマップの一例を示す。この
図4のモードマップ(シフトマップ)には、車速VSPとアクセル開度APOに応じて、EV走行モード、WSC走行モード、及びHEV走行モードの領域がそれぞれ設定されている。
【0043】
このモードマップにおいて、エンジン始動線Loの内側にEV走行モードが割り当てられ、当該エンジン始動線Loの外側にHEV走行モードが割り当てられている。従って、モード選択部62は、EV走行モードから始動線Loを超えてHEV走行モードに移行する場合に、動作点指令部64に対してエンジン10を始動させることを要求する。
【0044】
エンジン始動線Loが、エンジン10を始動させるための閾値となっており、アクセル開度APO及び車速VSPが当該閾値より大きい場合には、エンジン10が始動する。
【0045】
また、EV走行モード及びHEV走行モード双方の低速領域(例えば15km/h以下の領域)には上述のWSC走行モードがそれぞれ割り当てられている。なお、このWSC走行モードを規定する所定車速VSP1は、エンジン10が自立回転可能な車速である。従って、この所定車速VSP1よりも低い領域では、第2クラッチ25を締結されたままの状態でエンジン10は自立回転することができない。
【0046】
なお、EV走行モードが選択されている場合であっても、バッテリ30のSOCが所定値以下である場合には、強制的にHEV走行モードに移行する場合もある。
【0047】
目標充放電演算部63は、予め定められた目標充放電量マップを用いて、バッテリ30のSOCから、目標充放電電力tPを演算する。
【0048】
動作点指令部64は、アクセル開度APO、目標駆動力tFo0と、目標モードと、車速VSPと、目標充放電電力tPとから、パワートレインの動作点達成目標として、過渡的な目標エンジントルクtTe、目標モータジェネレータトルクtTm(目標モータジェネレータトルクtNmでもよい)、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2、及び、自動変速機40の目標変速段を演算する。
【0049】
目標エンジントルクtTeは統合コントロールユニット60からエンジンコントロールユニット70に送出され、目標モータジェネレータトルクtTm(目標モータジェネレータ回転数tNmでもよい)は統合コントロールユニット60からモータコントロールユニット80に送出される。
【0050】
動作点指令部64は、モード選択部62により設定された目標モードの下、目標駆動力を発生させるために、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1及び目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2を演算する。目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1及び目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2については、統合コントロールユニット60が、当該目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1及び目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に対応したソレノイド電流を油圧ユニット16,26にそれぞれ供給する。
【0051】
また、動作点指令部64は、SOC(充電量:State of Charge)が低下している場合等、モード選択部62による選択モードと関係なく、システム上の要求としてエンジン10を始動させることも可能である。例えば、モード選択部62がEVモードを選択しているが、バッテリ30のSOCが低下しており、目標充放電演算部63がバッテリ30を充電するための目標充電電力を演算した場合には、動作点指令部64は、目標演算トルクを演算して、エンジンコントロールモジュール70を介して、エンジン10を始動させる。
【0052】
変速制御部65は、シフトマップに示すシフトスケジュールに沿って目標変速段を達成するように自動変速機40内のソレノイドバルブを駆動制御する。なお、この際に用いられるシフトマップは、
図4に示すように車速VSPとアクセル開度APOに基づいて予め目標変速段が設定されたものである。
【0053】
アクセルペダル制御部67は、アクセル開度(APO)、サーバから送信される他車のアクセルペダル開度、及び、車両1の位置情報に基づいて、アクチュエータ209を作動させて、アクセルペダルの踏力を設定する。
図6は本例におけるアクセルペダル踏力の特性を概略的に示すグラフである。
図6において、グラフaは、基本踏力の特性を示しており、グラフbは可変フリクションプレートによる摩擦を加え、踏力を増加させた時(増加踏力)の特性である。
【0054】
基本踏力は、アクセル開度の増加方向と減少方向とで適度なヒステリシスを有しており、アクセル開度に対してほぼ比例的に増加し、また、減少する。一方、増加踏力では、踏力増加閾値(Ao)までは、基本踏力と同じ特性であるが、アクセル開度が踏力増加閾値(Ao)を越えるとステップ的に増加し、基本踏力よりも増加して、アクセル開度に対してほぼ比例的に増加し続ける。減少方向は、基本踏力と同じ特性を示す。
【0055】
踏力増加閾値(Ao)は、アクセルペダル制御部67に設定されている閾値であって、基本踏力より踏力を増加させるための閾値である。また踏力増加閾値(Ao)は、エンジン始動線Loに相当するエンジン始動閾値のアクセル開度(Ae)よりも低い値に設定されている。すなわち、アクセルペダル制御部67により、アクセルペダル201の踏力が増加するのは、アクセル開度がエンジン始動線Loに相当するアクセル開度より低い開度となるため、アクセルペダル201の踏力の増加は、エンジン10が稼働していない状態で行われることになる。
【0056】
アクセルペダル制御部67は、踏力増加閾値(Ao)を設定することで、アクセルペダル201の操作踏み込み量に対して、踏力を増加させるタイミングを設定することができる。すなわち、踏力増加閾値(Ao)が小さいほど、踏力を増加させる、操作踏み込み量が小さくなり、アクセルペダル201のアクセル開度が抑制されるため、バッテリ30の電力消費量が抑制されることになる。
【0057】
アクセルペダル制御部67は、後述するように、サーバから送信される他車両のアクセル開度を含む情報に基づいて、アクセルペダル201の踏力を基本踏力または増加踏力に設定して、増加踏力に設定した場合には、アクチュエータ209を作動させる。
【0058】
次に、ハイブリッド車両1(車両A、B)との間で通信を行うサーバ100の構成と、サーバ100及び車両A、Bを備えた本例の車両制御システムを、
図7を用いて説明する。
図7に、ハイブリッド車両1である複数の車両と、サーバ100のブロック図を示す。以下、説明を容易にするために、車両A、Bを共に、上記のハイブリッド車両1として説明するが、必ずしも両車両とも、上記のハイブリッド車両1としなくてもよい。また、
図7で図示する車両A、Bの構成は、車両制御システムに関連する構成を主に挙げている。
【0059】
図7に示すように、サーバ100は、ハイブリッド車両1及び他の複数の車両200と通信を行い、各車両の情報を取得する。サーバ100は、ハイブリッド車両に限らず、駆動源をエンジンのみとする車両や電気自動車等とも通信を行う。サーバ100は、データベース101と、通信部102と、サーバコントロールユニット(サーバC/U)110とを備えている。
【0060】
データベース101は通信部102により受信した、複数の車両のデータを格納する記録媒体である。本例では、地図上を複数のエリアに区切った上で、エリア毎で車両の情報を記録している。車両A、Bから送信される情報には、車両A、Bの位置情報が含まれているため、当該位置情報と対応するエリアに、通信部102で受信した情報を記録することで、エリア毎に車両A、Bの情報を記録している。
【0061】
通信部102は、車両A、Bのテレマティクスコントロールユニット(TCU)50のうちサーバ通信部52と通信を行う通信器である。サーバC/U110は、サーバ100の全体を制御するコントローラである。
【0062】
サーバC/U110は、エネルギー情報取得部111と、データベース管理部112と、車両特定部113とを有している。エネルギー情報取得部111は、通信部102により受信した、車両A、Bの情報から、車両のエネルギーの効率を示すエネルギー情報を取得して、データベース101に記録する。
【0063】
ここで、エネルギー情報について、説明する。エネルギー情報は、車両のエネルギー効率を示す情報として、電力消費率及び燃費消費率を含んでいる。電力消費率は、バッテリ30の消費電力量の割合で表され、例えば、1kmあたりに消費される電力量(Wh/km)で表される。電力消費率は、車両A、Bのモータコントロールユニット80で管理されている。
【0064】
燃料消費率は、車両A、Bの走行モードがHEV走行モード又はWSC走行モードである時、エンジン10で消費される燃料の消費量の割合で表され、いわゆる燃費である。燃料消費率は、例えば1Lあたりの走行距離(km)で表される。燃料消費率は、車両A、Bのエンジンコントロールユニット70で管理されている。
【0065】
また、本例では、車両のエネルギー効率を示す情報に関連する情報として、電力消費率及び燃料消費率の測定時刻、これらの消費率を測定した際の車両の位置、車両A,Bの車種の情報が、エネルギー情報に含められている。後述するように、サーバ100は、地図データ上に区切られた複数のエリア毎に、複数の車両のエネルギー効率を管理している。そのため、エネルギー情報に、車両の位置情報を含めている、また車両A、Bのエネルギー効率は、エリアの状況や、走行時刻等で変わり、車両A、Bの車種でも変わる。そのため、本例では、エネルギー情報として、測定時刻及び車種の情報を含めている。なお、車種は、排気量、重量又は車系で区別してもよく、あるいは、ハイブリッド車両、プラグインハイブリッド車両、電気自動車等で区別してもよい。
【0066】
後述するように、本例は、エリア毎で、車両のエネルギー効率を管理することで、エネルギー効率のよい車両を特定し、車両のエネルギー効率が、特定されたエネルギー効率のよい車両の効率になるように、当該車両を制御している。そのため、車両のエネルギー効率と関連する車両の駆動系の制御情報として、アクセル開度の情報を、エネルギー効率に含んでいる。アクセル開度は、車両A、Bのアクセルペダル制御部67で管理されている。
【0067】
電力消費率又は燃料消費率を瞬時値で測定している場合には、測定時刻、車両の位置及びアクセル開度は、当該瞬時値に対応する、時刻、位置及びアクセル開度センサ203の検出値とすればよい。また、電力消費率又は燃料消費率を平均値で測定している場合には、測定時刻は、例えば平均値を測定する際の中間時刻とし、車両位置は中間地点とし、アクセル開度は平均値とすればよい。
【0068】
車両A、Bは、統合コントロールユニット60により、上記情報を取得して、サーバ通信部52からサーバ100に、車両A、Bのエネルギー情報を含む信号を送信し、エネルギー情報取得部111は、通信部102で受信した信号の情報から当該エネルギー情報を取得する。
【0069】
データベース管理部112は、エネルギー情報取得部111で取得したエネルギー情報をデータベース101に記録し、またデータベース101に記録したデータを更新することで、データベース101を管理している。
【0070】
車両特定部113は、データベース101で区切られているエリア毎で、エネルギー効率のよい車両を特定する。また、車両特定部113は、サーバ100のエネルギー情報を取得する旨の要求が車両A、Bからあった場合に、当該要求に応じたエリア内で、エネルギー効率のよい車両のアクセル開度の情報を、通信部102を介し車両に送信する。そして、車両は、車両特定部113により特定された、エネルギー効率のよい車両のアクセル開度に応じて、アクセルペダル装置200を制御することで、エネルギー効率を高める。
【0071】
車両A、Bは、TCU50、統合C/U60及びメモリ91を有している。TCU50は、周囲を走行する他車両との間で無線により信号を送受信するための車車間通信部51と、サーバ100との間で無線により信号を送受信するためのサーバ通信部52とを有している。メモリ91は、統合コントロールユニット60で管理している情報、車車間通信部51で受信した情報、サーバ通信部52で受信した情報を記録する記録媒体である。
【0072】
次に、
図7〜
図10を用いて、本例の車両制御システムの制御について説明する。
図8、10は、データベース101に記録されるデータを説明するための概要図である。
図9は地図データ上で区分されたエリアを説明するための概念図である。
【0073】
まず車両A、Bからサーバ100に対して、エネルギー情報を送信する際の制御について、説明する。統合コントロールユニット60は、車両の走行中、バッテリ30の消費電力量、燃料の消費量及びアクセル開度を、所定の周期で測定し、メモリ91に記録する。また、統合コントロールユニット60は、ナビゲーションシステム66により車両の走行経路と走行時間(時刻)を管理している。そして、統合コントロールユニット60は、走行時刻と、測定時刻とを対応させて、測定時刻に対して、車両の位置、アクセル開度、電力消費率及び燃料消費率をメモリ91に記録する。
【0074】
統合コントロールユニット60は、例えば、車両を駆動または停止させる際のメインスイッチ(図示しない)のオン及びオフのタイミングで、メモリ91に記録されているエネルギー情報を、サーバ通信部52で送信する。
【0075】
次に、サーバ100側の制御について説明する。サーバ100は、通信部102により、車両A、Bから送信される信号を受信すると、エネルギー情報取得部111によりエネルギー情報を取得する。そして、データベース管理部112は、取得したエネルギー情報をデータベース101に記録する。
【0076】
データベース101には、
図8に示すように、車両毎で、エネルギー情報を記録している。
図8の例では、車両の位置は、経度及び緯度で表され、アクセル開度は角度(度)で表され、電力消費率はWh/kmで、燃料消費率はkm/Lで表されている。なお、
図8では、図示を容易にするために、車両A〜Eについて、1つずつエネルギー情報を示しているが、各車両A〜Eに対して、複数のエネルギー情報がそれぞれ記録されている。また車両A〜Eに限らず、他の車両のエネルギー情報も記録されている。
【0077】
図8では、例えば、車両Aのエネルギー情報として、測定時刻(17時20分)、車両位置(経度aaa 緯度bbb)、車種(中型)、アクセル開度(10度)、電力消費率(80Wh/km)及び燃料消費率(0km/L)が記録されている。
【0078】
また、車両A、Bから送信されるエネルギー情報は、車両A、Bの1回の走行当たり、統合コントロールユニット60で取得した情報である。そのため、エネルギー情報取得部111は、通信部102で受信した信号に、複数のエネルギー情報が含まれている場合には、それぞれのエネルギー情報を取得する。そして、データベース管理部112は、複数の各エネルギー情報をデータベース101に記録している。
【0079】
ここで、サーバC/U110で管理される複数のエリアについて説明する。
図9に示すように、本例では、地図データ上を、複数のエリアで格子状に区切って管理している。エリアの大きさは予め決まっており、例えばナビ−ションシステムで採用されているメッシュと対応させてもよい。そして、各エリアには、リンクやノードが含まれている。
【0080】
上記のとおり、エネルギー情報には、車両の位置情報が含まれている。そのため、サーバC/U110で管理される地図データ上(
図9に示すデータ上)で、エネルギー情報を、位置とエリアとを対応させつつプロットすると、
図9のように示される。例えば、エリアAには6個のエネルギー情報が含まれている。
【0081】
車両特定部113は、データベース101に記録されているエネルギー情報から、エリア毎で、かつ、車種毎にエネルギー効率の高い車両を特定する。具体的には、車両特定部113は、エネルギー情報の位置情報を参照しつつ、各エリアで、同じエリアに位置するエネルギー情報を抽出する。
図8の例では、車両Aの位置と、車両Dの位置が共に、経度aaa、緯度bbbで同じであるため、車両Aのエネルギー情報と車両Dのエネルギー情報とを同じエリアに属する情報として抽出する。
【0082】
位置情報に基づいて、エリア毎にエネルギー情報を分けた後に、車両特定部113は、同じエリア内で、車種毎に区分けする。
図8の例では、車両Aの車種及び車両Dの車種は、同じ中型であるため、車両A,Dのエネルギー情報は同じ区分となる。
【0083】
さらに、車両特定部113は、基準となる時刻から所定の時間前の時刻までの測定時刻をもつエネルギー情報を抽出し、当該時刻以降の過去の測定時間をもつエネルギー情報を除外する。基準時刻は、例えば、1日を所定の周期で区切った場合に、当該周期の始点(又は終点)を示す時間である。
【0084】
エリア毎で、エネルギー効率の高い車両を特定する場合に、エリア内の道路状況は時間と共に変化するため、時間間隔が空いた場合には、同じエリアであっても、異なる道路状況下で、エネルギー効率を評価していることになる。そのため、本例では、比較対象となるエネルギー情報を、所定の時間毎に分けた上で、エネルギー情報を抽出し、エネルギー効率の高い車両を特定する。
【0085】
例えば、上記の所定の時間を15分とした場合で、基準時刻を17時15分とする。この条件において、
図8の車両Aのエネルギー情報及び車両Dのエネルギー情報は、基準時刻(17時15分)から15分以内の情報である。そのため、車両特定部113は、車両A及び車両Dのエネルギー情報を、エネルギー効率のよい車両を特定するための情報として抽出する。一方、例えば、データベース101に、
図8の車両Aの属するエリア内の位置情報及び車両Aと同じ車種情報をもち、かつ、測定時刻を17時5分とする、エネルギー情報が記録されている場合には、車両特定部113は、当該エネルギー情報を、エネルギー効率のよい車両を特定するための情報として抽出せず、他の時間区分で、エネルギー効率のよい車両を特定する際に抽出する。
【0086】
そして、車両特定部113は、車両の位置、車種及び測定時刻の条件に基づき、エリア毎にエネルギー情報を抽出した後、各エネルギー情報の電力消費率を比較することで、エネルギー効率のよい車両を特定する。この際、燃費消費率が0より高いエネルギー情報は、燃料を消費している分、エネルギー効率が悪いため、エネルギー効率のよい車両を特定するための情報から省くとよい。
【0087】
図8の例では、車両Dの電力消費率(Wh/km)が、車両Aの電力消費率より低いため、車両特定部113は、車両Dをエネルギー効率のよい車両として特定する。また、車両特定部113は、エリア毎で、電力消費率を比較する際に、比較対象となるエネルギー情報が3つ以上ある場合には、最も電力消費率が低いエネルギー情報の車両を、エネルギー効率のよい車両として特定する。そして、車両特定部113は、中型に限らず、小型など他の車種についても、同様にエネルギー効率のよい車両として特定する。
【0088】
車両特定部113により、エリア毎で、エネルギー効率のよい車両を特定すると、データベース管理部113は、
図10に示すテーブルにて、エネルギー効率のよい車両を、エリア毎に記録する。例えば、
図10に示すテーブルが、
図9のエリアBにおける、エネルギー効率のよい車両のテーブルとする。そして、
図8の車両A、Dのエネルギー情報の位置がエリアBに属していたとする。
【0089】
この場合に、上記のような、車両特定部113の車両特定制御によって、エリアBでは、車両Dが、エネルギー効率のよい車両として特定されている。そのため、
図10に示すテーブルにおいて、中型のデータには、
図8の車両Dのデータが格納される。他の車種についても、同様に、車両特定部113の車両特定制御により特定された車両のエネルギー情報を、
図10のテーブルにより、データベース101に記録する。すなわち、
図10に示すテーブルは、エリア毎にあるため、サーバC/U110は、当該テーブルを参照することで、エリア内で最もエネルギー効率のよい車両のエネルギー情報を特定することができる。
【0090】
これにより、車両特定部113は、エネルギー情報取得部111により取得したエネルギー情報の位置情報に対応する、エリアを特定した上で、エリアに属する複数の車両のうち、エネルギー効率のよい車両を、当該複数の車両のエネルギー情報に基づき特定する。また、データベース記録部112は、車両特定部113で特定された、エリア内で最もエネルギー効率のよい車両をデータベース101上で、
図10のテーブルにより管理している。
【0091】
車両特定部113は、エリア毎の、エネルギー効率のよい車両を特定する制御を所定の周期で行っている。そのため、
図10で示される、エネルギー効率のよい車両のエネルギー情報は、さらにエネルギー効率のよい車両が特定される度に更新される。
【0092】
少なくとも
図10に示すテーブルが構築された後に、車両特定部113は、上記と同様に、エネルギー情報取得部111で取得したエネルギー情報に基づいて、エリア毎に、エネルギー効率のよい車両を特定した上で、特定した車両のエネルギー情報の電力消費率と、
図10に記録されている車両の電力消費率とを比較する。そして、新たに特定された車両の電力消費率が、
図10のテーブルでデータベース101に記録されている車両の電力消費率より低い場合には、データベース管理部112は、当該新たに特定された車両のエネルギー情報にデータベース112を書き換えることで、データベース112のエネルギー情報を更新する。
【0093】
これにより、データベース管理部112は、エネルギー情報取得部111で取得したエネルギー情報に基づき、エネルギー効率のよい車両を新たに特定した場合には、データベース101に記録された情報を更新する。
【0094】
次に、車両A、Bから、エネルギー効率のよい車両のエネルギー情報を取得する旨の要求があった場合における、本例の車両制御システムの制御を説明する。
【0095】
車両A、Bの統合コントロールユニット60は、例えばメインスイッチをオンした後に、エネルギー効率のよい車両のエネルギー情報を取得する旨の要求信号を、サーバ100に送信する。この際、ナビゲーションシステム66により、現在地から目的地までの走行ルートが確定し、走行ルート上の走行時刻が予測されている場合には、統合コントロールユニット60は、当該走行ルート及び当該走行時刻の情報を要求信号に含めてサーバ100に送信する。
【0096】
サーバC/U110は、通信部102により車両A、Bからの要求信号を受信する。車両特定部113は、データベース101に記録されている情報のうち、エネルギー効率のよい車両がエリア毎に記録されている情報(
図10のテーブルの情報)と、要求信号を送信した車両の位置情報とを参照して、最もエネルギー効率のよい車両を特定する。
【0097】
具体的には、車両Aが、現在地を示す位置情報を含めて、要求信号を送信した場合には、車両特定部113は、当該位置情報を含むエリアを抽出し、抽出したエリアで、車両Aが要求信号を送信した時刻と対応するテーブルを、データベース101から抽出する。
図10のテーブルは、一定の時間の毎に区切られた時間内で最もエネルギー効率のよい車両が特定されているため、車両特定部113は、要求信号の送信時刻を含む、区切られた時間を特定することで、要求信号の送信時刻と対応するテーブルを、データベース101から抽出する。
【0098】
また、車両Aが、ナビゲーションシステム66で検索した走行ルート(車両の位置情報に相当する)及び予想走行時刻を含む情報を、要求信号を送信した場合には、車両特定部113は、当該走行ルートで示される位置情報を含む複数のエリアを抽出する。また車両特定部113は、抽出した複数のエリアで、当該予想走行時刻と対応するテーブルをデータベース101からそれぞれ抽出する。
【0099】
そして、車両特定部113は、抽出したテーブルの中から、車両Aと同じ車種の車両を、最もエネルギー効率のよい車両として特定し、当該車両のエネルギー情報をテーブルから抽出する。
【0100】
例えば、
図10のテーブルを、
図9のエリアBのテーブルとし、車両Aの現在地をエリアBとし、車両Aからの要求信号の送信時刻を17時18分と仮定する。車両特定部113は、車両Aの現在値からエリアBを特定し、要求信号の送信時刻と特定されたエリアBに基づき、データベース101から、
図10のテーブルを抽出する。そして、車両特定部113は、当該テーブルから、車両Aと同じ中型の車両Dを、最もエネルギー効率のよい車両として特定し、車両Dのエネルギー情報を抽出する。
【0101】
最もエネルギー効率のよい車両を特定した後、統合コントロールユニット60は、特定された車両のエネルギー情報からアクセル開度の情報を抽出する。そして、統合コントロールユニット60は、車両Aからの要求信号に対する応答信号として、最もエネルギー効率のよい車両のアクセル開度を車両Aに送信する。
【0102】
車両Aは、サーバ100からアクセル開度を受信する。車両Aの現在地が、当該最もエネルギー効率のよい車両と対応するエリア内にある場合に、又は、当該エリアに近づいた場合に、アクセルペダル制御部67は、受信したアクセル開度と、予め設定されている踏力増加閾値(Ao)とを比較する。
【0103】
そして、受信したアクセル開度が踏力増加閾値(Ao)より
小さい場合には、アクセルペダル制御部67は、踏力増加閾値(Ao)を受信したアクセル開度に設定する。一方、受信したアクセル開度が踏力増加閾値(Ao)
以上である場合には、アクセルペダル制御部67は、踏力増加閾値(Ao)を変更しない。
【0104】
これにより、アクセルペダル制御部67は、エネルギー効率がよいとして特定された他車両のアクセル開度に基づき、自車両の駆動系であるアクセルペダル装置200を制御することで、予め設定されていた踏力増加閾値(Ao)より、小さいアクセル開度で、アクセルペダル装置200による踏力の増加制御が行われる。そして、新たに設定した踏力増加閾値(Ao)は、対象となるエリア内でエネルギー効率のよい車両とのアクセル開度に基づいて設定されるため、車両Aは、当該エネルギー効率がよい他車両の走行パターン(アクセル操作)を真似て走行することができ、車両Aのエンジン効率を向上させることができる。
【0105】
次に、
図11を用いて、車両制御システムの制御フローを説明する。
図11は、車両制御システムの制御手順を示すフローチャートである。
【0106】
ステップS101にて、車両Aはメモリ91に記録されているエネルギー情報をサーバ100に送信する。ステップS301にて、車両Bはメモリ91に記録されているエネルギー情報をサーバ100に送信する。
【0107】
ステップS201にて、サーバ100のサーバC/U110は、通信部102で、エネルギー情報を受信したか否かを判定する。エネルギー情報を受信していない場合には、ステップS206に遷る。
【0108】
エネルギー情報を受信した場合には、エネルギー情報取得部111は、通信部102で受信した信号からエネルギー情報を取得し、データベース管理部112は、取得したエネルギー情報をデータベース101に記録する(ステップS202)。エネルギー情報をデータベース101に記録する際には、データベース管理部112は、エネルギー情報の位置情報、車種情報及び測定時刻情報と、データベース101に既に記録されている、これらの情報とを対応づけて、記録する。
【0109】
ステップS203にて、車両特定部113は、データベース101に記録されているエネルギー情報に基づいて、エリア毎に、最もエネルギー効率のよい車両を特定する。
【0110】
ステップS204にて、データベース管理部112は、最もエネルギー効率のよい車両としてテーブル(
図10のテーブル)により記録されている当該車両のエネルギー情報と、ステップS203で特定された車両のエネルギー情報とを比較し、データベース101の当該テーブルを更新する必要があるか否かを判定する。
【0111】
ステップS203で特定された車両の電力消費率が
図10のテーブルの車両の電力消費率より低い場合には、データ管理部112は、データベース101を更新させる必要がある、と判定する。そして、ステップS205にて、データベース管理部112は、データベース111を更新する。一方、ステップ204で、データベース101を更新させる必要がない、と判定された場合には、ステップS206に遷る。
【0112】
車両A側の制御に遷り、ステップS102にて、統合コントロールユニット60は、エネルギー情報を要求する旨の信号をサーバ100に送信する。
【0113】
サーバ100側の制御に遷り、ステップS206にて、統合コントロールユニット60は、車両からエネルギー情報を取得する旨の制御信号を受信したか否かを判定する。車両からのエネルギー情報の要求がない場合には、サーバ100側の制御を終了する。
【0114】
車両からのエネルギー情報の要求がある場合には、ステップS207にて、車両特定部113は、車両Aの位置情報に基づき、データベース101の情報を参照して、当該位置情報に対応するエリアで最もエネルギー効率のよい車両を特定する。ステップS208にて、サーバC/U110は、特定した車両のアクセル開度を少なくとも含んだ情報の信号を車両Aに送信する。
【0115】
車両A側の制御に遷り、ステップS103にて、統合コントロールユニット60は、サーバ100からアクセル開度の情報の受信を確認する。ステップS104にて、アクセルペダル制御部67は、受信したアクセル開度と、予め設定されている踏力増加閾値(Ao)とを比較する。受信したアクセル開度が、予め設定されている踏力増加閾値(Ao)より小さい場合には、設定されていた踏力増加閾値(Ao)を、受信したアクセル開度に変更する。そして、車両A側の制御を終了する。
【0116】
一方、受信したアクセル開度が、予め設定されている踏力増加閾値(Ao)
以上である場合には、踏力増加閾値(Ao)を変更せずに、車両A側の制御を終了する。
【0117】
上記のように、本例は、少なくとも車両のアクセル開度の情報を含む、エネルギー情報を取得し、複数の車両のうち、エネルギー効率のよい車両をエネルギー情報に基づき特定し、エネルギー効率のよい車両として特定された他車両のアクセル開度に基づき、自車両の駆動系を制御する。これにより、自車両において、エネルギー効率のよい車両のアクセル開度を真似るように、駆動系が制御されるため、自車両のエネルギー効率を向上させることができる。
【0118】
また本例は、エネルギー情報取得部111で取得したエネルギー情報の位置情報に対応する、地図データ上のエリアを特定し、特定されたエリア内で、エネルギー効率のよい車両を、当該エリア内に属する複数の車両のエネルギー情報に基づき特定する。これにより、エリア毎の異なる道路状況に合うよう、それぞれのエリアでエネルギー効率のよい車両を特定することができるため、当該車両のアクセル開度に基づいて車両の駆動系を制御することで、エネルギー効率を高めることができる。
【0119】
また、本例は、エネルギー情報の位置情報と、地図データ上のエリアとを対応させてデータベース101に情報を記録し、エリア内で最もエネルギー効率のよい車両をデータベースで管理し、新たにエネルギー効率のよい車両が特定された場合には、データベース101を更新する。これにより、よりエネルギー効率のよい車両が表れた場合にも、この車両のエネルギー情報に合わせて、データベース101のデータを更新させることができるため、エネルギー効率がよい最新の車両の情報を管理することができる。また、道路の形状や法定速度の変更など、エリア内で道路状況が変わった場合でも、道路状況の変化に対応して、新たにエネルギー効率のよい車両の情報を管理することができる。その結果として、エネルギー効率を高めることができる。
【0120】
また本例は、データベース101に記録されているエネルギー情報と、エネルギー情報取得部111で取得されたエネルギー情報とを、位置情報を対応しつつ比較して、エネルギー効率のよい車両を特定する。これにより、同じ道路状況下で、エネルギー情報を比較することができるため、エネルギー効率のよい車両を特定する際の精度を高めることができる。
【0121】
なお、本例では、サーバ100から送信されたアクセル開度に基づく駆動系の制御の一つとして、アクセルペダル装置200の制御を挙げたが、本令は、他の駆動系を制御してもよい。
【0122】
本発明の変形例について説明する。車両Aには、自動速度制御装置が設けられている。自動速度制御装置は、運転者がアクセルペダルを踏まなくても、自動で速度を設定し、設定した速度を維持するように制御する制御装置(いわゆる、クルーズコントロール)である。統合コントロールユニット60は、サーバ100から、エネルギー効率のよい車両のアクセル開度の情報を受信すると、現時点の車速と受信したアクセル開度から、当該受信されたアクセル開度で走行した場合の車速を演算し、演算された速度を、自動速度制御装置の速度として設定する。
【0123】
これにより、本例は、エネルギー効率のよい車両のアクセル開度に基づき、駆動系として、自動速度制御装置を制御するため、エネルギー効率を高めることができる。
【0124】
本発明の他の変形例について説明する。本例では、サーバ100から送信されるアクセル開度に基づいて、運転者によるアクセルの踏み込みに対して踏力を増加することで駆動系を制御したが、運転者によるアクセルの踏み込み量を制御上、カットすることで、制御におけるアクセル開度が、エネルギー効率のよい車両のアクセル開度になるよう制御してもよい。
【0125】
サーバ100からアクセル開度が送信され、当該アクセル開度と対応するエリアを走行している場合に、統合コントロールユニット60は、サーバ100からアクセル開度が送信されたアクセル開度と、運転手のアクセル操作によるアクセル開度とを比較する。そして、アクセル操作によるアクセル開度が、サーバから送信されたアクセル開度より大きい場合には、統合コントロールユニット60は、これらのアクセル開度の差分を演算し、アクセル操作によるアクセル開度から当該差分をカットする。
【0126】
そして、統合コントロールユニット60は、カットされた後のアクセル開度をモータコントロールユニット80に送信し、モータコントロールユニット80は、当該アクセル開度にトルク指令値を演算し、インバータ35を制御する。
【0127】
これにより、本例は、エネルギー効率のよい車両のアクセル開度に基づき、アクセル操作に基づくアクセル開度をカットし、駆動系のインバータ35を制御するため、エネルギー効率を高めることができる。
【0128】
また本例では、サーバ100から車両Aに、アクセル開度の情報を送信し、車両A側でアクセル開度に基づき踏力増加閾値を設定した。本例の変形例では、サーバ100側が、車両特定部113で特定された車両のアクセル開度に基づき、車両Aの踏力増加閾値を設定し、設定した踏力増加閾値を含む制御信号を車両Aに送信する。そして、車両A側では、アクセルペダル制御装置200は、予め設定されていた踏力増加閾値を、受信した制御信号に含まれる踏力増加閾値に変更する。すなわち、サーバC/U110が、車両特定部113で特定された車両のアクセル開度に基づき、車両の駆動系を制御する制御信号を生成して、当該車両Aに送信する。これにより、車両Aのエネルギー効率を高めることができる。
【0129】
なお、本例では、メインスイッチ(図示しない)のオン及びオフのタイミングでエネルギー情報を送信したが、区分けしたエリアの大きさ及び車速と対応させて、送信してもよい。エリアの大きさは予め決まっているため、車速が決まれば、エリアを跨ぐタイミングが定まる。そのため、エリアを跨ぐタイミングで、情報を送信するように、送信周期を設定することで、走行ルートが予め設定されていない場合でも、通過するエリアに応じて、エネルギー効率のよい他車両のアクセル開度で、自車両の駆動系を制御することができる。
【0130】
また、本例は、エネルギー効率のよい車両のアクセル開度を取得する要求信号も、上記と同様に、エリアの大きさ及び車速と対応させて、送信してもよい。
【0131】
なお、本例の車両制御システムで制御される車両は、
図1に示すハイブリッド車両に限らず、他の構成のハイブリッド車両でもよく、電気自動車でもよく、エンジンを主な駆動源とした車両であってもよい。
【0132】
上記のエネルギー情報取得部111が本発明の「エネルギー情報取得手段」に相当し、車両特定部113が本発明の「特定手段」に、アクセルペダル制御部67又は統合コントロールユニット60が「駆動系制御手段」に、アクセルペダル装置200が「踏力設定手段」に相当する。
【0133】
《第2実施形態》
図12は、発明の他の実施形態に係る車両制御システムのブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、車両制御システムの制御の一部と、データベース101およびデータベース管理部112を有していない点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、その記載を適宜、援用する。
【0134】
図12に示すように、車両A、Bの統合コントロールユニット60は、ナビゲーションシステム66及びアクセルペダル制御部67の他に、エネルギー情報取得部68を有している。エネルギー情報取得部68は、車車間通信部51により車両A、B間で車車間通信を行う際に、他車両から受信した信号からエネルギー情報を取得して、メモリ91に記録する。
【0135】
次に、車両制御システムの制御について説明する。まず車両A、Bの制御について説明する。車両Aの統合コントロールユニット60は、サーバ100に対して、エネルギー効率のよい車両のエネルギー情報を取得する際に、車車間通信部51を制御して、周辺を走行する車両Bとの間で、車車間通信によりメモリ91に記録されたエネルギー情報を送受信する。また、車両Aは、車両B以外の他車とも車車間通信によりエネルギー情報を送受信する。そのため、車両Aのエネルギー情報取得部68は、車両Bのエネルギー情報に加えて、車両B以外の他車のエネルギー情報を取得する。また、車車間通信部51で送信されるエネルギー情報は、送信時の車両の走行状態におけるエネルギー情報である。この時、第1実施形態と異なり、エネルギー情報には、各車両の位置情報および時刻情報が含まれておらず、
図8で示した情報のうち、本例のエネルギー情報は、車種、アクセル開度、電力消費率および燃料消費率を含む。
【0136】
そして、車両Aの統合コントロールユニット60は、エネルギー効率のよい車両のエネルギー情報を取得する旨の要求信号をサーバに送信する。この際、統合コントロールユニット60は、上記の車車間通信で取得した他車両のエネルギー情報も、サーバ100に送信する。
【0137】
次に、サーバ100側の制御について説明する。サーバC/U110は、車両Aからの要求信号を受信すると、エネルギー情報取得部111は、当該要求信号から他車両のエネルギー情報を取得する。車両特定部113は、エネルギー情報取得部111で取得したエネルギー情報から、車両Aと同じ車種のエネルギー情報を抽出する。
【0138】
車両特定部113は、抽出されたエネルギー情報のうち、燃料消費率が0より大きいエネルギー情報を除外した上で、各エネルギー情報の電力消費率を比較する。そして、車両特定部113は、電力消費率が最も小さいエネルギー情報の車両を特定する。
【0139】
本例では、サーバ100側でエネルギー効率のよい車両を特定する際に、車両特定部113は、車車間通信で取得した、現在、車両Aの周囲を走行している他車両のエネルギー情報を用いて、車両を特定している。そのため、車両特定部113で比較されるエネルギー情報について、測定時間は同じ時間、または、互いに近い時間となる。
【0140】
また、車車間通信は近距離で行われる通信であるため、車両特定部113で比較されるエネルギー情報の位置は、車両Aの近くである。ゆえに、本例では、第1実施形態にように、位置情報および測定時間の情報を用いて、情報を抽出しなくても、エネルギー情報を受信した時点で、位置情報および測定時間が限られているため、車両Aからサーバ100に送信されるエネルギー情報に、車両の位置情報および測定時間の情報を含めなくてもよい。また同様に、車車間通信の通信距離の特性から、本例は、第1実施形態のようなエリア(
図9で示すエリア)によるエネルギー情報の区分けを行わなくてもよい。
【0141】
これにより、本例は、車車間通信およびサーバ通信を行う際の、通信の情報量を削減することができる。また、サーバ100において、エネルギー情報を比較し、エネルギー効率のよい車両を特定する際に、サーバC/U110の演算負荷を軽減させることができる。
【0142】
電力消費率が最も小さいエネルギー情報の車両の特定後に、車両特定部113は、当該車両のエネルギー情報の電力消費率と、車両Aと同車種における基準電力消費率とを比較する。
【0143】
ここで、基準電力消費率とは、車種毎に予め設定されている閾値であって、例えば、車両が予め設定された走行条件で走行した場合に、バッテリ30で消費される電力消費量の平均的な割合を示す。すなわち、基準電力消費率は、車両Aと同車種の平均エネルギー効率を示す閾値である。
【0144】
特定された車両のエネルギー情報の電力消費率が基準電力消費率より低い場合には、車両特定部113は、当該車両をエネルギー効率のよい車両として特定する。そして、統合コントロールユニット60は、特定されたエネルギー効率のよい車両のアクセル開度の情報を車両Aに送信する。
【0145】
一方、特定された車両のエネルギー情報の電力消費率が基準電力消費率より高い場合には、車両特定部113は、当該車両をエネルギー効率のよい車両として特定しない。そして、統合コントロールユニット60は、他車両のアクセル開度を制御に利用できない旨の信号を車両Aに送信する。
【0146】
特定された車両のエネルギー情報の電力消費率が基準電力消費率より低い場合には、例えば現在の車両Aを走行している道路が渋滞している時など、バッテリ13の消費電力量が大きくなる状況で、車両が走行していることが予想される。かかる場合に、車両Aに対して、特定された車両のエネルギー情報を送信し、車両A側で、当該エネルギー情報に基づき駆動系が制御されたとしても、車両Aのエネルギー効率はよくならない。
【0147】
また他の例として、車両Aの周囲を走行している車両が少ない場合には、車両特定部113で比較対象となるエネルギー情報の数も少なくなるため、車両特定部113は、本来、電力消費率が高く、エネルギー効率が低い車両にもかからず、当該車両を電力消費率の低い車両として特定する可能性もある。かかる場合には、当該車両のエネルギー情報を用いて、車両Aの駆動系が制御されたとしても、車両Aのエネルギー効率はよくならない。ゆえに、本例では、特定された車両のエネルギー情報の電力消費率が基準電力消費率より高い場合には、エネルギー効率のよい車両として特定しない。
【0148】
アクセル開度の情報を受信した後の、車両Aの駆動系の制御は、第1実施形態の制御と同様であるため、説明を省略する。
【0149】
次に、
図13を用いて、車両制御システムの制御フローを説明する。
図13は、車両制御システムの制御手順を示すフローチャートである。
【0150】
ステップS401にて、車両Aは車車間通信部51により周囲の車両からエネルギー情報を受信する。ステップS402にて、車両Aは、サーバ通信部52により、受信した他車両のエネルギー情報をサーバ100に送信する。
【0151】
次にサーバ100側の制御処理に遷る。ステップS501にて、サーバC/U110は、通信部102で、エネルギー情報を受信したか否かを判定する。エネルギー情報を受信していない場合には、サーバ100側の制御を終了する。
【0152】
エネルギー情報を受信すると、ステップS502にて、車両特定部113は、受信したエネルギー情報の中で、車両Aの車種と同じ車種のエネルギー情報があるか否かを判定する。同じ車種のエネルギー情報がない場合には、サーバ100側の制御を終了する。
【0153】
同じ車種のエネルギー情報がある場合には、ステップS503にて、車両特定部113は、同じ車種のエネルギー情報の中で、電力消費率を比較して、最もエネルギー効率が高い車両を特定する。ステップS504にて、車両特定部113は、ステップS503で特定された車両の電力消費率と基準電力消費率とを比較し、特定された車両のエネルギー効率が車両Aと同車種の平均エネルギー効率より大きいか否かを判定する。
【0154】
特定された車両の電力消費率が基準電力消費率より高い場合には、ステップS505にて、サーバC/U110は、特定された車両のアクセル開度の情報を車両Aに送信する。
【0155】
一方、特定された車両の電力消費率が基準電力消費率以下である場合には、ステップS506にて、サーバC/U110は、他車両のアクセル開度を利用できない旨の信号を車両Aに送信する。
【0156】
車両A側の制御に戻り、ステップS403〜S405の制御処理は、
図11のステップS103〜S105の制御処理と同様であるため、説明を省略する。
【0157】
上記のように、本例は、自車両の周囲を走行する他車両のエネルギー情報を取得して、他車両のエネルギー情報を自車両からサーバに送信することで、サーバ側で他車両のエネルギー情報を取得する。そして、サーバ100側で、他車両のエネルギー情報に基づき、エネルギー効率のよい車両を特定する。これにより、サーバ側で、エネルギー効率のよい車両を特定する際に、車両の位置情報および時間情報を使用しなくてもよいため、通信の際のデータ量を削減することができ、またサーバ側の演算負荷を軽減することができる。
【0158】
また本例は、サーバ側で受信したエネルギー情報のエネルギー効率と、エネルギー効率の基準値とを比較することで、エネルギー効率のよい車両を特定する。これにより、エネルギー効率を特定する際の精度を高めることができる。
【0159】
なお、本例では、エネルギー効率がより車両の特定をサーバ100の制御より行ったが、車両側で行ってもよい。この際、基準電力消費率は、メモリ91に記録すればよい。これにより、サーバ100に、自車両の周囲を走行する車両のエネルギー情報を送信しなくてもよい。
【0160】
上記のエネルギー情報取得部68が本発明の「第2エネルギー情報取得手段」に相当する。